JP2006287162A - 複合型電極板、それの使用方法及びそれを装着したプラズマエッチング装置 - Google Patents

複合型電極板、それの使用方法及びそれを装着したプラズマエッチング装置 Download PDF

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和浩 間山
Katsuyuki Matsubayashi
克征 松林
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Abstract

【課題】エッチング特性が向上してシリコンウェハーの歩留まりがよくなるというプラズマエッチング用電極板及びそれを装着したプラズマエッチング装置の提供。
【解決手段】第1の電極板と第2の電極板との2枚の円盤型電極板から構成されるリサイクル可能なプラズマエッチング装置用複合型上部電極板であって、(a)第1の電極板には、ガス吹き出し用貫通孔が設置されるとともに、第2の電極板と接合するために、少なくとも1個の貫通した第1の固定用孔が設置され、プラズマエッチング装置の下部電極側に相対向する第2の電極板には、第1の固定用孔の径と略同じ大きさで且つウェハー面側に固定用治具が出ないが所定の深さを有する第2の固定用孔が設置され、(b)第1の電極板と第2の電極板とは、第1の電極板側から固定用治具により、第1及び第2の固定用孔を介して固定・接合されることを特徴とする上部電極板などを提供した。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体デバイスを製造する際に用いられる平行平板型のプラズマエッチング装置用複合型上部電極板、それの使用方法及びそれを装着したプラズマエッチング装置に関する。
コンピューターに代表される情報機器の発展に伴い、それら機器の主要構成デバイスとなる半導体集積回路には、集積度の向上が一層強く要求されるようになっている。半導体デバイスの製造時には、性能確保の面から原料はもとより製造工程段階においても不純物の混入を極度に嫌うため、クリーンルームのような清浄環境下で作業が進められる。いうまでもなく製造装置を構成する各部材についても、不純物の発生がないことが必要とされている。
イオン注入、ドライエッチング、スパッタリングに代表されるウェハーの処理は、チャンバーと呼ばれる高真空に減圧可能な反応室内で行われるが、半導体集積回路の集積度が向上するにつれ、より高レベルの純度基準を満たす必要に迫られており、チャンバーやそれを構成する各部材についても不純物汚染の少ない材料特性が求められている。
このように、半導体集積回路を製造する際のウェハーのプラズマエッチング用電極板には、不純物汚染の少ない材料が用いられ、例えば、シリコンや炭化珪素、ガラス状カーボンなどが用いられている。
一方、近年の半導体製造工程においてウェハーの大口径化に伴い、プラズマエッチング時にウェハーの中央部と外周部とでエッチングレートのバラツキが大きくなるという問題が生じている。エッチングレートのバラツキの原因としては、プラズマエッチング用電極板にそりや歪みがあるために、ウェハーとプラズマエッチング用電極板との距離が不均一となり、ウェハーの中央部と外周部とでプラズマの生成状態が微妙に異なることなどが挙げられている。
ウェハーの中央部と外周部とのエッチングレートのバラツキの原因である、プラズマエッチング用電極板のそりや歪みは、プラズマエッチング用電極板がプラズマによって消耗(プラズマ損傷)し、プラズマエッチング用電極板が持つ圧縮応力のバランスが崩れるために、発生するといわれている。
さらに、ウェハーの大口径化に伴い、それに対応してプラズマエッチング用電極板も、大型化や長寿命化が要望され、電極の厚さとして従来5mm程度のものから10mm以上への移行がなされている。
しかしながら、このように、プラズマエッチング用電極板が大型化(大口径化や厚みの増大化)しても、相変わらずに、プラズマエッチング用電極板自体にそりや歪み、或いは貫通孔の消耗(変化)が生じるために、プラズマエッチングにおける良好なエッチング特性が得られず、半導体デバイス、すなわちシリコンウェハーの歩留まりを悪化させるという問題が生じている。
上記のような問題点などがあるために、半導体製造装置における電極部材などには、従来から種々のものが提案(特許文献1〜5等参照。)されており、例えば、特許文献1には、貫通細孔を有するシリコン電極板を、貫通細孔を有する冷却板にボルトで固定してなるプラズマエッチング用シリコン電極板において、シリコン電極板と冷却板の間に貫通細孔を有する熱伝導率の高い金属膜を介在させてなることを特徴とする放熱性を有するプラズマエッチング用シリコン電極板が提案され、プラズマエッチング中のシリコン電極板の温度上昇を阻止し、中心部と周辺部とに生じる温度差を少なくし、ウェハーのエッチング深さがウェハー全体として均一となることを目的とするものが、また、特許文献2には、貫通細孔を有する薄いシリコン電極板を複数枚重ね合わせて貫通細孔を有する冷却板にボルトで固定してなることを特徴とするプラズマエッチング用多層シリコン電極板が提案され、スクラップとなるシリコン量の少ないプラズマエッチング用多層シリコン電極板が、またさらに、特許文献3には、電極の表面に石英板が設けられたことを特徴とするエッチング装置が提案され、石英ピンで電極の表面に石英板を固定することにより電極板のスパッタリングに対する強度が増大し、その結果電極板の寿命を長くし、稼働率が向上することを目的とするものが、さらに、特許文献4、5には、エッチング特性を最良の状態に保ってプラズマエッチングすることができるように改良された、半導体ウェハーを収容するプラズマ処理室内をクリーニングする工程を備えたプラズマエッチング方法などが提案されている。
しかしながら、これらの提案にも拘わらず、未だ上記の欠点をなくした、すなわち、エッチング時にプラズマエッチング用電極板がプラズマ消耗しても、プラズマエッチング用電極板と冷却板との密着性が充分に保たれ、プラズマエッチング用電極板自体にそりや歪み、或いは貫通細孔の消耗が生じなく、しかも下部電極との間で高精度の平行度が得られ、結果として、エッチング特性が向上してシリコンウェハーの歩留まりがよくなるというプラズマエッチング装置の上部電極は、見当らない。そのため、プラズマエッチング装置において、エッチング特性が向上し、半導体デバイスの歩留まりを向上させることができる上部電極の開発が強く望まれているが、現状では十分ではなく、エッチング時にプラズマエッチング用電極板がプラズマ消耗し、そりや歪み、或いは貫通細孔の消耗が生じれば、プラズマエッチング用電極板自体を交換し、この様な不具合を防いでいるといわれている。
特開平11−256370号公報(特許請求の範囲等) 特開2003−289064号公報(特許請求の範囲等) 特開平2−21619号公報(特許請求の範囲等) 特開平5−166759号公報(特許請求の範囲等) 特開平6−84851号公報(特許請求の範囲等)
したがって、本発明の目的は、上記従来のプラズマエッチング装置の上部電極又は上部電極板が持つ問題点を解消し、エッチング特性が向上してシリコンウェハーの歩留まりがよくなるというプラズマエッチング用電極板及びそれを装着したプラズマエッチング装置を提供することにある。また、本発明のもうひとつの目的は、プラズマエッチング用電極板自体を交換するに際して、単に廃棄するのでなく、プラズマエッチング用電極板自体のリサイクル方法を提供することにある。
本発明者らは、前記従来技術の問題点を克服するために、最適なプラズマエッチング装置の電極板の開発について鋭意研究を重ねた結果、ウェハーの大口径化に伴い、それに対応してプラズマエッチング用電極板も大型化(大口径化、厚みの増大化)しているが、長期に亘って上部電極板の消耗やそりなどを考察すると、上部電極板の下部電極側(ウェハー面側)のみがプラズマ消耗するので、電極板の消耗、及びそりや歪みなどの不具合は、下部電極側の電極板に起因するとして、上部電極板を第1の電極板と下部電極側の第2の電極板とに2分割し、その間の接合には、小ネジ又はボルト・ナットなどの固定用治具により接合すると、長期に亘って、下部電極との上部電極板の平行度が高精度に得られ、その結果、エッチング特性が向上してシリコンウェハーの歩留まりがよくなり、さらに、下部電極側の第2の電極板が消耗してくると、その第2の電極板のみを交換し、継続使用する第1の電極板と組み合せた複合型電極板も、新品の第1の電極板と第2の電極板とを組み合せた複合型電極板と同様に、良好なエッチング特性を維持することができ、シリコンウェハーの歩留まりがよくなることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成に至ったものである。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、第1の電極板と第2の電極板との2枚の円盤型電極板から構成されるリサイクル可能なプラズマエッチング装置用複合型上部電極板であって、
(a)第1の電極板には、ガス吹き出し用の無数の貫通孔が設置されるとともに、第2の電極板と接合するために、所望とする位置に、少なくとも1個の貫通した第1の固定用孔が設置され、一方、プラズマエッチング装置の下部電極側に相対向する第2の電極板には、第1の電極板の貫通孔に対応する位置に貫通孔が設置されるとともに、第1の固定用孔に対応する位置に、第1の固定用孔の径と略同じ大きさで且つ貫通はしないが所定の深さを有する第2の固定用孔が設置され、
(b)第1の電極板と第2の電極板とは、第1の電極板側から組立分解可能な固定用治具により、第1及び第2の固定用孔を介して固定・接合されることを特徴とするプラズマエッチング装置用上部電極板が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、固定用治具は、小ネジ又はボルト・ナット止めであることを特徴とするプラズマエッチング装置用上部電極板が提供される。
さらに、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、固定用治具は、アルミアルマイト処理品であることを特徴とするプラズマエッチング装置用上部電極板が提供される。
本発明の第4の発明によれば、第1の発明において、第1の電極板及び第2の電極板は、それぞれ、シリコン、グラファイト、アルミニウム、シリコンカーバイド、石英、パイロカーボン(熱分解黒鉛)及びガラス状カーボンよりなる群から選択される少なくとも一種の材料から形成されることを特徴とするプラズマエッチング装置用上部電極板が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1の発明において、第1の固定用孔及び第2の固定用孔の位置は、第1の電極板及び第2の電極板の中心部1点と外周4〜20点であることを特徴とするプラズマエッチング装置用上部電極板が提供される。
さらに、本発明の第6の発明によれば、第1の発明において、第1の固定用孔及び第2の固定用孔の位置は、第1の電極板及び第2の電極板の外周4〜20点であることを特徴とするプラズマエッチング装置用上部電極板が提供される。
またさらに、本発明の第7の発明によれば、第1〜5のいずれかの発明において、第1の電極板と第2の電極板の間に、貫通孔を有する耐プラズマ性の導電性シートを介在させてなることを特徴とするプラズマエッチング装置用上部電極板が提供される。
また、本発明の第8の発明によれば、第1〜7のいずれかの発明に係るプラズマエッチング装置用上部電極板の再使用方法であって、プラズマ消耗に伴って第2の電極板の残り厚みが0.5〜5.0mmになった使用後の上部電極板は、前記第2の電極板のみを廃棄し、交換した第2の電極板と組み合せて第1の電極板を継続使用することを特徴とするプラズマエッチング装置用上部電極板の再使用方法が提供される。
さらに、本発明の第9の発明によれば、第1〜7のいずれかの発明に係るプラズマエッチング装置用上部電極板を装着したプラズマエッチング装置が提供される。
本発明は、上記した如く、第1の電極板と第2の電極板との2枚の円盤型電極板から構成されるリサイクル可能なプラズマエッチング装置用複合型上部電極板であって、
(a)第1の電極板には、ガス吹き出し用の無数の貫通孔が設置されるとともに、第2の電極板と接合するために、所望とする位置に、少なくとも1個の貫通した第1の固定用孔が設置され、一方、プラズマエッチング装置の下部電極側に相対向する第2の電極板には、第1の電極板の貫通孔に対応する位置に貫通孔が設置されるとともに、第1の固定用孔に対応する位置に、第1の固定用孔の径と略同じ大きさで且つ貫通はしないが所定の深さを有する第2の固定用孔が設置され、
(b)第1の電極板と第2の電極板とは、第1の電極板側から組立分解可能な固定用治具により、第1及び第2の固定用孔を介して固定・接合されることを特徴とするプラズマエッチング装置用上部電極板などに係わるものであるが、その好ましい態様としては、次のものが包含される。
(1)第1の発明において、電極の厚さが5mm以上であることを特徴とするプラズマエッチング装置用上部電極板。
(2)第4の発明において、第1及び第2の電極板は、シリコンから形成されることを特徴とするプラズマエッチング装置用上部電極板。
(3)第4の発明において、第1の電極板は、ガラス状カーボンコート処理されたグラファイトから形成され、第2の電極板は、シリコンから形成されるることを特徴とするプラズマエッチング装置用上部電極板。
(4)第7の発明において、導電性シートは、抵抗10Ω・m以下の材質で構成されていることを特徴とするプラズマエッチング装置用上部電極板。
(5)第7の発明において、導電性シートは、厚さが0.03〜3mmであることを特徴とするプラズマエッチング装置用上部電極板。
本発明のプラズマエッチング装置用複合型上部電極板は、エッチング特性が向上してシリコンウェハーの歩留まりがよくなるという効果を有し、また、ウェハー面の下部電極側に小ネジなどの固定用治具がないため、小ネジなどの固定用治具部にプラズマが照射することによるダストが発生しないという効果を有する。特に、長時間使用して、エッチング時にプラズマエッチング用電極板がプラズマ消耗しても、消耗した第2の電極板のみを交換することにより、エッチング特性を良好に維持することができるというリサイクル効果を有し、従来製品より原料費および廃棄物量が低減できる。そのため、半導体デバイスの歩留まりを向上させることができ、製造コストの低減に貢献する。
以下、本発明の平行平板型のリサイクル可能なプラズマエッチング装置用複合型上部電極板、それの使用方法及びそれを装着したプラズマエッチング装置などについて、各項目毎に詳細に説明する。
1.複合型上部電極板
本発明の複合型上部電極板は、第1の電極板と第2の電極板との2枚の円盤型電極板から構成されるリサイクル可能なプラズマエッチング装置用複合型上部電極板であって、
(a)第1の電極板には、ガス吹き出し用の無数の貫通孔が設置されるとともに、第2の電極板と接合するために、所望とする位置に、少なくとも1個の貫通した第1の固定用孔が設置され、一方、プラズマエッチング装置の下部電極側に相対向する第2の電極板には、第1の電極板の貫通孔に対応する位置に貫通孔が設置されるとともに、第1の固定用孔に対応する位置に、第1の固定用孔の径と略同じ大きさで且つ貫通はしないが所定の深さを有する第2の固定用孔が設置され、
(b)第1の電極板と第2の電極板とは、第1の電極板側から組立分解可能な固定用治具により、第1及び第2の固定用孔を介して固定・接合されることを特徴とするものである。
通常、電極板は、板面に多数のエッチングガス噴出孔を有する円板体である。そして、エッチングを行う際には、エッチングガスが上部電極板のガス噴出孔を通過する際にプラズマ化され、このうちの反応性イオンが下部電極上に置かれたシリコンウェハーに引き込まれエッチングが行われる(例えば、図3参照)。
本発明においては、電極板は、複合型電極であって、ガス吹き出し用の貫通孔を有する非消耗部の第1の電極板と下部電極側の消耗部の第2の電極板とからなる。そして、第1の電極板と第2の電極板とは、第1の電極板側から組み立て分解可能な固定用治具、例えば小ネジやボルト・ナットにより、接合する。接合する際には、第2の電極板のウェハー面側に固定用ネジが出ないように、第2の電極板内に、例えばネジ穴が留まる。
上記固定用治具の使用個数と位置は、特に限定されず、例えば、円板体の中心部の1箇所のみ、或いは、円板体の外周部4〜20箇所のみ、或いは、円板体の中心部1箇所と円板体の外周部4〜20箇所でネジ止めすることができる。
また、固定用治具には、硬質アルマイト処理(陽極酸化処理)を施したものが使用されることが好ましい。
また、本発明の複合型上部電極板は、一般に円盤(円板)形状である。本発明のプラズマエッチング用複合型上部電極板の大きさは、特に限定されず、エッチングするシリコンウェハーの大きさにより異なるが、その直径が200〜450mmのものであることが好ましい。そして、複合型上部電極板の厚さも、特に限定されず、第1の電極板と第2の電極板併せて、5mm以上、特に10mm以上が好ましい。第1の電極板と第2の電極板の厚さの比も、特に限定されないが、運転の苛酷度やメインテナンスの頻度などにより、第1の電極板が50〜90%、第2の電極板が50〜10%であることが好ましい。
本発明の複合型上部電極板の使用方法では、長時間運転後、プラズマエッチング用複合型上部電極板を装置からはずした際、電極板の厚さや平面度を測定して、プラズマ消耗に伴って、下部電極側の第2の電極板の残り厚みが0.5〜5.0mm、好ましくは0.5〜1.5mmになったときに、その第2の電極板のみを廃棄し、交換した第2の電極板と組み合せて第1の電極板を継続使用することができる。
この作用機構としては、プラズマエッチング用電極板のそりや歪み、或いは消耗は、上部電極板の下部電極側の第2の電極板のみに起因し、一方、継続使用できる第1の電極板は、殆ど新品同様であり、長時間運転後でも、プラズマ消耗しないため、そりや歪みが生じないことによると、考察できる。
このように、本発明では、プラズマエッチング装置用複合型上部電極板の再使用方法にも特徴がある。
一般に、プラズマエッチング装置用上部電極には、通常、上部電極板と、その電極板の裏面に取り付けるプレートである冷却板が用いられるが、本発明では、冷却板の有無に制限されない。冷却板としては、エッチング工程でシリコンウェハーの不純物汚染の恐れがなく、上部電極に発生した熱を除去して電極の温度を適宜一定に保つために用いられ、通常、熱伝導率の高いアルミニウム製のものが用いられている。
その上部電極板には、通常、シリコン製の電極板が用いられるが、本発明においては、シリコンに限定されず、第1の電極板及び第2の電極板には、それぞれ、シリコン、グラファイト、アルミニウム、シリコンカーバイド、石英、パイロカーボン(熱分解黒鉛)及びガラス状カーボンよりなる群から選択される少なくとも一種から作製されたものが用いられる。また、パイロカーボン及びガラス状カーボンは、グラファイトなどに被覆して用いることもできる。
電極板として、基体をなすシリコンは、特に限定されないが、単結晶シリコンの高純度で高密度のものを使用することが望ましい。そのようなシリコンとしては、ドーパント(ドープ剤)が硼素(B)であるP型単結晶シリコンなどが挙げられ、その結晶方位は、<100>である。また、抵抗率は、一般的には、1μΩ・cm〜100Ω・cmの範囲である。
グラファイトも、特に限定されないが、シリコンウェハーエッチング時の不純物汚染の恐れがなく、熱伝導率が高く、高純度のものを使用することが望ましい。そのようなグラファイトとしては、半導体グレードのものが挙げられ、例えば、市販されているものでは、ルカーボン社製のCX−2123、CX−2114、CX−2206や、東洋炭素社製のEGF−262、EGF−264などがある。
また、グラファイトの表面に、ガラス状カーボンがコーティングされていることが望ましい。コーティングされるガラス状カーボンは、厚さが通常2〜3μmであり、コーティング方法には、特に制限はなく、従来用いられてきた方法の中から、適宜、選択することができ、例えば、光沢処理でも、含浸処理でもよい。特に、グラファイトに、ある種の樹脂、例えばポリカルボジイミド、フェノール樹脂等をコーティングし、これを焼成することでガラス状のカーボン被覆を形成する方法が好ましい。
このガラス状カーボンは、グラファイトの保護層として働くものであり、グラファイトのダストの発生を抑え、耐食性などに寄与するものである。特に、ドライエッチング時に、プラズマ雰囲気におけるグラファイトからのガスの発生を抑え、また、グラファイトの表面の酸化層をなす物質が剥離して、ウェハー上にパーティクルが付着する恐れ等を防止するものである。
アルミニウムも、特に限定されないが、通常、JIS規格で定められた5000系のアルミニウム合金または6000系のアルミニウム合金を素材とし、これらに無処理もしくは硬質アルマイト処理(陽極酸化処理)を施したものが使用される。また、これら5000系合金および上記6000系合金中には多くの不純物元素が含まれており、これらの不純物元素は硬質アルマイト処理後に硬質アルマイト皮膜中にも残留するため、たとえばプラズマ照射による劣化にともなって、硬質アルマイト皮膜中に残留する不純物元素がシリコンウェハーに飛散することにより、メタル汚染などの悪影響を与える。そのため、3N以上の高純度を有するアルミニウムや、高純度のアルミニウムと0.2〜1.0wt%のシリコンと0.35〜2.5wt%のマグネシウムとを含むアルミニウム合金などを素材として用いることもできる。
シリコンカーバイド(炭化珪素)も、特に限定されず、種々の方法で作製したものでよく、例えば、炭化珪素を焼結したもの、炭素とシリコンとを反応焼結したもの、炭素を炭化珪素に転化させたものや、化学気相蒸着(CVD)や物理気相蒸着(PVD)により作製したもの等を使用することができる。尚、この炭化珪素材としては金属不純物の少ないものが好ましい。
電極板は、石英から作製することもできる。石英にて構成する場合、石英は、そのままでは親水性であり、一方、ドライエッチングの過程で発生するエッチング反応生成物は、反応ガスとしてCF系のエッチングガスを用いる場合には、CxFyの組成(x,yは任意の自然数)となり疎水性を呈するため、エッチング反応生成物は石英の表面から剥離しやすくなる。そこで、石英の表面は、イオン打込みや拡散等の方法で、所望の濃度に疎水性のシリコン(Si)や炭素(C)等からなる疎水性化物質が導入されていることが好ましい。これにより、石英からなる電極板の表面は、疎水性化物質の存在により疎水性を呈する状態となり、同じ疎水性のエッチング反応生成物との親和性(接合強度)が高くなる結果、付着したエッチング反応生成物の剥離を防止することが可能になる。
パイロカーボン(熱分解黒鉛)は、耐酸化、耐摩耗性に優れ、ダストの発生も極めて少ないために、電極板に用いることができる。また、黒鉛材料の表面に特殊CVD法により、厚さ数十ミクロンのパイロカーボンを被覆した黒鉛材料としても、用いることができる。
パイロカーボンの形成方法としては、各種の化学蒸着法により行なうことができるが、通常は、黒鉛基材を加熱し、メタン、プロパン等の炭化水素ガスを高温(2000℃〜2200℃)の黒鉛基材に接触させることにより反応させ、黒鉛基材の表面にパイロカーボンを生成させる方法による。この場合、炭化水素ガスの濃度調整、あるいはキャリアガスには水素ガスが適している。また、反応は常圧もしくは減圧下で行なわれるが、被膜の均一性、平滑性を得るため減圧下で行なうのが好ましく、300Torr以下で行なうのが望ましい。
以上のように、黒鉛基材上に積層させたパイロカーボンを独立して取り出すためには、その全体を常温にもどせばよい。黒鉛基材とパイロカーボンとの熱膨張係数は、それぞれ3〜5×10−6/℃、及び1.7×10−6/℃であるから、両者の熱膨張係数の差によって、両者を剥すことができるのである。
勿論、以上のように形成したパイロカーボンそれ自体は高純度であるが、これを黒鉛基材の上に厚く積層させてパイロカーボン単味の電極板として用いる場合、使用した黒鉛基材中に種々な不純物、例えば、鉄、ニッケル、コバルト、バナジウムが混入していることがあり、これらがパイロカーボン側に残留していることがある。これらの不純物が残留していると、プラズマエッチングすべきウェハーの表面を汚染することがあるから取り除かなければならないが、これらは黒鉛基材中に含有されていたものであるため、パイロカーボンの黒鉛基材が接触していた側の面を研磨等によって取り除くことにより容易に除去できるものである。
ガラス状カーボンは、前述したが、難黒鉛化性炭素又はハードカーボンとも称されるものであり、有機物質の固相炭化により生成したものであれば、どのような原料及び製法のものでもよく、特に限定されない。ガラス状カーボンは、熱硬化性樹脂などを炭化して得られる巨視的に無孔組織の三次元網目構造を呈するガラスに似た硬質炭素質物で、高強度、化学的安定性、ガス不透過性、耐摩耗性、自己潤滑性、堅牢性などに優れ、不純物が少ない等の特性を有しており、特にプラズマエッチング処理中にウェハーを汚損する原因となる微小なパーティクルが組織から剥落し難い利点がある。
ガラス状カーボンの出発原料としては、通常、熱硬化性樹脂が用いられ、ポリカルボジイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フラン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、メラミン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などやこれらの混合物或いは可能な共重合体が挙げられ、通常ガラス状カーボンの原料として用いられるフェノール樹脂やフラン樹脂或いはフルフラール−フェノール共重合体などが好ましい。また、熱可塑性樹脂に硬化剤を配合して熱硬化性樹脂の機能をもつものも用いることができ、例えば、ノボラック型フェノール樹脂に硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを配合したものなども用いることができる。
2.導電性シート
本発明において、第1の電極板と第2の電極板の間には、貫通孔を有する耐プラズマ性の導電性シートが設けられていることが望ましい。この導電性シートにより、第1の電極板と第2の電極板の熱伝導が確保され、電極間の緩衝材としても作用し、電極間の密着性が向上する。この場合、好適には、導電性シートは、抵抗率が大きいと、シートの発熱・溶解を引き起こす場合があるため、抵抗率が10Ω・m以下の材質で構成されていることが望ましい。例えば、導電性シートとして、ポリイミドシート或いはシリコーン導電耐熱シートを用いることができる。また、第1の電極板と第2の電極板との熱交換を図るには、導電性シートは、柔らかく密着性に優れていることが望ましいが、薄すぎると第1の電極板と第2の電極板の平面度の不十分さを吸収しきれないと考えられ、また、厚すぎると導電性シート自体の熱容量が大きくなってしまうため、好適には、導電性シートの厚さが0.03〜3mmであることが望ましく、好適には、0.5〜1mm程度である。導電性シートの具体的なものとして、厚さ0.2mmの導電性ゴムS60(鬼怒川ゴム工業製)などがある。導電性シートは、厚さ0.2mmの導電性ゴムである場合を例示したが、導電性シートの厚さや材質は、これに限定されるものではない。
以下、本発明について、図面を用いて実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に特に限定されるものではない。
[実施例1][プラズマエッチング装置用複合型上部電極板の概要と製造例1]
本発明のプラズマエッチング装置用複合型上部電極板は、シリコンウェハーのドライエッチング装置(図3参照)における部材であり、その複合型上部電極板の概要は、図1及び図2に示される。
実施例1として、製造例1を以下に示す。
I.先ず、消耗部用の下部電極側(ウェハー面側)の第2の電極板(2)として、シリコン原板φ300mm×6.5mm(三菱住友シリコン製、P型、結晶方位<100>、抵抗率:14Ω・cm)を用いた。また、非消耗部用の第1の電極板(1)として、熱膨張係数が約4×10−6/℃のグラファイト原板φ300mm×10.5mmを用いた。
II.次に、消耗部である第2の電極板用のシリコン原板に、φ266mmへの外径加工等の形状加工と、ドリルによるφ0.5mm細孔(4)加工を行なった。また、下部電極側のウェハー面の反対側から、外周部12点と中心部1点に、深さ約4mm程度のM3ネジ穴加工(3)を行なった。また、非消耗部である第1の電極板用のグラファイト原板にも、φ266mmの外径加工等の形状加工と、ドリルによるφ2.9mm細孔(4)加工を行なった。また、外周12点と中心部1点にM3小ネジ固定用ザグリ加工(3)を行なった。
III.消耗部である第2の電極板のシリコンに、加工ダメージ除去のため、ウェットエッチングを行ない、その後表面を研磨加工し、Ra0.02μm以下の鏡面で厚さが5mmに仕上げた。また、非消耗部である第1の電極板のグラファイトも、厚さを9mmとなるよう整厚加工をし、使用時形状まで仕上げた。そして、そのグラファイトにガラス状カーボンコート処理を行なった。
IV.最後に、消耗部である第2の電極板のシリコンと、非消耗部である第1の電極板のガラス状カーボンコートをしたグラファイトを、アルミアルマイト処理をしたM3小ネジ(6)により貼り合せた(図2の(b)参照)。
このようにして、図1、2に示される構造のプラズマエッチング装置用複合型上部電極板を作製し、シリコンウェハーのドライエッチング装置の上部電極部材として、実際のウェハーのエッチングに供した。ドライエッチング装置は、アネルバ社製のI−4100であり、エッチングレートなどは良好であった。使用中に、エッチングレートが規格範囲外になったため、消耗部である第2の電極板を交換したところ、エッチングレートは良好になった。
[実施例2][プラズマエッチング装置用複合型上部電極板の製造例2]
製造例2を以下に示す。
I.先ず、消耗部用の下部電極側(ウェハー面側)の第2の電極板(2)として、実施例1と同様に、シリコン原板φ300mm×6.5mm(三菱住友シリコン製、P型、結晶方位<100>、抵抗率:14Ω・cm)を用いた。また、非消耗部用の第1の電極板(1)として、シリコン原板φ300mm×10.5mm(三菱住友シリコン製、P型、結晶方位<100>、抵抗率:14Ω・cm)を用いた。
II.次に、消耗部である第2の電極板用のシリコン原板に、実施例1と同様に、φ266mmへの外径加工等の形状加工と、ドリルによるφ0.5mm細孔(4)加工を行なった。また、下部電極側のウェハー面の反対側から、外周部12点に、深さ約4mm程度のM3小ネジ穴加工(3)を行なった。また、非消耗部である第1の電極板用のシリコン原板にも、φ266mmの外径加工等の形状加工と、ドリルによるφ2.9mm細孔(4)加工を行なった。また、外周12点にM3小ネジ固定用ザグリ加工(3)を行なった。
III.消耗部である第2の電極板と非消耗部である第1の電極板共に、シリコンの加工ダメージ除去のため、ウェットエッチングを行ない、その後両電極板共に表面を研磨加工し、Ra0.02μm以下の鏡面で、消耗部である第2の電極板は厚さが5mm、非消耗部である第1の電極板は厚さが9mmになるように仕上げた。
IV.最後に、消耗部である第2の電極板のシリコンと、非消耗部である第1の電極板のシリコンを、アルミアルマイト処理をしたM3小ネジ(6)により貼り合せた(図2の(c)参照)。
このようにして、図1、2に示される構造のプラズマエッチング装置用複合型上部電極板を作製し、シリコンウェハーのドライエッチング装置の上部電極部材として、実施例1と同様に、実際のウェハーのエッチングに供した。エッチングレートなどは、良好であった。使用中に、エッチングレートが規格範囲外になったため、消耗部である第2の電極板を交換したところ、エッチングレートは良好になった。
本発明のプラズマエッチング装置用複合型上部電極板は、シリコンウェハーを均一にむらなくエッチングするに際し、プラズマに不均一なところが発生した場合など、ただちに下部電極側の第2の電極板を交換することにより、不均一なプラズマの発生がなくなり、第2の電極板のみを廃棄するだけで、第1の電極板を継続使用できるから、コストが削減でき、半導体装置産業の発展に大いに貢献し得る。
本発明の複合型上部電極板の一例を示す断面図である。 本発明の複合型上部電極板の一例を示す平面図である。 一般的なプラズマエッチング装置を説明する模式図である。
符号の説明
1 第1の電極板
2 第2の電極板
3 固定用孔
4 貫通孔
5 接合面
6 固定用治具、例えば小ネジ
7 上部電極
8 下部電極
9 プラズマエッチング装置本体
10 プラズマ処理室
11 プラズマ領域
12 エッチングガス導入管
13 シリコンウェハー

Claims (9)

  1. 第1の電極板と第2の電極板との2枚の円盤型電極板から構成されるリサイクル可能なプラズマエッチング装置用複合型上部電極板であって、
    (a)第1の電極板には、ガス吹き出し用の無数の貫通孔が設置されるとともに、第2の電極板と接合するために、所望とする位置に、少なくとも1個の貫通した第1の固定用孔が設置され、一方、プラズマエッチング装置の下部電極側に相対向する第2の電極板には、第1の電極板の貫通孔に対応する位置に貫通孔が設置されるとともに、第1の固定用孔に対応する位置に、第1の固定用孔の径と略同じ大きさで且つ貫通はしないが所定の深さを有する第2の固定用孔が設置され、
    (b)第1の電極板と第2の電極板とは、第1の電極板側から組立分解可能な固定用治具により、第1及び第2の固定用孔を介して固定・接合されることを特徴とするプラズマエッチング装置用上部電極板。
  2. 固定用治具は、小ネジ又はボルト・ナット止めであることを特徴とする請求項1に記載のプラズマエッチング装置用上部電極板。
  3. 固定用治具は、アルミアルマイト処理品であることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズマエッチング装置用上部電極板。
  4. 第1の電極板及び第2の電極板は、それぞれ、シリコン、グラファイト、アルミニウム、シリコンカーバイド、石英、パイロカーボン(熱分解黒鉛)及びガラス状カーボンよりなる群から選択される少なくとも一種の材料から形成されることを特徴とする請求項1に記載のプラズマエッチング装置用上部電極板。
  5. 第1の固定用孔及び第2の固定用孔の位置は、第1の電極板及び第2の電極板の中心部1点と外周4〜20点であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマエッチング装置用上部電極板。
  6. 第1の固定用孔及び第2の固定用孔の位置は、第1の電極板及び第2の電極板の外周4〜20点であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマエッチング装置用上部電極板。
  7. 第1の電極板と第2の電極板の間に、第1の電極板の貫通孔に対応する位置に貫通孔を有する耐プラズマ性の導電性シートを介在させてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のプラズマエッチング装置用上部電極板。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のプラズマエッチング装置用上部電極板の再使用方法であって、
    プラズマ消耗に伴って第2の電極板の残り厚みが0.5〜5.0mmになった使用後の上部電極板は、前記第2の電極板のみを廃棄し、交換した第2の電極板と組み合せて第1の電極板を継続使用することを特徴とするプラズマエッチング装置用上部電極板の再使用方法。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載のプラズマエッチング装置用上部電極板を装着したプラズマエッチング装置。
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