JP2006298780A - Hgf遺伝子と粗大凝集アルブミン−ポリエチレンイミン(maa−pei)との複合体 - Google Patents

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Abstract

【課 題】 肺疾患の治療剤を提供することである。
【解決手段】HGFをコードするDNAと粗大凝集アルブミン−ポリエチレンイミン(MAA−PEI)との複合体及びそれらを含有することを特徴とする肺疾患治療用注射剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、肝細胞増殖因子(以下、HGFと略記する。)をコードするDNAと粗大凝集アルブミン−ポリエチレンイミン(以下において、粗大凝集アルブミン−ポリエチレンイミンをMAA−PEIとも表示する。)とが結合してなる複合体及びそれを含有する肺疾患治療用注射剤に関する。
肺傷害疾患としては、例えば、肺炎、肺気腫、肺結核、慢性閉塞性肺疾患などが挙げられ、特に、肺の線維化による傷害(例えば、塵肺など)、免疫力の低下した患者や老人の罹患する嚥下性肺炎等は予後不良の経過をとることがあり、その治療剤の確立が強く望まれている。
肺に傷害が加わった時には、HGFが肺自身で新たに産生され、HGFが肺のHGFレセプターを介して肺の上皮細胞でのDNA合成を促進し、肺組織での細胞増殖が上昇され、肺傷害の修復が促進されることが知られている。このため、HGF又はHGF遺伝子を含有する肺疾患の予防剤又は治療剤が提案されている。(特許文献1を参照。)。しかし、投与されるHGFのほとんどが肝臓に取り込まれ、肺ではほとんど検出されないか、検出されても投与したHGFの10%以下の僅かな量であることが報告されている(非特許文献1参照。)。このため、肺をHGFのターゲット器官とするには、HGFを多量に投与する必要がある。
また、肺線維症のHGF遺伝子治療の実験的な試みには、ベクターとして主にアデノウイルスベクターが使われてきた。しかし、アデノウイルスベクターは様々な炎症を惹起することが知られており、慢性炎症性疾患である肺線維症に臨床応用するには解決すべき問題が多く、実用化には至っていないのが現状である。
なお、ポリエチレンイミンと遺伝的高分子(例えば、DNA、RNA、触媒的活性核酸等)を用いた製剤は高レベルの肺トランスフェクションをもたらし、噴霧化中にも安定であることが示された(特許文献2を参照。)。そして、前記製剤は、経口吸入及び鼻吸入により肺に投与されることで、嚢胞性線維症、喘息、肺癌、食道癌、結腸癌、白血病、乳癌、肉腫、及び黒色腫等を治療し得ることが記載されている。
しかし、上記いずれの文献にも、HGFに関する記載は認められない。
特開平06−172207号公報 特表2002−541125号公報 モリヒロ・カト(MOTOHIRO KATO)他4名、ザ・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー・アンド・エクスペリメンタル・セラポイティクス(The Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics)、1999年、第290巻、p.373−379
本発明は、HGFをコードするDNAとMAA−PEIとが結合してなる複合体及びそれらを含有する肺疾患治療用注射剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、粗大凝集アルブミンが、肺の毛細血管を通過することができずに一時的に捕捉され,一過性の微小塞栓となって肺に選択的に集積し得ることに注目し、HGFをコードするDNAとMAA−PEIとが結合してなる複合体が、粗大凝集アルブミンと同様肺に選択的に集積し、かつ該集積部位でDNAを発現しHGFを産生し得ることを見出した。本発明者らは、さらに研究をすすめ本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1)HGFをコードするDNAと粗大凝集アルブミン−ポリエチレンイミン(MAA−PEI)とが結合してなる複合体、
(2)DNAが次のいずれかであることを特徴とする前記(1)に記載の複合体;
(a)配列表の配列番号1に記載の塩基配列からなるDNA;又は
(b)配列表の配列番号1に記載の塩基配列を有するDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつHGF活性を有するタンパク質をコードする塩基配列からなるDNA、
(3)DNAが次のいずれかであることを特徴とする前記(1)に記載の複合体;
(a)配列表の配列番号2に記載の塩基配列からなるDNA;又は
(b)配列表の配列番号2に記載の塩基配列を有するDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつHGF活性を有するタンパク質をコードする塩基配列からなるDNA、
(4)DNAが発現ベクターに挿入されていることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の複合体、
(5)発現ベクターがプラスミドであることを特徴する前記(4)記載の複合体、
(6)複合体の粒子径が10μm以上100μm未満であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の複合体、
(7)前記(6)記載の複合体を含有することを特徴とする肺疾患治療用注射剤、
(8)肺疾患が、肺線維症、間質性肺炎、肺気腫、肺高血圧症、肺炎、肺結核、慢性閉塞性肺疾患、塵肺及び嚥下性肺炎から選択される少なくとも1の疾患であることを特徴とする前記(7)に記載の肺疾患治療用注射剤、
に関する。
本発明の複合体は、静脈内に投与されたのち右心内で血流と完全に混合され、肺の毛細血管に送られる。前記複合体は、肺の毛細血管を通過することができずに一時的に捕捉され,一過性の微小塞栓となって肺に選択的に集積し得る。そして該集積部位において、MAA−PEIと結合したDNA又は発現プラスミドに挿入されたDNAが発現し、HGFを産生し得るので、肺において効率的にHGFを利用できる。すなわち、従来HGFを注射しても肺には10%以下しか分布できなかったが、本発明の複合体を含有する注射剤を静脈内等に投与すると、本発明の複合体は肺に選択的に取り込まれるため、HGFを、肺に局所的にかつ高濃度に分布させることができる。
また、本発明の複合体は肺に選択的に集積し、該集積部位でHGFタンパクを産生するので、HGF発現ベクターの投与量を従来に比べ、1/10程度に減少させることができる。さらに、本発明の複合体は肺に選択的に集積するので、本発明の複合体投与による他の臓器への影響を最小限に抑制することができる。
本発明は、HGFをコードするDNAと粗大凝集アルブミン−ポリエチレンイミン(MAA−PEI)との複合体であることを特徴とする。
本発明で用いられるHGFをコードするDNAとは、HGFの発現可能なDNAをいう。
HGF(配列表の配列番号3)は、当初、肝細胞に対する増殖促進因子として発見されたものであり、その遺伝子は1989年にクローニングされている(Miyazawa,
K. et al, BBRC. 163, 967−973 (1989); Nakamura. T, et al, Nature 342, 440−443 (1989))。本発明に使用されるDNAとしては、例えば特許第2777678号公報、Biochem.Biophys.Res.Commun.、1989年、第163巻、p.967、Biochem.Biophys.Res.Commun.、1990年、第172巻、p.321等に記載のHGFのDNAを適当な発現ベクター(非ウイルスベクター、ウイルスベクター)に組み込んだもの等が挙げられる。ここでHGFをコードするDNAの塩基配列は、前記文献に記載されているものの他、ジーンバンク(Genbank;登録番号 D90334)等のデータベースにも登録されているものを好ましく用いることができる。したがってこれらの配列情報に基づき適当なDNA部分をPCRのプライマーとして用い、例えば肝臓等のmRNAに対してRT−PCR反応を行うこと等により、HGFのDNAをクローニングすることができる。これらのクローニングは、例えばモレキュラー・クローニング法(Molecular Cloning、 A laboratory Manual、 Third Edition(J. Sambrook et al.、 Cold Spring Harbor Lab. Press、 2001:以下、モレキュラー・クローニング第3版と略す。)等に従い、当業者ならば容易に行うことができる。
本発明の複合体に用いる発現ベクターは、非感染性又は非炎症性のベクターが好ましい。非感染性又は非炎症性のベクターを使用することによって、例えば、アデノウイルス等のウイルス由来のベクター等において懸念される外来ウイルスによる感染や炎症等の恐れがない。
さらに、本発明で使用されるDNAは上記に限定されず、例えば5アミノ酸欠損型HGF(配列表の配列番号4)のような、発現するタンパク質がHGFと生物学的機能が同等であるタンパク質(例えば、同族体(ホモログ)、変異体及び誘導体等)をコードするDNAが包含される。かかる同族体、変異体又は誘導体をコードするDNAとしては、前記DNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAや、前記DNAによりコードされるタンパク質のアミノ酸配列に対して1若しくは複数(好ましくは数個)のアミノ酸が置換、欠失及び/又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA等のうち、HGFとしての作用を有するタンパク質をコードするDNAが挙げられる。
該DNAは、例えば通常のハイブリダイゼーション法やPCR法等により容易に得ることができ、具体的には前記モレキュラー・クローニング法等を参考にして行うことができる。
なお、本明細書においてDNAは、2本鎖DNAのみならず、それを構成するセンス鎖及びアンチセンス鎖といった各1本鎖DNA及び組織由来のRNAを包含する意味で用いられる。またその長さによって特に制限されるものではない。従って、本明細書においてDNAとは、特に言及しない限り、ヒトゲノムDNAを含む2本鎖DNA及びcDNAを含む1本鎖DNA(正鎖)並びに該正鎖と相補的な配列を有する1本鎖DNA(相補鎖)、及びこれらの断片のいずれもが含まれる。
HGFをコードするDNAとしては、具体的には、例えば、(a)配列番号:1又は2で表わされる塩基配列を有するDNA、又は(b)配列番号:1又は2で表わされる塩基配列を有するDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAであって、HGFと実質的に同質の活性を有するタンパク質をコードするDNA等が好ましく挙げられる。なお、配列番号:1又は2で表わされる塩基配列を有するDNAとハイブリダイズするDNAとは、例えば上記DNAをプローブとして、コロニー・ハイブリダイゼーション法、プラーク・ハイブリダイゼーション法あるいはサザンブロットハイブリダイゼーション法等を用いることにより得られるDNAを意味し、具体的には、コロニーあるいはプラーク由来のDNAを固定化したフィルターを用いて、約0.7〜1.0M程度の塩化ナトリウム存在下、約65℃程度でハイブリダイゼーションを行った後、約0.1〜2倍程度の濃度のSSC溶液(1倍濃度のSSC溶液の組成は、150mM 塩化ナトリウム、15mM クエン酸ナトリウムからなる。)を用い、約65℃程度の条件下でフィルターを洗浄後オートラジオグラフィーによって同定できるDNAを意味する。
上記の配列番号:1又は2で表される塩基配列を有するDNAとハイブリダイズするDNAとして具体的には、配列番号:1又は2で表わされる塩基配列と約70%以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基配列を有するDNA等が挙げられる。ハイブリダイゼーションは、公知の方法、例えば、上記モレキュラー・クローニング法等に従って行うことができる。また、市販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行うことができる。
また、公知のHGFの塩基配列情報から従来公知の方法を用いて化学合成によりクローニングすることもできる。化学合成法としては、例えば、フォスフォアミダイト法を利用したDNA合成機 model392(パーキン・エルマー株式会社製)等のDNA合成機で化学合成する方法等が挙げられる。
DNAの塩基配列の置換は、PCRや公知のキット、例えば、MutanTM−superExpress Km(宝酒造)、MutanTM−K(宝酒造)等を用いて、ODA−LA PCR法、gapped duplex法、Kunkel法等の公知の方法あるいはそれらに準じる方法に従って行うことができる。クローン化された本発明のHGFをコードするDNAは、目的によりそのまま、又は所望により制限酵素で消化したり、リンカーを付加したりして使用することができる。該DNAはその5’末端側に翻訳開始コドンとしてのATGを有し、また3’末端側には翻訳終止コドンとしてのTAA、TGA又はTAGを有していてもよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは、適当な合成DNAアダプターを用いて付加することもできる。
本発明に用いられるHGFをコードするDNAは、細胞内でのその安定性を高めるため、また、もし毒性があるならその毒性をより小さなものにするために修飾されていてもよい。このような修飾には、例えばJ.Kawakami et al.,Pharm Tech Japan,Vol.8、p247(1992);Vol.8,p395(1992);S.T.Crooke et al.eds.,Antisense Research and Applications,CRC Press(1993)等に記載された方法等が用いられる。また、本発明に用いられるHGFをコードするDNA等は、塩基以外の他の物質が付加されたものであってもよい。前記他の物質としては、糖;酸又は塩基;リン酸基骨格の電荷を中和するように働くポリリジンのようなポリカチオン体;又は、細胞膜との相互作用を高めたり、核酸の取込みを増大せしめるような脂質(例えば、ホスホリピド、コレステロール等)といった疎水性のものが挙げられる。付加するに好ましい脂質としては、コレステロールやその誘導体(例えば、コレステリルクロロホルメート、コール酸等)などが挙げられる。前記他の物質は、核酸の3’末端あるいは5’末端に付着させることができ、塩基、糖、分子内ヌクレオシド結合を介して付着させることができる。本発明のDNA等は、その末端が化学修飾されたものであってもよい。末端の修飾基としては、核酸の3’末端あるいは5’末端に特異的に配置されたキャップ用の基で、エキソヌクレアーゼ、RNase等のヌクレアーゼによる分解を阻止するためのものが挙げられる。こうしたキャップ用の基としては、例えば、ポリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等のグリコール等から導かれる当該分野で公知である水酸基の保護基が挙げられる。
本発明に用いられるHGFをコードするDNAは、発現ベクターに挿入されていてもよい。発現ベクターとしては、HGFを発現することができる発現ベクターが好ましい。
DNAが挿入された発現ベクターは、例えば、HGFをコードする塩基配列を有するDNA断片を、適当な発現ベクターに連結することにより構築することができる。発現ベクターの構築は、公知技術[Molecular Cloning、Cold Spring harbor Laboratory、A laboratory manual(1989)]等に従って実施できる。
前記発現ベクターとしては、プラスミドが好ましく、例えば大腸菌由来のプラスミド(例、pCR4、pCR2.1、pBR322、pBR325、pUC12、pUC13)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB110、pTP5、pC194)、酵母由来プラスミド(例、pSH19、pSH15)、pGL3(Promega社)、pCAGGS[Gene,108,193−200(1991)]、pBK−CMV、pcDNA3.1、pZeoSV(インビトロゲン社、ストラジーン社)、pcDL−SRα296[Molecular and Cellular Biology;8,466−472(1988))、pEF−BOS[Nucleic Acid Research;18,5322(1990)]、特表平11−511009公報記載のプラスミド等が挙げられる。
前記発現ベクターは、投与部位でのHGFの発現を強化するため、プロモーター及びエンハンサー等を含んでいるものが好ましい。
本発明において使用される粗大凝集アルブミン(MAA)は、微細化性を有しており、必要な時間肺に滞留後、微細化されて排泄され、肺シンチグラフィー等に利用されている粗大凝集アルブミン等を好ましく用いることができる。MAAは、哺乳動物、特にヒト血清アルブミンを用いるのが好ましい。MAAは、Colombettiら(Internatl J Nuclear Med Biol. 2:180−184(1975年))の方法により調製できる。
粗大凝集アルブミンと結合する、ポリエチレンイミン(PEI)は、カチオン密度の高いポリマーである。PEIは、エチレンイミンを酸触媒の存在下に重合させることにより製造することができる。該製造方法としては、例えば、エチレンイミンをポリメタロオキソ酸塩もしくは2,6−ジピバロイルオキシ安息香酸の存在下で重合させる方法(特開平11−158271号公報)等が挙げられる。
PEIとしては、分子量約20000〜70000のものが好ましい。
カチオン密度の高いポリマーのPEIはMAAと結合することにより、その結合体(MAA−PEI)は、負に荷電した分子に結合し得る。MAA−PEIは、アメリカ特許公報6821955号公報に記載の方法により調製できる。DNAは通常、負に荷電しているので、MAA−PEIにDNAを結合させることができる。
本発明においても、HGFをコードするDNAとMAA−PEIとが結合してなる複合体(以下、本発明の複合体という。)は、PEI表面が正に荷電しており、HGFをコードするDNA又はベクターがマイナスに荷電していることにより、イオン結合によって結合されるものである。
本発明の複合体は、例えばアメリカ特許公報6821955号公報に記載の方法に準じて、例えば、HGFをコードするDNA又は該DNAを含有する発現ベクターとMAA−PEIとを、例えば生理食塩水やPBS等の溶媒中でゆっくり攪拌し、その後その溶液を約0〜40℃、好ましくは室温で、約10〜60分間、好ましくは15〜30分間インキュベートすることによって製造することができる。
本発明の複合体における、HGFをコードするDNAの含有量は、特に限定されないが、通常約0.001〜0.5(w/w%)、好ましくは約0.005〜0.2(w/w%)、約0.01〜0.16(w/w%)で用いることができる。
本発明の複合体を含有する製剤としては、種々の製剤形態をとることができるが、注射剤が好ましい。注射剤は常法により調製することができ、例えば、本発明の複合体を適切な基剤に懸濁し、次いで無菌的な容器に充填することにより調製することができる。基剤としては、通常注射剤に用いる基剤であれば、特に制限されず、蒸留水、塩化ナトリウム、又は塩化ナトリウムと他の無機塩等との混合物の塩溶液、マンニトール、ラクトース、デキストラン、グルコース等の溶液、グリシン、アルギニン等のアミノ酸溶液、有機酸溶液又は塩溶液とグルコース溶液との混合溶液等が挙げられる。また、常法に従い、これらの基剤に浸透圧調整剤、pH調整剤、ゴマ油、ダイズ油等の植物油又はレシチン若しくは非イオン性界面活性剤等の界面活性剤等の助剤を用いて、懸濁液、分散液として注射剤を調製してもよい。
上記注射剤には、安定化剤を添加することができる。安定化剤としては、例えば、アルブミン、グロブリン、ゼラチンソルビトール、エチレングルコール又はプロピレングリコールなどが挙げられる。更に、本発明の注射剤は製剤化に必要な添加物、例えば、塩化第一スズ等の還元剤、エデト酸ナトリウム等の酸化防止剤、ベンジルアルコール等の無痛化剤等を含んでいてもよい。
これらの注射剤を粉末化、凍結乾燥等の操作により用時調整用製剤とすることもできる。
注射剤中の本発明の複合体の含有量は、約10〜100万個/mL、好ましくは約30〜60万個/mLに調製するのが好ましい。
注射剤中の本発明の複合体の粒子径は、注射剤として使用できる粒子径である必要があり、100μm以上の粒子を含まないものが好ましい。該粒子径は約10以上100μm未満、好ましくは約10〜60μmである。ただし、注射剤以外の剤形で用いる場合には、その粒子径は特に限定されない。
本発明の複合体を含有する注射剤は、いくつかの投与経路により投与することができ、例えば、静脈、動脈、皮下、筋肉内などに投与することができるが、静脈内投与が最も好ましい。その投与量は、患者の症状、年齢、体重などにより適宜調整されるが、通常本発明の複合体として、患者(60kg)に対して約10〜100万個/日、好ましくは約30〜60万個/日である。投与は、約1〜5日、好ましくは約3〜4日間隔で行なうのが好ましい。なお、本発明の複合体が溶液中で沈殿している場合には、該沈殿を撹拌してから、投与するのが好ましい。
投与された本発明の複合体は、肺に選択的に集積し、該集積部位において、DNAが発現してHGFを産生するので、ヒトをはじめとする哺乳動物(例えば、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、イヌ、ネコ等)のHGFが有効とされる肺疾患の治療に用いることができる。肺疾患としては、例えば、肺線維症、間質性肺炎、肺気腫、肺高血圧症、肺炎、肺結核、慢性閉塞性肺疾患、塵肺又は嚥下性肺炎肺線維症が挙げられる。これらの肺疾患の中でも、特に肺線維症の治療に効果を発揮する。
以下、本発明を更に詳しく説明するため実施例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例において、PBSはリン酸緩衝食塩水を示し、BLMはブレオマイシンを示す。また、データは平均値±標準偏差を示す。異なる2群のデータを統計学的に比較するためにはMann−WhitneyのU検定を用い、危険率5%以下を有意差があると判定した。
[MAA−PEI−HGF発現プラスミドの調製]
1.HGF発現プラスミドの調製
ヒトHGFの全長cDNA(2.2kb)を、pCAGGS(Gene 108:193−200、1991)のXho Iサイトに挿入し、チキンβ―アクチンプロモーターの制御下にヒトHGF遺伝子を発現するプラスミド(以下において、HGF/pCAGGSとも表示する。)を調製した。
2.MAA−PEIの調製
ヒト血清アルブミン(以下、HSAと略記する。)50mg(0.72μmol)を、0.1M重炭酸ナトリウム1mLと混合した溶液(pH8.5)に、0.25mg(0.8μmol)N−サクシンイミジル 3−(ピリジルジチオ)プロピオネート(Pierce、Rockford、IL)のDMSO溶液10μLを添加し、反応させた(以下、HSA溶液ともいう)。PEI(分子量25,000;Aldrich、Milwaukee、WI)18mg(0.72μmol)を、精製水1mLに溶解した溶液を、1M塩酸でpH8.5に調整した(以下、PEI溶液ともいう)。該PEI溶液に、0.25mg(0.8μmol)N−サクシンイミジル 3−(ピリジルジチオ)プロピオネートのDMSO溶液10μLを攪拌しながら加え、数時間撹拌した。PBSで平衡化したNAP−10カラム(Pharmacia、Piscataway、NJ)にHSA及びPEI溶液を別々に添加した。PEI溶出液に、Reductacryl(Calbiochem、San Diego、CA)15mgを加え還元処理を数時間おこなった。次いで、HSAに対するPEIのモル比が1:2になるように、HSA溶出液中にPEI溶出液をゆっくり撹拌しながら添加した。攪拌を一晩中続け、この溶液をPBSで5mLに調製し、1M塩酸でpHを5.5−6.0に調整した。前記調製溶液を激しく攪拌しながら85℃で凝集化を行った。凝集したMAA−PEIを穏やかに遠心分離し、沈殿(MAA−PEI)をPBS中で再懸濁し、遠心分離することによって2回洗浄した。そして、洗浄後のMAA−PEIをPBSで最終容積4mLとなるよう再懸濁した。
3.MAA−PEI−HGF/pCAGGSの調製
上記2で調製したMAA−PEI溶液を生理食塩水で10質量%となるよう希釈懸濁した。その希釈懸濁溶液(175μL)をゆっくり撹拌しながら、上記1で調整したHGF/pCAGGS(200ng/μL PBS)25μLを滴下した。プラスミドの添加されたMAA−PEI懸濁溶液を室温で20分間インキュベートし、MAA−PEI−HGF/pCAGGSを得た。
[参考例]
アデノウイルスベクターの調製
ヒトHGF発現プラスミドの起炎症作用をアデノウイルスベクターによるものと比較するために、外来性の挿入遺伝子を組み込んでいない非増殖性アデノウイルスベクター(以下において、AdCMV−Nullとも表示する。)を準備した。
[試験例]
1.MAAの肺内分布の確認試験
99mTc−MAA(ラングシンチ Tc−99m、日本メジフィジックス株式会社)60μLをマウス尾静脈より静脈内に注入し、ピンホールコリメーターを装着したガンマカメラにて経時的に撮像した。
その結果を図1に示した。ガンマカメラ像は、99mTc−MAAがマウスの肺部位に集積していることを示した(図1A)。また、99mTc−MAA投与後1時間及び6時間の各臓器における99mTcによる放射線量を図1Bに示した。99mTc−MAA6時間後においても肺における99mTcの放射線量が高かった。
2.MAA−PEI−HGF/pCAGGSによる肺でのトランスフェクション能力
(1)プラスミド投与量とHGF発現量との関係
HGF/pCAGGS(0、0.5、1、5μg)及びMAA−PEI−HGF/pCAGGS(0、0.5、1、5μg)を、マウス(各群5匹)尾静脈よりそれぞれ静脈内に注入し、2時間後に肺のHGFをhuman HGF ELISA kit(R&D社)で測定し、HGF産生量とした。
その結果を図2に示した。肺におけるHGF産生量は、MAA−PEI−HGF/pCAGGS投与群(黒カラム)では1μg投与群が最も高値であり、HGF/pCAGGS投与群よりも有意(p<0.05)に高値であった。5μgを投与した場合でもMAA−PEI−HGF/pCAGGSを投与したほうが、HGF/pCAGGS投与群よりもHGF発現量は高値であった。
(2)トランスフェクション能力
HGF/pCAGGS(10μg)及びMAA−PEI−HGF/pCAGGS(1μg)を、マウス(各群5匹)尾静脈よりそれぞれ静脈内に注入し、経時的に肺におけるHGF発現量をhuman HGF ELISA kit(R&D社)で測定した。また、MAA−PEI−HGF/pCAGGS(1μg)をマウス(各群5匹)尾静脈より静脈内に注入し、その3日及び6日後にさらにMAA−PEI−HGF/pCAGGS(1μg)を静脈内に注入し、経時的に肺におけるHGF発現量を同様に測定した。
その結果を図3に示した。HGF/pCAGGS(10μg)投与後のマウス肺中のHGFの発現は12時間から24時間まで徐々に増加し、2日で最高レベルに達し、5日で消失した(図3;−□−)。これに対して、MAA−PEI−HGF/pCAGGS(1μg)投与群におけるHGFの発現の持続時間は、14日以上持続した(図3;−■−)。3日及び6日後にさらにMAA−PEI−HGF/pCAGGS(1μg)投与した群では、肺におけるHGF発現量は、投与後9日まで増加し、その後減少した(図3;黒塗り三角)。
3.MAA−PEI−HGF/pCAGGS投与後の臓器移行性試験
HGF/pCAGGS(10μg)及びMAA−PEI−HGF/pCAGGS(1μg)を、マウス(各群5匹)尾静脈よりそれぞれ静脈内に注入し、3日後にエーテル麻酔下、マウスの血液を腋窩動脈から採血後、肺、肝臓、脾臓、腎臓、心臓を摘出し、血清及び各臓器におけるHGF発現量をhuman HGF ELISA kit(R&D社)で測定した。
その結果を図4に示した。MAA−PEI−HGF/pCAGGS投与群の肝臓におけるHGF発現量は、HGF/pCAGGS投与群に比較して、有意に低かった。また、MAA−PEI−HGF/pCAGGS投与群の脾臓、腎臓及び心臓では殆どHGFの発現が認められなかった。HGF/pCAGGS投与群及びMAA−PEI−HGF/pCAGGS投与群共、血清中にHGFの発現は認められなかった。
4.プラスミド血管内安全性確認試験
アデノウイルスベクター(AdCMV−Null) 1×1010粒子、HGF/pCAGGS(10μg)又はMAA−PEI−HGF/pCAGGS(1μg)を、マウス(各群7匹)尾静脈より静脈内に注入し、5時間後の炎症性サイトカイン[TNF−α(腫瘍壊死因子)及びインターロイキン−6(IL−6)]の血清中濃度を各々ELISA kit(R&D社)で測定した。なお、対照としてPBSを同様に静脈内に投与した。
その結果を図5に示した。アデノウイルスベクター投与5時間後の、血清中TNF−α及びIL−6は著明に上昇した。それに対してHGF/pCAGGS又はMAA−PEI−HGF/pCAGGS投与群の血清中TNF−α及びIL−6は共に、PBS投与による効果と統計学的な差を認めなかった。本結果は、MAA−PEI−HGF/pCAGGSの血管内での安全性を示すものである。
5.HGF発現プラスミド投与による抗炎症効果及び抗線維化効果
(1)動物の処置
C57BL/6マウス(メス、17−20g)に、塩酸ケタミン(三共株式会社)及び塩酸キシラジン(バイエル株式会社)麻酔下、塩酸ブレオマイシン(日本化薬株式会社)90μgを経鼻投与した。HGF/pCAGGS(10μg/200μL)又はMAA−PEI−HGF/pCAGGS(1μg/200μL)は生理食塩水で調製し、ブレオマイシン投与後第1、4及び7日目に尾静脈より静脈内投与した。マウスはエーテル麻酔下、腋窩動脈から採血し、脱血死させた。対照としてPBS又はpCAGGSを投与した。
(2)抗炎症効果
ブレオマイシン投与後7日目に肺を摘出し、肺組織の炎症性サイトカイン(TNF−α及びIL−6)をELISA kit(R&D社)で測定した。
その結果を図6に示した。ブレオマイシン投与後7日目のMAA−PEI−HGF/pCAGGS投与群の肺組織中のTNF−α及びIL−6は、PBS投与群と比較して、有意に低かった。
(3)抗線維化効果
ブレオマイシン投与後21日目に肺を摘出し、肺組織のヒドロキシプロリン量を測定した。ヒドロキシプロリン量の測定は以下によった。すなわち、ホルマリン固定した右肺を、アセトンに6時間浸した後、エーテルにて脱脂を行なった。十分に乾燥した肺をすりつぶして、6Nの塩酸を用いて115℃で16時間の加水分解を行なった。高速液体クロマトグラフィーにてヒドロキシプロリン含量を測定した。また、常法に従って病理切片を作成し、組織学的観察をおこなった。
その結果を図7に示した。MAA−PEI−HGF/pCAGGS投与群では、ブレオマイシンによるヒドロキシプロリン産生の抑制が認められた。
また、病理組織学的観察においても、MAA−PEI−HGF/pCAGGS投与群では、ブレオマイシンによる線維性病変が減少していた。
(4)アポトーシスに対する効果
ブレオマイシン投与後3日目及び7日目に肺を摘出し、常法に従ってパラフィン包埋切片を作成した。前記切片を倍率1000倍で、スライド当たり、無作為に10視野選択して、Apoptosis−Detection Kit(タカラバイオ株式会社)でアポトーシス細胞を検出した。前記選択した10視野を1ユニットとし、ユニット当たりのアポトーシス細胞数(アポトーシス細胞/肺ユニットエリア)を測定した。
その結果を図8に示した。ブレオマイシンにより増加するアポトーシス細胞が、MAA−PEI−HGF/pCAGGS投与群では、有意に減少した。
(5)HGF受容体に対する効果
HGF受容体に対する効果は、肺に存在するリン酸化されたc−Metを、ウエスタンブロットを用いて検出することにより実施した。
すなわち、ブレオマイシン投与後3日及び7日後の肺を摘出し、プロテアーゼインヒビターを含む冷却したPBSで肺を還流し、液体窒素にて凍結した。この肺0.1gを1mLの溶解液[プロテアーゼインヒビターを含む:150mM NaCl、50mM トリス−HCl(pH7.5)、25mM β−グリセロホスフェート(glycerophosphate)、10%グリセロール(glycerol)、1% TritonX−100、1mM NaVO(オルトバナジン酸(V)ナトリウム)、50mM NaF、1mM PMSF(フッ化フェニルメチルスルホニル)、プロテアーゼインヒビターカクテル(シグマ社)5μL/mL]に懸濁した。その後ローテーターにて4℃、0.5〜1時間攪拌し、遠心分離した(15,000rpm,30分間)。可溶画分を採取し、そして可溶画分にprotein G−Sepharose(Amersham)を添加し、インキュベートした。遠心分離してprotein G sepharoseを除去し、得られた上清に抗Met抗体(Santacruz B−2)を加え、免疫沈降させた。免疫沈降物をジチオスレイトールで還元後、5質量%ポリアクリルアミドゲルを用いたSDS−PAGEで電気泳動にかけ、エレクトロトランスファーによりポリビニリデンジフルオリド(PVDF)膜に転写した。PVDF膜に転写されたリン酸化されたMetを、リン酸化認識抗体(UBI 7−211;コスモ・バイオ株式会社)を用いて検出した。
その結果を図9に示した。MAA−PEI−HGF/pCAGGS投与群では、c−Metのチロシンのリン酸化を誘因することがわかった。
このことは、本発明の複合体は、肺においてHGFを産生し、かつ肺でのHGF受容体のc−Metのチロシンのリン酸化を誘因してHGF依存的な細胞分化を促進することを示唆するものである。
〔製剤例1〕
実施例1で作成した複合体 3 mg
塩化第一スズ 0.1mg
ベンジルアルコール 10.4mg
酢酸ナトリウム 7.2mg
プロピレングリコール 83 mg
注射用水 適量
上記を常法に従い混合し、全量を1mLとする。バイアル瓶に入れ、使用めで凍結保存する。
本発明の複合体及び該複合体を含有する注射剤は、安全に肺疾患の治療に利用できる。
図1は、マウスに99mTc−MAAを静脈内投与後の臓器分布を示す図である。図中Aは、ガンマカメラ像を示し、Bは各臓器における99mTcの放射線量を示す。■は、1時間後の各臓器における99mTcの放射線量を示し、□は、6時間後の各臓器における99mTcの放射線量を示す。 図2は、プラスミド投与量とHGF発現量との関係を示す図である。図中、□はHGF/pCAGGS投与群を、■はMAA−PEI−HGF/pCAGGS投与群を示す。 図3は、pCAGGSとMAA−PEI−HGF/pCAGGSのトランスフェクション能力を示す図である。図中、□はHGF/pCAGGS投与群を、■はMAA−PEI−HGF/pCAGGS投与群を、黒塗り三角はMAA−PEI−HGF/pCAGGS3回投与群を示す。矢印は、MAA−PEI−HGF/pCAGGS3回投与群におけるMAA−PEI−HGF/pCAGGS投与時を示す。 図4は、MAA−PEI−HGF/pCAGGS投与後の各臓器でのHGF発現量を試験した図を示す。図中、□はHGF/pCAGGS投与群を、■はMAA−PEI−HGF/pCAGGS投与群を示す。*は有意差、p<0.05を示す。 図5は、プラスミド投与後の炎症性サイトカインを示す図である。図中、■はTNF−αを、□はIL−6を示す、*は有意差、p<0.05を示す。 図6は、ブレオマイシン誘発肺炎症に対する効果を示す図である。図中、■はTNF−αを、□はIL−6を示す、*は有意差、p<0.05を示す。 図7は、ブレオマイシン誘発肺線維症に対する効果を示す図である。図中、ドットカラムはHGF発現プラスミド単独(HGF/pCAGGS 10μg)投与群を、斜線カラムはMAA−PEIにHGF発現プラスミド(MAA−PEI−HGF/pCAGGS 1μg)投与群を示す。*は有意差、p<0.05を示す。 図8は、ブレオマイシン誘発肺アポトーシス細胞に対する効果を示す図である。*は有意差、p<0.05を示す。 図9は、ブレオマイシン投与後3日及び7日後の肺におけるリン酸化されたc−Metのウエスタンブロットの結果を示す図である。

Claims (8)

  1. 肝細胞増殖因子(HGF)をコードするDNAと粗大凝集アルブミン−ポリエチレンイミン(MAA−PEI)とが結合してなる複合体。
  2. DNAが次のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の複合体;
    (a)配列表の配列番号1に記載の塩基配列からなるDNA;又は
    (b)配列表の配列番号1に記載の塩基配列を有するDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ肝細胞増殖因子(HGF)活性を有するタンパク質をコードする塩基配列からなるDNA。
  3. DNAが次のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の複合体;
    (a)配列表の配列番号2に記載の塩基配列からなるDNA;又は
    (b)配列表の配列番号2に記載の塩基配列を有するDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつHGF活性を有するタンパク質をコードする塩基配列からなるDNA。
  4. DNAが発現ベクターに挿入されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の複合体。
  5. 発現ベクターがプラスミドであることを特徴する請求項4記載の複合体。
  6. 複合体の粒子径が10μm以上100μm未満であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の複合体。
  7. 請求項6記載の複合体を含有することを特徴とする肺疾患治療用注射剤。
  8. 肺疾患が、肺線維症、間質性肺炎、肺気腫、肺高血圧症、肺炎、肺結核、慢性閉塞性肺疾患、塵肺及び嚥下性肺炎から選択される少なくとも1の疾患であることを特徴とする請求項7に記載の肺疾患治療用注射剤。
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