JP2006302811A - 電極合剤ペースト塗布方法及び塗布装置 - Google Patents

電極合剤ペースト塗布方法及び塗布装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 電極合剤ペーストに浸漬したロールにて芯材に電極合剤ペーストを塗布する方法において、高粘度の電極合剤ペーストの場合にも塗布寸法精度が低下するのを回避できる電極合剤ペーストの塗布方法を提供する。
【解決手段】 開孔金属薄板からなる帯状の芯材1をその長手方向に走行させて送給し、電極合剤ペースト6内に浸漬されたロール8の外周の一部に芯材1を巻回し、ロール8の回転により走行させて芯材1の両面に電極合剤ペースト6を塗布し、その後電極合剤ペースト6の塗布厚を調整し、塗布された電極合剤ペースト6を乾燥する塗布方法において、ロール8の外周面に回転方向に沿って溝16を形成し、ロール8外周と芯材1との間に入り込んだ電極合剤ペースト6を円滑に放出させることによって、芯材1の蛇行を抑制し、塗布寸法精度の低下を回避するようにした。
【選択図】 図2

Description

本発明は電極合剤ペースト塗布方法及び塗布装置に関し、特に開孔金属薄板から成る芯材の両面に電極合剤ペーストを所要の精度で生産歩留まり良く塗布できる塗布方法及び塗布装置に関するものである。
アルカリ蓄電池やリチウムイオン二次電池などの電池は、ポータブル機器や電動工具、あるいは電気自動車用の電源として広く用いられている。中でも、比較的エネルギー密度が高く、耐久性に優れるニッケル水素蓄電池は、電気自動車用電源を中心にその用途が広がりつつある。
ニッケル水素蓄電池は、一般的に三次元金属多孔体に水酸化ニッケルその他を充填してなる正極と、パンチングメタルなどの開孔金属薄板から成る芯材に水素吸蔵合金その他からなる電極合剤ペーストを塗布してなる負極とを主構成要素としている。その中で、負極は、その工法上連続生産が可能であり、高効率な工程により製造できるので注目されている。
具体的には、所定の隙間を下部に設けた容器に電極合剤ペーストを収容し、容器下部の隙間から上方に向けて芯材を貫通走行させることで、電極合剤ペーストに芯材を浸漬して芯材の両面に電極合剤ペーストを塗布し、その後電極合剤ペーストの塗布厚を調整するようにされている(例えば、特許文献1参照。)。
また、特許文献1の塗布方法では電極合剤ペーストの粘度や芯材の走行速度によっては、下部に設けた隙間から電極合剤ペーストが漏出する恐れがある。そこで、このような懸念を避けるため、ポリマーを溶解させた溶液中にロールを浸漬させ、このロールに電極シートを巻き付けてロールを回転させることで、電極シートにポリマーを含浸させるという非電解質二次電池の製造方法が提案されており(例えば、特許文献2参照。)、この製造方法をニッケル水素蓄電池用負極などに適用することが考えられる。
特開平9−129195号公報 特開2000−124299号公報
ところで、ニッケル水素蓄電池用負極など、塗布工程によって製造される電極用の電極合剤ペーストは、一般に保管安定性などを考慮して、B型粘度計による測定結果で50〜400ポイズ、多くは150〜300ポイズの粘度となるように調製されている。このような高粘度の電極合剤ペースト中に浸漬したロールに芯材を巻き付け、ロールを回転させて芯材に電極合剤ペーストを塗布するようにすると、ロール表面が平滑な場合、ロールと芯材の間に入り込んだ高粘度の電極合剤ペーストが、その粘度の高さ故に芯材に形成されている孔から逃出せず、芯材がロール外周面から浮き上がって芯材が蛇行して走行し、芯材の幅方向の塗布寸法精度が低下するという問題がある。また、特許文献2では、ロールの外周面に穴や凹凸を設けて電極シートにポリマーを十分に接触させるようにしたものが開示されているが、このような問題を改善するものではない。
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、電極合剤ペーストに浸漬したロールにて芯材に電極合剤ペーストを塗布する方法において、高粘度の電極合剤ペーストの場合にもロールに巻き付けた芯材が蛇行して塗布寸法精度が低下するのを回避できる電極合剤ペーストの塗布方法及び塗布装置を提供することを課題とする。
本発明の電極合剤ペーストの塗布方法は、開孔金属薄板からなる帯状の芯材をその長手方向に走行させて送給する送給工程と、電極合剤ペースト内に浸漬されるとともに外周面に回転方向に沿う溝が形成されたロールの外周の一部に芯材を巻回してロールの回転により走行させ、芯材の両面に電極合剤ペーストを塗布する塗布工程と、電極合剤ペーストの塗布厚を調整する調整工程と、塗布された電極合剤ペーストを乾燥する乾燥工程とを有するものである。
この構成によると、電極合剤ペースト内に浸漬されたロールに芯材を巻回してその両面に電極合剤ペーストを塗布する工程で、ロール外周と芯材との間に入り込んだ電極合剤ペーストの大部分が溝に導かれ、溝を通してロールと芯材との間の隙間の外部に円滑に放出されるので、ロール外周と芯材との間に高粘度の電極合剤ペーストの厚い層が形成され、芯材がロール外周面から浮き上がって芯材が蛇行して走行し、芯材の幅方向の塗布寸法精度が低下するというような事態の発生を回避することができる。
また、ロール外周面の溝は、ロール軸方向のピッチ間隔が5〜50mmでかつ溝幅がピッチ間隔の50〜95%となるように形成すると、芯材の平面性を保持できるように確実に支持しながら、溝による電極合剤ペーストの放出作用を十分に確保でき、上記作用効果が確実に得られて好適である。
また、本発明の電極合剤ペーストの塗布装置は、コイル状に巻かれた開孔金属薄板からなる芯材を巻き出すアンコイラー部と、電極合剤ペースト内に浸漬されるとともに外周面に回転方向に沿う溝が形成されたロール外周の一部に芯材を巻回して芯材の両面に電極合剤ペーストを塗布する塗布部と、電極合剤ペーストの塗布厚を調整する塗布厚調整部と、電極合剤ペーストを乾燥する乾燥部と、電極合剤ペーストが塗布され乾燥された芯材をコイル状に巻き取るコイラー部とを備えているものである。
この構成によると、アンコイラー部から送給された芯材に、電極合剤ペースト内にロールを浸漬した構成の塗布部にて高粘度の電極合剤ペーストを塗布する際に、上記塗布方法による作用効果を奏することができるので、芯材の幅方向の塗布寸法精度が低下することなく電極合剤ペーストが塗布され、コイラー部で電極合剤ペーストが塗布され乾燥された芯材のコイルを得ることができる。
また、ロール外周面の溝を、ロール軸方向のピッチ間隔が5〜50mmでかつ溝幅がピッチ間隔の50〜95%となるように形成すると、上記のように芯材の平面性を保持できるように確実に支持しながら、溝による電極合剤ペーストの放出作用を十分に確保でき、上記作用効果が確実に得られて好適である。
本発明の電極合剤ペーストの塗布方法によれば、電極合剤ペースト内に浸漬されたロールに芯材を巻回してその両面に電極合剤ペーストを塗布する工程で、ロール外周と芯材との間に入り込んだ電極合剤ペーストの大部分が溝を通してロールと芯材との間の隙間の外部に円滑に放出されるので、芯材がロール外周面から浮き上がって蛇行して走行し、芯材の幅方向の塗布寸法精度が低下するという事態の発生を回避することができる。
以下、本発明の電極合剤ペーストの塗布方法及び塗布装置の一実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る塗布装置100の全体概略構成を示す斜視図である。塗布装置100は、開孔金属薄板から成る帯状の芯材1を巻回した芯材コイル2を保持して芯材1を巻き出すアンコイラー部3を備えている。芯材1はアンコイラー部3から水平方向に引き出され、ガイドローラ4に略90°巻き付けられ、下方に向けて方向転換して走行して塗布部5に導かれる。
塗布部5は、電極合剤ペースト6を満たしたペースト槽7を備え、そのペースト槽7の中に、図2に示すように、水平軸芯回りに回転駆動可能なロール8が電極合剤ペースト6に大部分若しくは全部浸漬した状態で配設されている。そして、塗布部5に導かれた芯材1が、電極合剤ペースト6に浸漬されたロール8に略180°巻回されて上向きに走行する間に、芯材1の両面全面に電極合剤ペースト6が塗布される。
電極合剤ペースト6が塗布された芯材1は、そのまま上方に走行して塗布厚調整部9を通過する間に電極合剤ペースト6の塗布厚が調整されて電極ペースト塗布シート10となる。電極ペースト塗布シート10は、ガイドローラ11に略90°巻き付けられ、水平方向に方向転換して走行し、乾燥部12に導かれ、電極合剤ペースト6が乾燥されて電極シート13となり、この電極シート13がコイラー部14で巻き取られて電極コイル15が製造される。
塗布部5において、ロール8の外周面には回転方向に沿って環状に断面円弧状の溝16が多数並列して形成されている。これらの溝16は、50〜400ポイズ、多くは150〜300ポイズ(B型粘度計による)というような高粘度の電極合剤ペースト6を、ロール8の外周面と芯材1との間の隙間から円滑に放出でき、かつ芯材1の平面性を保持できる状態で芯材1を支持できる支持面を確保できるように形成されている。具体的には、図3に示すように、溝16のピッチ間隔Pが5〜50mmに設定され、溝16のロール軸方向の溝幅wが(0.5〜0.95)×Pに設定されている。なお、溝16の断面形状は円弧形状に限らず、台形状や矩形状など任意の形状でよく、また溝16の深さdは溝16内に所要量の電極合剤ペースト6を収容して円滑に放出できる断面積を確保できるように設定され、余り深くても効果は向上せず、通常は2〜4mm程度に設定される。これらの範囲に対して、ピッチ間隔Pが大きく、溝幅wが小さかったり、ピッチ間隔P及び溝幅wが小さかったりすると、高粘度の電極合剤ペースト6を溝15を通してローラ8の外周面と芯材1との間の隙間から円滑に放出できず、逆にピッチ間隔P及び溝幅wが大きいと、芯材1を平面性を保持して支持できなくなる。
塗布部5を以上のように構成することにより、電極合剤ペースト6内に浸漬されたロール8に芯材1を巻回してその両面に電極合剤ペースト6を塗布する工程で、ロール8の外周面と芯材1との間に入り込んだ電極合剤ペースト6の大部分が溝16に導かれ、溝16を通してロール8と芯材1との間の隙間の外部に円滑に放出されるので、ロール8の外周面と芯材1との間に高粘度の電極合剤ペースト6の厚い層が形成され、芯材1がロール8の外周面から浮き上がり、芯材1が蛇行して走行するというような事態の発生を確実に抑制することができ、その結果芯材1幅方向における電極合剤ペースト6の塗布寸法精度が低下するのを回避することができる。
以上の実施形態の説明から分かるように、本発明は芯材が開孔金属薄板である限り、負極に限定されないのは言うまでも無く、例えばアルカリ蓄電池の焼結式ニッケル正極の前駆体であるシンター基板や、開孔金属薄板としてラスメタルを用いたリチウムポリマー電池の正負極にも適用可能である。
以下に、本発明をニッケル水素蓄電池の負極(水素吸蔵合金電極)に適用した実施例と比較例について説明する。
(実施例1)
組成式MmNi3.55Co0.75Mn0.4 Al0.3 で表される水素吸蔵合金を湿式ボールミルにより水中で平均粒径30μmに粉砕して水素吸蔵合金粉末を得た。この水素吸蔵合金粉末をアルカリ水溶液に浸漬して表面処理した後、この水素吸蔵合金粉末100kgに対し、固形分比1.5%のカルボキシメチルセルロース水溶液10kg及びケッチェンブラック0.4kgを加えて混練し、さらに固形分比40%のスチレン−ブタジエン共重合体ゴム粒子の水溶液1.75kgを加えて攪拌することにより、電極合剤ペースト6を作製した。
この電極合剤ペースト6を、厚さ60μm、幅300mm、パンチング孔径1mm、開口率42%のニッケルメッキを施した鉄製パンチングメタルから成る芯材1(芯材コイル2の全長200m)の両面に、幅260mm、塗布後の総厚が260μmとなるよう、両側縁20mmづつ電極合剤ペースト6を掻き取りながら、5m/分の速度で塗布した。具体的には、図1及び図2に示すように芯材1と各構成部を配設した。また、ロール8は、直径が200mm、軸方向の長さが400mmであり、溝16はピッチ間隔P=10mm、溝幅w=8mm、溝深さd=2.5mmに設定した。
以上の条件で、電極合剤ペースト6を芯材1に200mにわたって塗布を行った後、電極ペースト塗布シート10の最後部(塗り終わりの箇所)において、芯材1の片端から電極合剤ペースト6の塗布部までの寸法を測定した。その結果は、初期設定値20mmに対して、ずれ量は僅か0.05mmであった。
(実施例2〜5)
実施例1に対し、ロール8の表面に形成する溝16のピッチ間隔Pを、50mm(実施例2)、25mm(実施例3)、7mm(実施例4)、5mm(実施例5)とし、溝幅wを、ピッチ間隔P×0.8に設定した以外は実施例1と同様にして、芯材1に電極合剤ペースト6を塗布した。
電極合剤ペースト6を芯材1に200mにわたって塗布を行った後、電極ペースト塗布シート10の最後部において、芯材1の片端から電極合剤ペースト6の塗布部までの寸法を測定した。その結果は、初期設定値20mmに対して、ずれ量はそれぞれ1.6mm(実施例2)、0.7mm(実施例3)、0.3mm(実施例4)、1.0mm(実施例5)であった。
(比較例1)
実施例1に対し、ロール8の表面に溝16を設けなかった以外は、実施例1と同様に電極合剤ペースト6を塗布した。電極合剤ペースト6を芯材1に200mにわたって塗布を行った後、電極ペースト塗布シート10の最後部において、芯材1の片端から電極合剤ペースト6の塗布部までの寸法を測定した。その結果は、初期設定値20mmに対して、ずれ量は3.4mmであった。
(比較例2)
実施例1に対し、ロール8の表面に、ロール軸方向に沿う溝を回転方向に等間隔に10本設けた以外は、実施例1と同様に電極合剤ペースト6を塗布した。電極合剤ペースト6を芯材1に200mにわたって塗布を行った後、電極ペースト塗布シート10の最後部において、芯材1の片端から電極合剤ペースト6の塗布部までの寸法を測定した。その結果は、初期設定値20mmに対して、ずれ量は3.1mmであった。
以上のように、ロール8の外周面に回転方向に沿う溝16を設けたことにより、高粘度の電極合剤ペースト6によって芯材1が浮き上がって蛇行して走行するのを大幅に抑制できた。なお、溝16は、実施例1〜5のようにピッチ間隔Pを5〜50mmに設定するのが好ましく、中でも実施例1、3〜5のように、5〜25mmに設定すると、蛇行量を1mm以下に抑制できて好適である。ここで、比較例2のように、ロール8にそのロール軸方向に沿って溝を設けたものは、比較例1のように溝を設けないものと蛇行量はほぼ同等であった。すなわち、ロール8の外周と芯材1との間の隙間に入り込んだ高粘度な電極合剤ペースト6は、物理的にロール8の回転に伴って放出されるので、回転方向と無関係に溝を設けても、 本発明の効果が得られないことが分かった。
本発明の電極合剤ペーストの塗布方法は、電極合剤ペースト内に浸漬されたロールに芯材を巻回してその両面に電極合剤ペーストを塗布する塗布方法において、保管安定性を考慮した高粘度な電極合剤ペーストを用いても、 芯材の幅方向に高い寸法精度で塗布できるので、種々の電池の電極製造技術として利用可能性が高く、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池などの各種電池の電極製造に有用である。
本発明に係る電極合剤ペーストの塗布装置の一実施形態の構成を模式的に示す斜視図。 同実施形態における塗布部の要部構成を示す斜視図。 同実施形態におけるロール外周の溝の詳細断面図。
符号の説明
1 開孔金属薄板から成る芯材
3 アンコイラー部
5 塗布部
6 電極合剤ペースト
8 ロール
9 塗布厚調整部
12 乾燥部
14 コイラー部
16 溝
100 塗布装置

Claims (4)

  1. 開孔金属薄板からなる帯状の芯材をその長手方向に走行させて送給する送給工程と、電極合剤ペースト内に浸漬されるとともに外周面に回転方向に沿う溝が形成されたロールの外周の一部に芯材を巻回してロールの回転により走行させ、芯材の両面に電極合剤ペーストを塗布する塗布工程と、電極合剤ペーストの塗布厚を調整する調整工程と、塗布された電極合剤ペーストを乾燥する乾燥工程とを有することを特徴とする電極合剤ペーストの塗布方法。
  2. ロール外周面の溝は、ロール軸方向のピッチ間隔が5〜50mmでかつ溝幅がピッチ間隔の50〜95%となるように形成することを特徴とする請求項1記載の電極合剤ペーストの塗布方法。
  3. コイル状に巻かれた開孔金属薄板からなる芯材を巻き出すアンコイラー部と、電極合剤ペースト内に浸漬されるとともに外周面に回転方向に沿う溝が形成されたロール外周の一部に芯材を巻回して芯材の両面に電極合剤ペーストを塗布する塗布部と、電極合剤ペーストの塗布厚を調整する塗布厚調整部と、電極合剤ペーストを乾燥する乾燥部と、電極合剤ペーストが塗布され乾燥された芯材をコイル状に巻き取るコイラー部とを備えていることを特徴とする電極合剤ペーストの塗布装置。
  4. ロール外周面の溝は、ロール軸方向のピッチ間隔が5〜50mmでかつ溝幅がピッチ間隔の50〜95%となるように形成したことを特徴とする請求項3記載の電極合剤ペーストの塗布装置。
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