本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施の形態に係る移動体通信システム1の構成図である。該移動体通信システム1は、図1に示すように、基地局装置2と、移動局装置3と、通信ネットワーク4と、を含んで構成されている。移動体通信システム1では、基地局装置2と移動局装置3とが、互いに無線で通信を行う。また、移動局装置3は、基地局装置2を介して通信ネットワーク4との通信を行う。
基地局装置2は、図2に示すように、制御部10と、記憶部20と、ネットワークインターフェイス部30と、無線通信部40と、キャリブレーション部50と、を含んで構成されている。
制御部10は、記憶部20に記憶されるプログラムを実行するための処理ユニットを備え、基地局装置2の各部を制御するとともに、通話やデータ通信に関わる処理を実行している。
記憶部20は、制御部10のワークメモリとして動作する。また、この記憶部20は、制御部10によって行われる各種処理に関わるプログラムやパラメータを保持している。
ネットワークインターフェイス部30は、通信ネットワーク4と接続されており、通信ネットワーク4からの音声信号や通信用パケット等を受信して制御部10に出力したり、制御部10の指示に従って音声信号や通信用パケット等を通信ネットワーク4に対して送信したりする。
無線通信部40は、複数のアンテナを備え、移動局装置3からの音声信号や通信用パケット等を各アンテナでそれぞれ受信して復調し、制御部10に出力する。また、制御部10から入力される指示に従って、制御部10から入力される音声信号や通信用パケット等を変調し、各アンテナを介して無線区間に送出する。
なお、無線通信部40は、複数の通信チャネルによる通信ができるよう、構成される。この通信チャネルは、周波数分割多重の多重単位である周波数チャネル、時分割多重の多重単位であるタイムスロット、符号分割多重の多重単位である符号、などの多重単位のうち少なくとも1つを利用してなる通信単位である。移動局装置3との通信を行う場合には、この通信チャネルのうちの少なくとも1つを使用して行う。
また、無線通信部40は、上記複数のアンテナをアダプティブアレイアンテナとして使用することにより、空間分割多重方式(SDMA,Space Division Multiple Access)にて通信を行う。空間分割多重方式は、複数のアンテナから送出する通信信号の振幅又は位相の少なくとも一方を調節することにより、移動局装置3の存在する位置にアンテナの指向性を合わせる方式である。空間分割多重方式では、複数のアンテナにおいて同じ信号が送受信される。
キャリブレーション部50は、キャリブレーションウエイト算出処理を行うためにカスタマイズされた移動局装置3である。キャリブレーションウエイト算出処理は、基地局装置2内での信号伝達の際に生ずる電力ロスや遅延を、送信信号の振幅や位相に反映させるために使用されるキャリブレーションウエイトを算出する処理である。このキャリブレーションウエイト算出処理については、後に詳述する。
移動局装置3は、基地局装置2から無線送信される信号を受信し、また、基地局装置2に対し信号を無線送信することにより、基地局装置2と通信を行う。移動局装置3の例としては、携帯電話端末、PHS端末、無線LAN端末が挙げられる。
なお、基地局装置2と移動局装置3との間で行われる通信では上記空間分割多重方式、周波数分割多重方式が使用されるとともに、時分割複信方式(TDD,Time Division Duplex)が使用される。この時分割復信方式では、同一の周波数チャネルが、移動局装置3から基地局装置2へ送信される信号(上り信号)と、基地局装置2から移動局装置3へ送信される信号(下り信号)とで、時分割切替されつつ、使用される。
通信ネットワーク4は複数のコンピュータ(不図示)と接続され、各コンピュータと、基地局装置2との間の通信を中継する。具体的には、移動体通信システムの交換機ネットワークであってもよいし、TCP/IP網であってもよい。
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態について説明する。図3は、第1の実施形態にかかる基地局装置2の機能ブロック及びハードウェア構成図である。同図に示すように、基地局装置2は、物理的には、基地局装置本体部70と、アンテナ部80と、これらを接続するケーブルと、を含んで構成される。
この基地局装置本体部70とアンテナ部80とは空間的に離隔して設置されている。具体的には、アンテナ部80は鉄塔の頂上、基地局装置本体部70は鉄塔の根元、というように配置されている。このように基地局装置本体部70とアンテナ部80とが離隔しているため、基地局装置2における信号送受信では、内部での信号伝達の際に生ずる電力ロスや遅延が生ずる。これらの電力ロスや遅延は、アンテナ部80と基地局装置本体部70とを接続するケーブルの長さや信号の通過する回路がアンテナごとに異なるため、アンテナごとに異なる。また、これらの電力ロスや遅延は周波数ごとにも異なり、さらに気温などの周辺環境の変化によっても変化する量である。
ところで、基地局装置2では上述のように空間分割多重方式が採用される。このため、基地局装置2は、受信した通信信号の振幅又は位相に基づいて、該受信した通信信号の振幅又は位相のアンテナ間における相違量を示す受信ウエイトを算出する。この算出処理は移動局装置3ごとに行われる。
そして、受信ウエイトに基づいて推定される移動局装置3に指向性を合わせるよう、送信ウエイトを算出する。この算出処理も移動局装置3ごとに行われる。そして、算出した送信ウエイトをアンテナごとに通信信号に乗算することにより、通信信号の振幅又は位相の少なくとも一方を調節し、送出する電波の指向性を、移動局装置3に合わせている。
しかし、上述のように基地局装置2内部での信号伝達の際に、信号が通過する回路やケーブルなどアンテナごとに異なる回路要素があり、その為にアンテナごとに異なる電力ロスや遅延が生ずるので、受信ウエイトのみに基づいて送信ウエイトを算出すると、これら電力ロスや遅延のために、移動局装置3に指向性が合わなくなってしまう場合がある。そこで、本実施の形態では、既知のキャリブレーション信号を通信信号として送受信することにより、これらの電力ロスや遅延を予め測定するキャリブレーションウエイト算出処理を行い、その測定結果を示すキャリブレーションウエイトを、上記送信ウエイトに反映させている。すなわち、通信信号が送信される際、キャリブレーションウエイトに基づいて該通信信号の振幅又は位相に関する所定の校正処理(キャリブレーション)が行われるようにしている。
ところで、キャリブレーション信号の送受信にあたっては、無線通信部40のうち基地局装置本体部70にある部分と、キャリブレーション部50と、の間で、アンテナ部80を経由してキャリブレーション信号の送受信を行うが、この際、上記通信チャネルを使用する。このため、キャリブレーション信号の送受信を行っている間には、該キャリブレーション信号の送受信に使用されている通信チャネルを通信信号の送受信用に使用することはできない。すなわち、キャリブレーション信号の送受信を行っている間、通信信号の送受信に使用可能な無線リソースは減少する。
また、上述のように、電力ロスや遅延は、気温などの周辺環境の変化に伴って変化する。しかも、この変化はアンテナごとに異なる。このため、温度が変化する都度キャリブレーションウエイト算出処理を行う必要があるが、キャリブレーション信号の送受信を行う間、上述のように無線リソースが減少する。
そこで第1の実施形態では、基地局装置2の環境温度とキャリブレーションウエイトとを対応付けてキャリブレーションウエイトテーブルに記憶している。そして、環境温度が変化した場合、変化後の環境温度と対応付けてキャリブレーションウエイトテーブルに記憶されているキャリブレーションウエイトを読み出す。このようにすることで、無線リソースの減少を招くことなく、温度変化に応じたキャリブレーションウエイトを取得することができるようにしている。
以下、図3乃至図5を参照しながら、具体的に説明する。
基地局装置本体部70は、送受信部71、温度測定部72、キャリブレーションウエイト記憶部73a、キャリブレーションウエイト選択部74a、キャリブレーション更新部76、無線アンテナキャリブレーション機能部77a、無線リソース情報取得部78、送受信部79を含んで構成される。アンテナ部80は複数のアンテナ81−i(i=1〜n,nはアンテナの本数)と、それぞれに対応してカプラ82−iを含んで構成される。アンテナ部80と送受信部71はケーブルによって接続されている。なお、アンテナ部80は、各アンテナ81−iと送受信部71の間にそれぞれ設置される増幅部を含むこととしてもよい(不図示)。
なお、温度測定部72、キャリブレーションウエイト選択部74a、キャリブレーション更新部76、無線アンテナキャリブレーション機能部77a、無線リソース情報取得部78は制御部10に、キャリブレーションウエイト記憶部73aは記憶部20に、送受信部71、アンテナ81−i、カプラ82−iは無線通信部40に、送受信部79はキャリブレーション部50に、それぞれ含まれる。
送受信部71は、1つの通信について複数の通信チャネルのうちの少なくとも1つを使用しつつ、通信信号の送受信を行う。このために、制御部10において取得される通信データを符号化・変調し、各通信チャネルに割り当てた上で、各アンテナ81−iに出力する。また、送受信部71はアンテナ81−iごとの上記送信ウエイトwTi(i=1〜n)を保持しており、アンテナ81−iごとの通信信号に該送信ウエイトを乗算する。具体的には、式(1)に示すように、通信信号S(t)に、アンテナ81−iごとの送信ウエイトwTiを乗算し、各アンテナ81−iに対応する通信信号Si(t)を得ている。
Si(t)=S(t)×wTi ・・・(1)
温度測定部72は温度計を備えている。そして、該温度計により基地局装置本体部70の環境温度を測定し、送受信部71の環境温度として取得する。このようにして測定される基地局装置本体部70の温度は、外気温などの外的要因、及び装置の発する熱などの内的要因によって変化する。
キャリブレーションウエイト記憶部73aは、送受信部71の環境温度とキャリブレーションウエイトとを対応付けるキャリブレーションウエイトテーブルを記憶する。図4に示すテーブルは、このキャリブレーションウエイトテーブルの例である。同図に示すキャリブレーションウエイトテーブルでは、5℃単位の範囲での送受信部71の環境温度と、キャリブレーションウエイトwCiと、が対応付けて記憶される。なお、このキャリブレーションウエイトは、各アンテナ81−iについてそれぞれ記憶されている。
キャリブレーションウエイト選択部74aは、温度測定部72が取得した送受信部71の環境温度を取得する。そして、キャリブレーションウエイトテーブルに記憶されるキャリブレーションウエイトから、取得した環境温度と対応付けて記憶されるキャリブレーションウエイトを選択する。そして選択したアンテナ81−iごとのキャリブレーションウエイトをキャリブレーション更新部76に出力する。
一方、キャリブレーションウエイト選択部74aは、取得した環境温度と対応付けて記憶されるキャリブレーションウエイトが選択できなかった場合、つまり取得した環境温度と対応付けてキャリブレーションウエイトが記憶されていなかった場合、無線アンテナキャリブレーション機能部77aに対し、キャリブレーションウエイト算出処理を実行するよう指示を行う。
キャリブレーションウエイト選択部74aからキャリブレーションウエイト算出処理を実行するよう指示された無線アンテナキャリブレーション機能部77aは、各アンテナ81−iについてのキャリブレーションウエイト算出処理を実行するよう、当該基地局装置2を制御する。
具体的には、まず、キャリブレーションウエイト算出処理が実行できるよう、無線リソースを確保する。このために、無線リソース情報取得部78は、複数の通信チャネルのそれぞれについて、送受信部71において通信信号の送受信のために使用されているか否かを判断し、その結果を示す無線リソース情報を取得する。そして無線リソース情報取得部78は、取得した無線リソース情報を無線アンテナキャリブレーション機能部77aに出力する。
無線アンテナキャリブレーション機能部77aは、入力された無線リソース情報に基づき使用されていないことが示される通信チャネルを使用してキャリブレーションウエイト算出処理を実行するよう、送受信部71及び送受信部79を制御する。
なお、このキャリブレーションウエイト算出処理では、より具体的には、下り(基地局装置2からの送信)信号と上り(基地局装置2での受信)信号とに分けて、それぞれキャリブレーション信号の送受信が行われ、それぞれについてのキャリブレーションウエイト基礎量が算出される。このキャリブレーションウエイト基礎量は、キャリブレーションウエイトの上り信号と下り信号のそれぞれに関する成分を示す量である。キャリブレーションウエイト算出処理では、上り信号と下り信号のキャリブレーションウエイト基礎量に基づいて、キャリブレーションウエイトが算出される。
まず上り信号について説明する。上りにおいては、送受信部79は、既知のキャリブレーション信号を生成する。このとき、記憶部20に記憶されているキャリブレーション信号の選択により、キャリブレーション信号を生成することとしてもよい。なお、このキャリブレーション信号には、トーン信号(正弦波信号)やバースト信号(ビット列)を使用することができる。そして、送受信部79は、各カプラ82−iに対して、生成したキャリブレーション信号を送信する。
カプラ82−iは、送受信部71からアンテナ81−iに至る通信線と、送受信部79からアンテナ81−iに至る通信線と、を電気的に連結する。つまり、カプラ82−iにより、送受信部71からアンテナ81−iに至る通信線を流れる信号は送受信部79からアンテナ81−iに至る通信線にも流れることとなり、逆に送受信部79からアンテナ81−iに至る通信線に流れる信号は送受信部71からアンテナ81−iに至る通信線にも流れることとなる。このため、例えば送受信部79からカプラ82−iに流れる信号を送受信部71において受信し、送受信部71からアンテナ81−iに流れる信号を送受信部79において受信することができるようになっている。
こうして送受信部79が生成したキャリブレーション信号を受信した送受信部71は、受信したキャリブレーション信号と、既知のキャリブレーション信号と、の位相及び振幅の相違量を取得する。そして、取得した相違量に基づいて、上り信号のキャリブレーションウエイト基礎量を、各アンテナ81−iについてそれぞれ算出する。
次に下り信号について説明する。下りにおいては、送受信部71が既知のキャリブレーション信号を生成し、各アンテナ81−iに対して送信する。このときも、記憶部20に記憶されているキャリブレーション信号の選択により、キャリブレーション信号を生成することとしてもよい。また、このキャリブレーション信号にも、トーン信号(正弦波信号)やバースト信号(ビット列)を使用することができる。
送受信部79は、送受信部71が生成したキャリブレーション信号を、カプラ82−iを介して受信する。そして、受信したキャリブレーション信号と、既知のキャリブレーション信号と、の位相及び振幅の相違量を取得する。送受信部79は、取得した相違量に基づいて、下り信号のキャリブレーションウエイト基礎量を、各アンテナ81−iについてそれぞれ算出する。
以上のようにして実行されるキャリブレーションウエイト算出処理によって算出された上り信号と下り信号のキャリブレーションウエイト基礎量の両方に基づいて、無線アンテナキャリブレーション機能部77aはキャリブレーションウエイトを算出する。具体的には、無線アンテナキャリブレーション機能部77aは、上り信号と下り信号のキャリブレーションウエイト基礎量の比を算出することにより、キャリブレーションウエイトを算出している。そして、算出したキャリブレーションウエイトを、キャリブレーション更新部76に出力する。また、キャリブレーションウエイト算出処理を実行した際に温度測定部72が取得した送受信部71の環境温度を取得し、実行されたキャリブレーションウエイト算出処理の結果得られるキャリブレーションウエイトを、該取得した環境温度と対応付けて、キャリブレーションウエイトテーブルに書き込む。
キャリブレーション更新部76は、キャリブレーションウエイト選択部74aから入力されるキャリブレーションウエイトにより、送受信部71が保持している送信ウエイトを更新する。具体的には、あるアンテナ81−iについての送信ウエイトを、該アンテナ81−iについてのキャリブレーションウエイトにより更新する。すなわち、送信ウエイトによる通信信号の振幅又は位相の少なくとも一方の調節を受けた通信信号に、さらにキャリブレーションウエイトによる通信信号の振幅又は位相の少なくとも一方の調節を行ってなる通信信号を得ることができるよう、送信ウエイトを更新する。
より具体的には、キャリブレーション更新部76は、空間分割多重方式において算出される送信ウエイトwRiを、キャリブレーションウエイトwCiによって、以下の式(2)により更新し、上記送信ウエイトwTiを取得している。
wTi=wRi×wCi ・・・(2)
以上のようにして、第1の実施形態では、基地局装置2の環境温度とキャリブレーションウエイトとを対応付けてキャリブレーションウエイトテーブルに記憶することにより、環境温度が変化した場合、変化後の環境温度と対応付けてキャリブレーションウエイトテーブルに記憶されているキャリブレーションウエイトを読み出すことを可能としている。そしてこのようにすることで、無線リソースの減少を招くことなく、温度変化に応じたキャリブレーションウエイトを取得することができるようにしている。さらに、記憶されていなかった場合にはキャリブレーションウエイト算出処理を実行することとしているので、キャリブレーションウエイトテーブルを充実していくことができる。
なお、温度測定部72が取得した送受信部71の環境温度と対応付けてキャリブレーションウエイトが記憶されていなかった場合だけでなく、所定の条件が整った場合にキャリブレーションウエイト算出処理を実行することとしてもよい。この所定の条件としては、前回のキャリブレーションからの経過時間が所定時間となったことなどが挙げられる。この場合、キャリブレーションウエイト算出処理が定期的に行われることになる。
以上の第1の実施形態に係る処理を、基地局装置2の処理フロー図を参照しながらより詳細に説明する。
図5は、第1の実施形態に係る基地局装置2の処理のフロー図である。同図に示すように、まず、温度測定部72による温度計測が行われる(S100)。そして、測定した温度に所定量以上の変化があったか否かを判断し(S101)、変化があったと判断される場合、温度測定部72は、キャリブレーションウエイト選択部74aに測定した温度を出力する。
キャリブレーションウエイト選択部74aは、出力された温度を送受信部71の環境温度として取得し(S102)、キャリブレーションウエイトテーブルに、取得した送受信部71の環境温度と対応付けて記憶されるキャリブレーションウエイトがあるか否かを判断する(S103)。このようなキャリブレーションウエイトが記憶されていた場合、該キャリブレーションウエイトを読み出してキャリブレーション更新部76に出力する。一方、記憶されていなかった場合、キャリブレーションウエイト選択部74aは無線アンテナキャリブレーション機能部77aに対して、キャリブレーションウエイト算出処理を行うよう指示をする。
無線アンテナキャリブレーション機能部77aは、まず、キャリブレーションウエイト算出処理を実行するための無線リソースを確保する(S104)。つまり、空き通信チャネルを取得する。全ての通信チャネルが使用されている場合には、いずれかの通信チャネルが空くまで待機するか、強制的にいずれかの通信チャネルを解放する。
次に、無線アンテナキャリブレーション機能部77aは、確保した無線リソースを使用してキャリブレーションウエイト算出処理を実行するよう、当該基地局装置2を制御する(S105)。そして無線アンテナキャリブレーション機能部77aは、実行したキャリブレーションウエイト算出処理の結果であるキャリブレーションウエイトを取得し、キャリブレーションウエイト算出処理を実行した際に温度測定部72により取得されていた送受信部71の環境温度と、取得したキャリブレーションウエイトと、によりキャリブレーションウエイトテーブルを更新する(S106)。また、取得したキャリブレーションウエイトをキャリブレーション更新部76に出力する。
キャリブレーション更新部76は、送受信部71が保持している送信ウエイトを、入力されるキャリブレーションウエイトにより更新する(S107)ことにより、キャリブレーションウエイトによる通信信号の校正処理を行う。
以上のようにして、第1の実施形態にかかる基地局装置2は、キャリブレーションウエイトテーブルの生成及び送信ウエイトの更新を行っている。
[第2の実施形態]
以下、第2の実施形態について説明する。図6は、第2の実施形態にかかる基地局装置2の機能ブロック及びハードウェア構成図である。同図に示すように、第2の実施形態にかかる基地局装置2のハードウェア構成は第1の実施形態にかかる基地局装置2と同様であるが、機能ブロックとしては、第1の実施形態にかかる基地局装置2のアンテナ部80に温度測定部83を加えたものとなっている。なお、温度測定部83は制御部10に含まれる。
また、基地局装置本体部70は、キャリブレーションウエイト記憶部73a、キャリブレーションウエイト選択部74a、無線アンテナキャリブレーション機能部77a、に代えて、キャリブレーションウエイト記憶部73b、キャリブレーションウエイト選択部74b、無線アンテナキャリブレーション機能部77b、を含んで構成される。
上述のように、基地局装置本体部70とアンテナ部80とは離隔して設置されている。このため、それぞれの環境温度は互いに無相関に変化する場合がある。
そこで、第2の実施形態では、送受信部71の環境温度とアンテナ部80の環境温度の組み合わせとキャリブレーションウエイトとを対応付けたキャリブレーションウエイトテーブルを使用している。以下、図6乃至図8を参照しながら、具体的に説明する。
温度測定部83は1つの温度計を備えている。そして、該温度計によりアンテナ部80の環境温度を測定して取得する。このようにして測定されるアンテナ部80の温度は、外気温などの外的要因、及び装置の発する熱などの内的要因によって変化する。なお、ここでは1つの温度計のみを含むものとして説明するが、例えばアンテナ部80に含まれる各アンテナ81−iについてそれぞれ温度計を備えることとしてもよい。
キャリブレーションウエイト記憶部73bに記憶されるキャリブレーションウエイトテーブルは、送受信部71の環境温度に加え、アンテナ部80の環境温度にも対応付けて、キャリブレーションウエイトを記憶する。図7に示すテーブルは、このキャリブレーションウエイトテーブルの例である。同図に示すキャリブレーションウエイトテーブルでは、5℃単位の範囲での送受信部71の環境温度ごとに、5℃単位の範囲でのアンテナ部80の環境温度と、キャリブレーションウエイトwCiと、が対応付けて記憶される。キャリブレーションウエイトは、各アンテナ81−iについてそれぞれ記憶されている。
なお、温度測定部83が各アンテナ81−iについての温度計を備える場合には、各アンテナ81−iについて測定されたアンテナ部80の環境温度と、各アンテナ81−iについてのキャリブレーションウエイトと、を対応付けて、キャリブレーションウエイトテーブルに記憶することとしてもよい。
キャリブレーションウエイト選択部74bは、温度測定部72が取得した送受信部71の環境温度と、温度測定部83が取得したアンテナ部80の環境温度と、を取得する。そして、キャリブレーションウエイトテーブルに記憶されるキャリブレーションウエイトから、取得した2つの環境温度の組み合わせと対応付けて記憶されるキャリブレーションウエイトを選択する。キャリブレーションウエイト選択部74bは、選択したアンテナ81−iごとのキャリブレーションウエイトをキャリブレーション更新部76に出力する。
一方、キャリブレーションウエイト選択部74bは、取得した環境温度の組み合わせと対応付けて記憶されるキャリブレーションウエイトが選択できなかった場合、つまり取得した環境温度の組み合わせと対応付けてキャリブレーションウエイトが記憶されていなかった場合、無線アンテナキャリブレーション機能部77bに対し、キャリブレーションウエイト算出処理を実行するよう指示を行う。
キャリブレーションウエイト選択部74bからキャリブレーションウエイト算出処理を実行するよう指示された無線アンテナキャリブレーション機能部77bは、キャリブレーションウエイト算出処理を実行するよう、当該基地局装置2を制御する。このキャリブレーションウエイト算出処理の詳細については、第1の実施形態と同様である。
そして無線アンテナキャリブレーション機能部77bは、算出したキャリブレーションウエイトを、キャリブレーション更新部76に出力する。また、キャリブレーションウエイト算出処理を実行した際に温度測定部72が取得した送受信部71の環境温度と、温度測定部83が取得したアンテナ部80の環境温度と、を取得する。そして、実行されたキャリブレーションウエイト算出処理の結果得られるキャリブレーションウエイトを、該取得した環境温度の組み合わせと対応付けて、キャリブレーションウエイトテーブルに書き込む。
以上のようにして、第2の実施形態では、送受信部71の環境温度とアンテナ部80の環境温度の組み合わせと、キャリブレーションウエイトと、を対応付けてキャリブレーションウエイトテーブルに記憶することにより、これらの環境温度のいずれか又は両方が変化した場合、変化後の環境温度の組み合わせと対応付けてキャリブレーションウエイトテーブルに記憶されているキャリブレーションウエイトを読み出すことを可能としている。そしてこのようにすることで、無線リソースの減少を招くことなく、温度変化に応じたキャリブレーションウエイトを取得することができるようにしている。さらに、記憶されていなかった場合にはキャリブレーションウエイト算出処理を実行することとしているので、キャリブレーションウエイトテーブルを充実していくことができる。
なお、温度測定部72が取得した送受信部71の環境温度及び温度測定部83取得したアンテナ部80の環境温度の組み合わせと対応付けてキャリブレーションウエイトが記憶されていなかった場合だけでなく、所定の条件が整った場合にキャリブレーションウエイト算出処理を実行することとしてもよい。この所定の条件としては、前回のキャリブレーションからの経過時間が所定時間となったことなどが挙げられる。この場合、キャリブレーションウエイト算出処理が定期的に行われることになる。
以上の第2の実施形態に係る処理を、基地局装置2の処理フロー図を参照しながらより詳細に説明する。
図8は、第2の実施形態に係る基地局装置2の処理のフロー図である。同図に示すように、まず、温度測定部72による温度計測が行われる(S200)。そして、測定した温度に所定量以上の変化があったか否かを判断し(S201)、変化があったと判断される場合、温度測定部72は、キャリブレーションウエイト選択部74bに測定した温度を出力する。
キャリブレーションウエイト選択部74bは出力された温度を送受信部71の環境温度として取得する(S202)とともに、温度測定部83において測定されている温度をアンテナ部80の環境温度として取得する(S203)。そして、キャリブレーションウエイトテーブルに、取得した送受信部71の環境温度及びアンテナ部80の環境温度の組み合わせと対応付けて記憶されるキャリブレーションウエイトがあるか否かを判断する(S204)。このようなキャリブレーションウエイトが記憶されていた場合、該キャリブレーションウエイトを読み出してキャリブレーション更新部76に出力する。一方、記憶されていなかった場合、キャリブレーションウエイト選択部74bは無線アンテナキャリブレーション機能部77bに対して、キャリブレーションウエイト算出処理を行うよう指示をする。
無線アンテナキャリブレーション機能部77bは、まず、キャリブレーションウエイト算出処理を実行するための無線リソースを確保する(S205)。次に、無線アンテナキャリブレーション機能部77bは、確保した無線リソースを使用してキャリブレーションウエイト算出処理を実行するよう、当該基地局装置2を制御する(S206)。そして無線アンテナキャリブレーション機能部77bは、実行したキャリブレーションウエイト算出処理の結果であるキャリブレーションウエイトを取得し、キャリブレーションウエイト算出処理を実行した際に温度測定部72により取得されていた送受信部71の環境温度及び温度測定部83により取得されていたアンテナ部80の環境温度の組み合わせと、取得したキャリブレーションウエイトと、によりキャリブレーションウエイトテーブルを更新する(S207)。また、取得したキャリブレーションウエイトをキャリブレーション更新部76に出力する。
キャリブレーション更新部76は、送受信部71が保持している送信ウエイトを、入力されるキャリブレーションウエイトにより更新する(S208)ことにより、キャリブレーションウエイトによる通信信号の校正処理を行う。
以上のようにして、第2の実施形態にかかる基地局装置2は、キャリブレーションウエイトテーブルの生成及び送信ウエイトの更新を行っている。
[第3の実施形態]
以下、第3の実施形態について説明する。図9は、第3の実施形態にかかる基地局装置2の機能ブロック及びハードウェア構成図である。同図に示すように、第3の実施形態にかかる基地局装置2の機能ブロック及びハードウェア構成は、第2の実施形態にかかる基地局装置2と同様であるが、基地局装置本体部70は、キャリブレーションウエイト記憶部73b、キャリブレーションウエイト選択部74b、無線アンテナキャリブレーション機能部77b、に代えて、キャリブレーションウエイト記憶部73c、キャリブレーションウエイト選択部74c、無線アンテナキャリブレーション機能部77c、を含んで構成される。
第3の実施の形態では、送受信部71の環境温度及びアンテナ部80の環境温度の組み合わせの変化傾向を取得し、キャリブレーションウエイトに反映させる。以下、このことについて説明する。
図10は、送受信部71の環境温度とアンテナ部80の環境温度の組み合わせの変化の具体的な例を示す図である。同図は、周辺気温を強制的に低下させた後、周辺気温を強制的に上昇させたときのものである。同図に示すように、上昇時と下降時では温度の組み合わせの変化における経路(ヒステリシス)が異なる。基地局装置2内部での信号伝達の際の電力ロスや遅延の量は、信号伝達の時点での温度の組み合わせのみならず、このような環境温度の組み合わせのヒステリシスによっても変化する。このため、キャリブレーションウエイトに環境温度の組み合わせのヒステリシスを反映させることが望ましい。
そこで、本実施の形態におけるキャリブレーションテーブルでは、このようなヒステリシスにより示される変化傾向のうち、特に上昇及び下降について、それぞれ、送受信部71の環境温度とアンテナ部80の環境温度の組み合わせと、キャリブレーションウエイトwCiと、を対応付けて記憶している。勿論、例えば一方が上昇し他方が下降する場合など、他の様々な変化傾向について、これらを記憶することとしてもよい。以下、図9,図11,及び図12を参照しながら、具体的に説明する。
キャリブレーションウエイト記憶部73cに記憶されるキャリブレーションウエイトテーブルは、送受信部71の環境温度とアンテナ部80の環境温度の組み合わせの変化傾向を示す変化傾向情報ごとに、送受信部71の環境温度とアンテナ部80の環境温度の組み合わせに対応付けてキャリブレーションウエイトを記憶する。図11に示すテーブルは、このキャリブレーションウエイトテーブルの例である。同図に示すキャリブレーションウエイトテーブルは、上記変化傾向情報ごとに、5℃単位の範囲での送受信部71の環境温度及び5℃単位の範囲でのアンテナ部80の環境温度の組み合わせと、キャリブレーションウエイトwCiと、が対応付けて記憶される。なお、このキャリブレーションウエイトは、各アンテナ81−iについてそれぞれ記憶されている。
キャリブレーションウエイト選択部74cは、温度測定部72が取得した送受信部71の環境温度と、温度測定部83が取得したアンテナ部80の環境温度と、を定期的に取得する。キャリブレーションウエイト選択部74cは、取得したこれらの環境温度を所定回数にわたって記憶しておく。また、キャリブレーションウエイト選択部74cは、取得した最新の環境温度又は環境温度の組み合わせが、前回取得した環境温度と比較して所定量以上変化しているか否かを判断する。具体的には、送受信部71の環境温度のみが所定量以上変化した場合に、所定量以上変化したと判断してもよいし、送受信部71の環境温度及びアンテナ部80の環境温度の組み合わせを所定の関数で評価してなる環境温度情報が所定量以上変化した場合に、所定量以上変化したと判断してもよい。環境温度情報には、例えば2つの環境温度の平均を使用することができる。
キャリブレーションウエイト選択部74cは、取得した最新の環境温度又は環境温度の組み合わせが、前回取得した環境温度と比較して所定量以上変化していると判断した場合、記憶している過去の環境温度の組み合わせと、最新の環境温度の組み合わせと、に基づいて、環境温度の組み合わせの変化傾向情報を取得する。
キャリブレーションウエイト選択部74cは、キャリブレーションウエイトテーブルに記憶されるキャリブレーションウエイトから、取得した2つの環境温度の組み合わせ及びその変化傾向情報と対応付けて記憶されるキャリブレーションウエイトを選択する。そして、選択したキャリブレーションウエイトをキャリブレーション更新部76に出力する。
一方、キャリブレーションウエイト選択部74cは、取得した環境温度の組み合わせ及びその変化傾向情報と対応付けて記憶されるキャリブレーションウエイトが選択できなかった場合、つまり取得した環境温度の組み合わせ及びその変化傾向情報と対応付けてキャリブレーションウエイトが記憶されていなかった場合、無線アンテナキャリブレーション機能部77cに対し、キャリブレーションウエイト算出処理を実行するよう指示を行う。
キャリブレーションウエイト選択部74cからキャリブレーションウエイト算出処理を実行するよう指示された無線アンテナキャリブレーション機能部77cは、キャリブレーションウエイト算出処理を実行するよう、当該基地局装置2を制御する。このキャリブレーションウエイト算出処理の詳細については、第1の実施形態と同様である。無線アンテナキャリブレーション機能部77cは、算出したキャリブレーションウエイトをキャリブレーション更新部76に出力する。
また、無線アンテナキャリブレーション機能部77cは、温度測定部72が取得した送受信部71の環境温度と、温度測定部83が取得したアンテナ部80の環境温度と、を定期的に取得し、取得したこれらの環境温度を所定回数にわたって記憶している。無線アンテナキャリブレーション機能部77cは、取得した最新の環境温度の組み合わせと、記憶している過去の環境温度の組み合わせと、に基づいて、環境温度の組み合わせの変化傾向情報を取得する。そして、キャリブレーションウエイト算出処理を実行した際に温度測定部72が取得した送受信部71の環境温度と、温度測定部83が取得したアンテナ部80の環境温度と、上記取得した変化傾向情報と、算出したキャリブレーションウエイトと、を対応付けて、キャリブレーションウエイトテーブルに書き込む。
以上のようにして、第3の実施形態では、送受信部71の環境温度とアンテナ部80の環境温度の組み合わせ及びその変化傾向と、キャリブレーションウエイトと、を対応付けてキャリブレーションウエイトテーブルに記憶することにより、例えば送受信部71の環境温度とアンテナ部80の環境温度とが同じ2つの状態においても、送受信部71の環境温度とアンテナ部80の環境温度の変化傾向に応じて、異なるキャリブレーションウエイトを読み出すことができるようになる。
以上の第3の実施形態に係る処理を、基地局装置2の処理フロー図を参照しながらより詳細に説明する。
図12は、第3の実施形態に係る基地局装置2の処理のフロー図である。同図に示すように、まず、温度測定部72による温度計測が行われる(S300)。そして、測定した温度に所定量以上の変化があったか否かを判断し(S301)、変化があったと判断される場合、温度測定部72は、キャリブレーションウエイト選択部74cに測定した温度を出力する。
キャリブレーションウエイト選択部74cは出力された温度を送受信部71の環境温度として取得する(S302)とともに、温度測定部83において測定されている温度をアンテナ部80の環境温度として取得する(S303)。そして、記憶している送受信部71の環境温度及びアンテナ部80の環境温度に基づいて、環境温度の組み合わせの変化傾向を示す変化傾向情報を取得する(S304)。そして、キャリブレーションウエイトテーブルに、取得した送受信部71の環境温度及びアンテナ部80の環境温度の組み合わせ、及び取得した変化傾向情報と対応付けて記憶されるキャリブレーションウエイトがあるか否かを判断する(S305)。このようなキャリブレーションウエイトが記憶されていた場合、該キャリブレーションウエイトを読み出してキャリブレーション更新部76に出力する。一方、記憶されていなかった場合、キャリブレーションウエイト選択部74cは無線アンテナキャリブレーション機能部77cに対して、キャリブレーションウエイト算出処理を行うよう指示をする。
無線アンテナキャリブレーション機能部77cは、まず、キャリブレーションウエイト算出処理を実行するための無線リソースを確保する(S306)。次に、無線アンテナキャリブレーション機能部77cは、確保した無線リソースを使用してキャリブレーションウエイト算出処理を実行するよう、当該基地局装置2を制御する(S307)。無線アンテナキャリブレーション機能部77cは、実行したキャリブレーションウエイト算出処理の結果であるキャリブレーションウエイトを取得する。そして、キャリブレーションウエイト算出処理を実行した際に温度測定部72により取得されていた送受信部71の環境温度及び温度測定部83により取得されていたアンテナ部80の環境温度の組み合わせと、その変化傾向情報と、取得したキャリブレーションウエイトと、によりキャリブレーションウエイトテーブルを更新する(S308)。また、取得したキャリブレーションウエイトをキャリブレーション更新部76に出力する。
キャリブレーション更新部76は、送受信部71が保持している送信ウエイトを、入力されるキャリブレーションウエイトにより更新する(S309)ことにより、キャリブレーションウエイトによる通信信号の校正処理を行う。
以上のようにして、第3の実施形態にかかる基地局装置2は、キャリブレーションウエイトテーブルの生成及び送信ウエイトの更新を行っている。
[第4の実施形態]
以下、第4の実施形態について説明する。図13は、第4の実施形態にかかる基地局装置2の機能ブロック及びハードウェア構成図である。同図に示すように、第4の実施形態にかかる基地局装置2はのハードウェア構成は第3の実施形態にかかる基地局装置2と同様であるが、機能ブロックとしては、第3の実施形態にかかる基地局装置2の基地局装置本体部70に、機器動作情報取得部75を加えたものとなっている。なお、機器動作情報取得部75は制御部10に含まれる。
また、基地局装置本体部70は、キャリブレーションウエイト記憶部73c、キャリブレーションウエイト選択部74c、無線アンテナキャリブレーション機能部77c、に代えて、キャリブレーションウエイト記憶部73d、キャリブレーションウエイト選択部74d、無線アンテナキャリブレーション機能部77d、を含んで構成される。
第4の実施の形態では、基地局装置本体部70にFAN(不図示)が設置されている。このFANは、送受信部71の環境温度に変化を与える機器として機能する。このFANの動作の状況(ここでは、FANの動作の有無)を示す機器動作情報と環境温度の関係について、再度図10を参照しながら説明する。なお、第4の実施形態では、環境温度の変化要因が主として外気温である場合のように、アンテナ部80の環境温度と送受信部71の環境温度とが機器動作情報ごとの所定の関係を有することを前提としている。この具体的な例としては、例えばアンテナ部80の環境温度と送受信部71の環境温度の関係が一定の関数で示されるが、この関数は機器動作情報によりFANが動作していることが示される場合と動作していないことが示される場合とで異なるような場合が挙げられる。
第3の実施形態の説明において述べたように、上昇時と下降時では送受信部71の環境温度及びアンテナ部80の環境温度の組み合わせの変化における経路(ヒステリシス)が異なるが、上記前提の下では、このヒステリシスは、FANの「ON」又は「OFF」ごとに一定の関係を有する。そこで、本実施の形態では、FANの「ON」又は「OFF」ごとに送受信部71の環境温度とキャリブレーションウエイトwCiとを対応付けてキャリブレーションウエイトテーブルに記憶することにより、アンテナ部80の環境温度を取得することなく、アンテナ部80の環境温度をも反映したキャリブレーションウエイトを記憶することができるようにしている。以下、図13乃至図15を参照しながら、具体的に説明する。
キャリブレーションウエイト記憶部73dに記憶されるキャリブレーションウエイトテーブルは、機器動作情報ごとに、送受信部71の環境温度に対応付けてキャリブレーションウエイトを記憶する。図14に示すテーブルは、このキャリブレーションウエイトテーブルの例である。同図に示すキャリブレーションウエイトテーブルは、FANの「ON」又は「OFF」いずれかを示す機器動作情報と、5℃単位の範囲での送受信部71の環境温度と、キャリブレーションウエイトwCiと、を対応付けて記憶している。なお、このキャリブレーションウエイトは、各アンテナ81−iについてそれぞれ記憶されている。
キャリブレーションウエイト選択部74dは、温度測定部72が取得した送受信部71の環境温度を取得する。また、機器動作情報取得部75はFANの動作状態を確認することにより、機器動作情報を取得しており、キャリブレーションウエイト選択部74dは、機器動作情報取得部75から該機器動作情報を取得する。
そしてキャリブレーションウエイト選択部74dは、キャリブレーションウエイトテーブルに記憶されるキャリブレーションウエイトから、取得した機器動作情報及び送受信部71の環境温度と対応付けて記憶されるキャリブレーションウエイトを選択する。そして、選択したキャリブレーションウエイトをキャリブレーション更新部76に出力する。
一方、キャリブレーションウエイト選択部74dは、取得した機器動作情報及び送受信部71の環境温度と対応付けて記憶されるキャリブレーションウエイトが選択できなかった場合、つまり取得した機器動作情報及び送受信部71の環境温度と対応付けてキャリブレーションウエイトが記憶されていなかった場合、無線アンテナキャリブレーション機能部77dに対し、キャリブレーションウエイト算出処理を実行するよう指示を行う。
キャリブレーションウエイト選択部74dからキャリブレーションウエイト算出処理を実行するよう指示された無線アンテナキャリブレーション機能部77dは、キャリブレーションウエイト算出処理を実行するよう、当該基地局装置2を制御する。このキャリブレーションウエイト算出処理の詳細については、第1の実施形態と同様である。無線アンテナキャリブレーション機能部77dは、算出したキャリブレーションウエイトを、キャリブレーション更新部76に出力する。
また、無線アンテナキャリブレーション機能部77dは、キャリブレーションウエイト算出処理を実行した際に、温度測定部72が取得した送受信部71の環境温度を取得するとともに、機器動作情報取得部75から該機器動作情報を取得する。そして、無線アンテナキャリブレーション機能部77dは、取得した送受信部71の環境温度及び機器動作情報と対応付けて、算出したキャリブレーションウエイトをキャリブレーションウエイトテーブルに書き込む。
以上のようにして、第4の実施形態では、機器動作情報と、送受信部71の環境温度と、キャリブレーションウエイトと、を対応付けてキャリブレーションウエイトテーブルに記憶することにより、例えばアンテナ部80の環境温度を取得することなく、基地局装置2全体の環境温度に適したキャリブレーションウエイトを読み出すことができるようになる。
なお、ここでは送受信部71の環境温度に影響を与える機器を使用する場合について説明したが、アンテナ部80の環境温度に影響を与える機器を使用しても同様である。また、キャリブレーションウエイトテーブルに記憶する環境温度としてアンテナ部80の環境温度を記憶し、キャリブレーションウエイト読み出し時には、アンテナ部80の環境温度を取得することによりキャリブレーションウエイトを読み出すこととしてもよい。
以上の第4の実施形態に係る処理を、基地局装置2の処理フロー図を参照しながらより詳細に説明する。
図15は、第4の実施形態に係る基地局装置2の処理のフロー図である。同図に示すように、まず、温度測定部72による温度計測が行われる(S400)。そして、測定した温度に所定量以上の変化があったか否かを判断し(S401)、変化があったと判断される場合、温度測定部72は、キャリブレーションウエイト選択部74dに測定した温度を出力する。
キャリブレーションウエイト選択部74dは出力された温度を送受信部71の環境温度として取得する(S402)。また、FANの動作状態を示す機器動作情報を取得する(S403)。そしてキャリブレーションウエイト選択部74dは、キャリブレーションウエイトテーブルに、取得した送受信部71の環境温度及び機器動作情報と対応付けて記憶されるキャリブレーションウエイトがあるか否かを判断する(S404)。このようなキャリブレーションウエイトが記憶されていた場合、該キャリブレーションウエイトを読み出してキャリブレーション更新部76に出力する。一方、記憶されていなかった場合、キャリブレーションウエイト選択部74dは無線アンテナキャリブレーション機能部77dに対して、キャリブレーションウエイト算出処理を行うよう指示をする。
無線アンテナキャリブレーション機能部77dは、まず、キャリブレーションウエイト算出処理を実行するための無線リソースを確保する(S405)。次に、無線アンテナキャリブレーション機能部77dは、確保した無線リソースを使用してキャリブレーションウエイト算出処理を実行するよう、当該基地局装置2を制御する(S406)。無線アンテナキャリブレーション機能部77dは、実行したキャリブレーションウエイト算出処理の結果であるキャリブレーションウエイトを取得する。そして、キャリブレーションウエイト算出処理を実行した際に温度測定部72により取得されていた送受信部71の環境温度と、キャリブレーションウエイト算出処理を実行した際の機器動作情報と、取得したキャリブレーションウエイトと、によりキャリブレーションウエイトテーブルを更新する(S407)。また、取得したキャリブレーションウエイトをキャリブレーション更新部76に出力する。
キャリブレーション更新部76は、送受信部71が保持している送信ウエイトを、入力されるキャリブレーションウエイトにより更新する(S408)ことにより、キャリブレーションウエイトによる通信信号の校正処理を行う。
以上のようにして、第4の実施形態にかかる基地局装置2は、キャリブレーションウエイトテーブルの生成及び送信ウエイトの更新を行っている。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、第2の実施形態にかかるキャリブレーションウエイトテーブルを、第4の実施形態にかかる機器動作情報ごとに記憶することとしてもよい。送受信部とアンテナ部が離れている場合、例えば送受信部のみFANの動作によって温度が下がってしまうことがある。このような場合、FANの動作の有無によって、送受信部とアンテナ部の環境温度は大きく異なる組み合わせとなる。このようにすることにより、アンテナ部又は送受信部のうち少なくとも1つにおいて環境温度に影響を与える機器の動作の有無ごとにキャリブレーションウエイトを記憶しているので、効率よくキャリブレーションウエイトを記憶しておくことができる。
1 移動体通信システム、2 基地局装置、3 移動局装置、4 通信ネットワーク、10 制御部、20 記憶部、30 ネットワークインターフェイス部、40 無線通信部、50 キャリブレーション部、70 基地局装置本体部、71,79 送受信部、72 温度測定部、73a,73b,73c,73d キャリブレーションウエイト記憶部、74a,74b,74c,74d キャリブレーションウエイト選択部、75 機器動作情報取得部、76 キャリブレーション更新部、77a,77b,77c,77d 無線アンテナキャリブレーション機能部、78 無線リソース情報取得部、80 アンテナ部、81 アンテナ、82 カプラ、83 温度測定部。