JP2006282933A - 熱可塑性強化樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)ポリトリメチレンテレフタレート、(B)熱可塑性樹脂、(C)光安定剤、(D)無機充填材を含む熱可塑性強化樹脂組成物であって、下記i)からiii)の条件を満たすことを特徴とする熱可塑性強化樹脂組成物。i)(A)成分と(B)成分の重量比が1/99〜100/0の範囲である、ii)(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対し(C)光安定剤が0.01〜5重量部である、iii)(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対し、(D)無機充填材が5〜300重量部である。
【選択図】なし
Description
しかし、熱硬化性樹脂製品は、リサイクルの可能性はほとんどなく、その廃棄処理は現状では埋め立てが主な処理法となっている。しかも、その廃棄の際には成形品を減容するのが困難で、廃棄処理法の点で大きな問題を生じている。
このため、熱硬化性樹脂製品に代わる、熱可塑性樹脂製品が注目されつつある。必要な特性としては、成形品が良外観であり、機械的強度、剛性に優れることはもとより、表面硬度、寸法安定性、耐光性などの厳しい性能が要求される。
例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートの混合物などのポリエステル樹脂とエポキシ化合物、無機充填剤、触媒化合物からなる組成物によってポリエステルの欠点である加水分解安定性、溶融粘度安定性を改良した無機充填剤含有線状ポリエステルの検討が行われている(特許文献1参照)。
また、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどポリエステル樹脂と、特定エポキシ樹脂、繊維強化材を配合した組成物により耐熱性、機械的特性、耐加水分解性を改良する検討が行われている(特許文献2参照)。
しかし、ポリブチレンテレフタレートに無機充填材を配合した樹脂組成物は、成形品外観が不良であるばかりか、射出成形により成形した場合に、成形品のそり変形が大きく、寸法安定性が低いという問題がある。また、ポリエチレンテレフタレート強化樹脂組成物は金型温度100℃以下の通常の射出成形が困難であり、よい外観の成形品を得ることはできない。
従来のポリエステル強化樹脂組成物では上記の水周り建築部材用途に必要とされる高剛性、機械的強度、表面硬度、寸法安定性などと、良外観、耐光性の要求を同時に達成することはできず、これらを満足する熱可塑性強化樹脂組成物の開発が必要とされている。
すなわち本発明は、
(1)(A)ポリトリメチレンテレフタレート、(B)熱可塑性樹脂組成物、(C)光安定剤および(D)無機充填材を含む熱可塑性強化樹脂組成物であって、下記i)からiii)の条件を満たすことを特徴とする熱可塑性強化樹脂組成物、
i)(A)成分と(B)成分の重量比が1/99〜100/0の範囲である、
ii)(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対し、(C)光安定剤が0.01〜5重量部である、
iii)(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対し、(D)無機充填材が5〜300重量部である。
(2)(A)成分と(B)成分の重量比が、50/50〜99/1である上記(1)記載の熱可塑性強化樹脂組成物、
(3)(B)成分が、ポリカーボネートであることを特徴とする上記1又は2記載の熱可塑性樹脂組成物、
(4)(C)成分が、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾエート系化合物、安息香酸エステル系化合物、サリチル酸エステル系化合物、マロン酸エステル系化合物、有機ニッケル化合物、シアノアクリレート系化合物、オキシアニリド系化合物およびヒンダードアミン系化合物の群から選ばれる一種以上の光安定剤からなる上記(1)〜(3)のいずれかに記載の熱可塑性強化樹脂組成物、
(5)(C)成分の少なくとも1つが、250〜320nmに吸収波長ピークを有する紫外線吸収剤である請求項4記載の熱可塑性強化樹脂組成物、
(6)(D)成分が、ガラス繊維(D1)である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の熱可塑性強化樹脂組成物、
(7)(D)成分が、ウォラストナイト、タルク、マイカ、カオリン、チタン酸カリウムウィスカー、炭酸カルシウムウィスカーおよび硫酸バリウムの群から選ばれる一種以上の無機充填材(D2)である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の熱可塑性強化樹脂組成物、
(8)(D)成分が、ガラス繊維(D1)とウォラストナイト、タルク、マイカ、カオリン、チタン酸カリウムウィスカー、炭酸カルシウムウィスカー、硫酸バリウムの群から選ばれる一種以上の無機充填材(D2)からなる上記(1)〜(5)のいずれかに記載の熱可塑性強化樹脂組成物、
(9)(D1)成分と(D2)成分の重量比が、(D1)<(D2)である上記(8)に記載の熱可塑性強化樹脂組成物、
(10)熱可塑性強化樹脂組成物が、更に(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対し(E)エポキシ樹脂を0.1〜20重量部含む上記(1)〜(9)のいずれかに記載の熱可塑性強化樹脂組成物、
(11)(A)ポリトリメチレンテレフタレートを溶融した後に、(D)無機充填材を添加することにより製造される上記(1)〜(10)のいずれかに記載の熱可塑性強化樹脂組成物、
(12)上記(1)〜(11)のいずれかに記載の熱可塑性強化樹脂組成物からなる成形体、
(13)上記(12)に記載の成形体を構造部材の少なくとも一部に含む、浴室用製品、洗面所用製品、トイレ用製品、又は流し台用製品である成形体、
(14)上記(13)に記載の成形体が、洗面カウンター、キッチンカウンター、浴槽、洗面ボール、手洗ボール、トイレカウンター、キャビネット天板である成形体、
(15)上記(12)〜(14)のいずれかに記載の成形体の表面硬度が、バーコル硬度30以上である成形体、
である。
本発明における(A)ポリトリメチレンテレフタレート(以下、PTTと略称することがある。)とは、酸成分としてテレフタル酸を用い、グリコール成分としてトリメチレングリコールを用いたポリエステルポリマーを示している。ここで、トリメチレングリコールとは、1,3−プロパンジオールである。
このほかに、本発明の目的を損なわない範囲で、酸成分として、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸、例えばフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルメタンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、ジフェニルスルフォンジカルボン酸等;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸;ε−オキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシエトキシ安息香酸等のオキシジカルボン酸を用い、グリコール成分として、エチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、キシリレングリコール、ジエチレングリコール、ポリオキシアルキレングリコール、ハイドロキノン等を一部用いて共重合することができる。
また、上述のポリエステル成分に分岐成分、例えばトリカルバリル酸、トリメシン酸、トリメリット酸等の、三官能または四官能のエステル形成能を持つ酸、またはグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリット等の三官能または四官能のエステル形成能を持つアルコールを共重合してもよく、その場合、これらの分岐成分の量は全酸成分、または全グリコール成分の1.0モル%以下、好ましくは、0.5モル%以下、さらに好ましくは、0.3モル%以下である。更に、PTTはこれら共重合成分を2種類以上組み合わせて使用しても構わない。
例えば、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体(例えばジメチルエステル、モノメチルエステル等の低級アルキルエステル)とトリメチレングリコールまたはそのエステル形成性誘導体とを、触媒の存在下、好適な温度・時間で加熱反応させ、更に得られるテレフタル酸のグリコールエステルを触媒の存在下、好適な温度・時間で所望の重合度まで重縮合反応させる方法が挙げられる。
本発明に用いられるPTTの極限粘度[η]は0.60dl/g〜1.50dl/gであることが組成物の機械特性、成形性、特に靭性面から好ましく、[η]が0.68dl/g〜1.40dl/gであることがより好ましい。さらに組成物の成形性、耐薬品性の観点から[η]が0.75dl/g〜1.30dl/gであることが最も好ましい。
PTTの極限粘度[η]については、オストワルド粘度計を用い、35℃、o-クロロフェノール中にPTTを含む樹脂組成物を、溶質(PTT樹脂成分)/溶液=1.00g/dlになるように溶解させ、不溶分(無機充填材等)をフィルターで除去した後、不溶分除去後の溶液を用いて比粘度ηspを測定し、下記式により求めることができる。
[η]=0.713×ηsp/C+0.1086
C=1.00g/dl
次に、本発の(B)熱可塑性樹脂について説明する。熱可塑性樹脂とは加熱すると流動性を示し、これを利用して成形加工できる合成樹脂のことである。
熱可塑性樹脂の具体例としては、例えば、ポリカーボネート、ポリトリメチレンテレフタレート以外のポリエステル、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリオキシメチレン、ポリフェニレンエーテル、エチレン/プロピレン/非共役ジエン樹脂、エチレン/アクリル酸エチル樹脂、エチレン/メタクリル酸グリシジル樹脂、エチレン/酢酸ビニル/メタクリル酸グリシジル樹脂、エチレン/酢酸ビニル/メタクリル酸グリシジル樹脂、エチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸樹脂、スチレン系樹脂又はこれら熱可塑性樹脂の2種以上の混合物が挙げられる。
本発明に好ましく用いられるポリカーボネート(以下PCと省略することもある)は、下記式(1)で表される繰り返し単位からなる主鎖を有するものである。
−(O−Ar−O−CO)− (1)
(式中、Arは、二価の芳香族残基であり、例えば、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、ピリジレンや、下記式(2)で表される基が挙げられる。)
−Ar1−Y−Ar2− (2)
(式中、Ar1及びAr2はそれぞれアリーレン基であり、例えば、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、ピリジレン等の基を表す。Yはアルキレン基または置換アルキレン基である。)
また、下記式(3)で示される二価の芳香族残基を共重合体成分として含有している場合も含む。
−Ar1−Z−Ar2− (3)
(式中Ar1、Ar2は式(2)と同じ。Zは単なる結合または−O−、−CO−、−S−、−SO2−、−CO2−、−CONR1−等の二価の基である。ただし、R1は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6の低級アルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基または炭素数6〜30のアリール基である。)
これら二価の芳香族残基の具体例としては下記式(4)で表されるもの等が挙げられる。
これら二価の芳香族残基の中でも、下記式(5)で表される基が好ましい一例である。
また、本発明に用いることができるポリカーボネートは、三価以上の芳香族残基を共重合成分として含有している場合も含む。
ポリマー末端の分子構造は特に限定されないが、フェノール性水酸基、アリールカーボネート基、アルキルカーボネート基から選ばれた1種以上の末端基を結合することができる。これらの中で、フェノール性水酸基、フェニルカーボネート基、p−t−ブチルフェニルカーボネート基、p−クミルフェニルカーボネート等が末端構造として好ましい。フェノール性水酸基末端の全末端基数に対する割合は、特に限定されないが、よりすぐれた色調や機械的物性を得る観点からは、フェノール性水酸基末端の割合が全末端基数の20%以上であることが好ましく、20〜80%の範囲にあることが更に好ましい。フェノール性水酸基末端の割合が全末端基数の80%を超えると、組成物の溶融時の熱安定性が若干低下する傾向にある。フェノール性水酸基末端の割合は、一般にNMRを用いて測定する方法(NMR法)や、チタンを用いて測定する方法(チタン法)や、UVもしくはIRを用いて測定する方法(UV法もしくはIR法)で求めることができる。
重量平均分子量(Mw)の測定は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を用いて行い、測定条件は以下の通りである。すなわち、テトラヒドロフランを溶媒とし、ポリスチレンゲルを使用し、標準単分散ポリスチレンの構成曲線から下式による換算分子量較正曲線を用いて求められる。
MPC=0.3591MPS 1.0388
(式中、MPCはポリカーボネートの重量平均分子量、MPSはポリスチレンの重量平均分子量である。)
ポリエステル樹脂としては、ポリトリメチレンテレフタレート以外のポリエステル樹脂であれば特に制限はなく、公知のポリエステル樹脂又はそれらの2種以上の混合物を用いることができる。
ポリアミド樹脂としては特に制限はなく公知のポリアミド樹脂あるいはそれらの2種以上の混合物を用いることができる。特に好適なポリアミド樹脂としては、ポリカプロラクタム(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)又はこれらのうち少なくとも2種の異なったポリアミドを含むポリアミド共重合体である。
(A)ポリトリメチレンテレフタレートと(B)熱可塑性樹脂の重量比は、(A)/(B)が1/99〜100/0の範囲である。剛性と表面硬度の観点から(A)/(B)が50/50〜99/1の範囲がより好ましく、(A)/(B)が70/30〜99/1の範囲が更に好ましく、(B)成分がポリカーボネートで且つ(A)/(B)が80/20〜99/1の範囲が最も好ましい。
更に上記のベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾエート系化合物、安息香酸エステル系化合物、サリチル酸エステル系化合物、マロン酸エステル系化合物などの紫外線吸収剤とヒンダードアミン系化合物を併用して用いることが好ましく、250〜320nmに吸収波長ピークを有する紫外線吸収剤とヒンダードアミン系化合物を併用して用いることが最も好ましい。
次に本発明で用いることのできる(D)無機充填材について説明する。
本発明における無機充填材としては、目的に応じて繊維状、粉粒状、板状の無機充填材からなる群から選ばれる一種以上の無機充填材を用いることができる。
繊維状無機充填材としては、ガラス繊維、アスベスト繊維、カーボン繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化硅素繊維、硼素繊維、チタン酸カリウムウィスカー、ウォラストナイト、さらにステンレス、アルミニウム、チタン、銅、真鍮等の金属の繊維状物などの無機質繊維状物質があげられる。
また、板状無機充填剤としてはタルク、マイカ、ガラスフレーク、各種の金属箔等が挙げられる。
本発明の無機充填剤としては、(D1)ガラス繊維、(D2)ウォラストナイト、タルク、マイカ、カオリン、チタン酸カリウムウィスカー、炭酸カルシウムウィスカー、硫酸バリウムからなる群から選ばれた一種以上の無機充填材が好ましく、更に、機械的強度と表面外観、剛性、表面硬度、寸法安定性などのバランスの観点から、(D1)成分と(D2)成分を併用して用いることが好ましい。更に、(D1)成分と(D2)成分の重量比が(D1)<(D2)であることが最も好ましい。
(D)無機充填材の配合量は機械的強度、剛性、表面硬度の改良効果と、成形品表面の光沢低下など外観への影響の観点から、(A)ポリトリメチレンテレフタレート、(B)ポリカーボネートの合計100重量部に対し、(D)無機充填材5〜300重量部、より好ましくは25〜250重量部である。
(D1)ガラス繊維と(D2)ウォラストナイト、タルク、マイカ、カオリン、チタン酸カリウムウィスカー、炭酸カルシウムウィスカー、硫酸バリウムからなる群から選ばれた一種以上の無機充填材を併用して用いた場合のより好ましい配合量は(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対し、(D1)2〜100重量部、(D2)3〜200重量部である。
カップリング剤としては、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤を挙げることができる。特にγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(1,1−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のアミノシラン及びエポキシシランが好ましく用いられる。
またフィルム形成剤としては、ウレタン系ポリマー、アクリル酸系ポリマー、無水マレイン酸とエチレン、スチレン、α−メチルスチレン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、2,3ジクロロブタジエン、1,3−ペンタジエン、シクロオクタジエン等の不飽和単量体とのコポリマー、エポキシ系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリエーテル系ポリマー等の重合体を挙げることが出来る。中でも、エポキシ系ポリマー、ウレタン系ポリマー、アクリル酸系ポリマー、ブタジエン無水マレイン酸コポリマー、エチレン無水マレイン酸コポリマー、スチレン無水マレイン酸コポリマー、及びこれらの混合物が特に好ましく用いられる。
(E)エポキシ樹脂とは、分子中にエポキシ基(オキシラン環)を2個以上持つ熱硬化性の化合物を示す。具体的には、ビルフェノールAとエピクロルヒドリンとの縮合反応により製造されるいわゆるビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、レゾルシン型エポキシ樹脂、フェノールノボラックや線状高分子量クレゾールノボラックをグリシジル化した多官能エポキシであるノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂、ポリグリシジルアミン型エポキシなどが挙げられる。
(E)エポキシ樹脂の好ましい配合量は、(A)ポリトリメチレンテレフタレート、(B)ポリカーボネートの合計100重量部に対し、(E)エポキシ樹脂が0.1〜20重量部であり、より好ましくは0.3〜10重量部である。
本発明の熱可塑性強化樹脂組成物は、ポリトリメチレンテレフタレート、熱可塑性樹脂、光安定剤、及び/またはエポキシ樹脂と無機充填材、その他の添加剤等を、適切にデザインされたスクリューを有する押出し機を用いて溶融混練して得ることができるが、特に、(A)ポリトリメチレンテレフタレートを溶融した後に(D)無機充填材を添加する製造方法が、機械的強度と無機充填材の添加により起こる樹脂組成物の分子量低下を抑制する点で好ましい。(B)熱可塑性樹脂、(C)光安定剤は(A)成分と混合して始めに溶融することもできるし、必要に応じて分割、または全量を後段に添加したり、(C)成分とその他の添加剤をマスターバッチ化して使用することもできる。また、必要に応じて(D)無機充填材を多段に分割して添加することができる。
例えば、本発明の組成物に、結晶核剤を更に配合することができる。結晶核剤としては有機物、無機物のいずれも使用することができる。
また、本発明の樹脂組成物に、成形性改良剤を更に配合することができる。成形性改良剤としては、リン酸エステル類、亜リン酸エステル類、高級脂肪酸類、高級脂肪酸金属塩類、高級脂肪酸エステル類、高級脂肪酸アミド化合物類、ポリアルキレングリコールあるいはその末端変性物類、低分子量ポリエチレンあるいは酸化低分子量ポリエチレン類、置換ベンジリデンソルビトール類、ポリシロキサン類、カプロラクトン類が挙げられるが、特に好ましいのは、高級脂肪酸類、高級脂肪酸金属塩類、高級脂肪酸エステル類である。
本発明のポリトリメチレンテレフタレート強化樹脂組成物は、外観が極めて良好であり、耐光性、機械的強度、剛性、表面硬度、寸法安定性に優れるため、洗面カウンター、キッチンカウンター、浴槽、洗面ボール(洗面器)、手洗ボール(手洗器)、各種流し、トイレカウンター、キャビネット天板など浴室、洗面所、トイレ、台所で使用される製品の構成部材の少なくとも一部に使用することができる。特に、成形体の表面硬度が、バーコル硬度30、鉛筆硬度2H以上、より好ましくはバーコル硬度40以上、鉛筆高度3H以上の本発明組成物からなる成形体はこの用途に最適に用いることができる。
(A)PTT樹脂:ポリトリメチレンテレフタレート[η]=1.0
PBT樹脂:ポリブチレンテレフタレート ウィンテック社製 ジュラネックス2002
(B)PC樹脂:ポリカーボネート 三菱エンジニアリングプラスチックス社製、ユーピロンS−2000
(C)光安定剤
LA−1:ベンゾトリアゾール系化合物、2−(2−ヒロドキシ−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルメチル)フェノール:最大吸収波長302nm、348nm
LA−2:トリアジン系化合物、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール:最大吸収波長288nm、325nm
LA−3:マロン酸エステル系化合物、(p−メトキシベンジリデン)マロン酸ジメチルエステル:最大吸収波長308nm
LA−4:ヒンダードアミン系化合物:ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート
日本電気硝子社製 03T−187/PL(エポキシ集束処理、繊維径13μm)
(D2)無機充填材
MF−1:ウォラストナイト NICO社製 NYGLOSS8エポキシ処理
MF−2:マイカ レプコ社製 M−400
MF−3:硫酸バリウム 堺化学工業社製 BMH−60
(E)エポキシ樹脂
EP:旭化成エポキシ(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂 AER ECN6097、エポキシ当量約2000(/eq.)
(F)pH調整剤
PH:リン酸一水素Na、太平科学産業製
(1)樹脂成形品の作成
日精樹脂(株)製PS40E、射出成形機を用いて、シリンダー温度260℃、金型温度90℃に設定し、射出20秒、冷却20秒の条件で射出成形を行い樹脂試験片を作成した。
(2)曲げ弾性率(GPa)
ASTM D790に準じて行った。
(3)外観
堀場製ハンディ光沢計IG320を用いて、JIS−K7150に準じてダンベル試験片のGs20°を測定した。光沢が45%以上を○、45%未満を×とした。
(4)表面硬度
JIS K7060に準じ成形品表面のバーコル硬度を測定した。バーコル硬度が35以上を○、35未満を×とした。
(5)耐光性
熱可塑性樹脂組成物に、含有量1.5重量%となるように酸化チタンをマスターバッチ法により添加し、日精樹脂(株)製PS40E、射出成形機を用いて、シリンダー温度260℃、金型温度90℃で白色平板60×80×3mmを成形した。この平板成形品をウェザーメーター(スガ試験機製サンシャイン・スーパーロングライフ。ウェザーメーター WEL−SUN−HCH−B型)を用いて、ブラックパネル温度63℃、降雨なしの条件にて300時間、照射試験を実施した。試験前後の色差(ΔE)を日本電色社製色差計ND−300Aを用いて測定した。
PTT樹脂、PBT樹脂、PC樹脂、光安定剤、エポキシ樹脂、pH調整剤を表1に示した配合比で混合し、二軸押出機(東芝機械(株)製:TEM58)を用いてスクリュー回転数150rpm、シリンダー温度260℃、押出速度150kg/hr、減圧度0.04MPaの条件で溶融混練し、サイドフィーダーから無機充填材を表1に示した配合比で添加した。ストランド状に排出された組成物は、水冷後カッティングしペレットとした。該ペレットを除湿型乾燥機で120℃にて5時間乾燥した後、日精樹脂(株)製PS40E射出成形機を用いて、シリンダー温度260℃、金型温度90℃に設定し、射出成形を行い試験片を作成、評価を行った。結果を表1に示した。
実施例3で作成したペットを除湿型乾燥機で120℃にて5時間乾燥した後、(株)日本製鋼所製J650ELIII−3100H射出成形機を用いて、シリンダー温度270℃、金型温度95℃に設定し、図1に示す手洗器(A=400mm、B=320mm、洗面部深さ125mm、洗面台よりの立ち上がり部高さ60mm、排水口φ=30mm、取付孔φ=10mm)を成形した。得られた成形品の洗面部表面のバーコル硬度は42、鉛筆硬度4H、成形品上部平面部のGs20°は49%であった。
Claims (15)
- (A)ポリトリメチレンテレフタレート、(B)熱可塑性樹脂組成物、(C)光安定剤および(D)無機充填材を含む熱可塑性強化樹脂組成物であって、下記i)からiii)の条件を満たすことを特徴とする熱可塑性強化樹脂組成物。
i)(A)成分と(B)成分の重量比が、1/99〜100/0の範囲である、
ii)(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対し、(C)光安定剤が0.01〜5重量部である、
iii)(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対し、(D)無機充填材が5〜300重量部である。 - (A)成分と(B)成分の重量比が、50/50〜99/1である請求項1記載の熱可塑性強化樹脂組成物。
- (B)成分が、ポリカーボネートであることを特徴とする請求項1又は2記載の熱可塑性強化樹脂組成物。
- (C)成分が、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾエート系化合物、安息香酸エステル系化合物、サリチル酸エステル系化合物、マロン酸エステル系化合物、有機ニッケル化合物、シアノアクリレート系化合物、オキシアニリド系化合物およびヒンダードアミン系化合物の群から選ばれる一種以上の光安定剤からなる請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性強化樹脂組成物。
- (C)成分の少なくとも1つが、250〜320nmに吸収波長ピークを有する紫外線吸収剤である請求項4に記載の熱可塑性強化樹脂組成物。
- (D)成分が、ガラス繊維(D1)である請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性強化樹脂組成物。
- (D)成分が、ウォラストナイト、タルク、マイカ、カオリン、チタン酸カリウムウィスカー、炭酸カルシウムウィスカーおよび硫酸バリウムの群から選ばれる一種以上の無機充填材(D2)である請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性強化樹脂組成物。
- (D)成分が、ガラス繊維(D1)とウォラストナイト、タルク、マイカ、カオリン、チタン酸カリウムウィスカー、炭酸カルシウムウィスカー、硫酸バリウムの群から選ばれる一種以上の無機充填材(D2)からなる請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性強化樹脂組成物。
- (D1)成分と(D2)成分の重量比が、(D1)<(D2)である請求項8に記載の熱可塑性強化樹脂組成物。
- 熱可塑性強化樹脂組成物が、更に(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対し(E)エポキシ樹脂を0.1〜20重量部含む請求項1〜9のいずれかに記載の熱可塑性強化樹脂組成物。
- (A)ポリトリメチレンテレフタレートを溶融した後に、(D)無機充填材を添加することにより製造される請求項1〜10のいずれかに記載の熱可塑性強化樹脂組成物。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の熱可塑性強化樹脂組成物からなる成形体。
- 請求項12に記載の成形体を構造部材の少なくとも一部に含む、浴室用製品、洗面所用製品、トイレ用製品、又は流し台用製品である成形体。
- 請求項13に記載の成形体が、洗面カウンター、キッチンカウンター、浴槽、洗面ボール、手洗ボール、トイレカウンター、キャビネット天板である成形体。
- 請求項12〜15のいずれかに記載の成形体の表面硬度が、バーコル硬度30以上である成形体。
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