JP2006234792A - 時計のムーブメント保持構造および時計 - Google Patents

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Abstract

【課題】縦長、または横長のデザインを実現することができる時計のムーブメント保持構造及び時計を提供する。
【解決手段】時計のムーブメント保持構造は、ムーブメント60の6時方向の端部を保持する第1の中枠90と、ムーブメント60の12時方向の端部を保持する第2の中枠95と、を備え、第1の中枠90と第2の中枠95との3時―9時方向の幅が、ムーブメント60の3時―9時方向の幅と概ね同じに設定され、これら中枠90,95がムーブメント60の3時―9時方向の略幅内に各々配置されると共に、胴50の胴内形部51A〜51Dと第1の中枠90と第2の中枠95との間においてムーブメント60の平面方向の保持を行い、胴50と裏蓋70との間において、裏蓋70に設けられる裏蓋固定部71または内側主面72によって、第1の中枠90と第2の中枠95をムーブメント60の断面方向に押圧することによって、ムーブメント60の断面方向を保持する。
【選択図】図4

Description

本発明は、時計のムーブメント保持構造に関し、詳しくは、時計の3時−9時方向あるいは12時−6時方向の幅が細いデザインを可能にする時計のムーブメント保持構造および時計に関する。
従来、合成樹脂からなる中枠によって、時計ケースにムーブメントを固定する構造において、この中枠はムーブメントの平面方向端部の全周にわたって一体で形成され、全周にわたって鍔状に延びる鍔部とその外周部が形成され、ムーブメントを上下方向に保持するためのムーブメント係合部と下方に延びるばね部とがさらに形成され、ばね部には、中枠の外力による緩衝緩和の働きをする空間部が設けられ、このばね部の弾性力でムーブメントを保持する時計のムーブメント保持構造というものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
実開平6−86094号公報(第5頁、図1、図6)
このような特許文献1では、ムーブメントを保持するために設けられる中枠が、ムーブメントの全周にわたって形成されているので、小型のケース外形を実現するためには、中枠の鍔部が占める分だけケースが大きくなってしまう。特に、6時−12時方向の長さに比べ、3時−9時方向の幅が小さい縦長のデザインを実現することは不可能であるというような課題がある。
また、ケースにムーブメントを格納し、中枠に弾性力を付勢する裏蓋においても、裏蓋の内側主面から突設されている裏蓋固定部も、中枠の全周外側に、やはり全周にわたって形成されていることが一般的であり、この裏蓋固定部があるために、前述のような縦長のデザインの時計の実現は困難であると考えられる。
本発明の目的は、前述の課題を解決し、3時−9時方向の幅が小さい縦長のデザイン、もしくは12時−6時方向の幅が小さい横長のデザインを実現することができる時計のムーブメント保持構造および時計を提供することである。
本発明の時計のムーブメント保持構造は、時計ケースの胴と裏蓋との間において、中枠を用いてムーブメントを保持する時計のムーブメント保持構造であって、前記ムーブメントの第1方向の端部を保持する第1の中枠と、前記ムーブメントの前記第1方向と反対方向の端部を保持する第2の中枠と、を備え、前記第1の中枠と前記第2の中枠とが、前記ムーブメントの前記第1方向の端部外側、かつ、前記ムーブメントの前記第2方向の略幅内に各々配置されて前記ムーブメントを保持することを特徴とする。
ここで、例えば、第1方向としては、時計の6時−12時方向を表し、第2方向としては、3時−9時方向を表す。この発明によれば、ムーブメントを保持するための中枠を、第1の中枠と第2の中枠に分離し、これら第1の中枠と第2の中枠とをムーブメントの幅(3時−9時方向、または12時−6時方向の幅)内に配置するので、ムーブメントの3時−9時方向両側、または12時−6時方向両側において、第1の中枠と第2の中枠を連続する連結部が存在しない。このため、時計の3時−9時方向、または12時−6時方向の幅を小さくすることができ、縦長または横長のすっきりしたデザインの時計を提供することができる。
また、本発明の構造では、前記第1の中枠と前記第2の中枠との前記第1方向と直交する第2方向のそれぞれの幅が、前記ムーブメントの前記第2方向の幅と概ね同じに設定されており、前記胴の胴内形部と、前記第1の中枠と前記第2の中枠との間において前記ムーブメントの平面方向の保持を行い、前記胴と前記裏蓋との間において、前記裏蓋に設けられる裏蓋固定部または内側主面によって、前記第1の中枠と前記第2の中枠を前記ムーブメントの断面方向に押圧することによって、前記ムーブメントの断面方向を保持することが好ましい。
この構成によれば、第1の中枠と第2の中枠は、それぞれがムーブメントの平面方向及び断面方向を保持しているために、第1の中枠と第2の中枠に分離する構造であっても、ムーブメントの保持を確実に行うことができ、時計外部からの衝撃力に対して確実にムーブメントを保護することができる。
また、本発明の構造では、前記ムーブメントの第1方向及び前記第1方向と反対方向の端部の平面、または端面のいずれかに形成される回転止め部と、前記ムーブメントに形成される回転止め部に対応する前記第1の中枠と前記第2の中枠のいずれかに形成される回転止め部と、が設けられ、前記ムーブメントの平面方向の回転が規制されていることが好ましい。
ここで、回転止め部としては、例えば、ムーブメント側に凹部、第1、第2の中枠には凸部を設けることができる。
前述したように、第1の中枠と第2の中枠とに分離された構造であっても、ムーブメントの回転止め部を設けているために、3時−9時方向の幅が6時−12時方向の長さよりも小さい縦長の小型ムーブメントにおいても、6時−12時方向の幅が3時−9時方向の長さよりも小さい横長の小型ムーブメント、または円形の小型ムーブメントにおいても、ムーブメントが平面方向に回転することを防止し、3時−9時方向、あるいは12時−6時方向の幅が狭いデザインを実現すると共に、確実にムーブメントの保持を行うことができる。
また、本発明の構造では、前記第1の中枠と前記第2の中枠とは、前記ムーブメントの前記第2方向の幅内における外側面に当接して当該中枠に対する前記ムーブメントの前記第1方向及び第2方向の少なくともいずれかへの移動を規制するムーブメント移動規制部を有することが好ましい。この構成によれば、上記ムーブメント移動規制部により、第1の中枠と第2の中枠に対するムーブメントのがたつきを確実に抑えることができる。
この場合、前記第1の中枠と前記第2の中枠とは、前記規制部の近傍に設けられて前記胴の胴内形部に当接する突出部を有し、この突出部が前記胴内形部の壁面に当接して、前記胴に対する当該中枠の移動を規制するようにすることが好ましい。この構成によれば、上記突出部によりムーブメント近傍で第1の中枠および第2の中枠の胴に対する移動を規制するので、各中枠のがたつきを確実に抑えて、ムーブメントのがたつきをより確実に抑えることができる。
また、本発明の構造では、前記裏蓋の裏蓋固定部の一部が削除されることによって、前記裏蓋固定部の前記第2方向の幅が、前記ムーブメントの前記第2方向の幅と概ね同じに設定されていることが好ましい。
このような構造によれば、裏蓋固定部を、時計の第1方向のみに形成し、第2方向側は削除しているために、ムーブメントの全周にわたって裏蓋固定部が形成される前述の従来技術に比べ、時計の第1方向の幅を細くすることができる。
さらに、前記第1の中枠と前記第2の中枠の前記第2方向の幅と、前記裏蓋固定部の前記第2方向の幅とが、前記ムーブメントの前記第2方向の幅と概ね同じに設定されていることが望ましい。
このようにすれば、第1の中枠と第2の中枠と裏蓋に形成される裏蓋固定部とを、ムーブメントの第2方向の幅とが概ね同じに設定されているために、第2方向の幅が狭い縦長のすっきりしたデザインの時計を提供することができる。
さらに、本発明の時計は、前述した時計のムーブメント保持構造を備えていることを特徴とする。この発明によれば、縦長、または横長のすっきりしたデザインの時計を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る時計の外観を示す斜視図、図2〜図7は本発明に係る実施形態1の時計のムーブメント保持構造が示され、図8には実施形態2、図9には実施形態3に係るムーブメント保持構造が示されている。
(実施形態1)
図1において、本発明の時計10は、ケース内に時刻表示部とムーブメントとを格納する時計体20と、時計体20を腕に装着するバンド30とから構成されている。また、時刻を修正するためのりゅうず40をさらに備えている。
この時計10は、第1方向としての12時−6時方向の長さに比べ、第2方向としての3時−9時方向の幅が小さい縦長のデザインを例示しており、例えば、婦人用の小型時計として人気があるデザインとして定着している。
続いて、図2〜図4を参照して、本発明に係る縦長のデザインの時計を実現する構造について説明する。
図2は時計体20の分解斜視図を示している。この時計体20は、時計ケースを構成する胴50を有し、この胴50には、上下に貫通する略矩形形状の開口部が設けられている。この胴50の開口部50Aには、文字板24及びムーブメント60が積層配置されると共にムーブメント60の周囲に第1の中枠90及び第2の中枠95とが配置され、裏側が裏蓋70で閉じられ、表側が風防ガラス27で閉じられている。また、上記ムーブメント60は、内部の駆動機構により回転駆動される筒車41及び二番車42を有し、各車41,42は、文字板24の中央穴24Aを貫通して文字板24の上方に延出し、筒車41には時針25が取り付けられ、二番車42には分針26が取り付けられ、これら時刻表示針25,26によって時刻が表示される。また、りゅうず40は、胴50に形成された貫通孔50Bに挿通されてムーブメント60の巻真(図示略)に連結される。
なお、本実施形態では、時針25と分針26を有する時計10について例示するが、さらに、秒針や24時針等の他の表示針や暦表示や月齢表示等を行う時計に広く適用が可能である。
図3はムーブメント60、第1の中枠90、第2の中枠95および裏蓋70の拡大斜視図であり、図4は時計体20を時刻表示部方向から視認した状態を示し、図5(a)は時計体20の6時−12時方向の断面図を示している。なお、図4では、説明を分かりやすくするために、風防ガラス27、時針25、分針26、文字板24を除いた状態を示している。
図4に示すように、胴50は、12時−6時方向の長さが、3時−9時方向の幅よりも長い縦長の形状を備え、内側には、図5(a)に示すように、文字板24の時刻表示面を規制する見返し面54と、文字板24を保持するための文字板受部55と、ムーブメント60の平面方向の移動を規制する胴内形部51A〜51Dが形成されている。
胴内形部51Aは、図4に示すように、3時方向、51Bは9時方向、51Cは6時方向、51Dは12時方向の位置を規制するために設けられ、胴内形部51A〜51Dによって略長方形の空間(開口部50A)が形成され、この空間に縦長のムーブメント60が格納されている。
胴内形部51Cには、裏蓋70を胴50に固定するための裏蓋固定用溝52A,52Bの2箇所の凹部が穿設されており、胴内形部51Cに対向している胴内形部51Dには、裏蓋固定用溝52Aと52Bとに対向する位置に裏蓋固定用溝52Cと52Dの2箇所の凹部が穿設されている。
ムーブメント60は、図4に示すように、略中心から6時方向および12時方向に行くに従って徐々に幅狭となる縦長の略楕円形状を有し、このムーブメント60の6時側に第1の中枠90が配置され、ムーブメント60の12時側に第2の中枠95が配置され、これら中枠90,95は、ムーブメント60の両側(6時側と12時側)を抱え込むように略凹型形状(コの字形状)に形成されている。
ここで、以降の説明では、第1の中枠90と第2の中枠95とは、3時−9時を結んだ直線に対して略線対称形をしているので、6時側の第1の中枠90について詳しく説明し、第2の中枠95の説明は省略する。図3および図4に示すように、第1の中枠90は、ムーブメント60の6時方向の端面(外側面)に接するムーブメント案内部(ムーブメント移動規制部)91と、胴50側の外形部92とで囲まれた略馬蹄形状(凹型形状)をしており、弾性を有する合成樹脂を射出成形することにより形成されている。
より具体的には、ムーブメント案内部91は、ムーブメント60の6時位置を挟んで略4時位置から略8時位置の範囲でムーブメント60の端面(外側面)に当接しており、言い換えると、ムーブメント60の幅(最大幅)LM内における6時側の端面全体に当接し、これによって、ムーブメント案内部91の両端部91L、91Rによってムーブメント60が略3時−9時方向で挟み込まれ、第1の中枠90に対するムーブメント60の3時−9時方向および6時方向への移動(いわゆる、がたつき)が規制される。
また、ムーブメント案内部91には、ムーブメント60の6時方向の端部に設けられた段状のムーブメント固定部61A(図5参照)に当接するムーブメント回転止め部91Aが形成されている。この段状のムーブメント固定部61Aは、ムーブメント60の6時方向端部に3時−9時を結んだ直線に平行な直線で形成される。このように、直線のムーブメント固定部61Aに、ムーブメント案内部91にムーブメント回転止め部91Aが当接することにより、第1の中枠90に対するムーブメント60の6時方向への移動がより規制されると共に、第1の中枠90に対するムーブメント60の回転が規制される。
このムーブメント固定部61Aから外周に向かって形成される平面がムーブメント固定面63である(図3、図4参照)。ムーブメント60の12時方向の端部にも、同様なムーブメント固定部とムーブメント固定面63が形成されている(図4中、ハッチングで表す)。
また、第1の中枠90の周縁に鍔状に張り出された外形部92には、6時側の外周側に突出された固定凸部92Cと固定凸部92D、9時側に突出された固定凸部92Aと3時側に突出された固定凸部92Bが形成されている。ここで、これら固定凸部(突出部)92A,92Bは、第1の中枠90の9時方向及び3時方向で薄肉の部分に設けられ、固定凸部(突出部)92C,92Dは、第1の中枠90の6時方向で薄肉の部分に間隔を空けて設けられ、これによって、第1の中枠90のムーブメント案内部91の背面側であって、かつ、ムーブメント案内部91の近傍位置に設けられている。これらの固定凸部92A〜92Dに相当する固定凸部は、第2の中枠95にも形成されている。
これらの固定凸部92A〜92Dは、第1の中枠90及び第2の中枠95の間にムーブメント60を挟みこむように組み込んだ際に、胴50の胴内形部51A〜51Dとの間において締め代を有するように寸法設定されており、ムーブメント60が平面方向に移動しないように保持する機能を有している。
さらに、本実施形態では、図4に示すように、第2の中枠95には、溝形状のムーブメント回転止め部95Aが形成されている。ムーブメント60にも、ムーブメント回転止め部95Aに対応した位置、形状でムーブメント回転止め部が形成されており、ムーブメント60の回転防止をより確実にしている。
なお、このムーブメント回転止め部95Aは、第1の中枠90に設けることもでき、両方に設けることもできる。また、第1の中枠90と第2の中枠95とを非対称形状にした場合、第1の中枠90と第2の中枠95とを異なる色の部品とすることにより中枠90,95の組み込み間違いを防止することができ、組み込み作業を容易にすることができる。
また、ムーブメント回転止め部95Aは、ムーブメント60の裏蓋側表面に回転止めが可能な凹部を設け、その形状に対応してムーブメント表面に載るような形状としてもよく、さらには、ムーブメント端面に切り欠き状の凹部を設け、その凹部に対応した形状とすることもできる。
また、第1の中枠90には、ムーブメント案内部91に沿って2箇所の断面方向に裏蓋70側に突出したムーブメント固定部93,94が設けられている。図5(a)(b)に示すように、これらムーブメント固定部93,94それぞれ中央には、固定用凸部93A,94Aが形成され、この固定用凸部93A,94Aを裏蓋70の内側主面72で胴50の文字板受部55側にムーブメント60のムーブメント固定面63を押圧して、断面方向の位置を規制し、ムーブメント60が保持されている。
なお、第1の中枠90及び第2の中枠95とは、共に、3時−9時方向の幅は、固定凸部92A,92B(第2の中枠95には符合を付していない)を除いてムーブメント60の3時−9時方向の幅よりも小さく設定されており、ムーブメント60の外形よりも突出しない。
裏蓋70は、外形が3時−9時方向の幅が胴50の幅よりもやや小さい略長方形をしており、ステンレス鋼等の金属で形成されている。裏蓋70の6時側及び12時側には、図3に示すように、断面方向に突出された裏蓋固定部71が形成され、3時及び9時側には、この裏蓋固定部71は削除されている。この裏蓋固定部71には、前述した胴50に設けられた裏蓋固定用溝52A〜52Dに対応した位置に裏蓋固定用突起部71A〜71Dが形成され、裏蓋70が胴50に固定されている。
次に、ムーブメント60の保持構造及び保持方法について図5を参照してなお詳しく説明する。時計体20は、時計の3時−9時を結んだ直線に対して略対称形であるので、6時側を例示して説明する。
図5(b)は、図4の矢印A方向から視認した第1の中枠90のムーブメント固定部94を示す部分断面図である。図5(a)、(b)において、ムーブメント60は、文字板24を装着した状態で胴50内に装着される。この状態では、ムーブメント60は、文字板24と共に胴50内で移動可能である。
続いて、第1の中枠90、第2の中枠95を装着する。第1の中枠90のムーブメント案内部91をムーブメント60のムーブメント固定部61Aに当接するように装着する。このとき、固定凸部92A〜92Dは、胴50の胴内形部51Cとの間が締め代関係に設定されているために、つぶされて、ムーブメント60の平面方向の移動が規制される。
また、第1の中枠90には、断面方向に突出したムーブメント固定部93,94が形成され、さらに、それらの上面(図では下側に表す)に固定用凸部93A,94Aが設けられており、裏蓋70を胴50に装着する際に押圧されてムーブメント60のムーブメント固定面63を押圧して、胴50の文字板受部55との間で文字板24を介してムーブメント60が固定される。
裏蓋70には、裏蓋固定部71が突出されており、この裏蓋固定部71には、裏蓋固定用突起部71A〜71Dが形成されている。これら裏蓋固定用突起部71A〜71Dは、胴内形部51Cより外側に突出さているため、裏蓋70を胴50に装着するときには、裏蓋固定部71が内側に撓み、裏蓋固定用溝52A〜52Dに達したときに、裏蓋固定用突起部71A〜71Dが裏蓋固定用溝52A〜52D内に入り込んで裏蓋70が胴50に固定される。
胴50の外周の裏蓋70との接合面には、パッキン装着溝53が、胴50の全周に渡って設けられており、このパッキン装着溝53にパッキン80が装着されている。裏蓋70の外周には鍔状の裏蓋周縁部73が設けられており、裏蓋70を装着する際にパッキン80を押圧している。このことにより、裏蓋70は断面方向の移動が規制されると共に、パッキン80によって時計体20の防水性が確保される。
なお、パッキン装着溝は、裏蓋70に設けることができる。パッキン装着溝を裏蓋70に設けた場合、パッキン装着溝を胴50に設けなくてよい分だけ胴50の厚さを薄くすることができ、時計10を薄型化することが可能になる。
図5(b)を参照して、第1の中枠90のムーブメント固定部94の構造についてさらに詳しく説明する。図5(b)において、第1の中枠90に形成されているムーブメント固定部94の上面(図では下方)には、固定用凸部94Aが形成されており、また、中間には、緩衝孔94Cが開設されている。裏蓋70を胴50に装着すると、固定用凸部94Aが、裏蓋70の内側主面72で押圧され(図中、二点差線で示す位置から実線で示す位置まで移動)、緩衝孔94Cが変形される。この緩衝孔94Cが変形することによって、ムーブメント固定部94の弾性によってムーブメント60が固定される。この際、固定用凸部94Aが形成される段部94Bは、裏蓋70には接触しないように設定されている。
ムーブメント固定部94は、弾性を有する材料からなり、また、段部94Bは梁状に形成されているために、第1の中枠90は、裏蓋70の着脱を繰り返してもムーブメント固定という機能を維持することができる。このように、ムーブメント固定を中枠の弾性を用いて固定する中枠をばね中枠と呼称する。
続いて、本実施形態に係る時計体20の3時−9時方向の構造について図を参照して説明する。
図6は、本実施形態による時計体の3時方向の構造を示す部分断面図である。9時方向についても3時方向と同じ構造であるので説明を省略する。図4,5と同じ符号を付与して説明する。図6において、時計体20の3時方向には、図4,5に示す12時−6時方向に備えられている第1の中枠90、第2の中枠95はない。また、裏蓋70に設けられている裏蓋固定用溝52A〜52Dもない。
従って、時計体の3時方向において、3時側の胴内形部51A(図4参照)は、ムーブメント60の端部に接する位置に設けることができる。即ち、時計体20の3時−9時方向の幅は、ムーブメント60の3時−9時方向に幅に胴50の幅を加えた寸法でよい。9時方向についても同じ関係である。
なお、りゅうず40には、図示しない巻真が固定され時刻修正を行うことができるが、周知の構造であるため説明を省略する。
3時及び9時方向においても、胴50にはパッキン装着溝53が12時−6時方向から連続して形成され、パッキン80が装着され、裏蓋周縁部73によって押圧されている。
従って、前述した実施形態1によれば、ムーブメント60を保持するための中枠を、第1の中枠90と第2の中枠95に分離して備え、ムーブメント60の3時−9時方向両側において、中枠90,95がムーブメント60の幅LM内に各々配置されるので(図4参照)、ムーブメント60の3時−9時方向両側に第1の中枠90と第2の中枠95を連続する連結部が存在しない。このため、従来のムーブメントの全周にわたって中枠を設けた時計に比して、3時−9時方向の幅を小さくすることができ、縦長のすっきりしたデザインの時計10を提供することができる。なお、時計10の幅寸法を所望の値に可能な範囲で、上記中枠90,95がムーブメント60の幅外に位置してもよく、要は中枠90,95の配置位置がムーブメント60の幅内を主として幅外を含んでも良い。
さらに、裏蓋70の裏蓋固定部71のうち、3時方向及び9時方向の一部が削除されているために(図中、二点鎖線及び符合74で示す)、ムーブメントの全周にわたってムーブメント固定部が形成される前述の従来技術に比べ、時計の3時−9時方向の幅を細くすることができる。
このような構造によって、3時方向及び9時方向の胴内形部51A,51Bは、ムーブメント60の端部に接する位置まで近づけることができ、幅狭の専用ムーブメントを新たに開発しなくても、縦長で3時−9時方向の幅が狭いすっきりしたデザインの時計を提供することができる。
図7は本実施形態の時計10と従来の時計100との比較例を示す。なお、この図においては、説明の便宜上、文字板を省略して示すと共に、略同様の構成については同一の符号を付して示し、また、従来の時計100において、時計体を符号120を付して示し、中枠を符号160を付して示している。
同図に示すように、本実施形態の時計10の時計体20は、ムーブメント60の3時−9時方向両側に中枠が存在しないため、その幅L1を、従来の時計100の時計体120の幅L2に比して小さくできることが明らかである。具体的には、従来の時計100の幅L2が13.0mmの場合、同一のムーブメント60を用いても本実施形態の時計10は、その幅L1を11.3mmにすることができ、従来のものに比して約1.7mmも幅狭にでき、言い換えれば、10%以上幅狭にすることができた。
このため、従来、バンド30は細くできたが、それとバランスのとれた細いケース(時計体20に相当)を実現できずにいたのに対し、当構造により細いケースとバンドの組み合わせによるブレスレットタイプの時計のデザインが可能となった。
また、第1の中枠90と第2の中枠95は、それぞれがムーブメント60の平面方向及び断面方向を保持しているために、第1の中枠90と第2の中枠95に分離する構造であっても、ムーブメント60の保持を確実に行うことができ、時計外部からの衝撃力に対して確実にムーブメント60を保護することができる。
しかも、第1の中枠90と第2の中枠95には、当該中枠90,95の胴内形部51A〜51Dの壁面に当接する固定凸部92A〜92Dがムーブメント案内部91の近傍に設けられるので、ムーブメント60近傍で上記固定凸部92A〜92Dにより当該中枠90,95の胴50に対する移動を規制でき、各中枠90,95のがたつきを確実に抑えてムーブメント60のがたつきをより確実に抑えることができる。
また、第1の中枠と第2の中枠とに分離された構造であっても、ムーブメント60の回転止め部としてのムーブメント回転止め部91A、95Aを設けているために、縦長の小型ムーブメントにおいても、あるいは円形の小型ムーブメントにおいても、ムーブメント60が平面方向に回転されることを防止し、3時−9時方向の幅が狭いデザインを実現すると共に、確実にムーブメントの保持を行うことができる。
また、実施形態1は、ばね中枠と呼称されるムーブメントを中枠の弾性を用いて固定する構造であるため、胴50、裏蓋70等の寸法のばらつきを吸収することができ、ムーブメントの保持の信頼性が高まるというような効果もある。
また、中枠を2体にしたので、一体型の中枠を用いる場合に比して、中枠を小型化でき、成形時のそりの発生が抑制され、製造し易く部品の寸法管理が容易となると共に、中枠全体がムーブメント60に密着し易く、がたつきをより抑制することができる。
また、裏蓋70には、裏蓋70の3時及び9時側には裏蓋固定部71がないため、残りの裏蓋固定部71にばね性が生じ、裏蓋70の着脱品質が向上すると共に、この構成では巻真位置には裏蓋固定部71が存在しないため、裏蓋70の巻真逃げサライ加工が不要になるといった効果を奏する。
(実施形態2)
続いて、本発明に係る実施形態2について図面を参照して説明する。実施形態2は、前述した実施形態1の技術思想を基本とし、前述したばね中枠の形状を単純化したことに特徴を有している。実施形態1と同じ機能部材には同じ符号を附し説明する。
図8は、実施形態2に係る時計のムーブメント保持構造を示す部分断面図である。図8では、6時方向のムーブメント保持構造を例示し説明する。図8において、第1の中枠190には、ムーブメント60のムーブメント固定部61Aに当接するムーブメント案内部191Aと、鍔状に張り出した外形部192と、外形部192から突設された固定凸部196が設けられている。固定凸部196は、前述した実施形態1(図4参照)に示す固定凸部92C,92Dに相当する。
ムーブメント60は、前述した実施形態1と同様に、第1の中枠190と図示しない第2の中枠とで胴50内において平面方向に移動しないように保持される。
また、断面方向におけるムーブメント60の保持は、ムーブメント60のムーブメント固定面63を、第1の中枠190の外形部192を裏蓋70に設けられた裏蓋固定部71によって押圧することで可能となる。ここで、第1の中枠190には、実施形態1(図5参照)のような緩衝孔94Cや固定用凸部94Aはなく、外形部192を裏蓋70で押圧してムーブメント60を保持するところに特徴を有している。
図示しない第2の中枠も同様な形状を有しており、6時方向と同様な構造でムーブメント60を保持している。なお、このような中枠の構造であっても、実施形態1(図5参照)と同様な構造でパッキン80を備えることができる。
従って、前述した実施形態1(図3,4、参照)では、緩衝孔94Cを設けることによって、射出成形金型はスライドコア形式になるため、型構造が複雑になることが考えられるが、実施形態2によれば、実施形態1の効果に加えて、第1の中枠190(図示しない第2の中枠も含む)は、単純な上下型開き構造の射出成形金型でよいため、コストの低減が可能である。
(実施形態3)
続いて、本発明に係る実施形態3について図面を参照して説明する。実施形態3は、前述の実施形態1及び実施形態2に比べ、裏蓋70の胴50への固定構造を螺子固定構造にしたことに特徴を有している。第1の中枠、第2の中枠については、実施形態1(図2〜図6参照)と同じであるため説明を省略し、同じ機能部材には同じ符号を付して説明する。
図9は、実施形態3に係る時計のムーブメント保持構造を示す部分断面図である。図9は、本実施形態を代表して6時方向のムーブメント保持構造を例示している。図9において、胴50には、裏蓋方向から雌螺子56が螺設されている。
雌螺子56は、胴50の四方の隅部に4本設けられている。裏蓋70は、ほぼ平板の略長方形であり(図3も参照)、前述の雌螺子56に対応した位置に螺子孔77が開設されている。また、この螺子孔77の内側には、胴内形部51A〜51Dに沿って全周にわたってパッキン溝76が設けられ、このパッキン溝76に、断面形状が円形または蒲鉾形のパッキン80が装着されている。第1の中枠90と図示しない第2の中枠は、前述した実施形態1(図2〜図6参照)と同じ構造で形成されている。
なお、パッキン装着溝は、胴50側に設けることもできる。
裏蓋70は、胴50に4本の固定螺子98によって螺合固定される。この際に、裏蓋70の内側主面72によって第1の中枠90を断面方向に押圧し、ムーブメント60を保持すると共に、パッキン80を押圧して、時計の防水性を確保している。
従って、前述した実施形態3によれば、裏蓋70がほぼ平板で形成することができるため、構造が簡単となり、また製造しやすくなるためコストの低減が可能である。
また、裏蓋70と胴50との固定が螺子螺合によって行われているので、固定力が高く、3時−9時の幅が狭い小型な時計体であっても、固定力を高くすることができ、ムーブメント60の保持をより確実に行うことができる。
さらに、パッキン80は、裏蓋70に形成されるパッキン溝76に装着するために、パッキンの平面方向の位置ずれが発生しにくいので、より一層防水性能を高めることができる。
なお、前述の実施形態1〜実施形態3では、第2方向としての3時−9時方向の幅を第1方向としての12時−6時方向の長さを小さくする形態を例示して説明したが、12時−6時方向の幅を3時−9時方向の幅を小さくすることもできる。この場合、前述した実施形態1〜実施形態3で示した構造を90度回転することで実現できるため、説明を省略する。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前述の実施形態1及び実施形態2では、中枠を第1の中枠90と第2の中枠95とに分離しているが、第1の中枠90と第2の中枠95を3時方向及び9時方向で連続して一体化することも可能である。
このようにすれば、仮に第1の中枠90と第2の中枠95との3時方向及び9時方向の連続部分の幅を0.2mm程度にすれば、射出成形が可能であり、前述の実施形態に比べれば、3時−9時方向の幅が0.2mm程度広くなるが、一度の射出成形で中枠を製造できると共に、一体化されていることで、時計体への組み込みがし易くなるという効果がある。
さらに、裏蓋70についても、裏蓋70に形成される裏蓋固定部71が3時方向、9時方向において分離されている構造を採用しているが、3時方向及び9時方向を連続する構造を採用することができる。
このような構造の場合、図示しないが、ムーブメント60の3時方向及び9時方向端部を、裏蓋70の裏蓋固定部71の幅、高さの分だけ除肉しておけば、3時−9時方向の幅を大きくしない時計体20を提供することができる。また、このようにすれば、裏蓋70の全周にわたって裏蓋固定部71が形成されるので、裏蓋70の補強ともなり、変形しにくくなるので、ムーブメント60の保持をより確実に行える他、防水性能の向上にも寄与する。
従って、前述の実施形態1〜実施形態3によれば、3時−9時方向の幅が小さい縦長のすっきりしたデザインを低コストで実現する時計のムーブメント保持構造および時計を提供することができる。
さらに、第1方向(12時−6時方向)の幅を小さくし、第2の方向(3時−9時方向)の幅を大きく構成することによって、12時−6時方向の幅が小さい横長のすっきりしたデザインの時計を提供することができる。
本発明に係る時計の外観を示す斜視図。 本発明の実施形態1に係る時計体の分解斜視図。 ムーブメント、第1の中枠、第2の中枠および裏蓋の拡大斜視図。 時計体の構造を示す平面図。 (a)は、時計のムーブメント保持構造を示す部分断面図、(b)は、図4の矢印A方向から視認した第1の中枠のムーブメント固定部を示す部分断面図。 時計体の3時方向の構造を示す部分断面図。 本発明に係る時計と従来の時計との比較例を示す図。 本発明の実施形態2に係る時計のムーブメント保持構造を示す部分断面図。 本発明の実施形態3に係る時計のムーブメント保持構造を示す部分断面図。
符号の説明
10…時計、20…時計体、50…胴、51A〜51D…胴内形部、60…ムーブメント、70…裏蓋、90…第1の中枠、95…第2の中枠、71…裏蓋固定部、72…裏蓋の内側主面。

Claims (8)

  1. 時計ケースの胴と裏蓋との間において、中枠を用いてムーブメントを保持する時計のムーブメント保持構造であって、
    前記ムーブメントの第1方向の端部を保持する第1の中枠と、
    前記ムーブメントの前記第1方向と反対方向の端部を保持する第2の中枠と、を備え、
    前記第1の中枠と前記第2の中枠とが、前記ムーブメントの前記第1方向の端部外側、かつ、前記ムーブメントの前記第2方向の略幅内に各々配置されて前記ムーブメントを保持することを特徴とする時計のムーブメント保持構造。
  2. 請求項1に記載の時計のムーブメント保持構造において、
    前記第1の中枠と前記第2の中枠との前記第1方向と直交する第2方向のそれぞれの幅が、前記ムーブメントの前記第2方向の幅と概ね同じに設定されており、
    前記胴の胴内形部と、前記第1の中枠と前記第2の中枠との間において前記ムーブメントの平面方向の保持を行い、
    前記胴と前記裏蓋との間において、前記裏蓋に設けられる裏蓋固定部または内側主面によって、前記第1の中枠と前記第2の中枠を前記ムーブメントの断面方向に押圧することによって、前記ムーブメントの断面方向を保持することを特徴とする時計のムーブメント保持構造。
  3. 請求項1に記載の時計のムーブメント保持構造において、
    前記ムーブメントの第1方向及び前記第1方向と反対方向の端部の平面、または端面のいずれかに形成される回転止め部と、
    前記ムーブメントに形成される回転止め部に対応する前記第1の中枠と前記第2の中枠のいずれかに形成される回転止め部と、が設けられ、
    前記ムーブメントの平面方向の回転が規制されていることを特徴とする時計のムーブメント保持構造。
  4. 請求項1に記載の時計のムーブメント保持構造において、
    前記第1の中枠と前記第2の中枠とは、前記ムーブメントの前記第2方向の幅内における外側面に当接して当該中枠に対する前記ムーブメントの前記第1方向及び第2方向の少なくともいずれかへの移動を規制するムーブメント移動規制部を有することを特徴とする時計のムーブメント保持構造。
  5. 請求項4に記載の時計のムーブメント保持構造において、
    前記第1の中枠と前記第2の中枠とは、前記規制部の近傍に設けられて前記胴の胴内形部に当接する突出部を有し、この突出部が前記胴内形部の壁面に当接して、前記胴に対する当該中枠の移動を規制することを特徴とする時計のムーブメント保持構造。
  6. 請求項1に記載の時計のムーブメント保持構造において、
    前記裏蓋の裏蓋固定部の一部が削除されることによって、
    前記裏蓋固定部の前記第2方向の幅が、前記ムーブメントの前記第2方向の幅と概ね同じに設定されていることを特徴とする時計のムーブメント保持構造。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の時計のムーブメント保持構造において、
    前記第1の中枠と前記第2の中枠の前記第2方向の幅と、前記裏蓋固定部の前記第2方向の幅とが、前記ムーブメントの前記第2方向の幅と概ね同じに設定されていることを特徴とする時計のムーブメント保持構造。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の時計のムーブメント保持構造を備えていることを特徴とする時計。

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