JP2006292802A - 光ファイバ心線の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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繁騎 安井
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Abstract

【課題】光ファイバの周囲に塗布する紫外線硬化樹脂への空気の混入を防ぎ、これによって製造線速を増大させて生産性を向上させる。
【解決手段】光ファイバに紫外線硬化樹脂を塗布するクロスヘッドが有するニップル孔11aは、配列された複数の光ファイバ素線1が相互に接触する接触部wで長穴が括れた形状とする。また、ニップル孔11aの内壁面は、90度以下の鋭角をなす箇所が存在しないように形成する。また、光ファイバ素線1の幅をwf(μm)、厚さをdf(μm)とするとき、厚さ方向におけるニップル孔11aの内壁面の最大間隔Dmax(μm)を、df+10≦Dmax≦df+30の範囲とし、最小間隔Dmin(μm)をdfより小さくする。さらにニップル孔11aの内壁面の幅方向の最大間隔Wmaxを、wf×n+20≦Wmax≦wf×n+5×(n−1)+50の範囲とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、クロスヘッドを用いて光ファイバに紫外線硬化樹脂を塗布することにより、光ファイバ心線を製造する光ファイバ心線の製造方法及び製造装置に関する。
光ファイバケーブルに使用される光ファイバ心線として、複数本の光ファイバ素線を直線上に配列してその外周に紫外線硬化樹脂を被覆した光ファイバリボンが知られている。光硬化性樹脂が被覆された光ファイバリボンは、複数本を積層し、又はその周囲を熱可塑性樹脂で被覆して、光ケーブルが形成される。
図5は、複数本の光ファイバ素線を配列したテープ状の光ファイバ心線(光ファイバリボンともいう)を示す断面図で、図中、1は光ファイバ素線、2は光ファイバ心線(光ファイバリボン)、3は紫外線硬化樹脂である。光ファイバ心線2は、線引直後のガラスファイバを保護層で覆った光ファイバ素線1の複数本(心線数を4本として図示)を平面状に配列し、それらを紫外線硬化樹脂3で一体的に塗布してなるものである。
図6は、図5に示す光ファイバ心線の製造装置の一例を示す概略図で、図中、2は光ファイバ素線1に紫外線硬化樹脂を塗布してなる光ファイバ心線、4は集線ローラ、5は紫外線硬化ランプなどで構成される紫外線照射装置、6は巻取機、7は材料タンク、8は材料供給用配管、9は光ファイバ素線のサプライボビン、10はクロスヘッド、30は光ファイバ心線製造装置である。
光ファイバ心線製造装置30においては、サプライボビン9にて夫々供給された光ファイバ素線1を集線ローラ4で集線し、その集合体をクロスヘッド10に導入する。クロスヘッド10では、光ファイバ素線1の集合体に対して紫外線硬化樹脂を塗布する。そして紫外線照射装置5によって、紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して硬化させる。紫外線硬化樹脂が硬化した光ファイバ心線2は、巻取機6で巻き取られる。
光ファイバ素線1に塗布する紫外線硬化樹脂は、材料タンク7に貯留され、材料供給用配管8を通してクロスヘッド10に供給される。材料タンク7からクロスヘッド10への材料供給には、図示しないポンプや押出機などの供給手段が用いられる。そしてクロスヘッド10では、材料タンク7から供給された紫外線硬化樹脂が、光ファイバ素線1の周囲に塗布される。
図7は、上記図6の設備に適用するクロスヘッド10の一例を示す概略図で、図中、11はニップル、11aはニップル孔、12はダイス、12aはダイス孔、13はメニスカス、14は塗布用の紫外線硬化樹脂を溜める樹脂溜部である。クロスヘッド10は、複数の光ファイバ素線1の配列を整えるニップル11と、光ファイバ素線1の周囲に塗布された光硬化樹脂を成型するダイス12とを有している。そして、材料タンク7から供給される紫外線硬化樹脂は、ニップル11とダイス12との間に形成されている樹脂溜部14に充填される。
クロスヘッド10の内部を通過する光ファイバ素線1は、ニップル11が備えるニップル孔11aから入線し、樹脂溜部14でその周囲に紫外線硬化樹脂が塗布され、ダイス12が備えるダイス孔12aから出て行く。光ファイバ素線1に塗布された紫外線硬化樹脂は、ダイス孔12aによって形状が規制され成型される。上述のように、紫外線硬化樹脂が塗布された光ファイバ心線2は、この後、紫外線照射装置5によって紫外線が照射されることにより、液状の紫外線硬化樹脂が硬化して、被膜が形成される。
ここでは、複数の光ファイバ素線1を同時にサプライボビン9から繰りだして、クロスヘッド10に導入し、それら複数の光ファイバ素線1を一列に配列させた状態でその周囲に紫外線硬化樹脂を被覆することにより、上記複数の光ファイバ素線を一体化させたテープ状の光ファイバ心線とする。なお、上記のような光ファイバ心線製造装置には、例えば、上記のような複数心の光ファイバ素線を含む光ファイバリボンをさらに複数配列して多心のユニットとする場合もある。
図8は、上記図7のクロスヘッド10におけるニップル孔11aの形状を説明するための図である。図7に示すように、複数(ここでは4本)の光ファイバ素線1の配列を整える従来のニップル孔11aは、複数の光ファイバ素線1が配列可能な幅を有する長穴の形状を有している。この場合、長穴の両端部の形状のみが、光ファイバ素線1の外周形状に合わせて円弧を描く長穴形状に構成されている。
上述のようなクロスヘッドを使用した光ファイバへの樹脂の塗布形成に関し、例えば、特許文献1には、光ファイバ素線間に存在する空気に起因して生ずる気泡が塗布層中に残ることを極少にし、温度特性の優れた光ファイバテープ心線を得られるようにした光ファイバテープ心線の製造方法が記載されている。上記特許文献1においては、コーティングダイスに複数の方形状のニップル孔を形成し、これらニップル孔のそれぞれに、複数本の光ファイバ素線を入線させてコーティングダイス内に導入し、このコーティングダイス内に供給される塗布材で上記光ファイバ素線をテープ状に一括塗布した後、硬化装置にて上記塗布材を硬化させて光ファイバテープ心線としている。
特開平05−221694号公報
上記のようなニップルの穴から光ファイバ素線を入線させ、その周囲に液状の紫外線硬化樹脂を塗布する構成の場合、ニップル孔11aの内側(樹脂溜部側)では、進行する光ファイバ素線1に引き込まれる形で空気によるメニスカス13が発生する。このメニスカス13は、光ファイバ素線1の線速が速くなるほどクロスヘッド10内の樹脂溜部14に深く侵入していく。メニスカス13の発生は、方形状のニップル孔を備えた上記特許文献1の構成においても同様であると考えられる。
こときに、光ファイバ素線1の微少な凹凸や汚れなどをきっかけとして、メニスカス13が急激に大きくなり、樹脂溜部14に充填された紫外線硬化樹脂の内部に空気が入り込むことがある。空気が入り込む確率は、光ファイバ素線1の速度が増大するほど高くなる。また、材料タンク7からクロスヘッド10への紫外線硬化樹脂の供給圧力が低い場合にも、樹脂溜部14における空気の混入の程度が相対的に大きくなる。そして空気が入り込んだ紫外線硬化樹脂がそのまま光ファイバ素線1に塗布されることにより、塗布後の光ファイバ心線2の外観が悪くなる、という問題が生じる。またこのような気泡が紫外線硬化樹脂層中に存在すると、光ファイバ心線2が側方に曲げられたときにマイクロベンドによる損失が増大するという問題が生じる。
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたもので、光ファイバの周囲に塗布する紫外線硬化樹脂への空気の混入を防ぎ、これによって製造線速を増大させて生産性を向上させることができるようにした光ファイバ心線の製造方法及び製造装置を提供することを目的とするものである。
本発明の光ファイバ心線の製造方法は、複数本の光ファイバを配列させて導入する導入孔を持つニップルと、導入孔から導入された光ファイバに液状の紫外線硬化樹脂を塗布するための樹脂溜部と、樹脂溜部で塗布された紫外線硬化樹脂を所定の形状に成型する成型孔を備えたダイスとを有する塗布装置を用いて、配列した状態で前記光ファイバの周囲に液状の紫外線硬化樹脂を塗布する塗布工程と、塗布工程で塗布した紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して硬化させる硬化工程とを有し、硬化工程によって前記複数本の光ファイバが一体化された光ファイバ心線を製造するための光ファイバ心線の製造方法である。
ここで、光ファイバの配列方向を幅方向、配列方向に直交する方向を厚さ方向とし、配列させる光ファイバの数をn、1本の光ファイバの幅をwf(μm)、前記光ファイバの厚さをdf(μm)とするとき、上記導入孔を、両端が光ファイバの外周形状に合わせて円弧を描く長穴形状であって、かつ配列された複数の光ファイバが相互に接触する部分近傍で上記の長穴に括れた形状を付与した形状とし、導入孔の内壁面に90度以下の鋭角をなす箇所を有することのない導入孔とし、また上記導入孔内壁面の厚さ方向の最大間隔Dmax(μm)を、df+10≦Dmax≦df+30の範囲とし、長穴形の括れた部分における、導入孔内壁面の厚さ方向の最小間隔Dmin(μm)をdfより小さくし、さらに導入孔内壁面の幅方向の最大間隔Wmaxを、wf×n+20≦Wmax≦wf×n+5×(n−1)+50の範囲とすることを特徴としている。
また本発明の光ファイバ心線の製造装置は、複数本の光ファイバを配列させて導入する導入孔を持つニップルと、導入孔から導入された光ファイバに液状の紫外線硬化樹脂を塗布するための樹脂溜部と、樹脂溜部で塗布された紫外線硬化樹脂を所定の形状に成型する成型孔を備えたダイスとを有し、配列した状態で前記光ファイバの周囲に液状の紫外線硬化樹脂を塗布する塗布装置と、塗布装置で塗布した紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して硬化させる硬化装置とを有し、硬化工程によって前記複数本の光ファイバが一体化された光ファイバ心線を製造するための光ファイバ心線の製造装置である。
ここで、光ファイバの配列方向を幅方向、配列方向に直交する方向を厚さ方向とし、配列させる光ファイバの数をn、光ファイバの幅をwf(μm)、前記光ファイバの厚さをdf(μm)とするとき、上記導入孔は、両端が光ファイバの外周形状に合わせて円弧を描く長穴形状であって、かつ配列された複数の光ファイバが相互に接触する部分近傍で上記の長穴が括れた形状を有し、導入孔の内壁面に90度以下の鋭角をなす箇所を有することがなく、また上記導入孔内壁面の前記厚さ方向の最大間隔隔Dmax(μm)は、df+10≦Dmax≦df+30の範囲にあり、長穴形の括れた部分における、導入孔内壁面の前記厚さ方向の最小間隔Dmin(μm)はdfより小さく、導入孔内壁面の幅方向の最大間隔Wmaxは、wf×n+20≦Wmax≦wf×n+5×(n−1)+50の範囲にあることを特徴としている。
本発明によれば、光ファイバに紫外線硬化樹脂を塗布するためのクロスヘッドにおけるニップルが備えるニップル孔の形状を最適化することによって、光ファイバの導入に伴うメニスカスの増大による紫外線硬化樹脂への気泡混入を防いで、安定した品質の光ファイバ心線を製造することができる。
また、上記気泡混入を防ぐことによって、光ファイバへの紫外線硬化樹脂の塗布線速を上げることができ、光ファイバ心線の生産性を向上させることができる。
本発明による光ファイバ心線の製造装置30は、上述した図6に示す装置を適用することができる。本発明では、製造装置に備えられたクロスヘッドのニップル孔の形状を、光ファイバの配列に合わせて最適に設計する。なお、本発明における光ファイバとは、光ファイバ素線、又は複数本の光ファイバ素線をテープ状にした光ファイバ心線を含めた意味で用いるものとする。
図1は、本発明により紫外線硬化樹脂を塗布成形するときのニップル孔の形状の一例を示す図で、図中、wは配列した光ファイバ素線1が互いに接触する接触部分である。
本実施形態では、ニップル孔11aの形状を、光ファイバ素線1の形状に合わせて形成した。すなわち、ここでは、ニップル孔11aの形状が、配列された複数の光ファイバ素線1の形状にほぼ相似した形状となっている。つまり、ニップル孔11aは、両端が光ファイバ素線1の外周形状に合わせて円弧を描く長穴形状であって、かつ配列された複数の光ファイバ素線1が相互に接触する接触部分wの近傍で長穴が括れた形状を有している。また、ニップル孔11aの内壁面は、90度以下の鋭角をなす箇所が存在しないように形成する。
ここで、光ファイバ心線の配列方向Lを幅方向とし、配列方向Lに直交する方向を厚さ方向として、配列させる光ファイバ素線1の数をn、光ファイバ素線1の幅をwf(μm)、光ファイバ素線1の厚さをdf(μm)とする。
そして上記厚さ方向におけるニップル孔11aの内壁面の最大間隔Dmax(μm)を、df+10≦Dmax≦df+30の範囲とし、上記厚さ方向におけるニップル孔11aの内壁面の最小間隔Dmin(μm)をdfより小さくする。図1の構成の場合、上記Dminは、上記長穴の括れ部分に存在し、また上記Dmaxは、括れ部分のほぼ中間点に存在する。
そしてさらに本実施形態では、ニップル孔11aの内壁面の上記幅方向の最大間隔Wmaxを、wf×n+20≦Wmax≦wf×n+5×(n−1)+50の範囲とする。このような形状とすることにより、ニップル孔11aに進入する光ファイバ素線1が巻き込む空気を、そのニップル孔11aの入口で遮断し、ニップル孔11aの出口側(樹脂溜部14側)における空気によるメニスカス13の発生を抑え、樹脂溜部14に充填された紫外線硬化樹脂内部への気泡の混入を防止することができる。なお、ニップル孔11aは、本発明の導入孔に該当する。
(実施例1)
図2は、本発明を実施するクロスヘッドの構成例を示す図で、図中、21はCCDカメラ、22は記録装置、23は照明具、24は光源である。本実施例では、クロスヘッド10内の光ファイバ素線1の状態を観察するためのCCDカメラ21を設置し、記録装置22にその撮像データを記録した。CCDカメラ21は、クロスヘッド10内のニップル孔11aの出口とダイス孔12aの入口との間の光ファイバ素線1の状態を観察できるように設置した。
本実施例1では、上記図1のような4心の光ファイバ素線1によるテープ状の光ファイバ心線を製造するものとし、紫外線硬化樹脂として粘度が被覆状態において500〜3000cpsのものを使用し、クロスヘッド10に導入する光ファイバ素線1の線速を500m/minとし、このときの紫外線硬化樹脂の樹脂圧力を光ファイバ素線と接する厚み方向の被覆の厚みが20μmとなるように0.1MPa〜1.0MPaの範囲で調整した。
また、クロスヘッド10のニップル11として、
(A)従来の通常ニップル(両端部のみ円弧形状を備えた長穴形状)と、その前段にサブニップルを加えた構成、
(B)従来の通常ニップルよりニップル孔の厚さ方向の間隔を狭くしたニップルによる構成、
(C)従来の通常ニップルより厚さ方向の間隔を狭くしたニップルと、その前段にサブニップルを加えた構成、
(D)本発明に該当するニップル孔(括れ部を持つ長穴形状)を備えたニップルによる構成、
の4種類を用いて、光ファイバ素線1に対する紫外線硬化樹脂の塗布を行った。
なお、上記従来の通常ニップルのニップル孔の大きさは、0.28×1.10(厚さ×幅)mmであり、また上記厚さ方向の間隔を狭くしたニップル孔の大きさは、0.27×1.10(厚さ×幅)mmである。また、上記本発明に該当するニップルは、厚さの最小部(図1のDminに相当)が0.17mmとなるように構成されている。またサブニップルは、ニップルと同程度の寸法のニップル孔を有し、ニップルの前段に設けられるものである。
図3は、本実施例によるニップルからの気泡混入結果を示す図で、上記4つのニップル構成のそれぞれについて、定常線速(500m/min)での運転時の気泡の混入状態を示すものである。ここでは、光ファイバ心線の製造装置の運転開始から、その製造線速を次第に加速して500m/minまで増速し、その後500m/minを維持して定常線速で運転を行い、線速が450m/minに至った後、10分間にわたって評価を行った。
図3に示すように、従来のニップル孔の形状(通常の孔形状及びその厚さ方向の間隔を狭くした孔形状)を持った上記(A),(B),及び(C)の条件では、製造線速の加速中に、ニップル孔11aの出口から紫外線硬化樹脂に対して気泡が混入していることが確認できた。一方、本発明に該当する括れ部を持つニップル孔形状の条件(D)では、紫外線硬化樹脂に対する気泡の混入はなく、気泡混入を抑制する効果を確認することができた。
(実施例2)
次に、以下の条件で光ファイバ心線を製造し、製造線速の加速部分における気泡の混入状況を調査し、その加速部分における光ファイバ心線の伝送ロスを測定した。
本実施例2では、上記図2に示す光ファイバ心線の製造設備を使用して、図1のような4心の光ファイバ素線1によるテープ状の光ファイバ心線を製造した。ここでは、実施例(1)と同様に紫外線硬化樹脂を使用し、クロスヘッド10に導入する光ファイバ素線1の線速を500m/minとした。
また、クロスヘッド10のニップル11として、
(E)従来の通常ニップル(両端部のみ円弧形状を備えた長穴形状)による構成、
(F)従来の通常ニップルよりニップル孔の厚さ方向の間隔を広くしたニップルによる構成、
(G)本発明に該当するニップル孔(括れ部を持つ長穴形状)を備えたニップルによる構成、
の3種類を用いて、光ファイバ素線1に対する紫外線硬化樹脂の塗布を行った。
なお、上記従来の通常ニップルのニップル孔の大きさは、0.28×1.10(厚さ×幅)mmであり、また上記厚さ方向の間隔を広くしたニップル孔の大きさは、0.300×1.10(厚さ×幅)mmである。また、上記本発明に該当するニップルは、厚さの最小部(図1のDminに相当)が0.170mmとなるように構成されている。
図4は、本実施例により製造した光ファイバ心線の伝送ロスと気泡混入状況の調査結果を示す図である。ここでは、上記3つのニップル構成のそれぞれについて、定常線速500m/minで製造された光ファイバ心線について、その伝送ロスと、気泡混入状況とを調査した。
図4に示すように、従来のニップル孔の形状(通常の孔形状)の上記(E)の条件では、製造された光ファイバ心線の紫外線硬化樹脂層に多数の気泡が混入していることが確認できた。またこの光ファイバ心線の伝送損失は0.30dB/kmであった。また厚さ方向の間隔を広くしたニップル孔形状を持った上記(F)の条件では、光ファイバ心線の紫外線硬化樹脂層に対して約50個/100mmの気泡が混入していることが確認できた。またこの光ファイバ心線の伝送損失は0.22dB/kmであった。
一方、本発明に該当する括れ部を持つニップル孔形状の条件(G)では、光ファイバ心線の紫外線硬化樹脂に対する気泡の混入は5〜8個/1000mmと極めて少量であり、気泡混入を抑制する効果を確認することができた。またこの光ファイバ心線の伝送損失は0.19dB/kmであり、上記の他の条件に比して最も伝送損失が少なく、また規格上も問題ないレベルであった。
本発明により紫外線硬化樹脂を塗布成形するときのニップル孔の形状の一例を示す図である。 本発明を実施するクロスヘッドの構成例を示す図である。 本発明の第1の実施例によるニップルからの気泡混入結果を示す図である。 本発明の第2の実施例により製造した光ファイバ心線の伝送ロスと気泡混入状況の調査結果を示す図である。 光ファイバ素線を配列した光ファイバ心線を示す断面図である。 図5に示す光ファイバ心線の製造装置の一例を示す概略図である。 図6の設備に適用するクロスヘッドの一例を示す概略図である。 図7のクロスヘッドにおけるニップル孔の形状を説明するための図である。
符号の説明
1…光ファイバ素線、2…光ファイバ心線、3…紫外線硬化樹脂、4…集線ローラ、5…紫外線照射装置、5…製造装置、6…巻取機、7…材料タンク、8…材料供給用配管、9…サプライボビン、10…クロスヘッド、11…ニップル、11a…ニップル孔、12…ダイス、12a…ダイス孔、13…メニスカス、14…樹脂溜部、21…CCDカメラ、22…記録装置、23…照明具、24…光源、30…光ファイバ心線製造装置。

Claims (2)

  1. 複数本の光ファイバを配列させて導入する導入孔を持つニップルと、前記導入孔から導入された光ファイバに液状の紫外線硬化樹脂を塗布するための樹脂溜部と、前記樹脂溜部で塗布された紫外線硬化樹脂を所定の形状に成型する成型孔を備えたダイスとを有する塗布装置を用いて、前記配列した状態で前記光ファイバの周囲に液状の紫外線硬化樹脂を塗布する塗布工程と、
    前記塗布工程で塗布した紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して硬化させる硬化工程と、を有し、前記硬化工程によって前記複数本の光ファイバが一体化された光ファイバ心線を製造するための光ファイバ心線の製造方法であって、
    光ファイバの配列方向を幅方向、前記配列方向に直交する方向を厚さ方向とし、配列させる光ファイバの数をn、1本の光ファイバの幅をwf(μm)、前記光ファイバの厚さをdf(μm)とするとき、
    前記導入孔を、両端が光ファイバの外周形状に合わせて円弧を描く長穴形状であって、かつ配列された複数の光ファイバが相互に接触する部分近傍で前記長穴に括れた形状を付与した形状とし、
    前記導入孔の内壁面に90度以下の鋭角をなす箇所が存在しないようにし、
    前記導入孔内壁面の前記厚さ方向の最大間隔Dmax(μm)を、df+10≦Dmax≦df+30の範囲とし、
    前記長穴の括れた部分における、前記導入孔内壁面の前記厚さ方向の最小間隔Dmin(μm)をdfより小さくし、
    前記導入孔内壁面の幅方向の最大間隔Wmaxを、wf×n+20≦Wmax≦wf×n+5×(n−1)+50の範囲とする、ことを特徴とする光ファイバ心線の製造方法。
  2. 複数本の光ファイバを配列させて導入する導入孔を持つニップルと、前記導入孔から導入された光ファイバに液状の紫外線硬化樹脂を塗布するための樹脂溜部と、前記樹脂溜部で塗布された紫外線硬化樹脂を所定の形状に成型する成型孔を備えたダイスとを有し、前記配列した状態で前記光ファイバの周囲に液状の紫外線硬化樹脂を塗布する塗布装置と、
    前記塗布装置で塗布した紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して硬化させる硬化装置と、を有し、前記硬化装置によって前記複数本の光ファイバが一体化された光ファイバ心線を製造するための光ファイバ心線の製造装置であって、
    光ファイバの配列方向を幅方向、前記配列方向に直交する方向を厚さ方向とし、配列させる光ファイバの数をn、光ファイバの幅をwf(μm)、前記光ファイバの厚さをdf(μm)とするとき、
    前記導入孔は、両端が光ファイバの外周形状に合わせて円弧を描く長穴形状であって、かつ配列された複数の光ファイバが相互に接触する部分近傍で前記長穴が括れた形状を有し、
    前記導入孔の内壁面に90度以下の鋭角をなす箇所が存在することがなく、
    前記導入孔内壁面の前記厚さ方向の最大間隔Dmax(μm)は、df+10≦Dmax≦df+30の範囲にあり、
    前記長穴の括れた部分における、前記導入孔内壁面の前記厚さ方向の最小間隔Dmin(μm)はdfより小さく、
    前記導入孔内壁面の幅方向の最大間隔Wmaxは、wf×n+20≦Wmax≦wf×n+5×(n−1)+50の範囲にある、ことを特徴とする光ファイバ心線の製造装置。
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