JP2006236647A - セパレータ電極一体型蓄電部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 熱可塑性樹脂と無機粉体よりなる熱溶融押出しフィルム状多孔体からなり、該フィルム状多孔体は断面方向に多層構造体をなし、該多層構造体は熱可塑性樹脂と粉体状電極活物質を含む無機粉体よりなる多孔質の電極層と、熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂と無機粉体よりなる多孔質のセパレータ層を少なくとも含むことを特徴とするセパレータ電極一体型蓄電部材。
【選択図】 図2
Description
例えば、リチウムポリマー電池に代表されるような製法では、形成された正極・負極の片面或は両面の表面に電子不導体の固体電解質皮膜をコーティング等で形成後、捲回あるいはスタック等により積層する方法や、正極・負極間に適当な多孔の電子不導体を挟み捲回あるいはスタック等により積層した後、正極・負極間にある空隙及び多孔部に何等かのエネルギーで固形化開始する化合物と電解質を溶解させた溶液を注入し、その後加熱或は電子線等のエネルギーを与えて固体化させ電解質機能とセパレータ機能を併せ付与させる方法もある。
しかし、セパレータ層に十分な絶縁性を持たすためには配合する絶縁性物質微粒子の量を多くする事が効果的であることは容易に理解できるが、当然にしてバインダー量の減少によって該微粒子の結着が悪くなり、該微粒子脱落や捲回等の曲げ応力により形成したセパレータ層の破壊が生じ易く勢いバインダー量を増加させる事が必要となり、その為にイオン透過性を悪くさせセパレータ層の電気抵抗が増加し蓄電部品の性能が十分に発揮できなくなる欠点がある。
その上、電極層はセパレータ層とバインダーで接着させる構造であり、セパレータ機能を向上させる目的で絶縁性物質微粒子を増加させた場合、バインダーによる接着力のみで電極層との一体化を図る事は不十分であると共に、コーティング後バインダーを溶解するに使用した溶剤類の回収作業が必要となることや、電極層の作成工程とセパレータ層の形成は別個の工程である事からコスト的にも本発明のセパレータ電極一体型蓄電部材の生産方法と比較して高くなることは明確である。
また、蓄電部品への要求性能として携帯通信機器用電源ではエネルギー容量の増加を、自動車等移動体用電源としては大放電電流が往々にして求められ、その為の対処方法としてセパレータを薄膜化させ、容積増分を電極活物質量の増量に転化させてエネルギー容量の増加に寄与させたり、あるいは大放電電流を得る為にセパレータや電極の薄膜化によって低電気抵抗化に対処する方法が採られる事がある。
しかし、セパレータ層や電極層の薄膜化はそれらの引張り強度低下を伴い蓄電部品 製造工程での加工性、生産性に限界が生じる事は言うまでもなく、安全性において薄膜化により電極層からの粉体状電極活物質(以下、単に粉体状活物質、又は活物質と言うこともある。)等が脱落してセパレータ層を突き破り短絡が増加し蓄電部品の危険性が増加する
心配がある。
このような積層構造の蓄電部品において、その性能向上を行なう目的の一つに電極やセパレータの薄膜化による電池容量の増加や放電電流密度の向上が有るが、この様な薄膜化は蓄電部品として加工する際に必要とされる引張り強度や突刺し強度が低下する事から薄膜化に限界が見られる事や電極やセパレータ双方の接触境界面積が大きくなる事により密着不良による抵抗の増加や短絡個所の絶対量的増加に繋がる傾向が見られる。
このため本発明は、電極層とセパレータ層間に生ずる種々の問題点を解決させるため電極層とセパレータ層が容易に剥離されない一体化構造とする事により電池容量の増加や放電電流密度の向上、長寿命化、信頼性の向上等の電池性能や安全性と生産性の向上への寄与等、同時に解決する事が可能となるセパレータ電極一体型蓄電部材を提供するものである。
(1)熱可塑性樹脂と無機粉体よりなる熱溶融押出しフィルム状多孔体からなり、該フィルム状多孔体は断面方向に多層構造体をなし、該多層構造体は熱可塑性樹脂と粉体状電極活物質を含む無機粉体よりなる多孔質の電極層と、熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂と無機粉体よりなる多孔質のセパレータ層を少なくとも含むことを特徴とするセパレータ電極一体型蓄電部材、
(2)電極層が導電性層とセパレータの層の間に配置されてなる上記(1)記載のセパレータ電極一体型蓄電部材、
(3)多層構造体のうちの少なくとも1層の熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂である上記(1)又は(2)記載のセパレータ電極一体型蓄電部材、
(5)熱可塑性樹脂と無機粉体よりなる熱溶融押出しフィルム状多孔体に含まれる無機粉体の合計が50質量%以上98質量%以下であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のセパレータ電極一体型蓄電部材、
(6)電極層または導電層に集電用金属薄板を接着したことを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか1項に記載のセパレータ電極一体型蓄電部材、を提供するものである。
また、本発明のセパレータ電極一体型蓄電部材の製造方法は、前記の課題を解決すべく、
(8)熱可塑性樹脂と粉体状電極活物質を含む無機粉体および該熱可塑性樹脂の溶剤を含む混合物と、熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂と無機粉体および該熱可塑性樹脂の溶剤を含む混合物をそれぞれ、熱溶融押出装置により個別に押出したフィルム状形成体を、溶剤を抽出した後重ねて加熱雰囲気中で加圧または延伸或いは加圧延伸して層状の成形体を得るか、或は該フィルム状形成体を重ねて加熱雰囲気中で加圧または延伸或いは加圧延伸して層状の成形体を得た後溶剤を抽出して、少なくとも2層以上のフィルム状多孔体を得ることを特徴とするセパレータ電極一体型蓄電部材の製造方法を提供するものである。
即ち、本発明のセパレータ電極一体型蓄電部材において、活物質を含む層はその機能として必要に応じて電気的にエネルギーを蓄積し又、放出する事が可能な活物質と熱可塑性樹脂よりなる多孔体を形成する層であり、セパレータの層は電気的に絶縁性を有する無機粉体及び又は絶縁性熱可塑性樹脂よりなる多孔体を形成する層を言う。
一般に電極作成の場合、粉体状活物質はバインダーと混合させるが電池容量確保のためもあり可能な限り活物質を多量に混合させる事が望ましく少なくとも70質量%以上含有させている事が多い。
特に最近は電池容量の向上の為、限られた電池容積中に多くの活物質を詰める工夫が行なわれ、その為セパレータの薄膜化、捲回時の張力を上げる事により圧縮させて高充填化が行なわれる事となり、セパレータを突破り短絡させ工程不良率を大きくさせる要因ともなっている。
る。
本発明に使用される熱化可塑性樹脂の溶剤は該樹脂の良溶媒のみならず、高温状態で溶解機能を持つ溶媒、即ち該樹脂に対する溶解性に温度依存性を有する可塑剤も含まれるものである。
しかも、無機粉体は熱可塑性樹脂の該多孔体構造であるセル内部を埋める状態にあり、該多孔体構造を維持するためにも重要な骨格となっており、本発明により形成された該セルの大きさは熱可塑性樹脂や溶剤の種類あるいは混合比率、押し出し成形条件により変化出来るが、平均径が0.01〜6μmのものが最も有効である。
又、活物質のみに注目した場合、電極層に占める活物質の量は90質量%以上が望ましいが98質量% 以上では該セルを構成する熱可塑性樹脂の量が少なくなり、含有する粉体状活物質を該セル内に保持できず、又該多孔体も強度が著しく低下する事となり本発明の効果が少なくなる。
また反対に50質量%以下の場合、蓄電部品類の電気容量が小さくなり実用に耐えられなくなる。
又、本発明の請求項1に記載されている熱可塑性樹脂中に分散されている無機粉体の形状は球状、鱗片状、繊維状、多角形状やその他の形状を問わず粉状であれば蓄電部材に必要とされる物が使用できる。
その上、蓄電部品として形成する際の捲回や積層の加工工程でセパレータと電極のズレが生じる恐れがなく、生産性や品質の向上に繋がり、蓄電部品の安全性や収率向上に大きく寄与しコストを低減させることが可能となった。
これら前記した本発明の多くの効果は、熱可塑性樹脂と無機粉体よりなる素材を該樹脂の融点以上の温度にて溶融した状態で押出してフィルム状多孔体にする事により得られるもので、樹脂と無機粉体を混合し樹脂の融点以下の温度において樹脂を溶剤にて溶解してペースト状とし、コーティング等により得たフィルム状多孔体とは明らかに物性が異なるものである。
又、溶融押出し時或はその後の引張により分子は引長方向に配向される事となり、高強度化する事となる。
従って、本発明の熱可塑性樹脂と粉体状活物質よりなる熱溶融押出しフィルム状多孔体は、該樹脂により三次元網目構造を形成し、該構造を構成する各々のセル中には該活物質を充填せしめ強固に保持した状態となり、且つ該樹脂は配向により強靭なセル骨格を有する電極層を形成する事となる。
しかし該特許公報には塗工法による電極層形成の代表的なものとして紹介してあり、該特許公報記載の塗工法による電極層は接着性を有する剥離シートを接着させる事により如何に破断して剥離し易い物であるかを明確に説明している。
即ち、使用される剥離シートとして連通多孔質、例えば織布、編布、不織布等に熱可塑性樹脂の一つであるポリオレフィン系樹脂のポリエチレンやポリプロピレンを熱含浸させたものを例示してあり、この様な素材で作成した電極層剥離シートを電極層表面に接着させて剥がし、電極層を部分的に剥離させる事を提案している。
この様な電極層の状態を具体的事例で示すと、代表的な従来法では活物質としてコバルト酸リチウムを100重量部、フッ素ゴムを8重量部、酢酸エチル:2−エトキシエタノ
ール=1:3を40重量部の混合溶液を作成し離型処理したPETフィルム上にコーティングし溶媒を乾燥させて得られた膜厚53μmのコーティング法による電極層の引張り破断強度は0.6MPaで破断伸度は13%で有った。
当然にして本発明の請求項1の多層構造においても同様に高強度化が得られることは容易に類推できるものである。
前記した様に特許第3590220号公報を引用して、従来の一般的手法で作製した電極層の剥離強度がは如何に小さいものであるかを説明したが、小さな剥離強度を持つ電極層の上に同様の手法で形成された絶縁体の強度も低い事は言うまでもないが該特開による電極層と絶縁体の一体化されたものでも本発明のセパレータ電極一体型蓄電部材に比べ剥離強度が小さい事は充分に理解できるものである。
又、本発明の製法では熱可塑性樹脂が熱溶融過程を経てフィルム状に押出され冷却される際に2軸方向に配列され高強度化が生じる事にあり、より強度を向上させるには延伸を付加させる事も当然可能である。
しかし、該特開公報記載の手法によると活物質や絶縁体物質は単なるバインダーによる接着で形態を維持しており、例え絶縁体を電極表面に強固に接着させる目的で高温雰囲気中に曝してもかえって使用しているバインダーの軟化により強度は増加する事は無く、該特開公報に記載の絶縁体形成の問題点の一つでもある。
これらの事項から、本発明であるセパレータ電極一体型蓄電部材とは全く異なるものである事を示している。
しているが、本発明の請求項7乃至8に記載の製法で作成される事から、作成された本発明のセパレータ電極一体型蓄電部材は層間境界が必ずしも明確でなく、組成が断面方向に傾斜している場合もあり、これが層間固着の強度を高めている要素の一つでもある。
この様にして得られた本発明のセパレータ電極一体型蓄電部材は、フィルム状多孔体であるセパレータと粉体状活物質を含む層間が固着しているため、延伸等により薄膜化する事が可能であり、電極層の厚さが100μm以下のものが容易に得られると共に、薄膜化操作による延伸によっても高強度化され、従来に無い高強度薄膜電極層が可能となり、その後の蓄電部品への組立て加工も容易となった。
この様にして得られた高強度薄膜電極層により、蓄電部品である例えば電池に応用させた場合、単位体積当りの電極表面積の拡大と電気抵抗の低下により従来のコーティング法による電極層製法とは異なり高容量・高出力密度を持つ電池が可能となる。
その上、従来のセパレータ層と電極層を個別の状態で形成して蓄電部品としたものは、高温環境において往々にしてセパレータ層が収縮し電極層の剥き出しや破れが生じ、セパレータとしての機能を失って短絡して蓄電部品の故障や事故モードとなる。
特に、蓄電部品が高温雰囲気になった場合でも、セパレータ層の熱収縮を低減させ、耐熱性を向上させるためにはセパレータ層となる多孔体が熱可塑性樹脂と無機粉体から形成される構造が有効である。
これらの効果により、高温環境下でもセパレータ電極一体型蓄電部材の収縮は著しく少なく且つ活物質等の導通による短絡が防止出来、蓄電部品の故障や事故が著しく少ない、耐熱性を有するセパレータ電極一体型蓄電部材となる。
又、例えば熱可塑性樹脂がポリエチレンでシリカ微粒子との配合量が適切なセパレータ層を持つセパレータ電極一体型蓄電部材の場合、蓄電部品に組立ててポリエチレンの融点以上の雰囲気に置かれた場合、ポリエチレンは軟化して流動化し多孔形状を崩して無孔化の状態に移行化しつつ、イオンの透過を阻止する所謂シャットダウンの効果を表し、その後より温度の上昇が生じた場合でも先に述べたシリカ粒子が層を維持し絶縁層が存在する事で両極間の接触を防ぐ事が出来、安全性向上に寄与出来るものとなる。
その上、本発明は請求項4に記載されている様に、熱溶融押し出しフィルム状多孔体の透気度厚さ換算値で50秒/μm以下であることで明らかなように、一方の面から他方の面に多孔体を構成する大半のセルが連通していることが特徴である。
多孔体を形成するセルが連通してなることは電極層及びセパレータ層の性能にとって重要な要素であり、すなわち電極間を移動するイオンの通路となると共に、イオンが吸脱着する電極層内活物質の表面積を大きく確保する必要からも多孔構造が必要である。
すことのできる透気度が大きすぎると多孔体の孔径が大きくなり電極層では無機粉体すなわち粉体状活物質の連続性とセルでの保持が十分に出来ず脱落が生じる事があり、又小さすぎると電解液の浸透やそれに基づくイオン伝導性が悪くなる。
又、セパレータ層の孔径に注目すると、孔径が大きくなると強度が小さくなり脱落した活物質による突刺しにより短絡が発生しやすくなり安全性に不安が生じる。
従って、本発明のセパレータ電極一体型蓄電部材が多孔体であるため、蓄電部材性能に影響する孔径や空孔率を代表する特性として最も透気度が重要である。
すなわち、請求項4に記載されている様に、該フィルム状多孔体層の透気度厚さ換算値が50秒/μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のセパレータ電極一体型蓄電部材が必要となるが、好ましくは電極層のみで該換算値30秒/μm以下、セパレータ層のみで5秒/μm以下が望ましい。尚、その下限値は0.5秒/μmである。
其々の部材メーカーは膜状やフィルム状或は布帛状にセパレータを形成する工程、電極はコーティング等により板状に形成するなど、いずれも最終的にはフラット状に形成されたものが必要となり、生産機器は各々異なるが使用エネルギーや人件費等の必要経費は重複する部分が多く、且つ部材メーカー各社の利益も其々必要となり結果的には部材コストが高くなる場合が多い。
負極としてグラファイト系カーボン粉末とセルロース系バインダー及びその溶剤と混合してドープ状とし、正極と同様の手法にて作成する。
この正極及び負極と別工程で作成されたポリエチレン製微多孔膜のセパレータ層と合わせて捲回した後、電池缶に挿入し電解液を注入する事によってリチウムイオン電池が生産されそれぞれの生産工程、特に電極層とセパレータ層の工程が全く異なるものである。
すなわち、粉体状のコバルト酸リチウムと粉体状導電性グラファイトを熱可塑性樹脂である粉末ポリエチレンとその溶剤である流動パラフィンに混合してなる正極原料を作成し、次いでポリエチレンとシリカ粉末及び流動パラフィンを混合してセパレータ原料を作成し、
請求項7に記載の製造方法にて2層に共押し出し成形したあと、アルミ箔表面に微細な凹凸加工若しくは孔開け加工等の処理をしたアルミ箔集電体を正極活物質を配合した電極層側に押し当て加圧接着させた後、流動パラフィンを溶剤にて除去する事により、集電用金属薄板を接着したセパレータ電極一体型蓄電部材を得ることが出来、また2層に共押出し成形したあと延伸により薄膜化し、流動パラフィンを溶剤による抽出で除去後電極層側の表面に導電性接着剤をコーティングしたアルミ箔集電体を貼り集電用金属薄板を接着したセパレータ電極一体型蓄電部材(請求項6の本発明)を得ることも出来る。
別の方法として、本発明の請求項8に記載のごとく、該正極原料と該セパレータ原料を作成し、溶融押出し製法によりフィルム状形成体を個別に得た後重ねて加熱雰囲気中で加圧または延伸或いは加圧延伸により一体化した2層を得てしかる後集電用金属薄板と接着して溶剤または可塑剤を除去してセパレータ電極一体型蓄電部材を得ることも可能である。
これらの手法により得られた集電体と接着する前の2層よりなる厚さ130μmのセパレータ正極一体型蓄電部材のガーレー透気度を測定した結果3500秒が得られ、本発明の構成要件である透気度換算値50秒/μm以の多孔体構造を有するセパレータ電極一体型蓄電部材を得る事が確認できた。
同様にして、粉体状負極材を配合する事により本発明によるリチウムイオン電池用のセパレータ負極一体型蓄電部材を容易に得ることが出来る。
その後適当な幅にスリットした後、別に作成したポリエチレンやセルロース繊維を使用して薄膜状に作成したセパレータと合わせ捲回やスタック等により積層して基本構造のものを得る方法や、同じくドープ状とした電極活物質をセパレータ上にコーティングして金属箔等の集電体と一体化し適切な手法で積層して電気二重層コンデンサーの基本構造を作成している。
しかし、これは何れもセパレータと電極部を別々の工程で作成したのち積層工程を経て基本構造を作成するが、本発明によって大幅に工程の短縮が可能となりコストも低減できる方法となる。
これを適当なる形状に切断したのち一体化したセパレータ電極一体型蓄電部材を積層し両端に集電体を接着後缶に挿入し、電解液を注入する事により簡単で安価な電気二重層コンデンサーが得られる。
例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリメタクリル酸メチル、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、エチレンビニルアルコールコポリマー、ポリアセタール樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリテトラフルオロエチレンおよびポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂等が挙げられるが、特にポリオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、及びこれらの重合体が望ましい。
又、電気二重層コンデンサーであれば椰子殻活性炭や活性炭短繊維、カーボンナノチューブ、PTFE系又は塩化ビニリデン系ポーラスカーボンなどの粉体が電極活物質として使用できる。
その他の蓄電部品においても電極活物質を選定すれば本発明の手法により画期的な性能を有する蓄電部品となる。
導電性無機粉体として、アセチレンブラック、グラファイトカーボン、ナノカーボンファイバー、ナノカーボンホーン、フラーレン等や銅、アルミ、ニッケル、鉄、金等に代表される導電性金属が使用できるが特にカーボン系導電性粉体が望ましい。
又、導電性ポリマーとして、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセン等が使用できるが必ずしもこれらに限定されるものではなく多くの導電性ポリマーが利用できる。
例えば、自動車等に蓄電部品を収納する場合、立方体形状のみならずドアや屋根等に板状での平面収納も選択肢の一つであり、本発明の製法によると後者の場合も従来法にはない大面積の蓄電部品が簡単に作成可能である。
即ち、請求項1に記載されている様に異なる組成のものを溶融押出し成形することによりセパレータ層と電極層が溶融一体型構造となるため、大面積でもセパレータ層と電極層の解離による電気抵抗の増加が無く性能が安定し、しかも耐久性が高く従来では不可能な蓄電部品が得られる。
同様に、立方体形状の蓄電部品の場合でも、使用中に何等かの過充電や高温環境下での要因により電解液の分解等の影響により膨張して電極層とセパレータ層が解離、間隙を作り性能を著しく低下させることがあるため外部締め付けによる形状保持等の対応処置を必要とする場合があるが、請求項1に記載の電極層及びセパレータ層で形成されるセパレータ電極一体型蓄電部材では何らその様な対応処置が必要でない。
は、通常該一体型蓄電部材を捲回等により積層状態にした後、容器に挿入して環状炭酸エステル例えばプロピレンカーボネートや鎖状炭酸エステル例えばジメチルカーボネートと電解質であるホウフッ化リチウム等を混合した電解液を注入し電極層及びセパレータ層の空隙部に含浸させる必要が有る。
又、例えばアクリレートモノマーであるトリジメタアクリレートメタアクリレート、エチレングリコールエチルカーボネートメタアクリレート、2−エトキシエチレンアクリレートと電解質を混合させ電極層及びセパレータ層の空隙部に含浸せしめた後加熱し、三次元架橋共重合体ポリマーとせしめ固体化してより安定なセパレータ電極一体型蓄電部材とする方法も可能である。
なお、特に断らない限り、部および%は質量基準である。
「実施例1」
A組成を形成するためMv200万の粉末ポリエチレン(平均粒径:150μm)20部、LiCoO2 (平均粒径:10μm)120部、グラファイト(平均粒径:10μm)2部、アセチレンブラック(平均粒径:50nm)2部、流動パラフィン100部を計量した。
一方、B組成を形成するためMv70万の粉末ポリエチレン(平均粒径:150μm)40部、流動パラフィン60部を計量した。
次いで、先ずA組成を形成するため粉末ポリエチレン、LiCoO2 、グラファイト、アセチレンブラックをミキサーに入れ均質となるように混合し、この混合物を図1に示す押出機(1)のホッパー(a)に供給し、更に別の供給口(b)より流動パラフィン(可塑剤)を添加して200℃で加熱溶融混合した。
これと同時に、同様にして他の押出し機(2)のホッパー(a)に粉末ポリエチレンを供給し、更に別の供給口(b)より流動パラフィンを添加して200℃で加熱溶融混合しB組成を形成した。
これにより、ポリエチレンと流動パラフィンによる相分離で形成された多孔体構造中にA組成の正極活物質を含む層と、B組成であるポリエチレン多孔構造体のセパレータ層とでなるセパレータ正極一体型蓄電部材とアルミニューム箔集電体とからセパレータ電極集合体を得ることが出来た。
本実施例により得られたアルミニューム箔集電体に接着する前でロール圧延後の積層体を、上記溶剤で流動パラフィンを抽出し、セパレータ層33μ、電極層84μの厚さを持つ117μのセパレータ正極一体型蓄電部材を得、ガ−レー法による透気度を測定したところ2300秒となり、本発明の請求項4に規定された透気度換算値50秒/μm以下を満足させる19.6秒/μmが得られると共に、電子顕微鏡観察で多孔体構造である事が確認できた。
B組成を形成するためMv200万の粉末ポリエチレン(平均粒径:150μm)40部、粉末SiO2 (平均一次粒径:20nm)40部、流動パラフィン100部を計量した以外は実施例1と同様にして、A、B両組成の溶融状態のものを得た。
その後、該A、B両組成の溶融状態のものを個別に押出し機に供給し装着したTダイより個別に押出して、A、B組成のフィルム状体を得た。
これらA、B組成のフィルム状体を重ねポリエチレンの溶融点近辺に加熱したロール延伸機でタテ方向に2倍延伸し、次いでポリエチレンの溶融点近くに加熱したテンターにてヨコ方向に3倍延伸処理し、その後実施例1と同様にしてアルミニューム箔集電体の接着と流動パラフィンの溶剤抽出をおこなって、A組成である電極活物質を含む層と絶縁体であるSiO2 を含む多孔体セパレータ層とが強固に接着したセパレータ正極一体型蓄電部材とアルミニューム箔集電体とからなるセパレータ電極集合体を得た。
A、B組成のフィルム状体を重ねポリエチレンの溶融点近くの雰囲気でタテ・ヨコ延伸処理した後で、アルミニューム箔集電体を接着する前の積層体を、上記溶剤で流動パラフィンを抽出し、セパレータ層21μ、電極層75μの厚さを持つ96μのセパレータ正極一体型蓄電部材を得、本発明の請求項4に規定された透気度換算値50秒/μm以下を満足させる13.8秒/μmが得られると共に、電子顕微鏡観察で多孔体構造である事が確認できた。
ペレット状PVdf5部、粉末活性炭(平均粒径:15μm)70部、ジオクチルフタレート50部をA組成形成の原料配合とし、Mv200万の粉末ポリエチレン(平均粒径:150μm)10部、粉末導電性炭素(平均粒径:40nm)80部、及びジオクチルフタレート45部をB組成形成の原料配合とし、A組成と同じペレット状PVdf40部、ジオクチルフタレート60部をC組成形成の原料配合とした。
A組成の粉末活性炭としては有効比表面積と面積比容量を上げた、例えば椰子ガラ活性炭を賦活させてメソポーラスを多くし、イオン吸着による電気二重層の量を多くさせる物が良く、又B組成に使用する粉末導電性炭素としては例えばケッチェンブラックの様な導電性カーボンブラックが良い。
これら3組成の原料配合を用いて、実施例1と同様にして、3組成の溶融状態のものを得た。
抽出後の5層構造の薄膜を1組の電源素子とし、これを切抜いて導電性接着剤を塗布し電源素子4組を重ね、導電性接着剤を塗布した金属製集電体を前後に重ねた後加圧接着して一体化し容器に収納後プロピレンカーボネート・ジメチルエタンと電解質よりなる電解液を注入し電気二重層コンデンサーを得ることが出来た。
溶剤抽出後の5層構造の薄膜の厚さは326μmであり、ガーレー透気度は7253秒で透気度換算値は22.2秒/μmのセパレータ正極一体型蓄電部材が得られた。
Claims (8)
- 熱可塑性樹脂と無機粉体よりなる熱溶融押出しフィルム状多孔体からなり、該フィルム状多孔体は断面方向に多層構造体をなし、該多層構造体は熱可塑性樹脂と粉体状電極活物質を含む無機粉体よりなる多孔質の電極層と、熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂と無機粉体よりなる多孔質のセパレータ層を少なくとも含むことを特徴とするセパレータ電極一体型蓄電部材。
- 電極層が導電性層とセパレータの層の間に配置されてなる請求項1記載のセパレータ電極一体型蓄電部材。
- 多層構造体のうちの少なくとも1層の熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂である請求項1又は2記載のセパレータ電極一体型蓄電部材。
- 該フィルム状多孔体の層の透気度厚さ換算値が50秒/μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のセパレータ電極一体型蓄電部材。
- 熱可塑性樹脂と無機粉体よりなる熱溶融押出しフィルム状多孔体に含まれる無機粉体の合計が50質量%以上98質量%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のセパレータ電極一体型蓄電部材。
- 電極層または導電層に集電用金属薄板を接着したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のセパレータ電極一体型蓄電部材。
- 熱可塑性樹脂と粉体状電極活物質を含む無機粉体および該熱可塑性樹脂の溶剤を含む混合物と、熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂と無機粉体および該熱可塑性樹脂の溶剤を含む混合物を熱溶融多層押出装置により層状に共押出し、しかる後溶剤を抽出して、少なくとも2層以上のフィルム状多孔体を得ることを特徴とするセパレータ電極一体型蓄電部材の製造方法。
- 熱可塑性樹脂と粉体状電極活物質を含む無機粉体および該熱可塑性樹脂の溶剤を含む混合物と、熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂と無機粉体および該熱可塑性樹脂の溶剤を含む混合物をそれぞれ、熱溶融押出装置により個別に押出したフィルム状形成体を、溶剤を抽出した後重ねて加熱雰囲気中で加圧または延伸或いは加圧延伸して層状の成形体を得るか、或は該フィルム状形成体を重ねて加熱雰囲気中で加圧または延伸或いは加圧延伸して層状の成形体を得た後溶剤を抽出して、少なくとも2層以上のフィルム状多孔体を得ることを特徴とするセパレータ電極一体型蓄電部材の製造方法。
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