JP2006242553A - 伝熱管、給湯用熱交換器およびヒートポンプ給湯器 - Google Patents

伝熱管、給湯用熱交換器およびヒートポンプ給湯器 Download PDF

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Abstract

【課題】長期間の使用過程においてスケール堆積が生じにくいことにより、良好な熱交換特性を維持できる伝熱管を提供する。
【解決手段】管の内面からの高さhが管の内径dに対して0.005d〜0.19dであり、管の軸方向に形成された0.4mm以上の距離aを有する溝によってそれぞれ挟まれた、複数の螺旋状のフィンを備えることを特徴とする伝熱管である。さらに、管の内面に形成されるフィンと、フィンと隣り合うフィンとの間に形成される溝との接続部Frの曲率半径αが0.03〜0.5mmであることを特徴とする伝熱管である。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱交換器に使用される伝熱管、特に給湯水を管内に流通するヒートポンプ給湯器用熱交換器に使用される伝熱管に関するものである。
地球環境保全の観点から二酸化炭素排出量を削減するために各種の伝熱機器の開発が行われている。温水を製造するための給湯器は都市ガスや油系燃料による加熱で製造することが多かったが、電力駆動による圧縮機で冷媒を循環して熱サイクルを形成することによって温水を製造するヒートポンプ給湯器の高性能化が進んでいる。ヒートポンプ給湯器では冷媒にフロンではなく二酸化炭素を使用することが多くなっており、脱フロンにも寄与している。
このようなヒートポンプ給湯器は、一般的に次に記載するようなシステムで形成されている。すなわち、圧縮機で高温高圧にされた冷媒は、ガスクーラーと呼ばれる熱交換器に送られ、水道水と熱交換することにより給湯に用いる温水を製造する。ガスクーラーで低温化された冷媒は、膨張弁で低圧化されて、室外に設置される蒸発器で外気により気化されて再び圧縮機で高温高圧化される。
流体の熱伝達率を向上させるための管の内壁面のフィンを付加してガスクーラーの性能を向上した例がある(例えば特許文献1)。
特開2003−156291号公報
しかしながら、特許文献1記載の熱交換器では、水道水が高温化されるので、その水道水内に含まれるカルシウムやシリカが析出(一般的にスケールと呼ぶ)して管内壁面に付着しやすくなり、管につまりが生じやすくなるという問題が生じる。特に、管内面にフィンを付加すると、隣り合うフィンの間にその析出物が堆積して経時的にフィン付加による熱伝達率向上の効果が劣化する。
このような問題に鑑み、本発明はなされたもので、長期間の使用過程においてスケール堆積が生じにくいことにより、良好な熱交換特性を維持できる伝熱管を提供するものである。
本発明に係る伝熱管の第1の態様は、管の内面からの高さhが管の内径dに対して0.005d〜0.19dであり、管の軸方向に形成された0.4mm以上の距離aを有する溝によってそれぞれ挟まれた、複数の螺旋状のフィンを備えることを特徴とする、伝熱管である。
本発明に係る伝熱管の第2の態様は、管の内面に形成されるフィンと、フィンと隣り合うフィンとの間に形成される溝との接続部Frの曲率半径αが0.03〜0.5mmであることを特徴とする伝熱管である。
本発明に係る伝熱管の第3の態様は、管の内面に形成されるフィンと、フィンと隣り合うフィンとの間に形成される溝との接続部Frが、少なくとももう一段の面を形成することを特徴とする伝熱管である。
本発明に係る伝熱管の第4の態様は、伝熱管が、銅または銅合金からなることを特徴とする伝熱管である。
本発明に係る熱交換器の第1の態様は、上述した伝熱管を用いた熱交換器である。
本発明に係るヒートポンプ給湯器の第1の態様は、上述した熱交換器を用いたヒートポンプ給湯器である。
本発明による熱交換器によれば、ヒートポンプ等に用いられる伝熱管について、長期間の使用過程においてスケール堆積が生じにくいため、良好な熱交換特性を維持できる伝熱管を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、図1から図9を参照して、詳細に説明する。
図1は、本発明に係る伝熱管を示す一実施例の模式図である。図1(a)は、伝熱管の平面図である。図1(b)は、伝熱管の矢視xの縦断面図である。図1(c)は、伝熱管の矢視yの横断面図である。図1(d)は伝熱管の矢視zの斜め断面図である。
本発明の伝熱管において、図1(c)に示すフィン2の高さ(または溝の深さ)hを管内径dに対して0.005d〜0.19dとする。高さhが0.005dより小さいと螺旋状のフィンまたは溝による伝熱性能が劣るためである。逆に、高さhが0.19dよりも大きくなっても伝熱性能の向上は飽和するばかりでなく、管内のフィンとフィンとの間に形成される面溝部へのスケールの堆積が生じやすくなってしまうためである。好ましくは0.01d〜0.13dである。
本発明の伝熱管において、図1(b)に示す管の軸方向に隣り合う溝の距離aを0.4mm以上とする。距離aが0.4mm未満であると管内の面溝部へのスケールの堆積が生じやすくなってしまうためである。好ましくは距離aが0.5〜1.8mmである。
さらに、本発明の伝熱管のフィンの特性について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図1に示される伝熱管の各部と同様の構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
図2は、フィンの形状の1つの態様を模式的に示す断面図である。なお、ここでは、図2に示すように、管の内面に形成されるフィン2と接続部Frが曲面である場合を曲面接合と分類する。曲面接合で管の内面に形成されるフィン2と、その隣り合うフィン2によって、その間に形成される溝との接続部Frの曲率半径αを0.03〜0.5mmとする。曲率半径αが0.03mm未満であると、曲面接合の接続部Frにスケールの堆積が生じやすくなってしまう。逆に、曲率半径αが0.5mmを越えると不必要に材料を必要とし、単位長さ管重量の増加という問題が生じる。好ましくは、曲率半径αが0.03〜0.4mmである。
図3は、フィンの形状の他の態様を模式的に示す断面図である。また、ここでは、本発明の伝熱管において曲面接合の代替として、図3に示すように、管の内面のフィン2と管の接続部Frにおいてもう一段の面(テーパー)が形成されているものを面取接合と分類する。すなわち、フィン2と管の内面とは多角形の一部をなすよう形成される。この面取接合によりフィン2と溝部との境にスケールの堆積が生じにくくなる。なお、図3に示すbは、面取接合の面の高さを示し、cは、面取接合の面の幅を示す。
本発明の伝熱管の材質は、熱伝導性を有するものであれば良いが、好ましくは熱伝導性に優れる金属が良い。より好ましくは銅または銅合金である。
また、本発明の伝熱管は熱交換器に用いられ、特に、二酸化炭素を冷媒とし、水道水と熱交換するヒートポンプ給湯器に用いられる。
(実施例1)
以下に、実施例を用いて本発明に係る熱交換器を詳細に説明する。
図4は、伝熱管の特性とその特性に基づく評価結果を示す表である。伝熱管の材質はリン脱酸銅を使用し、外径Dを9.52mm、内径dを7.92mm、管の長さを2.5m、管の肉厚tを0.8mmとした。その状態で、溝数、フィンの高さh、溝の距離a、接続部Frの曲率α、ねじれ角θを種々の条件で変化させ、伝熱管の評価を行った。
また、図5は、本発明に係る伝熱管の伝熱性能の評価方法を示す模式図である。図5に示すように、2重管式熱交換器により伝熱管1の伝熱性能を評価した。2重管式伝熱管の内管には、本発明例および比較例の伝熱管1を使用し、水温30度の低温水を流量2リットル/分で、図5に示す矢印3の方向に流した。外管4にはステンレス製の外径16mm、肉厚1mmの管を使用し、水温60度の高温水を流量3リットル/分で、図5に示す矢印5の方向に流した。
まず、伝熱性能の評価を調べるために、図4に示す実験条件の下で水の交換熱量Q1の測定を行った。なお、スケール直前の交換熱量Q1は、本発明例および比較例の伝熱管1と同じ外径を有し、管内面にフィンまたは溝が無い平滑管の交換熱量Q1を100とし(比較例7)、比較例7との比で本発明例1〜19及び比較例1〜6の交換熱量Q1を示した。
次に、伝熱管1の内面へのスケール付着による伝熱性能の影響について検討するため、以下に示すスケール付着加速試験を行なった。
本発明例および比較例の伝熱管1の内部に、カルシウム硬度が200mg/リットル、およびイオン状シリカが100mg/リットルになるように塩化カルシウムおよびメタケイ酸ナトリウムを添加して80℃に加熱した水道水を、流量2リットル/分で270日間通水した。なお、試験水は15日ごとに新しい液に交替した。
さらに前記実施例1と同じ方法で、通水開始より90日、180日、270日で、本発明例および比較例の伝熱管1の交換熱量を測定し、スケール付着前後による交換熱量の劣化を評価した。通水開始より90日、180日、270日のそれぞれの交換熱量をQ2、Q3、Q4とした。また、試験終了後(270日後)に、伝熱管1を切断して管内面のスケールの堆積状態を目視で確認した。ほとんど堆積していないものを○、やや堆積が見られるものを△、堆積が著しいものを×とした。伝熱管1の形状と評価結果を図4に示す。
図4から明らかなように、本願発明の伝熱管1はスケール堆積がしにくく、それにより交換熱量の劣化がほとんど無いため、良好な熱交換特性を維持している。それに対し、比較例1はh/dが0.005よりも小さいので伝熱性能が本発明例より劣った。また、比較例2は管の内面のフィン2と管の接続部Frにテーパーや曲面が形成されない接合(直接接合)なのでスケールが付着してしまい伝熱性能の低下が大きかった。比較例3と4はh/dが0.19よりも大きいのでスケールが付着してしまい伝熱性能の低下が大きかった。比較例5および6は溝の距離aが0.4mmよりも小さいため、スケールが付着してしまい伝熱性能の低下が大きかった。比較例7は平滑管なので交換熱量が本発明例より劣った。
(実施例2)
次に、実施例1と同様、図5に示す評価方法を用いて、外径Dが12.7mm、内径dが11.1mm、肉厚tが0.8mmである伝熱管1を評価した。その他の条件は実施例1と同様である。伝熱管の形状と評価結果を図6に示す。
図6は、第2実施例の伝熱管の特性とその特性に基づく評価結果を示す表である。図6から明らかなように、本願発明の伝熱管1はスケール堆積がしにくく、それにより交換熱量の劣化がほとんど無いため、良好な熱交換特性を維持している。それに対し、比較例8はh/dが0.005より小さいので本発明よりも伝熱性能が悪かった。比較例9はh/dが0.19より大きいので、スケールが付着してしまい伝熱性能が低下してしまった。比較例10は平滑管なので交換熱量が本発明例より低い。
(実施例3)
さらに、実施例1で取り上げた、外径Dが9.52mm、肉厚tが0.8mmの本発明例15の伝熱管と、平滑管である図4に示す比較例7について、入口の水温10℃、水流量6〜9リットル/分(流速約2〜3m/sec)の範囲で、図5に示す評価方法を用いて交換熱量を測定した。その結果を図7に示す。
図7は、第3実施例の伝熱管の特性とその特性に基づく評価結果を示す表である。図7より分かるように、本発明なる伝熱管は水流量が多くなっても高い伝熱性能を得ることができる。このことは、本発明なる伝熱管が、給湯器だけに限らず、各種の高温媒体を冷却するための伝熱管として使用しても効果を得るものであることを示している。
(実施例4)
図8は、本発明の伝熱管を備える熱交換器の一例を示す平面図である。図8に示すように、本発明に係る熱交換器13は、二酸化炭素などの冷媒が流れる管6を、水が流れる伝熱管1で挟む構造をしており、かつ、両者を接合材により接合して密着することによって、管6から放熱される熱が大気へ放出されることなしに、伝熱管1に伝わり、効率良く伝熱管1と熱交換を行うものである。
冷媒は図8に示す矢印9に沿って管2に流入する一方で、水は図8に示す矢印10に沿って伝熱管1を流出する。したがって、管の内部を流れる冷媒と水は、対向流れとなるように構成されている。
さらに、本発明の熱交換器について、図8に示すa−a断面図を用いて詳細に説明すると、伝熱管1と管6及び接合部7で囲まれた範囲が隙間部8として形成されるために、腐食により伝熱管1や管6の管壁に孔があいた場合にも、他の管への腐食が進行する前に、隙間部8へ冷媒あるいは水が流れ出して、その漏洩を検知することができる。
伝熱管1と管6の接触面積を増やし、かつ、漏洩検知用の隙間を確保するためには管6の本数は2本または3本とすることが望ましく、これより多いと漏洩検知用の隙間を確保しようとすると、伝熱管1と管6の接触面積が少なくなり伝熱特性が低下する。これらの構成をとることによって、熱交換器の高性能化が図られ、また、熱交換器自体を小型化することができる。
(実施例5)
本発明なる伝熱管を、ヒートポンプ給湯器に使用する例について述べる。
図9は、ヒートポンプ給湯器のシステムフロー図である。本実施例のヒートポンプ給湯器は、室外ユニット11と給湯タンク20とから構成される。
室外ユニット11は、圧縮機12、ガスクーラーと呼ばれる熱交換器13、膨張弁14及び蒸発器15を備え、それらが順次に冷媒配管16によって接続された一次冷媒回路により構成されている。この冷媒回路には、冷媒として臨界温度の低い二酸化炭素が使用されている。一方、熱交換器13、循環ポンプ18、給湯タンク20を備え、それらが順次に配管19によって接続された回路を二次冷媒回路とする。したがって、熱交換器13には、冷媒配管16と配管19とが接続される。
圧縮機12は、蒸発器15で蒸発された冷媒を、図示しないアキュムレータを介して吸引し、臨界圧力以上まで圧縮作用を行う。なお、アキュムレータは設けなくともよい。熱交換器13は、圧縮機12から吐出された冷媒としての二酸化炭素と水との間で熱交換を行う。なお、通常運転時では、冷媒は圧縮機12で臨界圧力以上に加圧されるので、熱交換器13での放熱によっても凝縮することはなく、ガス状態となっている。
膨張弁14は、熱交換器13から流出する冷媒を弁の開き度合いに応じて減圧し、図示しない制御装置によって制御される。蒸発器15は、膨張弁14で減圧された冷媒を蒸発させる。この冷媒のために大気中からの熱を吸熱するするために、ファン17が備えられている。これらの部材を使用して、二酸化炭素冷媒は、図9に示す矢印にしたがって冷媒配管16内を流れる。
また、二次冷媒回路において、循環ポンプ18は、外部から給湯タンク20を介して流入する水を熱交換器13に導出する。さらに、熱交換器13によって約90℃程度まで加熱された温水を給湯タンク20に導出する。したがって、この循環ポンプ18によって、水が二次冷媒回路内を矢印に示すように循環する。なお、循環ポンプ18は、図示しない制御装置によって循環量を制御する。
上述したように、一次冷媒回路に二酸化炭素冷媒を使用することで、二次冷媒回路側において、外部から流入する水道水を高温水にし、その高温水が給湯タンク20に貯められて、必要な時に給湯される。
さらに、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能である。
本発明により、ヒートポンプ等に用いられる伝熱管について、長期間の使用過程においてスケール堆積が生じにくいため、良好な熱交換特性を維持できる伝熱管を提供することができ、産業上の利用可能性が高い。
図1は、本発明に係る伝熱管を示す一実施例の模式図である。 図2は、フィンの形状の1つの態様を模式的に示す断面図である。 図3は、フィンの形状の他の態様を模式的に示す断面図である。 図4は、第1実施例の伝熱管の特性とその特性に基づく評価結果を示す表である。 図5は、本発明に係る伝熱管の伝熱性能の評価方法の模式図である。 図6は、第2実施例の伝熱管の特性とその特性に基づく評価結果を示す表である。 図7は、伝熱管の特性とその特性に基づく評価結果を示す表である。 図8は、本発明の伝熱管を備える熱交換器の一例を示す平面図である。 図9は、ヒートポンプ給湯器のシステムフロー図である。
符号の説明
1 伝熱管
2 フィン
3 低温水
4 外管
5 高温水
6 管
7 接合部
8 隙間部
9 冷媒
10 水
11 室外ユニット
12 圧縮機
13 熱交換器
14 膨張弁
15 蒸発器
16 冷媒配管
17 ファン
18 循環ポンプ
19 配管
20 給湯タンク
D 外径
d 内径
t 肉厚
α 曲率半径
Fr 接続部
h フィンの高さ
a 溝の距離
b 面の高さ
c 面の幅
θ ねじれ角

Claims (6)

  1. 管の内面からの高さhが前記管の内径dに対して0.005d〜0.19dであり、前記管の軸方向に形成された0.4mm以上の距離aを有する溝によってそれぞれ挟まれた、複数の螺旋状のフィンを備えることを特徴とする、伝熱管。
  2. 管の内面に形成されるフィンと、前記フィンと隣り合うフィンとの間に形成される溝との接続部Frの曲率半径αが0.03〜0.5mmであることを特徴とする、請求項1に記載の伝熱管。
  3. 管の内面に形成されるフィンと、前記フィンと隣り合うフィンとの間に形成される溝との接続部Frが、少なくとももう一段の面を形成することを特徴とする、請求項1に記載の伝熱管。
  4. 前記伝熱管が、銅または銅合金からなることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の伝熱管。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の伝熱管を用いた熱交換器。
  6. 請求項5に記載の熱交換器を用いたヒートポンプ給湯器。
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