JP2006281005A - 光触媒を用いた水処理装置及び水処理方法 - Google Patents

光触媒を用いた水処理装置及び水処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
光触媒を用いて水処理を行う場合において、光利用効率やガス利用効率に優れた水処理技術を提供すること。
【解決手段】
有機物酸化分解を行って被処理水Rを浄化する装置であって、被処理水導入部と、導入された被処理水Rを酸化処理する反応部33と、該反応部33へ酸化助剤となるガスGを供給するガス供給部34と、が設けられている。前記反応部33は、光触媒を担持させた光透過性の充填材332と、該充填材332に対して光を照射可能に配置された光照射部333と、を少なくとも備える水処理装置を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、被処理水の有機物分解などを行って浄化する水処理技術に関する。より詳しくは、被処理水を光触媒の酸化反応によって処理することにより、有機物分解などを行って浄化する水処理装置及び水処理方法に関する。
種々の汚水、排水、廃水の殺菌処理、あるいは純水製造過程における有機物除去などを行う際の水処理技術では、細菌類などを酸化殺菌したり、含有有機物を酸化分解したりすることが行われている。例えば、オゾンや過酸化水素などの酸化剤を用いる技術、これらに紫外線照射を併用する技術などが広く普及している。
しかしながら、オゾンは被処理水への溶解効率が悪く、水中での半減期が短く、また、オゾンは人体に有害であるため、気密装置や廃オゾン処理設備(例えば、活性炭設備)を付設する必要があり、ランニングコストが高くなるなどの問題を抱えている。
一方、過酸化水素を用いる技術や過酸化水素と紫外線を併用する促進酸化法と呼ばれる技術では、被処理水の酸化還元電位によって、過酸化水素が酸化剤にも還元剤にも作用して、反応条件を一定に維持することが困難であり、分解効率が非常に低いという問題がある。
以上のような従来技術の短所や欠点を克服するため、近年、光触媒を利用した水処理技術が提案されている。即ち、光触媒は、紫外線などの光が照射されたときにその表面にOHラジカル等の活性酸素を生じるので、酸化殺菌や有機物の酸化分解に利用できることが知られている。
例えば、特許文献1には、被処理水中に粒子状の光触媒を混合した混合水を酸化分解槽内で強制循環させながら光触媒の励起光を照射する技術が開示されており、特許文献2には、被処理水中に粒子状の光触媒を混合する技術において、液体サイクロン若しくは電磁石を用いて固液分離するように工夫された技術が開示されている。これらの方法では、被処理水と光触媒粒子の固液分離工程が必要となってしまう。
特許文献3には、有機物含有汚水が流通する汚水流通管路内に、粒状に成形された光触媒を充填した汚水処理部と、汚水流通管路内の汚水に酸素を供給する酸素供給部と、設ける汚水処理装置が開示されている。
特許文献4には、無機質繊維スリーブに光触媒を担持させて形成した光触媒構造体を光透過性のある反応管内に充填し、外部から光を照射して被処理水の有機物を分解する技術が開示されている。
特開2001−070935号公報。 特開2003−181450号公報。 特開2001−17962号公報。 特開2002−102656号公報。
本発明では、光触媒を用いて水処理を行う場合において、光利用効率やガス利用効率に優れた水処理技術を提供することを主な目的とする。
本発明は、まず、有機物酸化分解を行って被処理水を浄化する装置であって、被処理水導入部と、導入された被処理水を酸化処理する反応部と、該反応部に酸化助剤となるガスを供給するガス供給部と、が設けられ、前記反応部は、光触媒を担持させた光透過性ラシヒリング充填材などの光透過性充填材と、該充填材に対し光を照射可能に配置された光照射部と、を少なくとも備える水処理装置を提供する。
さらに、水処理装置内に供給されたガスの余剰分を、気体精製膜を介して回収ガスと廃ガスとに分離し、前記回収ガスを酸化助剤として再利用するガス再利用手段を設け、ガス利用効率の向上を達成し、装置内へ供給するガスは、酸素濃度高める処理が行われたガスを用いることによって、高濃度酸素条件での光触媒作用を達成し、該光触媒作用による殺菌及び有機物分解を効率よく進行させる。
次に、本発明は、酸素濃度を高めるガス処理工程と、前記ガス処理工程を経たガスの供給を受けながら、被処理水を光触媒作用によって酸化処理して有機物分解を行う工程と、余剰ガスを回収ガスと廃ガスとに分離し、前記回収ガスを酸化助剤として再利用するガス再利用工程と、を有する水処理方法を提供する。この方法では、高い酸素濃度ガスの存在下で光触媒作用を効率的に行うとともに、余剰ガスから酸化助剤として再利用できるガスを回収して、有効利用する。
本発明は、光触媒による酸化作用を用いて水処理を行う場合において、光利用効率、光触媒作用、ガス利用効率に優れている。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明に係る水処理装置の例、あるいは本発明に係る水処理方法を実施できる装置例を示すものであり、これらの例示された実施形態により、本発明が狭く限定されることはない。
まず、図1は、本発明に係る水処理装置の好適な実施形態の構成を簡略に示す図、図2は、同水処理装置の反応部(特に充填材周辺)の一例の拡大図である。
まず、図1に符号1で示された貯留槽は、処理対象の被処理水Rを一時的に貯留するために設けられている。被処理水Rは、殺菌や含有有機物の分解が要求される汚水、排水、廃水、純水製造用水などを広く包含するのであって、狭く限定されない。
貯留槽1に一時貯留された被処理水Rは、貯留槽1の排出口11から、隣設されたポンプ2へ送液され、該ポンプ2により水処理装置3に向けて送液される。送液されてきた被処理水Rは、被処理水導入部である、水処理装置の上方へ吐出して開口する液吹き込み管31を介して、水処理装置3の上方に配置された液分配板32へ散水されて導入される。この液分配板32によってその下方に設けられている反応部33に対して、均一に被処理水Rが供給される。
続いて、被処理水Rは、反応部33内に多数配置された透明な石英管331の外部のスペースに装填された充填材332の表面を、液膜を形成しながら伝わって流下するようになる。ここで、本発明では、この充填材332の表面に光触媒を担持させるようにする。
反応部33内に装填される充填材332は、被処理水Rが液膜を形成しながら流下するように機能する材料であれば適宜採用でき、材料、形態とも特に限定されない。好適例を挙げると、ラシヒリング(Rashig Ring)状構造材のような充填材が好適である(図2参照)。その理由は、表面積が広く、かつその形状が中空であることにより、単位表面積が大きくとれるので、液膜とガスとの接触効率を高くすることができるためである。
充填材332の表面に形成された光触媒層は、反応部33のさらに下方位置に配置されたガス供給部34から供給されてくるガス、即ち、反応部33において酸化助剤として機能するガスGの存在下で、光照射を受けて励起した光触媒の作用によって活性酸素を発生し、被処理水R中の細菌の含有有機物の酸化分解や殺菌を行う(有機物分解工程)。
より具体的には、反応部33内は、下方側のガス供給部34から散気状態で供給されたガスGで満たされている状態となっており、このガスGは充填材332の表面の液膜中へ高い溶解速度を保って溶解する。
また、反応部33に配置された石英管331内には、図2示すように、光照射部333が設けられている。この光照射部333から出射される光で充填材332の表面の光触媒を励起することによって、該光触媒に接触する被処理水Rに酸化作用を及ぼして、効率よく殺菌や有機物を分解する。
前記光照射部333は、例えば、水素放電管、キセノン放電管、水銀ランプ、レーザー光源、発光ダイオード(LED)などの中から、使用する光触媒材料の励起に適する光源を適宜採用することができ、これらを、例えば、透明な石英管331の内側に配置しておくようにする。光照射部333から出射された光は、石英管331を通過して、その外部のスペースに装填された充填材332へ照射される。
本発明において、酸化助剤として機能させ得るガスGは、空気、酸素、オゾンのいずれを用いてもよいが、主にコスト面を考慮すれば、空気や酸素のいずれかを採用するのが望ましい。
空気を採用する場合では、これを水処理装置3内へ供給する前段階で、酸素富化膜(気体分離膜)やPSA(Pressure Swing Adsorption:圧力変動吸着)などに代表される酸素分離装置35を用いて酸素濃度を高めるためのガス処理工程を行って窒素を取り除くようにする。このように、供給ガスGは、予め酸素濃度を高めるためのガス処理工程を行ってから、装置3内の反応部33の下方領域へ送り込まれるようにするのが特に望ましい。
なお、酸素富化膜は、シリコンなどの薄膜の一方側の真空領域へ他方の側の酸素が窒素よりも早く通過するという原理により酸素を空気中から分離し、PSAは、吸着材のガスに対する吸着特性の違いを利用して、目的とするガス(本発明では酸素)を空気中から連続的に分離することができる装置である。
ここで、本発明で採用可能な光触媒は、特に制限はなく、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化チタン、酸化セリウムなどの金属酸化物、あるいは硫化亜鉛、硫化カドミウム、硫化水銀などの硫化金属を利用できる。
さらには、これらの金属に対して、窒素イオンや硫黄イオンなどの不純物イオンをドープした光触媒を採用することによって、380nm以上650nm以下の可視光領域でも光触媒能を発揮できる。これにより、紫外線照射装置以外の光照射装置も広く適用できるようになり、また、太陽光を光触媒の励起として利用できるという利点がある。また、これらの金属に対して、白金等の金属を担持させたものを採用した場合には、光反応における効率を向上させることができるという利点がある。
なお、水処理装置3の外筒部334をガラスやアクリル樹脂などの光透過性材料によって形成し、太陽光を反応部33内部に採りこむことができるように工夫し、光触媒の励起効率をさらに高めてもよい。強度面を考慮すれば、外筒部334は、アクリル樹脂のような強化樹脂で形成するのが望ましい。
光触媒材料の中でも酸化チタンは、その触媒表面に大きな酸化力を有するヒドロキシラジカルとスーパーオキサイドイオンが生成し、被処理水中の有機物を強力に酸化分解する機能を発揮し、その構造安定性さらには取り扱い上の安定性等の観点からも好適に利用できる。
酸化チタンとしては、汎用の二酸化チタンの他、メタチタン酸、オルトチタン酸、含水酸化チタン、水和酸化チタン、水酸化チタン、及び過酸化チタン等のチタン酸化物や水酸化チタンが挙げられる。中でもアナタースやルチル結晶構造を有する酸化チタンは比較的安価であり、また、性能的にも優れている。
充填材332の表面に光触媒を担持させて光触媒層(光触媒膜)を形成する方法としては、光触媒を薄膜状態に形成できる方法であれば適宜採用できる。例えば、真空蒸着法、メッキ法、ゾルゲル法等を採用できる。また、微細粉末を固定化する方法も適用可能である。
次に、図1を再び参照すると、この図1中で示された装置36は、ガス再利用工程に使用される装置であって、水処理装置3に付設されたガス精製膜装置を示している。
このガス精製膜装置36は、装置3内での余剰ガスGを再利用可能な回収ガスGaと再利用困難な廃ガスGbとに分離する役割を担う。分離された回収ガスGaは、ガス供給部34、あるいは酸素分離装置35とガス供給部34を介して、水処理装置3の内部へ再供給する。これにより、ガスGの利用効率の向上を図ることができる。
以上のような水処理装置3で気液接触による酸化処理された処理水Wは、装置3の底部37の排出口38から取り出され、隣設された貯留槽4に一旦貯留された後、ポンプ5を介して、所定の目的に利用又は排水するために吐出される。
本実験で使用した被処理水(R)は、超純水に界面活性剤を添加し、TOC(全有機炭素)として10mg/Lに調整した模擬排水である。また、酸素ガスを供給ガスとして採用した。光触媒は、実施例としては、石英製ラシヒリングにゾルゲル法を用いてアナタース型の粉末酸化チタンを担持したものを用い、比較例にはアナタース粒状酸化チタンを用いた。光触媒励起のための光照射用の光源としては、主波長365nmの高圧水銀ランプを用いた。なお、この高圧水銀ランプは発熱することから、石英ガラスを二重管に形成し、その管間に冷却水としての超純水を通水した。
(実施例1)。図1に示した水処理装置と同様の構成の反応部に対して、酸化チタンを担持した石英製ラシヒリングを充填材とし、供給ガスとして酸素ガスを用いて、反応部内を酸素雰囲気として処理を行った。
(比較例1)。酸素を供給しないで条件で光触媒処理を行った。
(比較例2)。通常の散気装置を用いて、酸素分離しない空気を反応部の下方から曝気しながら光触媒処理をした。添付した図3は、以上の実施例1、比較例1、2の実験結果を示す図(図面代用グラフ)である。
図3に示された結果からわかるように、酸素を供給しない条件の比較例1では、溶存酸素が明らかに不足するため、被処理水での有機物分解が非常に遅くなり、60分後のTOCは、6.0mg/Lであった。
通常の散気装置にて、酸素分離処理行わない空気を暴気した条件の比較例2では、比較例1と比較して反応速度が向上し、60分後のTOCは、1.0mg/Lまで低下した。しかしながら、TOCが低下するにつれて、反応速度が低下した(図3参照)。
一方、実施例1では、供給ガスとして酸素ガスを用いているので、酸素の供給速度が向上している結果、TOCの分解速度が比較例1、2と比較して顕著に速くなり、5分後のTOCは0.5mg/Lにまで低下した(図3参照)。さらには、反応部の構成が液膜による処理を行う構成を採用しているため、光触媒と被処理物質との間の接触効率が高くなり、TOCが低濃度になったときでも、反応速度が低下することなく、直線的に分解が進行することが明らかになった(図3参照)。
本発明は、種々の汚水、排水、廃水の有機物分解処理、あるいは純水製造過程における有機物除去などを行う際の水処理技術として利用できる。特に、光触媒を用いて水処理を行う場合における、利用効率やガス利用効率に優れており、有機物分解能力も高い気液接触型の水処理技術として利用することができる。
本発明に係る水処理装置の好適な実施形態の構成を簡略に示す図である。 同水処理装置の反応部(特に充填材周辺)の一例の拡大図である。 実施例に係わる実験結果を示す図(図面代用グラフ)である。
符号の説明
3 水処理装置
33 反応部
34 ガス供給部
35 酸素分離装置
36 ガス精製膜装置
331 石英管
332 (光触媒が担持された)充填材
333 光照射部
G 供給ガス
余剰ガス
a 再利用する回収ガス
b 廃ガス
R 被処理水
W 処理水

Claims (5)

  1. 有機物の酸化分解を行って被処理水を浄化する装置であって、
    被処理水導入部と、導入された被処理水を酸化処理する反応部と、該反応部へ酸化助剤となるガスを供給するガス供給部と、が設けられ、
    前記反応部は、光触媒を担持させた光透過性充填材と、該充填材に対して光を照射可能に配置された光照射部と、を少なくとも備える水処理装置。
  2. 前記充填材は、ラシヒリングであることを特徴とする請求項1記載の水処理装置。
  3. 装置内に供給されたガスの余剰分を、気体精製膜を介して回収ガスと廃ガスとに分離し、前記回収ガスを酸化助剤として再利用するガス再利用手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の水処理装置。
  4. 前記ガスは、酸素濃度高める処理が行われたガスであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の水処理装置。
  5. 酸素濃度を高めるガス処理工程と、
    前記ガス処理工程を経たガスの供給を受けながら、被処理水を光触媒作用によって酸化処理して有機物分解を行う工程と、
    余剰ガスを回収ガスと廃ガスとに分離し、前記回収ガスを酸化助剤として再利用するガス再利用工程と、を有することを特徴とする水処理方法。
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