JP2006332273A - 裏面電極型太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 大量生産に適し、高い変換効率を示す裏面電極型太陽電池を提供する。
【解決手段】 第1導電型の半導体基板の一方の表面に、第1導電型のドーパントを含む第1ドーピング領域と、第1導電型とは異なる第2導電型のドーパントを含む第2ドーピング領域と、が形成されている裏面電極型太陽電池であって、第1ドーピング領域は半導体基板よりも第1導電型のドーパントの濃度が高く、第2ドーピング領域の面積は表面の面積の60%以上80%以下であることを特徴とする裏面電極型太陽電池である。
【選択図】 図1

Description

本発明は裏面電極型太陽電池に関し、特に、大量生産に適し、高い変換効率を示す裏面電極型太陽電池に関する。
太陽光のような光エネルギを電気エネルギに変換する太陽電池は、地球環境問題に対する関心が高まるにつれ、積極的に種々の構造のものが開発されている。その中でも、結晶シリコン(Si)系の太陽電池は、その変換効率および製造コスト等の優位性により最も一般的に用いられている。また、現在量産されている太陽電池の中では受光面にn電極を形成し、裏面にp電極を形成した両面電極型の太陽電池が多数を占める。しかし、両面電極型の太陽電池において受光面に形成されているn電極は太陽光の入射により発生した電流を外部に取り出すために不可欠なものであるが、n電極の下方のシリコン基板には太陽光が入射しないためその部分には電流が発生しない。そこで、太陽電池の受光面に電極を形成せず、裏面にn電極およびp電極の双方を形成した裏面電極型太陽電池が、たとえば特許文献1に開示されている。この太陽電池においては、受光面に形成された電極によって太陽光の入射が阻害されることがないことから、原理的には高い変換効率を期待することができる。
図10の模式的断面図に、特許文献1に開示されている裏面電極型太陽電池の概略を示す。n型のシリコン基板10の裏面には高濃度のp型ドーパントが拡散されてなるp型ドーピング領域12と、シリコン基板10の他の領域よりもn型ドーパントが高濃度に拡散されてなるn型ドーピング領域13と、が向かい合って交互に配列されている。そして、シリコン基板10の受光面にはパッシベーション膜11が形成され、裏面にもパッシベーション膜18が形成されており、これらのパッシベーション膜によりキャリアの再結合が抑制されている。また、シリコン基板10の裏面には、パッシベーション膜18の一部が除去されて、コンタクトホール16、17が形成されている。そして、コンタクトホール16を通してp型ドーピング領域12上にp電極14が、コンタクトホール17を通してn型ドーピング領域13上にn電極15が形成されており、これらの電極から電流が取り出される。また、シリコン基板10の受光面のパッシベーション膜11は反射防止膜としての機能も有している。この図からもわかるように、p型ドーピング領域12、n型ドーピング領域13、p電極14およびn電極15はすべてシリコン基板10の裏面に形成されており、電極によって受光面における太陽光の入射が阻害されない。
この裏面電極型太陽電池は、たとえば以下のようにして作製される。まず、シリコン基板10の受光面および裏面にそれぞれ酸化シリコン膜を形成した後にプラズマCVD法により窒化シリコン膜を形成することによってパッシベーション膜11、18を形成する。次に、フォトリソグラフィ技術を利用して、シリコン基板10の裏面のパッシベーション膜18の一部を除去してコンタクトホール17を形成する。そして、CVD法を用いて、シリコン基板10の裏面側の全面にn型ドーパントを含むガラス層を堆積させる。続いて、p型ドーピング領域12が形成される部分に対応するガラス層の部分を除去した後、フォトエッチングによりその部分のパッシベーション膜18を除去してコンタクトホール16を形成する。そして、CVD法を用いて、シリコン基板10裏面側にp型ドーパントを含むガラス層を堆積させる。
次いで、このようにガラス層が堆積されたシリコン基板10を900℃に加熱することによって、シリコン基板10の裏面にp型ドーピング領域12およびn型ドーピング領域13を形成する。その後、パッシベーション膜18に堆積されているガラス層をすべて除去し、水素雰囲気下において900℃以上の高温でシリコン基板10を熱処理する。これにより、シリコン基板10とパッシベーション膜18の酸化シリコン膜との界面が水素化処理される。そして、p型ドーピング領域12およびn型ドーピング領域13上に残留しているガラス層を除去した後に、スパッタリング法によりシリコン基板10の裏面側にアルミニウム膜を堆積する。このアルミニウム膜をフォトリソグラフィ技術を利用したパターンニングによってp型ドーピング領域12上にp電極14を形成し、n型ドーピング領域13上にn電極15を形成する。
このような裏面電極型太陽電池は、当初、集光型の太陽電池として開発されたものであり、その作製には複雑なフォトリソグラフィ技術ならびに高品位なドーピング技術およびパッシベーション技術が用いられていた。そのため、製造コストが高く、一般の地上用太陽電池には適していなかった。その問題を改善し、プロセスを簡略化して製造コストを低減した裏面電極型太陽電池がたとえば非特許文献1および非特許文献2に開示されている。図11の模式的断面図に、その裏面電極型太陽電池の概略を示す。
非特許文献1に記載されたプロセスの概略は以下のようなものである。まず、シリコン基板10の裏面の全面に、n型ドーパントを含むガラス層をCVDにより堆積させる。次に、このガラス層をフォトリソグラフィ技術を利用して下地のシリコン基板10ごと櫛の歯状にエッチングする。このため図11に示すように、シリコン基板10の裏面に段差ができる。続いて、その上から、シリコン基板10の裏面の全面にp型ドーパントを含むガラス層を堆積させる。次いで、シリコン基板10を熱処理することによって、n型ドーパントを含むガラス層に接しているシリコン基板10の裏面の領域にはn型ドーパントが拡散されてn型ドーピング領域13が形成され、p型ドーパントを含むガラス層に接しているシリコン基板10の裏面の領域にはp型ドーパントが拡散されてp型ドーピング領域12が形成される。そして、これらのガラス層をすべて除去した後、シリコン基板10の受光面および裏面にそれぞれパッシベーション膜11、18を形成する。その後、フォトリソグラフィ技術を利用して、パッシベーション膜18にコンタクトホール16、17を形成するとともに、p電極14とn電極15とをそれぞれp型ドーピング領域12およびn型ドーピング領域13に電気的に接続するように形成する。
米国特許第4927770号明細書 Ronald A. Sinton and Richard M. Swanson, "Simplified Backside-Contact Solar Cells" IEEE TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVICES. VOL.37, NO.2, February 1990, p.348-p.352 Keith R. McIntosh, Michael J. Cudzinovic, David D. Smith, William P. Mulligan and Richard M. Swanson, "THE CHOICE OF SILICON WAFER FOR THE PRODUCTION OF LOW-COST REAR-CONTACT SOLAR CELLS" 3rd World Conference on Photovoltaic Energy Conversion, Osaka, Japan, May 11-18, 2003, 4O-D10-05 Santo Martinuzzi, Damien Barakel1, Franck Torregrosa, "N-Type Multicrystalline Silicon Wafers for Solar Cells" 31st IEEE PHOTOVOLTAIC SPECIALISTS CONFERENCE, FLORIDA, U.S.A, January 3-7, 2005
このような裏面電極型太陽電池において、裏面のp型ドーピング領域およびn型ドーピング領域のデザインが変換効率に与える影響は大きい。図10に示すように、n型ドーピング領域13の近傍で発生した光生成キャリア20は、図10の矢印に示される方向にシリコン基板10の内部を移動し、n型のシリコン基板10とp型ドーピング領域12との界面(pn接合部)に到達することによって光電流として取り出される。このとき、光生成キャリア20の移動距離が長くなると、光生成キャリア20がpn接合部に到達する前に再結合によって消滅し、光電流として取り出せなくなるため、変換効率が低下してしまう。ここで、光生成キャリア20が移動しなくてはならない距離は、p型ドーピング領域12の幅33や、ピッチ31(p型ドーピング領域から次のp型ドーピング領域までの間隔またはn型ドーピング領域から次のn型ドーピング領域までの間隔)などの設計、いわゆるデザインルールによって決定される。
しかしながら、デザインルールを実現するために、パターニング方法としてフォトリソグラフィ技術を利用する場合には、製造プロセスに手間と時間がかかるだけでなく、フォトレジストなどの使用により材料コストも高くなるので、大量生産には不向きである。そこで、大量生産に適したパターニング方法としては、スクリーン印刷やインクジェット印刷などがある。しかしながら、これらの方法は非常に高速で大量に処理するため、フォトリソグラフィ技術に比べて精度は格段に低くならざるを得ず、パターン幅やパターンの位置にある程度のばらつきが生じる。そのようなばらつきが生じる場合においても安定して高い変換効率を示す裏面電極型太陽電池を得るためにはどのようなデザインルールとすればよいのかという点については、これまで明らかにされていなかった。
そこで、本発明の目的は、大量生産に適し、高い変換効率を示す裏面電極型太陽電池を提供することにある。
本発明は、第1導電型の半導体基板の一方の表面に、第1導電型のドーパントを含む第1ドーピング領域と、第1導電型とは異なる第2導電型のドーパントを含む第2ドーピング領域と、が形成されている裏面電極型太陽電池であって、第1ドーピング領域は半導体基板よりも第1導電型のドーパントの濃度が高く、第2ドーピング領域の面積は表面の面積の60%以上80%以下であることを特徴とする裏面電極型太陽電池である。
また、本発明の裏面電極型太陽電池においては、第2ドーピング領域の面積が表面の面積の70%以上75%以下であることが好ましい。
また、本発明の裏面電極型太陽電池においては、第1ドーピング領域および第2ドーピング領域がそれぞれ帯状であって、第1ドーピング領域と第2ドーピング領域とは交互に配列されていてもよい。
また、本発明の裏面電極型太陽電池においては、半導体基板がシリコン基板であってもよい。
また、本発明の裏面電極型太陽電池においては、第1導電型がn型であって、第2導電型がp型であってもよい。
本発明によれば、大量生産に適し、高い変換効率を示す裏面電極型太陽電池を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。
本発明者は、スクリーン印刷やインクジェット印刷などの精度の低いパターニング方法を用いて裏面電極型太陽電池を作製する場合に、高い変換効率を示す裏面電極型太陽電池を得るためにはどのようなデザインルールで設計を行えばよいのかという問題を検討するため、まずデバイス・シミュレーションによる検討を行なった。ここで、裏面電極型太陽電池のモデルとしては、図1に示す断面構造および図2に示す裏面構造を有するものを用い、以下に示すパラメータを標準条件として設定して、ISE社のデバイス・シミュレータTCADにより、p型ドーピング領域のピッチと裏面電極型太陽電池の変換効率との関係について検討した。なお、図2に示すように、p型ドーピング領域12およびn型ドーピング領域13はそれぞれ帯状であって、p型ドーピング領域12とn型ドーピング領域13とは交互に配列されている。
<パラメータ>
シリコン基板10の導電型:n型
シリコン基板10の不純物濃度:1015/cm3
シリコン基板10のバルクライフタイム:0.5msec
p型ドーピング領域12のピッチ31:1.4mm
シリコン基板10の厚み32:0.28mm
受光面のパッシベーション膜11による受光面表面再結合速度:10cm/s
裏面のパッシベーション膜18による裏面表面再結合速度:100cm/s
p型ドーピング領域12の不純物濃度:1020/cm3
p型ドーピング領域12の幅33:0.9mm
p型ドーピング領域12の面積率:64%
n型ドーピング領域13の不純物濃度:1020/cm3
n型ドーピング領域13の幅34:0.5mm
n型ドーピング領域13の面積率:36%
p電極14およびn電極15の幅35:0.1mm
この検討においては、図3(a)および図3(b)に示すように、p型ドーピング領域12の面積率(p型ドーピング領域12のピッチ31に対するp型ドーピング領域12の幅33の割合と言うこともできる)を固定してp型ドーピング領域12のピッチ31を0.5〜2.0mmの範囲で変化させ、変換効率がどのように変化するかを調べた。その結果を図4に示す。図4に示す結果からは、p型ドーピング領域12のピッチ31を小さくしていくとそれにほぼ比例して変換効率が上昇することがわかる。
この理由は以下のように考えられる。図3(a)に示すように、ピッチ31が大きい場合には、n型ドーピング領域13の近傍で発生した光生成キャリア20はp型ドーピング領域12に到達するまでに長い距離を移動しなくてはならず、その途中で再結合して消滅してしまう確率が高くなる。一方、図3(b)に示すように、ピッチ31が小さくなると光生成キャリア20の移動距離が短くて済むので、途中で再結合する確率が低くなり、電力として有効に取り出せるようになるため変換効率が向上する。
次に、本発明者は、p型ドーピング領域12の面積率と変換効率との関係について検討を行なった。この検討においては、図5(a)および図5(b)に示すように、p型ドーピング領域12のピッチ31を固定して、p型ドーピング領域12の面積率(%)を64%〜86%の範囲で変化させ、変換効率がどのように変化するかを調べた。その結果を図6に示す。図6に示す結果からは、p型ドーピング領域12の面積率を大きくしていくとそれにほぼ比例して変換効率が上昇することがわかる。
この理由も光生成キャリアの移動距離の変化で説明することができる。図5(a)に示すように、p型ドーピング領域12の面積率が小さい場合には、n型ドーピング領域13の近傍で発生した光生成キャリア20はp型ドーピング領域12に到達するまでに長い距離を移動しなくてはならず、その途中で再結合して消滅してしまう確率が高くなる。一方、図5(b)に示すように、ピッチ31が小さくなると光生成キャリア20の移動距離が短くて済むので、途中で再結合する確率が低くなり、電力として有効に取り出せるようになるため変換効率が向上する。
以上の検討から、高い変換効率を有する裏面電極型太陽電池を得るためには、(1)p型ドーピング領域のピッチを小さくすること、および(2)p型ドーピング領域の面積率を広くすることが有効であることが判明した。(1)と(2)の条件を両立させるためには、たとえば図1に示すp型ドーピング領域12以外の領域の幅であるn層幅34(図1に示すn型ドーピング領域13の幅とドーピングがされていない領域の幅の合計)を可能な限り小さくすればよいということになる。
続いて、n型ドーピング領域の幅を可能な限り小さくした場合に、p型ドーピング領域の幅、p型ドーピング領域の面積率およびp型ドーピング領域のピッチをどのように設計すべきかということについて検討する。(2)の条件にしたがってp型ドーピング領域の面積率を大きくするためにp型ドーピング領域の幅を広げていくと、必然的にp型ドーピング領域のピッチが大きくなる。したがって、p型ドーピング領域の面積率の増大による変換効率向上効果とp型ドーピング領域のピッチの拡大による変換効率低下効果とが相殺し、どこかの点で変換効率が極大値を取ることが予想される。そこで、この問題についてデバイス・シミュレーションによる検討を行なった。
図7に示すn層幅34を0.14mm、0.20mmおよび0.30mmにそれぞれ固定して、p型ドーピング領域12の幅33を変化させ(それに伴い、p型ドーピング領域12の面積率およびピッチも変化する)、変換効率がどのように変化するかを調べた。その結果を、図8に示す。
図8に示すように、0.14mm、0.20mmおよび0.30mmのいずれの幅においてもp型ドーピング領域の面積率を50%から広くするにしたがって変換効率は上昇するが、70〜75%をピークとしてそれ以上にp型ドーピング領域の面積率を上げていくと、急速に変換効率が低下することがわかる。さらに細かく見ていくと、n層幅が0.30mmの場合、p型ドーピング領域の面積率が50%では変換効率が約20%であるが、そこからp型ドーピング領域の面積率を上げていくと60〜70%では変換効率が約20.2〜約20.3%に上昇し、p型ドーピング領域の面積率が70%から上昇するにつれて変換効率はさらに上昇する。そして、p型ドーピング領域の面積率が74〜75%で変換効率のピークを迎え、その後はp型ドーピング領域の面積率が上がるにしたがって変換効率は低下していき、p型ドーピング領域の面積率が81%のときには変換効率は約19.8%に低下する。
また、n層幅が0.20mmの場合、p型ドーピング領域の面積率が50%では変換効率が約20.3%であるが、そこからp型ドーピング領域の面積率を上げていくと60〜70%では変換効率が約20.4〜約20.6%に上昇し、p型ドーピング領域の面積率が75%のときに変換効率がピークを迎え、その後はp型ドーピング領域の面積率が80%のときに変換効率は約20.5%となり、p型ドーピング領域の面積率が89%のときには変換効率は約19.3%に低下する。
また、n層幅が0.14mmの場合、p型ドーピング領域の面積率が50%では変換効率が約20.3%であるが、そこからp型ドーピング領域の面積率を上げていくと60〜70%では変換効率が約20.5〜約20.8%に上昇し、p型ドーピング領域の面積率が70%から上昇するにつれて変換効率はさらに上昇する。そして、p型ドーピング領域の面積率が約73%のときに変換効率がピークを迎え、その後はp型ドーピング領域の面積率が80%のときに変換効率は約20.7%となり、p型ドーピング領域の面積率が84%のときには変換効率は約20.6%に低下する。
以上のように、n層幅を狭くすることによって変換効率が上昇する傾向にあることがわかる。よって、n層幅はできるだけ狭くした方が高い変換効率を得る上では有利ではあるが、n層幅をどれだけ狭くできるかということについてはパターニング方法や装置などによって変わるが、上記の結果から概ね、60%以上80%以下であることが高い変換効率を得る上では有利であると考えられる。さらに、上記の結果からは、n層幅が0.14mm、0.20mmおよび0.30mmのいずれの場合においてもp型ドーピング領域の面積率が70%以上75%以下であれば高い変換効率が得られている。
以上の検討結果をまとめると、n型のシリコン基板を用いた裏面電極型太陽電池の裏面のp型ドーピング領域およびn型ドーピング領域のパターンを設計する場合には、なるべくp型ドーピング領域以外の領域の幅が最小となるようにするとともに、p型ドーピング領域の面積率を60%以上80%以下、より好ましくは70%以上75%以下となるようにp型ドーピング領域の幅を設計することによって、高い変換効率を得ることができるということがわかる。
上記のシミュレーション検討の結果を、図1に示す構成の裏面電極型太陽電池を実際に試作して検証した。表1に試作した裏面電極型太陽電池のデザインルールをまとめている。ここで、n層幅34は0.18mmに固定し、p型ドーピング領域12の幅33を0.12mm、0.42mmおよび0.72mmに増加させた。このとき、p型ドーピング領域のそれぞれの幅におけるp型ドーピング領域の面積率はそれぞれ40%、70%および80%となっている。
Figure 2006332273
このようなデザインルールについて、表2に示すように、シリコン基板の比抵抗と厚みとを変化させた3種類の裏面電極型太陽電池の試作を行ない、それぞれの裏面電極型太陽電池のp型ドーピング領域の面積率と変換効率との関係を調べた。その結果を図9に示す。
Figure 2006332273
図9に示すように、試作1〜3においてはそれぞれシリコン基板の比抵抗および厚みを変化させているが、いずれの場合もp型ドーピング領域の面積率70%において最も高い変換効率が得られている。図9の結果を図8のシミュレーション結果と比較してみても、変換効率の絶対値には差があるものの、p型ドーピング領域に対する変換効率の変化の傾向として非常によく一致していることがわかる。このようにシミュレーション結果と実際の試作結果とが非常に良い一致を示したことから、本発明に示したデザインルールの有効性と信頼性の高さを確認することができた。
なお、上記の検討においては、n型のシリコン基板を用いた場合について検討したが、p型のシリコン基板を用いる場合も同様の結果を示すと考えられる。既に述べたように、シリコン基板の裏面におけるドーピング領域のパターンと変換効率との相関関係において重要なファクターは、光生成キャリアがpn接合に到達するまでに移動しなくてはならない距離であり、これはp型のシリコン基板の場合も同様である。この場合にはn型ドーピング領域の面積率が問題となるが、ドーピング領域を設計する場合のデザインルールとしては、上記と同様に、できる限りp層幅(p型ドーピング領域の幅とドーピングされていない領域の幅との合計幅)が最小になるようにするとともに、n型ドーピング領域の面積率が60%以上80%以下となるように、より好ましくは70%以上75%以下となるようにn型ドーピング領域の幅を設計することによって、高い変換効率を得ることができる。
しかしながら、p型のシリコン基板を用いた場合にはn型のシリコン基板を用いた場合と比べて、主に以下の2点が問題となる。
第一に、ホウ素をドーパントとするとともに酸素を多く含むシリコン基板を用いた場合には、光照射によってシリコン基板中のホウ素と酸素とが結合して複合欠陥を形成し、変換効率を低下させる、いわゆる光劣化現象が生じることである。これに対してリンをドーパントとするn型のシリコン基板においてはそのような光劣化現象は生じないことが知られているので、この点からシリコン基板としてはn型が有利といえる。
第二に、p型のシリコン基板よりもn型のシリコン基板のほうが光生成キャリアの再結合寿命(ライフタイム)が長いことがある(たとえば、非特許文献3など)。光生成キャリアのライフタイムが長いということは光生成キャリアを光電流として取り出せる確率が高くなるので高効率化に有利であり、特に、たとえば非特許文献2に述べられているように、ライフタイムが変換効率に対して大きな影響を及ぼす裏面電極型太陽電池においてはn型のシリコン基板が適しているということが言える。
また、本発明に記載のデザインルールは、シリコン基板を用いた裏面電極型太陽電池に限定されるものではなく、シリコン基板以外の半導体基板を用いた裏面電極型太陽電池に対しても適用することができる。しかしながら、現在生産されている太陽電池の大部分がシリコン基板を用いたものであること、したがってシリコン基板は大量かつ比較的安価に入手可能であること、さらに製造技術および製造装置も成熟しており量産性と信頼性の高いものが出回っていることなどの理由から、シリコン基板を用いたものが現状においては最も大量生産に適している。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明によれば、大量生産に適し、高い変換効率を示す裏面電極型太陽電池を提供することができる。
本発明においてデバイス・シミュレーションによる検討を行なった裏面電極型太陽電池のモデルの模式的な断面図である。 図1に示す裏面電極型太陽電池のモデルの裏面の概要を示す模式的な平面図である。 図1に示す裏面電極型太陽電池のモデルのp型ドーピング領域の面積率を一定に保ったままp型ドーピング領域のピッチを変化させる場合を図解する模式的な断面図である。 図1に示す裏面電極型太陽電池のモデルのp型ドーピング領域の面積率を固定してp型ドーピング領域のピッチを変化させた場合のp型ドーピング領域のピッチと変換効率との関係を示す図である。 図1に示す裏面電極型太陽電池のモデルのp型ドーピング領域のピッチを固定してp型ドーピング領域の面積率を変化させる場合を図解する模式的な断面図である。 図1に示す裏面電極型太陽電池のモデルのp型ドーピング領域のピッチを固定してp型ドーピング領域の面積率を変化させた場合のp型ドーピング領域の面積率と変換効率との関係を示す図である。 図1に示す裏面電極型太陽電池のモデルのn層幅を固定してp型ドーピング領域の幅を変化させる場合を図解する模式的な断面図である。 図1に示す裏面電極型太陽電池のモデルのn層幅を固定してp型ドーピング領域の幅を変化させた場合のp型ドーピング領域の面積率と変換効率との関係を示す図である。 シリコン基板の比抵抗と厚みとを変化させた3種類の裏面電極型太陽電池の試作のp型ドーピング領域の面積率と変換効率との関係を示す図である。 従来の裏面電極型太陽電池の一例の概略を示す模式的な断面図である。 従来の裏面電極型太陽電池の他の一例の概略を示す模式的な断面図である。
符号の説明
10 シリコン基板、11,18 パッシベーション膜、12 p型ドーピング領域、13 n型ドーピング領域、14 p電極、15 n電極、16,17 コンタクトホール、20 光生成キャリア、31 ピッチ、32 厚み、33,34,35 幅。

Claims (5)

  1. 第1導電型の半導体基板の一方の表面に、第1導電型のドーパントを含む第1ドーピング領域と、第1導電型とは異なる第2導電型のドーパントを含む第2ドーピング領域と、が形成されている裏面電極型太陽電池であって、
    前記第1ドーピング領域は前記半導体基板よりも第1導電型のドーパントの濃度が高く、
    前記第2ドーピング領域の面積は前記表面の面積の60%以上80%以下であることを特徴とする、裏面電極型太陽電池。
  2. 前記第2ドーピング領域の面積が前記表面の面積の70%以上75%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の裏面電極型太陽電池。
  3. 前記第1ドーピング領域および前記第2ドーピング領域はそれぞれ帯状であって、前記第1ドーピング領域と前記第2ドーピング領域とは交互に配列されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の裏面電極型太陽電池。
  4. 前記半導体基板がシリコン基板であることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の裏面電極型太陽電池。
  5. 前記第1導電型がn型であって、前記第2導電型がp型であることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の裏面電極型太陽電池。
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