JP2006232115A - 車両用操舵装置 - Google Patents

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省二 小川
Tomio Nagata
富夫 永田
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Toshio Takano
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Abstract

【課題】 より迅速に路面状態の変化に対応することのできる車両用操舵装置を提供すること。
【解決手段】 ステアリング装置は、所定条件を満たす場合に、運転者のステアリング操作によらず自動的に転舵輪(詳しくはその転舵角θt)を所定の角度範囲θ0内で揺動させる。そして、転舵輪に作用する路面反力Fr(検出値Fr_d)を積極的に変化させることにより、直線走行中においても路面状態判定の実行を可能とする。
【選択図】 図4

Description

本発明は、路面状態判定機能を有する車両用操舵装置に関するものである。
近年、車両においては、ヨーレイト等の車両状態量と車両の運動状態との関係をモデル化した車両モデルに基づいて、路面状態やオーバーステア/アンダーステア特性等を検知し、その検知された車両環境要因に基づいて操舵特性の変更、或いはその転舵輪の舵角(転舵角)を自動的に制御する操舵制御システムが提案されている。
例えば、特許文献1に記載の車両用操舵装置は、転舵輪の舵角変更時に同転舵輪に作用する路面反力の代理変数としてラック軸力を検出し、この検出されたラック軸力を車両モデルに基づき設定された高μ路における理論ラック軸力と比較することにより路面状態の判定、即ち走行路面の摩擦抵抗の度合いを示す路面状態推定値を演算する。そして、その路面状態推定値の値がより摩擦抵抗の低い状態であることを示す値であるほど、ステアリングの舵角(操舵角)に対する転舵角の比率(オーバーオールギヤ比)を大きくする。即ち、車両の挙動が不安定となりやすい低μ路においては、操舵角の変更量に対する転舵角の変更量を小さくすることにより転舵角の変更速度を穏やかなものとする。そして、これにより、転舵角の急峻な変化に伴うアンダーステアの発生やその挙動の不安定化を効果的に抑制することができるようになる。
特開平11−99956号公報
しかしながら、上記従来例を含め、基本的に、こうした路面状態判定は車両の挙動に何らかの変化(操舵や制動又は加速)がない限り行うことができない。従って、従来、車両が直線走行状態にある場合等には、路面状態の変化を捉えることができないという問題があり、この点においてなお改善の余地を残すものとなっていた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、より迅速に路面状態の変化に対応することのできる車両用操舵装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、検出される車両状態量と該車両状態量の理論値との比較により車両走行路の路面状態を判定する路面状態判定手段を備えた車両用操舵装置であって、転舵輪の転舵角を変更可能な転舵アクチュエータと、該転舵アクチュエータの作動を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、所定条件を満たす場合に、ステアリング操作によらず自動的に前記転舵輪を所定の角度範囲内で揺動させるべく前記転舵アクチュエータの作動を制御すること、を要旨とする。
請求項2に記載の発明は、転舵輪に作用する路面反力を検出する路面反力検出手段と、前記路面反力の理論値を演算する理論路面反力演算手段と、前記検出された路面反力の検出値と前記演算された理論値との比較により車両走行路の路面状態を判定する路面状態判定手段とを備えた車両用操舵装置であって、前記転舵輪の転舵角を変更可能な転舵アクチュエータと、該転舵アクチュエータの作動を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、所定条件を満たす場合に、ステアリング操作によらず自動的に前記転舵輪を所定の角度範囲内で揺動させるべく前記転舵アクチュエータの作動を制御すること、を要旨とする。
上記各構成によれば、車両に作用する各種の車両状態量、具体的には請求項2の構成においては転舵輪に作用する路面反力を積極的に変化させることができ、これにより、例えば直線走行中においても路面状態判定の実行が可能となる。その結果、より迅速に路面状態の変化に対応することができるようになる。尚、この場合の「理論値」は、例えば乾いたアスファルト路面等、任意の高μ路を基準路面として設定すればよい。また、転舵輪の揺動幅(角度範囲)は車両の挙動を乱さない程度の微小角とするとよく、更に同角度範囲及びその揺動速度を車速に応じて変化させるようにするとなおよい。
請求項3に記載の発明は、検出される路面反力に応じた操舵反力をステアリングに付与すべく制御される反力アクチュエータを備え、前記制御手段は、前記自動的に前記転舵輪を揺動させるべく前記転舵アクチュエータの作動を制御する際、前記付与する操舵反力を該揺動制御の開始時点の値で一定とすべく前記反力アクチュエータの作動を制御すること、を要旨とする。
請求項4に記載の発明は、前記ステアリングは、前記転舵輪と機械的に分離され、前記転舵アクチュエータは、前記ステアリング操作に応じた前記転舵角を発生させるべく前記制御されること、を要旨とする。
上記構成によれば、転舵輪揺動制御時の路面反力の変化が操舵反力に反映されないため、それに伴うステアリングの微振動の発生等を防止することができ、これにより、転舵輪揺動制御時においても良好な操舵フィーリングを維持することができるようになる。尚、こうした操舵反力保持制御は、請求項4の構成のようなステアバイワイヤ式の車両用操舵装置のみならず、例えば伝達比可変式の車両用操舵装置であっても反力アクチュエータを備えたものであれば、容易に具現化することができる。
請求項5に記載の発明は、前記制御手段は、前記転舵角が所定時間以上一定である場合に、前記自動的に前記転舵輪を揺動させるべく前記転舵アクチュエータの作動を制御すること、を要旨とする。
請求項6に記載の発明は、前記制御手段は、車両が直進状態にある場合に、前記自動的に前記転舵輪を揺動させるべく前記転舵アクチュエータの作動を制御すること、を要旨とする。
請求項7に記載の発明は、前記判定により前記路面状態が低μ路であると判定された場合に、その旨を警告する警告手段を備えること、を要旨とする。
上記構成によれば、路面状態の変化をいち早く運転者に知らしめることができ、これにより急操舵や急制動等、運転者の急操作に起因する車両挙動の不安定化を未然に防止することができるようになる。
請求項8に記載の発明は、前記転舵アクチュエータは、ステアリングの操舵角に対する前記転舵角の比率であるオーバーオールギヤ比を可変可能なものであり、前記制御手段は、前記判定により前記路面状態が低μ路であると判定された場合に、その摩擦抵抗が低いほど、前記オーバーオールギヤ比を大とすべく、前記転舵アクチュエータの作動を制御すること、を要旨とする。
上記構成によれば、車両の挙動が不安定となりやすい低μ路においては、操舵角の変更量に対する転舵角の変更量を小さく、即ち転舵角の変更速度を穏やかなものとすることができる。そして、これにより、運転者の急操舵に起因するアンダーステアの発生や車両挙動の不安定化を抑制することができるようになる。
本発明によれば、より迅速に路面状態の変化に対応することが可能な車両用操舵装置を提供することができる。
以下、本発明をステアバイワイヤ式の車両用操舵装置(ステアリング装置)に具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態のステアリング装置1は、ステアリング(ハンドル)2を含む操舵機構3と転舵輪4の舵角を変更するための転舵機構5とが機械的に非連結、即ちステアリング2と転舵輪4とが機械的に分離された所謂ステアバイワイヤ式の車両用操舵装置である。
操舵機構3は、ステアリング2が固定されたステアリングシャフト6と、ステアリング操作に伴うステアリング2の舵角、即ち操舵角θsを検出するための操舵角検出手段としての操舵角センサ7とを備えている。そして、転舵機構5は、操舵角センサ7により検出される操舵角θsに基づいて、そのステアリング操作に応じた転舵輪4の舵角を発生させるための転舵アクチュエータ8を備えている。本実施形態では、転舵機構5は、タイロッド9及びナックルアーム10を介して左右の転舵輪4を連結する転舵軸12を有しており、転舵アクチュエータ8は、駆動源としてのモータ13と該モータ13の回転を転舵軸12の往復動に変換する変換機構14とを備えている。尚、本実施形態の転舵アクチュエータ8は、転舵軸12と同軸配置されたブラシレスモータを有し、変換機構14としてボール螺子機構を備えている。そして、この転舵アクチュエータ8により駆動された転舵軸12の往復動が転舵輪4に伝達されることにより、同転舵輪4の舵角、即ち転舵角θtが変更されるようになっている。
また、本実施形態では、操舵機構3は、ステアリング操作によってステアリング2に印加される操舵トルクτを検出するための操舵トルク検出手段としてのトルクセンサ16と、該検出された操舵トルクτ(及び後述する路面反力Fr)に応じた操舵反力をステアリング2に付与するための反力アクチュエータ17とを備えている。反力アクチュエータ17は、駆動源としてのモータ18と、該モータ18の回転を減速してステアリングシャフト6に伝達する減速機構19とを備えている。尚、本実施形態では、反力アクチュエータ17のモータ18には、転舵アクチュエータ8のモータ13と同様にブラシレスモータが採用されている。そして、反力アクチュエータ17は、減速機構19を介してモータ18の発生するモータトルクをステアリングシャフト6に伝達することによりステアリング2に操舵反力を付与するようになっている。
本実施形態では、転舵アクチュエータ8及び反力アクチュエータ17は、制御手段としての制御装置20によりその作動が制御されている。詳述すると、転舵アクチュエータ8のモータ13及び反力アクチュエータ17のモータ18は、制御装置20と接続されており、各モータ13,18は、制御装置20から供給される三相(U,V,W)の駆動電力に基づいて回転する。そして、制御装置20は、その駆動電力の供給を通じて各モータ13,18の回転を制御することにより、転舵アクチュエータ8及び反力アクチュエータ17の作動を制御する。具体的には、制御装置20は、上記操舵角センサ7及びトルクセンサ16、並びに車速センサ21の出力信号に基づいて操舵角θs、操舵トルクτ及び車速Vを検出する。また、転舵軸12には、変位量センサ22が設けられており、制御装置20は、この変位量センサ22の出力信号に基づいて転舵輪4の転舵角θtを決定する同転舵軸12の軸方向の変位量Xを検出する。そして、制御装置20は、その検出された操舵角θs、車速V及び変位量Xに基づいて、転舵輪4の転舵角θtを変更すべく転舵アクチュエータ8の作動を制御し、操舵トルクτ及び車速V(並びに路面反力Fr)に基づいて、操舵反力を付与すべく反力アクチュエータ17の作動を制御する。
次に、制御装置20による転舵アクチュエータ8及び反力アクチュエータ17の制御態様について説明する。
図2は、本実施形態のステアリング装置1の制御ブロック図である。同図に示すように、制御装置20は、転舵アクチュエータ8を制御するための第1ECU23と、反力アクチュエータ17を制御するための第2ECU24とを備えている。そして、これら第1ECU23及び第2ECU24は、それぞれ各モータ13,18を制御するためのモータ制御信号を出力するマイコン25,26と、そのモータ制御信号に基づいて各モータ13,18に駆動電力を供給する駆動回路27,28とを備えている。尚、以下に示す、各マイコン25,26内の各制御ブロックは、これらマイコン25,26が実行するコンピュータプログラムにより実現されるものである。
先ず、転舵アクチュエータ8を制御する第1ECU23側のマイコン25の構成について説明する。マイコン25は、転舵輪4の制御目標角に対応する転舵軸12の変位量指令X*を生成する変位量指令演算部31と、その変位量指令X*及び検出された変位量Xに基づいて位置制御量εを演算する位置制御演算部32と、その位置制御量εに基づいて駆動回路27に出力するモータ制御信号を生成するモータ制御信号生成部33とを備えている。
変位量指令演算部31には、操舵角θs及び車速Vが入力され、変位量指令演算部31は、これら操舵角θs及び車速Vに基づいて変位量指令X*を生成し、その変位量指令X*を位置制御演算部32に出力する。位置制御演算部32には、この変位量指令X*とともに、変位量センサ22により検出された変位量Xが入力される。そして、位置制御演算部32は、これら変位量指令X*及び変位量Xに基づくフィードバック制御により位置制御量εを演算し、その位置制御量εをモータ制御信号生成部33に出力する。モータ制御信号生成部33には、位置制御演算部32により算出された位置制御量εとともに、電流センサ34により検出された実電流値及び回転角センサ35により検出されたモータ13の回転角が入力される。そして、モータ制御信号生成部33は、これら位置制御量ε、実電流値及び回転角に基づいてモータ制御信号を生成し、このモータ制御信号を駆動回路27に出力する。そして、そのモータ制御信号に応じた駆動電流がモータ13に供給されることにより、転舵輪4の転舵角θtをその制御目標角に追従させるべくモータ13の回転、即ち転舵アクチュエータ8の作動が制御されるようになっている。
一方、反力アクチュエータ17を制御する第2ECU24側のマイコン26は、ステアリング2に付与する操舵反力の制御目標量、即ちモータ18に供給する駆動電流の電流指令値として操舵反力指令Iq*を演算する操舵反力指令演算部41と、この操舵反力指令Iq*に基づいて駆動回路28に出力するモータ制御信号を生成するモータ制御信号生成部42とを備えている。
また、本実施形態では、マイコン26は、転舵輪4に作用する路面反力Frを推定する路面反力推定演算部43を備えており、操舵反力指令演算部41は、この路面反力推定演算部43により推定された路面反力Frに基づいて操舵反力指令Iq*を演算する。即ち、本実施形態では、路面反力推定演算部43により路面反力検出手段が構成されている。そして、その操舵反力指令Iq*に基づく駆動電力がモータ18に供給、即ち反力アクチュエータ17の作動が制御されることにより転舵輪4に作用する路面反力Frに応じた(路面反力Frの反映された)操舵反力がステアリング2に付与されるようになっている。
詳述すると、本実施形態では、路面反力推定演算部43には、上記変位量X及び電流センサ34により検出された実電流値、即ち転舵アクチュエータ8側のモータ13に通電される実電流値が入力される。そして、路面反力推定演算部43は、これら変位量X及び実電流値に基づいて転舵軸12に作用する軸力を演算し、その軸力を転舵輪4に作用する路面反力Frと推定する。操舵反力指令演算部41には、この路面反力推定演算部43により推定された路面反力Frとともに、操舵トルクτ及び車速Vが入力される。そして、操舵反力指令演算部41は、これら操舵トルクτ、路面反力Fr、及び車速Vに基づいて操舵反力指令Iq*を演算し、その操舵反力指令Iq*をモータ制御信号生成部42へと出力する。モータ制御信号生成部42には、操舵反力指令Iq*とともに、電流センサ44により検出された実電流値及び回転角センサ45により検出されたモータ18の回転角が入力される。そして、モータ制御信号生成部42は、これら操舵反力指令Iq*、実電流値及び回転角に基づきモータ制御信号を生成し、そのモータ制御信号を駆動回路28へと出力する。そして、このモータ制御信号に応じた電流値を有する駆動電流がモータ18に供給されることにより、その操舵トルクτ、路面反力Fr、及び車速Vに応じた操舵反力がステアリング2に付与されるようになっている。
また、本実施形態では、この第2ECU24側のマイコン26は、車両走行路の路面状態、具体的にはその摩擦抵抗の度合いを判定する路面状態判定装置としての機能を有している。詳述すると、本実施形態のマイコン26は、上記路面反力推定演算部43に加え、高μ路走行時における路面反力Frの理論値Fr_thを演算する路面反力理論値演算部46と、路面反力推定演算部43により検出された路面反力Frの検出値Fr_dと路面反力理論値演算部46により演算された理論値Fr_thとの比較により車両走行路の路面状態を判定する路面状態判定部47とを備えている。即ち、本実施形態では、路面反力理論値演算部46が理論路面反力演算手段を構成し、路面状態判定部47が路面状態判定手段を構成する。
本実施形態では、路面反力理論値演算部46には、転舵軸12の変位量X及び車速Vが入力されるようになっており、同路面反力理論値演算部46は、これら変位量X及び車速Vに基づいて、その変位量Xにより規定される転舵角θt(及び車速)に応じた路面反力Frの理論値Fr_thを演算する。具体的には、路面反力理論値演算部46は、車両モデルに基づくシミュレーションや実験等により求められた、車速V及び転舵角θtと基準路面である高μ路(例えば乾いたアスファルト路面)走行時における路面反力Frの理論値Fr_thとの関係が記録された三次元マップを有している。そして、路面反力理論値演算部46は、この三次元マップを参照することにより、入力された変位量Xにより規定される転舵角θt(及び車速V)に対応する路面反力Frの理論値Fr_thを演算する。そして、路面状態判定部47は、この路面反力理論値演算部46により演算された理論値Fr_thと検出値Fr_dとの比較により車両走行路の路面状態、詳しくは、その摩擦抵抗(の高低)の度合いを判定する。
また、本実施形態のステアリング装置1は、上記路面状態判定の結果に基づいて、その操舵特性を変更する機能を有している。具体的には、制御装置20は、上記路面状態判定により車両走行路の路面状態が低μ路であると判定した場合には、その摩擦抵抗が低いほど、ステアリングの舵角(操舵角)に対する転舵角の比率、即ちオーバーオールギヤ比(操舵角θs/転舵角θt)を大とすべく転舵アクチュエータ8の作動を制御する。そして、これにより、車両の挙動が不安定となりやすい低μ路においては、操舵角θsの変更量に対する転舵角θtの変更量を小さく、即ち転舵角θtの変更速度を穏やかなものとして、アンダーステアの発生や車両挙動の不安定化を抑制するようになっている。
詳述すると、本実施形態では、路面状態判定部47は、上記路面状態判定の結果を、路面反力Frの理論値Fr_thを演算する基礎として設定された高μ路の摩擦抵抗に対して実際の走行路面の摩擦抵抗がどの程度低いかを示す指標である路面状態評価値Rとして出力する。尚、通常制御時における路面状態評価値Rの算出方法については、例えば、上述の特許文献1に記載の方法を参照されたい。また、マイコン26は、この路面状態判定部47の出力する路面状態評価値Rを第1ECU23側のマイコン25、詳しくはその変位量指令演算部31に出力する。そして、変位量指令演算部31は、この入力された路面状態評価値Rが小さい程、その出力する変位量指令X*の絶対値を小とする。そして、これにより、同路面状態評価値Rの値が小さい、即ち走行路面の摩擦抵抗が低いほど、オーバーオールギヤ比Grがその基本値Gr0(高μ路走行時、路面状態評価値R=1.0である場合の値)よりも大となるように転舵アクチュエータ8の作動が制御されるようになっている(ギヤ比可変制御、図3参照)。
また、本実施形態のステアリング装置1は、上記路面状態判定により車両走行路の路面状態が低μ路であると判定した場合に、車両搭乗者に対してその旨、即ち車両が低μ路を走行中であることを警告する警告機能を有している。詳述すると、ステアリング装置1は、音響効果(音声や警告音等)及び視覚効果(ウォーニングランプ点灯等)を通じた警告出力により車両搭乗者に対して低μ路走行中であることを警告可能な警告手段としての警告装置48を備えている。そして、本実施形態では、この警告装置48は、制御装置20(詳しくは第2ECU24)により、その作動が制御されている。具体的には、本実施形態では、路面状態判定部47の出力する路面状態評価値Rは、警告出力判定部49に入力され、警告出力判定部49は、その路面状態評価値Rが所定値R0以下である否かの判定により上記車両搭乗者に対する警告出力を行うか否かを判定する。そして、警告出力判定部49は、その判定結果を示す警告信号Swを出力し、マイコン26(第2ECU24)は、その警告信号Swを警告装置48に出力する。そして、警告装置48は、この第2ECU24から入力される警告信号Swが「ON」である場合に上記警告出力を行うようになっている。
(転舵輪揺動制御)
次に、本実施形態のステアリング装置における転舵輪揺動制御について説明する。
上述のように、基本的に上記路面状態判定は、車両の挙動に何らかの変化(操舵や制動又は加速)がない限り行うことができない。従って、例えば、車両が直線走行状態にある場合等には、路面状態の変化を捉えることができず、直線走行中にその走行路の路面状態が低μ路へと移行した場合等には、事実上、運転者の急操舵や急制動に起因する車両挙動の不安定化を有効に抑制することが困難であるという課題を残していた。
この点を踏まえ、本実施形態のステアリング装置1は、所定条件を満たす場合に、図4に示すように、運転者のステアリング操作によらず自動的に転舵輪4(詳しくはその転舵角θt)を所定の角度範囲θ0内で揺動させる(転舵輪揺動制御)。そして、転舵輪4に作用する路面反力Fr(検出値Fr_d)を積極的に変化させることにより、直線走行中においても上記路面状態判定の実行を可能とする。
詳述すると、図2に示すように、本実施形態では、転舵アクチュエータ8の作動を制御する第1ECU23側のマイコン25は、上記転舵輪揺動制御のオン/オフ判定、即ち同転舵輪揺動制御を開始するか否かを判定する開始判定部50を備えている。本実施形態では、ステアリング装置1は、運転者により操作可能な開始SW(開始スイッチ)51を備えており(図1参照)、開始判定部50には、この開始SW51が出力するオン/オフ信号Sjとともに、転舵角θtを規定する転舵軸12の変位量Xが入力されるようになっている。そして、開始判定部50は、オン/オフ信号Sjが「ON」、且つ変位量Xが所定時間以上「0」、即ち車両が直進状態にある場合に、上記転舵輪揺動制御を「オン」と判定する。
また、変位量指令演算部31は、ステアリング操作に応じた転舵角θtを発生させるための制御目標成分である通常制御目標量Xn*を演算し、及びギヤ比可変制御を行う通常制御演算部52に加え、ステアリング操作によらず自動的に転舵角θtを変更するための制御目標成分であるアクティブ制御目標量Xa*を演算するアクティブ制御演算部53を備えている。そして、同変位量指令演算部31は、これら通常制御目標量Xn*及びアクティブ制御目標量Xa*を重畳した値を変位量指令X*として出力する。
本実施形態では、開始判定部50による判定結果は、開始信号Ssとしてアクティブ制御演算部53に入力され、アクティブ制御演算部53は、この入力される開始信号Ssが「ON」である場合に、転舵輪4を所定の角度範囲θ0内で揺動させるためのアクティブ制御目標量Xa*を演算する。尚、本実施形態では、開始判定部50は、転舵輪揺動制御を「オン」と判定した場合には、所定時間、その出力する開始信号Ssを「ON」とする。また、本実施形態では、アクティブ制御演算部53には、車速Vが入力されるようになっており、入力される車速Vが大であるほど、上記の角度範囲θ0を小とし、及びその変化速度を緩やかとするようになっている。そして、変位量指令演算部31が、このアクティブ制御目標量Xa*の重畳された変位量指令X*を出力し、マイコン25がこの変位量指令X*に基づくモータ制御信号を出力することにより、転舵輪4を所定の角度範囲θ0内で揺動させるべく転舵アクチュエータ8の作動が制御されるようになっている。
また、本実施形態では、開始判定部50の出力する開始信号Ssは、路面状態判定部47にも入力されるようになっている。そして、路面状態判定部47は、上記転舵輪揺動制御時には、その転舵輪4の揺動に伴い変化する路面反力Frの検出値Fr_dの変化幅ΔFr_dをそれに対応する理論値Fr_thの変化幅ΔFr_thで除することにより求められる低下率α(α=ΔFr_d/ΔFr_th)に基づいて上記路面状態評価値Rを演算する(図4参照)。そして、その算出された路面状態評価値Rに基づいて上記ギヤ比可変制御及び警告出力がなされるようになっている。
(操舵反力保持制御)
次に、本実施形態のステアリング装置における転舵輪揺動制御時の操舵反力保持制御について説明する。上述のように、本実施形態のステアリング装置1では、反力アクチュエータ17は、検出された路面反力Frに応じた操舵反力をステアリング2に付与すべくその作動が制御される。従って、何らの手当てもしない場合、上記転舵輪揺動制御時の路面反力Frの変化が操舵反力に反映されることになり、その結果、ステアリング2の微振動等の発生により操舵フィーリングを損ねてしまうおそれがある。
この点を踏まえ、本実施形態では、制御装置20(第2ECU24)は、上記転舵輪揺動制御時には、ステアリング2に付与する操舵反力を該転舵輪揺動制御が開始された時点の値で一定とすべく反力アクチュエータ17の作動を制御する。そして、これにより、転舵輪揺動制御時においても良好な操舵フィーリングを維持することができるようになっている。
詳述すると、図2に示すように、本実施形態のマイコン26は、転舵輪揺動制御時にステアリング2に一定の操舵反力を付与するための制御目標量である保持操舵反力指令Iq_s*を出力する操舵反力指令保持部54を備えている。本実施形態では、操舵反力指令保持部54には、開始判定部50の出力する開始信号Ss及び操舵反力指令演算部41により演算された操舵反力指令Iq*が入力されるようになっており、同操舵反力指令保持部54は、開始信号Ssが「ON」となった場合に、その時点の操舵反力指令Iq*を保持操舵反力指令Iq_s*として記憶する。即ち、操舵反力指令保持部54は、転舵輪揺動制御が開始された時点の操舵反力指令Iq*を保持操舵反力指令Iq_s*として記憶する。そして、操舵反力指令保持部54は、入力される開始信号Ssが「OFF」、即ち転舵輪揺動制御が終了するまでその保持操舵反力指令Iq_s*を出力する。
本実施形態では、操舵反力指令演算部41の出力する操舵反力指令Iq*、及び操舵反力指令保持部54の出力する保持操舵反力指令Iq_s*は、開始信号Ssとともに、出力切替部55に入力される。そして、出力切替部55は、開始信号Ssが「OFF」の場合には、操舵反力指令演算部41が出力する操舵反力指令Iq*をモータ制御信号生成部42に出力し、開始信号Ssが「ON」の場合には、操舵反力指令保持部54の出力する保持操舵反力指令Iq_s*をモータ制御信号生成部42に出力する。
即ち、図5のフローチャートに示すように、マイコン26は、先ず、センサ値(車両状態量)として変位量X、実電流値Is、操舵トルクτ、操舵角θs、及び車速Vを取得し(ステップ101)、続いて路面反力Frの推定(ステップ102)、及びその路面反力Frに応じた操舵反力をステアリングに付与するための操舵反力指令Iq*の演算を実行する(ステップ103)。
次に、マイコン26は、第1ECU23側から入力される開始信号Ssが「ON」であるか否か、即ち上記転舵輪揺動制御が「オン」であるか否かを判定する(ステップ104)。そして、その判定が「オン」である場合(Ss=ON、ステップ104:YES)には、続いて操舵反力保持制御が実行されているか否か、即ち既に保持中であるか否かを判定する(ステップ105)。尚、保持中であるか否かの判定は、後述する保持フラグがセットされているか否かにより行われる。
次に、マイコン26は、このステップ105において、保持中ではない、即ち操舵反力保持制御の開始時であると判定した場合(ステップ105:NO)には、保持フラグをセットし(ステップ106)、その時点の操舵反力指令Iq*を保持値、即ち保持操舵反力指令Iq_s*として記憶する(ステップ107)。そして、その保持値(保持操舵反力指令Iq_s*)に基づくモータ制御信号を駆動回路28へと出力する(ステップ108)。また、マイコン26は、上記ステップ105において、既に保持中であると判定した場合(ステップ105:YES)には、上記ステップ106,107の処理を実行することなく、ステップ108において保持値(保持操舵反力指令Iq_s*)に基づくモータ制御信号を出力する。
一方、上記ステップ104において、ステップ104における判定が「オフ」であると判定した場合(Ss=OFF、ステップ104:NO)、マイコン26は、続いて保持中であるか否かを判定する(ステップ109)。そして、このステップ109において、保持中であると判定した場合(ステップ109:YES)には、保持フラグをリセットし(ステップ110)、上記ステップ103において演算された操舵反力指令Iq*、即ち現在の路面反力Frが反映された現在値に基づくモータ制御信号を駆動回路28に出力する(ステップ111)。尚、上記ステップ109において、保持中ではないと判定した場合(ステップ109:NO)には、上記ステップ110を実行することなく、ステップ111において、現在値(操舵反力指令Iq*)に基づくモータ制御信号を駆動回路28に出力する。
こうした上記一連の処理によって、通常時(非操舵反力保持制御時)には、操舵反力指令演算部41の出力する操舵反力指令Iq*に基づく駆動電力がモータ18に供給されることにより、現在の路面反力Frが反映された操舵反力がステアリング2に付与される。そして、操舵反力保持制御時には、操舵反力指令保持部54の出力する保持操舵反力指令Iq_s*に基づく駆動電力がモータ18に供給され、これにより同操舵反力保持制御の開始時点の値を有する一定の操舵反力がステアリング2に付与されるようになっている。
次に、本実施形態の制御装置による上記各制御の処理手順について説明する。
図6のフローチャートに示すように、制御装置20は、先ず、開始SW51が「オン」されているか否かを判定し(ステップ201)、続いて車両が直進中であるか否かを判定する(ステップ202)。そして、開始SW51が「オン」であり(ステップ201:YES)、且つ車両が直進中である場合(ステップ202:YES)には、ステアリング操作によらず自動的に転舵輪4を所定の角度範囲θ0内で揺動させるべく転舵アクチュエータ8の作動を制御(転舵輪揺動制御)し、及びステアリング2に付与する操舵反力を該転舵輪揺動制御が開始された時点の値で一定とすべく反力アクチュエータ17の作動を制御する(操舵反力保持制御、ステップ203)。尚、本実施形態では、開始SW51が「オフ」(ステップ201:NO)、又は車両が直進中ではない場合(ステップ202:NO)、制御装置20は、上記ステップ203の処理、即ち転舵輪揺動制御及び操舵反力保持制御を実行しない。
次に、制御装置20は、上述の路面状態評価値Rを演算し(ステップ204)、その演算された路面状態評価値Rに基づいてギヤ比可変制御を実行する(ステップ205)。そして、路面状態評価値Rが所定値R0以下であるか否かを判定し(ステップ206)、路面状態評価値Rが所定値R0以下である場合(R≦R0、ステップ206:YES)には、上記警告出力を実行する(ステップ207)。
以上、本実施形態によれば、以下のような特徴を得ることができる。
(1)制御装置20(第1ECU23)は、所定条件(開始SW51が「ON」、且つ車両直進中)を満たす場合に、ステアリング操作によらず自動的に転舵輪4(詳しくはその転舵角θt)を所定の角度範囲θ0内で揺動させるべく転舵アクチュエータ8の作動を制御する。このような構成とすれば、転舵輪4に作用する路面反力Fr(検出値Fr_d)を積極的に変化させることができ、これにより、例えば直線走行中においても路面状態判定の実行が可能となる。その結果、より迅速に路面状態の変化に対応することができるようになる。
(2)制御装置20(第2ECU24)は、転舵輪揺動制御時には、ステアリング2に付与する操舵反力を該転舵輪揺動制御が開始された時点の値で一定とすべく反力アクチュエータ17の作動を制御する。このような構成とすれば、転舵輪揺動制御時の路面反力Frの変化が操舵反力に反映されないため、それに伴うステアリング2の微振動の発生等を防止することができ、これにより、転舵輪揺動制御時においても良好な操舵フィーリングを維持することができるようになる。
(3)制御装置20は、路面状態判定により車両走行路の路面状態が低μ路であると判定した場合には、その摩擦抵抗が低いほど、ステアリングの舵角(操舵角)に対する転舵角の比率、即ちオーバーオールギヤ比(操舵角θs/転舵角θt)を大とすべく転舵アクチュエータ8の作動を制御する。このような構成とすれば、車両の挙動が不安定となりやすい低μ路においては、操舵角θsの変更量に対する転舵角θtの変更量を小さく、即ち転舵角θtの変更速度を穏やかなものとすることができる。そして、これにより、運転者の急操舵に起因するアンダーステアの発生や車両挙動の不安定化を抑制することができるようになる。
(4)ステアリング装置1は、路面状態判定により車両走行路の路面状態が低μ路であると判定した場合に、車両搭乗者に対してその旨、即ち車両が低μ路を走行中であることを警告する。このような構成とすれば、路面状態の変化をいち早く運転者に知らしめることができ、これにより急操舵や急制動等、運転者の急操作に起因する車両挙動の不安定化を未然に防止することができるようになる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・本実施形態では、制御手段としての制御装置20は、転舵アクチュエータ8を制御するための第1ECU23と、反力アクチュエータ17を制御するための第2ECU24とを備えることとした。しかし、これに限らず、転舵アクチュエータ8及び反力アクチュエータ17を制御する制御手段は、第1ECU23及び第2ECU24に相当するものが各々別体に設けられた構成であってもよい。
・本実施形態では、制御装置20は、検出された操舵角θs、車速V及び変位量Xに基づいて、転舵輪4の転舵角θtを変更すべく転舵アクチュエータ8の作動を制御することとした。しかし、これに限らず、転舵アクチュエータ8は、少なくとも操舵角θsに基づいて制御されるものであればよい。また、制御装置20は、操舵トルクτ及び車速V(並びに路面反力Fr)に基づいて、操舵反力を付与すべく反力アクチュエータ17の作動を制御することとしたが、路面反力Frに応じた操舵反力を付与可能なものであれば、路面反力Fr以外のパラメータは、操舵トルクτ及び車速Vに限るものではない。
・本実施形態では、路面反力推定演算部43は、変位量センサ22により検出された変位量X及び転舵アクチュエータ8の駆動源であるモータ13の実電流値に基づいて転舵軸12に作用する軸力を演算し、その軸力を転舵輪4に作用する路面反力Frと推定することとした。しかし、これに限らず、路面反力Frの推定には、位置制御演算部32により算出された位置制御量εを用いる構成としてもよい。
・また、制御装置20は、推定された路面反力Frを用いて反力アクチュエータの作動を制御することとしたが、路面反力Frは、歪みゲージ等を用いて転舵軸12に作用する軸力を検出する等、路面反力Frを直接的に検出する構成としてもよい。
・また、変位量Xは、必ずしも変位量センサ22により検出することはなく、回転角センサ35により検出されるモータ13の回転角から推定する構成としてもよい。
・本実施形態では、本発明をステアバイワイヤ式の車両用操舵装置(ステアリング装置)に具体化した。しかし、これに限らず転舵輪4を駆動可能なアクチュエータを有するものであれば、ステアリング2と転舵輪4とが機械的に連結された従来型のステアリング装置に具体化してもよい。即ち、ステアリング操作によらず自動的に転舵輪4を揺動させるアクチュエータは、電動パワーステアリング装置(EPS)のEPSアクチュエータや、伝達比可変装置の伝達比可変アクチュエータでもよく。また、伝達比可変アクチュエータに加えて反力アクチュエータも備えたステアリング装置であれば、転舵輪揺動制御時の操舵反力保持制御をも行うことが可能である。
・本実施形態では、転舵輪揺動制御を開始するための所定条件を、開始SW51が「オン」、且つ車両直進状態にある場合とした。しかし、これに限らず、開始SW51を廃して、所定間隔で自動的に開始判定を実行することとしてもよく、また、直進状態のみならず所定時間以上一定舵角である場合に同転舵輪揺動制御を実行することとしてもよい。
・また、本実施形態では、上記開始判定は、これらオン/オフ信号Sj及び変位量X(転舵角θt)のみらなず、車速Vや操舵角θs、或いはヨーレート等その他、任意の車両状態量に基づいて実行することとしてもよい。
・本実施形態では、路面反力理論値演算部46は、予め設定された三次元マップを参照することにより、入力された変位量Xにより規定される転舵角θt(及び車速V)に対応する路面反力Frの理論値Fr_thを演算することとした。しかし、これに限らず、車両モデルに基づく演算を逐次行うこととしてもよく、この場合の演算に用いるパラメータもまた車速及び転舵角θt(変位量X)に限るものではない。
・更に、本実施形態では、路面状態判定部47は、上記転舵輪揺動制御時には、その転舵輪4の揺動に伴い変化する路面反力Frの検出値Fr_dの変化幅ΔFr_dをそれに対応する理論値Fr_thの変化幅ΔFr_thで除することにより求められる低下率α(α=ΔFr_d/ΔFr_th)に基づいて上記路面状態評価値Rを演算することとした。しかし、これに限らず、転舵輪揺動制御時においても通常時と同様の方法で路面状態評価値Rを演算することとしてもよい。
・本実施形態では、路面反力Frの検出値Fr_dとその理論値Fr_thとの比較に基づいて路面状態判定を行うこととした。しかし、これに限らず、ヨーレートや加速度変化(横G等)について、その検出値と理論値との比較に基づいて路面状態判定を行うものに具体化してもよい。
・本実施形態では、路面状態判定により車両走行路の路面状態が低μ路であると判定した場合に、オーバーオールギヤ比を大とし、及び警告出力をすることとした。しかし、これに限らず、制動特性の立ち上がりを遅らせる、アクセルペダルの踏み込み量に対するエンジンのスロットル開度を小さくする、発進時の変速ギヤを高く(2速発進等)する、或いは、駆動輪の駆動力分配を変更する等、その他の対低μ路制御を実行することとしてもよい。また、転舵輪揺動制御時には、同制御を実行中であることを告知することとしてもよい。
・本実施形態では、上記転舵輪揺動制御時には、ステアリング2に付与する操舵反力を該転舵輪揺動制御が開始された時点の値で一定とすべく反力アクチュエータ17の作動を制御することとした。しかし、これに限らず、例えば、直進状態にある場合を転舵輪揺動制御の開始条件とする場合にあっては、Iq*=kθsの関数として弾力的とする。或いは、操舵角θsが所定の角度範囲内にあることを前提として操舵角θs=0となるように位置制御を行うこととしてもよい。
ステアリング装置の概略構成図。 ステアリング装置の制御ブロック図。 ギヤ比可変制御の態様を示す説明図。 転舵輪揺動制御、及び同制御時における路面状態判定の態様を示す説明図。 操舵反力保持制御の処理手順を示すフローチャート。 制御装置による各制御の処理手順を示すフローチャート。
符号の説明
1…ステアリング装置、2…ステアリング(ハンドル)、3…操舵機構、4…転舵輪、5…転舵機構、6…ステアリングシャフト、7…操舵角センサ、8…転舵アクチュエータ、12…転舵軸、16…トルクセンサ、17…反力アクチュエータ、20…制御装置、21…車速センサ、22…変位量センサ、23…第1ECU、24…第2ECU、25,26…マイコン、31…変位量指令演算部、55…出力切替部、θs…操舵角、θt…転舵角、θ0…角度範囲、τ…操舵トルク、V…車速、X…変位量、X*…変位量指令、Xn*…通常制御目標量、Xa*…アクティブ制御目標量、ε…位置制御量、Fr…路面反力、Fr_d…検出値、Fr_th…理論値、ΔFr_d,ΔFr_th…変化幅、α…低下率、R…路面状態評価値、R0…所定値、Ss…開始信号、Sj…オン/オフ信号、Sw…警告信号、Iq*…操舵反力指令、Iq_s*…保持操舵反力指令、Gr…オーバーオールギヤ比。

Claims (8)

  1. 検出される車両状態量と該車両状態量の理論値との比較により車両走行路の路面状態を判定する路面状態判定手段を備えた車両用操舵装置であって、
    転舵輪の転舵角を変更可能な転舵アクチュエータと、該転舵アクチュエータの作動を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、所定条件を満たす場合に、ステアリング操作によらず自動的に前記転舵輪を所定の角度範囲内で揺動させるべく前記転舵アクチュエータの作動を制御すること、を特徴とする車両用操舵装置。
  2. 転舵輪に作用する路面反力を検出する路面反力検出手段と、前記路面反力の理論値を演算する理論路面反力演算手段と、前記検出された路面反力の検出値と前記演算された理論値との比較により車両走行路の路面状態を判定する路面状態判定手段とを備えた車両用操舵装置であって、
    前記転舵輪の転舵角を変更可能な転舵アクチュエータと、該転舵アクチュエータの作動を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、所定条件を満たす場合に、ステアリング操作によらず自動的に前記転舵輪を所定の角度範囲内で揺動させるべく前記転舵アクチュエータの作動を制御すること、を特徴とする車両用操舵装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車両用操舵装置において、
    検出される路面反力に応じた操舵反力をステアリングに付与すべく制御される反力アクチュエータを備え、
    前記制御手段は、前記自動的に前記転舵輪を揺動させるべく前記転舵アクチュエータの作動を制御する際、前記付与する操舵反力を該揺動制御の開始時点の値で一定とすべく前記反力アクチュエータの作動を制御すること、を特徴とする車両用操舵装置。
  4. 請求項3に記載の車両用操舵装置において、
    前記ステアリングは、前記転舵輪と機械的に分離され、前記転舵アクチュエータは、前記ステアリング操作に応じた前記転舵角を発生させるべく前記制御されること、
    を特徴とする車両用操舵装置。
  5. 請求項1〜請求項4のうちの何れか一項に記載の車両用操舵装置において、
    前記制御手段は、前記転舵角が所定時間以上一定である場合に、前記自動的に前記転舵輪を揺動させるべく前記転舵アクチュエータの作動を制御すること、
    を特徴とする車両用操舵装置。
  6. 請求項1〜請求項4のうちの何れか一項に記載の車両用操舵装置において、
    前記制御手段は、車両が直進状態にある場合に、前記自動的に前記転舵輪を揺動させるべく前記転舵アクチュエータの作動を制御すること、を特徴とする車両用操舵装置。
  7. 請求項1〜請求項6のうちの何れか一項に記載の車両用操舵装置において、
    前記判定により前記路面状態が低μ路であると判定された場合に、その旨を警告する警告手段を備えること、を特徴とする車両用操舵装置。
  8. 請求項1〜請求項7のうちの何れか一項に記載の車両用操舵装置において、
    前記転舵アクチュエータは、ステアリングの操舵角に対する前記転舵角の比率であるオーバーオールギヤ比を可変可能なものであり、
    前記制御手段は、前記判定により前記路面状態が低μ路であると判定された場合に、その摩擦抵抗が低いほど、前記オーバーオールギヤ比を大とすべく、前記転舵アクチュエータの作動を制御すること、を特徴とする車両用操舵装置。
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