JP2006304586A - 直流電源装置 - Google Patents

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洋介 篠本
Kazunori Hatakeyama
和徳 畠山
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功 川崎
Katsuyuki Amano
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Abstract

【課題】スイッチ素子を低速動作にて制御においても、入力電流の高調波成分を所定値以下に制御する電流制御と出力電圧を安定化させる電圧制御とを両立させた直流電源装置を提供する。さらに、電源電圧検出手段に異常が発生した場合においても動作の継続を可能とした高信頼性の直流電源装置、及び、電源電圧の検出に関わる機器を省くことで、部品点数の削減を可能にし、製品の小型化や構造の簡略化、信頼性の向上を実現した直流電源装置を提供する。
【解決手段】交流電源を整流する整流器4と、整流器4の出力を平滑化するコンデンサ5と、交流電源1からリアクトル2を介して流れる短絡電流を制御するスイッチ素子3と、スイッチ素子3の動作パルスを制御する制御部10とを備えた直流電源装置において、制御部10は、直流電源装置の出力電圧をスイッチ素子3の短絡時間にて制御し、直流電源装置の力率及び高調波電流をスイッチ素子3の短絡開始位相にて制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、入力力率改善及び高調波電流抑制をしつつ、出力電圧を安定化する直流電源装置に関する。
直流電源装置は、入力力率を改善し、高調波電流を抑制しつつ、出力となる直流電圧もしくは電流を安定化するものである。そのため、出力直流電圧を検出し、目標電圧との差を0とするように電圧を制御し、かつ電流も検出し、正弦波状の目標電流と比較して電流を正弦波状に制御するものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、出力の安定化制御について、記載されていないが、電流のピーク付近をスイッチ動作させずに入力力率を改善し、正弦波状の電流ではなくなるが、高調波電流を低減しているものもある(例えば、特許文献2参照)。
さらに、所定周期分のスイッチ素子の動作パターンをメモリに記憶しておき、検出した電流に応じて、動作パターンを切替えてスイッチ素子を動作させるものもある(例えば、特許文献3参照)。
また、特許文献1及び2のように、正弦波状に電流を制御して入力力率改善、高調波電流抑制をするのではなく、電源と同期して電源半周期に1回だけ所定期間のみスイッチ素子を閉路動作させて、電源短絡電流により入力力率改善、高調波電流抑制を行うものもある(例えば、特許文献4参照)。
さらに、文献4と同様に、電源半周期に1回もしくは数回程度の低速動作(本明細書では文献1や文献2の正弦波状の電流制御する高周波のスイッチ動作を高速動作として低速動作と区別している)させるスイッチ素子の動作タイミングを制御することにより、負荷量や電源電圧が変動しても、電源短絡電流により入力力率改善や高調波抑制を効果的に行うものもある(例えば、特許文献5参照)。
また、電源半周期に1回の低速動作させるスイッチ素子によって倍電圧整流と全波整流とを切替えることにより、全波整流以上であり倍電圧整流以下の出力直流電圧に制御し、かつ、電源短絡電流により入力力率改善や高調波抑制を行うものもある(例えば、特許文献6参照)。
さらに、制御に必要な入力電流の検出回路等を削減しながらも、同等の機能・性能を保つことで安価な方式を実現しているものもある(例えば、特許文献7参照)。
また、検出した入力電流や入力電力、交流電源電圧値に応じて、予め設定した関数を切替え、関数に基づいたスイッチング動作を行うことで高力率化を行うものもある。(例えば、特許文献8参照)。
さらに、交流電源電圧値や入力電力の範囲によって、使用する回路素子及び制御パラメータを限定して高調波規制に適合させるものもある(例えば、特許文献9参照)。
また、交流電源電圧を検出することによりピーク値付近を除く区間にて、スイッチングをオンすることで力率を向上させ、なおかつ高調波を抑制するものもある(例えば、特許文献10参照)。
さらに、接続した負荷ごとに変化する入力電流を検出することで、その検出値に基づいてスイッチング手段の短絡時間を制限し、動作範囲を拡大するものもある(例えば、特許文献11参照)。
また、電源電圧ゼロクロスからのスイッチング手段の短絡開始位相をモータの回転数に応じて変化させるものもある(例えば、特許文献12参照)。
さらに、電源電圧位相をπ/2ずらし、検出した入力電流値と掛け合わせ積分した値がゼロとなるように、スイッチング動作を行うことで力率変動を抑えるものもある(例えば、特許文献13参照)。
特開昭59−198873号公報(図4) 特公昭62−45793号公報(図4) 特開平5−1840号公報(図1) 特開平2−299470号公報(図1、図2) 特開平7−7946号公報(図1) 特開平10−174442号公報(図5) 特開2003−254591号公報(図22) 特開2004−072806号公報(図1) 特開平11−164562号公報(図1) 特開平10−271827号公報(図17) 特開2005−137168号公報(図17) 特開2003−111416号公報(図2) 特開2005−124303号公報(図9)
特許文献1の技術は、電流を正弦波状に制御するため、スイッチ素子を高速(10〜20kHz以上の高周波)に動作させなければならないため、高速で処理する制御が複雑化し、発生ノイズが増加するといった課題があった。また、電流制御をマイナーループにて構成するため、接続される交流電源1のインピーダンスによっては電流制御が発振する可能性があり、電流制御の発振について対策が必要であった。
特許文献2の技術のように、電流のピーク付近にてスイッチ素子の動作を停止させることにより、発生ノイズを低減させることは可能である。しかしながら、電流を検出して電流制御を行うため、スイッチ素子を高速に動作させなければならず、制御の複雑化は解決されない。さらには、電流を直接スイッチ素子の動作制御(PWM)に使用するため、電流制御の発振対策が必要であった。
特許文献3の技術は、複雑な制御をメモリに記憶することにより単純化を図るものであるが、電流は、高応答の制御を要求するため、メモリに記憶するための1周期分のデータは膨大になり、かつ、動作する電流範囲の広い製品へ適用する場合、電流に対応する1周期分のデータ量が増大化する。このメモリするためのデータ収集の作業負荷は多大な労力を必要とするものであり、電流制御の発振対策が必要である。
特許文献4の技術によれば、スイッチ素子を低速動作(電源半周期に1回)させることにより、発生ノイズの低減、制御の容易化を図ることができるが、所定タイミングで動作するだけでは電流範囲(負荷量)の広い製品へ適用することができない。
さらに、特許文献5の技術によれば、動作する電流範囲(負荷量)に応じて、スイッチ素子のオンタイミングとオフタイミングを制御することにより、入力力率を最適化し、高調波電流量を最小にすることができる。しかし、スイッチ素子の低速動作はオンタイミングとオフタイミングで設定するため、負荷量に応じたデータは、メモリに記憶する必要があり、そのための作業負荷の労力は大きい。
また、特許文献6には、スイッチ素子を低速動作させて、出力電圧を制御する技術が記載されている。しかし、出力電圧は検出し、スイッチ素子の制御に使用しているが、入力電流は入力電圧との位相差(入力力率に相当)を制御するために検出するだけで、入力電流の高調波抑制制御に対する使用については、明示されていない。
特許文献7の技術によれば、直流電圧及び直流電流値を検出することにより入力電流を推定する技術が記載されている。しかしながら、入力電流及び直流電圧を用いて、電源電圧を推定する方法については述べられていない。
特許文献8の技術によれば、交流電源電圧や入力電流、入力電力値に基づいて制御関数を選択することで高力率化する技術が記載されている。しかしながら、関数を切り換えることなく高力率化する技術については述べられておらず、高調波規制に適合させる技術についても述べられていない。
特許文献9の技術によれば、交流電源電圧や入力電力値に応じて回路素子や制御パラメータを限定することで、高調波規制に適合する技術が記載されている。しかしながら、回路素子や制御パラメータを限定せずに、制御により高調波規制に適合させる方法については述べられていない。
特許文献10の技術によれば、交流電源電圧を検出することでピーク値を除く区間にて短絡動作を行うことで、高力率化と高調波抑制をする技術が記載されている。しかしながら、短絡開始時間と短絡時間を独立に制御し、高力率及び高調波抑制を図る技術については述べられていない。
特許文献11によれば、接続した負荷ごとに変化する入力電流を検出することで、その検出値に基づいてスイッチング手段の短絡時間を制限し、動作範囲を拡大する技術が記載されている。しかしながら、入力電流にてスイッチング手段の短絡開始位相を、制御する方法については述べられていない。
特許文献12によれば、電源電圧ゼロクロスからのスイッチング手段の短絡開始位相をモータの回転数に応じて変化させる技術が述べられているが高力率化及び高調波抑制する具体的手段については述べられていない。
特許文献13によれば、電源電圧位相をπ/2ずらし、検出した入力電流値と掛け合わせ積分した値がゼロとなるように、スイッチング動作を行うことで力率変動を抑える技術が記載されている。しかしながら、電源電圧と入力電流を検出し、それらの検出値を演算することで力率を演算して制御する方法については述べられていない。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、スイッチ素子を低速動作にて制御する技術であっても、入力電流の高調波成分を所定値以下に制御する電流制御と出力電圧を安定化させる電圧制御とを両立させた直流電源装置を提供することを目的とする。さらに、この発明は、電源電圧検出手段に異常が発生した場合においても動作の継続を可能とした高信頼性の直流電源装置を提供すること、及び、電源電圧の検出に関わる機器を省くことで、部品点数の削減を可能にし、製品の小型化や構造の簡略化、信頼性の向上を実現した直流電源装置を提供することを目的とする。
この発明に係る直流電源装置は、交流電源を整流する整流手段と、前記整流手段の出力を平滑化するコンデンサと、交流電源又は前記整流手段からリアクトルを介して流れる短絡電流を制御するスイッチ手段と、前記スイッチ手段の動作パルスを制御する制御手段とを備えた直流電源装置において、前記制御手段は、直流電源装置の出力電圧を前記スイッチ手段の短絡時間にて制御し、直流電源装置の力率及び高調波電流を前記スイッチ手段の短絡開始位相にて制御する。
この発明に係る直流電源装置は、直流電圧一定の制御状態とした時の短絡時間Tonと短絡開始時間Tdlは、負荷量一定条件であれば唯一の軌跡上を描くという特長を利用して制御するようにしたものであり、低速スイッチ動作であっても、直流電圧の安定化制御と、入力力率改善及び高調波電流の低減の制御とを独立、かつ、並立することで実現することができる。これにより、発生ノイズが少ない安価な低速スイッチ動作を維持しながら、最適値データの収集作業負荷を発生させずに、開発作業負荷を軽減し、開発コストの低下及び開発期間短縮を実現し、開発により発生するコストを抑制することで、安価な方式の更なるコスト低減を実現した直流電源装置を提供できる。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る直流電源装置の回路ブロック図である。図1において、1は交流電源、2はリアクトル、3は交流電源1とリアクトル2を介して電源短絡電流を流し入力力率改善、高調波電流抑制、直流電圧を制御するスイッチ素子、4は交流電源1を直流に整流する整流器、5は整流器4の出力を平滑化するコンデンサ、6は負荷、7は交流電源1から流れる入力電流を検出する入力電流検出器、8は交流電源1の電圧を検出する電源電圧検出器、9は負荷6へ出力する出力直流電圧を検出する直流電圧検出器、10は入力電流検出器7、電源電圧検出器8、直流電圧検出器9からの検出信号からスイッチ素子3を動作させる駆動信号を生成し、出力する制御部である。
図2は図1の直流電源装置の動作波形図である。図2の(a)の波形は、交流電源1の電圧であり、スイッチ素子3がオフしている場合には単純な全波整流となり、図2の(b)に示すような電流が入力電流として交流電源1より流れる。図2(b)のような電流の場合には、入力力率は悪く、高調波電流も多く含有している。
次に、スイッチ素子3をオンすると、交流電源1−リアクトル2−スイッチ素子3−交流電源1の経路にて短絡電流が流れる。この短絡電流により図2(b)では不通流期間であった期間に入力電流が流れ、入力力率改善、高調波電流低減が実現できる。スイッチ素子3をオンし続けると、短絡電流が支配的になり、入力力率が悪化し、高調波電流も増加してしまうため、オンし続ける時間には最適値が存在する。その後、スイッチ素子3をオフすると、リアクトル2は電流を流し続けようとするので、入力電流が流れ続け、整流器4を介してコンデンサ5を充電するように作用する。図2(b)の波形よりも充電する期間、言い換えると、入力電流が流れる期間が長くなるので、コンデンサ5の両端電圧がスイッチ素子3を動作させることにより上昇させることができる。よって、図2の(d)のように、電源電圧である図2の(a)のゼロ点からTdlだけ遅延させた期間の後、スイッチ素子3をTon期間オンすると、図2の(c)に示すような電流が流れることとなる。
また、このTdlやTonの時間を変化させると、入力力率や高調波電流の含有次数の成分分布が変化するため、TdlとTonを負荷6の負荷量に応じた最適値に設定することで、負荷量に応じて入力力率や高調波電流を最適に制御することが出来る。また、負荷6へ出力する直流電圧も、TdlやTon、負荷6の負荷量や交流電源1の電圧値によっても変化するため、直流電圧検出器9にて直流電圧を検出し、制御する目標電圧値との偏差を0に制御することで直流電圧を一定に制御することは可能である。
上述までの一連の動作は、従来の技術において、公知技術であり、負荷量に応じたTdl、Tonの値をメモリに記憶させることで実現している。
従って、負荷量に応じたTdlやTonの最適値をメモリに記憶させることにより、簡単な制御で安価なCPUが使用可能となる。しかし、開発時の作業によってこの最適値データを収集する必要があり、リアクトル2の容量、コンデンサ5の容量、製品の負荷範囲、電源電圧や電源周波数の違い、など、機種毎にこの最適値が異なり、最適値データの収集作業負荷による開発コストは機種数の増加とともに増大し、開発期間が長期間化している。
さらに、この最適値の設計に対する基準があったとしても、全ての基準項目を満足する時、メモリに記憶させる値には、直流電圧の出力余裕度、高調波電流値の規制値に対する余裕度、など、設計者のノウハウによって最適設計が行われる。よって、ノウハウを有さない開発者の場合には、開発期間が更に長期間化してしまう。また、一方、高速CPUの低価格化が進み、制御を複雑化してもコストアップの度合いが、以前と比して差が無くなってきた。
本実施の形態1は、技術の進歩を鑑みて発明されたものであり、発生ノイズが少ない安価な低速スイッチ動作を維持しながら、最適値データの収集作業負荷を発生させずに、開発作業負荷を軽減し、開発コストの低下、開発期間短縮を実現するものである。
図3は、Tdl及びTonをパラメータとして、各々の組合せにて制御した場合の入力力率の挙動を示すグラフであり、図4は、Tdl及びTonをパラメータにして各々の組合せにより制御した場合の直流電圧の挙動を示すグラフである。図3及び図4より、TdlとTonの組合せが変化すると、入力力率(図3)や直流電圧(図4)が変化することがわかる。
図5は、直流電圧を一定に制御したときのTdlとTonの軌跡を示したグラフである。上記のように、TdlとTonの組合せが変化すると直流電圧は変化してしまうので、直流電圧を一定とした場合のTdlとTonの軌跡は図5に示されるようになる。すなわち、図4において、所定の直流電圧となるTdlとTonの組合せを取り出してグラフ化することで図5が得られる。さらに、図5においては、負荷6の負荷量が大きい場合と小さい場合の2種類の負荷量での軌跡も示してある。図5の軌跡上のTdlとTonの組合せとなる値であれば、直流電圧を一定に制御することができる。
図6は、図5の軌跡上にTdlとTonの組合せが選択された場合におけるTdlと入力力率の軌跡を示したグラフである。図6の特性から最大値となる入力力率にて動作するTdlとTonの組合せが存在することが分かる。また、負荷量に応じて、この最大値となる入力力率にて動作するTdlとTonの組合せは異なる。
図7は、電圧一定に動作するTdlとTonの組合せ(図5における軌跡上の組合せ)における高調波電流の高調波規制に対する適合状況を示したグラフである。図7における縦軸は、発生しているn次高調波電流÷n次高調波の規制値(nは2〜40)を示し、1未満であれば規制値に適合、1以上であれば規制値に不適合を意味する評価指数である。
次数に応じた値が2〜40次まで存在するが、図7では簡略化のため、2〜40次までのうち、最大値となる値を示している。高調波規制は、2〜40次までの全ての次数が規制値以下となる必要があり、2〜40次までのうち最大値となる前記の評価指数を把握することにより、適合状態か否かを判断することが可能である。そして、次数毎に全く違う挙動を示すため、図7では非線形となる挙動となっているが、この評価指数が1未満となる値に制御することで、高調波電流の規制値に適合する動作をさせることが可能となる。以上により図1の制御部10は図8に示されるように構成することができる。
図8は、図1の制御部10の制御ブロックである。制御部10は、減算部41、PI制御部42、無効電力算出部43、減算部44,P制御部45、周波数解析部46、比較器47及び調整器48から構成されている。直流電圧の安定化制御は、Tonを制御することで実現し、Tonに直流電圧制御の機能を持たせることで、Tdlを図5に示されるグラフの軌跡上のみの変化とさせることが可能となる。具体的には、電源電圧検出器8により検出された直流電圧検出値と目標電圧との偏差を減算部41により求め、その偏差をPI制御部42に入力し、PI制御部42の出力をTonとすることで直流電圧制御を目標電圧に制御する。
また、無効電力算出部43は、入力電流検出器7の出力(入力電流検出値)と電源電圧検出器8の出力(電源電圧検出値)とから無効電力を算出し、無効電力が0となるようにTdl の値を制御する。入力力率は、有効電力と皮相電力の比率によって定義される値であり、皮相電力=√(有効電力2+無効電力2)で表されるため、無効電力が0となれば入力力率は1となる。また、無効電力を0に近づけることにより、入力力率を最大にすることができる。
制御部10は、無効電力を0に近づけるため、算出する無効電力と目標無効電力(=0)との偏差(言い換えると、偏差=無効電力−0となるので無効電力と同義である)を減算部44により求めてP制御部45へ入力して、Tdlの値が算出される。電源半周期に1回の低速スイッチ素子動作であれば、無効電力は完全に0にならないので、Tdlの制御には定常誤差が発生するP制御にて実現する方が望ましい。
ここで、無効電力を最小化(≒0)に制御したとしても、高調波規制に適合するとは限らない。それは、電源半周期に1回の低速のスイッチ素子動作であるためであり、入力力率最大となる動作状態と高調波規制への適合度合いが一致しないためである。そのため、前記の評価指数(=次数毎に定義された規制値と次数毎の高調波電流発生量との割合のうち、最大値となる値)である図7において、評価指数の最小値となるTdlの値と入力力率の最大値となるTdlの値とは、一致しない。
尚、10〜20kHzで動作させるような高速動作であれば、電流を正弦波状に制御可能であるため、高調波電流発生量の最小値≒0と近似できるので、入力力率最大となる動作状態と高調波規制への適合度合いも一致する。よって、電源半周期に1回の低速スイッチ素子動作の場合には、高調波電流の最小値≠0であるため、高調波電流の抑制度合いの程度にノウハウが必要となる。
さて、歪み波における有効電力は、交流電源1の電圧における周波数成分と入力電流における周波数成分の同一周波数成分とによる有効電力の和となる。ここで、交流電源1の電圧に含む高調波電圧は、電圧の1次成分と比較しても非常に小さい。そこで、電源電圧≒電源電圧の1次成分電圧と近似すれば、電源電圧検出器8の出力と入力電流検出器7の出力から算出される無効電力は、全て高調波に依存した高調波電力となり、無効電力≒高調波電力と近似できる。
したがって、本実施の形態1においては、無効電力算出部43が入力電流検出値と電源電圧検出値とにより無効電力を算出し、無効電力を最小化(入力力率を最大化)に制御することで、高調波電流も最小化することができる。そして、無効電力を最小化に制御する一方で、入力電流検出器7の出力(入力電流検出値)を周波数解析部46により周波数解析し、比較器47にて周波数解析されたものと高調波電流規制値とを比較する。比較器47はその比較結果(前記の評価指数である)を出力し、その出力は調整器48へ入力される。調整器48では、入力された評価指数に応じて、無効電力の制御量Qrefを調整する。この調整前は、Qref=0であるため、目標無効電力も0となるように制御されている。しかし、調整器48の出力Qref=Qa(Qa≠0)となると、目標無効電力もQaとなるように制御される。
調整器48から出力される目標無効電力の制御量Qrefの値は、例えば、次のようにして決定される。動作開始時は、目標無効電力は0であるため、調整器48の出力Qrefも0としておく。比較器47からの出力である評価指数が1以上の出力である場合に、調整器48が動作し始める。
調整器48は、Qref=±αを出力する。そして、Qref=±αでの高調波電流の発生量と高調波電流規制値との評価指数が比較器47から出力される。その評価指数によって比較した結果、Qref=−αの方が高調波電流規制値に対して余裕がある場合、言い換えると評価指数が小さい場合には、調整器48の出力は、Qref=−αとなり、その出力値(Qref=−α)にて、さらに±αの出力(Qref=−2α、0)を行う。調整器48は、このような状態で、再度、比較器47からの出力結果に基づいて、Qrefの値を変化させて、より高調波電流規制値に対して余裕のあるQrefへと出力値を移動させていくように作用する。
このように動作点を探索する方法は、太陽光発電の制御では、MPPT法(最大電力点追制御:Maximum Power Point Tracking)と呼ばれ、太陽光発電では一般的に使われているが、このMPPT法に限らず、高調波規制に適合状態を探索する方法であれば、調整器48はどんな手段で構成しても、何ら本発明の効果が変わらないことは言うまでも無い。
また、このように調整器48により制御量を調整すると、調整器48が無い場合の制御ループと干渉し、制御が発散することが考えられるが、前述の通り、TdlはP制御にて実現しているため、定常誤差が無効電力≒0制御からの誤差分として調整器48の出力を許容し、制御の発散を抑制できる。
以上のように調整器48を構成することによって、無効電力制御により力率最大、高調波電流最小に制御しつつ、高調波電流最小での動作点から高調波規制の適合状態に動作点を移動することが可能となる。
さらに、前述までは、評価指数の1未満となる動作条件と、無効電力が最小となる動作条件、言い換えると力率最大及び高調波電流最小の動作条件、とが一致しないとして述べてきた。これは、電源半周期に1回のスイッチ素子の低速動作であるためであり、高調波電流の抑制能力は、リアクトル2のインダクタンス値が支配的な影響を及ぼす。
言い換えれば、リアクトル2のインダクタンスが必要最小インダクタンスより大きい値であるならば、高調波電流最小の動作条件と評価指数が1未満となる動作条件とが一致する。従って、リアクトル2のインダクタンス値によっては、無効電力≒0に制御することにより、前記の評価指数が常時1未満となり、調整器48が作用する必要もなくなることもあることを付け加えておく。
尚、調整器48の入力に、発生高調波量と高調波電流規制値との割合の最大値となる評価指数を用いたが、高調波電流規制値の適合状態を判別できる入力値であれば、前記の評価指数でなく、どのように定義された関数であっても、数式であっても、本発明の効果を有することはいうまでも無い。
したがって、本発明は、直流電圧一定の制御状態とした時のTonとTdlは、負荷量一定条件であれば唯一の軌跡上を描くという特長を利用して、電源半周期に1回のスイッチ素子の動作であっても直流電圧の安定化制御と入力力率改善、高調波電流の低減の制御を独立、かつ、並立することで実現することができる。
また、制御部10を図8に示されるように構成することにより、直流電圧を目標値に一定に制御することと並立して、最大入力力率付近で動作しつつ、高調波規制への適合を実現し、高調波抑制と入力力率改善とのバランスを維持することができる。これにより、従来、作業により得ていたデータにおける最適値と同等の直流電圧、入力力率及び高調波発生量にて直流電源装置を動作させることができる。
また、ノウハウにより設定されていた入力力率や高調波電流のバランスも、調整器による制御にて数値的にバランスを取ることが可能となり、ノウハウも制御に取り込むことができ、同時並列開発による開発期間の更なる短縮化が実現できる。さらに、常時、高力率状態にて動作するため、有効電力が増加する。一般的に入力はブレーカ容量で制限されているため、増加した有効電力分だけ、直流電源装置に接続された負荷への入力電力を増加させることができ、負荷の出力を大きくすることができる。また、有効電力が増加するので無効電力が逆に減少し、配電設備での受電容量の削減を実現でき、発電所にて発電しているエネルギーの有効利用に寄与することができる。
実施の形態2.
図9は、本発明の実施の形態2に係る制御部の制御ブロック図であり、図10は、図9の制御部の動作を示すフローチャートである。
図9の制御部10について説明する。制御部10は、減算部41、PI制御部42、力率算出部51、微分器52、加算部53、記憶部54、切替え部55、安定判別器56、周波数解析部、除算部58、調整器59及び記憶部60から構成されている。
Tonの制御は、実施の形態1と同様に、直流電圧制御に割り振る。これにより、Tdlは、Tonとの一定の軌跡上を描くように制御される。そこで、Tdlの制御であるが、実施の形態1にて説明した図8の例では、無効電力を利用して入力力率が最大になる動作点にTdl の値を制御していたが、実施の形態2では、入力力率を直接算出することで入力力率を最大動作点に制御する。
入力力率は前述の通り、有効電力/皮相電力から算出できる。また、皮相電力は電源電圧実効値と入力電流実効値の乗算値であり、簡単に算出可能である。さらに、実効値は1周期中の2乗積分の平方根から簡単に算出することができる。また、有効電力も電源電圧と入力電流の瞬時値同士を乗算し、それを1周期中積分した結果の平方根から簡単に算出可能である。
ところで、皮相電力や有効電力、無効電力を電源電圧と入力電流から算出する場合には、これらの電圧及び電流を検出する電源電圧検出器8及び入力電流検出器7の検出誤差が電力の算出誤差となる。
しかし、入力力率の算出の場合には、皮相電力と有効電力の双方を算出し、その比から入力力率を算出するので、検出器7、8の検出誤差が分子と分母に入り、検出器の誤差分を相殺することが可能となる。よって、無効電力を用いた図8の制御部より、ブロック図は複雑であるが、図9の制御部は検出誤差の影響の無いものとなっている。
図11はTdlと入力力率との関係を示したグラフである。力率算出部51は、入力電流検出器7の出力と電源電圧検出器8の出力とに基づいて入力力率を算出するが、入力力率はピークを有する関数となり、図11の(a)で示すような関数となる。また、力率算出部51の出力(入力力率)は微分器52に入力される。微分器52は、入力される信号の傾きを出力するため、微分後は図11の(b)のような関数を辿る。
ここで、最大力率となるTdlをTdl’と定義すると、微分器52の出力を記憶部54を介して加算部53によりTdlの制御値に加算し続け、TdlがTdl’より大きくなると、微分器52の出力は負の値となる。従って、Tdlの制御値には負の値が加算されるため、Tdlの制御値がTdl’より大きくなると、Tdlの制御値がTdl’より小さくなるまで負の値が加算される。よって、微分器52の出力を加算部53により制御値に加算することによって、Tdl’へTdlの制御値を収束させるように微分器52は作用する。
言い換えると、微分器52は入力力率が最大値を超える前はTdlの制御値を増加させ、入力力率が最大値を超えている場合は、Tdlの制御値を減少するように動作する。そして、入力力率の最大値付近では、Tdlの制御値に加算する値が小さくなるので、入力力率最大となるピーク値付近で安定した動作が実現される。この最大力率制御を示したのが、図10のフローチャートにおけるS−1である。
加算部53は微分器52からの出力を加算し続け、入力力率を最大とするようTdlは増加し、所定時間経過すると、微分器52の出力は0となり、Tdlの値も安定する。このような状態で制御することにより、力率算出部51が電源電圧検出器8により検出された電圧及び入力電流検出器7により検出された電流に基づいて算出した入力力率も安定する。
そこで、安定判別器56にて安定か否かを判断し、安定したと判断したならば(S−2)、S−3に示すように図9の切替え部55の入力をAからBへ切替える。これによりBから入力された値にてTdlが与えられ、スイッチ素子3が駆動される。
安定判別器56による安定の判別に、図9ではTdlの変化量が無くなる、若しくは所定の範囲内の変動値以内になることを基準にしているが、これに限ったことではなく、算出した力率の値が安定した場合、これも変化量がない若しくは所定の範囲内の変動としてもよい、安定と判断しても何ら問題は無い。
さらに、微分器52を用いるのは一例であって、徐々にスライドさせつつ、最大値となるように収束させるような前述のMTTP法で入力力率を最大値となるようTdlを制御しても、何ら本発明の効果が変わらないことは言うまでも無い。
次に、切替え部55のB入力側の制御について説明する。入力電流検出器7にて検出された電流検出値を周波数解析部57により周波数解析し、次数毎の高調波電流と高調波電流規制値とを除算部58にて比較する。図8では比較器47であり、図9では除算部58を用いているが、高調波電流規制値との比較が実現すれば、何れの方法でも実現可能であることはいうまでも無い。
除算部58は、次数毎に高調波電流÷高調波電流規制値を演算し、最大値となる値を除算部58より出力する。この除算部58の出力は、前述の評価指数と同義であり、1未満であれば全次数の規制値について適合状態であることを示す。この除算部58の出力が調整器59に入力される。
調整器59は、この評価指数が1未満となれば、全次数が規制に適合であることを示すので、評価指数が0となるように、Tdlの値を調整する。この調整は、高調波発生量が1未満となるようにTdlの値を変更すればよいので、前述のMPPT法や微分器を用いて実現すればよい。この動作は、図10のフローチャートのS−4に対応する。
また、図7に示されるように、評価指数が非線形である場合には、MPPT法や微分器を用いると、極小値で動作点が収束する可能性もある。そこで、調整器59は前回の出力値を取りこめるようTdlの値をサンプリングホールドした記憶部60からの出力が入力される。そして、所定範囲内で、Tdlをスライドさせて所定のTdlにおける発生高調波電流の評価指数のデータを収集する。
そのうち、評価指数が1未満であるTdlの値にTdlの値を調整するよう調整器59は動作する。仮にスライドさせて収集した評価指数のうち1未満になるTdlが数点あったとする。その場合は、最も最大力率に近いTdlに調整する。このように構成することで最大力率に最も近い状態で動作させることができる。
また、上述では評価指数を1未満としているが、検出誤差などを見込んで、ある程度のマージンを上乗せしておいても、差し支えないことは言うまでもない。
以上の調整器59の作用により、Tdlの値が制御され、高調波規制に適合状態で直流電源装置の動作は安定する。ただし、調整器59における調整は、負荷6の負荷量が安定という仮定の元で最大入力力率にし、その後、高調波最小に制御するため、負荷量が変化した場合、再度、Tdlの値を変更する必要がある。
そこで、入力電流検出器7の出力が変動したか否かを安定判別器56で判断し(S−5)、負荷量が変動した場合には、切替え部55の入力をBからAへ変更する(S−6)。これにより、再度、最大入力力率の動作状態となるTdlへ値が制御される(S−1)。
ところで、負荷6についてであるが、負荷6で消費される電力が安定していれば、交流電源1に流れる高調波電流は、本発明の直流電源装置の動作次第で発生量が決まることとなる。負荷6の負荷量は、負荷6より情報が得られれば正確であるが、入力電流検出器7が構成されているので、この検出値を用いることにより検出可能である。即ち、負荷量が安定状態であれば、自らの動作のみで高調波発生量が決定するので、高調波電流量を最小に制御する、または、高調波規制に適合するように制御する、これをTdlとTonの軌跡上に、この2つの値を可変することで実現できる。
また、負荷6は、例えば、モータを駆動するインバータであった場合には、モータの平均出力が安定していれば負荷6としても負荷量は安定するので、圧縮機などの空気調和機にこの直流電源装置を適用した場合、1回転中のトルク脈動で負荷が変動しようとも、平均トルクが安定していれば負荷6が安定であると言える。
さらに、空気調和機などに適用した場合には、モータの出力はインバータ周波数で代替可能である。インバータ周波数はインバータ自身で制御する値であるので、特別な検出器を必要としないで負荷6の負荷量を検出することが可能であり、インバータから負荷量の情報を得ることができる。また、上述では空気調和機と記載したが、何も空気調和機に限ったことではなく、インバータ周波数で負荷6の負荷量を代替できる製品であれば、特別な検出器を有さずに負荷6の負荷量の情報を得ることが可能である。さらに、インバータがモータの電流などを検出する手段を制御のために有していれば、負荷量を把握することが問題ないことは言うまでもない。
よって、本発明は、直流電圧一定の制御状態とした時のTonとTdlは、負荷量一定条件であれば唯一の軌跡上を描くという特長を利用して、直流電圧の安定化制御と入力力率改善、高調波電流の低減の制御を独立、かつ、並立することで実現することができる。
また、制御部10を図9に示される制御ブロックに構成したことにより、直流電圧を目標値に一定に制御することと並立して、最大入力力率付近で動作しつつ、高調波規制への適合を実現し、高調波抑制と入力力率改善とのバランスを維持することができる。これにより、従来、作業により得ていたデータにおける最適値と同等の直流電圧、入力力率及び高調波発生量にて直流電源装置を動作させることができる。
また、ノウハウにより設定されていた入力力率や高調波電流のバランスも、調整器による制御にて数値的にバランスを取ることが可能となり、ノウハウも制御に取り込むことができ、同時並列開発による開発期間の更なる短縮化が実現できる。
さらに、皮相電力と有効電力の双方から入力力率を直接算出する構成としたので、検出器の検出誤差が分子と分母に入り、検出器の誤差分を相殺することが可能となるので、実施の形態1より検出誤差の影響の無い制御ブロックを構成できる。
なお、本実施の形態2では、最大入力力率や高調波最小へ制御するのに、微分器やMPPT法を適用したが、他の方法であっても、最大入力力率や高調波最小の探索制御が実現できれば、どのような構成であっても同様の効果を有することはいうまでも無い。
実施の形態3.
前述までの実施の形態1、2では、電源半周期に1回の低速スイッチ動作にて説明していたため、最大入力力率の動作状態と高調波規制適合状態が一致しないとして説明した。さらに、この一致しない理由はリアクトル2のインダクタンス値が支配的であり、この値を必要最小値よりも大きくすることにより、一致するとも説明した。そこで、本実施の形態3では、図12に示すような電源半周期に数回程度スイッチ素子を動作する低速動作と定義し、必要最小のインダクタンス値のリアクトル2が構成されているとして説明する。
図12は本発明の実施の形態3に係る動作波形図である。電源半周期に数回程度の低速スイッチ動作で、電源半周期に1回の低速動作からスイッチ素子3の動作回数が増加すれば、発生するノイズ量が増加する。しかしながら、図12の(b)に示されるように、1パルスで短絡電流を流すようにスイッチ素子を動作させていた部分を数回のスイッチ動作に分割化した場合には、2〜3dB程度のノイズ発生量の悪化であり、正弦波状に電流を制御する従来の高速スイッチ動作の制御の場合は、10dB程度のノイズ発生量の悪化があるので、従来技術よりノイズ発生の増加量は約1/3程度と少ないことを確認している。さらに、図12(c)のようにゼロ点を挟んでスイッチ素子3を動作させた場合には、図12(b)より1〜2dB程度の悪化であり、従来技術の1/2程度のノイズ発生量の増加がある。
本発明は、低速スイッチ動作での特長である少ない発生ノイズ量にて、高速スイッチ動作と同様な直流電圧制御と正弦波状ではないものの入力電流を制御して力率改善、高調波電流低減を両立する目的に発案されており、ノイズ発生量の増加度が少ないレベルでの電源半周期に数回程度のスイッチ動作で実現する構成である。
以上のように、電源半周期に数回のスイッチ動作であれば、最大入力力率の動作状態と高調波規制適合状態が一致しやすくなる。これは、スイッチ素子3の動作を分割化することにより、電流が滑らかになり、高調波電流自体が少なくなるためである。その場合、高調波規制と比較する比較器、及び高調波規制値への適合状態へ制御量を調整する調整器の動作が不要となる。
尚、図12(c)の波形において、ゼロ点の直前の分割された数回のパルスがTonと定義されていないが、この時間が予め設定された所定時間であれば、現実的にはこの所定時間だけTonに足した値で制御されていることとなり、この時間をTonに含めなくともこの発明の効果を有することは言うまでもない。更に言えば、このゼロ点の直前の数回のパルスが出力されている時間もTonに含めても問題ない。
この発明で重要なのは、パルスが出力されている時間Tonと出力開始する時間Tdlは、直流電圧を一定に制御すると、唯一の軌跡上を描き、その軌跡上をTdlとTonを動作させながら、高調波規制値に適合させるという制御方法である。
以上により、電流検出器7の出力を周波数解析する必要もなくなり、図8における無効電力算出部43の出力のみをP制御部45へ入力し、その出力をTdlの制御に使用することが可能となる。また、図9においては、切替え部55や安定判別器56が不要となり、微分器52の出力と記憶部54の出力との加算出力をTdlの制御に用いることができる。よって、CPUの処理能力を低減することができ、低コストに具現化できる。
また、本発明の構成であれば、従来技術のように電流制御をマイナーループにて構成せず、無効電力もしくは力率を制御するために電源電圧のゼロ点からの遅延時間Tdlにて制御するので、従来技術では接続される交流電源1のインピーダンスによって電流制御が発振する問題があったが、本発明の構成であれば電流制御の発振を対策せずに抑制することができる。
さらに、本発明の実施の形態3であっても、直流電圧一定の制御状態とした時のTonとTdlは、負荷量一定条件であれば唯一の軌跡上を描くという特長を利用しているので、直流電圧の安定化制御と入力力率改善、高調波電流の低減の制御を独立、かつ、並立することで実現することができる。
制御部10は図8及び図9に示される制御ブロックの省略形で構成することが可能であり、直流電圧を目標値に一定に制御することと並立して、最大入力力率付近で動作しつつ、高調波規制への適合を実現し、高調波抑制と入力力率改善とのバランスを維持することができる。これにより、従来、作業により得ていたデータにおける最適値と同等の直流電圧、入力力率及び高調波発生量にて直流電源装置を動作させることができる。
また、ノウハウにより設定されていた入力力率や高調波電流のバランスも、電源半周期に数回のスイッチ素子動作による制御にてバランスを取ることが可能となり、ノウハウも制御に取り込むことができ、同時並列開発による開発期間の更なる短縮化が実現できる。
実施の形態4.
図13は、本発明の実施の形態4に係る直流電源装置の構成を示す回路ブロック図である。図1と同動作の要素には同一符号を付し、説明は省略する。図13では、図1のスイッチ素子3をダイオード整流器3aとIGBT3bにて構成しているが、IGBT3bを用いる場合には、ダイオード整流器3aと組合せて交流電流が流れるスイッチ素子3を構成することが一般的である。また、図1では全波整流構成であった回路が、図13では倍電圧整流構成となり、整流器4の出力側のコンデンサ5が直列接続され、その中点が整流器4の入力側と接続されている。
図13の回路構成であっても、制御部10での動作は図1における制御部10の動作と変わることはなく、直列接続されたコンデンサ5の両端となる直流電圧を一定に制御するようにTonを制御すると、TdlとTonは唯一の軌跡上を描く。従って、図13のような回路構成であっても実施の形態1から3までに記載と同等効果を有することは言うまでもない。
図14は、直流電源装置の他の構成を示す回路ブロック図である。図14の直流電源装置は、スイッチ素子3が倍電圧整流と全波整流とを切替えるよう構成されている。また、整流器4の出力を平滑化するコンデンサ5が直列に接続されたコンデンサに更に並列にコンデンサが接続され、3個のコンデンサによってコンデンサ5が構成されている。図14のように倍電圧整流と全波整流とを切替えるような回路構成の場合には、コンデンサ5が3個にて構成されるのは一般的な事項である。なお、3個のコンデンサ5の内、直列に接続されたコンデンサ5a,5bは昇圧コンデンサとして機能する。
図14に示されるように、倍電圧整流と全波整流とを切替えるような回路構成であっても、直流電圧を制御することは可能であり、制御部10を上述のように構成することによって、実施の形態1から3までに記載と同等効果を有することは言うまでもない。
図15及び図16は、直流電源装置の他の構成を示す回路ブロック図である。これらの図に示されるように、スイッチ素子3を整流器4の出力側に配置したとしても、この制御部10に対する効果は、実施の形態1から3までに記載と同等効果を有することは言うまでもない。尚、図15及び図16において、整流器4の出力側にスイッチ素子3を配置すると、スイッチ素子3がオンすることによりコンデンサ5からの逆流を防止するダイオード21が接続されることとなる。さらに言えば、図15は全波整流の回路構成であり、図16は倍電圧整流の回路構成である。
図17は、直流電源装置の他の構成を示す回路ブロック図である。図17の直流電源装置は、スイッチ素子3を整流器4の入力側に接続し、全波整流と倍電圧整流構成との切替えることが出来るようにさらに切替えスイッチ22を追加した回路構成である。この回路構成であっても、TdlとTonによる制御は、整流器4の入力側に配置されたスイッチ素子3にて実現し、全波整流と倍電圧整流を負荷6の負荷量に応じて切替えるように切替えスイッチ22を動作させることで、本発明の制御方法を実現することができる。よって、図17のような回路構成であっても実施の形態1から3までに記載と同等効果を有することは言うまでもない。
従って、本発明における制御は、図13、図14、図15、図16及び図17に示されるような直流電源装置において、主回路構成のみ異なるだけであれば、如何なる主回路構成であっても、実施の形態1〜3までと同等効果を有することはいうまでも無い。
更に、制御部10は図8又は図9の制御ブロックにて構成することが可能であることはいうまでも無く、さらに、本明細書に記載されていない他の回路構成であっても本発明の制御部を追加することによって、何ら本発明の制御方法を実現できることはいうまでも無い。
実施の形態5.
図18は、本発明の実施の形態5に係る直流電源装置の構成を示す回路ブロック図である。図1と同動作の要素には同一符号を付し、説明は省略する。図18において、31は短絡電流がリアクトル2を介して流れる際に、電流変化率di/dtを抑制する共振コンデンサである。
さらに、前述までの実施の形態は、単相電源であったが、図18は、三相電源による主回路構成である。交流電源1が三相電源であるため、リアクトル2、スイッチ素子3は各相毎の3個にて構成されている。整流器4は三相ダイオード整流器にて構成される。また、入力電流検出器7及び電源電圧検出器8は、3相のうち2相分の電流及び電圧を検出するよう構成される。ここで、検出器7及び8が2相分だけでいいのは、交流電源1が3相であり、平衡状態であれば、3相の和が0となり、2相分検出されれば、残りの1相分は、全体の和が0という式から参集可能であるためである。
図19は、図18の直流電源装置の動作波形図である。図18の主回路構成も、図19に示されるように電源半周期に1回の低速のスイッチ素子動作にて動作可能である。交流電源1の中性点Nと各相間の相電圧を図19(a)に示す。この相電圧におけるゼロ点から所定時間であるTdl後、Tonだけ各相毎に1回だけスイッチ素子を動作させる。すると、短絡電流が流れ、図19(e)に示すような電流が流れる。ただし、図19(e)には、R相の電流のみ記載している。このTonとTdlの組合せを変化させることにより、直流電圧、力率及び高調波電流を所定の値に制御できる。
従って、電源半周期に1回だけスイッチ素子3を動作することにより、短絡電流が流れ、力率改善、高調波電流低減が実現できるとともに、直流電圧も所定の値に制御することができるので、実施の形態1〜4までに記載の制御部にて構成したとしても何ら問題は無く、同等効果を有することは言うまでもない。さらに言えば、実施の形態1〜4で記述した制御部の構成でなくとも、TonとTdlを唯一の軌跡上にて制御することにより、直流電圧と力率、高調波電流の制御を独立に制御できることは言うまでもない。
よって、三相電源にて構成された主回路であっても、直流電圧一定の制御状態とした時のTonとTdlは、負荷量一定条件であれば唯一の軌跡上を描くという特長を利用して、直流電圧の安定化制御と入力力率改善、高調波電流の低減の制御を独立、かつ、並立することで実現することができる。
また、直流電源装置を図18に示す制御ブロックで構成することにより、直流電圧を目標値に一定に制御することと並立して、最大入力力率付近で動作しつつ、高調波規制への適合を実現し、高調波抑制と入力力率改善とのバランスを維持することができる。これにより、従来、作業により得ていたデータにおける最適値と同等の直流電圧、入力力率及び高調波発生量にて直流電源装置を動作させることができる。
更に言えば、図8の構成にて無効電力を算出するのに、電源電圧検出器8の出力を用いているが、無効電力は無効電流に比例するとして、電源電圧の瞬時値ではなく、ゼロ点を検出する簡素な検出にて、位相のみ抽出できれば無効電力を算出していることと同義となり、同等効果を有する。また、図9の力率検出も同様に電源電圧の実効値をローパスフィルタなどで検出し、ゼロ点にて位相を検出できれば、力率を算出することは可能である。
また、ノウハウにより設定されていた入力力率や高調波電流のバランスも、調整器による制御にて数値的にバランスを取ることが可能となり、ノウハウも制御に取り込むことができ、同時並列開発による開発期間の更なる短縮化が実現できる。
実施の形態6.
図20は、本発明の実施の形態6に係る回路図、図21は制御部の制御ブロック図であり、実施の形態2と同様に図10は、制御部10の動作を示すフローチャートである。さらに前述までの実施の形態は、制御に電源電圧検出値を取り入れていたが、図20では、電源電圧ゼロ点検出器23による信号を制御に取り入れている。
図21の制御部10について説明する。制御部10は、減算部41、PI制御部42、力率算出部51、微分器52、加算部53、記憶部54、切替え部55、安定判別器56、周波数解析部57、除算部58、調整器59及び記憶部60が前述の実施の形態を踏襲しており、新たに角度演算部61及び正弦波生成部62が追加された構成になっている。
Tonの制御は、実施の形態1と同様に、直流電圧制御に割り振る。これにより、Tdlは、Tonとの一定の軌跡上を描くように制御される。そこで、Tdlの制御については、実施の形態2と同様に、入力力率を算出することで入力力率を最大動作点に制御し、その後高調波電流を最小、若しくは高調波規制に適合するよう制御する。
電源電圧ゼロ点検出器23からの信号により、角度演算部61で電源電圧の位相角が求められる。さらに、電源系統から送られる電源電圧は正弦波であるため、位相角をθとすると電源電圧振幅×sinθと表すことができ、前記位相角θを用いて正弦波生成部62にて電源電圧と同期した波形が出力できる。
正弦波生成部62の信号は電源電圧と同期しているが、振幅については実際の電源電圧と一致しない。しかし、入力力率は、
Figure 2006304586
で求めることが可能であることから、電源電圧振幅成分は分子と分母により相殺されるため、振幅による影響は受けない。
ところで、電源電圧ゼロ点検出器23及び入力電流検出器7の検出誤差が入力力率の算出誤差となるが、前述の通り検出誤差が分子と分母に含まれるため誤差が相殺される。
本実施の形態6においては、電源電圧ゼロ点検出器23を用いることにより、前述の実施の形態の電源電圧と同様に入力力率を算出できるだけでなく、前述までの実施の形態と同様にTdlが制御可能となるため、入力力率と高調波電流のバランスの取れた動作が可能であることは言うまでも無い。
制御部10は、図8及び図9の制御ブロックにて構成することが可能であることはいうまでも無く、さらに、本明細書に記載されていない他の回路構成であっても本発明の制御部を追加することによって、本発明の制御方法を実現できることはいうまでも無い。
本実施形態6による方式を用いることにより、前述の実施の形態に用いられている電源電圧検出器8を省くことが可能となり、構造の簡略化による小型化だけでなく、部品点数削減による信頼性も向上させることが可能である。
また、電源電圧検出器8及び電源電圧ゼロ点検出器23による二つのTdl制御手段を備えることにより、片方の検出手段に異常が生じた際に、実施の形態2もしくは本実施の形態を切替えることによって動作の継続が可能となり、更に信頼性の高い電源装置が実現可能となる。
実施の形態7.
図22は、本発明の実施の形態7に係る回路図、図23は制御部の制御ブロック図であり、実施の形態2と同様に図10は、制御部10の動作を示すフローチャートである。前述までの実施の形態は、制御に電源電圧検出値もしくは電源電圧ゼロ点信号を取り入れていたが、図22は電源電圧に関する信号を取り入れていないことが特徴である。
図23の制御部10について説明する。制御部10は、減算部41、PI制御部42、力率算出部51、微分器52、加算部53、記憶部54、切替え部55、安定判別器56、周波数解析部57、除算部58、調整器59、記憶部60、角度演算部61及び正弦波生成部62が前述の実施の形態を踏襲しており、新たに周波数判定部63、基本波偏角演算部64及び電源電圧ゼロ点推定部65が追加された構成をしている。
Tonの制御は、実施の形態1と同様に、直流電圧制御に割り振る。これにより、Tdlは、Tonとの一定の軌跡上を描くように制御される。そこで、Tdlの制御については、実施の形態2と同様に、入力力率を算出することで入力力率を最大動作点に制御し、その後高調波電流を最小、もしくは高調波規制に適合するよう制御する。
入力電流は電源電圧の半波ごとに通電されているとすると、電源電圧と入力電流の周期は一致する。このとき周波数判定部63にて、入力電流の立ち上がり、立ち下がり、もしくはピーク値の何れかを観測し、例えば入力電流の立ち上がりから次の立ち上がりまでの時間を観測することによって電源周波数が判定可能である。仮に、半波ごとに通電されていなくても、その通電のタイミングが既知の場合には、周波数判定が可能であることは言うまでも無い。
また前記立ち上がり、立ち下がり、ピーク値もしくはそれに準じる点の何れかを基準点として電源一周期分あるいは数周期分を、周波数解析部57により解析することで、基本波成分の偏角を求めることができる。求めた前記電源周波数と偏角により、前記周波数解析の基準点と入力電流基本波成分の位相ずれの度合いを得ることができるため、入力電流基本波成分のゼロ点を得ることができる。
ただし、入力電流の基本波成分の偏角について、低サンプリングで周波数解析を行った場合には、サンプリング誤差が生じる。そのため、サンプリング定理を満たすような周波数でサンプリングし、周波数解析部57にて解析することで、精度良く偏角を得ることが可能である。
電源電圧ゼロ点推定部65にて図24に示すように、抵抗成分Rとリアクタンス成分ωL−1/ωCを考慮することによって電源電圧と入力電流の位相差φがわかり、入力電流基本波成分のゼロ点と位相差φの関係から電源電圧ゼロ点を得ることができる。
ただし、入力電流が増大すると、リアクトル2が磁束飽和を起こし、インダクタンス値が低下する現象が発生し、誘導性リアクタンス成分ωLが低下する。そのため、電源電圧と入力電流の位相差φが変化してしまい誤差の要因となる。しかし、飽和領域を含めたリアクトル2のインダクタンス値の電流特性を考慮し、入力電流に対するインダクタンス値を参照することにより、精度が向上することは言うまでも無い。
また、電源電圧ゼロ点検出手法として、直流電圧検出値を用いても実現可能である。直流電圧はコンデンサ5による充放電により、完全な直流とならずに脈動が生じる。この脈動の最大ピーク値は電源電圧のピーク値とタイミングが一致する。そのため、電源周波数判定部63にて直流電圧脈動の最大ピーク値間の時間を計測することにより、電源電圧の周波数を得ることが可能である。
さらに、電源系統から送られる電源電圧は正弦波であるため、電源電圧のピーク値とゼロ点は電源1/4周期分位相がずれた関係にある。そのため、電源電圧ゼロ点推定部65にて、前記直流電圧の脈動のピーク値から、電源1/4周期、3/4周期、5/4周期といったような位置を、電源電圧ゼロ点として検出可能である。
または、直流電圧検出値の最大ピーク値と次の最大ピーク値の中間点が、電源電圧ゼロ点になることから、最大ピーク値間を1/2した時間を最大ピーク値点から遅らせた点が電源電圧ゼロ点として検出可能である。
入力電流検出値もしくは直流電圧検出値を用いた電源電圧ゼロ点検出方法は、どちらか片方のみを用いても両方用いても動作に問題ないことは言うまでもなく、両方の方法を用いることで電源電圧ゼロ点を平均して求めるなどの補正を行い、更に検出精度を向上させることが可能である。
さらに、電源電圧ゼロ点推定部65にてゼロ点が収束するように複数回演算を繰り返すことにより、更に精度良く電源電圧ゼロ点を検出可能である。
よって、電源電圧ゼロ点を得ることが可能となるため、実施の形態6と同様に電源電圧を正弦波生成部62で模擬することによって、入力力率が算出可能となることは言うまでもない。
また、得られた電源電圧ゼロ点を基準として、電源周波数判定部63の値を用いて周波数解析部57にて入力電流を解析することにより、高調波電流を求めることが可能である。
よって、電源電圧を検出することなく、入力力率及び高調波電流を求めることが可能となるため、前述までの実施の形態と同様にTdlが制御可能となり、入力力率と高調波電流のバランスの取れた動作が可能であることは言うまでも無い。
制御部10は、図8、図9及び図21の制御ブロックにて構成することが可能であることはいうまでも無く、さらに、本明細書に記載されていない他の回路構成であっても本発明の制御部を追加することによって本発明の制御方法を実現できることはいうまでも無い。
本実施の形態7の方式を用いることにより、前述の実施の形態に用いられている電源電圧検出器8及び電源電圧ゼロ点検出器23を省くことが可能となる。そのため実施の形態1〜6よりも構造の簡略化でき、小型化だけでなく部品点数削減による信頼性も向上させることが可能である。
また、前述の実施の形態と同様に電源電圧検出器8及び電源電圧ゼロ点検出器23を備えることにより、何れかの検出手段に異常が生じた場合においても、例えば実施の形態2の電源電圧検出値が得られなくなった場合には、本実施の形態や実施の形態6の構成に切替えることより動作の継続が可能となり、更に信頼性の高い電源装置を実現できる。
実施の形態8.
図22は、本発明の実施の形態8に係る回路図、図25は制御部の制御ブロック図であり、実施の形態2と同様に図10は、図25の制御部の動作を示すフローチャートである。本実施の形態8は、実施の形態7と同様に、電源電圧に関する信号を取り入れずに制御を行うことを特徴としている。
図25の制御部10について説明する。制御部10は、減算部41、PI制御部42、力率算出部51、微分器52、加算部53、記憶部54、切替え部55、安定判別器56、周波数解析部57、除算部58、調整器59、記憶部60、電源周波数判定部63及び電源電圧ゼロ点推定部65が前述の実施の形態から踏襲されており、新たに符号判定器66、切替え部67、乗算器68、微分器69、乗算器70及び加算器71が追加された構成をしている。
Tonの制御は、実施の形態1と同様に、直流電圧制御に割り振る。これにより、Tdlは、Tonとの一定の軌跡上を描くように制御される。そこで、Tdlの制御については、実施の形態2と同様に、入力力率を算出することで入力力率を最大動作点に制御し、その後高調波電流を最小、もしくは高調波規制に適合するよう制御する。
切替え部67は、スイッチ素子3が短絡動作をしている時には0を、開放動作をしている時には直流電圧検出値を出力するよう作用する。
符号判定器66により入力電流検出値の正負の符号を判定し、乗算器68にて前記切替え部67からの値と前記正負の符号を掛け合わせる。そして、微分器69により入力電流の時間変化di/dtを求め、時間変化とリアクトル2のインダクタンス値とを乗算器70にて掛け合わせることにより、リアクトル2に発生する電圧値を得ることができる。
前記の乗算器68から得られた電圧値と、乗算器70から得られた電圧値を、加算器71にて加算することにより、現在の電源電圧値を得ることが可能となる。つまり、電源電圧をVac、直流電圧をVdc、リアクトル2のインダクタンス値をLとすると、スイッチ素子3が開放状態、且つ入力電流Isが正の値の時には、
Figure 2006304586
となり、スイッチ素子3が開放状態、かつ入力電流が負の値の時には、
Figure 2006304586
となる。スイッチ素子3が短絡状態の場合には、
Figure 2006304586
となる。
また図22中の回路素子、例えば整流器4で用いられているダイオードの電圧降下分などを、前述の電源電圧算出補正値として加算器71にて加算することにより、更に電源電圧推定値の精度が増すことは言うまでも無い。
高調波電流については実施の形態7と同様に、電源周波数判定部63にて得られる電源周波数と、電源電圧ゼロ点推定部65にて得られる電源電圧ゼロ点を用いて、周波数解析部57にて得ることが可能である。また電源電圧推定値から得られた周波数とゼロ点を周波数解析に用いても、何ら問題ないことは言うまでも無い。
よって、電源電圧を検出することなく、電源電圧値の推定が可能となり、入力力率及び高調波電流が得られるため、前述までの実施の形態と同様にTdlが制御可能となり、入力力率と高調波電流のバランスの取れた同様の動作が可能であることは言うまでも無い。
制御部10は、図8、図9、図21及び図23の制御ブロックにて構成することが可能であることはいうまでも無く、さらに、本明細書に記載されていない他の回路構成であっても本発明の制御部を追加することによって、本発明の制御方法を実現できることはいうまでも無い。
本実施の形態系8の方式を用いることにより、前述の実施の形態に用いられている電源電圧検出器8及び電源電圧ゼロ点検出器23を省くことができるだけでなく、電源電圧の瞬時値の情報を得ることが可能となる。そのため実施の形態6、7の方式よりも高精度な動作が可能となる。
更に、実施の形態7と同様に電源電圧に関する検出回路を必要としないため、構造の簡略化ができ、小型化だけでなく部品点数削減による信頼性も向上させることが可能である。
また、実施の形態7で述べたように、電源電圧検出器8及び電源電圧ゼロ点検出器23を備えることにより、何れかの検出手段に異常が生じた際に、例えば実施の形態2の電源電圧検出値が得られなくなった場合には、本実施の形態や実施の形態6及び7の構成に切替えることより動作の継続が可能となり、更に信頼性の高い電源装置を実現できる。
本発明の活用例として、圧縮機用インバータや送風機用インバータの直流電源装置が挙げられる。また、圧縮機を搭載する活用例として、空気調和機、冷蔵庫、冷凍機、除湿機、給湯機などが挙げられる。さらに、送風機を搭載する活用例として、換気扇、空気清浄機、加湿器などが挙げられる。
本発明の実施の形態1に係る直流電源装置の構成を示す回路ブロック図である。 本発明の実施の形態1の動作波形図である。 本発明の実施の形態1における入力力率範囲を示すグラフである。 本発明の実施の形態1における直流電圧範囲を示すグラフである。 本発明の実施の形態1におけるTdlとTonの軌跡を示すグラフである。 本発明の実施の形態1におけるTdlと入力力率の軌跡を示すグラフである。 本発明の実施の形態1におけるTdlと高調波発生量の軌跡を示すグラフである。 本発明の実施の形態1に係る制御部の制御ブロック図である。 本発明の実施の形態2に係る制御部の制御ブロック図である。 本発明の実施の形態2の動作を説明するフローチャートである。 本発明の実施の形態2における入力力率と微分との関係を示す波形である。 本発明の実施の形態3の動作波形図である。 本発明の実施の形態4に係る直流電源装置の構成を示す回路ブロック図である。 本発明の実施の形態4の他の形態に係る直流電源装置の構成を示す回路ブロック図である。 本発明の実施の形態4の他の形態に係る直流電源装置の構成を示す回路ブロック図である。 本発明の実施の形態4の他の形態に係る直流電源装置の構成を示す回路ブロック図である。 本発明の実施の形態4の他の形態に係る直流電源装置の構成を示す回路ブロック図である。 本発明の実施の形態5に係る直流電源装置の構成を示す回路ブロック図である。 本発明の実施の形態5の動作波形図である。 本発明の実施の形態6に係る直流電源装置の構成を示す回路ブロック図である。 本発明の実施の形態6に係る制御部の制御ブロック図である。 本発明の実施の形態7及び8に係る直流電源装置の構成を示す回路ブロック図である。 本発明の実施の形態7に係る制御部の制御ブロック図である。 本発明の実施の形態7の動作を説明する図である。 本発明の実施の形態8に係る制御部の制御ブロック図である。
符号の説明
1 交流電源、2 リアクトル、3 スイッチ素子、4 整流器、5 コンデンサ、6 負荷、7 入力電流検出器、8 電源電圧検出器、9 直流電圧検出器、10 制御手段、21 逆流阻止ダイオード、22 全波倍電圧整流切替えリレー、23 電源電圧ゼロ点検出器、31 共振コンデンサ、41 減算部、42 PI制御部、43 無効電力算出部、44 減算部、45 P制御部、46 周波数解析部、47 比較器、48 調整器、51 力率算出部、52 微分器、53 加算部、54 記憶部、55 切替え部、56 安定判別器、57 周波数解析部、58 除算部、59 調整器、60 記憶部、61 角度演算部、62 正弦波生成部、63 電源周波数判定部、64 基本波偏角演算部、65 電源電圧ゼロ点推定部、66 符号判定器、67 切替え部、68 乗算器、69 微分器、70 乗算器、71 加算器。

Claims (13)

  1. 交流電源を整流する整流手段と、前記整流手段の出力を平滑化するコンデンサと、交流電源又は前記整流手段からリアクトルを介して流れる短絡電流を制御するスイッチ手段と、前記スイッチ手段の動作パルスを制御する制御手段とを備えた直流電源装置において、
    前記制御手段は、直流電源装置の出力電圧を前記スイッチ手段の短絡時間にて制御し、直流電源装置の力率及び高調波電流を前記スイッチ手段の短絡開始位相にて制御することを特徴とする直流電源装置。
  2. 交流電源をリアクトルを介して全波整流する整流手段と、前記整流手段の出力を平滑化するコンデンサと、前記コンデンサに並列接続され、互いに直列に接続された複数の昇圧用コンデンサと、前記整流手段の入力端子と前記昇圧用コンデンサの接続点との間に設けられたスイッチング手段と、前記スイッチ手段の動作パルスを制御する制御手段とを備えた直流電源装置において、
    前記制御手段は、直流電源装置の出力電圧を前記スイッチ手段の短絡時間にて制御し、直流電源装置の力率及び高調波電流を前記スイッチ手段の短絡開始位相にて制御することを特徴とする直流電源装置。
  3. 出力電圧を検出する出力電圧検出部を備え、
    前記制御手段は、前記出力電圧検出部により検出された電圧を一定にすべく前記スイッチ手段の短絡時間を制御し、前記スイッチ手段の短絡開始位相を所定範囲内で可変して力率及び高調波電流を制御することを特徴とする請求項1又は2記載の直流電源装置。
  4. 前記制御手段は、前記スイッチ手段の短絡開始位相を、最大力率となるべく所定範囲内で可変して力率及び高調波電流を制御することを特徴とする請求項3記載の直流電源装置。
  5. 前記制御手段は、前記スイッチ手段の短絡開始位相を、前記高調波が所定値以下となるべく所定範囲内で可変して力率及び高調波電流を制御することを特徴とする請求項3記載の直流電源装置。
  6. 出力電圧を検出する出力電圧検出部と、
    入力電圧を検出する入力電圧検出部と、
    入力電流を検出する入力電流検出部とを備え、
    前記制御手段は、前記出力電圧検出部により検出された電圧を一定にすべく前記スイッチ手段の短絡時間を制御し、前記入力電圧検出部により検出された入力電圧及び前記入力電流検出部により検出された入力電流から力率を最大とすべく前記スイッチ手段の短絡開始位相を制御することを特徴とする請求項1又は2記載の直流電源装置。
  7. 出力電圧を検出する出力電圧検出部と、
    入力電圧のゼロ点を検出する入力電圧ゼロ点検出部と、
    入力電流を検出する入力電流検出部とを備え、
    前記制御手段は、前記出力電圧検出部により検出された電圧を一定にすべく前記スイッチ手段の短絡時間を制御し、前記入力電圧ゼロ点検出部により検出されたゼロ点信号及び前記入力電流検出部により検出された入力電流から力率を最大とすべく前記スイッチ手段の短絡開始位相を制御することを特徴とする請求項1又は2記載の直流電源装置。
  8. 出力電圧を検出する出力電圧検出部と、
    入力電流を検出する入力電流検出部とを備え、
    前記制御手段は、前記出力電圧検出部により検出された電圧を一定にすべく前記スイッチ手段の短絡時間を制御し、前記入力電流検出部により検出された入力電流と、該入力電流を周波数解析することにより得られた基本成分の信号とから入力電圧を推定し、該入力電圧及び前記入力電流から力率を最大とすべく前記スイッチ手段の短絡開始位相を制御することを特徴とする請求項1又は2記載の直流電源装置。
  9. 出力電圧を検出する出力電圧検出部と、
    入力電流を検出する入力電流検出部とを備え、
    前記制御手段は、前記出力電圧検出部により検出された電圧を一定にすべく前記スイッチ手段の短絡時間を制御し、前記入力電流検出部により検出された入力電流と前記出力電圧検出部から得られた出力電圧とにより電源電圧を推定し、該電源電圧及び前記入力電流から力率を最大とすべく前記スイッチ手段の短絡開始位相を制御することを特徴とする請求項1又は2記載の直流電源装置。
  10. 出力電圧を検出する出力電圧検出部と
    入力電流を検出する入力電流検出部とを備え、
    前記制御手段は、前記出力電圧検出部により検出された出力電圧を一定にすべく前記スイッチ手段の短絡時間を制御し、前記入力電流検出部により検出された入力電流を周波数解析し、高調波規制と比較して規制適合状態とすべく前記スイッチ手段の短絡開始位相を制御することを特徴とする請求項1又は2記載の直流電源装置。
  11. 出力電圧を検出する出力電圧検出部と、
    入力電圧を検出する入力電圧検出部と、
    入力電流を検出する入力電流検出部とを備え、
    前記制御手段は、前記出力電圧検出部により検出された出力電圧を一定にすべく前記スイッチ手段の短絡時間を制御し、前記入力電圧検出部により検出された入力電圧及び前記入力電流検出部により検出された入力電流から力率を最大とすべく前記スイッチ手段の短絡開始位相に制御し、最大力率到達後に、前記入力電流検出部により検出された入力電流を周波数解析し、高調波規制と比較して規制適合状態とすべく前記スイッチ手段の短絡開始位相を制御し、短絡開始位相の制御を切替えることを特徴とする請求項1又は2記載の直流電源装置。
  12. 出力電圧を検出する出力電圧検出部と、
    入力電流を検出する入力電流検出部とを備え、
    前記制御手段は、前記出力電圧検出部により検出された出力電圧を一定にすべく前記スイッチ手段の短絡時間を制御し、前記出力電圧検出部により検出された電圧を一定にすべく前記スイッチ手段の短絡時間を制御し、前記入力電流検出部により検出された入力電流と、前記出力電圧検出部から得られた出力電圧とにより電源電圧を推定し、該電源電圧及び前記入力電流から力率を最大とすべく前記スイッチ手段の短絡開始位相を制御し、最大力率到達後に、前記入力電流検出部により検出された入力電流を周波数解析し、高調波規制と比較して規制適合状態とすべく前記スイッチ手段の短絡開始位相を制御し、短絡開始位相の制御を切替えることを特徴とする請求項1又は2記載の直流電源装置。
  13. 前記制御手段は、前記スイッチ手段の短絡時間と前記スイッチ手段の短絡開始位相とをそれぞれ独立して制御することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の直流電源装置。
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