JP2006304533A - 車両用始動制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 停止状態の車両の始動に先立って車両状態の検査を行う場合であっても、車両を速やかに始動させることが可能な車両用始動制御方法を提供する。
【解決手段】 水素吸蔵の有無に応じて変化する特性により水素の検出を行う水素検出センサと、前記水素検出センサの起動および停止を指示するスイッチと、を備えた車両用始動制御方法であって、前記スイッチにより前記水素検出センサを起動したときに、前記水素検出センサにより水素が検出されないときには、前記車両の起動を開始する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両用始動制御方法に関するものである。
従来、例えば固体高分子膜型燃料電池は、固体高分子電解質膜を燃料極と酸素極とで両側から挟み込んで形成されたセルに対し、複数のセルを積層して構成されたスタック(以下において燃料電池と呼ぶ)を備えており、燃料極に燃料として水素が供給され、酸素極に酸化剤として空気が供給されて、燃料極で触媒反応により発生した水素イオンが、固体高分子電解質膜を通過して酸素極まで移動して、酸素極で酸素と電気化学反応を起こして発電するようになっている。
このような固体高分子膜型燃料電池等の燃料電池を搭載した車両において、従来、例えば特許文献1に開示された燃料電池車両及びその始動方法のように、車両の発進および燃料電池の起動に先立って、安全性照会、例えば燃料電池の燃料極側に供給される水素が漏洩していないことの検知等を実行する技術が知られている。
ここで、水素を検知する水素センサとしては、例えば白金等の触媒からなるガス検出素子と温度補償素子とを一対備え、水素が白金等の触媒に接触した際の燃焼により発生する熱によってガス検出素子が相対的に高温の状態になったときに、例えば雰囲気温度下等の相対的に低温の状態の温度補償素子との間に生じる電気抵抗の差異に応じて、水素の濃度を検出するガス接触燃焼式の水素センサが知られている。
特開平7−170613号公報
ところで、上記従来技術の一例に係る燃料電池車両においては、停止状態の車両を発進させるための動作、例えば車両扉の開放等が実行された後に、水素センサによる検出が開始されるようになっている。しかしながら、車両の運転者が車両扉を開放して車両に乗車し、例えばイグニッションスイッチ等の車両を走行可能状態へと移行させるスイッチをオン状態に操作する時点において、水素センサによる検出、及び、この検出結果に基づく安全性の確認処理等が終了していないと、例えば燃料電池の起動処理等の開始が遅延されてしまい、車両の速やかな始動が困難になるという問題が生じる。このため、車両の始動時において、より早期に水素センサによる検出、及び、この検出結果に基づく安全性の確認処理等を開始することが望まれる。
しかしながら、従来のようなガス接触燃焼式の水素センサを用いて水素濃度を検出すると、水素センサが備える触媒の作用を発揮させる等のために所定温度まで加熱処理を行う必要があり、その分検出に要する時間が増大するとともに、水素センサで消費する電力が増大してしまい、燃費向上の障害となってしまうという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、停止状態の車両の始動に先立って車両状態の検査を行う場合であっても、車両を速やかに始動させることが可能な車両用始動制御方法を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、水素吸蔵の有無に応じて変化する特性(例えば、実施の形態における水素センサ23の電気抵抗値、重量)により水素の検出を行う水素検出センサ(例えば、実施の形態における水素センサ23)と、前記水素検出センサの起動および停止を指示するスイッチと、を備えた車両用始動制御方法であって、前記スイッチにより前記水素検出センサを起動したときに、前記特性による変化が車両の起動を許容しうると判定できる所定範囲内であれば、前記車両の起動を開始することを特徴とする。
この発明によれば、前記水素検出センサは、起動や停止の有無に関わらず、その周囲に存在する水素を吸蔵することで特性が変化するので、前記スイッチにより前記水素検出センサを起動したときに前記特性による変化が所定範囲内であれば、前記水素検出センサの周囲に存在する水素が所定の許容濃度以下であると判定できるので、前記車両の起動処理に直ちに移行することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のものであって、前記水素検出センサは抵抗値の変化により水素の検出を行うものであり、前記スイッチにより前記水素検出センサを起動したときに、前記水素検出センサにより水素が検出されたときには、前記水素検出センサの温度を所定温度に向けて上昇させて水素濃度を検出し、該水素濃度に応じて車両の起動を制御することを特徴とする。
この発明によれば、前記抵抗値の変化により水素の検出を行う水素検出センサは、水素濃度の増加に伴って抵抗値が下降し、温度の上昇に伴って抵抗値が上昇する傾向があり、温度を上昇することにより水素濃度を検出できる範囲を拡大することができる。従って、水素検出センサにより水素が検出されたと判定されたときには、前記水素検出センサの温度を上昇させて前記検出範囲を拡げることで、水素濃度を検出することができる。
請求項1に係る発明によれば、前記水素検出センサの周囲に存在する水素濃度が所定の許容濃度以下の場合には、前記水素検出センサにおける判定に要する時間を大幅に短縮できるので、車両の始動性を向上することができる。また、前記水素検出センサで消費する電力を大幅に低減できるので、燃費の向上にも寄与することができる。
請求項2に係る発明によれば、水素濃度が検出された時点で、検出された濃度に適した車両の起動制御を行うことができるので、前記水素検出センサにおける判定に要する時間を短縮でき、車両の始動性を向上することができる。また、前記水素検出センサで消費する電力を低減できるので、燃費の向上にも寄与することができる。
以下、この発明の実施の形態における車両用始動制御方法を図面と共に説明する。この実施の形態では、燃料電池を駆動源とする燃料電池車両に本発明を適用した場合について説明する。
本実施形態に係る車両用始動制御システム1は、例えば図1に示すように、車両側制御装置2と、無線通信により車両側制御装置2と通信接続可能とされた携帯端末3とを備えて構成されている。さらに、車両側制御装置2は、例えば、動力源として燃料電池6を備える電気自動車等の車両10に搭載されており、例えば、電流制御装置11と、蓄電装置12と、送受信制御装置13と、通信装置14と、記憶装置15と、アンテナ16と、解施錠制御装置17と、ドアロックアクチュエータ18と、検出制御装置19と、警報/換気制御装置20と、警報装置21と、換気装置22と、水素センサ23とを備えて構成されている。
燃料電池6は、例えば電気自動車等の車両の動力源として搭載されており、例えば固体ポリマーイオン交換膜等からなる固体高分子電解質膜を燃料極と酸素極で挟持した電解質電極構造体を、更に一対のセパレータで挟持してなる燃料電池セル(図示略)を多数組積層して構成されている。
例えば水素タンク(図示略)等の燃料ガス供給部から供給され、燃料極に入口側配管から供給された水素などの燃料ガスは、触媒電極上で水素がイオン化され、適度に加湿された固体高分子電解質膜を介して酸素極へと移動し、その間に生じた電子が外部回路に取り出され、直流の電気エネルギとして利用される。酸素極には、例えば、酸素などの酸化剤ガスを含む空気がエアーコンプレッサー(図示略)から入口側配管を介して供給されているために、この酸素極において、水素イオン、電子及び酸素が反応して水が生成される。そして、燃料極側、酸素極側共に出口側配管から反応済みのいわゆるオフガスが系外に排出される。
燃料電池6から取り出される発電電流は、例えばDC−DCチョッパ等を備えた電流制御装置11に入力されており、この電流制御装置11には蓄電装置12が接続されている。
電流制御装置11は、燃料電池6に対する発電指令に基づいて、燃料電池6から取り出される発電電流の電流値を制御すると共に、車両の状態に応じて蓄電装置12から取り出される電流の電流値を制御する。
そして、電流制御装置11には、停止状態の車両を走行可能状態へと移行させる起動スイッチ、例えばイグニッションスイッチ25等のオン状態に連動して電力が供給されるIGSW連動電源系と、起動スイッチのオン/オフ状態に関わらず電力が供給される非連動電源系とが接続されている。例えば、IGSW連動電源系には、走行用モータやエアーコンプレッサ等からなるIGSW連動デバイス26が備えられている。
非連動電源系に備えられた送受信制御装置13は、通信装置14及びアンテナ16を介して、例えば車両10を含む所定範囲内に対して所定周期毎に呼出信号を発信すると共に、この呼出信号に応じて携帯端末3から返信される応答信号を受信する。そして、例えば受信した応答信号の強度等に基づいて、携帯端末3が車両10に向かい接近中であるか否かを判定すると共に、受信した応答信号に含まれる端末側識別情報と、予め記憶装置15に格納した車両側識別情報とが一致するか否かを判定し、これらの判定結果に基づいて解施錠制御装置17の動作を指示する指令信号を出力する。
解施錠制御装置17は、車両ドアの施錠および解錠を行うドアロックアクチュエータ18を駆動制御するものであって、車両ドアの施錠又は解錠状態と、送受信制御装置13及び後述する検出制御装置19から出力される指令信号とに基づき、ドアロックアクチュエータ18へ制御信号を出力する。さらに、後述する検出制御装置19に対しては、車両ドアの施錠又は解錠状態に関する情報を出力する。
非連動電源系に備えられた検出制御装置19は、解施錠制御装置17から出力される車両ドアの施錠又は解錠状態に関する情報と車両の状態に応じて水素センサ23を作動させ、水素センサ23から出力される検出信号に基づき、検出された水素の濃度が所定濃度を超えているか否かを判定する。そして、この判定結果の信号や、判定結果に応じて解施錠制御装置17及び警報/換気制御装置20の動作を指示する指令信号等を出力する。
例えば、検出制御装置19は、イグニッションスイッチ25のオフ状態(車両の停止状態)であって、車両ドアが施錠されているときに、送受信制御装置13にて車両側識別情報と一致する端末側識別情報を返信する携帯端末3が車両10に向かい接近中であると判定されると、解施錠制御装置17による車両ドアの解錠に先立って、蓄電装置12から電流制御装置11を介して供給される電力によって水素センサ23を作動させ、水素センサ23から出力される検出信号に基づき、検出された水素の濃度が所定濃度を超えているか否かを判定する。そして、例えば検出された水素の濃度が所定濃度未満の場合には、車両ドアの解錠を指示する指令信号を解施錠制御装置17へ出力する。一方、例えば検出された水素の濃度が所定濃度を超える場合には、警報装置21及び換気装置22の作動を指示する指令信号を警報/換気制御装置20へ出力する。
警報/換気制御装置20は、検出制御装置19での判定結果の信号や、この判定結果に応じた指令信号等を受信し、例えば所定濃度を超える水素が検出されている場合等には、例えば警報音や音声メッセージ等を出力するスピーカや、例えば警報表示等を行うディスプレイや、点灯するランプ等からなる警報装置21を作動させる。さらに、警報/換気制御装置20は、例えば所定濃度を超える水素が検出されている箇所に対して換気を行う換気装置22を作動させる。例えば車室内に対しては、車両窓を開放したり、空調装置を作動させる。
携帯端末3は、端末側送受信装置61と、端末側記憶装置62と、端末側アンテナ63とを備え、端末側送受信装置61は、車両側制御装置2から発信される呼出信号を受信した場合に、予め端末側記憶装置62に格納されている端末側識別情報を含む応答信号を端末側アンテナ63を介して返信する。
次に本発明に係る水素センサの実施形態の構成について図面を参照して説明する。図2は図1に示す水素センサの断面図である。図3は図1に示す水素センサの平面図である。
これらの図に示すように、水素センサ23は、絶縁基板(絶縁基体)41の上面ほぼ全部に半導体層(半導体)42が積層され、この半導体層42の上面中央部に島状に粒子が分散配置された構造の水素吸収体43が形成され、前記半導体層42の表面上であって先の水素吸収体43の左右両側に位置するように内側電極45、45と、前記半導体層42の表面上であって先の水素吸収体43の左右両側であって先の内側電極45、45よりも更に外側に位置するように外側電極46、46が形成されてなる。この実施形態の構成では半導体層42と水素吸収体43とから水素検出部44が構成されている。
前記絶縁基板(絶縁基体)41は、SiO2などのガラス基板や石英基板、Al2O3などのセラミックス基板、イオンをドープしていない絶縁基板としてのSi基板などの絶縁材料からなる基板を用いることができる。この絶縁基板41はその上面側のみが絶縁性を有するものであれば良いので、導電性基板の表面に絶縁層を被覆形成したものでも良い。
前記半導体層42はITO(インジウムスズ酸化物)、GaN、あるいはPをドープして半導体としたn型Si、などの半導体からなる層状のものである。この半導体層として好ましくは、本来絶縁物であるが、イオンをドープして半導体としたものが望ましい。
このタイプの半導体として、シリコンにV族の元素であるPやAsあるいはSbなどの元素をイオンドープしてなるn型半導体あるいはシリコンにBなどのIII族元素をイオンドープしてなるP型半導体などを用いることができる。その他半導体層42を構成するための半導体としてn型またはp型のSiC、Ge、SiGe、GaAs、GaNなどを用いることができる。
前記水素吸収体(水素吸収材料体)43は、Pd、Pd合金、Pt、Pt合金のいずれかからなる粒子あるいはその他の白金族元素あるいはそれらの合金元素が粒子状となって島状に分散配置された構造であることが好ましい。この水素吸収体43は設置環境に水素が存在すると水素を吸収し、逆に設置環境に水素が無くなると吸収している水素を放出するものである。
また、これらの金属の他に一般的に水素吸蔵合金として知られるLa、Ti、Zr、Mg、希土類金属、Ca、Vあるいはこれらを含む合金などのいずれかを用いても良いのは勿論である。
ここで水素吸収体43は上述の金属あるいは合金の水素吸収材料からなるが、これらの水素吸収材料を先の半導体層42の上に成膜する際、後に形成する対の電極間を導通させないパターンとする必要がある。パターン形成に当たってはフォトリソ法が好適に用いられる。他の形態としては島状にとぎれとぎれの状態で粒子が分散されてなり、全体として導電性を有しない、絶縁体として機能する状態のものとすることが好ましい。
図2と図3ではこの水素吸収体3を膜状として略して示した。図2、3のパターンでは水素吸収体43が電極と離れているため、連続膜であっても効果を奏するが、水素吸収体43は拡大すると島状に粒子が分離して形成された集合体の絶縁体として機能する程度の膜厚とすることがより好ましい。例えばこの水素吸収体3は抵抗値1MΩ程度以上の絶縁体とされ、水素吸収体43はその膜厚として0.5nm〜5nm程度の範囲とすることが好ましい。
このような島状に分散した水素吸収体43は真空蒸着法、スパッタ法などの成膜法により半導体層42上に粒子を堆積させて成膜する場合に膜として生成される前の状態で成膜を中止することで製造することができる。例えば、Pd、Pd合金、Pt、Pt合金などはいずれも良導電性の金属材料であり、膜として生成すると導電体となるので、導電体となる前の絶縁体の状態で成膜を停止すれば複数の粒子が島状に分散配置された構造の水素吸収体43を得ることができる。従って先に説明した膜厚の範囲に形成するならば絶縁体としての水素吸収体43を半導体層42上に形成することができる。この形態で水素吸収体43縦幅は絶縁基板41の縦幅よりも若干短く、横幅は絶縁基板41の横幅の数分の1に形成されている。従って図2と図3における水素吸収体43の左右両側には半導体層42が露出されている。
前記内側電極45は半導体層42の上面であって水素吸収体43の両側にこれを挟むように水素吸収体43と離間して形成されている。これらの内側電極45はAuあるいはAlなどの良導電性の金属材料から構成され、真空蒸着法、スパッタ法、スクリーン印刷法などの成膜法により形成されている。前記外側電極46は半導体層42の両端部側に先の内側電極45、45を更に両側から挟む位置に形成されている。
以上の如く構成された水素センサ23を用いて水素の検知を行うには、水素センサ23を測定環境に設置するとともに、外側電極46、46の間に所定の電流を印加しながら内側電極45、45間の電圧を測定することで半導体層42そのものの電気抵抗変化を測定することで使用する。ここで内側電極45、45で測定するのは、半導体層42そのものの電気抵抗変化に相当する。
水素センサ23の設置環境に水素ガスが存在すると、水素センサ23の水素吸収体43に水素が取り込まれ、半導体層42において水素吸収体43と接している部分は水素吸収体43への水素の吸収により荷電キャリアの状態が変化し、これに起因して半導体層42の抵抗値が変化する。また、この例の水素センサ23を設置した環境から水素が無くなると水素吸収体43から水素が放出されるので、半導体層42の抵抗値は原点復帰し、再度使用できる状態となる。この状態から再度設置環境に水素ガスが存在するようになると半導体層42は再度抵抗値変化を生じるので、この例の水素センサ23は繰り返し使用することができる。
なお、水素センサ23の設置環境は常温で良いが、それよりも高温の環境でも特に問わない。
本実施の形態による車両用始動制御システム1は上記構成を備えており、次に、この車両用始動制御システム1の動作について図4を参照しながら説明する。図4は本発明の一実施形態に係る車両用始動制御システムの動作を示すフローチャートである。
先ず、イグニッションスイッチがオン状態にされる(IG−ON)と、ステップS12で水素センサ23に対して電源から電力が供給される。そして、ステップS14で、水素が検出されたか否かの判定を行う。本実施の形態では、水素センサ23が備える水素吸収体43の電気抵抗値が検出閾値R0より下であるか否かにより行っている。この判定結果がYESであればステップS20に進み、判定結果がNOであればステップS16に進む。
この判断手法について、図9および図10を用いて説明する。図9は水素センサが備える金属中の水素濃度と、その周囲のガスが含有する水素の圧力との関係を示すグラフ図(P−T−C状態図)である。また、図10は大気中の水素濃度とセンサ検出部抵抗値との関係を示すグラフ図である。図9に示す二本の等温線は、それぞれの温度軸のT1、T2の断面における圧力と固相の組成との関係を示したものであり、縦軸は各温度の平衡水素圧、横軸は固相中の水素原子Hと金属原子Mとの比を示している。なお、水素の吸蔵と放出過程では平衡水素圧は異なる(ヒステリシスが存在するため)が、同図においては省略している。
図9において、縦軸である水素圧力は大気中では水素分圧であり、検出対象である水素濃度と考えることができ、横軸である金属中の水素濃度はそれに応じて水素センサ23の水素検出部44に電気・磁気的影響を及ぼす。従って、軸を入れ替えて読み替えると、図10のような特徴を示すことがわかる。例えば、同図において、水素濃度C2を検出対象濃度と考えた場合、設定上限温度T2以下においてセンサ検出抵抗値の値が検出閾値R0を下回った場合には水素の濃度が一定以上であり車両の起動を許容できないと判断する。ここで、設定上限温度T2は、正確に水素濃度を検出するために例えばヒータ等で加熱するように設定した温度であり、車両始動時のセンサ温度T1(<T2)においてこの検出閾値R0よりも大きい抵抗値が検出された場合には、水素濃度が車両始動に許容される十分小さい濃度であることが判明する。
従って、ステップS14の判定結果がNOの場合には、水素濃度が車両始動に許容される十分小さい濃度であると判定できるので、ステップS16に進み、燃料電池システムの起動を行う。そして、ステップS18で、燃料電池始動後のために、水素センサ23の温度を設定上限温度T2まで加熱して検出精度を高めておき、本フローチャートの処理を終了する。
ステップS20では、水素センサ23の温度が設定上限温度T2以下か否かを判定する。この判定結果がYESであればステップS22に進み、この判定結果がNOであればステップS28に進む。ステップS22では、水素センサ23の加熱処理を開始して、水素センサ23の温度を上昇させる。その後、ステップS24で、水素が検出されたか否か、すなわち、水素吸収体43の電気抵抗値が検出閾値R0より下であるか否かを判定する。この判定結果がYESであればステップS26に進み、判定結果がNOであればステップS20の処理に戻る。
図9、図10を用いて上述したように、車両始動時のセンサ温度T1において検出閾値R0を下回る抵抗値が検出された場合であっても、正確に水素濃度を検出するために設定上限温度T2まで加熱する過程で、センサ抵抗値が検出閾値R0を越えれば、その時点で水素濃度が車両始動を許容しうる濃度であると判定することができる。
従って、ステップS24の判定結果がNOの場合には、水素濃度が車両始動に許容される濃度であると判定できるので、ステップS26に進み、検出された濃度に応じた段階的な対応を行う。具体的には、光や音・無線による警報発生処理、換気を促すあるいは自動的に換気用送風機を作動させる処理、車両のウインドウの開放を促すあるいは自動的に解法する処理、運転者等の搭乗予定者が車両に接近中の場合にはドア開錠を禁止する、等の処理を段階的に行う。
ステップS28では、水素センサ23の加熱処理を停止して、ステップS30に進む。ステップS30では、検出された水素濃度が車両の始動に許容されない濃度であると判定できるので、水素ライン遮断処理を行って、本フローチャートの処理を終了する。
以下、水素濃度の値に応じた車両始動処理について図5〜図8を用いて説明する。まず、始動時の水素濃度がC1%未満の場合(図5)には、水素センサ23を含む水素検知システムの電源スイッチ(この場合はイグニッションスイッチ)25がONにされた時点で、水素センサ23の検出抵抗値Rは既に検出閾値R0を上回っているので、即座に水素濃度が車両の始動を許容しうる濃度であると判定することができるので、直ちに燃料電池の起動を開始することができる。
次に、始動時の水素濃度がC3%(C1<C3<C2)の場合(図6)には、イグニッションスイッチ25がONにされた時点で、水素センサ23の検出抵抗値Rは検出閾値R0を下回るが、正確な検出の為に水素センサ23を加熱していくと、平衡水素濃度C3%に達した時点で抵抗値Rは検出閾値R0を上回る。このときに、水素濃度が車両の始動を許容しうる濃度であると判定することができるので、その後直ちに燃料電池の起動を開始することができる。
ついで、始動時の水素濃度がC2%の場合(図7)には、イグニッションスイッチ25がONにされた時点で、水素センサ23の検出抵抗値Rは検出閾値R0を下回るが、正確な検出の為に水素センサ23を加熱していくと、平衡水素濃度C2%に達した時点で抵抗値Rは検出閾値R0を上回る。このときに、水素濃度が車両の始動を許容しうる濃度であると判定することができるので、その後直ちに燃料電池の起動を開始することができる。
そして、始動時の水素濃度がC2%を上回る場合(図8)には、イグニッションスイッチ25がONにされた時点で、水素センサ23の検出抵抗値Rは検出閾値R0を下回り、正確な検出の為に水素センサ23を加熱して平衡水素濃度C2%に達した時点でも、抵抗値Rは検出閾値R0を下回る。このときに、水素濃度が車両の始動を許容しうる濃度を越えていると判定することができるので、燃料電池の起動を禁止して所定の動作を行う。
なお、本発明の内容は上述の実施の形態のみに限られるものでないことはもちろんである。例えば、実施の形態においては、水素検出処理を開始した後、水素センサを一定温度T2まで加熱する処理を行っているが、水素検出を継続する必要がなければ水素センサの加熱を終了してもよい。また、水素センサの数は、特に制限されず、単数であっても複数であってもよい。
また、水素吸蔵合金を有する水素センサとして、半導体型、電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)型、電気抵抗検知型、光学式、弾性表面波(SAW:surface acoustic wave)を利用するような超音波式のものを用いてもよい。
また、水素センサの始動は、IGセンサにより制御するものであってもよいし、予め登録された携帯端末3を有する搭乗予定者が車両10に向かい接近していると判定できる場合に行うようにしてもよい。
また、水素センサの温度を測定する手法として、独立した温度センサによって検出してもよいし、水素センサ素子そのものの製造プロセスの中で一体化(例、HIC:Hybrid Integrated Circuit)していてもよい。
また、加熱中におけるセンサの検出値変化(例えば抵抗値増加)時点の温度が不明であっても、検出対象閾値以下の水素濃度であることは判明するので、例えばIGをONにした後にタイマーと組み合わせたり、予め決めておいた動作をした上で燃料電池を起動させてもよい。
また、実施の形態では、水素センサの抵抗値の変化により水素濃度の判定を行ったが、これに限らず、水素吸蔵による重量変化を水晶振動子等を用いて検出することで水素濃度の判定を行ってもよい。
本発明の実施の形態における車両用始動制御システムの全体構成図である。 図1に示す水素センサの断面図である。 図1に示す水素センサの平面図である。 本発明の一実施形態に係る車両用始動制御システムの動作を示すフローチャートである。 水素濃度がC1%未満の場合における車両始動例を示すグラフ図である。 水素濃度がC3%の場合における車両始動例を示すグラフ図である。 水素濃度がC2%の場合における車両始動例を示すグラフ図である。 水素濃度がC2%を上回る場合における車両始動例を示すグラフ図である。 水素センサが備える金属中の水素濃度と、その周囲のガスが含有する水素の圧力との関係を示すグラフ図である。 大気中の水素濃度とセンサ検出部抵抗値との関係を示すグラフ図である。
符号の説明
1…車両用始動制御システム
10…車両
23…水素センサ
25…イグニッションスイッチ

Claims (2)

  1. 水素吸蔵の有無に応じて変化する特性により水素の検出を行う水素検出センサと、
    前記水素検出センサの起動および停止を指示するスイッチと、を備えた車両用始動制御方法であって、
    前記スイッチにより前記水素検出センサを起動したときに、前記特性による変化が車両の起動を許容しうると判定できる所定範囲内であれば、
    前記車両の起動を開始することを特徴とする車両用始動制御方法。
  2. 前記水素検出センサは抵抗値の変化により水素の検出を行うものであり、
    前記スイッチにより前記水素検出センサを起動したときに、前記水素検出センサにより水素が検出されたときには、
    前記水素検出センサの温度を上昇させて水素濃度を検出し、
    該水素濃度に応じて車両の起動を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用始動制御方法。
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