JP2006255496A - 積層フィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
透明樹脂を含有してなる支持体の上に、直接又は他の層を介して、ゾル−ゲル反応性ケイ素化合物と中空微粒子を含有する塗工液を塗布、乾燥して、被膜を形成したフィルムを得、次いで該フィルムに電磁波を照射してなることを特徴とする積層フィルムの製造方法。
Description
積層フィルムの低屈折率層を形成する方法としては、いわゆるゾル−ゲル反応を利用したポリシロキサン層を形成する方法が知られている。これによればシリカ微粒子分散ゾルを加水分解縮合反応し、乾燥し、硬化被膜とすることで、粒子の多孔質体を形成させ低屈折率層を形成できる。しかしながらゾル−ゲル法による低屈折率層の形成は、密着性や耐擦傷性に問題があり、さらなる改善が求められてきた。
そこで、低屈折率層としてポリシロキサンと光酸発生剤を含有する塗布液組成物を塗布、乾燥し、紫外線を照射して、積極的にゾル−ゲル硬化反応を促進させ、密着性、耐擦傷性を改善することが提案されている。しかし、硬化を促進させることで、低屈折率層が凝集し、屈折率が高くなり、屈折率1.40以下にするのが難しい(特許文献1)。
また、別の態様として、光反応性基を含有するケイ素アルコキシドを加水分解処理して調整したアルコキシシラン水溶液を、透明樹脂基材上に塗布、形成された基材を加熱乾燥し、次いで紫外線を照射することにより、オルガノポリシロキサン層を形成することが提案されている。しかしながら、屈折率を1.38より小さくすることが困難であり、反射防止性が満足できるものではなく、またフィルムとの密着性、耐擦傷性についても不十分であった(特許文献2)。
透明樹脂を含有してなる支持体の上に、直接又は他の層を介して、ゾル−ゲル反応性のケイ素化合物と中空微粒子を含有する塗工液を塗布、乾燥して、被膜を形成したフィルムを得、次いで該フィルムに電磁波を照射することを特徴とする積層フィルムの製造方法が提供される。
また、環状共役ジエン系重合体としては、例えば、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン等の環状共役ジエン系単量体を1,2−付加重合又は1,4−付加重合した重合体を挙げることができる。
透明樹脂をフィルム状に成形する方法としては、溶液流延法や溶融押出成形法が挙げられる。なかでも、フィルム中の揮発性成分の含有量や厚みむらを少なくできる点から、溶融押出成形法が好ましい。さらに溶融押出成形法としては、Tダイ等のダイスを用いる方法やインフレーション法等が挙げられるが、生産性や厚み精度に優れる点でTダイを用いる方法が好ましい。
ゾル−ゲル反応は、一般にアルコキシドからなるゾルを加水分解・重縮合反応により、流動性を失ったゲルとし、このゲルを加熱して酸化物を得る方法である。ゾル−ゲル反応性のケイ素化合物は、ゾル−ゲル反応によって、シロキサン結合を持った化合物に変化する。
本発明に用いる、ゾル−ゲル反応性ケイ素化合物としては、下記(a)〜(c)からなる群から選ばれる1種以上の化合物が挙げられる。
(a)式(1):SiXnで表される化合物。
(b)前記式(1)で表される化合物の少なくとも1種の部分加水分解重縮合生成物。
(c)前記式(1)で表される化合物の少なくとも1種の完全加水分解重縮合生成物。
式(2):RaSiY4-a
(式中、Rは置換基を有していてもよい一価の炭化水素基を表し、aは0〜2の整数を表し、aが2のとき、Rは同一であっても相異なっていてもよい。Yは加水分解性基を表し、Yは同一であっても相異なっていてもよい。)
で表されるケイ素化合物が特に好ましい。
これらの基において、R’、R”、R'''は、それぞれ独立して水素原子又は一価の炭化水素基を表す。これらの中でも、Yとしては、入手容易性等からアルコキシ基が好ましい。
加水分解は、5〜100℃の温度で、2〜100時間、全容を撹拌することにより行うことができる。
外殻は細孔を有する多孔質なものであってもよく、あるいは細孔が閉塞されて空孔が外殻の外側に対して密封されているものであってもよい。外殻は、内側の第1無機酸化物被覆層、及び外側の第2無機酸化物被覆層からなる複数の無機酸化物被覆層であることが好ましい。外側に第2無機酸化物被覆層を設けることにより、外殻の細孔を閉塞させて外殻を緻密化させたり、さらには、内部の空孔を密封した無機中空微粒子を得ることができる。特に第2無機酸化物被覆層の形成に含フッ素有機ケイ素化合物を用いる場合は、屈折率が低くなるとともに、有機溶媒への分散性もよくなり、さらに防汚性が付与されるので好ましい。このような含フッ素有機珪素化合物としては、3,3,3-トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル-3,3,3-トリフルオロプロピルジメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルメチルジメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリクロロシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン等を挙げることが出来る。
前記溶剤としては、水または水と他の有機溶剤との混合物を含むのが好ましい。
用いる有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール(IPA)、n-ブタノール、イソブタノール等の低級脂肪族アルコール類;エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコール誘導体;ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコール誘導体;ジアセトンアルコール;及びこれらの2種以上からなる組み合わせ;等の親水性有機溶剤が挙げられる。
前記塗工液中の溶剤の含有量は、通常80〜99重量%、好ましくは90〜99重量%である。
電磁波の積算照射量は、好ましくは50〜500mJ/cm2、より好ましくは100〜450mJ/cm2、さらに好ましくは200〜400mJ/cm2である。
50mJ/cm2未満だと、耐擦傷性、鉛筆硬度が高くならない。また、500mJ/cm2を超えると、積層フィルム及び低屈折率層が劣化し脆くなる。
プライマー層は、透明樹脂を含有してなる支持体と他の層との密着性の付与及び向上を目的として形成される。プライマー層を構成する材料としては、例えば、ポリエステルウレタン系樹脂、ポリエーテルウレタン系樹脂、ポリイソシアネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、主鎖に炭化水素骨格を有する樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、塩化ゴム、環化ゴム、及びこれらの重合体に極性基を導入した変性物等が挙げられる。これらの中で、主鎖に炭化水素骨格を有する樹脂の変性物及び環化ゴムの変性物を好適に用いることができる。
高屈折率層を構成する材料としては、好適には、透明性及び機械的強度に優れる観点から、熱硬化型樹脂又は活性エネルギー線硬化型樹脂を含有することが好ましく、活性エネルギー線硬化型樹脂を含有することがより好ましい。
また、これらの樹脂に必要に応じて、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤等を加えて使用することができる。
高屈折率層の屈折率は、好ましくは1.55以上、より好ましくは1.60以上である。屈折率は、例えば、公知の分光エリプソメーターを用いて測定して求めることができる。
なお、表面抵抗値は、抵抗率計を用いて測定することができる。
防汚層の形成材料としては、低屈折率層の機能が阻害されず、防汚層としての要求性能が満たされる限り特に制限はない。通常、疎水基を有する化合物を好ましく使用できる。
具体的な例としてはパーフルオロアルキルシラン化合物、パーフルオロポリエーテルシラン化合物、フッ素含有シリコーン化合物を使用することができる。防汚層の形成方法は、形成する材料に応じて、例えば、蒸着、スパッタリング等の物理的気相成長法;化学的気相成長法;湿式コーティング法;等を用いることができる。防汚層の厚みは、20nm以下が好ましく、1〜10nmであるのがより好ましい。
また、本発明により得られる積層フィルムは耐擦傷性に優れる。具体的には、スチールウール試験後の透過率の変動が20%以内、好ましくは10%以内である。スチールウール試験後の透過率の変動とは、スチールウールに0.025MPaの荷重をかけた状態で積層フィルムの表面を20往復擦る試験を行う前と後で測定した透過率の変化の割合(ΔT)をいい、スチールウール試験前の透過率をTa、スチールウール試験後の透過率をTbとすると、次式により求めることができる。
ΔT=(Ta−Tb)/Ta×100
前記ΔTが小さいほど、耐擦傷性に優れる。
透過率は、例えば、公知の濁度計を用いて、全光線透過率を測定し、これを透過率として求めることができる。
本実施例における評価は、以下の方法によって行った。
(1)屈折率(低屈折率層、高屈折率層)
高速分光エリプソメーター(J.A.Woollam社製、M−2000U)を用いて、測定波長245〜1000nm、入射角55°、60°及び65°で測定し、その測定値を元に算出した値を屈折率とした。
(2)反射率
支持体の低屈折率層などが設けられていない方の面に、黒色ビニールテープ(No.21:日東電工社製)を貼り、分光光度計(日本分光社製:「紫外可視近赤外分光光度計 V−570」)を用い、入射角5°で反射スペクトルを測定し、波長550nmにおける反射率を求めた。
(3)全光線透過率、ヘイズ
JIS K7361−1997に準拠して、日本電色工業社製「濁度計NDH−300A」を用いて測定した。
(4)耐擦傷性
積層フィルムの表面(低屈折率層が設けられている方の面)に、スチールウール♯0000に荷重0.025MPaをかけた状態でその表面を20往復させる。そして、10往復後のフィルムの表面を目視で観察し、以下の基準で評価を行った。
◎:傷はまったく認められない。
○:注意深く観察するとわずかに傷が認められる。
△:離して見て、傷が認められる。
×:深い傷がはっきりと認められる。
(5)スチールウール試験後の全光線透過率の変動
スチールウール試験前の全光線透過率をTa、スチールウール試験後の全光線透過率をTbとすると、次式により求めることができる。
ΔT=(Ta−Tb)/Ta×100
前記ΔTが小さいほど、耐擦傷性に優れる。
(6)密着性
JIS D0202−1998に準拠して、碁盤目テープ剥離試験を行う。粘着テープ(ニチバン社製、商品名:CT24)を用い、これを指の腹で圧し、積層フィルムの表面(低屈折率層が設けられている方の面)に密着させた後、粘着テープを90°の方向に引いて剥がした。判定は、100マスの内、剥離しないマス目の数で表し、剥離しない場合を100/100、完全に剥離する場合を0/100として表した。剥離しないマス目の数が大きいほど密着性に優れる。
(7)鉛筆硬度
JIS−K5700に従い500g荷重で測定した。
(8)引き裂き性
フィルムの端部を手で保持し、フィルムの端部から手で引き裂く。
◎ :引き裂くのに力がいる。丈夫である。
○ :力を入れなくても引き裂くことができる。
× :簡単に引き裂ける。フィルムが脆くなっている。クラックが発生している。
支持体1:ノルボルネン系重合体からなるフィルム(ゼオノアフィルムZF14―40、日本ゼオン社製、厚み40μm)。
6官能ウレタンアクリレートオリゴマー(商品名:NKオリゴ U−6HA、新中村化学社製)30部、ブチルアクリレート40部、イソボロニルメタクリレート(商品名:NK エステル IB、新中村化学社製)30部、及び2,2-ジフェニルエタン−1−オン10部をホモジナイザーで混合して、紫外線硬化性組成物からなる塗工液を調製した。
上記塗工液に、五酸化アンチモン微粒子の40%MIBK(メチルイソブチルケトン)溶液(平均粒子径20nm:水酸基がパイロクロア構造の表面に現われているアンチモン原子に1つの割合で結合している。)を、五酸化アンチモン微粒子の重量が高屈折率層形成用塗工液全固形分の50重量%占める割合で混合して、高屈折率層形成用塗工液を調製した。
(1)低屈折率層形成用塗工液−1の調製
テトラエトキシシラン208部にメタノール356部を加え、更に水18部及び0.01Nの塩酸水溶液18部(「H2O」/「OR」=0.5)を加え、これを、ディスパーを用いてよく混合して混合液を得た。この混合液を25℃恒温槽中で2時間撹拌して、重量平均分子量を850に調整することによりシリコーンレジン溶液を得た。次に、中空シリカIPA(イソプロパノール)分散ゾル(固形分20重量%、平均一次粒子径約35nm、外殻厚み約8nm、触媒化成工業製)を、上記シリコーンレジン溶液に中空シリカ微粒子/シリコーンレジン(縮合化合物換算)が固形分基準で重量比が70/30となるように添加し、さらに全固形分が1%になるようにメタノールで希釈して、低屈折率層形成用塗工液−1を調製した。
テトラメトキシシラン152部にメタノール412部を加え、さらに水18部及び0.01Nの塩酸18部(「H2O」/「OR」=0.5)を混合し、これを、ディスパーを用いてよく混合した。この混合液を25℃恒温槽中で2時間攪拌して、重量平均分子量を850に調整することにより、シリコーンレジンを得た。次に、このシリコーンレジン溶液に、シリカメタノールゾル(日産化学工業社製、PMA−ST、平均粒子径10〜20nm)/シリコーンレジン(縮合化合物換算)が固形分基準で重量比が80/20となるように添加し、さらに全固形分が3%になるようにメタノールで希釈し、低屈折率層形成用塗工液−2を調製した。
低屈折率層形成用塗工液−1に、4−((4−(N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノ)フェニル)−2,6−ビスートリクロロメチル−S−トリアジンを、9部添加し、低屈折率層形成用塗工液−3を調製した。
支持体1の片面に、高周波発信機コロナ放電処理装置(AGI−024 春日電機社製)を用いて表面張力が0.072N/mになるようにコロナ放電処理を行った。この上に高屈折率層形成用塗工液を、ダイコーターを用いて塗布、100℃で2分間乾燥し、紫外線積算光量1000mJ/cm2の紫外線を照射し、塗膜を硬化させ高屈折率層膜厚が5μmの積層フィルムを得た。
上記積層フィルムの高屈折率層を積層した面に再び、高周波発信機コロナ放電処理装置(AGI−024 春日電機社製)を用い、上記同様にコロナ放電処理を行った。
最後に、上記積層フィルムに紫外線積算光量400mJ/cm2になるように紫外線を照射し積層フィルムを得た。
支持体1の替わりに支持体2を用いた他は、実施例1と同様の方法で、積層フィルムを得た。
支持体1の替わりに支持体3を用いた他は、実施例1と同様の方法で、積層フィルムを得た。
低屈折率層形成用塗工液−3を用いた他は、実施例1と同様の方法で、積層フィルムを得た。
低屈折率層を積層したフィルムに紫外線照射しなかった他は、実施例1と同様の方法で、積層フィルムを得た。
低屈折率層を積層したフィルムに紫外線照射しなかった他は、実施例2と同様の方法で、積層フィルムを得た。
低屈折率層を積層したフィルムに紫外線照射しなかった他は、実施例3と同様の方法で、積層フィルムを得た。
低屈折率層形成用塗工液−2を用いた他は、実施例1と同様の方法で、積層フィルムを得た。
Claims (5)
- 透明樹脂を含有してなる支持体の上に、直接又は他の層を介して、ゾル−ゲル反応性ケイ素化合物と中空微粒子を含有する塗工液を塗布、乾燥して、被膜を形成したフィルムを得、次いで該フィルムに電磁波を照射することを特徴とする積層フィルムの製造方法。
- 前記低屈折率層の屈折率が、1.38以下である請求項1記載の積層フィルムの製造方法。
- 前記支持体と低屈折率層との間に、高屈折率層を設ける請求項1、及び2記載の積層フィルムの製造方法。
- 前記透明樹脂が、脂環式構造含有重合体樹脂、セルロース系重合体樹脂、及びポリエステル系重合体樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種の樹脂からなる請求項1〜3記載の積層フィルムの製造方法。
- 請求項1〜4記載のいずれかに記載の製造方法によって得られた積層フィルムを有する光学素子。
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