JP2006330193A - 感光性樹脂組成物、感光性エレメント及びこれらを用いたプリント配線板の製造方法 - Google Patents

感光性樹脂組成物、感光性エレメント及びこれらを用いたプリント配線板の製造方法 Download PDF

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卓哉 梶原
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昌樹 遠藤
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哲也 吉田
Shuichi Itagaki
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Abstract

【課題】高温条件で無電解めっきを行った場合であっても、めっき液の汚染が少なく、しかも優れた耐めっき性を発揮する硬化物層を形成し得る感光性樹脂組成物の提供。
【解決手段】感光性樹脂組成物は、バインダーポリマーと、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物と、光重合開始剤と、下記一般式(1)で表されるグアナミン化合物とを含有する。
Figure 2006330193

[式中、Rは、水素原子、アルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。]
【選択図】図1

Description

本発明は、感光性樹脂組成物、感光性エレメント及びこれらを用いたプリント配線板の製造方法に関する。
従来、プリント配線板においては、回路パターンの保護等を目的として、回路パターン上に金属めっきが行われている。また、近年では、プリント配線板に実装される実装部品として、小型化に有利なChip Scale Package(CSP)やBall GridArray(BGA)の利用が増大してきている。これらの実装部品は、通常、回路パターン上に設けられた実装パッド(はんだパッド)にはんだボールを介して係合することにより回路基板と接続される。この際、回路基板の回路パターン面には、実装パッドを除く全面にソルダーレジストが形成されることが一般的である。このような実装方法において、上述した実装パッド上には、実装部品との間の接触抵抗を低減することを目的として、金属めっきが施されることが多い。これらの回路パターンや実装パッド上に形成される金属めっきとしては、実装部品等の良好な接続を可能にするために金めっきが多用されている。
さらに、金属めっきの方法は、近年、従来の電解めっき法から無電解めっき法へと急速に移行しつつある。これは、プリント配線板は、従来にも増して更なる小型化・高密度化が進められており、電極リードの取り付けが必要な従来の電解めっきでは、かかる小型化等の流れに対応できないためである。また、無電解めっきによれば、均一な膜厚及び平滑な表面を有するめっき膜が得られるという利点もある。このため、無電解めっきへの移行は、携帯用電子機器用の基板において特に顕著に進んでいる。
ところが、このような携帯用電子機器は、従来の電子機器に比べて落下等の衝撃や曲げ等の力を受け易いものであった。そして、これらの力が携帯電子機器に付加された場合には、かかる携帯用電子機器に搭載された基板において実装部品が脱落してしまう等の不都合が生じ易い傾向にあった。
そこで、このような不都合を低減するために、ソルダーレジスト上に、実装パッドを除くように感光性樹脂組成物の硬化物からなる層を更に設けた状態で無電解めっきを施し、その後、この硬化物の層を除去することによって、無電解めっき層をより良好に形成させる方法が試みられている(特許文献1、2参照)。これにより、実装パッドとはんだボールとの接続信頼性を向上させることができ、実装部品の脱落等を低減することが可能となる。
特開2004−12812号公報 特開2003−35953号公報
しかしながら、上記従来技術について本発明者らが検討したところ、上記のようにソルダーレジスト上に感光性樹脂組成物の硬化物層を形成する方法には、以下に示すような改善点があることを見出した。すなわち、無電解めっきは通常、比較的高い温度で行われることが多いが、かかる高温条件で無電解めっきを行った場合、硬化物層の剥離や破れが生じ易い傾向にあった。つまり、感光性樹脂組成物からなる硬化物層は、高温条件における耐めっき性が低かった。そして、このように硬化物層の剥離や破れが生じると、上述したような硬化物層を形成する利点が十分に得られ難くなり、結果として従来のように実装部品の脱落等が生じ易い結果となる。
このような不都合を解消するには、感光性樹脂組成物中に密着性を向上させ得る添加剤を添加するのが有効であったが、このような添加剤を含む感光性樹脂組成物を用いると、無電解金めっきの際にかかる添加剤がめっき液中に析出しやすい傾向にあった。その結果、めっきが阻害されて十分なめっき層が形成されなくなることが判明した。
そこで、本発明はこのような事情にかんがみてなされたものであり、高温条件で無電解めっきを行った場合であっても、めっき液の汚染が少なく、しかも優れた耐めっき性を発揮し得る硬化物層を形成することができる感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。本発明はまた、かかる感光性樹脂組成物を用いた感光性エレメント、及びこれらを用いるプリント配線板の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の感光性樹脂組成物は、バインダーポリマーと、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物と、光重合開始剤と、下記一般式(1)で表されるグアナミン化合物とを含有することを特徴とする。
Figure 2006330193

[式中、Rは、水素原子、アルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。]
このような構成を有する感光性樹脂組成物によれば、回路パターン上に設けられたソルダーレジスト等の保護層に対して密着性に優れるほか、優れた強度を有する硬化物層を形成できる。したがって、この感光性樹脂組成物によれば、添加剤等を添加しなくても高温条件下において基板からの剥離や破れを生じることが少なく、耐めっき性に優れる硬化物層を形成し得るようになる。その結果、この感光性樹脂組成物からなる硬化物層を形成させることにより、めっき液を汚染することなく実装パッド等に対する無電解めっきを良好に行うことが可能となる。これにより、得られたプリント配線板は、実装部品等の脱落が極めて生じ難いものとなる。
より具体的には、バインダーポリマーは、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルをモノマー単位として含むアクリル系樹脂を含有するものであると好ましい。これにより、得られる硬化物層の密着性、強度の特性が更に優れるようになる。
また、上記本発明の感光性樹脂組成物は、光重合開始剤として、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体を含むことが好ましい。添加剤である上述したグアナミン化合物と、光重合開始剤である2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体との組み合わせにより、得られる硬化物層の耐めっき性が更に向上する。
さらに、光重合性化合物としては、下記一般式(2)で表されるビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましい。かかる化合物を含む感光性樹脂組成物は、上述した特性に更に優れるものとなる。
Figure 2006330193

[式中、R21及びR22は、それぞれ独立に、炭素数2〜6のアルキレン基、R23及びR24は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示し、p及びqは、p+q=4〜40を満たす正の整数である。]
より具体的には、上記特性を良好に得るために、感光性樹脂組成物の各成分は以下に示すような配合比を満たすことが好ましい。すなわち、バインダーポリマー及び光重合性化合物の総量100質量部に対し、バインダーポリマーの含有量が40〜80質量部であり、光重合性化合物の含有量が20〜60質量部であり、光重合開始剤の含有量が0.1〜20質量部であり、グアナミン化合物の含有量が0.05〜10質量部であると好ましい。
また、本発明は、上記本発明の感光性樹脂組成物を用いた感光性エレメントを提供する。すなわち、本発明の感光性エレメントは、支持体と、この支持体上に設けられた上記本発明の感光性樹脂組成物からなる感光層とを備えることを特徴とする。このような感光性エレメントによれば、上述した無電解めっきの方法において、ソルダーレジスト等の保護層上への硬化物層の形成をより簡便に行うことが可能となる。
ここで、この感光性エレメントにおける感光層は、365nmの波長を有する光に対する透過率が5〜75%であるとより好ましい。かかる感光層は、硬化に用いる波長域の活性光線を当該層内に十分拡散させることができるため、十分な硬化を容易に行うことが可能である。その結果、高い密着性及び強度を有しており、これにより優れた耐めっき性を有する硬化物層を形成し得るものとなる。
本発明は更に、上記本発明の感光性樹脂組成物又は感光性エレメントを用いたプリント配線板の製造方法を提供するものである。すなわち、本発明の第1のプリント配線板の製造方法は、回路パターンを備える回路基板と、回路パターンの一部が露出する露出部が形成されるように回路基板の表面を覆う保護層とを備える保護層付き回路基板の保護層上に、上記本発明の感光性樹脂組成物からなる感光層を形成する感光層形成工程と、感光層における露出部上の領域以外の領域に活性光線を照射して露光部を形成する露光工程と、感光層における露光部以外の領域を除去して露出部を露出させる現像工程と、露出部に対して無電解めっきを施すめっき工程と、露光部を除去する除去工程とを含むことを特徴とする。
また、本発明の第2のプリント配線板の製造方法は、回路パターンを備える回路基板と、回路パターンの一部が露出する露出部が形成されるように回路基板の表面を覆う保護層と、を備える保護層付き回路基板の保護層上に、上記本発明の感光性エレメントにおける感光層を積層する感光層形成工程と、感光層における露出部上の領域以外の領域に活性光線を照射して露光部を形成する露光工程と、感光層における露光部以外の領域を除去し、露出部を露出させる現像工程と、露出部に対して無電解めっきを施すめっき工程と、露光部を除去する除去工程とを含むことを特徴とする。
これらのプリント配線板の製造方法においては、回路基板上に形成された保護層上に、上記本発明の感光性樹脂組成物から得られた硬化物層を形成していることから、実装パッド(上記露出部がこれに該当する)に対する無電解めっきを良好に行うことができる。その結果、得られたプリント配線板は、実装部品等の接合した場合に、かかる実装部品の脱落等が極めて生じ難いものとなる。
本発明によれば、高温条件で無電解めっきを行った場合であっても、優れた耐めっき性を発揮し得る硬化物層を形成することができる感光性樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、かかる感光性樹脂組成物を用いた感光性エレメント、及びこれらを用いるプリント配線板の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
[感光性エレメント]
図1は、好適な実施形態に係る感光性エレメントの断面構成を模式的に示す図である。感光性エレメント1は、支持体10と、この支持体10上に設けられた感光層20と、感光層20上に設けられた保護フィルム30とを備えている。
まず、感光層20について説明する。感光層20は、感光性樹脂組成物から構成される層である。感光層を構成する感光性樹脂組成物は、(A)バインダーポリマー(以下、「A成分」という)、(B)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物(以下、「B成分」という)、(C)光重合開始剤(以下、「C成分」という)及び(D)上記一般式(1)で表されるグアナミン化合物を含む添加剤(以下、「D成分」という)を少なくとも含んでいる。以下、A成分、B成分、C成分及びD成分についてそれぞれ詳細に説明する。
(A成分)
まず、A成分について説明する。A成分としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、アミドエポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂等が挙げられる。アルカリ現像性に優れる点から、アクリル系樹脂を用いることが好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
このようなA成分は、例えば、重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。上記重合性単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のα−位若しくは芳香族環において置換されている重合可能なスチレン誘導体、ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド、アクリロニトリル、ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、プロピオール酸などが挙げられる。A成分としては、これらを2種以上組み合わせて用いてもよい。
ここで、本明細書においては、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及びそれに対応するメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びそれに対応するメタクリレートを意味し、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基及びそれに対応するメタクリロイル基を意味するものとする。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、下記一般式(3)で表される化合物や、この化合物のアルキル基にヒドロキシル基、エポキシ基、ハロゲン等が置換したものが挙げられる。
Figure 2006330193

[式中、R31は、水素原子又はメチル基、R32は、炭素数1〜12のアルキル基を示す。]
上記式(3)におけるR32で表される基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基やこれらの構造異性体が挙げられる。
より具体的には上記式(3)で表される化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸プロピルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ノニルエステル、(メタ)アクリル酸デシルエステル、(メタ)アクリル酸ウンデシルエステル、(メタ)アクリル酸ドデシルエステルが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
A成分としては、後述するようなアルカリ現像性をより良好にする観点から、カルボキシル基を含むものが好ましい。このようなA成分としては、例えば、カルボキシル基を有する重合性単量体とその他の重合性単量体をラジカル重合させることにより得られたものが挙げられる。このようなA成分は、適宜、感光性を有する基を有していてもよい。カルボキシル基を有する重合性単量体としては、上述したような(メタ)アクリル酸が好ましい。
なかでも、A成分としては、アルカリ現像性及び光照射後のレジストの剥離性を向上させる観点から、(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸アルキルエステルをモノマー単位として含むアクリル系樹脂を含有することが好ましく、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルをモノマー単位として含むアクリル系樹脂を含有することがより好ましい。また、その他の重合性単量体として、スチレン又はスチレン誘導体をモノマー単位として更に含むものが好ましい。スチレン又はスチレン誘導体をモノマー単位として含むことで、得られる硬化物層の密着性及び剥離性が更に向上する。特に、A成分としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、並びに、スチレン又はスチレン誘導体を共重合成分として得られた共重合体が好ましい。
スチレン又はスチレン誘導体を共重合成分として用いることにより、感光性樹脂組成物の密着性及び剥離特性が共に良好となる。このスチレン又はスチレン誘導体の含有量は、A成分を形成するための共重合成分の全量を基準として、2〜40質量%であると好ましく、3〜28質量%であるとより好ましく、5〜27質量%であると更に好ましい。この含有量が2質量%未満であると、感光性樹脂組成物の密着性が低下する傾向にある。一方、40質量%を超えると、剥離片が大きくなって剥離時間が長くなる傾向にある。
このようなA成分の酸価は、30〜250mgKOH/gであると好ましく、50〜200mgKOH/gであるとより好ましい。この酸価が30mgKOH/g未満であると、現像時間が長くなる傾向にある。一方、250mgKOH/gを超えると、光硬化したレジストの耐現像液性が低下する傾向にある。なお、現像時に溶剤による現像を行う場合は、カルボキシル基を有する重合性単量体の配合量を、溶剤現像を行わない場合に比して少量となるように調整することが望ましい。
さらに、A成分の重量平均分子量は、20,000〜300,000であると好ましく、40,000〜150,000であるとより好ましい。重量平均分子量が20,000未満では、感光性樹脂組成物の耐現像液性が低下する傾向にある。一方、300,000を超えると、現像時間が長くなる傾向にある。
A成分としては、上述した化合物等を単独で、または2種以上を組み合わせて適用することができる。2種以上のA成分の好適な組み合わせとしては、例えば、それぞれ異なる共重合成分から得られたもの同士、それぞれ異なる重量平均分子量を有するもの同士、それぞれ異なる分散度を有するもの同士といった組み合わせが挙げられる。
(B成分)
次に、B成分について説明する。B成分としては、例えば、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物、グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー又はウレタンオリゴマーが挙げられる。また、これら以外にも、ノニルフェノキシポリオキシエチレンアクリレート、フタル酸系化合物(例えば、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β´−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシアルキル−β´−(メタ)アクリロイルオキシアルキル−o−フタレート等)、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、EO変性ノニルフェニル(メタ)アクリレート等が例示可能である。
なかでも、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物又は分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物が、得られるレジストパターンの耐めっき性や密着性を向上し得ることから好ましく、上記式(2)で表されるビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物が特に好ましい。なお、B成分は、上述の如く、分子内にエチレン性不飽和結合を有する化合物であるが、かかるB成分としては、上述した化合物を単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。2種以上の組み合わせとしては、分子内に1つのエチレン性不飽和結合を有する化合物と、分子内に2以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物との組み合わせが、感度、解像度を向上させる観点から特に好適である。
上述した化合物のうち、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜14でありプロピレン基の数が2〜14であるポリエチレン・ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ここで、EO及びPOは、それぞれエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドを示し、EO変性された化合物は、エチレンオキサイド基のブロック構造を有するものであり、PO変性された化合物は、プロピレンオキサイド基のブロック構造を有するものである。これらは、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリブトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
より具体的には、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカエトキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
これらのうち、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−500(製品名、新中村化学工業株式会社製)として商業的に入手可能であり、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−1300(商品名、新中村化学工業株式会社製)として商業的に入手可能である。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。なお、この2,2−ビス(4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンの一分子内のエチレンオキサイド基の数は、4〜20であると好ましく、8〜15であるとより好ましい。
(C成分)
次に、C成分について説明する。C成分としては、例えば、ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン;2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−t−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3ージフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナンタラキノン、2−メチル1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン等のキノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、N−フェニルグリシン等のN−フェニルグリシン誘導体;クマリン系化合物;ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物と、ジメチルアミノ安息香酸等の3級アミン化合物との反応物などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
(D成分)
本実施形態の感光性樹脂組成物は、D成分として少なくとも上記一般式(1)で表されるグアナミン化合物を含有している。上記一般式(1)で表される化合物において、Rで表される基としては、メチル基又はフェニル基が好ましい。なかでも、このようなグアナミン化合物としては、ベンゾグアナミン又はアセトグアナミンが好適である。
以上、好適な実施形態の感光性樹脂組成物に含まれるA〜D成分について説明したが、これらのA〜D成分は、感光性樹脂組成物において、以下に示す含有量で含有されていると好ましい。
まず、A成分の含有量は、A成分及びB成分の総量100質量部に対して40〜80質量部であると好ましく、45〜70質量部であるとより好ましい。A成分の含有量が40質量部未満であると、感光性樹脂組成物の硬化物からなる硬化物層が脆くなる他、感光性エレメントを形成する際の塗膜性が劣化する傾向にある。一方、80質量部を超えると、感度が低下する傾向にある。なお、本明細書においては、「質量部」と重量基準値(「重量部」)と実質的に同等である。
また、B成分の含有量はA成分及びB成分の総量100質量部に対して20〜60質量部であると好ましく、30〜55質量部であるとより好ましい。この含有量が20質量部未満であると、感光性樹脂組成物の感度が不十分となる傾向にあり、60質量部を超えると、硬化物層が脆くなる傾向にある。
さらに、C成分の含有量は、A成分及びB成分の総量100質量部に対して0.1〜20質量部であると好ましく、0.2〜10質量部であるとより好ましい。この含有量が0.1質量部未満であると、感光性樹脂組成物の感度が不十分となる傾向にあり、20質量部を超えると、露光の際、感光層20の表面領域での活性光線の吸収が増大し、下層部の硬化が不十分となる場合がある。
またさらに、D成分の含有量は、A成分及びB成分の総量100質量部に対して0.05〜10質量部であると好ましく、0.1〜3質量部であるとより好ましい。D成分の含有量が0.05質量部未満であると、プリント配線板の製造時における下層の保護層や回路基板に対する密着性が不十分となる傾向にある。一方、10質量部を超えると、めっきの際にめっき浴汚染が生じる場合がある。
なお、本実施形態の感光性樹脂組成物は、上記A〜D成分以外に、所望とする性状に応じてその他の成分を更に含有していてもよい。その他の成分としては、マラカイトグリーン等の染料、トリブロモフェニルスルホン、ロイコクリスタルバイオレット等の光発色剤、熱発色防止剤、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、顔料、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤などが挙げられる。これらの成分の含有量は、A成分及びB成分の総量100質量部に対して各々0.01〜20質量部であると好ましい。これらは、1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
また、感光性樹脂組成物は、必要に応じて溶剤を含むワニスの形態とされてもよい。溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテルやこれらの混合溶剤等が挙げられる。このワニスは、固形分30〜60質量%程度の溶液であると、後述する塗布が容易となるため、好ましい。
上記構成を有する感光性エレメント1において、感光層20の厚さは、1〜100μmであると好ましく、1〜50μmであるとより好ましい。1μm未満の厚さを有する感光層20を形成するのは困難な傾向にある。一方、感光層20の厚さが100μmを超えると、この感光層20が積層される保護層や回路基板に対する接着性が低下するほか、当該層20の解像度も低下する傾向にある。
また、感光層20は、365nmの波長の光に対する透過率が、5〜75%であると好ましく、7〜60%であるとより好ましく、10〜40%であると更に好ましい。この透過率が5%未満となる場合、感光層の密着性が不十分となる傾向にある。一方、75%を超えると、活性光線の吸収が不十分となって解像度が低下する場合がある。かかる透過率は、UV分光計により測定することができ、UV分光計としては、例えば、日立製作所社製、228A型Wビーム分光光度計が挙げられる。
感光性エレメント1における支持体10としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルム等が挙げられる。この支持体10の厚さは、5〜25μmであると好ましく、8〜20μmであるとより好ましく、10〜16μmであると更に好ましい。この厚さが5μm未満では、感光層20から剥離する際に破れが生じ易い傾向にある。一方、25μmを超える場合、支持体10を通して露光を行う際に感光層20の解像度が低下する傾向にある。
また、支持体10のヘーズは、0.001〜5.0であると好ましく、0.001〜2.0であるとより好ましく、0.01〜1.8であると更に好ましい。支持体10のヘーズが2.0を超えると、この支持体10を通して露光を行う際に感光層20の解像度が低下する傾向にある。かかるヘーズは、JIS K 7105に準拠する方法により測定することができ、例えば、濁度計(NHD−1001DP(日本電色工業社製)等)によって測定可能である。
また、保護フィルム30としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルム等が挙げられる。保護フィルム30としては、感光層20に対する接着力が、支持体10よりも小さいものを選択して用いることが好ましく、低フィッシュアイのフィルムであるとより好ましい。
保護フィルム30の厚さは、5〜30μmであると好ましく、10〜28μmであるとより好ましく、15〜25μmであると更に好ましい。この厚さが5μm未満であると、感光層20から剥離する際に破れが生じるおそれがある。一方、30μmを超える保護フィルムは、不要なコストの増大を招く傾向にある。
この保護フィルム30の長手方向の引っ張り強さは、13MPa以上であると好ましく、13〜100MPaであるとより好ましく、15〜100MPaであると更に好ましく、16〜100MPaであると特に好ましい。この引っ張り強さが13MPa未満であると、感光層20から剥離する際に破れが生じるおそれがある。また、短手方向の引っ張り強さは、9MPa以上であると好ましく、9〜100MPaであるとより好ましく、10〜100MPaであると更に好ましく、11〜100MPaであると特に好ましく、12〜100MPaであると極めて好ましい。この引っ張り強さが9MPa未満であると、感光層20からの剥離の際、破れが生じる場合がある。これらの引っ張り強さは、JIS C 2318−1997(5.3.3)に準拠して測定することができる。例えば、東洋ボールドウィン社製テンシロン等の引っ張り強さ試験機により測定可能である。
なお、感光性エレメント1における支持体10及び保護フィルム30は、必要に応じて適宜の表面処理を施してもよい。ただし、これらは最終的に感光層20から剥離されるものであることから、かかる剥離を阻害しないような表面処理を行うことが望ましい。さらに、これらの支持体10又は保護フィルム30は、帯電防止処理が施されていてもよい。
上記構成を有する感光性エレメント1は、例えば、以下に示す方法で製造することができる。例えば、支持体10上に、上述の感光性樹脂組成物を所定の溶剤に溶解して得られる塗布液を塗布した後、溶剤を除去することにより感光層20を形成し、次いで、感光層20上に上記したポリプロピレンフィルム等の保護フィルムを積層する方法が挙げられる。この塗布液としては、上述したような感光性樹脂組成物のワニスが好適である。
塗布の方法としては、例えば、ロールコータ、コンマコータ、グラビアコータ、エアーナイフコータ、ダイコータ、バーコータ等の方法が挙げられる。また、溶剤の除去は、例えば、加熱により行うことができ、その場合の加熱温度は約70〜150℃であると好ましく、加熱時間は5〜30分間程度であると好ましい。なお、溶剤除去後の感光層20中の溶剤残存量は、その後の工程の溶剤の拡散を防止する観点から、2質量%以下とすることが望ましい。また、感光層20上にポリプロピレンフィルムを積層する方法としては、例えば、ポリプロピレンフィルムを感光層上に供給しながらロールにより加圧する方法が挙げられる。
そして、こうして得られた感光性エレメント1は、例えば、そのままの平板状の形態で、又は、円筒状などの巻芯に巻きとり、ロール状の形態で貯蔵することができる。なお、感光性エレメント1は、必ずしも上述した保護フィルム30を有していなくてもよく、支持体10と感光層20との2層構造であってもよい。
[プリント配線板の製造方法]
次に、上述した感光性エレメント1を用いたプリント配線板の製造方法について図2を参照して説明する。図2は、実施形態に係るプリント配線板の製造工程を模式的に示す図である。
本実施形態のプリント配線板の製造方法においては、まず、基板40上に回路パターン50を有する回路基板80と、この回路基板80の回路パターン面を覆う保護層60とを備える保護層付き回路基板90を準備する(図2(a))。この保護層付き回路基板90においては、保護層60の一部に開口部70が形成されている。この開口部70によって回路パターン50の一部が露出して、露出部50aが形成されている。基板40、回路パターン50及び保護層60としては、従来のプリント配線板において用いられる基板、配線材料及びソルダーレジストを適用可能であり、このような保護層付き回路基板90は、公知の回路基板の製造方法によって製造可能である。
次いで、この保護層付き回路基板90における保護層60上に、上述した実施形態の感光性エレメント1を、その感光層20が保護層60に接するように接着させ、保護層60上に感光層20を積層させる(図2(b);感光層形成工程)。
感光層20の積層方法としては、感光性エレメント1に保護フィルム30が存在している場合、これを除去した後、感光層20を加熱しながら保護層付き回路基板90に圧着する方法が挙げられる。なお、この圧着は、密着性及び追従性を向上させる観点から、減圧下で行うことが好ましい。
この際、感光層20の加熱温度は、70〜130℃とすることが好ましく、圧着圧力は、0.1〜1.0MPa程度(1〜10kgf/cm程度)とすることが好ましい。ただし、これらの条件には特に制限はない。また、積層性をさらに向上させるために、保護層付き回路基板90の予熱処理を行ってもよい。ただし、上記のように感光層20を70〜130℃に加熱する場合は、必ずしもこの予熱処理は必要ではない。
次いで、感光層20に対して、所定のパターンを有するマスク110を通して活性光線Lを照射し、活性光線Lが照射された部分の感光層20を構成している感光性樹脂組成物を光硬化させ、露光部22を形成させる(図2(c);露光工程)。この露光工程においては、感光層20における回路パターン50の露出部50a上の領域以外の領域に露光を行う。なお、感光層20上に存在する支持体10が透明の場合には、そのまま活性光線を照射することができ、支持体20が活性光線に対して遮光性を示す場合には、支持体20を除去した後に、活性光線を感光層20に照射する。
マスク110は、例えば、アートワークと呼ばれるネガ又はポジマスクパターンであり、活性光線Lを遮蔽する遮蔽部110aと、これを透過する透明部110bとを有している。活性光線Lはこのマスク110の透明部110bのみを透過して、感光層20に画像状に照射されることとなる。また、活性光線Lの光源としては、従来公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線を有効に放射するものを用いることができる。ほかに、写真用フラッド電球、太陽ランプ等の可視光を有効に放射するものも用いることができる。
次いで、感光層20上に支持体10が残っている場合はこれを除去した後、感光層20に対してウエット現像、ドライ現像等を行い、露光部22以外の部分(未露光部)を除去する(図2(d);現像工程)。これにより、保護層60上に、露光部22から形成されるレジストパターンが形成される。この現像工程においては、未露光部が除去されることによって上述した露出部50aが再び露出する。
現像をウエット現像により行う場合、アルカリ性水溶液、水系現像液及び有機溶剤等の現像液を用いることができる。この場合、現像方法としては、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の方法を適宜採用できる。
ウエット現像においては、アルカリ性水溶液を用いることが、安全かつ安定であり、操作性が良好であることから特に好ましい。このアルカリ水溶液の塩基としては、リチウム、ナトリウム又はカリウムの水酸化物等の水酸化アルカリ、リチウム、ナトリウム、カリウム若しくはアンモニウムの炭酸塩又は重炭酸塩等の炭酸アルカリ、リン酸カルシウム、燐酸ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等のアルカリ金属ピロリン酸塩等が挙げられる。
より具体的には、アルカリ性水溶液の現像液としては、例えば、0.1〜5重量%の炭酸ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%の炭酸カリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%の水酸化ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%の四ホウ酸ナトリウムの希薄溶液等が挙げられる。さらに、アルカリ性水溶液のpHは、9〜11の範囲とすることが好ましく、その温度は、感光層の現像性に合わせて調整することができる。また、アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を添加してもよい。
また、水系現像液としては、水又はアルカリ水溶液と、一種以上の有機溶剤とからなる現像液が挙げられる。ここでアルカリ性水溶液の塩基としては、先に述べた物質以外に、例えば、ホウ砂やメタケイ酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、エタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1、3−プロパンジオール、1、3−ジアミノプロパノール−2、モルホリン等が挙げられる。現像液のpHは、レジストの現像が充分にできる範囲でできるだけ小さくすることが好ましく、pH8〜12とすることが好ましく、pH9〜10とすることがより好ましい。
上記有機溶剤としては、例えば、三アセトンアルコール、アセトン、酢酸エチル、炭素数1〜4のアルコキシ基をもつアルコキシエタノール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。有機溶剤の濃度は、2〜90質量%とすることが好ましく、その温度は、現像性にあわせて調整することができる。また、水系現像液中には、界面活性剤、消泡剤等を少量混入することもできる。単独で用いる有機溶剤系現像液としては、例えば、1,1,1−トリクロロエタン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
これらの有機溶剤は、引火防止のため、1〜20質量%の範囲で水を添加することが好ましい。また、必要に応じて2種以上の現像方法を併用してもよい。現像の方式には、ディップ方式、バトル方式、スプレー方式、ブラッシング、スラッピング等があり、高圧スプレー方式が解像度向上のためには最も適している。
なお、上述した現像工程後には、現像後の処理として、必要に応じて60〜250℃程度の加熱又は0.2〜10J/cm程度の露光を行い、レジストパターン(露光部22)をさらに硬化してもよい。また、現像後に金属面のエッチングを行ってもよく、これには、例えば、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液等を用いることができる。
それから、保護層60及びレジストパターン(露光部22)をマスクとして用い、回路基板80における回路パターン50の露出部50aに無電解めっきを施し、かかる露出部50aの表面上にめっき層55を形成させる(図2(e);めっき工程)。
無電解めっきは、例えば、レジストパターン(露光部22)が形成された保護層付き回路基板90をめっき浴に浸漬させることにより行うことができる。この際、めっき浴の温度は、60〜100℃程度とすることが好ましい。無電解めっきとしては、無電解ニッケルめっきが挙げられる。なお、めっき層55上には、更に金、銀、パラジウム、白金、ロジウム、銅、すず等の金属めっきを更に施してもよい。
その後、保護層付き回路基板90から、上述したレジストパターン(露光部22)を剥離除去することにより、回路パターン50の露出部50a上にめっき層55が形成されたプリント配線板100を得る(図2(f);除去工程)。
レジストパターンの除去は、例えば、上述した現像工程で用いたものよりも強いアルカリ性を有する水溶液で処理することにより行うことができる。より具体的には、強アルカリ性の水溶液としては、例えば、1〜10重量%水酸化ナトリウム水溶液、1〜10重量%水酸化カリウム水溶液等が適用できる。また、剥離の方法としては、浸漬、スプレーが挙げられ、これらを組み合わせて行うこともできる。
こうして得られたプリント配線板100においては、露出部50aが実装パッドとして機能する。そして、プリント配線板100は、この実装パッド上にはんだボール等を介して実装部品が実装されることにより、携帯用電子機器等に搭載される基板となる。そして、本実施形態においては、この実装パッド(露出部50a)上に、めっき層55が形成されていることから、はんだパッドを介した実装部品の接合が極めて有利となる。
なお、本発明のプリント配線板の製造方法は、必ずしも上述した実施形態に限定されず、適宜変更して実施してもよい。例えば、上記実施形態においては、保護層付き回路基板の保護層上に、感光性エレメントを介して感光層を積層させたが、これに限定されず、例えば、感光性樹脂組成物を含むワニスを保護層上に直接塗布すること等によって積層してもよい。このワニスや塗布方法としては、上述した感光性エレメントの製造と同様のもの及び方法を適用できる。また、多層化のため、プリント配線板には、スルーホール等が形成されてもよい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[感光性エレメントの作製]
(実施例1〜2、比較例1〜2)
まず、A成分、発色剤、染料及び溶剤を混合した後、この混合物にB成分、C成分及びD成分を溶解させて、感光性樹脂組成物の溶液を得た。各成分の配合量は、表1に示す通りとした(表中の単位はそれぞれ重量部を示す)。
Figure 2006330193
なお、表中の各成分は以下の通りである。
A成分;メタクリル酸/メタクリル酸メチル/スチレンを重量比28/60/12で共重合させた共重合体(重量平均分子量60,000、ガラス転移温度124℃、酸価68mgKOH/g)をメチルセロソルブ/トルエン混合溶媒(重量比6/4)に溶解させた溶液(不揮発分重量50重量%)、
B1;2,2’−ビス(4−メタクリロキシペンタエトキシフェニル)プロパン(BPE−500、新中村化学工業社製)、
B2;ポリプロピレングリコール/ポリエチレングリコール変性ウレタンアクリレート(新中村化学工業社製)、
C1;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、
C2;N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、
D1;ベンゾグアナミン;2,4−ジアミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン(日本触媒社製)、
D2;1,2,3−ベンゾトリアゾール(BT、川口化学工業社製)
次いで、得られた各感光性樹脂組成物の溶液を、16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、GS−16、ヘーズ:1.7%、帝人社製)上に均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥させて感光層を形成した後、感光層をポリエチレン製の保護フィルムで覆い、実施例1〜2及び比較例1〜2の感光性エレメントを得た。乾燥後の感光層の膜厚は、50μmであった。
[プリント配線板の製造]
(保護層付き回路基板の作製)
まず、プリント配線板の製造に先立って、以下に示す方法により保護層付き回路基板を作製した。すなわち、まず、銅箔(厚さ35μm)を両面に有するガラスエポキシ材である銅張積層板(MCL−E−679、日立化成工業社製)の片側の銅箔表面に、周縁部を1cm残して所定のパターンを有するエッチングレジストを形成した後、銅箔をエッチングして不要な部分を除去し、一部に実装パッドを含む回路パターンを形成させ、回路基板を得た。
得られた回路基板の回路パターン面にフォトレジスト(PSR−4000、太陽インキ社製)を、周縁部を1cm残して全面に塗布した後、80℃で30分乾燥させた。このフォトレジストに対し、フォトツールを介して実装パッド部を覆う領域以外の全面を露光(露光機;オーク製作所社製HMW−590)した。露光後のフォトレジストに対し、1重量%の炭酸ナトリウム水溶液(30℃)を用いてスプレー現像を行い、未露光部を除去することにより、実装パッド上に形成されたフォトレジストの除去を行った。その後、得られたフォトレジスト付き回路基板を150℃で1時間処理することにより、フォトレジストを熱硬化させて、回路基板上に保護層(ソルダーレジスト)を形成させた。これにより、実装パッドが露出した保護層付き回路基板を得た。
(プリント配線板の作製)
次に、得られた保護層付き回路基板を用いてプリント配線板の製造を行った。すなわち、まず、実施例1〜2及び比較例1〜2の感光性エレメントにおける感光層を、それぞれ異なる上記保護層付き回路基板の保護層上に積層させた。具体的には、各感光性エレメントを、その感光層が保護層に接するように配置し、圧力0.4MPa、温度100℃、ラミネート速度1.5m/分でラミネートした。
次いで、保護層上に積層させた各感光層に対し、上記「保護層付き回路基板の作製」と同様にして、実装パッド上の領域以外の全面を露光した後、現像して、実装パッドのみが露出するように保護層を覆う形状のレジストパターン(感光性樹脂組成物の硬化物からなる硬化物層)を形成させた。そして、レジストパターン形成後の保護層付き回路基板に対し、150℃、1時間の加熱を施すことによりレジストパターンを更に硬化させ、回路基板上に、実装パッド以外の全面を覆うように設けられた保護層及びレジストパターンを有する積層板を得た。
その後、得られた各積層板に対し、以下の(a)〜(l)の各工程を順に行い無電解めっきを施すことにより、実装パッド上にめっき層を形成させた。
(a)脱脂処理
積層板を、脱脂剤(Z−200、ワールドメタル社製)に50℃、1分間の条件で浸漬して、脱脂処理を行った。
(b)水洗
積層板を、室温で2分間流水により洗浄した。
(c)ソフトエッチング
積層板を、100g/Lの過硫酸アンモニウム浴に室温で1分間浸漬して、実装パッドの表面をソフエッチングした。
(d)水洗
積層板を、室温で2分間流水により洗浄した。
(e)酸洗処理
積層板を、10%硫酸溶液に室温で1分間浸漬することにより酸洗浄を行った。
(f)水洗
積層板を、室温で2分間流水により洗浄した。
(g)活性化
積層板を、無電解めっき用触媒溶液SA−100(日立化成社製)に室温で5分間浸漬させて、実装パッドを活性化させた。
(h)水洗
積層板を、室温で2分間流水により洗浄した。
(i)無電解ニッケルめっき
積層板を、Ni−Pめっき液(P含有量7%、NIPS−100、日立化成工業社製)に80℃で20分間浸漬させ、実装パッドに対して無電解めっきを行った。
(j)水洗
積層板を、室温で2分間流水により洗浄した。
(k)置換型無電解金メッキ
積層板を、置換型金メッキ液であるオーロテックSF(アトテック社製)に85℃で10分間浸漬して、実装パッド上に置換型無電解金メッキを施した。
(l)後処理
積層板を、室温で2分間流水により洗浄した後、85℃で15分間乾燥させた。
以上のようにして積層板に対して無電解めっきを行うことにより、実装パッド上にめっき層が形成されたプリント配線板を得た。なお、得られたプリント配線板は、保護層上に感光性樹脂組成物の硬化物からなるレジストパターンが残存した状態のものである。
(耐めっき性の評価)
実施例1〜2及び比較例1〜2の感光性エレメントを用いて得られた各プリント配線板におけるレジストパターンを目視で観察し、レジストパターンの剥離や破れの有無、特に実装パッド周辺におけるこれらの有無を確認した。得られた結果を表2に示した。表2中、レジストパターンに剥離や破れが生じていなかったものを耐めっき性に優れるものとして○で示し、レジストパターンの剥離や破れが生じていたものを耐めっき性に劣るものとして×で示した。
(めっき浴汚染性の評価)
次に、実施例1〜2及び比較例1〜2の各感光性エレメントを用い、以下に示すようにしてめっき浴汚染性の評価を行った。以下、実施例1の感光性エレメントを用いた場合を例に挙げて説明する。
すなわち、まず、実施例1の感光性エレメントからPETフィルム及び保護フィルムを剥離して感光層のみとした後、このうちの0.5mを、それぞれNi−Pめっき液(P含有量7%、NIPS−100、日立化成工業社製)に85℃で5時間浸漬した。
また、実施例1の感光性エレメントを用いて、上記「プリント配線板の作製」と同様にして無電解めっき前の積層板を2つ作製した。そして、得られた積層板に対し、それぞれ上記(a)〜(j)の工程を行うことにより、実装パッド上にNi−Pめっき層を形成させた。この際、(i)の工程で用いるめっき液としては、未処理のNi−Pめっき液と、上述した感光層浸漬後のNi−Pめっき液とをそれぞれ用いた。
そして、未処理のNi−Pめっき液を用いた場合に得られためっき層の厚さ(T(μm))と、感光層浸漬後のNi−Pめっき液を用いた場合に得られためっき層の厚さ(T(μm))とをそれぞれ測定した。これらの値を以下の式に代入して、Tに対するTの減少率(%)を算出した。こうして得られた値を、実施例1の感光性エレメントによるめっき浴汚染性を示す数値とした。この値が小さい感光性エレメント(感光性樹脂組成物)ほど、めっき浴を汚染してめっきを阻害する程度が大きいことを示している。
めっき浴汚染性(%)=100×T/T
同様の評価を実施例2及び比較例1〜2の感光性エレメントを用いてそれぞれ同様に行い、各感光性エレメントによるめっき浴汚染性を評価した。得られた結果をまとめて表2に示す。
Figure 2006330193
表2に示されるように、実施例1及び2の感光性エレメントにより形成されるレジストパターン(硬化物層)は、耐めっき性に十分優れており、しかも、めっき浴汚染性が十分に低いことが確認された。
実施形態に係る感光性エレメントの断面構成を模式的に示す図である。 図2は、実施形態に係るプリント配線板の製造工程を模式的に示す図である。
符号の説明
1…感光性エレメント、10…支持体、20…感光層、22…露光部、30…保護フィルム、40…基板、50…回路パターン、50a…露出部、55…めっき層、60…保護層、70…開口部、80…回路基板、90…保護層付き回路基板、100…プリント配線板。

Claims (9)

  1. バインダーポリマーと、
    エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物と、
    光重合開始剤と、
    下記一般式(1)で表されるグアナミン化合物と、
    を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
    Figure 2006330193

    [式中、Rは、水素原子、アルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。]
  2. 前記バインダーポリマーは、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルをモノマー単位として含むアクリル系樹脂を含有することを特徴とする請求項1記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記光重合開始剤として、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記光重合性化合物として、下記一般式(2)で表されるビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2006330193

    [式中、R21及びR22は、それぞれ独立に、炭素数2〜6のアルキレン基、R23及びR24は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示し、p及びqは、p+q=4〜40を満たす正の整数である。]
  5. 前記バインダーポリマー及び前記光重合性化合物の総量100質量部に対し、前記バインダーポリマーの含有量が40〜80質量部であり、前記光重合性化合物の含有量が20〜60質量部であり、前記光重合開始剤の含有量が0.1〜20質量部であり、前記グアナミン化合物の含有量が0.05〜10質量部であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 支持体と、該支持体上に設けられた請求項1〜5のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物からなる感光層と、を備えることを特徴とする感光性エレメント。
  7. 前記感光層は、365nmの波長を有する光に対する透過率が5〜75%であることを特徴とする請求項6記載の感光性エレメント。
  8. 回路パターンを備える回路基板と、前記回路パターンの一部が露出する露出部が形成されるように前記回路基板の表面を覆う保護層と、を備える保護層付き回路基板の前記保護層上に、請求項1〜5のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物からなる感光層を形成する感光層形成工程と、
    前記感光層における、前記露出部上の領域以外の領域に活性光線を照射して露光部を形成する露光工程と、
    前記感光層における前記露光部以外の領域を除去し、前記露出部を露出させる現像工程と、
    前記露出部に対して無電解めっきを施すめっき工程と、
    前記露光部を除去する除去工程と、
    を含むことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
  9. 回路パターンを備える回路基板と、前記回路パターンの一部が露出する露出部が形成されるように前記回路基板の表面を覆う保護層と、を備える保護層付き回路基板の前記保護層上に、請求項6又は7記載の感光性エレメントにおける前記感光層を積層する感光層形成工程と、
    前記感光層における、前記露出部上の領域以外の領域に活性光線を照射して露光部を形成する露光工程と、
    前記感光層における前記露光部以外の領域を除去し、前記露出部を露出させる現像工程と、
    前記露出部に対して無電解めっきを施すめっき工程と、
    前記露光部を除去する除去工程と、
    を含むことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
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