JP2006275902A - 結晶評価装置および結晶評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 結晶構造に関するより多くの情報を効率的に取得することのできる結晶評価装置および結晶評価方法を提供する。
【解決手段】 本発明にかかる結晶評価装置100は、試料32を載置するための試料台10と、前記試料台10に載置された試料32にX線を照射するためのX線源12と、前記試料32に照射されることにより生じた回折X線を検出するX線検出部14と、前記試料32にレーザ光を照射するためのレーザ光源16と、前記レーザ光を偏光する第1の偏光子34と、前記試料に照射されることにより散乱したラマン散乱光を偏光する第2の偏光子36と、前記第2の偏光子で偏光されたラマン散乱光を分光する分光器18と、前記分光器が分光したスペクトルの強度を検出する光検出部20と、を含む。
【選択図】 図2

Description

本発明は、結晶評価装置および結晶評価方法に関する。特に、本発明は、X線回折装置を含む結晶評価装置および結晶評価方法に関する。
電子デバイス等に応用される基板上の結晶性薄膜の構造を評価するには、X線回折装置が最も汎用的に使われている。X線回折装置によれば、結晶の格子定数に関する情報が得られ、この情報を解析することで結晶の結晶系、結晶性、配向分布に関する知見を得ることができる。
しかし、電子デバイス等の小型化、大容量化にともない、上述した結晶に関する情報に加えて、結晶内のより詳細な構造に関する情報を得る方法が開発されており、これらの結晶に関する情報をより速く効率的に取得する方法が望まれている。
特開2003−215069号公報
本発明は、結晶構造に関するより多くの情報を効率的に取得することのできる結晶評価装置および結晶評価方法を提供することにある。
本発明にかかる結晶評価装置は、
試料を載置するための試料台と、
前記試料台に載置された試料にX線を照射するためのX線源と、
前記試料に照射されることにより生じた回折X線を検出するX線検出部と、
前記試料にレーザ光を照射するためのレーザ光源と、
前記レーザ光を偏光する第1の偏光子と、
前記試料に照射されることにより散乱したラマン散乱光を偏光する第2の偏光子と、
前記第2の偏光子で偏光されたラマン散乱光を分光する分光器と、
前記分光器が分光したスペクトルの強度を検出する光検出部と、
を含む。
本発明にかかる結晶評価装置によれば、ラマン散乱測定とX線回折測定とを同一の装置で行うことができ、X線回折測定のみでは得ることのできない精密な結晶系の同定や結晶主軸方位等を示す情報を試料を破壊することなく、短時間で得ることができる。特に、本発明にかかる結晶評価装置によれば、偏光ラマン散乱測定とX線回折測定とを同一の装置で行うことができる。また、同一の試料に対して、同一の環境(温度、湿度など)下で、ラマン散乱測定とX線回折測定とを行うことができるため、異なる装置でラマン散乱測定とX線回折測定とを行う場合と比べて、より精度の高い結果を得ることができる。
本発明にかかる結晶評価装置において、
前記試料は、結晶からなり、
前記X線検出部が検出した回折X線に基づいて、前記試料の結晶方位を解析する結晶方位解析部をさらに含むことができる。
このように結晶方位を解析することによって、偏光ラマン測定を行う際の適切な傾きおよび方位を容易かつ正確に調べることができる。
本発明にかかる結晶評価装置において、
前記結晶方位解析部は、前記X線検出部が検出した回折X線に基づいて作成された極点図に基づいて、前記試料の結晶方位を解析することができる。
本発明にかかる結晶評価装置において、
前記結晶方位解析が解析した前記試料の結晶方位に基づいて、前記試料台の傾きを決定する傾き決定部をさらに含むことができる。
本発明にかかる結晶評価装置において、
前記結晶方位解析が解析した前記試料の結晶方位に基づいて、前記試料台の方位を決定する方位決定部をさらに含むことができる。
本発明にかかる結晶評価装置において、
前記レーザ光源からのレーザ光を前記試料の表面に集光するレンズをさらに含み、
前記X線源および前記X線検出部は、前記レンズの焦点を回転中心として回転可能に設けられていることができる。
これにより、試料表面において、ラマン散乱測定とほぼ同じ位置をX線回折測定することができる。
本発明にかかる結晶評価装置において、
前記レーザ光源からのレーザ光を集光するレンズをさらに含み、
前記X線源は、少なくとも前記レンズの焦点の位置に前記X線を照射することができる。これにより、ラマン散乱測定用のレーザ光を用いて、ラマン散乱測定およびX線回折測定の試料の位置決めを同時にすることができる。
本発明にかかる結晶評価装置において、
前記レーザ光源からのレーザ光を集光するレンズと、
前記レンズの焦点が前記試料の表面に一致しているか否かを判断するために設けられ、前記試料にレーザ光が照射された試料の画像を表示する表示部と、をさらに含むことができる。
これにより、結晶評価装置のオペレータは、表示部を視認することによりレンズの焦点が前記試料の表面に一致しているか否かを容易に判断することができる。
本発明にかかる結晶評価装置において、
前記試料にレーザ光が照射されることにより生じた散乱光の強度を検出する強度検出部をさらに含むことができる。
本発明にかかる結晶評価装置において、
前記強度検出部が検出した強度に基づいて、前記試料台の位置を決定する試料台位置決定部をさらに含むことができる。
本発明にかかる結晶評価装置において、
前記レーザ光は、前記レーザ光源から出射されていることができる。これにより、結晶評価装置は、ラマン散乱測定に用いるレーザ光源と同一のレーザ光源を、試料の位置決めに用いることができる。
本発明にかかる結晶評価方法は、
結晶からなる試料の評価を行う結晶評価方法であって、
(a)試料台に載置されている試料のX線回折測定を行うことにより、前記試料の結晶方位を解析するステップと、
(b)解析した前記試料の結晶方位に基づいて、前記試料台の傾きおよび方位の少なくとも一方を決定するステップと、
(c)決定した前記試料台の傾きまたは方位に、前記試料台を移動するステップと、
(d)前記試料のラマン散乱測定を行うステップと、
を含む。
本発明にかかる結晶評価方法において、
前記(a)では、前記試料のX線回折の極点測定を行うことにより、前記試料の結晶方位を解析することができる。
本発明にかかる結晶評価方法において、
前記ステップ(a)の前に、
(e)試料台に載置されている試料にレンズを介して、レーザ光源からレーザ光を照射するステップと、
(f)前記試料にレーザ光が照射されることにより生じた散乱光を検出することにより、前記試料の表面に前記レンズの焦点が一致しているか否かを判断するステップと、
(g)前記試料の表面に前記レンズの焦点が一致していないと判断した場合に、前記試料台の位置を移動するステップと、
をさらに含むことができる。
本発明にかかる結晶評価方法において、
前記ステップ(f)では、レーザ光が照射された前記試料の画像を検出し、検出した画像に基づいて前記試料の表面に前記レンズの焦点が一致しているか否かを判断することができる。
本発明にかかる結晶評価方法において、
前記ステップ(f)では、散乱光の強度を検出し、検出した当該強度に基づいて、前記試料の表面に前記レンズの焦点が一致しているか否かを判断することができる。
本発明にかかる結晶評価方法において、
前記ステップ(g)の前に、前記ステップ(f)において検出した散乱光の強度に基づいて、前記試料の表面の位置を算出するステップをさらに含み、
前記ステップ(g)では、算出した前記試料の表面の位置が前記レンズの焦点の位置に一致するように前記試料台の位置を移動することができる。
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
1.結晶評価装置
本実施の形態にかかる結晶評価装置100は、試料のラマン散乱測定とX線回折測定とを行う。ラマン散乱測定によれば、試料中の原子の振動状態に関する情報を得ることができる。試料中の原子の振動状態に関する情報とは、たとえば、結晶を構成する原子配列の秩序状態、化学量論比からのずれ、欠陥の位置に関する情報、面方位に関する情報である。一方、X線回折測定によれば、結晶の格子定数に関する情報を得ることができる。ラマン散乱測定から得られる情報と、X線回折測定から得られる情報との双方を解析することにより、結晶の構造について詳細に調べることが可能となる。
図1は、本実施の形態にかかる結晶評価装置100の主な機能構成を示すブロック図である。結晶評価装置100は、測定部110と、表示部42と、入力部44と、測定制御部46と、記憶部48と、処理部50とを備える。
測定部110は、たとえば結晶からなる試料32をX線回折法およびラマン散乱分光分析法により測定する。測定部110の詳細な構成については、後述する。
測定制御部46は、測定部110に試料を測定させるための制御を行う。記憶部48は、各種の設定データ(たとえば、測定制御用データなど)を記憶する他に、処理部50および測定制御部46の各種処理機能を実現するためのワーク領域となるもので、その機能はRAM、ROM、光ディスク、光磁気ディスクなどのハードウエアにより実現できる。また記憶部48には、結晶評価装置100の各部を機能させるためのプログラムが格納されていてもよい。結晶評価装置100は、記憶部48に格納されているプログラムを読み取って結晶評価装置100の各部の機能を実現させることができる。また、記憶部48に代えて、上述した各機能を実現するためのプログラム等を、伝送路を介してホスト装置等からダウンロードすることによって上述した結晶評価装置100の各部の機能を実現することも可能である。
処理部50は、測定部110が測定した測定値を処理し、処理結果を記憶部48または表示部42に送る。また処理部50は、結晶方位解析部52と、傾き決定部54と、方位決定部56とを有する。これらの各部の詳細については、後述する。
表示部42は、後述する測定部110の画像検出部24が検出した画像を表示する。また表示部42は、結晶評価装置100の設定状態、作動状態、または測定結果などを画像出力してもよく、その機能はCRT、LCD、タッチパネル型ディスプレイ等の公知のハードウエアにより実現できる。
入力部44は、結晶評価装置100のオペレータが各種の設定データや操作データを入力するためのものであり、その機能は、キーボード、操作ボタン、タッチパネル型ディスプレイなどのハードウエアにより実現できる。
次に、測定部110の詳細について説明する。図2は、本実施の形態にかかる測定部110の詳細な構成を示す図である。測定部110は、ラマン散乱測定装置としての機能と、X線回折装置としての機能とを有する。測定部110は、図2に示すように、たとえば結晶からなる試料32を載置するための試料台10と、X線回折測定を行うX線源12およびX線検出部14と、ラマン散乱測定を行うレーザ光源16、分光器18、光検出部20、第1の偏光子34、第2の偏光子36、第1のミラー25、および対物レンズ22とを含む。
まず、測定部110の各機能の中で、ラマン散乱測定を行う機能について説明する。本実施の形態においてラマン散乱測定は、後方散乱配置で行われる。レーザ光源16は、レーザ光を出射する。出射されたレーザ光は、第1の偏光子34によって偏光される。偏光されたレーザ光は、第1のミラー25により反射し、対物レンズ22を介して試料32の表面を照射する。第1のミラー25は、レーザ光の光路に対して45度傾斜状態で配置され、レーザ光の光路を90度変換して試料台10上に載置された試料32方向に向けることができる。対物レンズ22は、試料32上に向けられたレーザ光を集光する。これによりラマン散乱効率を上げることができる。集光されたレーザ光は、試料32上に照射されることにより発生したラマン散乱光は、対物レンズ22を介して第3のミラー27に出射する。第3のミラー27はハーフミラーであり、ラマン散乱光を分光器18方向に導く。第3のミラー27は、レーザ光の光路に対して45度傾斜状態で配置され、ラマン散乱光の光路を90度変換して分光器18方向に向けることができる。第2の偏光子36は、分光器18の方向に導かれたラマン散乱光を偏光する。分光器18は、偏光されたラマン散乱光を複数のスペクトルに分光して光検出部20に送る。光検出部20は、分光器18から送られたスペクトルの強度を検出する。光検出部20は、複数のスペクトルを同時に検出するためにマルチチャンネルであることが好ましく、光検出部20としては、たとえばCCDが用いられる。光検出部20は、検出したスペクトルの強度を示す情報を処理部50に送る。
測定部110は、第1の偏光子34および第2の偏光子36を有することにより、偏光ラマン測定を行うことができる。偏光ラマン散乱測定を行うことにより、偏光を行わない通常のラマン散乱測定に比べて、より多くの試料中の原子の振動状態に関する情報を得ることができる。偏光ラマン散乱測定を行うことにより、たとえば結晶中の原子が分極している場合、分極の向きに関する情報を得ることができる。第1の偏光子34および第2の偏光子36は、取り外し可能であり、結晶評価装置100は、必要に応じて通常のラマン散乱測定を行うこともできる。
次にX線回折測定を行う機能について説明する。X線源12は、対物レンズ22の焦点30の位置にX線を照射する。これにより、結晶評価装置100は、試料32上においてラマン散乱測定をする位置と同一の位置を、X線回折測定することができ、精度の高い結晶評価を行うことができる。
X線検出部14は、試料32に照射されることにより発生した回折X線を検出する。X線検出部14およびX線源12は、回転中心を中心として互いに独立に回転運動可能なゴニオメータ構造となっている。X線検出部14とX線源12は、回転中心が対物レンズ22の焦点30と一致するように設けられている。X線源12によるX線の照射と、X線検出部14による回折X線の検出は、ゴニオメータによって回折角を変化させながら順次行われる。
結晶方位解析部52は、X線検出部14が検出した回折X線に基づいて、試料32の結晶方位を解析する。具体的には、結晶方位解析部52は、検出された回折X線に関する情報から極点図を作成し、作成した極点図に基づいて試料32の結晶方位を解析する。
傾き決定部54は、結晶方位解析部52が解析した結晶方位に基づいて、試料台10の傾きを決定する。ここで試料台10の傾きとは、図2に示すω軸方向とψ軸方向をいい、試料台10は、ω軸方向およびψ軸方向に傾くことにより、所望の傾きに移動することができる。方位決定部56は、結晶方位解析部52が解析した結晶方位に基づいて、試料台10の方位を決定する。ここで試料台10の方位とは、図2に示すφ軸方向をいい、試料台10は、水平の面内方向に回転することにより、所望の方位に移動することができる。傾き決定部54および方位決定部56は、たとえば、X線回折測定の極点測定により得られた極点図上の回折スポットの位置情報を参照して傾きおよび方位を決定する。傾き決定部54および方位決定部56は、たとえば、結晶が4回対称軸をもつ場合、4つの回折スポットのうち2つの隣り合うスポットを結ぶ直線や互いに向かい合う対角のスポットを結ぶ直線が第1の偏光子34および第2の偏光子36の偏光方向に平行になるように試料台10をω軸方向、ψ軸方向、およびφ軸方向に移動する。傾き決定部54は、決定した試料台10の傾きを示す情報を試料台駆動部11に送る。方位決定部56は、決定した試料台10の方位を示す情報を試料台駆動部11に送る。
測定部110は、画像検出部24と、試料台10を駆動する試料台駆動部11と、第2のミラー26と、第2のミラー26を駆動するミラー駆動部23とをさらに含む。第2のミラー26は、ラマン散乱光を画像検出部24に導く機能を有する。具体的には第2のミラー26は、第3のミラー27からのラマン散乱光に対して45度傾斜状態で配置され、ラマン散乱光の光路を90度変換して画像検出部24の方向に向けることができる。第2のミラー26は、第3のミラー27と分光器18との間に図2において上下方向に可動に設けられ、ラマン散乱測定を行うときには、ラマン散乱光を遮らない位置(上方向)に移動する。
画像検出部24は、試料32から発生したラマン散乱光を受光することで試料32の画像を表示部42に送る。結晶評価装置100のオペレータは、表示部42を確認することで、対物レンズ22の焦点30が試料32の表面に一致しているか否かを判断することができる。結晶評価装置100のオペレータは、入力部44から試料台10の位置に関する情報を入力することができる。試料台駆動部11は、入力部44から入力された試料台10の位置に関する情報に応じて試料台10の位置をx、y、またはz軸方向に移動させることができる。また試料台駆動部11は、傾き決定部54が決定した傾きに試料台10を駆動する。また試料台駆動部11は、方位決定部56が決定した方位に試料台10を駆動する。
2.結晶評価方法
次に本実施の形態にかかる結晶評価方法について説明する。図3は、本実施の形態にかかる結晶評価装置の動作を示すフローチャートである。
まず、結晶評価装置100のオペレータは、試料32を試料台10に載置する(ステップS100)。
次に、結晶評価装置100は、試料台10の高さを決定する(ステップS110)。
次に、結晶評価装置100の測定部110は、X線回折測定を行う(ステップS120)。ここで測定部110は、少なくとも極点測定を行う。
次に、結晶方位解析部52は、測定部110が行った極点測定の測定結果に基づいて、試料32の結晶方位を解析する(ステップS130)。
次に、傾き決定部54は、結晶方位解析部52が解析した試料32の結晶方位に基づいて、試料32がラマン偏光測定に適した傾きになるように、試料台10の傾きを決定する。また方位決定部56は、結晶方位解析部52が解析した試料32の結晶方位に基づいて、試料32がラマン偏光測定に適した方位になるように、試料台10の方位を決定する(ステップS140)。
次に、試料台駆動部11は、傾き決定部54が決定した傾きおよび方位決定部56が決定した方位に試料台10を駆動する(ステップS150)。
次に、結晶評価装置100は、偏光ラマン散乱測定を行う(ステップS160)。ここで結晶評価装置100のミラー駆動部23は、ラマン散乱測定を行う前に、第2のミラー26の位置を、ラマン散乱光が分光器18に入射するように、移動させる。
偏光ラマン散乱測定の後、結晶評価装置100の動作は終了する。
次に、ステップ110の詳細について説明する。図4は、ステップ110における結晶評価装置100の詳細な動作を示すフローチャートである。
レーザ光源16は、対物レンズ22を介して試料32にレーザ光を照射する(ステップS112)。このとき、第2のミラー26は、試料32からのラマン散乱光を画像検出部24に導くことのできる位置に配置される。
次に、結晶評価装置100のオペレータは、画像検出部24が検出した試料32の表面の画像を確認して、試料32の表面に対物レンズ22の焦点が一致しているか否かを判断する(ステップS113)。具体的には、結晶評価装置100のオペレータは、表示部42に表示された試料32上のレーザビーム径を確認することにより、試料32の表面に対物レンズ22の焦点が一致しているか否かを判断する。レーザビーム径が最小のときに、試料32の表面に対物レンズ22の焦点が一致しているといえる。試料32の表面に対物レンズ22の焦点が一致しているとオペレータが判断した旨を示す情報を入力部44が受け取った場合に、結晶評価装置100の動作は、図3に示すステップS120にジャンプする。
一方、オペレータは、試料32の表面に対物レンズ22の焦点が一致していないと判断した場合に、試料台10の高さを変更する(ステップS114)。
次に、レーザ光源16は、試料32にレーザ光を照射する(ステップS115)。次に、結晶評価装置100のオペレータは、画像検出部24が検出した試料32の表面の画像を確認して、試料32の表面に対物レンズ22の焦点が一致しているか否かを判断する(ステップS116)。試料32の表面に対物レンズ22の焦点が一致しているとオペレータが判断するまで、結晶評価装置100は、ステップS114〜S116の動作を繰り返す。
このように、結晶評価装置100は、ラマン散乱測定に用いているレーザ光源16から出射されるレーザ光を予め試料32に照射して、画像を確認することにより、試料32の表面を対物レンズ22の焦点の位置に調節することができる。これにより、精度の高いラマン散乱測定およびX線回折測定を行うことが可能となる。
ステップS116において、試料32の表面に対物レンズ22の焦点が一致しているとオペレータが判断した旨を示す情報を入力部44が受け取った場合に、結晶評価装置100の動作は、図3に示すステップS120にジャンプする。
通常、ラマン散乱測定とX線回折測定は、異なる装置で行われるため、一方の測定を行った後、他方の測定を行うために試料を装置に装着しなおさなければならなかった。このときに、時間的負担だけでなく、試料の破損のリスク、温度の変化等による試料状態の変化などが生じていた。そこで本実施の形態にかかる結晶評価装置100によれば、同時にラマン散乱測定とX線回折測定を行うことができるため、より短時間で試料の破損等のリスクを低減することができる。また本実施の形態にかかる結晶評価装置100によれば、試料32の表面において、ラマン散乱測定を行う位置と同じ位置を、X線回折測定することができる。
さらに結晶評価装置100によれば、試料32の表面の複数の領域を測定する場合であっても、一の領域を上述した動作により測定した後、試料台10をxまたはy軸方向に移動させ、再度上述した動作を行うことによって、短時間で精度よく結晶評価を行うことができる。
3.変形例
次に本実施の形態にかかる結晶評価装置の変形例について説明する。変形例にかかる結晶評価装置200は、ラマン散乱光の強度に基づいて試料台10の位置を決定している点で、オペレータが試料32の画像を確認しながら試料台10の位置を決定している結晶評価装置100と異なる。
図5は、変形例にかかる結晶評価装置200の機能構成を示すブロック図である。結晶評価装置200は、画像検出部24に代えて強度検出部28および位置決定部29をさらに含む。強度検出部28は、試料32にレーザ光が照射されることにより生じた散乱光の強度を検出して位置決定部29に送る。位置決定部29は、強度検出部28から受け取った強度を示す情報に基づいて、試料台10の位置を決定する。
次に、変形例にかかる結晶評価方法について図6を参照しながら説明する。図6は、結晶評価装置200の動作を示すフローチャートである。
まず、結晶評価装置200のオペレータは、試料32を試料台10に載置する(ステップS200)。ついで、レーザ光源16は、対物レンズ22を介して試料32にレーザ光を照射する(ステップS202)。
次に、強度検出部28は、試料32にレーザ光が照射されることにより生じた散乱光の強度を検出する(ステップS204)。
次に、位置決定部29は、強度検出部28が検出した強度に基づいて試料台10の位置を決定する(ステップS206)。具体的には、位置決定部29は、強度検出部28が検出した強度に基づいて試料32の表面の位置を算出し、当該位置と、現時点での試料台10の位置とから適切な試料台10の位置を決定する。散乱光の強度は、焦点30の位置が試料32の表面に近いほど高いため、結晶評価装置200は、たとえば、予め焦点30の位置と試料32表面の間の距離と、散乱光の強度との関係式を試料ごとに記憶しておき、位置決定部29は、かかる関係式を用いて、試料台10の位置を決定することができる。
次に、結晶評価装置100の測定部110は、X線回折測定を行う(ステップS207)。ここで測定部110は、少なくとも極点測定を行う。
次に、結晶方位解析部52は、測定部110が行った極点測定の測定結果に基づいて、試料32の結晶方位を解析する(ステップS208)。
次に、傾き決定部54は、結晶方位解析部52が解析した試料32の結晶方位に基づいて、試料32がラマン偏光測定に適した傾きになるように、試料台10の傾きを決定する。また方位決定部56は、結晶方位解析部52が解析した試料32の結晶方位に基づいて、試料32がラマン偏光測定に適した方位になるように、試料台10の方位を決定する(ステップS210)。
次に、試料台駆動部11は、傾き決定部54が決定した傾きおよび方位決定部56が決定した方位に試料台10を駆動する(ステップS212)。
次に、結晶評価装置100は、偏光ラマン散乱測定を行う(ステップS214)。ここで結晶評価装置100のミラー駆動部23は、ラマン散乱測定を行う前に、第2のミラー26の位置を、ラマン散乱光が分光器18に入射するように、移動させる。
偏光ラマン散乱測定の後、結晶評価装置100の動作は終了する。
このように結晶評価装置200によれば、レーザ光源16からのレーザ光に基づく散乱光の強度を検出することにより、試料台10の位置を決定することができる。これにより、試料台10の位置合わせを簡便かつ正確に行うことができる。
変形例にかかる結晶評価装置200のその他の構成および動作は、上述した結晶評価装置100の構成および動作と同様であるので説明を省略する。
4.実験例
4.1.第1の実験例
単結晶ニオブ酸カリウム(KNbO)板を試料としてX線回折測定およびラマン散乱測定を行った。厚さ1mm、5mm×5mmサイズの単結晶ニオブ酸カリウム板を用意し、結晶評価装置の試料台に載置した。試料表面が対物レンズの焦点に一致するように調整し、X線回折測定により試料の極点測定を行った。その結果、図7に示すように、擬立方晶(110)面からの4つの回折スポットを含む極点図を得た。図7によれば、4つの回折スポットは、極点図の中心とほぼ一致しており、試料が適切な傾きおよび方位で載置されていることがわかる。結晶評価装置は、KNbOは底心構造を有する斜方晶であろうとの予想に基づき、極点図における4つの回折スポットのうち、互いに向かい合う対角のスポットを結ぶ直線が第1の偏光子34と第2の偏光子36の偏光方向に平行になるように試料台10を駆動することにより試料を適切な傾きおよび方位に調整した。
ラマン散乱測定は、2種類の偏光配置で行った。図8は、照射したレーザ光と散乱光の偏光方向が平行な配置(平行偏光配置)で得られたスペクトルプロファイルである。図9は、照射したレーザ光と散乱光の偏光方向が互いに直交する配置(垂直偏光配置)で得られたスペクトルプロファイルである。平行偏光配置では、図8に示すようにAに属する横波格子振動モードが強く観測された。他方、垂直偏光配置では、図9に示すようにBに属する横波格子振動モードが強く観測された。これにより、試料が適切な傾きおよび方位で偏光ラマン散乱測定が行われたことが確認された。
なお、これらの測定結果から、試料の単結晶ニオブ酸カリウムは、斜方晶ペロブスカイト型強誘電体相であることが確認された。また、図8においてAに属する縦波格子振動モードがほとんど観測できないことから、自発分極方位が照射レーザ方向に対し垂直方向であることを同定することができた。
4.2.第2の実験例
ニオブ酸カリウム(KNbO)のエピタキシャル膜を試料としてX線回折測定およびラマン散乱測定を行った。サファイア基板上にバッファ層として酸化マグネシウム(MgO)を約10nmの厚みでエピタキシャル成長させた。ついでMgO上にニオブ酸カリウムを約200nmの厚みでエピタキシャル成長させた。エピタキシャル成長は気相法により行った。このようにして得られた試料を結晶評価装置の試料台に載置した。試料表面が対物レンズの焦点に一致するように調整し、X線回折測定により試料の極点測定を行った。その結果、図10に示すように、擬立方晶(110)面からの4つの回折スポットを含む極点図を得た。図10によれば、4つの回折スポットは、極点図の中心からシフトしており、試料が偏光ラマン測定には不適切な傾きおよび方位で載置されていることがわかる。
ラマン散乱測定は、極点測定結果に基づき試料台傾きと方位を適切に修正した後、2種類の偏光配置で行った。図11は、照射したレーザ光と散乱光の偏光方向が平行な配置(平行偏光配置)で得られたスペクトルプロファイルである。図12は、照射したレーザ光と散乱光の偏光方向が互いに直交する配置(垂直偏光配置)で得られたスペクトルプロファイルである。平行偏光配置では、図11に示すようにAに属する横波格子振動モードが強く観測された。他方、垂直偏光配置では、図12に示すようにBに属する横波格子振動モードが強く観測された。
しかし、図11に示すスペクトルプロファイルは、図8に示すスペクトルプロファイルにおいて強く観測されている280cm−1および600cm−1付近のA振動モードのピークの他に250cm−1および530cm−1付近のB振動モードのピークも観測されている。また図12に示すスペクトルプロファイルは、図9に示すスペクトルプロファイルにおいて強く観測されている250cm−1および530cm−1付近のB振動モードのピークの他に280cm−1および600cm−1付近のA振動モードのピークも観測されている。このことから、ニオブ酸カリウムエピタキシャル膜は、単結晶ニオブ酸カリウムに比べると結晶配向性に劣り、自発分極方位にばらつきがあることが確認された。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、変形例にかかる結晶評価装置200は、散乱光の強度を検出することにより、試料台10の高さを決定しているが、これにかえて、試料32の表面の画像を検出し、画像解析することによって試料台10の適切な高さを決定してもよい。たとえば、結晶評価装置200は、画像解析により試料32上のレーザビーム径と試料32表面と焦点との距離との関係式を記憶しておき、かかる関係式を用いて試料台10の適切な高さを決定することができる。
また、本実施の形態にかかる結晶評価方法では、結晶評価装置100がX線回折極点図を解析することにより試料台10の傾きおよび方位を決定しているが、これにかえて、結晶評価装置100がX線回折極点図を出力し、出力された極点図を結晶評価装置100のオペレータが視認することで、試料台10の傾きおよび方位が適切であるか否かを判断してもよい。
また本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び結果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
本実施の形態にかかる結晶評価装置の機能構成を示すブロック図。 本実施の形態にかかる測定部を模式的に示す図。 本実施の形態にかかる結晶評価方法を示すフローチャート。 本実施の形態にかかる結晶評価方法を示すフローチャート。 変形例にかかる結晶評価装置の機能構成を示すブロック図。 変形例にかかる結晶評価方法を示すフローチャート。 第1の実験例にかかるニオブ酸カリウムのX線回折極点図。 第1の実験例にかかるニオブ酸カリウムのラマン散乱スペクトル。 第1の実験例にかかるニオブ酸カリウムのラマン散乱スペクトル。 第2の実験例にかかるニオブ酸カリウムのX線回折極点図。 第2の実験例にかかるニオブ酸カリウムのラマン散乱スペクトル。 第2の実験例にかかるニオブ酸カリウムのラマン散乱スペクトル。
符号の説明
10 試料台、12 X線源、14 X線検出部、16 レーザ光源、18 分光器、20 光検出部、22 対物レンズ、24 画像検出部、25 第1のミラー、26 第2のミラー、27 第3のミラー、28 強度検出部、29 位置決定部、30 焦点、32 試料、34 第1の偏光子、36 第2の偏光子、42 表示部、44 入力部、46 測定制御部、48 記憶部、50 処理部、52 結晶方位解析部、54 傾き決定部、56 方位決定部、100、200 結晶評価装置、110、210 測定部

Claims (17)

  1. 試料を載置するための試料台と、
    前記試料台に載置された試料にX線を照射するためのX線源と、
    前記試料に照射されることにより生じた回折X線を検出するX線検出部と、
    前記試料にレーザ光を照射するためのレーザ光源と、
    前記レーザ光を偏光する第1の偏光子と、
    前記試料に照射されることにより散乱したラマン散乱光を偏光する第2の偏光子と、
    前記第2の偏光子で偏光されたラマン散乱光を分光する分光器と、
    前記分光器が分光したスペクトルの強度を検出する光検出部と、
    を含む、結晶評価装置。
  2. 請求項1において、
    前記試料は、結晶からなり、
    前記X線検出部が検出した回折X線に基づいて、前記試料の結晶方位を解析する結晶方位解析部をさらに含む、結晶評価装置。
  3. 請求項2において、
    前記結晶方位解析部は、前記X線検出部が検出した回折X線に基づいて作成された極点図に基づいて、前記試料の結晶方位を解析する、結晶評価装置。
  4. 請求項2または3において、
    前記結晶方位解析が解析した前記試料の結晶方位に基づいて、前記試料台の傾きを決定する傾き決定部をさらに含む、結晶評価装置。
  5. 請求項2または3において、
    前記結晶方位解析が解析した前記試料の結晶方位に基づいて、前記試料台の方位を決定する方位決定部をさらに含む、結晶評価装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかにおいて、
    前記レーザ光源からのレーザ光を前記試料の表面に集光するレンズをさらに含み、
    前記X線源および前記X線検出部は、前記レンズの焦点を回転中心として回転可能に設けられている、結晶評価装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかにおいて、
    前記レーザ光源からのレーザ光を集光するレンズをさらに含み、
    前記X線源は、少なくとも前記レンズの焦点の位置に前記X線を照射する、結晶評価装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれかにおいて、
    前記レーザ光源からのレーザ光を集光するレンズと、
    前記レンズの焦点が前記試料の表面に一致しているか否かを判断するために設けられ、前記試料にレーザ光が照射された試料の画像を表示する表示部と、をさらに含む、結晶評価装置。
  9. 請求項1ないし7のいずれかにおいて、
    前記試料にレーザ光が照射されることにより生じた散乱光の強度を検出する強度検出部をさらに含む、結晶評価装置。
  10. 請求項9において、
    前記強度検出部が検出した強度に基づいて、前記試料台の位置を決定する試料台位置決定部をさらに含む、結晶評価装置。
  11. 請求項9において、
    前記レーザ光は、前記レーザ光源から出射されている、結晶評価装置。
  12. 結晶からなる試料の評価を行う結晶評価方法であって、
    (a)試料台に載置されている試料のX線回折測定を行うことにより、前記試料の結晶方位を解析するステップと、
    (b)解析した前記試料の結晶方位に基づいて、前記試料台の傾きおよび方位の少なくとも一方を決定するステップと、
    (c)決定した前記試料台の傾きまたは方位に、前記試料台を移動するステップと、
    (d)前記試料のラマン散乱測定を行うステップと、
    を含む結晶評価方法。
  13. 請求項12において、
    前記(a)では、前記試料のX線回折の極点測定を行うことにより、前記試料の結晶方位を解析する、結晶評価方法。
  14. 請求項12または13において、
    前記ステップ(a)の前に、
    (e)試料台に載置されている試料にレンズを介して、レーザ光源からレーザ光を照射するステップと、
    (f)前記試料にレーザ光が照射されることにより生じた散乱光を検出することにより、前記試料の表面に前記レンズの焦点が一致しているか否かを判断するステップと、
    (g)前記試料の表面に前記レンズの焦点が一致していないと判断した場合に、前記試料台の位置を移動するステップと、
    をさらに含む結晶評価方法。
  15. 請求項14において、
    前記ステップ(f)では、レーザ光が照射された前記試料の画像を検出し、検出した画像に基づいて前記試料の表面に前記レンズの焦点が一致しているか否かを判断する、結晶評価方法。
  16. 請求項14において、
    前記ステップ(f)では、散乱光の強度を検出し、検出した当該強度に基づいて、前記試料の表面に前記レンズの焦点が一致しているか否かを判断する、結晶評価方法。
  17. 請求項16において、
    前記ステップ(g)の前に、前記ステップ(f)において検出した散乱光の強度に基づいて、前記試料の表面の位置を算出するステップをさらに含み、
    前記ステップ(g)では、算出した前記試料の表面の位置が前記レンズの焦点の位置に一致するように前記試料台の位置を移動する、結晶評価方法。
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JP2020126013A (ja) * 2019-02-06 2020-08-20 株式会社東レリサーチセンター 測定用器具、それを有する測定装置ならびに測定方法
KR102283661B1 (ko) * 2020-05-08 2021-07-30 라만랩 주식회사 라만 분광기 및 이의 구동 방법

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