JP2006307699A - 圧縮機 - Google Patents

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克己 鉾谷
Kazuhiro Kosho
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Abstract

【課題】 スクロール式圧縮機構で流体を2段圧縮する圧縮機において、高段側の圧縮機構の圧縮室の吸込部における圧力損失の増大を回避するする。
【解決手段】スクロール型の第1圧縮機構(40)及び第2圧縮機構(50)が駆動軸(33)に連結される。流体は、第1圧縮機構(40)で圧縮された後、更に第2圧縮機構(50)で圧縮される。ここで、第2圧縮機構(50)の可動スクロール(52)の旋回半径R2を第1圧縮機構(40)の可動スクロール(42)の旋回半径R1よりも小さくする。
【選択図】図1

Description

本発明は、2台のスクロール式圧縮機構が駆動軸で連結されて流体を2段圧縮する圧縮機に関するものである。
従来より、2台の圧縮機構を備え、冷媒や空気などの流体を2段圧縮する圧縮機が知られている。
例えば、特許文献1に開示されている圧縮機は、第1の圧縮機構となる低段側圧縮機構と、第2の圧縮機構となる高段側圧縮機構とを備えている。これらの圧縮機構は、それぞれスクロール圧縮機構で構成されており、固定スクロールと可動スクロールとを備えている。
両スクロールは、それぞれ鏡板と、この鏡板の片面に形成された渦巻き状のラップとを有している。そして、両スクロールのラップが互いに噛合することで、両鏡板及び両ラップとの間に流体の圧縮室が形成される。また、両圧縮機構の可動スクロールは、1本の駆動軸の両端部にそれぞれ連結されている。これらの可動スクロールは、駆動軸の軸心から所定量偏心している。電動機によって駆動軸が回転されると、可動スクロールは駆動軸から偏心して所定の旋回半径で公転運動する。その結果、両ラップの間に形成される圧縮室の容積が縮小され、流体の圧縮が行われる。
この圧縮機では、まず流体が低段側圧縮機構に吸入され、この流体が低段側圧縮機構の圧縮室内で中間圧力まで圧縮される。低段側圧縮機構から吐出された中間圧力の流体は、その後に高段側圧縮機構に吸入される。この流体は、高段側圧縮機で更に圧縮され、高圧流体となって吐出される。以上のように、この種の圧縮機は、低段側圧縮機構で圧縮した流体を更に高段側圧縮機構で圧縮する、いわゆる2段圧縮を行うことで、高圧縮比での流体の圧縮を実現可能としている。
特開平11−141483号公報
ところで、上述のようにして流体の2段圧縮を行う場合には、低段側圧縮機構の圧縮室から吐出される流体の容積と、高段側圧縮機構の圧縮室に吸入される流体の容積とを同じとする必要がある。このため、高段側圧縮機構の吸入容積を低段側圧縮機構の吸入容積よりも小さく設計する必要がある。このような場合には、高段側圧縮機構のラップ高さを低段側圧縮機構のラップ高さよりも低く設計するのが一般的である。
しかしながら、例えば流体を比較的高圧まで圧縮する場合には、高段側圧縮機構の吸入容積を低段側圧縮機構の吸入容積に対して極めて小さくする必要がある。したがって、上述のように高段側圧縮機構のラップ高さを低くして吸入容積を小さくしようとすると、高段側の圧縮室における流体の通路高さが極端に狭くなってしまい、この圧縮室の吸込部における圧力損失が増大してしまう恐れがあった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、スクロール式圧縮機構で流体を2段圧縮する圧縮機において、高段側圧縮機構の圧縮室の吸込部における圧力損失の増大を回避するすることにある。
第1の発明は、第1固定スクロール(41)及び第1可動スクロール(42)を有する第1圧縮機構(40)と、第2固定スクロール(51)及び第2可動スクロール(52)を有する第2圧縮機構(50)と、上記第1可動スクロール(42)及び第2可動スクロール(52)を連結して両可動スクロール(42,52)を旋回運動させる駆動軸(33)とを備え、第1圧縮機構(40)で圧縮した流体を更に第2圧縮機構(50)で圧縮する圧縮機を前提としている。そして、この圧縮機は、上記第2可動スクロール(52)の旋回半径R2が、上記第1可動スクロール(42)の旋回半径R1よりも小さいことを特徴とするものである。
第1の発明では、圧縮機に第1圧縮機構(40)と第2圧縮機構(50)とが設けられる。両圧縮機構(40,50)は、スクロール式の圧縮機構で構成される。両圧縮機構(40,50)の両可動スクロール(42,52)は、一本の駆動軸(33)に連結され、所定の旋回半径で公転運動を行う。その結果、流体は第1圧縮機構(40)で圧縮されて中間圧力となり、更に第2圧縮機構(50)で圧縮されて高圧流体となる。
ここで、本発明では、高段側となる第2圧縮機構(50)の第2可動スクロール(52)の旋回半径R2を、低段側となる第1圧縮機構(40)の第1可動スクロール(42)の旋回半径R1よりも小さくしている。このため、第2圧縮機構についてのラップの側面同士の最大距離は、第1圧縮機構についてのラップの側面同士の最大距離より小さくなる。したがって、第2可動スクロール(52)及び第2固定スクロール(51)のラップ高さを極端に低くすることなく、第2圧縮機構(50)の吸入容積を第1圧縮機構(40)の吸入容積より小さくすることができる。
第2の発明は、第1の発明において、上記第1圧縮機構(40)と上記第2圧縮機構(50)との間に中間室(24)を形成する筒状部材(21)と、上記中間室(24)に収容されて駆動軸(33)を駆動する電動機(30)とを備え、上記第1圧縮機構(40)の吐出口(48)上記第2圧縮機構(50)の吸入口とは上記中間室(24)を介して連通しており、上記第1可動スクロール(42)及び上記第2可動スクロール(52)の背面部(45,55)には、上記中間室(24)の圧力がそれぞれ作用することを特徴とするものである。
第2の発明では、第1圧縮機構(40)と第2圧縮機構(50)との間に中間室(24)が形成され、この中間室(24)に電動機(30)が収納される。この中間室(24)は第1圧縮機構(40)の吐出流体で満たされるため、中間室(24)の圧力は、第1圧縮機構(40)の吸入流体圧力よりも高い中間圧力となる。
ここで、第1可動スクロール(42)及び第2可動スクロール(52)の背面部(45,55)には、中間室の圧力、即ち中間室内の流体圧と同じ中間圧力が作用する。このため、両可動スクロール(42,52)は、対応する固定スクロール(41,51)側に押圧されることとなり、両圧縮機構(40,50)で生じる軸方向のスラスト力が緩和される。
第3の発明は、第2の発明において、上記第1圧縮機構(40)の吐出口(48)と上記中間室(24)とを連通させる導入管(17)と、該導入管(17)内の流体を冷却する冷却手段(62)とを備えていることを特徴とするものである。
第3の発明では、第1圧縮機構(40)の吐出口(48)から吐出した流体が導入管(17)を流通する。導入管(17)を流れる流体は、冷却手段(62)によって冷却されて低温となった後、上記中間室(24)へ流入する。この低温の流体は、中間室(24)の電動機(30)から生じる熱を奪った後、第2圧縮機構(50)で高圧流体まで圧縮される。
第4の発明は、第1の発明において、第1固定スクロール(41)及び第2固定スクロール(51)の外表面には、放熱フィン(61,63)が設けられていることを特徴とするものである。
第4の発明では、両圧縮機構(40,50)について両固定スクロール(41,51)にそれぞれ放熱フィン(61,63)が設けられる。その結果、両圧縮機構(40,50)での流体の圧縮時に生じる熱は、放熱フィン(61,63)を介して両圧縮機構(40,50)の外部へ放出される。即ち、放熱フィン(61,63)を設けることにより、両圧縮機構(40,50)で圧縮される流体の低温化が図られる。
第5の発明は、第1の発明において、上記第2圧縮機構(50)には、圧縮途中の圧縮室(57)に連通する補助吐出口(70)と、該補助吐出口(70)を開閉する吐出弁(71)とが設けられていることを特徴とするものである。
第5の発明の第2圧縮機構(50)には、通常の2段圧縮時に用いる吐出口と別に補助吐出口(70)が設けられる。この補助吐出口(70)には吐出弁(71)が設けられ、この吐出弁(71)が上記補助吐出口(70)を開閉する。吐出弁(71)が全閉状態となる場合、流体は第2圧縮機構(50)の圧縮室で最大圧力まで圧縮された後、吐出口から吐出される。一方、吐出弁(71)が開放状態となる場合、圧縮途中となる流体が補助吐出口(70)から吐出される。つまり、補助吐出口(70)からは、第2圧縮機構(50)の最大の吐出流体圧力より低い圧力の流体が吐出される。
本発明では、高段側の第2可動スクロール(52)の旋回半径R2を低段側の第1可動スクロール(42)の旋回半径R1よりも小さくしている。このため、第2圧縮機構(50)のラップ高さを極端に低くすることなく、高段側の第2圧縮機構(50)における流体の吸入容積を第1圧縮機構(40)の吸入容積よりも小さくすることができる。このため、第2圧縮機構(50)の圧縮室の通路高さを充分確保することができ、圧縮室の吸込部での圧力損失の増大を回避することができる。その結果、この圧縮機で安定して流体を圧縮することができると共に第2圧縮機構(50)の動力負荷を低減できる。
上記第2の発明によれば、中間室(24)の中間圧力を第1,第2可動スクロール(42,52)の背面部(45,55)にそれぞれ作用させることで、両圧縮機構(40,50)におけるスラスト力を低減できるようにしている。その結果、スラスト力を受ける可動スクロール(42,52)が旋回する際に生じる摩擦損失を低減できる。
上記第3の発明では、第1圧縮機構(40)の吐出流体を冷却手段(62)で冷却してから中間室(24)に導入するようにしている。このため、第2圧縮機構(50)に吸入される流体が高温となってしまうことを回避できる。このようにすると、第2圧縮機構(50)の両スクロール(51,52)の熱変形を未然に防止できるので、第2圧縮機構(50)で確実に流体を圧縮させることができる。また、この圧縮機から最終的に吐出される流体の温度が極端に高くなってしまうことを防止できる。
更に本発明によれば、冷却した後の流体が電動機(30)の周囲を通過するため、この流体によって電動機(30)を冷却することができる。したがって、電動機(30)の過剰な温度上昇を回避でき、この圧縮機の信頼性を向上できる。
上記第4の発明によれば、それぞれの固定スクロール(41,51)に放熱フィン(61,63)を設けることで、両圧縮機構(40,50)で圧縮される流体の低温化を図ることができる。このため、各圧縮機構(40,50)についての両固定スクロール(41,51)や両可動スクロール(42,52)の熱変形を防止できる。また、この圧縮機から最終的に吐出される流体の温度が極端に高くなってしまうことも防止できる。
上記第5の発明では、補助吐出口(70)の吐出弁(71)を開放することで、第2圧縮機構(50)で圧縮途中の流体を該補助吐出口(70)から吐出させるようにしている。このため、この圧縮機から吐出される流体の圧力を使用条件に応じて適宜切り換えることができる。したがって、第2圧縮機構(50)で過剰に流体を圧縮してしまい、いわゆる過圧縮損失を招いてしまうことも回避できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態のガス圧縮装置(1)は、流体を2つの圧縮機構で2段階に圧縮する、いわゆる2段式の圧縮機を構成している。このガス圧縮装置(1)は、横長のケーシング(10)内に、ファン(15)と圧縮機(20)とが収納されている。
上記ケーシング(10)には、一方の側面に空気導入口(11)が形成され、他方の側面に空気排出口(12)が形成されている。そして、ケーシング(10)の内部には、空気導入口(11)から空気排出口(12)までの間に空気通路(13)が形成されている。上記ファン(15)は、圧縮機本体(20)に隣接して空気通路(13)に配置されている。
圧縮機本体(20)は、筒状部材(21)と、該筒状部材(21)の上端に位置する上部ハウジング(22)と、該筒状部材(21)の下部に位置する下部ハウジング(23)とを備えている。上記筒状部材(21)は、その上端及び下端がそれぞれ外周側に拡がる鍔状に形成されている。上部ハウジング(22)は、上面側の中央部に凸状の空間が形成された円環状に形成されている。一方、下部ハウジング(23)は、下面側の中央部に凸状の空間が形成された円環状に形成されている。そして、上記筒状部材(21)の上下にそれぞれ両ハウジング(22,23)が固定されることで、筒状部材(21)の内部に中間室(24)が区画形成される。
中間室(24)には、電動機(30)と、該電動機(30)で駆動される駆動軸(33)の中央部分が配置されている。電動機(30)は、ステータ(31)及びロータ(32)とで構成されている。ステータ(31)は、筒状部材(21)の内壁に固定されている。一方、ロータ(32)は、駆動軸(33)の外周に連結されており、その外周面がステータ(31)の内周面と対峙している。
上述の上部ハウジング(22)及び下部ハウジング(23)には、それぞれの内周部に駆動軸受け(25,26)が設けられている。そして、上記駆動軸(33)は、その上端部が上部ハウジング(22)の上部駆動軸受け(25)に支持され、その下端部が下部ハウジング(23)の下部駆動軸受け(26)に支持されている。また、駆動軸(33)には、その上端部に上側偏心軸(34)が設けられ、その下端部に下側偏心軸(35)が設けられている。これらの偏心軸(34,35)は、それぞれ駆動軸(33)の軸心から所定量偏心している(詳細は後述する)。
圧縮機本体(20)は、2つのスクロール型の圧縮機構(40,50)を備えている。第1圧縮機構(40)は、駆動軸(33)の下側に設けられており、低段側圧縮機構を構成している。第2圧縮機構(50)は、駆動軸(33)の上側に設けられており、高段側圧縮機構を構成している。
上記第1圧縮機構(40)は、第1固定スクロール(41)と第1可動スクロール(42)とを備えている。
上記第1固定スクロール(41)は、第1固定側鏡板(43)、第1固定側ラップ(44)、及び複数の低段側フィン(61)とを備えている。上記第1固定側鏡板(43)は、円板状の基板(43a)と、該基板(43a)の外周端部上面に一体形成される環状部材(43b)とで構成されている。上記第1固定側ラップ(44)は、基板(43a)の上面に立設される渦巻き状の歯で構成されている。そして、環状部材(43b)の上端面が上記下部ハウジング(23)の下面に固定されることで、第1固定スクロール(41)が下部ハウジング(23)に支持される。上記複数の低段側フィン(61)は、板状に形成され、第1固定側鏡板(43)から下方に突設している。これら低段側フィン(61)は、圧縮機本体(20)の周囲の空気通路(13)に露出されており、第1圧縮機構(40)内の流体の冷却効果を高める放熱フィンを構成している。
上記第1可動スクロール(42)は、第1可動側鏡板(45)と第1可動側ラップ(46)とを備えている。第1可動側鏡板(45)は、円板状の基板(45a)と、該基板(45a)の軸心部周辺から上方に突設される環状の下側偏心軸受け部(45b)とで構成されている。この下側偏心軸受け部(45b)には、上記下側偏心軸(35)が係合している。第1可動側ラップ(46)は、基板(45a)の下面に突設される渦巻き状の歯で構成されている。そして、第1可動側ラップ(46)と上記第1固定側ラップ(44)とが互いに噛み合うことで、両鏡板(43,45)及び両ラップ(44,46)との間に低段側圧縮室(47)が形成されている。
また、第1可動スクロール(42)には、図示しない自転防止機構が設けられている。この自転防止機構としては、例えばオルダムリングが用いられる。つまり、第1可動スクロール(42)は、上記自転防止機構によって自転が禁止される一方、駆動軸(33)に対する下側偏心軸(35)の偏心量を旋回半径(公転半径)R1として偏心回転する。
第1圧縮機構(40)には、第1吸入管(16)と第1吐出管(17)とが接続されている。第1吸入管(16)は、一端がケーシング(10)を貫通してケーシング(10)の外部に開口しており、この開口に圧縮対象となる流体が供給される。一方、第1吸入管(16)の他端は、環状部材(43b)を貫通して第1可動スクロール(42)の外周側の空間に開口しており、低段側圧縮室(47)の吸入口と連通可能となっている。
上記第1吐出管(17)は、その一端が第1固定スクロール(41)の軸心部に形成される第1吐出口(48)と接続している。つまり、低段側圧縮室(47)は、第1吐出口(48)を介して第1吐出管(17)と連通している。一方、第1吐出管(17)の他端は、筒状部材(21)の外周壁に接続しており、上記中間室(24)に開口している。つまり、第1吐出管(17)は、第1圧縮機構(40)の吐出口(48)と中間室(24)とを連通させる導入管を構成している。また、第1吐出管(17)の外表面には、複数の中間側フィン(62)が突設されている。これら複数の中間側フィン(62)は、板状あるいはピン状に形成され、圧縮機本体(20)の周囲の空気通路(13)に露出されている。つまり、これらの中間側フィン(62)は、第1吐出管(17)を流れる流体を冷却する冷却手段としての放熱フィンを構成している。
上記第1可動スクロール(42)の第1可動側鏡板(45)の上面(背面)には、その径方向の中間位置に環状のシールリング(64)が設けられている。そして、このシールリング(64)の内周面と、第1可動側鏡板(45)と、上記下部ハウジング(23)とで仕切られた空間が第1背圧室(65)を構成している。この第1背圧室(65)は、第1圧縮機構(40)の吐出流体で満たされる中間室(24)と連通しており、中間圧力となっている。したがって、第1可動スクロール(42)の第1可動側鏡板(45)についての上記第1背圧室(65)に面する内周側略半分の部位には、上記中間室(24)の中間圧力が作用する。
上記第2圧縮機構(50)は、上記第1圧縮機構(40)と同様にして、第2固定スクロール(51)と第2可動スクロール(52)とを備えている。
上記第2固定スクロール(51)は、第2固定側鏡板(53)、第2固定側ラップ(54)、及び複数の高段側フィン(63)とを備えている。上記第2固定側鏡板(53)は、円板状の基板(53a)と、該基板(53a)の外周端部下面に一体形成される環状部材(53b)とで構成されている。第2固定側ラップ(54)は、基板(53a)の下面に突設される渦巻き状の歯で構成されている。そして、環状部材(53b)の下端面が上記上部ハウジング(22)の上面に固定されることで、第2固定スクロール(51)が上部ハウジング(22)に支持される。上記複数の高段側フィン(63)は、板状に形成され、第2固定側鏡板(53)の上面に突設されている。これら高段側フィン(63)は、圧縮機本体(20)の周囲の空気通路(13)に露出されており、第2圧縮機構(50)内の流体の冷却効果を高める放熱フィンを構成している。
上記第2可動スクロール(52)は、第2可動側鏡板(55)と第2可動側ラップ(56)とを備えている。第2可動側鏡板(55)は、円板状の基板(55a)と、該基板(55a)の軸心部周辺から下方に突設される環状の上側偏心軸受け部(55b)とで構成されている。この上側偏心軸受け部(55b)には、上記上側偏心軸(34)が係合している。第2可動側ラップ(56)は、基板(55a)の上面に突設される渦巻き状の歯で構成されている。そして、第2可動側ラップ(56)と上記第2固定側ラップ(54)とが互いに噛み合うことで、両鏡板(53,55)及び両ラップ(54,56)との間に高段側圧縮室(57)が形成されている。
また、第2可動スクロール(52)には、図示しない自転防止機構が設けられている。つまり、第2可動スクロール(52)は、上記自転防止機構によって自転が禁止される一方、駆動軸(33)に対する上側偏心軸(34)の偏心量を旋回半径R2として偏心回転する。
第2圧縮機構(50)には、第2吸入管(18)と第2吐出管(19)とが接続されている。第2吸入管(18)は、一端が筒状部材(21)を貫通して中間室(24)に開口している。一方、第2吸入管(18)の他端は、環状部材(53b)を貫通して第2可動スクロール(52)の外周側の空間に開口しており、上記高段側圧縮室(57)の吸入口と連通可能となっている。
上記第2吐出管(19)は、その一端が第2固定スクロール(51)の軸心部に形成される第2吐出口(58)と接続している。つまり、高段側圧縮室(57)は、第2吐出口(58)を介して第2吐出管(19)と連通している。一方、第2吐出管(19)の他端は、ケーシング(10)を貫通してケーシング(10)の外部に開口している。
上記第2可動スクロール(52)の第2可動側鏡板(55)の下面(背面)と、上部ハウジング(22)との間には、凸状の第2背圧室(66)が形成されている。この第2背圧室(66)は、上記中間室(24)と連通しており、いわゆる中間圧力となっている。一方、第2可動スクロール(52)の第2可動側鏡板(55)は、高段側圧縮室(57)と相対する全ての部位が第2背圧室(66)に面しており、この部位に上記中間室(24)の中間圧力が作用する。
上記第1圧縮機構(40)と第2圧縮機構(50)とでは、それぞれの吸入容積が異なる。つまり、第2圧縮機構(50)へは、第1圧縮機構(40)で圧縮された後の流体が吸入されるため、第2圧縮機構(50)の吸入容積は、第1圧縮機構(40)の吸入容積よりも小さく設計されている。具体的に本実施形態では、第2圧縮機構(50)の吸入容積V2における第1圧縮機構(40)の吸入容積V1に対する比は、約1/17となっている。また、本実施形態では、第2圧縮機構(50)の吸入容積V2を第1圧縮機構(40)の吸入容積V1よりも小さくするために、上側偏心軸(34)と下側偏心軸(35)についての駆動軸(33)に対する偏心量を異なる量としている。具体的に、上側偏心軸(34)の偏心量は、下側偏心軸(35)の偏心量よりも約0.5〜2.0mm小さく設計されている。即ち、上記第2可動スクロール(52)についての旋回半径R2が上記第1可動スクロール(42)のついての旋回半径R1よりも小さくなっている。
また、各圧縮機構(40,50)のラップ(44,46,54,56)の先端表面には、樹脂などを主材料とするチップシールが設けられている。そして、このチップシールにより、両スクロール(41,42,51,52)の内部での流体の漏れが低減されている。その結果、本実施形態の圧縮機(20)は、両スクロール(41,42,51,52)の摺動部分等に潤滑油を用いない、いわゆるオイルレス型の圧縮機で構成することができる。
−運転動作−
次に、本実施形態のガス圧縮装置(1)の運転動作について図2を参照しながら説明する。
ガス圧縮装置(1)の運転時には、ファン(15)が運転状態となる。その結果、空気導入口(11)からケーシング(10)内に空気が導入される。この空気はケーシング(10)内部の空気通路(13)を流れて圧縮機本体(20)の周辺を流れた後、空気排出口(12)よりケーシング(10)の外部に排出される。
また、ガス圧縮装置(1)の運転時には、電動機(30)が駆動軸(33)を回転駆動する。その結果、第1圧縮機構(40)及び第2圧縮機構(50)の両可動スクロール(42,52)が偏心回転し、両圧縮機構(40,50)で流体の圧縮動作が行われる。
圧縮対象となる流体は、第1吸入管(16)を流通して第1圧縮機構(40)の低段側圧縮室(47)へ流入する。第1圧縮機構(40)では、第1可動スクロール(42)が第1固定スクロール(41)に対して偏心回転することで、低段側圧縮室(47)の容積が縮小される。その結果、流体は低段側圧縮室(47)を外周から軸心部へ向かって流れて次第に圧縮される。一方、上記空気通路(13)を流れる空気は、第1固定スクロール(41)及び低段側フィン(61)の周囲を流通する。このため、低段側圧縮室(47)における流体の圧縮で生じる熱が空気に放出され、この流体が冷却される。
低段側圧縮室(47)で中間圧力まで圧縮された流体は、第1吐出口(48)を通過して第1吐出管(17)に流入する。一方、上記空気通路(13)を流れる空気は、第1吐出管(17)及び中間側フィン(62)の周囲を流通する。このため、第1吐出管(17)を流通する流体の熱が空気に放出され、この流体が更に冷却される。
第1吐出管(17)を流出した流体は、中間室(24)に導入される。この流体は、電動機(30)の周囲を流れて第2吸入管(18)に流入する。この際、電動機(30)は流体によって冷却されるため、電動機(30)の過剰な温度上昇が抑制される。
また、中間室(24)が流体で満たされて中間圧力となると、第1背圧室(65)から第1可動側鏡板(45)の上面内側略半分の部位に向かってこの中間圧力が作用する。その結果、低段側圧縮室(47)の内部で生じる軸方向のスラスト力は、この中間圧力によって緩和される。
上記第2吸入管(18)を流れる流体は、第2圧縮機構(50)の高段側圧縮室(57)へ流入する。第2圧縮機構(50)では、第2可動スクロール(52)が第2固定スクロール(51)に対して偏心回転することで、高段側圧縮室(57)の容積が縮小される。その結果、流体は高段側圧縮室(57)を外周から軸心部へ向かって流れ次第に圧縮される。一方、上記空気通路(13)を流れる空気は、第2固定スクロール(51)及び高段側フィン(63)の周囲を流通する。このため、高段側圧縮室(57)における流体の圧縮で生じる熱が空気に放出され、この流体が冷却される。
また、中間室(24)が中間圧となると、第2背圧室(66)から第2可動側鏡板(55)の下面に向かってこの中間圧力が作用する。その結果、高段側圧縮室(57)の内部で生じるスラスト力がこの中間圧力によって緩和される。
以上のようにして、第1圧縮機構(40)及び第2圧縮機構(50)で2段圧縮されて高圧となった流体は、第2吐出口(58)を通過した後、第2吐出管(19)から吐出される。
−実施形態の効果−
上記実施形態では、第2圧縮機構(50)の第2可動スクロール(52)の旋回半径R2を第1圧縮機構(40)の第1可動スクロール(42)の旋回半径R1よりも小さくしている。このため、第2圧縮機構(50)の第2固定側ラップ(54)や第2可動側ラップ(56)の高さを極端に低くすることなく、第2圧縮機構(50)における流体の吸入容積V2を第1圧縮機構(40)の吸入容積V1よりも小さくすることができる。このため、第2圧縮機構(50)の高段側圧縮室(57)の通路高さを充分確保することができ、高段側圧縮室(57)の吸込部における圧力損失の増大を回避することができる。その結果、この圧縮機で安定して流体を圧縮することができると共に第2圧縮機構(50)の動力負荷を低減できる。
また、上記実施形態では、中間室(24)の中間圧力を第1,第2可動スクロール(42,52)のそれぞれの鏡板(45,55)に作用させることで、両圧縮室(47,57)で生じるスラスト力を緩和できる。その結果、スラスト力を受ける可動スクロール(42,52)が旋回する際に生じる摩擦損失を低減できる。
更に上記実施形態では、ファン(15)の送風空気で流体を冷却するようにしている。ここで、第1固定スクロール(41)及び第2固定スクロール(51)には、それぞれ放熱フィン(61,63)が設けられているため、両圧縮機構(40,50)で圧縮される流体を送風空気で効果的に冷却できる。また、第1吐出管(17)にも放熱フィン(62)が設けられているため、第1吐出管(17)を流れる流体を送風空気で効果的に冷却できる。このため、第2圧縮機構(50)に吸入される流体を低温化でき、第2圧縮機構(50)の両スクロール(51,52)の熱変形を未然に防止できる。したがって、第2圧縮機構(50)で確実に流体を圧縮させることができる。また、この圧縮機から最終的に吐出される流体の温度が極端に高くなってしまうことを確実に防止できる。更に、低温状態となって中間室(24)に導入された流体は、電動機(30)の周囲を通過するため、この流体によって電動機(30)を冷却することができる。したがって、電動機(30)の過剰な温度上昇を回避でき、この圧縮機の信頼性を向上できる。
−実施形態の変形例1−
変形例1のガス圧縮装置(1)は、上述した実施形態と第2圧縮機構(50)の構成が異なるものである。図3に示すように、変形例1の第2圧縮機構(50)の第2固定スクロール(51)には、第2吐出口(58)と別に補助吐出口(70)が設けられている。この補助吐出口(70)は、第2固定スクロール(51)において、高段側圧縮室(57)の外周部と軸心部との間の中間位置に開口している。つまり、補助吐出口(70)は、圧縮途中の高段側圧縮室(57)と連通しており、補助吐出口(70)からは高段側圧縮室(57)の圧縮途中の流体が吐出される。
また、補助吐出口(70)には、吐出弁(71)が設けられている。この吐出弁(71)は、該吐出弁(71)の背圧に応じて該補助吐出口(70)を開閉自在に構成されている。さらに、補助吐出口(70)には、補助吐出管(19a)の一端が接続されている。この補助吐出管(19a)の他端は、第2吐出管(19)と接続している。
この変形例1では、圧縮機(20)の最終的な吐出側の圧力に応じて吐出弁(71)が開閉される。具体的に、例えば圧縮機(20)の吐出側の圧力が高い場合、吐出弁(71)の背圧が高段側圧縮室(57)の内圧よりも高くなるため、吐出弁(71)が補助吐出口(70)を全閉状態とする。その結果、上記実施形態と同様、第1圧縮機構(40)及び第2圧縮機構(50)で完全に2段圧縮された流体が、第2吐出管(19)から吐出される。一方、圧縮機(20)の吐出側の圧力が低い場合、吐出弁(71)の背圧は高段側圧縮室(57)の内圧よりも低くなるため、吐出弁(71)が補助吐出口(70)を開放状態とする。その結果、第1圧縮機構(40)で中間圧力まで圧縮された流体は、高段側圧縮室(57)で途中まで圧縮された後、補助吐出口(70)及び補助吐出管(19a)を通過して第2吐出管(19)から吐出される。このように、この変形例1では、圧縮機(20)の吐出側の圧力に応じて補助吐出口(70)の吐出弁(71)が適宜開閉される。したがって、第2圧縮機構(50)で過剰に流体を圧縮してしまい、いわゆる過圧縮損失を招いてしまうことも回避できる。
−実施形態の変形例2−
変形例2のガス圧縮装置(1)は、上記実施形態と第2背圧室(66)の近傍の構成が異なるものである。図4に示すように、変形例2では、第2可動側鏡板(55)と上部ハウジング(22)との間に2つのシールリング(73,74)が設けられている。この2つのシールリングは、内側寄りに位置する内側シールリング(73)と、この内側シールリング(73)の外周側に位置する外側シールリング(74)とで構成される。
上記内側シールリング(73)の内側には、上記実施形態と同様、中間圧力の流体で満たされる第2背圧室(66)が形成される。また、上記外側シールリング(74)の外周側の空間は、図示しない通路を介して中間室(24)と連通しており、中間圧力の流体で満たされている。一方、上記内側シールリング(73)と上記外側シールリング(74)との間の空間は、第2可動側鏡板(55)に形成された高圧導入路(75)を介して高段側圧縮室(57)と連通している。つまり、この空間は、中間室(24)の中間圧流体よりも圧力が高い高圧流体で満たされている。
この変形例2では、第2可動側鏡板(55)の下面についての外側シールリング(74)より外周側の部位と、内側シールリング(73)より内周側の部位に中間圧が作用する。同時に、第2可動側鏡板(55)の下面についての内側シールリング(73)と外側シールリング(74)との間の部位には、高圧流体の高圧力が作用する。その結果、高段側圧縮室(57)で生じるスラスト力が高圧力と中間圧力とによって効果的に緩和される。したがって、スラスト力を受ける第2可動スクロール(52)が旋回する際に生じる摩擦損失も効果的に低減できる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態では、第1吐出管(17)に冷却手段としての中間側フィン(62)を設け、第1吐出管(17)を流れる流体の冷却効果を高めるようにしている。しかしながら、これ以外に上記第2吸入管(18)や第2吐出管(19)にフィンを設け、流体の冷却を行うようにしてもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、2台のスクロール式圧縮機構が駆動軸で連結されて流体を2段圧縮する圧縮機について有用である。
実施形態のガス圧縮装置の全体構成図である。 実施形態のガス圧縮装置の運転動作を示す全体構成図である。 変形例1のガス圧縮装置の圧縮機の全体構成図である。 変形例2のガス圧縮装置の圧縮機の全体構成図である。
符号の説明
1 ガス圧縮装置
15 ファン
17 第1吐出管(導入管)
20 圧縮機
21 筒状部材
24 中間室
33 駆動軸
40 第1圧縮機構
41 第1固定スクロール
42 第1可動スクロール
45 第1可動側鏡板(背面部)
48 第2吐出口(吐出口)
50 第2圧縮機構
51 第2固定スクロール
52 第2可動スクロール
55 第2可動側鏡板(背面部)
61 低段側フィン(放熱フィン)
62 中間側フィン(冷却手段)
63 高段側フィン(放熱フィン)
70 補助吐出口
71 吐出弁

Claims (5)

  1. 第1固定スクロール(41)及び第1可動スクロール(42)を有する第1圧縮機構(40)と、第2固定スクロール(51)及び第2可動スクロール(52)を有する第2圧縮機構(50)と、上記第1可動スクロール(42)及び第2可動スクロール(52)を連結して両可動スクロール(42,52)を旋回運動させる駆動軸(33)とを備え、第1圧縮機構(40)で圧縮した流体を更に第2圧縮機構(50)で圧縮する圧縮機であって、
    上記第2可動スクロール(52)の旋回半径R2が、上記第1可動スクロール(42)の旋回半径R1よりも小さいことを特徴とする圧縮機。
  2. 請求項1において、
    上記第1圧縮機構(40)と上記第2圧縮機構(50)との間に中間室(24)を形成する筒状部材(21)と、上記中間室(24)に収容されて駆動軸(33)を駆動する電動機(30)とを備え、
    上記第1圧縮機構(40)の吐出口(48)と上記第2圧縮機構(50)の吸入口とは、上記中間室(24)を介して連通しており、
    上記第1可動スクロール(42)及び上記第2可動スクロール(52)の背面部(45,55)には、上記中間室(24)の圧力がそれぞれ作用することを特徴とする圧縮機。
  3. 請求項2において、
    上記第1圧縮機構(40)の吐出口(48)と上記中間室(24)とを連通させる導入管(17)と、該導入管(17)内の流体を冷却する冷却手段(62)とを備えていることを特徴とする圧縮機。
  4. 請求項1において、
    第1固定スクロール(41)及び第2固定スクロール(51)の外表面には、それぞれ放熱フィン(61,63)が設けられていることを特徴とする圧縮機。
  5. 請求項1において、
    上記第2圧縮機構(50)には、圧縮途中の圧縮室(57)に連通する補助吐出口(70)と、該補助吐出口(70)を開閉する吐出弁(71)とが設けられていることを特徴とする圧縮機。
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