JP2006246784A - 粉末可溶性コーヒーの製造方法 - Google Patents

粉末可溶性コーヒーの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】粉末コーヒーをそのままお湯に溶解して飲むことができ、容器底部に不溶性固形物が残存せず、飲用時にざらつき感のない粉末可溶性コーヒーの製造方法を提供する。
【解決手段】焙煎コーヒー豆と水とを混合し、この焙煎コーヒー豆をメジアン径30μm以下に湿式粉砕し、得られたコーヒー懸濁液を55μm以下に分級し、その後乾燥する粉末可溶性コーヒーの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は粉末可溶性コーヒーの製造方法に関し、詳しくは、粉末コーヒーをそのままお湯などに溶解して飲むことができる粉末可溶性コーヒーの製造方法に関する。
レギュラーコーヒーは、生豆コーヒーを焙煎機で焙煎し、焙煎したコーヒー豆をロール状の粉砕機などを用いて粉砕し粉末コーヒーとなる。この粉末コーヒーに熱水を注いで抽出することにより、飲用する。抽出器具としては、ペーパーフィルターやサイフォン、パーコレーターなどが用いられるが、どの器具もろ過した抽出液を飲むためのものである。
このようなレギュラーコーヒーの一般的な飲用に対して、粉末コーヒーをそのままお湯に溶解して飲むことのできるレギュラーコーヒーも開発されている。例えば、焙煎コーヒー豆を微粉砕し、この微粉末コーヒーを抽出ろ過することなく溶解して飲用に供するようにした発明が、特許文献1に開示されている。
特許文献1に記載されている発明は、焙煎したコーヒー豆を湿式粉砕し、これを噴霧乾燥して微粉末可溶性のレギュラーコーヒーを得るものである。
特開2003−9768号公報
コーヒーは、一般に、ろ過して飲用されるため、抽出液中には不溶性固形分はほとんど存在しておらず、従って、コーヒー飲用時に、容器の底部に沈殿物が残存することは品質上劣るとされるところ、上記従来技術の方法は、容器の底部に少なくない不溶性沈固形物が残存し、必ずしも品質上好ましいものではなく、改善が要請されていた。
また、焙煎コーヒー豆をディスク式、衝撃式、ボールミル式、ジェット気流粉砕式などの方式を用いて、より一層微粉砕することも考えられるが、これらの方式を用いたとしても、コーヒー豆に含まれる油分が分離して、微粉砕したコーヒー粉体を凝集させ、結局、容器底部に固形分が残存することになる。
本発明者らは、コーヒーの微粉末化について鋭意研究した結果、微細化した焙煎コーヒー豆を湿式粉砕し、得られた懸濁液中に含まれる50μm以上の粒子を湿式状態にてろ過分級し、後乾燥することにより容器底部に固形分が残存し難くなり、飲用時にざらつき感を消失させることを見出し、本発明を完成した。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の有する問題点に鑑みて、粉末コーヒーをそのままお湯などに溶解して飲むことができ、しかも容器底部に不溶性固形物が残存せず、飲用時にざらつき感のない粉末可溶性コーヒーの製造方法を提供することにある。
上記課題は、各請求項記載の発明により達成される。すなわち、本発明に係る粉末可溶性コーヒーの製造方法の特徴構成は、焙煎コーヒー豆と水とを混合し、この焙煎コーヒー豆をメジアン径30μm以下に湿式粉砕し、得られたコーヒー懸濁液を55μm以下に分級し、その後乾燥することにある。
この構成によれば、複雑で面倒な工程を経ることなく、溶解させた際に沈殿が残り難く、飲用した場合にはザラツキ感の感じられないコーヒー飲料が得られる。特に、湿式粉砕を採用しているので、他の粉砕方法、例えばディスク式粉砕法、衝撃式粉砕法、ボールミル法、ジェット気流法などで行う場合、コーヒー豆に含まれる油分の存在のため、微細に粉砕された粒子間に凝集が容易に生じて、メジアン径の小さい微細粉末が得られないのに対して、本発明によれば確実に微細粉末を得ることができる。また、凍結粉砕法によっても、メジアン径50μ以下にすることは一般に困難であり、しかも湿式粉砕に比べて、粉砕処理コストが高くなる。このように、本発明の場合、湿式粉砕した後、分級するようにしているので、粉体が凝集することなく、微細なコーヒー粒子として確実に分級ができ、設備コストおよび粉砕処理コストが安価に済み、メジアン径の小さい微細な粉体が比較的短時間で確実に得られるため、実生産に適する。
その結果、粉末コーヒーをそのままお湯などに溶解して飲むことができ、しかも容器底部に不溶性固形物が残存せず、飲用時にざらつき感のない粉末可溶性コーヒーの製造方法を提供することができた。
前記湿式粉砕を行う前に、前記焙煎コーヒー豆を予め乾式粉砕または凍結粉砕を行い、メジアン径を100μm以下にすることが好ましい。
この構成によれば、湿式粉砕を一層効率的に短時間に、メジアン径の小さい粒径のコーヒー粒子を得ることができる。
前記湿式粉砕を、径0.5mm以下の球形ビーズを混在させて粉砕すると共に、前記分級を、篩を用いて行うことが好ましい。
この構成によれば、上記したように、湿式粉砕された微細なコーヒー粉末を篩により分級するので、乾式の状態で分級する場合(粉砕時に溶出した油分によって粒子が互いに凝集する)に比べて、粒子間の凝集を生じることがなく、メジアン径の小さい粒径のコーヒー粒子を得るのに一層短時間に行うことができる。
本発明に係る粉末可溶性コーヒーの製造方法の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。本実施形態に係る粉末可溶性コーヒーの製造方法は、図1に示すように、コーヒー豆を常法により焙煎して焙煎コーヒー豆を製造する(♯1)。焙煎条件については、特に限定されるものではなく、各種焙煎度合いに応じた焙煎がなされればよい。
焙煎されたコーヒー豆は、湿式粉砕する前に、予備処理としてメジアン径約100μm以下程度にまで一次粉砕する(♯2)。この場合の粉砕方法は、特に限定されるものではなく、乾式、湿式、凍結粉砕など各種の粉砕方法を採用できる。この予備処理は、必ずしも必要ではないが、次工程で行う湿式粉砕を、短時間で所定の粒径に効率よく行うために実施することが望ましい。
一次粉砕した焙煎コーヒー豆と水とを混合し、メジアン径30μm以下に湿式による二次粉砕を行う(♯3)。焙煎コーヒー豆をメジアン径30μm以下に粉砕するには、乾式あるいは凍結粉砕では実生産レベルでの処理は難しく、湿式粉砕することにより初めて実生産レベルでの処理時間に達成できる。湿式粉砕は、粉体状の焙煎コーヒー豆と水との比率を、1:5〜1:20の範囲となるようにして行うことが好ましい。焙煎コーヒー粉と水の比率を1:5からコーヒー粉を多くすると、湿式粉砕時に懸濁液の流動性が低くなり、装置内でつまりが生じるなど、操業上の支障をきたすおそれがある。逆に、焙煎コーヒー粉と水の比率を1:20から水を多くすると、粉砕処理効率が低くなって好ましくない。
この湿式粉砕は、粒径0.3〜0.5mm程度のジルコニア製ビーズを用いてビーズ式粉砕を採用することが好ましい。粒径0.3mm未満のジルコニア製ビーズを用いた場合には、所定粒度にまで粉砕するのに時間がかかり、粉砕効率が低くなり、粒径0.5mmを越えるジルコニア製ビーズを用いた場合には、均質な粒度に粉砕するまでの処理時間が長くかかる。
次いで、得られたコーヒー懸濁液を目開き55μm以下のステンレス製あるいいは樹脂製篩を用いて分級し(♯4)、50μm以上のコーヒー粉を除去する。これにより、飲用時に不溶性の固形分を取り除き、ザラツキ感を確実に無くすことができる。
その後、分級処理されたコーヒー液を乾燥する(♯5)。乾燥処理は、圧力ノズルあるいは高速アトマイザを備えた噴霧乾燥機で行うと、微細なコーヒー粉末粒子が得られるので都合がよく、また凍結乾燥法などにより行う場合に比べて乾燥コストが低く済む。
このようにして得られたコーヒー粉末は、温水または冷水に溶解・分散させて、沈殿がほとんどなく、ザラツキ感のないコーヒー飲料として供される。
以下、より具体的に実施例を説明する。
(実施例1)
定法にて焙煎(約200℃、約10分)したコーヒー豆を乾式粉砕機にてメジアン径30μm程度にまで粉砕した。得られたコーヒー粉体をイオン交換水にて粉体:水=1:10の比率でディスパーサー(OMNI社製)にて約15分間混合し、この混合物を径約0.5mmの球形ジルコニア・ビーズをアイメックス社製粉砕機(ビーズミル)に投入し、回転数2000rpm、周速10m/秒、流量200mL/分にて4回湿式粉砕し、メジアン径約20μm以下程度にした。粉砕されたコーヒー粉を含む懸濁液に適宜加水しながら、目開き53μmのステンレス製篩を用いてろ過し、50μm以上のコーヒー粉を分級除去した。その後、分級処理した懸濁液を高速アトマイザーを有する噴霧乾燥機(MOBILE MINOR 2000NIRO A/S社製)を用いて、懸濁液スラリー濃度:6.5wt%、導入温度:280±5℃、排出温度:110±5℃、アトマイザー供給圧:400kPaの条件で噴霧乾燥し、コーヒー粉末を得た。
得られたコーヒー粉末については、コーヒー粉末2gを140g溶解して沈殿状態を目視で観察すると共に、粒度をレーザー回折・散乱粒子径測定装置(機種:LA920湿式。堀場製作所製)を用いて測定した。
(比較例1)
実施例1と同様のコーヒー豆を用いて同様の条件で焙煎し、予め予備粉砕することなく、イオン交換水にてコーヒー粉体:水=1:10の比率で混合し、この混合物をディスクミル(機種名:セレンディピターミニ。増幸産業社製)にて、クリアランス40μm、ディスク回転数2000rpm、焙煎コーヒー供給速度:0.2(kg/分)、水の供給速度:24L/分の条件で粉砕し、コーヒー粉を含む懸濁液を得た。得られた懸濁液は実施例1と同様の条件にて噴霧乾燥して粉末化し、実施例1と同様に熱水に溶解して沈殿状態を観察すると共に、粒度分布を測定した。
(比較例2)
実施例1と同様のコーヒー豆を用いて同様の条件で焙煎し、予備粉砕として、実施例1と同様に乾式粉砕機にてメジアン径30μm程度にまで粉砕した。得られたコーヒー粉体を、実施例1と同様の条件でディスパーサーにて混合し、この混合物をビーズミルに投入して4回湿式粉砕し、コーヒー粉末溶液を得た。ただし、実施例1とは異なり、分級処理をしなかった。得られた懸濁液を、実施例1と同様の条件にて噴霧乾燥して、コーヒー粉末を得た。得られた粉末は、実施例1と同様に熱水に溶解して沈殿状態を観察すると共に、粒度分布を測定した。
(比較例3)
実施例1と同様のコーヒー豆を用いて同様の条件で焙煎し、予備粉砕として焙煎したコーヒー豆を凍結粉砕機(リキッドガス社製)により、−130℃にて凍結粉砕し、コーヒー粉末を得た。得られた粉末は、実施例1と同様に熱水に溶解して沈殿状態を観察すると共に、粒度分布を測定した。
なお、以下の比較例6までは、得られた懸濁液を実施例1と同様の条件にて噴霧乾燥してコーヒーを粉末化し、実施例1と同様に熱水に溶解して沈殿状態を観察すると共に、レーザー回折・散乱粒子径測定装置(機種:LA920湿式。堀場製作所製)を用いて粒度分布を測定した。
(比較例4)
実施例1と同様のコーヒー豆を用いて同様の条件で焙煎し、焙煎したコーヒー豆を凍結粉砕機(リキッドガス社製)により、−130℃にて凍結し粉砕した。得られたコーヒー粉体を、イオン交換水にてコーヒー粉体:水=1:10の比率で混合し懸濁液を得た。この懸濁液をディスパーサーにて約15分間混合し、均一化した懸濁液に適宜水を加えながら、目開き53μmのステンレス製篩を用いてろ過し、コーヒー懸濁液を得た。
(比較例5)
実施例1と同様のコーヒー豆を用いて同様の条件で焙煎し、比較例4と同様に、焙煎したコーヒー豆を凍結粉砕機(リキッドガス社製)により、−130℃にて凍結し粉砕した。得られたコーヒー粉体を、イオン交換水にてコーヒー粉体:水=1:10の比率で混合し懸濁液を得た。この懸濁液をディスパーサーにて約15分間混合し、均一化した懸濁液に適宜水を加えながら、目開き75μmのステンレス製篩を用いてろ過し、コーヒー懸濁液を得た。
(比較例6)
実施例1と同様のコーヒー豆を用いて同様の条件で焙煎し、比較例4と同様に、焙煎したコーヒー豆を凍結粉砕機(リキッドガス社製)により、−130℃にて凍結し粉砕した。得られたコーヒー粉体を、イオン交換水にてコーヒー粉体:水=1:10の比率で混合し懸濁液を得た。この懸濁液をディスパーサーにて約15分間混合し、均一化した懸濁液に適宜水を加えながら、目開き106μmのステンレス製篩を用いてろ過し、コーヒー懸濁液を得た。
上記実施例1および比較例1〜6の工程の内、主たる工程を表1に纏めると共に、得られたコーヒー粉末の粒径分布およびを飲用に供した評価結果を、それぞれ表2、3に示す。
Figure 2006246784
Figure 2006246784
Figure 2006246784
表2、3に結果から、実施例1の場合、比較例1〜6に比べて、溶解時の沈殿は極めて少なく、飲用時のザラツキ感もみられず、コーヒー飲料として優れていることがわかる。その場合、湿式粉砕によりメジアン径を20μm以下程度にまですること(実施例1と比較例4の対比)と、55μm以下にまでろ過・分級処理する(実施例1と比較例2,4〜6の対比)ことを共に行うことが効果的である。
本発明の一実施形態に係る粉末可溶性コーヒーの製造方法を示すフローチャート

Claims (3)

  1. 焙煎コーヒー豆と水とを混合し、この焙煎コーヒー豆をメジアン径30μm以下に湿式粉砕し、得られたコーヒー懸濁液を55μm以下に分級し、その後乾燥する粉末可溶性コーヒーの製造方法。
  2. 前記湿式粉砕を行う前に、前記焙煎コーヒー豆を予め乾式粉砕または凍結粉砕を行い、メジアン径を100μm以下にする請求項1の粉末可溶性コーヒーの製造方法。
  3. 前記湿式粉砕を、径0.5mm以下の球形ビーズを混在させて粉砕すると共に、前記分級を、篩を用いて行う請求項1又は2の粉末可溶性コーヒーの製造方法。
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