JP2006304501A - トンネル内ケーブル管路の耐火被覆構造 - Google Patents

トンネル内ケーブル管路の耐火被覆構造 Download PDF

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Abstract

【課題】けい酸カルシウム板どうしの接合部分に隙間を生ずることがなく、スペース的にも有利なトンネル内ケーブル管路の耐火被覆構造を提供する。
【解決手段】トンネル内に設置される、内部に1本または複数本のケーブル(3,4)が付設されたケーブル管路(2a,2b,2c)またはケーブル管路(2a,2b,2c)の複数本集合体の耐火被覆構造において、ケーブル管路(2a,2b,2c)またはケーブル管路(2a,2b,2c)の複数本集合体の外周に断熱マット材が当接して被覆され、その外周にはアルミ箔層(6)が当接して被覆され、その外側がトンネル内壁と耐火被覆材によって取り囲まれ、且つ耐火被覆材とトンネル内壁の接触部位に不陸調整材(10)を設置することにより、ケーブル管路(2a,2b,2c)またはケーブル管路(2a,2b,2c)の複数本集合体がトンネル内の空間から遮断される構成を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、トンネル内に電気・通信用ケーブルを付設するためにトンネル内壁に設置されたケーブル管路の耐火被覆構造に関するものである。
通常、トンネル内には、ケーブル管路が設置されており、その内部に1本または複数本の電気・通信用ケーブルが付設されている。このケーブル管路は鋼製電線管または硬質塩化ビニル管等から構成されており、また、電気・通信用ケーブルは塩化ビニル等のプラスチック被覆材により被覆されたものが多用されている。トンネル内で火災等が発生すると、トンネル内という特殊な環境下であるが故に、熱の逃げ場がなく、ケーブル管路は短時間で高温(1200℃以上)に曝され、内部に付設された電気・通信用ケーブルの損傷、切断といった深刻なトラブルの原因となる恐れがある。そこで、火災による熱を遮断するために、セラミック系耐火板とロックウールより構成された保護ボックスが開発され、例えば、トンネルの内壁に付設されたケーブル管路を保護ボックスで囲み、火災による熱からケーブル管路を遮断することが試みされている。
また、特許文献1には、トンネルの内壁を利用して設けられた設備を耐火板構造の保護ボックスにより囲んでトンネル空間より遮断し、そのトンネル内での車両事故等による火災時に保護ボックス内に伝播した熱を、該保護ボックスの内面側に設けられていてトンネルのコンクリート躯体側と接する金属板を通して、コンクリート躯体側へ逃がすことを特徴とするトンネル内の電気・通信ケーブル等の耐火保護方法が開示されている。
更に、特許文献2には、ケーブル(2)を内蔵したケーブル保護管(1)の外周に接合すると共にその内面及び外面の一方又は両方に蒸気の通過を阻害するための耐熱膜(3a、3b)を有する第1断熱材層(3)と、前記第1断熱材層(3)の外周に形成され袋(11)内に液又はゲル状物質よりなる水分(10)を内蔵させてなる吸熱材(12)と、前記吸熱材(12)の外周に設けられた第2断熱材層(13)と、よりなり、屋外に設置して用いるようにしたことを特徴とする通信ケーブル保護管の屋外設置型耐火被覆構造が開示されている。
また、特許文献3には、ダクト本体1の金属製函体2の底部3が底部耐火断熱被覆材4により被覆され、同函体2の側壁5が側部耐火断熱被覆材6により被覆されてなる耐火断熱被覆付金属製ダクトにおいて、底部耐火断熱被覆材4と側部耐火断熱被覆材6の隅の接合部分7、8間に、難燃性材料により所定形状に成形されたスペーサ9が挟着され、同スペーサ9は前記接合部分7、8間に挟着される挟着部10の上面11に連接され且つ前記側部耐火断熱被覆材6の内面12に沿って立ち上がる縦重合部13とが設けられたものであることを特徴とする耐火断熱被覆付金属製ダクトの耐火断熱被覆構造が開示されている。また、特許文献3の6頁下から5行ないし7頁3行には、「底部耐火断熱被覆材4、側部耐火断熱被覆材6、上部耐火断熱被覆材16には、いずれも従来からの耐火断熱被覆材と同じ材料、即ち、ゾーノトライト系結晶、ワラストナイト系結晶、トベルモライト系結晶、或いはこれらの混合物を主体とし、必要に応じて粘土や繊維質物質等の補強材を含有させた、けい酸カルシウム系成形材等が使用される。」旨の記載もある。
更に、特許文献4には、トンネル構造物の耐火被覆材として有用なケイ酸カルシウム材として、ケイ酸カルシウム水和物からなるマトリックスと繊維とを含有してなるケイ酸カルシウム材において、前記ケイ酸カルシウム水和物はトバモライトとゾノトライトとからなるとともに、前記ゾノトライトの(001)面のX線回折強度と前記トバモライトの(002)面のX線回折強度との比が、前者/後者として0.3〜5.0であり、前記ケイ酸カルシウム材は、前記繊維として20〜60質量%の範囲で針状ワラストナイトおよび1〜10質量%の範囲のセルロースパルプを含有することにより、1200℃における加熱残存収縮率が5%以下であることを特徴とするケイ酸カルシウム材が開示されている。
また。特許文献5には、吸熱パックを使用した耐火被覆構造として、2枚のフィルム間に区画形成されたセルの中に水または水を含浸させたポリマー等の液体またはゲル状の物質等の吸熱材を封入し周囲をヒートシールして構成された吸熱パックと、無機繊維混合マット等の様な耐火断熱材とを、耐火被覆すべき電線管の周りに巻き付け、針金またはテープまたは金網にて固定し、必要に応じて金属板で被覆して成ることを特徴とする電線管の耐火被覆構造が開示されている。
更に、特許文献6には、管路の周囲に巻着して使用する被覆材料であって、上記被覆材料が、アルミクロス保護材、不燃材及び吸熱パックの三層積層体構造よりなる可撓性袋体状シートに形成してなることを特徴とする耐火被覆材料が開示されている。
また、特許文献7には、トンネル内に設置される、内部に1本または複数本のケーブルが付設されたケーブル管路またはケーブル管路の複数本集合体の耐火被覆構造において、トンネル内壁に取り付けられたケーブル管路またはケーブル管路の複数本集合体の外周に断熱マット材が当接して被覆され、断熱マット材の外周にはアルミ箔層が当接して被覆され、更に、その外側がトンネル内壁及び耐火被覆材によって取り囲まれることにより、ケーブル管路またはケーブル管路の複数本集合体がトンネル内の空間から遮蔽される構成を有し、断熱マット材の密度が24〜48kg/mで、厚さが15〜50mmの範囲内にあり、耐火被覆材は、2枚のフィルム間に区画形成されたセルの中に水または水を含浸させたポリマーよりなる液体またはゲル状の物質よりなる吸熱材を封入し周囲をシールした構成を有し且つ4000〜5000g/mの水分を有する吸熱パック層と、密度が0.8〜1.1g/cmで、厚さが15〜50mmの範囲内にあるケイ酸カルシウム板層とから構成され、吸熱パック層がアルミ箔層と対面するように耐火被覆材が設置されており、RABT曲線に基づいて1200℃で30分の耐火試験を行なった時のケーブル管路の内部温度が85℃以下であることを特徴とするトンネル内ケーブル管路の耐火被覆構造(請求項1);及びトンネル内に設置される、内部に1本または複数本のケーブルが付設されたケーブル管路またはケーブル管路の複数本集合体の耐火被覆構造において、トンネル内壁に取り付けられたケーブル管路またはケーブル管路の複数本集合体の外周に、少なくとも片面にアルミ箔層を備える断熱マット材が、片面にアルミ箔層を有する断熱マット材にあってはアルミ箔層が該外周と接しないように当接して被覆され、更に、その外側がトンネル内壁及び耐火被覆材によって取り囲まれることにより、ケーブル管路またはケーブル管路の複数本集合体がトンネル内の空間から遮蔽される構成を有し、少なくとも片面にアルミ箔層を備える断熱マット材の密度が24〜48kg/mで、厚さが15〜50mmの範囲内にあり、耐火被覆材は、2枚のフィルム間に区画形成されたセルの中に水または水を含浸させたポリマーよりなる液体またはゲル状の物質よりなる吸熱材を封入し周囲をシールした構成を有し且つ4000〜5000g/mの水分を有する吸熱パック層と、密度が0.8〜1.1g/cmで、厚さが15〜50mmの範囲内にあるケイ酸カルシウム板層とから構成され、吸熱パック層が少なくとも片面にアルミ箔層を備える断熱マット材と対面かるように耐火被覆材が設置されており、RABT曲線に基づいて1200℃で30分間の耐火試験を行なった時のケーブル管路の内部温度が85℃以下であることを特徴とするトンネル内ケーブル管路の耐火被覆構造(請求項2)が開示されている。
更に、本出願人は、特願2003−413550号において、トンネル内に設置される、内部に1本または複数本のケーブルが付設されたケーブル管路またはケーブル管路の複数本集合体の耐火被覆構造において、トンネル内壁に取り付けられたケーブル管路またはケーブル管路の複数本集合体の外周に断熱マット材が当接して被覆され、断熱マット材の外周にはアルミ箔層が当接して被覆され、その外側がトンネル内壁と耐火被覆材によって取り囲まれ、更に、その外側がトンネル内壁と第2耐火被覆材によって取り囲まれ、且つ耐火被覆材とトンネル内壁の接触部位並びに第2耐火被覆材とトンネル内壁の接触部位に不陸調整材を設置することにより、ケーブル管路またはケーブル管路の複数本集合体がトンネル内の空間から遮断される構成を有し、断熱マット材の密度が24〜48kg/mで、厚さが15〜50mmの範囲内にあり、耐火被覆材は、2枚のフィルム間に区画形成されたセルの中に水または水を含浸させたポリマーよりなる液体またはゲル状の物質よりなる吸熱材を封入し周囲をシールした構成を有し且つ8000〜10000g/mの水分を有する吸熱パック層と、密度が0.8〜1.1g/cmで、厚さが15〜50mmの範囲内にあるケイ酸カルシウム板層とから構成され、吸熱パック層がアルミ箔層と対面するように耐火被覆材が設置されており、第2耐火被覆材は、耐火被覆材と所定の間隔をあけて設置されており且つ第2耐火被覆材は、密度が0.8〜1.1g/cmで、厚さが15〜50mmの範囲内にあるケイ酸カルシウム板層から構成され、RABT曲線に基づいて1200℃で60分の耐火試験を行なった時のケーブル管路の内部温度が85℃未満であることを特徴とするトンネル内ケーブル管路の耐火被覆構造(請求項1);トンネル内に設置される、内部に1本または複数本のケーブルが付設されたケーブル管路またはケーブル管路の複数本集合体の耐火被覆構造において、トンネル内壁に取り付けられたケーブル管路またはケーブル管路の複数本集合体の外周に、少なくとも片面にアルミ箔層を備えてなる断熱マット材が、片面にアルミ箔層を有する断熱マット材にあってはアルミ箔層が該外周し接しないように当接して被覆され、その外側がトンネル内壁と耐火被覆材によって取り囲まれ、更に、その外側がトンネル内壁と第2耐火被覆材によって取り囲まれ、且つ耐火被覆材とトンネル内壁の接触部位並びに第2耐火被覆材とトンネル内壁の接触部位に不陸調整材を設置することにより、ケーブル管路またはケーブル管路の複数本集合体がトンネル内の空間から遮断される構成を有し、少なくとも片面にアルミ箔層を備える断熱マット材の密度が24〜48kg/mで、厚さが15〜50mmの範囲内にあり、耐火被覆材は、2枚のフィルム間に区画形成されたセル中に水または水を含浸させたポリマーよりなる液体またはゲル状の物質よりなる吸熱材を封入し周囲をシールした構成を有し且つ8000〜10000g/mの水分を有する吸熱パック層と、密度が0.8〜1.1g/cmで、厚さが15〜50mmの範囲内にあるケイ酸カルシウム板層とから構成され、吸熱パック層が少なくとも片面にアルミ箔層を備える断熱マット材と対面するように耐火被覆材が設置されており、第2耐火被覆材は、耐火被覆材と所定の間隔をあけて設置されており且つ第2耐火被覆材は、密度が0.8〜1.1g/cmで、厚さが15〜50mmの範囲内にあるケイ酸カルシウム板層から構成され、RABT曲線に基づいて1200℃で60分間の耐火試験を行なった時のケーブル管路の内部温度が85℃未満であることを特徴とするトンネル内ケーブル管路の耐火被覆構造(請求項2)が開示されている。
特開2002−360722号公報 特許請求の範囲 特開平11−46430号公報 特許請求の範囲 実願昭63−139894号明細書 実用新案登録請求の範囲 6〜 7頁 特開2003−104769号公報 特許請求の範囲 特開平7−135716号公報 特許請求の範囲 特開平9−280480号公報 特許請求の範囲 特開2005−46470号公報 特許請求の範囲
ここで、シールドトンネル、沈埋トンネル等の最近のトンネル工法に伴うトンネル躯体の耐火試験における加熱条件としてRABT曲線が採用され、1200℃での30分の耐火試験を満足するものとして特許文献7に開示されているトンネル内ケーブル管路の耐火被覆構造が、1200℃での60分の耐火試験を満足するものとして特願2003−413550号に記載のトンネル内ケーブル管路の耐火被覆構造がそれぞれ提案されているが、その後の研究により、これらの耐火被覆構造において使用されているけい酸カルシウム板層は、火災が鎮火に向かう際の降温時の熱収縮により縮み、けい酸カルシウム板どうしの接合部分に隙間を生じ、火災が鎮火に向かっているにも拘わらず、火炎や熱風により耐火被覆構造内のケーブル管路を損傷してしまう可能性があることが判明した。
従って、本発明の目的は、けい酸カルシウム板どうしの接合部分に隙間を生ずることがなく、スペース的にも有利なトンネル内ケーブル管路の耐火被覆構造を提供することにある。
即ち、本発明のトンネル内ケーブル管路の耐火被覆構造は、トンネル内に設置される、内部に1本または複数本のケーブルが付設されたケーブル管路またはケーブル管路の複数本集合体の耐火被覆構造において、トンネル内壁に取り付けられたケーブル管路またはケーブル管路の複数本集合体の外周に密度が24〜48kg/mで、厚さが15〜50mmの範囲内にある断熱マット材が当接して被覆され、断熱マット材の外周にはアルミ箔層が当接して被覆され、その外側がトンネル内壁と耐火被覆材によって取り囲まれ、且つ耐火被覆材とトンネル内壁の接触部位に不陸調整材を設置することにより、ケーブル管路またはケーブル管路の複数本集合体がトンネル内の空間から遮断される構成を有し、耐火被覆材は、けい酸カルシウム板層、けい酸カルシウム板層の内側に設置された無機繊維ブランケット層、及び無機繊維ブランケット層の内側に設置された吸熱パック層より構成され、けい酸カルシウム板層は、密度が0.8〜1.1g/cmで、厚さが15〜70mmの範囲内にあるけい酸カルシウム板から構成され且つけい酸カルシウム板どうしの接合部分が相じゃくり構造を有し、吸熱パック層は、2枚のフィルム間に区画形成されたセルの中に水または水を含浸させたポリマーよりなる液体またはゲル状の物質よりなる吸熱材を封入し周囲をシールした構成を有し且つ4000〜5000g/mの水分を有し、吸熱パック層が間隔をあけてアルミ箔層と対面するように耐火被覆材が設置されていることを特徴とする。
また、本発明のトンネル内ケーブル管路の耐火被覆構造は、トンネル内に設置される、内部に1本または複数本のケーブルが付設されたケーブル管路またはケーブル管路の複数本集合体の耐火被覆構造において、トンネル内壁に取り付けられたケーブル管路またはケーブル管路の複数本集合体の外周に、少なくとも片面にアルミ箔層を備えてなり且つ密度が24〜48kg/mで、厚さが15〜50mmの範囲内にある断熱マット材が、片面にアルミ箔層を有する断熱マット材にあってはアルミ箔層が該外周し接しないように当接して被覆され、その外側がトンネル内壁と耐火被覆材によって取り囲まれ、且つ耐火被覆材とトンネル内壁の接触部位に不陸調整材を設置することにより、ケーブル管路またはケーブル管路の複数本集合体がトンネル内の空間から遮断される構成を有し、耐火被覆材は、けい酸カルシウム板層、けい酸カルシウム板層の内側に設置された無機繊維ブランケット層、及び無機繊維ブランケット層の内側に設置された吸熱パック層より構成され、けい酸カルシウム板層は、密度が0.8〜1.1g/cmで、厚さが15〜70mmの範囲内にあるけい酸カルシウム板から構成され且つけい酸カルシウム板どうしの接合部分が相じゃくり構造を有し、吸熱パック層は、2枚のフィルム間に区画形成されたセルの中に水または水を含浸させたポリマーよりなる液体またはゲル状の物質よりなる吸熱材を封入し周囲をシールした構成を有し且つ4000〜5000g/mの水分を有し、吸熱パック層が間隔をあけてアルミ箔層と対面するように耐火被覆材が設置されていることを特徴とする。
更に、本発明のトンネル内ケーブル管路の耐火被覆構造は、けい酸カルシウム板層が、マトリックスがトバモライトとゾノトライトとからなり、繊維として20〜60質量%の針状ワラストナイト及び1〜10質量%のセルロースパルプを含有するものであることを特徴とする。
また、本発明のトンネル内ケーブル管路の耐火被覆構造は、不陸調整材がセラミックウール製マット材またはけい酸カルシウム板とセラミックウール製ブランケットとの積層体から構成されることを特徴とする。
更に、本発明のトンネル内ケーブル管路の耐火被覆構造は、無機繊維ブランケット層は、セラミックファイバーブランケットから構成されることを特徴とする。
本発明のトンネル内ケーブル管路の耐火被覆構造によれば、既存の耐火被覆構造に比してトンネル内に占める体積が小さくても、トンネル内で火災発生時に、ケーブル管路内に付設された電気・通信用ケーブルを損傷することがない良好な耐火・断熱性能を発揮するという効果を奏するものである。
本発明のトンネル内ケーブル管路の耐火被覆構造は、まず、ケーブル管路またはケーブル管路の複数本集合体(以下、単に「ケーブル管路等」と記載する)の外周上に、断熱マット材を当接して被覆し、断熱マット材の外周にはアルミ箔層が当接して被覆され、その外側に、けい酸カルシウム板どうしの接合部分が相じゃくり構造を有するけい酸カルシウム板層、けい酸カルシウム板層の内側に設置された無機繊維ブランケット層、及び無機繊維ブランケット層の内側に設置された吸熱パック層から構成される3層構造の耐火被覆材を吸熱パック層が間隔をあけてアルミ箔層と対面するように設置して、トンネル内壁及び耐火被覆材でケーブル管路等を取り囲み、且つ耐火被覆材とトンネル内壁の接触部位に不陸調整材を設置することにより、ケーブル管路等とトンネル内の空気を遮断するものである。
本発明のトンネル内ケーブル管路の耐火被覆構造において、トンネル内壁に取り付けられるケーブル管路は、例えば鋼製電線管(JIS C8305)、硬質塩化ビニル管(JIS K6741)またはFRP(繊維強化プラスチック)管等を用いることができる。また、ケーブル管路等に付設される電気・通信用ケーブルは特に限定されるものではなく、公知・慣用のケーブルを用いることができる。なお、ケーブル管路に付設される電気・通信用ケーブルの本数は特に限定されるものではなく、1本であっても複数本であっても良い。また、ケーブル管路の複数本集合体の構成もまた特に限定されるものではなく、複数本のケーブル管路の集合構成も何ら限定されるものではない。
上述のような構成を有するケーブル管路等の外周には、断熱マット材を当接して被覆し、更に、その外周にはアルミ箔層を当接して被覆する。ここで、アルミ箔層は、受熱により後述する吸熱パックが破損して内部の水分が水蒸気となった時に、ケーブル管路等に水蒸気が直接接触することを防止するために作用するものであり、そのためアルミ箔層が断熱マット材の少なくとも外周面に配置されていることが肝要である。アルミ箔層が断熱マット材の内周面、即ち、ケーブル管路等に接する面のみに配置されていると、水蒸気温度がアルミ箔層からケーブル管路等に直接伝播し、ケーブル管路等の内部温度の上昇に繋がるために好ましくない。なお、断熱マット材の密度は、24〜48kg/m、好ましくは30〜40kg/mの範囲内である。ここで、該密度が24kg/m未満であると、ケーブル管路等に被覆する際に不均一となることがあるために好ましくなく、また、該密度が48kg/mを超えると、柔軟性が低下して被覆作業が難しくなると共に、被覆する際に不均一となることがあるために好ましくない。また、断熱マット材の厚さは、15〜50mm、好ましくは20〜40mm、最適には25〜30mmの範囲内である。断熱マット材の厚さが15mm未満であると、熱を受ける際にケーブル管路等の内部温度が上昇し易くなるために好ましくなく、また、断熱マット材の厚さが50mmを超えると、トンネル内部の空間中に占める耐火被覆構造の体積が大きくなり過ぎるために好ましくない。なお、断熱マット材の材質は断熱性を有すると共に、柔軟性を有し、巻付施工可能であれば特に限定されるものではなく、例えばグラスウール、ロックウール、セラミックウール等のマットやフェルトを用いることができ、価格及び施工性の点からグラスウールが特に好ましい。また、アルミ箔層の厚さは、4〜20μm、好ましくは5〜15μmの範囲内である。ここで、アルミ箔層の厚さが4μm未満であると、施工時に破損し易くなるために好ましくなく、また、アルミ箔層の厚さが20μmを超えると、それに伴ってコストの上昇を招くが、それに見合う耐火性能の向上が得られないために好ましくない。
なお、本発明のトンネル内ケーブル管路の耐火被覆構造においては、ケーブル管路等の外周に、断熱マット材を当接して被覆し、更に、その外周にはアルミ箔層を当接して被覆する構成とする代わりに少なくとも片面にアルミ箔層を有する断熱マット材をケーブル管路等の外周に当接して被覆することができる。この場合、片面にアルミ箔層を備える断熱マット材にあっては、アルミ箔層がケーブル管路等の外周と接しないように被覆することが肝要である。
上述のような断熱マット材及びアルミ箔層または少なくとも片面にアルミ箔層を備える断熱マット材で被覆されたケーブル管路等がトンネル内壁に取り付けられる。取り付け方法は特に限定されるものではなく、例えばトンネル内壁に設置された取り付け具によりトンネル上部から吊り下げたり、取り付け具により固定するなどの種々の方法を採用することができる。
次に、トンネル内壁に取り付けられた断熱マット材で被覆されたケーブル管路等を取り囲むように耐火被覆材を設置してケーブル管路等をトンネル内部から遮断する。ここで、本発明のトンネル内ケーブル管路の耐火被覆構造に使用される耐火被覆材は、けい酸カルシウム板層、けい酸カルシウム板層の内側に設置された無機繊維ブランケット層、及び無機繊維ブランケット層の内側に設置された吸熱パック層から構成される3層構造を有する。
本発明のトンネル内ケーブル管路の耐火被覆構造においては、耐火被覆材の最外面を形成するけい酸カルシウム板層は、けい酸カルシウム板どうしの接合部分が相じゃくり構造を有することを特徴とするものである。けい酸カルシウム板どうしの接合部分を相じゃくり構造とすることにより、耐火被覆構造が火災等により熱に曝された場合に、火災が鎮火に向かう際の降温時のけい酸カルシウム板の熱収縮により縮みを吸収することができ、それによってけい酸カルシウム板どうしの接合部分に隙間を生ずることなく、火災が鎮火に向かっているにも拘わらず、耐火被覆構造内のケーブル管路を損傷してしまうような従来の耐火被覆構造の問題点を解決することができるものである。なお、相じゃくり構造の寸法等は特に限定されるものではなく、任意に設定することができる。
ここで、けい酸カルシウム板層を構成するけい酸カルシウム板の密度は、0.8〜1.1g/cmで、好ましくは0.9〜1.05g/cmの範囲内にある。ここで、密度が0.8g/cm未満であると、破損し易くなるために好ましくなく、また、密度が1.1g/cmを超えると、断熱性能が低下するために好ましくない。更に、けい酸カルシウム板の厚さは15〜70mmの範囲内にある。ここで、本発明のトンネル内ケーブル管路の耐火被覆構造がRABT曲線に基づく1200℃での60分の耐火試験でケーブル管路の内部温度を85℃未満とするためには、けい酸カルシウム板の厚さを50〜60mmとすることが好ましい。また、また、本発明のトンネル内ケーブル管路の耐火被覆構造がRABT曲線に基づく1200℃での30分の耐火試験でケーブル管路の内部温度を85℃未満とするためには、けい酸カルシウム板の厚さを25〜30mmとすることが好ましい。なお、けい酸カルシウム板は特に限定されるものではないが、例えば特許文献4に記載されているようなマトリックスがトバモライトとゾノトライトとからなり、繊維として20〜60質量%の針状ワラストナイト及び1〜10質量%のセルロースパルプを含有するけい酸カルシウム板を好適に使用することができる。
次に、本発明のトンネル内ケーブル管路の耐火被覆構造においては、耐火被覆材の中間層として無機繊維ブランケット層を設けることにより、耐火・断熱性を更に向上させることができる。無機繊維ブランケット層としては例えばアルミナ・シリカ系または金属酸化物を含有してなるアルミナ・シリカ系のようなセラミックファイバーブランケットを使用することができる。セラミックファイバーブランケットの密度は、100〜160kg/m、好ましくは120〜140kg/mの範囲内である。ここで、該密度が100kg/m未満であると、断熱効果が不充分であるため好ましくなく、また、160kg/mを超えると、耐火性能には問題がないが、コストが上昇するため好ましくない。また、セラミックファイバーブランケットの厚さは、6〜25mm、好ましくは10〜15mmの範囲内である。ここで、厚さが6mm未満では、断熱効果が不充分であるため好ましくなく、また、25mmを超えると、耐火性能には問題がないが、耐火被覆材が占める容積が大きくなること、及びコストが上昇するため好ましくない。
また、本発明のトンネル内ケーブル管路の耐火被覆構造において、耐火被覆材の最内層には、吸熱パック層を設ける。この吸熱パック層は、2枚のフィルム間に区画形成されたセルの中に水または水を含浸させたポリマーよりなる液体またはゲル状の物質よりなる吸熱材を封入し、周囲をヒートシール等の方法によりシールした構成を有するものである。例えば、吸熱パック層は、2枚のナイロンフィルムやポリエチレンフィルム等のような合成樹脂フィルムの間にアルミ箔をサンドイッチ構造に挟持してなる積層フィルム2枚の間に区画形成されたセルの中に水または水を含浸させたポリマー等の液体またはゲル状物質等の吸熱材を封入し、周囲をヒートシールしたもので、例えば5〜10cm四方のパック、即ち、セルが連続的に設置されたシート状のものであることができる。なお、吸熱パック層は、4000〜5000g/m、好ましくは4300〜4700g/mの水分を有する。吸熱パック層の水分量が4000g/m未満では、本発明のトンネル内ケーブル管路の耐火被覆構造に充分な耐火・断熱特性を付与することができないために好ましくなく、また、吸熱パック層の水分量が5000g/mを超えると、吸熱パック層の厚さが厚くなり過ぎ、それに伴ってトンネル内の空間中に占める耐火被覆構造の体積が大きくなるために好ましくない。なお、吸熱パック層は、30gの水分を封入したセルを1m当たり150個(4500g/m)、厚さ6〜10mmのものを使用することが最適である。
なお、耐火被覆層を形成するけい酸カルシウム板層、無機繊維ブランケット層及び吸熱パック層の積層方法は特に限定されるものではなく、例えばそれぞれの層を接着することにより積層したり、タッカーを用いて積層することができる。なお、タッカーを用いて吸熱パック層を積層する場合には、吸熱パック層のシール部分をタッカーにより固定することできる。
上述のような構成を有する耐火被覆材は、吸熱パック層がトンネル内壁に取り付けられたケーブル管路等と間隔をあけて対面し、且つトンネル内壁及び耐火被覆材で囲まれた区域がトンネル内部と遮断されるようにトンネル内壁に設置される。なお、耐火被覆材を設置する方法は特に限定されるものではなく、例えばトンネル内壁に不陸調整材を設置し、この不陸調整材に耐火被覆材を取り付けることができる。また、不陸調整材と耐火被覆材の継ぎ目や耐火被覆材どうしの継ぎ目は、耐火・断熱性を有するシーリング材例えばシリコーンシーリング材を用いてシールすることもできる。更に、長さ方向の継ぎ目部分は、継ぎ目部分にまたがって、金属材の片面にセラミックファイバーブランケットを配してなる取付金具を、取付金具のセラミックファイバーブランケットが耐火被覆材を構成するけい酸カルシウム板層に当接するようにしてトンネル内壁に留め付けることにより耐火被覆材をトンネル内壁に固定することができる。また、長さ方向のけい酸カルシウム板層どうしの接合も相じゃくり構造にすればなお好ましい。なお、継ぎ目部分は上記と同様にシーリング材を用いてシールすることにより施工することができる。
ここで、トンネル内壁に設置される不陸調整材は、トンネル内壁の歪み等に起因して生ずることがある耐火被覆材とトンネル内壁の間の隙間による耐火・断熱性能の低下を防止するものであり、例えばセラミックウール製マット材やけい酸カルシウム板とセラミックウール製ブランケットとの積層体等から構成されるものである。なお、不陸調整材のトンネル内壁への設置方法は特に限定されるものではなく、例えば耐火被覆材をトンネル内壁に設置する際に、トンネル内壁との間に挟んで取り付けたり、トンネル内ケーブル管路の耐火被覆構造の長さ方向に、帯状の不陸調整材をトンネル内壁の壁面に打ち込んだコンクリートアンカーとボルトとによって該壁面に固定することにより設置することができる。そして、不陸調整材の内側に耐火被覆材を設置することができる。
なお、耐火被覆材をトンネル内壁に設置するに際して、ケーブル管路等の外周に被覆された断熱マット材及びアルミ箔層または少なくとも片面にアルミ箔層を有する断熱マット材と、耐火被覆材の最内層の吸熱パック層とは接することなく、所定の間隔をあけて設置することにより、熱により吸熱パック層が破損して発生する水蒸気がケーブル管路等の温度上昇を抑制する効果をより一層向上させることができる。
本発明のトンネル内ケーブル管路の耐火被覆構造の1実施態様を図1を用いて説明する。
トンネル内壁の代替として1800mm角(長さ1800mm、幅1800mm)で、厚さ150mmのPC板(1)を用い、その長さ方向の下面側に3本のFRP製管路(直径50mmφ)(2a〜2c)を吊り下げ金具(図示せず)により取り付けた。なお、FRP製管路(2a)及び(2b)には、光ケーブル(被覆材:塩化ビニル)(3)を、FRP製管路(2c)には、電線ケーブル(被覆材:塩化ビニル)(4)をそれぞれ付設した。
次に、3本のFRP製管路(2a〜2c)を集合体として、その外周に片面にアルミ箔層(アルミ箔厚:7μm)(6)を備えたグラスウール(グラスウール密度:32kg/m、厚さ:25mm)(5)をアルミ箔層(6)がFRP製管路(2a〜2c)と接しないようにグラスウールを当接させて被覆した。
次に、PC板(1)に厚さ50mm、幅60mmのセラミックウール製マット材よりなる不陸調整材(10)を長さ方向に沿って設置し、不陸調整材(10)の下面に、アルミ箔層(6)を備えたグラスウール(5)が設置されたFRP製ケーブル管路(2a〜2c)の側面及び下面を取り囲むように、吸熱パック層(7)、無機繊維ブランケット層(8)及びけい酸カルシウム板層(9)より構成される耐火被覆材を設置した。
なお、吸熱パック層(7)は、2枚のナイロンフィルムの間にアルミ箔をサンドイッチ構造に挟持してなる積層フィルム2枚の間に区画形成されたセルの中に30gの水を封入して周囲をヒートシールしたセルを1m当たり150個(4500g/m)有するもので、厚さ8mmのものを使用した。
また、無機繊維ブランケット層(8)には、セラミックブランケット(密度:130kg/m、厚さ:12.5mm)を使用した。
更に、けい酸カルシウム板層(9)は、石灰質原料として消石灰を用い、けい酸質原料として非晶質けい酸としてのAl含量0.5質量%及びSiO含量98質量%のフェロシリコンダストと、結晶質けい酸としてのAl含量1質量%、SiO含量98質量%及びブレーン値3000cm/gの粉末珪石とを用い、繊維原料として平均繊維長約100μm、アスペクト比約10の針状ワラストナイトと、CSF200mlの叩解セルロースパルプとを用い、CaO/SiO質量比1.05、非晶質けい酸/結晶質けい酸質量比0.18、消石灰43.7質量%、フェロシリコンダスト5質量%、粉末珪石28.3質量%、針状ワラストナイト20質量%、叩解セルロースパルプ3質量%の配合を有する原料スラリーを調製し、90℃で2時間加熱養生し、続いて4MPaの圧力で加圧脱水成形してケーキを形成し、得られたケーキを195℃で、10時間オートクレーブ養生して得た密度1.0g/cm、厚さ27mmのものである。なお、得られたけい酸カルシウム板のゾノトライト(001)面/トバモライト(002)面のX線回折強度の比は1.1であった。
耐火被覆材は、上述のような吸熱パック層(7)、無機繊維ブランケット層(8)及びけい酸カルシウム板層(9)から構成されるものであり、けい酸カルシウム板どうしの接合部分は、けい酸カルシウム板の厚さの1/2の相じゃくり構造としたものであり、けい酸カルシウム板層(9)の内部に、無機繊維ブランケット層(8)及び吸熱パック層(7)をタッカーにより取り付けることにより積層されたものであった。
なお、耐火被覆材どうしの継ぎ目は、シリコーンシーリング材を用いてシールした。
最後に、長さ方向に所定の間隔で取付金具(11)を用いて、PC板(1)に耐火被覆材を固定した。その際、長さ方向のけい酸カルシウム板どうしの接合も相じゃくり構造にした。なお、この実施態様においては、取付金具(11)の内側には、厚さ6mmのセラミックウール製フェルト(12)を配置したものを使用した。
なお、得られた耐火被覆構造の断面の高さ方向の寸法は205mmであり、横方向の寸法は445mmであった。
上述のような構成を有するトンネル内ケーブル管路の耐火被覆構造の試験体の両端を耐火材で密封するとともに、FRP製ケーブル管路(2a〜2c)の端部にもセラミックウール製フェルトを充填した後、該試験体の長さ方向の中央部890mmを小型水平炉に上方より設置し、図2に示すRABT曲線に従って最初の5分間で室温から1200℃まで昇温し、1200℃で25分間保持し、その後直線的に加熱温度を低下させて加熱開始から140分後に室温まで低下させた。
この時のFRP製ケーブル管路(2a〜2c)中の長さ方向の中央部の光ケーブル(3)及び電線ケーブル(4)表面に取り付けられた熱電対により測定した温度のデータを図3に記載した。図3のデータからも明らかなように、ケーブル表面の最高温度は70℃[FRP製ケーブル管路(2a)中]であり、本発明のトンネル内ケーブル管路の耐火被覆構造は、充分な耐火・断熱性能を有するものである。なお、図3中、Aは、FRP製ケーブル管路(2a)中の光ケーブル(3)の、Bは、FRP製ケーブル管路(2b)中の光ケーブル(3)の、Cは、FRP製ケーブル管路(2c)中の電線ケーブル(4)の温度変化をそれぞれ示すものである。
なお、加熱試験終了後、耐火被覆構造の外観を観察したところ、けい酸カルシウム板層の接合部分に隙間は発生していなかった。また、耐火被覆構造の内部を調査したところ、小型水平炉にて加熱された帯域の吸熱パック層の個々のセルは破損していることが観察された。
なお、図1に示す実施態様においては、取付金具(11)は、PC板(1)に直接ボルト及びナットで固定されているが、不陸調整材(10)を取付金具(11)の端部まで延長し、不陸調整材(10)を介してPC板(1)に取付金具(11)を固定することもできる。また、取付金具を用いずに、PC板(1)の下面に耐火被覆材を構築することもできる。
比較のため、図4に示すような耐火被覆構造を用い、RABT曲線に従って最初の5分間で室温から1200℃まで昇温し、1200℃で25分間保持し、その後直線的に加熱温度を低下させていったところ、加熱開始から70分経過後に耐火被覆材の目地部から火炎が耐火被覆材の内部に流入し、ケーブルの温度が急激に上昇し始めたため、80分経過後に加熱を中止した。
ここで、図4に示す耐火被覆構造は、耐火被覆材のけい酸カルシウム板層(9)を構成するけい酸カルシウム板どうしの接合部分に相じゃくり構造を設けず、また、耐火被覆材に無機繊維ブランケット層を用いず、けい酸カルシウム板層(9)と吸熱パック層(7)とから耐火被覆材を構成したものであり、長さ方向のけい酸カルシウム板どうしの接合にも相じゃくり構造を設けなかった。
この時のFRP製ケーブル管路(2a〜2c)中の長さ方向の中央部の光ケーブル(3)及び電線ケーブル(4)表面に取り付けられた熱電対により測定した温度のデータを図5に記載した。図5のデータからも明らかなように、加熱中にケーブル温度が急激に上昇し、所望の耐火性能は得られなかった。なお、図5中、Aは、FRP製ケーブル管路(2a)中の光ケーブル(3)の、Bは、FRP製ケーブル管路(2b)中の光ケーブル(3)の、Cは、FRP製ケーブル管路(2c)中の電線ケーブル(4)の温度変化をそれぞれ示すものである。
本発明のトンネル内ケーブル管路の耐火被覆構造は、非常に優れた耐火・断熱性能を有すると共に簡便な施工により設置することができ、新設のトンネルは勿論のこと既存のトンネル内ケーブル管路の耐火被覆構造として好適に採用することができるものである。
本発明のトンネル内ケーブル管路の耐火被覆構造の1実施態様を示すものである。 RABT曲線を示すグラフである。 図1に示す本発明のトンネル内ケーブル管路の耐火被覆構造を加熱した際のケーブル管路内のケーブル表面の温度変化のデータを示すグラフである。 比較品のトンネル内ケーブル管路の耐火被覆構造の構成を示すものである。 図4に示す比較品のトンネル内ケーブル管路の耐火被覆構造を加熱した際のケーブル管路内のケーブル表面の温度変化のデータを示すグラフである。
符号の説明
1 PC板
2a、2b、2c FRP製ケーブル管路
3 光ケーブル
4 電線ケーブル
5 グラスウール
6 アルミ箔層
7 吸熱パック層
8 無機繊維ブランケット層
9 けい酸カルシウム板層
10 不陸調整材
11 取付金具
12 セラミックウール製フェルト

Claims (5)

  1. トンネル内に設置される、内部に1本または複数本のケーブルが付設されたケーブル管路またはケーブル管路の複数本集合体の耐火被覆構造において、トンネル内壁に取り付けられたケーブル管路またはケーブル管路の複数本集合体の外周に密度が24〜48kg/mで、厚さが15〜50mmの範囲内にある断熱マット材が当接して被覆され、断熱マット材の外周にはアルミ箔層が当接して被覆され、その外側がトンネル内壁と耐火被覆材によって取り囲まれ、且つ耐火被覆材とトンネル内壁の接触部位に不陸調整材を設置することにより、ケーブル管路またはケーブル管路の複数本集合体がトンネル内の空間から遮断される構成を有し、耐火被覆材は、けい酸カルシウム板層、けい酸カルシウム板層の内側に設置された無機繊維ブランケット層、及び無機繊維ブランケット層の内側に設置された吸熱パック層より構成され、けい酸カルシウム板層は、密度が0.8〜1.1g/cmで、厚さが15〜70mmの範囲内にあるけい酸カルシウム板から構成され且つけい酸カルシウム板どうしの接合部分が相じゃくり構造を有し、吸熱パック層は、2枚のフィルム間に区画形成されたセルの中に水または水を含浸させたポリマーよりなる液体またはゲル状の物質よりなる吸熱材を封入し周囲をシールした構成を有し且つ4000〜5000g/mの水分を有し、吸熱パック層が間隔をあけてアルミ箔層と対面するように耐火被覆材が設置されていることを特徴とするトンネル内ケーブル管路の耐火被覆構造。
  2. トンネル内に設置される、内部に1本または複数本のケーブルが付設されたケーブル管路またはケーブル管路の複数本集合体の耐火被覆構造において、トンネル内壁に取り付けられたケーブル管路またはケーブル管路の複数本集合体の外周に、少なくとも片面にアルミ箔層を備えてなり且つ密度が24〜48kg/mで、厚さが15〜50mmの範囲内にある断熱マット材が、片面にアルミ箔層を有する断熱マット材にあってはアルミ箔層が該外周し接しないように当接して被覆され、その外側がトンネル内壁と耐火被覆材によって取り囲まれ、且つ耐火被覆材とトンネル内壁の接触部位に不陸調整材を設置することにより、ケーブル管路またはケーブル管路の複数本集合体がトンネル内の空間から遮断される構成を有し、耐火被覆材は、けい酸カルシウム板層、けい酸カルシウム板層の内側に設置された無機繊維ブランケット層、及び無機繊維ブランケット層の内側に設置された吸熱パック層より構成され、けい酸カルシウム板層は、密度が0.8〜1.1g/cmで、厚さが15〜70mmの範囲内にあるけい酸カルシウム板から構成され且つけい酸カルシウム板どうしの接合部分が相じゃくり構造を有し、吸熱パック層は、2枚のフィルム間に区画形成されたセルの中に水または水を含浸させたポリマーよりなる液体またはゲル状の物質よりなる吸熱材を封入し周囲をシールした構成を有し且つ4000〜5000g/mの水分を有し、吸熱パック層が間隔をあけてアルミ箔層と対面するように耐火被覆材が設置されていることを特徴とするトンネル内ケーブル管路の耐火被覆構造。
  3. けい酸カルシウム板層は、マトリックスがトバモライトとゾノトライトとからなり、繊維として20〜60質量%の針状ワラストナイト及び1〜10質量%のセルロースパルプを含有するものである、請求項1または2記載のトンネル内ケーブル管路の耐火被覆構造。
  4. 不陸調整材がセラミックウール製マット材またはけい酸カルシウム板とセラミックウール製ブランケットとの積層体から構成される、請求項1ないし3のいずれか1項記載のトンネル内ケーブル管路の耐火被覆構造。
  5. 無機繊維ブランケット層は、セラミックファイバーブランケットから構成される、請求項1ないし4のいずれか1項記載のトンネル内ケーブル管路の耐火被覆構造。
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