JP2006232192A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】既存の車両用空調装置における空気吹出口に多孔板を配設し、同多孔板を特有の形状とすることにより広角配風を行うことができる車両用空調装置を提供する。
【解決手段】ルーバ3の前方側の空気吹き出し口9に多孔板2を配設する。多孔板2には、ルーバ3から偏向された風を車室内に吹き出す複数の孔12を形成し、同孔12の開口率を、55%〜65%とする。また、多孔板2の板厚は、0.3mm〜0.8mmの厚さに形成する。このように形成された多孔板2を空気吹き出し口に配設することで、ルーバ3で偏向された風を、多孔板2の孔12を通過させることにより同孔12により更に広角方向に偏向させることができる。
【選択図】図5

Description

本発明は車両に搭載され、車室内に空気を吹き出すことのできる車両用空調装置に関する。
一般に車両用空調装置は、ルーバの向きによって規定される角度によって、吹き出し口から吹き出される空気の向きが変えられている。このような車両用空調装置としては、特許文献1に記載されているような車両用風向調整装置などがある。
図7に示すように、前記車両用風向調整装置はインストルメントパネル21内に配設され、インストルメントパネル21の前方にはフロントウインドウパネル22が後方に傾斜した状態で配されている。インストルメントパネル21の上面には、空気を吹き出すための開口23が形成され、開口23にはインストルメントパネル21の内部側から空調ダクト4が接続されている。
開口23には、通気可能なパンチングメタル製のカバー27が配設され、カバー27の内部には8枚のルーバ25a〜25hが前後方向に並べて配設されている。各ルーバ25a〜25hは、車幅方向に長い構造で、車幅方向両端部の前端に突設された軸ピン26を中心に、全体が下側に回動することができる。これにより、前後方向での角度が調整自在になっている。
カバー27によって、開口23の内部構造が隠されるため、見映を向上させている。そのため、カバー27としては、通気可能な材質であれば良く、メッシュ等で形成することもできるとしている。
特開2003−276429号公報
特許文献1に記載されたカバー27は、カバー27によって覆われた開口23の内部構造を外部から見えにくくすれば良い構造となっている。このため、カバー27の板厚、カバー27に形成する孔の開口率については、何も検討されていない。しかも、カバー27を通過して吹き出される空気の風向きは、ルーバ25a〜25hによって規定される向きとなっている。
このため、特許文献1に記載されたような従来から用いられている車両用空調装置において広角配風を行わせるためには、開口幅をできるだけ広げなければならなかった。開口幅を広げるためには、空調装置の設置場所を広くする必要があるが、車室内におけるデザイン等の関係から空調装置の設置場所を広く確保することはできなかった。
本願発明者は、既存の配置スペースの中で車両用空調装置を配設しても、広角配風を行うことができる構成を鋭意研究し、その実用化のための開発を行った。その結果、空気吹出口に配設したカバーの孔の配置構成、同孔のノズル長(即ち、孔の裏面側から表面側までの孔の長さ)によって、広角配風を行えることを見出した。
本発明はかかる研究成果に基づいてなされたものであって、既存の車両用空調装置における空気吹出口に形状を限定した多孔板を配設することにより、広角配風を行わせることのできる車両用空調装置を提供する。
本願発明の課題は請求項1〜4に記載された各発明により達成することができる。
即ち、本願発明では請求項1に記載したように、車室内への空気吹出口に配設され、多数の通気孔を形成した多孔板と、前記多孔板の内部に配設され、前記吹出口外方向へ空気を吹き出すルーバと、を有する車両用空調装置において、前記多孔板に形成された各孔のノズル長が、0.3〜0.8mmであることを最も主要な特徴となしている。
また、本願では請求項2に記載したように、多孔板の開口率を限定したことを主要な特徴となしている。
更に、本願発明では請求項3に記載したように、スリット形状の孔が形成された多孔板におけるスリット状孔の短辺と長辺との長さの比を限定したことを主要な特徴となしている。
更にまた、本願発明では請求項4に記載したように、吹き出された空気の多孔板の孔に対する風軸角を限定したことを主要な特徴となしている。
本願発明では、各孔のノズル長が、0.3〜0.8mmである多孔板を空気吹出口に配設することにより、広角配風を行うためルーバによって与えられた空気の吹き出し角度よりも、更に広角に偏向させて空気を吹き出させることができる。
即ち、本願発明の多孔板を空気吹き出し口に配設することにより、ルーバによって与えられた空気の吹き出し角度が、各孔のノズル長の領域を通過して各孔のノズル部の端部から外部に吹き出されるときに、更に多孔板側へ偏向させることができる。
多孔板に対峙するルーバの向きとしては、各ルーバが水平方向に配設されていても、また各ルーバが垂直方向に配設されていても、どちらの場合であってもよく、多孔板における各孔のノズル長が、0.3〜0.8mmであれば、ルーバから吹き出された空気を多孔板側へ偏向させることができる。
多孔板に形成された各孔のノズル長が、0.3mmよりも短い場合には、空気の偏向効果を発揮させることがなく、また、0.8mmよりも長い場合には、ノズル長の形成方向に指向してしまい、広角配風を行わせることができなくなる。このため、多孔板の開口率を55%〜65%とし、かつ前記多孔板に形成された各孔のノズル長を0.3〜0.8mmとすることが、多孔板として最適な構成となっている。
特に、請求項2に記載したように、多孔板における開口率を55%〜65%とすることにより、多孔板から吹き出される空気を多孔板側へ偏向させるのを増長させることができる。開口率が65%よりも大きな多孔板を用いた場合では、ルーバによって与えられた空気の吹き出し角度が、多孔板の孔を通過しても偏向されることはない。また、開口率が55%よりも小さな多孔板を用いた場合では、多孔板の孔を通過する通過抵抗が増大し、風切り音の増大や吹き出し効率の低下を招いてしまうことになる。
また、請求項3に記載したように、スリット形状の孔が形成された多孔板においては、スリット状孔の縦横比を1:3〜1:8とすることにより、ルーバの傾斜角を甘くしても風がスリット状孔を通過することによって風向きを偏向させることができ、ルーバによる有効開口面積を下げることなく通気抵抗を低減することができる。また、風切り音の低減を行うことができ、しかも空調装置としての効率を向上させることができる。
更に、請求項4に記載したように、ルーバにより風向調整されて吹き出された空気の前記多孔板の孔に対する風軸角が、40度以上となるようにすることにより、多孔板の孔による偏向作用をより効率的に行わせることができる。
本発明の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて以下において具体的に説明する。本願発明の車両用空調装置として、多孔板、ルーバ及び空調ダクトからなる要部断面構造を用いて説明するが、ルーバの構成、空調ダクトの構成等については、図示例に限定されるものではない。本願発明は、通常用いられている各種車両用空調装置に対して好適に適用することができるものである。
図1に示すように、パネル8内に車両用空調装置の一部である多孔板2、ルーバ3及び空調ケース6が配設されている。空調ケース6は、図示せぬ送風器等からの空気を空調ケース6に供給するダクトに接続している。多孔板2は、支持部材7を介して空調ケース6の空気吹き出し口9に支持固定されている。空調ケース6の空気吹き出し口9側の端部は、末広がり状に拡開した形状となっている。空調ケース6内には、リンク機構4により傾き角度が調整されるルーバ3が配設されている。リンク機構4は、操作ダイヤル5の回動により作動させることができ、ルーバ3の傾き角度を調整することができる。
尚、多孔板2の配置部位、空調ケース6及びルーバ3、同ルーバ3の傾き角度を調整する操作ダイヤル5、リンク機構4の構成は、本願発明の特有の構成ではなく、通常の車両用空調装置におけるこれらの配置構成を用いることができるものである。また、ルーバの角度が固定された車両用空調装置を用いることも、ルーバの角度が可動のものであっても、本願発明を有効に適用することができるものである。
多孔板2は、図2に示すように複数の孔12が形成され、多孔板2の板厚は、0.3mm〜0.8mmの厚さに形成されている。また、多孔板2における開口率は、55%〜65%としている。孔12のノズル部12aの長さは、多孔板2の板厚と同じ長さに形成されている。孔12のノズル部12aの長さを多孔板2の板厚と同じ長さに形成せず、図3に示すように、多孔板2から突起を形成するようにして孔12のノズル部12aを形成することもできる。
本願発明においては、孔12のノズル部12aの長さが、0.3mm〜0.8mmに形成されていることが必要であって、ノズル部12aの長さが、0.3mm〜0.8mmである孔を形成する形成方法については、限定されるものではない。
図3に示す多孔板2は、金属板をプレスにて打ち抜いてバリが突出している状態を模式的に示したものである。孔12のノズル部12aの高さhは、バリにより突出した高さ0.3mm〜0.8mmとすることができる。このときには、多孔板2の板厚tは特に規定されるものではなく、多孔板2としての強度を保つことができ、ノズル部12aの高さよりも低いものを用いることができる。
多孔板2に形成する孔の形状としては、丸形状、多角形形状、網目状の形状、図5に示すように縦横比を有するスリット状孔14等のように各種形状の孔を用いることができる。また、多孔板2としては、パンチングメタルのように金属材にて構成することも、網、布、合成樹脂等により構成することもできる。
図1の空調ケース6の後方側に、図示せぬダクトを介して接続した送風器等により送り出された風は、ルーバ3によって所望の向きに偏向され、多孔板2の各孔12に供給される。図4は、肉厚tの多孔板2の断面図を示している。図4において、ルーバ3によって所望の向きに偏向された風は、実線のように孔12に向かって供給される。このとき孔12のノズル部12aに対する風軸角Θとしては、風の方向と孔12の断面部に垂直な一点鎖線とのなす角度として表すことができる。
風軸角Θを40度以上とすることにより、孔12から出てくる風の向きを図4の点線で示すように、風軸角Θよりも広く偏向させることができる。特に、図1に示すように、空調ケース6の形状によって、広角配風を行いたい多孔板2の端部部位に形成した孔12の風軸角は、広角配風を特に行わなくても良い多孔板2の中心部等における孔12の風軸角よりも大きくすることができる。本願発明においては、多孔板2の広角配風を行いたい部位に形成した孔12に対する風軸角Θを、40度以上とすることが望ましい構成となる。
風軸角Θと多孔板2の板厚との関係を図6に示している。図6では、吹き出し口から吹き出される風の風速を通常空調装置として用いられる風速に設定し、孔に対する風軸角Θを10度、40度50度の3つの角度条件で風を孔に吹き付け、多孔板として板厚が0.5mmのパンチングメタルを用いて実験を行った結果を示している。実験では、多孔板としてのパンチングメタルの枚数を変更して、孔からの吹き出したときの風の角度変化を調べた。
図6から分かるように、孔に吹き付けたときの風軸角Θが10度のときには、広角方法への指向性が生じず、逆に孔に吹き付けたときの風軸角Θよりも小さな角度で孔から吹き出されているのが分かる。
また、孔に吹き付けたときの風軸角Θが40度及び50度のときには、パンチングメタルを1枚用いて板厚を0.5mmとしたときには、40度又は50度の風軸角で孔に風を吹き付けると、孔から吹き出す風の角度は、風軸角よりも大きな角度に偏向されている。即ち、多孔板の孔によって吹き出し角度を更に広角にすることができる。このとき、多孔板の板厚を1mm以上に厚くしても、孔から吹き出す風の向きは逆に狭まってきて、吹き出し角度を広角にすることができない。
このように、多孔板の板厚、即ち多孔板に形成した孔のノズル長と風軸角を調整することで、孔から吹き出される風の角度を、孔に風を吹き付けたときの風軸角よりも大きな角度にすることができる。しかも、従来の車両用空調装置の空気吹き出し口に本願発明の多孔板を配設した空調装置とすることで、容易に広角配風を行わせることができる。
また、図5に示すようなスリット状の孔14を有した多孔板2においては、孔14の開口における縦・横比を1:3〜1:8とすることで、ルーバの傾斜角を甘くしても、孔14から吹き出された風を広角方向に偏向させることができる。
本願発明において、多孔板の開口率を55%〜65%とすることでより効率的に偏向を行わせることができる。開口率を65%よりも大きくすると、風向方向に対して広角への偏向を行わせることができなくなり、開口率を55%よりも小さくすると、孔における通風抵抗が増大し吹き出し効率を低下させる。しかも風切り音が増大し、空調装置としては実用に適さないものとなる。
このように、本願発明により、空気吹き出しの可動範囲が狭い空調装置においても、より大きな配風範囲を確保することができる。また、吹き出し開口面と吹き出し角度が鋭角で指向性の悪い条件で本願発明を使用しても、より大きな配風範囲を確保することができる。更に、拡散ベントと組み合わせて使用することにより、更に大きな配風範囲を確保することができる。
多孔板によって多孔内を覆うことができるので、多孔内に配設したルーバ等が外部から見難くなり、空調装置に見映えが向上する。しかも、ルーバに直接手が触れなくなるので、ルーバの強度を落とすことができる。これらのことから車両用空調装置のコストダウンを図ることができるとともに、吹き出し口を大きくしなくても既存の大きさでより広範に空気を吹き出すことができ、省スペース化を図ることができる。
ウインドシールドガラスなどに乾燥した空気を吹き出して、ガラス面の曇りを晴らす空気吹き出し口である出フグリル等に、本願発明を適用することができる。
車両用空調装置の要部概略側断面図である。(実施例) 多孔板の斜視図である。(実施例) 多孔板の孔形状における他の要部断面図である。(実施例) 孔の作動状態説明図である。(実施例) 多孔板の他の斜視図である。(実施例) 風軸角と多孔板の板厚との関係を示す表である。(実施例) 空調装置の要部概略側断面図である。(実施例)
符号の説明
1 車両用空調装置
2 多孔板
3 ルーバ
4 リンク機構
5 操作ダイヤル
6 空調ケース
8 パネル
9 空気吹き出し口
12 孔
12a ノズル部
14 スリット状孔
14b ノズル部
21 インストルメントパネル
22 フロンとウィンドウパネル
23 開口
24 空調ダクト
25a〜h ルーバ
26 軸ピン
27 カバー

Claims (4)

  1. 車室内への空気吹出口に配設され、多数の通気用の孔を形成した多孔板と、
    前記多孔板の内部に配設され、前記吹出口外方向へ空気を吹き出すルーバと、
    を有する車両用空調装置において、
    前記多孔板に形成された各孔のノズル長が、0.3〜0.8mmであることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記多孔板の開口率が55%〜65%であることを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置。
  3. 前記多孔板に複数形成されたスリット状孔における短辺と長辺との比が、1:3〜1:8であることを特徴とする請求項1又は2記載の車両用空調装置。
  4. 前記ルーバにより風向調整されて吹き出された空気の前記多孔板の孔に対する風軸角を、40度以上としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車両用空調装置。
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