JP2006262103A - 電圧電流変換回路および誤差増幅回路 - Google Patents

電圧電流変換回路および誤差増幅回路 Download PDF

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Abstract

【目的】入力オフセット電圧が小さく、かつ出力電流範囲の広い電圧電流変換回路を提供する。さらに、当該電圧電流変換回路を用いた、低入力オフセット電圧と高速過渡応答を両立させた電流出力型誤差増幅回路を提供する
【構成】出力段を第1のカレントミラー回路により電源(VDD)側から吐出される電流I1と、第2のカレントミラー回路により接地(GND)側に流入する電流I2の差を出力電流I0とする回路構成とし、第1および第2のカレントミラーを構成するトランジスタのゲートを電圧モードで動作するオペアンプにより制御するようにしたので、低オフセット電圧と広出力電流範囲を両立させることができる。また、当該電圧電流変換回路の出力端子に容量性素子を接続することにより、低入力オフセット電圧と高速過渡応答を両立させた電流出力型誤差増幅回路を容易に実現することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電圧電流変換回路およびそれを用いたスイッチング電源の誤差増幅回路に関する。
まず、図6によりスイッチング電源の構成例について説明する。図6は入力電圧VDDより出力電圧Voを生成して負荷Zに供給するPWM(パルス幅変調)方式の降圧型DC/DCコンバータである。このDC/DCコンバータは誤差増幅器1,三角波Voscを生成する発振器2,PWMコンパレータ3、スイッチング素子であるPチャネルMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)4,同期整流方式の転流素子としてのNチャネルMOSFET5,PWMコンパレータ3の出力に従いPチャネルMOSFET4およびNチャネルMOSFET5を駆動するドライブ回路6,インダクタ7,コンデンサC0,電圧設定用のフィードバック手段となる抵抗R1およびR2,基準電圧VREFを発生する基準電圧源8,並びに出力端子9を有している。10は電源電圧VDDが供給される電源供給ラインである。誤差増幅器1の非反転入力端子には基準電圧VREFが入力され、出力端子と反転入力端子の間には位相補償素子として抵抗RcおよびコンデンサCcが接続されている。PWMコンパレータ3の非反転入力端子には誤差増幅器1の出力信号Verrが入力され、反転入力端子には三角波Voscが入力される。PWMコンパレータ3は誤差増幅器1の出力信号Verrと三角波Voscを比較し、三角波Voscの信号レベルの方が小さければH(ハイレベル)を、三角波Voscの信号レベルの方が大きければL(ローレベル)をPWM信号としてドライブ回路6に出力するものである。PチャネルMOSFET4およびNチャネルMOSFET5のドレインは互いに接続されるとともにインダクタ7の一端に接続されている。またPチャネルMOSFET4およびNチャネルMOSFET5のソースはそれぞれ電源供給ライン10および接地電位(GND)に接続されている。インダクタ7の他端は出力端子9に接続されている。出力端子9とGNDの間にはコンデンサC0および抵抗R1,R2の直列回路が並列に接続されている。抵抗R1とR2の接続点の電位はフィードバック信号VFBとして誤差増幅器1の反転入力端子へ入力される。またDC/DCコンバータの負荷として出力端子9には負荷11が接続されている。
以下、簡単にこのDC/DCコンバータの動作を説明する。誤差増幅器1は基準電圧VREFとフィードバック信号VFBの差を増幅した信号VerrをPWMコンパレータ3に入力する。PWMコンパレータ3はVerrと三角波Voscを比較することにより、周期は一定であるが1周期内のHとLの割合が誤差増幅器1の出力により変化する方形波パルス(PWM信号)をドライブ回路6を介してPチャネルMOSFET4のゲートに出力する。すなわち、(VREF−VFB)が大きい(小さい)ほど1周期内のPチャネルMOSFET4がオン(導通)する期間が長く(短く)なるような方形波パルスを発生し、インダクタ7に蓄積するエネルギを大きく(小さく)することにより出力電圧Vを一定に保つ。NチャネルMOSFET5のゲートにも同様に方形波パルスが出力される。基本的にはPチャネルMOSFET4とNチャネルMOSFET5のゲートに出力される方形波パルスは同相であるが、PチャネルMOSFET4とNチャネルMOSFET5が同時にオンして貫通電流が流れることがないように、両方オフの期間であるデッドタイムを設ける。
抵抗R1,R2,Rc,コンデンサCc,誤差増幅器1および基準電圧源8は誤差増幅回路を構成する。この部分を抜き出して図7に示す。図7に示す誤差増幅回路は、入力信号VINが入力され、出力信号VOUTを出力する一種の増幅回路である。なお、信号VIN,VOUTはそれぞれ図6のVo,Verrに相当する。図7の誤差増幅回路は、下式の条件を満たすとき直流的に安定する。
Figure 2006262103
上の(1)式を満たす安定点からのVIN,VOUTの変動分をそれぞれvin,voutとし、vinに応じて抵抗R1に流れる電流(すなわち安定点からの変動分)をiとすると、抵抗R1とR2の接続点の電位は基準電位VREFにイマジナリショートされて固定されているからi=v/Rとなる。ここでRは抵抗R1の抵抗値である。以下、同様に抵抗Riの抵抗値をR(i=0,1,2)で表す。抵抗R2の両端の電圧は上述のようにVREFに固定されていて抵抗R2に流れる電流も変化できないため、電流iは抵抗R2には流れず抵抗Rcに流れる。これより、vin,voutおよびiの関係式は次式となる。
Figure 2006262103
これより、図7に示す回路の(安定点からの変動分に関する)伝達関数T(s)は次式となる。
Figure 2006262103
図7に示す誤差増幅回路を図6に示すような電圧モードのDC/DCコンバータに用いる場合、制御ループを安定に動作させるために比較的大きな時定数τ=R・Cが要求される。なお、CはコンデンサCcの容量値である。例えばτ=100μsを実現するためには、R=1MΩとしてもコンデンサCcの容量値Cとして100pFが必要となり、これは集積回路に内蔵する容量値としては大きな値である。このように、図7に示す回路を集積回路で実現する場合、要求される時定数τがある程度大きいとコンデンサCcを外付け素子とせざるを得ず、当該集積回路に外付け端子を2つ設ける必要がある。集積回路における端子数増加はコストアップや実装面積の増大などを引き起こすため、コンデンサCcのためだけに端子が2つ増えてしまうのは問題となる。
端子数増加の問題に対しては、電流出力型アンプを用いて図8,9の誤差回路を構成するという対策を講ずることができる。すなわち、図8,9の誤差回路であれば外付け端子は1つだけでよい。
図8,9の回路について簡単に説明する。なお、図6,7と同じ部位には同じ記号を付して、当該部位に関する説明は省略する。図8の回路においてOTAはトランスコンダクタンスアンプであり、図中に記したように、入力端子x,yに印加される入力電圧Vx,Vyと出力端子oから出力される出力電流IoがIo=g(Vx−Vy)という関係を満たすよう機能するものである。なお、gはコンダクタンスを表す正定数である。図8の回路も、下式の条件を満たすとき直流的に安定する。
Figure 2006262103
図7の回路と同様に、上の(4)式を満たす安定点からのVIN,VOUTの変動分をそれぞれvin,voutとし、vinに応じて抵抗Rcに流れる電流をiとすると、i=−g・vin・R/(R+R)となる。これより、図8に示す回路のvinとvoutの間の関係式は次式となる。
Figure 2006262103
また、上式より、図8に示す回路の(安定点からの変動分に関する)伝達関数T(s)は次式となる。
Figure 2006262103
また、図9の回路のおいてCCIIはカレント(電流)コンベア回路であり、図中に記したように、入力端子x,yに印加される入力電圧Vx,Vy、入力端子に流入する電流Iyおよび出力端子oから出力される出力電流Ioの間に、Vx=VyおよびIo=−αIyという関係が成り立つよう機能するものである。なお、αは正定数である。図9の回路も、下式の条件を満たすとき直流的に安定する。
Figure 2006262103
図7,8の回路と同様に、上の(6)式を満たす安定点からのVIN,VOUTの変動分をそれぞれvin,voutとし、vinに応じて抵抗Rcに流れる電流をiとすると、i=−αIy=−αvin/Rとなる。これより、図9に示す回路のvinとvoutの間の関係式は次式となる。
Figure 2006262103
また、上式より、図9に示す回路の(安定点からの変動分に関する)伝達関数T(s)は次式となる。
Figure 2006262103
(1),(4)および(7)式より、図7,8および9の回路は同じ直流安定点をもつことが分る。また、(3)式と(6)式を比較することにより、図8の回路のg/(R+R)および{C(R+R)}/gがそれぞれ図7の回路のR/RおよびC(=時定数τ)と等しくなるよう調整すれば、図7,8の回路が同じ特性をもつことになる。同様に、(3)式と(9)式を比較することにより、図9の回路のαR/RおよびC/αがそれぞれ図7の回路のR/RおよびC(=時定数τ)と等しくなるよう調整すれば、図7,9の回路が同じ特性をもつことになる。これにより、例えば図9の回路でαを小さくすることにより、コンデンサCcの容量値を集積回路に内蔵できる程度に小さくすることもできる。
電流出力型アンプは上記のように、端子数を減らし、さらにコンデンサCcの容量値を小さくすることができるという長所をもつ反面、過渡応答特性向上のために当該アンプのバイアス電流を増加させると入力オフセット電圧が増加してしまうため、オペアンプ(演算増幅器)を用いた場合に比べて過渡応答特性と低入力オフセット電圧の両立が難しいという問題を有している。
図10に従来の電圧電流変換回路の一例を示す。図10において、12,13はそれぞれ正側および負側の差動入力端子、14は差動回路に一定のバイアス電流を供給するための端子、15は出力端子、トランジスタM31,M33,M35,M38,M39およびM40はPチャネルMOSFET、トランジスタM32,M34,M36およびM37はNチャネルMOSFETである。トランジスタM33,M34,M35,M36およびM39が差動段を構成し、トランジスタM31およびM32が出力段を構成している。トランジスタM40とM39は端子14に流れる電流Ibに比例したバイアス電流を差動段に供給するバイアス回路を構成している。トランジスタM36とM37、トランジスタM38とM31、およびトランジスタM34とM32はそれぞれカレントミラー回路を構成している。
一般に、電圧電流変換回路は正負の電流を供給できるようにするために、その出力段が電源(VDD)側から吐出される電流I1と接地(GND)側に流入する電流I2の差を出力電流I0とする回路構成がとられる。図10の回路においても、NチャネルMOSFET・M36に流れる電流を基準としてトランジスタM38とM31によるカレントミラー回路およびトランジスタM36とM37によるカレントミラー回路により電流I1を定め、NチャネルMOSFET・M34に流れる電流を基準としてトランジスタM34とM32によるカレントミラー回路により電流I2を定める構成となっている。通常は入力電圧(差動入力端子12,13からPチャネルMOSFET・M33,M35のゲートにそれぞれ印加される電圧V+およびV−の差電圧)が0のときに、I1=I2となり、I0=0となるよう設計される。
上記のようにカレントミラー回路を用いた電圧電流変換回路において、製造プロセスのばらつきによりカレントミラー回路のミラー比(カレントミラー回路に入力される電流と、当該入力電流に応じてカレントミラー回路により生成される出力電流との比)が設計値からずれた場合について考える。この場合は入力電圧が0でも出力電流が0とはならず、オフセット電流Ioffが発生する。見方を変えれば、出力電流を0とするために、−Ioff/gmのオフセット電圧を入力電圧として加える必要がある(gmは電圧電流変換回路の伝達コンダクタンス)。
誤差増幅回路への適用においては上記のオフセット電圧が制御系の直流安定点の誤差に直結するため、オフセット電圧の値を許容範囲内の小さな値に収めなければならない。オフセット電圧を小さくするためにはオフセット電流Ioffの絶対値を低減する必要があり、そのためにバイアス電流Ib自体を小さくしてしまう電圧電流変換回路が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−169225号公報 (第2−4頁、図1,2)
特許文献1に示す電圧電流変換回路は、バイアス電流を小さくすればそれに比例してオフセット電流Ioffも小さくなるという考えに基づくものであるが、バイアス電流を小さくすると、以下の不具合が生じる。すなわち、図10に示す回路構造において、全てのカレントミラー回路のミラー比を1:1とすると、電圧電流変換回路としての電流出力範囲は−Ib〜+Ib(入力電圧範囲は−Ib/gm〜+Ib/gm)となる(ミラー比が1:1でない場合は−kIb〜+kIbとなるだけで、以下の議論は同様である。なお、ここでkは正定数。)。そのため、電流出力範囲もしくは入力電圧範囲はバイアス電流Ibを小さくすると狭くなってしまう。これにより、このような電圧電流変換回路を誤差増幅回路に適用する場合、定常状態では出力電流が0なので問題は生じないものの、初期の立ち上がり時や制御系の変化などで大きな信号が入力された場合、出力電流の制限が生じて応答が伝達関数から期待されるものより遅くなってしまうという問題がある。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は上記の課題を解決して、入力オフセット電圧が小さく、かつ出力電流範囲の広い電圧電流変換回路を提供することにある。さらに、当該電圧電流変換回路を用いた、低入力オフセット電圧と高速過渡応答を両立させた電流出力型誤差増幅回路を提供することを目的とする。
そこで、上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、第1および第2の入力端子,出力端子,第1のカレントミラーを構成する第1のPチャネルMOSFETおよび第2のPチャネルMOSFET,第2のカレントミラーを構成する第1のNチャネルMOSFETおよび第2のNチャネルMOSFET,演算増幅器,バイアス電圧発生手段,並びに第1の抵抗を有し、前記第1のPチャネルMOSFETに流れる電流に対する前記第2のPチャネルMOSFETに流れる電流の比が前記第1のNチャネルMOSFETに流れる電流に対する前記第2のNチャネルMOSFETに流れる電流の比に等しくなるよう設定され、前記第1の入力端子と前記入力抵抗の一端が接続され、前記入力抵抗の他端,前記第1のPチャネルMOSFETのドレイン,前記第1のNチャネルMOSFETのドレインおよび前記演算増幅器の非反転入力が接続され、前記第2の入力端子と前記演算増幅器の反転入力が接続され、前記出力端子,前記第2のPチャネルMOSFETのドレインおよび前記第2のNチャネルMOSFETのドレインが接続され、前記演算増幅器の出力端子が前記第1のNチャネルMOSFETおよび前記第2のNチャネルMOSFETのゲートに接続され、前記バイアス電圧発生手段が前記演算増幅器の出力端子と前記第1のNチャネルMOSFETのゲートおよび前記第2のNチャネルMOSFETのゲートとの接続点の間に接続されてなる電圧電流変換回路であることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記バイアス発生手段が、一端が前記演算増幅器の出力端子に接続され、他端が定電流源に接続された第2の抵抗であることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において、電源と基準電位の間にゲート端子とドレイン端子を接続した第3のPチャネルMOSFET,第3の抵抗およびゲート端子とドレイン端子を接続した第3のNチャネルMOSFETを直列に接続して電流生成回路を構成し、該電生成回路に流れる電流に対する前記定電流源に流れる電流の比と前記第2の抵抗の抵抗値に対する前記第3の抵抗の抵抗値の比とが等しくなるよう設定され、MOSFETのゲート幅Wとゲート長Lの比であるW/L比に関し、前記第2のPチャネルMOSFETのW/L比に対する前記第2のNチャネルMOSFETのW/L比の比と前記第3のPチャネルMOSFETのW/L比に対する前記第3のNチャネルMOSFETのW/L比の比が等しく設定されていることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明のおいて、前記第2のPチャネルMOSFETのゲート長と前記第3のPチャネルMOSFETのゲート長が等しく、前記第2のNチャネルMOSFETのゲート長と前記第3のNチャネルMOSFETのゲート長が等しいことを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項3または4に係る発明のおいて、前記第2のPチャネルMOSFETと前記第3のPチャネルMOSFETが同じゲート幅とゲート長を有する単位PチャネルMOSFETをそれぞれ一つまたは複数並列に接続して構成され、前記第2のNチャネルMOSFETと前記第3のNチャネルMOSFETが同じゲート幅とゲート長を有する単位NチャネルMOSFETをそれぞれ一つまたは複数並列に接続して構成されていることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項1ないし5のいずれかの発明に係る電圧電流変換回路の前記出力端子に容量性素子を接続して構成した誤差増幅回路であることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項6に係る発明において、前記容量性素子が前記出力端子と基準電位の間に直列に接続された第4の抵抗およびコンデンサであることを特徴とする。
この発明に係る電圧電流変換回路は、出力段を第1のカレントミラー回路により電源(VDD)側から吐出される電流I1と、第2のカレントミラー回路により接地(GND)側に流入する電流I2の差を出力電流I0とする回路構成とし、第1および第2のカレントミラーを構成するトランジスタのゲートを電圧モードで動作する前記オペアンプにより制御するようにしたので、低オフセット電圧と広出力電流範囲を両立させることができる。また、当該電圧電流変換回路の出力端子に容量性素子を接続することにより、低入力オフセット電圧と高速過渡応答を両立させた電流出力型誤差増幅回路を容易に実現することができる。なお、第1のカレントミラーの入力部,第2のカレントミラーの入力部および当該電圧電流変換回路の第1の入力端子と一端が接続された抵抗の他端がオペアンプの非反転入力端子に接続され、電圧電流変換回路の第2の入力端子がオペアンプの反転入力端子に接続されて、オペアンプの反転入力端子と非反転入力端子が仮想短絡するようになっている。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明を行う。
図1は本発明に係る電圧電流変換回路の基本構成および動作原理を説明するための図である。図1においてトランジスタM1,M3はPチャネルMOSFETで、それぞれのソース端子が電源VDDに接続され、互いのゲート端子が共通接続されて第1のカレントミラー回路を構成している。第1のカレントミラー回路のミラー比をαとする。トランジスタM2,M4はNチャネルMOSFETで、それぞれのソース端子が接地電位(GND)に接続され、互いのゲート端子が共通接続されて第2のカレントミラー回路を構成している。第2のカレントミラー回路のミラー比も第1のカレントミラー回路のミラー比と同じαにする。トランジスタM1およびM2のドレイン端子は出力端子に接続され、トランジスタM3およびM4のドレイン端子は節点XでオペアンプOPの非反転入力端子に接続されている。また、オペアンプOPの非反転入力端子は、入力抵抗R0を介して第1の入力端子Vinにも接続されている。オペアンプOPの反転入力端子には第2の入力端子Vrefが接続されている。トランジスタM2,M4の両ゲートの共通接続部YはオペアンプOPの出力端子に接続され、トランジスタM1,M3の両ゲートの共通接続部Zは定電圧源Vlsを介してオペアンプOPの出力端子に接続されている。
ここで、第1および第2の入力端子Vin,Vrefに入力される電圧もVin,Vrefとし、また、定電圧源Vlsの発生する電圧もVlsとする。定電圧源Vlsは接続部Zの電位を接続部Yの電位に対し電圧Vlsだけレベルシフトするもので、電圧Vlsはレベルシフト電圧となる。オペアンプOPの動作によりオペアンプOPの反転入力端子と非反転入力端子は仮想短絡されて節点Xの電位はVrefに等しくなり、入力端子Vinから入力抵抗R0に流れる電流Iinは(Vin−Vref)/Rとなる。なお、Rは入力抵抗R0の抵抗値である。またトランジスタM1,M3のドレイン端子から流れ出す電流をそれぞれI1,I3、トランジスタM2,M4に流れ込む電流をそれぞれI2,I4、出力端子OUTに流れ出す電流をIoutとすると、Iin=I4−I3,I1=I2+Ioutとなる。これと、I1=αI3およびI2=αI4という関係式より、次式が導かれる。
[数10]
Iout=I1−I2=−α(−I3+I4)=−αIin ・・・(10)
電源VDDから供給される電源電圧をVDDとし、接続部Y,Zの電位をそれぞれVy,Vzとすると、電流I3はVDD−Vzの関数であり、電流I4はVyの関数となる。これと、上述のIin=I4−I3およびVz=Vy+Vlsという関係式を満たすようにVy,Vz,I3,I4が定まる。ここでVlsを小さくすると、VDD−VzおよびVyが大きくなり、Iin=I4−I3を満たしつつI3とI4の絶対値が大きくなる。また、Vlsを大きくすると、VDD−VzおよびVyが小さくなり、Iin=I4−I3を満たしつつI3とI4の絶対値が小さくなる。電圧Vlsを十分大きな値にすれば、Iin=Iout=0のときにトランジスタM1〜M4に流れる電流、すなわち出力段を貫通する電流を0にすることも可能であり、この場合は第1および第2のカレントミラー回路のミラー比間にずれが生じても、オフセット電流は生じないことになる。但し、この条件では、Iout=0の近傍における入力電圧Vinの変化に対し接続部YおよびZの電位が大きく変化してしまうため、オペアンプの特性が理想的ではない場合には、歪や過渡応答の悪化を防止するために微小な電流を流しておく方がよい。
定電圧源Vlsは抵抗を用いて構成することができる。その実施例を図2に示す。図2において、入力端子IN+,IN−はそれぞれオペアンプの非反転入力端子および反転入力端子であり、トランジスタM21,M22,M23,M24およびM25はPチャネルMOSFET、トランジスタM26,M27およびM28はNチャネルMOSFETである。入力端子IN+,IN−、定電流源Ib,トランジスタM21,M22,M24,M25,M26,M27,M28,抵抗Rc2およびコンデンサCc2は図1のオペアンプOPに相当し、定電流源IbおよびトランジスタM21,M22がオペアンプOPのバイアス回路を構成し、入力端子IN+,IN−およびトランジスタM22,M24,M25,M26,M27が差動段を構成し、トランジスタM28,抵抗Rc2およびコンデンサCc2が出力段を構成している。抵抗Rc2およびコンデンサCc2はオペアンプOP自体の位相補償素子である。バイアス回路のトランジスタM21およびM22はそのゲート端子を共通接続してミラー回路を構成して定電流源Ibによって定められる定電流を流すようになっているが、トランジスタM23のゲート端子もトランジスタM21,M22のゲート端子と共通接続することによりトランジスタM23が抵抗Rlsに定電流を供給する構成となっている。定電流源Ibの供給する定電流値もIbとし、トランジスタM21,M23により構成されるカレントミラー回路のミラー比をAとすると、抵抗Rlsにより、Vls=A・Rls・Ibというレベルシフト電圧を生成することができる。
図3に図1に示す回路の動作特性を示す。回路パラメータR,αの値をそれぞれ1MΩおよび0.2としたときの、入力電圧(Vin−Vref)と電流I1,I2およびI0の関係を示している。図3(a)はVlsを大きくした場合の特性であり、図3(b)は逆にVlsを小さくした場合の特性である。
上記のように、本発明は、レベルシフト電圧Vlsの作用により出力電流Iout=0の近傍におけるトランジスタM1〜M4のソース・ゲート間電圧が大きくならないよう抑制され、トランジスタM1〜M4に流れる電流を絞ることができる。すなわち、トランジスタM1〜M4で生じる入力オフセット電圧を低減することができる。また、出力電流Ioutが0近傍ではない場合は、トランジスタM1およびM3又はトランジスタM2およびM4のソース・ゲート間電圧が大きくなって当該トランジスタに流れる電流を大きくすることができ、図10に示す従来の電圧電流変換回路のように電流出力範囲を犠牲にする必要がない。なお、オペアンプOP自体の入力オフセット電圧はそのまま電圧電流変換回路としての入力オフセット電圧となってしまうが、その入力オフセット電圧の値は電流出力型アンプのものに比べて充分小さいので問題はない。
なお、本発明に係る電圧電流変換回路を用いて誤差増幅回路を構成する場合、上記のように出力電流Iout=0の近傍におけるトランジスタM1〜M4に流れる電流を小さくすることにより比較的高い直流利得を得ることができるが、さらに高い直流利得を得るために、必要に応じてトランジスタM1〜M4としてカスコード接続したMOSFETを適用してもよい。
次に、図4により、本発明に係る電圧電流変換回路を用いた誤差増幅回路の実施例について、説明する。また、図4に示す回路の各回路素子のパラメータ値例を図5に示す。図4において、図1,2,8,9と同じ部位には同じ記号を付して、その詳細な説明は省略する。この誤差増幅回路は、時定数τ=C・R/α=50μsを実現するもので、直流安定点はVin=2Vref(この値は可変抵抗R2により変更もしくは調整可能)としてある。ここでは、高抵抗のポリシリコンが使用可能なCMOSプロセスを使用し、全ての回路素子が集積回路に内蔵されることを想定している。
図4において、トランジスタM10はPチャネルMOSFETであり、トランジスタM11,M12はNチャネルMOSFETである。トランジスタM10とM12のドレインおよびゲートは抵抗R10を介して接続されている。また、トランジスタM11とトランジスタM12のゲートが互いに接続されていて、トランジスタM11とM12はカレントミラー回路を構成している。トランジスタM10,M11,M12および抵抗R10はバイアス電流生成回路を構成していて、電源電圧VDD,抵抗R10およびトランジスタM10,M11の特性により定まる電流IbをM11,M12によるカレントミラー回路で折り返して、次段のオペアンプ+レベルシフト回路にバイアス電流Ibを供給するものであり、図2の回路における定電流源Ibに相当する(図5から分るように、M11,M12からなるカレントミラー回路のミラー比は1である)。
トランジスタM21〜M28、抵抗Rls1,Rls2およびコンデンサCcからなるオペアンプ+レベルシフト回路は、定電流源Ibを除く図2の回路とほとんど同じであるが、図2の抵抗Rc2を削除したことと、図2の抵抗Rlsを二つの抵抗Rls1,Rls2に分割し、コンデンサCc2の一端を抵抗Rls1とRls2との接続部に接続したことが異なる。この場合、抵抗Rls1が位相補償抵抗Rc2の機能も担っている。変換回路コアを構成するトランジスタM1〜M4は図1に示すものと同じである。抵抗R1,R2,RcおよびコンデンサCcは図6や図8,9に示すものと同じである。但し、抵抗R2は可変抵抗として、上述のように変更もしくは調整ができるようにしてある。本実施例は、図9の回路に対し、低オフセット電圧と広出力電流範囲を両立させることができる新たなCCIIをバイアス電流生成回路,オペアンプ+レベルシフト回路および変換回路コアという構成により提供するものであり、全体動作については図9と同様になるため説明は省略する。
図4に示す実施例は、トランジスタM1,M2で構成される出力段から出力される電圧電流変換回路の出力電流が0のときに、出力段に流れる電流がデバイス特性の変化により桁違いに変動することを防ぐ工夫がなされている。その詳細は以下のとおりである。
まず、カレントミラーを構成するトランジスタの特性が揃っていれば(これは集積回路では充分期待できるものである)、図5から分るようにトランジスタM21,M23からなるカレントミラー回路のミラー比は10であるから抵抗Rls1,Rls2に流れる電流は10Ibとなり、抵抗R10(1MΩ)とRls1(30kΩ),Rls2(70kΩ)の直列抵抗の抵抗比は1:10であるから、抵抗R10の両端電圧とRls1,Rls2の直列抵抗の両端電圧(すなわちトランジスタM1のゲートとトランジスタM2のゲートの電位差)は等しくなる。図5から分るように、トランジスタM10とトランジスタM1は同じ単位PチャンネルMOSFET(W(ゲート幅)/L(ゲート長)=8μm/4μm)により構成され、トランジスタM11とトランジスタM2は同じ単位NチャンネルMOSFET(W/L=6μm/4μm)により構成され、トランジスタM10とトランジスタM1の単位トランジスタ数比(40:1)がトランジスタM11とトランジスタM2の単位トランジスタ数比(40:1)と等しいから(言い換えれば、トランジスタM10,M11の単位トランジスタ数比(1:1)がトランジスタM1,M2の単位トランジスタ数比(1:1)に等しいから)、電圧電流変換回路の出力電流が0のときは、トランジスタM10とM1のゲート電圧およびトランジスタM11とM2のゲート電圧がそれぞれ等しくなる。そして、上記の単位トランジスタ数比より、トランジスタM1,M2に流れる電流はトランジスタM10,M11に流れる電流の1/40となる。上述のようにトランジスタM10,M11に流れる電流Ibは電源電圧VDD,抵抗R10およびトランジスタM10,M11の特性により定まるが、ある程度電源電圧VDDが高ければ、抵抗R10に印加される電圧が大きくなって電流Ibを決定する主要因が抵抗R10となるから、MOSFETの特性変動の影響を緩和できる。プロセスによっては、抵抗の温度特性を利用してMOSFETの温度による特性変動を相殺することも可能である。
本発明に係る電圧電流変換回路の基本構成および動作原理を説明するための回路図である。 オペアンプおよび抵抗Rlsにより構成した定電圧源の実施例である。 図1に示す回路の動作特性である。 本発明に係る誤差増幅回路の実施例の回路図である。 図4に示す回路の各回路素子のパラメータ値を示す表である。 スイッチング電源の構成例を示す回路ブロック図である。 従来の誤差増幅回路を説明するための図である。 トランスコンダクタンスアンプを用いて構成した誤差増幅回路について説明するための図である。 カレントコンベア回路を用いて構成した誤差増幅回路について説明するための図である。 従来の電圧電流変換回路について説明するための図である。
符号の説明
M1,M1,M10,M21〜M25 PチャネルMOSFET
M2,M4,M11,M12,M26〜M28 NチャネルMOSFET
R0,R1,R2,R3,R10,Rls,Rls1,Rls2 抵抗
OP オペアンプ
VDD 電源(電源電圧)
IN 入力端子(入力電圧)
OUT 出力端子(出力電圧)
Vref 入力端子(基準電圧)
Vls 定電圧源(レベルシフト電圧)

Claims (7)

  1. 第1および第2の入力端子,出力端子,第1のカレントミラーを構成する第1のPチャネルMOSFETおよび第2のPチャネルMOSFET,第2のカレントミラーを構成する第1のNチャネルMOSFETおよび第2のNチャネルMOSFET,演算増幅器,バイアス電圧発生手段,並びに第1の抵抗を有し、
    前記第1のPチャネルMOSFETに流れる電流に対する前記第2のPチャネルMOSFETに流れる電流の比が前記第1のNチャネルMOSFETに流れる電流に対する前記第2のNチャネルMOSFETに流れる電流の比に等しくなるよう設定され、前記第1の入力端子と前記入力抵抗の一端が接続され、前記入力抵抗の他端,前記第1のPチャネルMOSFETのドレイン,前記第1のNチャネルMOSFETのドレインおよび前記演算増幅器の非反転入力が接続され、前記第2の入力端子と前記演算増幅器の反転入力が接続され、前記出力端子,前記第2のPチャネルMOSFETのドレインおよび前記第2のNチャネルMOSFETのドレインが接続され、前記演算増幅器の出力端子が前記第1のNチャネルMOSFETおよび前記第2のNチャネルMOSFETのゲートに接続され、前記バイアス電圧発生手段が前記演算増幅器の出力端子と前記第1のNチャネルMOSFETのゲートおよび前記第2のNチャネルMOSFETのゲートとの接続点の間に接続されていることを特徴とする電圧電流変換回路。
  2. 前記バイアス電圧発生手段が、一端が前記演算増幅器の出力端子に接続され、他端が定電流源に接続された第2の抵抗であることを特徴とする請求項1に記載の電圧電流変換回路。
  3. 電源と基準電位の間にゲート端子とドレイン端子を接続した第3のPチャネルMOSFET,第3の抵抗およびゲート端子とドレイン端子を接続した第3のNチャネルMOSFETを直列に接続して電流生成回路を構成し、該電流生成回路に流れる電流に対する前記定電流源に流れる電流の比と前記第2の抵抗の抵抗値に対する前記第3の抵抗の抵抗値の比とが等しくなるよう設定され、MOSFETのゲート幅Wとゲート長Lの比であるW/L比に関し、前記第2のPチャネルMOSFETのW/L比に対する前記第2のNチャネルMOSFETのW/L比の比と前記第3のPチャネルMOSFETのW/L比に対する前記第3のNチャネルMOSFETのW/L比の比が等しく設定されていることを特徴とする請求項2に記載の電圧電流変換回路。
  4. 前記第2のPチャネルMOSFETのゲート長と前記第3のPチャネルMOSFETのゲート長が等しく、前記第2のNチャネルMOSFETのゲート長と前記第3のNチャネルMOSFETのゲート長が等しいことを特徴とする請求項3に記載の電圧電流変換回路。
  5. 前記第2のPチャネルMOSFETと前記第3のPチャネルMOSFETが同じゲート幅とゲート長を有する単位PチャネルMOSFETをそれぞれ一つまたは複数並列に接続して構成され、前記第2のNチャネルMOSFETと前記第3のNチャネルMOSFETが同じゲート幅とゲート長を有する単位NチャネルMOSFETをそれぞれ一つまたは複数並列に接続して構成されていることを特徴とする請求項3または4に記載の電圧電流変換回路。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の電圧電流変換回路の前記出力端子に容量性素子を接続して構成したことを特徴とする誤差増幅回路。
  7. 前記容量性素子が前記出力端子と基準電位の間に直列に接続された第4の抵抗およびコンデンサであることを特徴とする請求項6に記載の誤差増幅回路。
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