JP2006335903A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、耐熱性、無色透明性に優れた、かつ流動特性に優れる熱可塑性重合体に関するものである。
ポリメタクリル酸メチル(以下PMMAと称する)やポリカーボネート(以下PCと称する)といった非晶性樹脂は、その透明性や寸法安定性を活かし、光学材料、家庭電気機器、OA機器および自動車などの各部品を始めとする広範な分野で使用されている。
近年、これらの樹脂は、特に光学レンズ、プリズム、ミラー、光ディスク、光ファイバー、液晶ディスプレイ用シートまたはフィルム、導光板などの、より高性能な光学材料にも幅広く使用されるようになっており、樹脂に要求される光学特性、成形加工性および耐熱性もより高度なものになっている。
また現在、これらの透明樹脂は、テールランプやヘッドランプといった自動車等の灯具部材としても使用されている。近年、車内空間を大きくするためやガソリン燃費を改良するために、テールランプレンズやインナーレンズ、ヘッドランプ、シールドビーム等の各種レンズと光源の間隔を小さくすること、あるいは、部品の薄肉化が図られる傾向にあり、優れた成形加工性が要求されるようになっている。また、車両は過酷な条件下で使用されるため、高温多湿下での形状変化が小さいことや、優れた耐傷性、耐候性および耐油性も要求される。
しかしながら、PMMA樹脂は、優れた透明性および耐候性を有するものの、耐熱性および耐衝撃性が十分ではないといった問題があった。一方、PC樹脂は、耐熱性および耐衝撃性に優れるものの、光学的歪みである複屈折が大きく、成形物に光学的異方性が生じること、そして成形加工性、耐傷性および耐溶剤性に著しく劣るといった問題があった。そのため、PMMAの耐熱性を改良する目的で、耐熱性付与成分としてマレイミド単量体あるいは無水マレイン酸単量体等を導入した樹脂が開発されている。しかし、マレイミド単量体は高価であると同時に反応性が低く、無水マレイン酸は熱安定性が悪いという問題があった。そのため、PMMAの耐熱性を改良する目的で、耐熱性付与成分としてマレイミド系単量体あるいは無水マレイン酸単量体等を導入した樹脂が開発されている。しかし、マレイミド系単量体は高価であると同時に反応性が低く、無水マレイン酸は熱安定性が悪いという問題があった。
これらの問題点を解決する方法として、不飽和カルボン酸単量体単位を含有する共重合体を加熱して環化反応させることにより得られるグルタル酸無水物単位を含有する共重合体が特許文献1、2に開示されているが、不飽和カルボン酸単量体単位を含有する重合体を製造する際の重合温度が高いため、押出機を用いて該重合体を加熱処理して得られるグルタル酸無水物単位を有する共重合体は著しく着色するという問題があった。
また、特許文献3、4、5には不飽和カルボン酸単量体単位を含有する重合体溶液を真空下で加熱することによりグルタル酸無水物単位を含有する共重合体を製造する方法が開示されている。しかし、これら公報に記載されている方法においても不飽和カルボン酸単量体を含有する重合体を溶液中で製造する際の重合温度が高いため、重合体を溶液のまま真空下で加熱しても、得られるグルタル酸無水物単位を含有する共重合体の着色抑制効果は十分ではなく、近年のより高度な無色性の要求を満たすものではなかった。さらに得られた共重合体を空気中で高温滞留させた際、著しく着色し滞留安定性(熱変色性)に劣り、リサイクル使用できないという問題があった。特許文献6において不飽和カルボン酸単量体単位を含有する重合体ビーズを真空下または溶融混練装置で加熱することによりグルタル酸無水物単位を含有する共重合体を製造する方法が開示されている。しかし、不飽和カルボン酸単量体を含有する重合体ビーズを真空下または溶融混練装置で加熱し、グルタル酸無水物単位を含有する共重合体を得る方法では、着色抑制効果は有るものの完全な無色性の要求を満たすものではなかった。特許文献7,8,9には特定の溶融混練装置をを用い、不飽和カルボン酸単量体を含有する重合体を溶融混練装置しグルタル酸無水物単位を含有する共重合体を得る方法が開示されているが、着色抑制効果は有るものの完全な無色性の要求を満たすものではなかった。
特開昭49−85184号公報(第1−2頁、実施例)
特開平1−103612号公報(第1−2頁、実施例)
特開昭58−217501号公報(第1−2頁、実施例)
特開昭60−120707号公報(第1−2頁、実施例)
特開平1−279911号公報(第1−2頁、実施例)
特開2004−002701号公報(第1−2頁、実施例)
特開2004−315834号公報(第1−2頁、実施例)
特開2004−315797号公報(第1−2頁、実施例)
特開2004−315798号公報(第1−2頁、実施例)
したがって、本発明は、高度な耐熱性を有すると同時に無色透明性に優れた、かつ流動特性に優れる熱可塑性重合体を提供することを課題とする。
すなわち本発明は、
[1]下記一般式(1)で表される(i)グルタル酸無水物単位25〜50重量%、(ii)不飽和カルボン酸アルキルエステル単位50〜75重量%、(iii)不飽和カルボン酸単位10重量%以下を有する熱可塑性重合体(A)およびモノホスファイト系化合物(B)を含有してなる熱可塑性樹脂組成物。
[1]下記一般式(1)で表される(i)グルタル酸無水物単位25〜50重量%、(ii)不飽和カルボン酸アルキルエステル単位50〜75重量%、(iii)不飽和カルボン酸単位10重量%以下を有する熱可塑性重合体(A)およびモノホスファイト系化合物(B)を含有してなる熱可塑性樹脂組成物。
[2]熱可塑性重合体(A)100重量部に対し、モノホスファイト系化合物(B)を0.001〜5重量部含有する[1]記載の熱可塑性樹脂組成物。
[3]熱可塑性重合体(A)が、上記(i)、(ii)、(iii)の単位にさらに(iv)その他のビニル単量体単位を10重量%以下有する熱可塑性重合体である[1]または[2]記載の熱可塑性樹脂組成物。
[4]モノホスファイト系化合物(B)の分子量が300〜2000であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか記載の熱可塑性樹脂組成物。
[5]モノホスファイト系化合物(B)が下記一般式(2)で表される環状モノホスファイト系化合物または下記一般式(3)で表されるモノホスファイト系化合物であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか記載の熱可塑性樹脂組成物。
[6](ii)不飽和カルボン酸アルキルエステル単位および(iii)不飽和カルボン酸単位を含有する原共重合体(a)100重量部に対してモノホスファイト系化合物(B)0.001〜5重量部を含む混合物を加熱処理し(イ)脱水および/または(ロ)脱アルコール反応を行うことによって得られる下記一般式(1)で表される(i)グルタル酸無水物単位25〜50重量%、(ii)不飽和カルボン酸アルキルエステル単位50〜75重量%、(iii)不飽和カルボン酸単位10重量%以下を有する熱可塑性重合体(A)およびモノホスファイト系化合物(B)を含有する熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
[7][1]〜[5]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物または[6]に記載の製造方法により得られる熱可塑性樹脂組成物からなる成形品。
本発明により、透明性に優れ、かつ耐熱性、流動性にも優れており、着色悪化の少ない熱可塑性重合体が得られ、本発明の熱可塑性樹脂組成物を含む射出成形品、押出成形品およびフィルムは、透明性および耐熱性に優れている点から、映像機器関連部品、光記録または光通信関連部品、情報機器関連部品、自動車等の輸送機器関連部品、医療機器関連部品、建材関連部品等の用途にとって極めて有用である。
以下、本発明の熱可塑性重合体(A)について具体的に説明する。本発明の熱可塑性重合体(A)とは、下記一般式(1)で表されるグルタル酸無水物含有単位を含有する熱可塑性重合体である。
中でも(i)上記一般式(1)で表されるグルタル酸無水物含有単位および(ii)不飽和カルボン酸アルキルエステル単位を有する原共重合体が好ましい。
本発明の熱可塑性重合体(A)中の前記一般式(1)で表されるグルタル酸無水物含有単位(i)の含有量は、好ましくは熱可塑性重合体(A)100重量%中に25〜50重量%、より好ましくは30〜45重量%である。グルタル酸無水物含有単位が25重量%未満である場合、耐熱性向上効果が小さくなるだけでなく、複屈折特性(光学等方性)や耐溶剤性が低下する傾向がある。
また、本発明の熱可塑性重合体(A)中の不飽和カルボン酸アルキルエステル単位(ii)の含有量は、熱可塑性重合体(A)100重量%中に好ましくは50〜75重量%、より好ましくは55〜70重量%である。
本発明の熱可塑性重合体(A)における各成分単位の定量には、一般に赤外分光光度計やプロトン核磁気共鳴(1H−NMR)測定機が用いられる。赤外分光法では、グルタル酸無水物含有単位は、1800cm−1および1760cm−1の吸収が特徴的であり、不飽和カルボン酸単位や不飽和カルボン酸アルキルエステル単位から区別することができる。また、1H−NMR法では、スペクトルの積分比から共重合体組成を決定することができる。例えば、グルタル酸無水物含有単位、メタクリル酸単位、およびメタクリル酸メチル単位からなる共重合体の場合、ジメチルスルホキシド重溶媒中で測定されたスペクトルの帰属は、0.5〜1.5ppmのピークはメタクリル酸、メタクリル酸メチルおよびグルタル酸無水物環化合物のα−メチル基の水素、1.6〜2.1ppmのピークはポリマー主鎖のメチレン基の水素、3.5ppmのピークはメタクリル酸メチルのカルボン酸エステル(−COOCH3)の水素、12.4ppmのピークはメタクリル酸のカルボン酸の水素である。また、上記に加えて、他の共重合成分としてスチレンを含有する共重合体の場合、6.5〜7.5ppmにスチレンの芳香族環の水素が見られ、同様にスペクトル比から共重合体組成を決定することができる。
また、本発明の熱可塑性重合体は、上記(i)、(ii)の単位に加えて、さらに(iii)不飽和カルボン酸単位および/または、(iv)その他のビニル単量体単位を含有することができる。ここで、(iv)その他のビニル単量体単位とは、上記(i)〜(iii)のいずれにも属さない共重合可能なビニル単量体単位である。
本発明の熱可塑性重合体(A)100重量%中に含有される不飽和カルボン酸単位(iii)の含有量は10重量%以下、すなわち0〜10重量%であることが好ましく、より好ましくは0〜5重量%、最も好ましくは0〜1重量%である。不飽和カルボン酸単位(iii)が10重量%を超える場合には、無色透明性、滞留安定性が低下する傾向がある。
また、その他のビニル単量体単位(iv)の含有量は、熱可塑性重合体(A)100重量%中、10重量%以下、すなわち0〜10重量%の範囲であることが好ましい。また、その他のビニル単量体単位(iv)としては、芳香環を含まないビニル単量体単位が好ましい。スチレンなどの芳香族ビニル単量体単位の場合、含有量が高いと、無色透明性、光学等方性、耐溶剤性が低下する傾向があるので、含有量は5重量%以下、すなわち0〜5重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは0〜3重量%である。
前記不飽和カルボン酸単位(iii)としては、下記一般式(4)で表される構造を有するものが好ましい。
前記不飽和カルボン酸アルキルエステル単位(ii)としては、下記一般式(5)で表される構造を有するものが好ましい。
また熱可塑性重合体(A)は、重量平均分子量が3万〜15万であることが好ましく、より好ましくは5万〜13万、特に7万〜11万が好ましい。重量平均分子量が、この範囲にあることにより、後工程の加熱脱気時の着色を低減でき、黄色度の小さい重合体を得ることができるとともに、成形品の機械的強度も高くすることができる。なお、本発明でいう重量平均分子量とは、多角度光散乱ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC−MALLS)で測定した絶対分子量での重量平均分子量を示す。
本発明で用いる熱可塑性重合体(A)はガラス転移温度(Tg)が130℃以上であることが耐熱性の面で好ましい。ガラス転移温度は、140℃以上がより好ましく、150℃以上が特に好ましい。また、上限としては、通常、170℃程度である。なお、ここでいうガラス転移温度とは、示差走査熱量測定器(Perkin Elmer社製DSC−7型)を用いて、昇温速度20℃/分で測定したガラス転移温度(Tg)である。
かくして得られる熱可塑性重合体(A)は、黄色度(Yellowness Index)の値が5以下と着色が極めて抑制され、さらに好ましい態様においては4以下、最も好ましい態様においては、3以下と極めて優れた無色性を有する。これによって、熱可塑性重合体(A)を含む本発明の熱可塑性樹脂組成物の黄色度も、5以下、より好ましくは4以下、最も好ましくは3以下とすることができ、極めて優れた無色性を有する成形品やフィルムを得ることができるため好ましい。また、熱可塑性重合体(A)の黄色度の値が大きい場合は、熱可塑性重合体(A)の一部が熱分解を起こしており、熱可塑性重合体(A)を含む本発明の熱可塑性樹脂組成物の機械物性が低下する傾向にある。この点でも、熱可塑性重合体(A)の黄色度が上記の範囲にあることが好ましい。なお、ここでいう黄色度(Yellowness Index)とは、熱可塑性重合体(A)もしくは本発明の熱可塑性樹脂組成物を射出成形し、得られた厚さ1mm成形品をJIS−K7103に従い、SMカラーコンピューター(スガ試験機社製)を用いて測定した値である。
このような本発明の上記一般式(1)で表されるグルタル酸無水物含有単位を含有する熱可塑性重合体(A)は、基本的には以下に示す方法により製造することができる。すなわち、後の加熱工程により上記一般式(1)で表されるグルタル酸無水物含有単位(i)を与える不飽和カルボン酸単量体および不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体を共重合させ、原共重合体(a)を得る。その際、前記その他のビニル単量体単位(iv)を含む場合には該単位を与えるビニル単量体を共重合させてもよい。得られた原共重合体(a)を適当な触媒の存在下あるいは非存在下で加熱し、脱アルコールおよび/または脱水による分子内環化反応を行わせることにより、熱可塑性重合体(A)を製造することができる。この場合、典型的には、原共重合体(a)を加熱することにより、隣接する2単位の不飽和カルボン酸単位(iii)のカルボキシル基の間の脱水反応により、あるいは、隣接する不飽和カルボン酸単位(iii)と不飽和カルボン酸アルキルエステル単位(ii)の間の脱アルコール反応により、1単位の前記(i)グルタル酸無水物含有単位が生成される。
この際に用いられる不飽和カルボン酸単量体としては、他のビニル化合物と共重合させることが可能ないずれの不飽和カルボン酸単量体も使用可能である。好ましい不飽和カルボン酸単量体として、下記一般式(6)
で表される化合物、マレイン酸、および無水マレイン酸の加水分解物などが挙げられる。特に熱安定性が優れる点でアクリル酸またはメタクリル酸が好ましく、より好ましくはメタクリル酸である。これらはその1種または2種以上を用いることができる。なお、上記一般式(4)で表される不飽和カルボン酸単量体は、共重合すると上記一般式(2)で表される構造の不飽和カルボン酸単位(iii)を与える。
また不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体の好ましい例として、下記一般式(7)で表されるものを挙げることができる。
これらのうち、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルが特に好適である。なお、上記一般式(5)で表される不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体は、共重合すると上記一般式(3)で表される構造の不飽和カルボン酸アルキルエステル単位(ii)を与える。
不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体の好ましい具体例としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、アクリル酸n−へキシル、メタクリル酸n−へキシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸クロロメチル、メタクリル酸クロロメチル、アクリル酸2−クロロエチル、メタクリル酸2−クロロエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシル、メタクリル酸2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシル、アクリル酸2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチルおよびメタクリル酸2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチルなどが挙げられ、なかでもメタクリル酸メチルが最も好ましく用いられる。これらはその1種または2種以上を用いることができる。
また、本発明で用いる原共重合体(a)の製造においては、本発明の効果を損なわない範囲で、その他のビニル単量体を用いてもかまわない。このその他のビニル単量体は、共重合すると前記のその他のビニル単量体単位(iv)を与える。その他のビニル単量体の好ましい具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−エチルスチレン、p−エチルスチレンおよびp−t−ブチルスチレンなどの芳香族ビニル単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリルなどのシアン化ビニル単量体、アリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテル、p−グリシジルスチレン、無水マレイン酸、無水イタコン酸、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、ブトキシメチルアクリルアミド、N−プロピルメタクリルアミド、アクリル酸アミノエチル、アクリル酸プロピルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸エチルアミノプロピル、メタクリル酸フェニルアミノエチル、メタクリル酸シクロヘキシルアミノエチル、N−ビニルジエチルアミン、N−アセチルビニルアミン、アリルアミン、メタアリルアミン、N−メチルアリルアミン、p−アミノスチレン、2−イソプロペニル−オキサゾリン、2−ビニル−オキサゾリン、2−アクロイル−オキサゾリンおよび2−スチリル−オキサゾリンなどを挙げることができる。透明性、光学等方性および耐溶剤性の点で芳香環を含まない単量体がより好ましく使用できる。これらは単独ないし2種以上を用いることができる。
原共重合体(a)の重合方法については、基本的にはラジカル重合による、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合、沈殿重合等の公知の重合方法を用いることができる。不純物がより少ない点で溶液重合、塊状重合、懸濁重合、沈殿重合が好ましい。
重合温度については、色調の観点から、95℃以下の重合温度で重合することが好ましい。さらに加熱処理後の着色をより抑制するために、好ましい重合温度は85℃以下であり、特に好ましくは75℃以下である。また、重合温度の下限は、重合が進行する温度であれば、特に制限はないが、重合速度を考慮した生産性の面から、50℃以上が好ましく、より好ましくは60℃以上である。重合収率あるいは重合速度を向上させる目的で、重合進行に従い重合温度を昇温することも可能である。この場合も、昇温する上限温度は95℃以下に制御することが好ましく、重合開始温度も75℃以下の比較的低温で行うことが好ましい。また重合時間は、必要な重合度を得るのに十分な時間であれば特に制限はないが、生産効率の点から60〜360分間の範囲が好ましく、90〜180分間の範囲が特に好ましい。
本発明において、原共重合体(a)の製造時に用いられるこれらの単量体混合物の好ましい割合は、該単量体混合物全体を100重量%として、不飽和カルボン酸単量体が15〜50重量%、より好ましくは20〜45重量%、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体は50〜85重量%、より好ましくは55〜80重量%である。これらに共重合可能な他のビニル単量体を用いる場合、その好ましい割合は0〜10重量%である。他のビニル単量体が、芳香族ビニル単量体である場合、その好ましい割合は0〜5重量%であり、より好ましい割合は0〜3重量%である。
不飽和カルボン酸単量体の含有量が15重量%未満の場合には、原共重合体(a)の加熱により、熱可塑性重合体(A)を製造する際に、上記一般式(1)で表されるグルタル酸無水物含有単位(i)の生成量が少なくなり、熱可塑性重合体(A)の耐熱性向上効果が小さくなる傾向がある。一方、不飽和カルボン酸単量体(iii)の含有量が50重量%を超える場合には、原共重合体(a)の加熱により、熱可塑性重合体(A)を製造する際に、不飽和カルボン酸単位(iii)が多量に残存する傾向があり、熱可塑性重合体(A)の無色透明性、滞留安定性が低下する傾向がある。
また、前記のように、本発明の熱可塑性重合体(A)は、重量平均分子量が3万〜15万であることが好ましい。このような分子量を有する熱可塑性重合体(A)は、原共重合体(a)の製造時に、原共重合体(a)を重量平均分子量で3万〜15万に予め制御しておくことにより、達成することができる。
原共重合体(a)の分子量制御方法については、例えば、アゾ化合物、過酸化物等のラジカル重合開始剤の添加量、あるいはアルキルメルカプタン、四塩化炭素、四臭化炭素、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、トリエチルアミン等の連鎖移動剤の添加量等により、制御することができる。特に、重合の安定性、取り扱いの容易さ等から、連鎖移動剤であるアルキルメルカプタンの添加量を制御する方法が好ましく使用することができる。
本発明における原共重合体(a)とモノホスファイト系化合物(B)を加熱し、脱水および/または脱アルコールにより分子内環化反応を行うことにより高度な耐熱性を有すると同時に無色透明性に優れた、かつ流動特性に優れる熱可塑性重合体を得ることができる。
本発明で用いるモノホスファイト系化合物(B)とはその分子内に1個のリン原子を持ち3個の有機基が結合した有機亜リン酸エステルであり、耐熱性の点から分子量300〜2000が好ましく、さらに分子量350〜1500の範囲であることがより好ましく、特に分子量400〜1000の範囲であることが最も好ましい。分子量が300以下では溶融混練時に揮発しやすく着色抑制、流動性向上効果が得られ難く、分子量が2000以上の場合には異物化しやすく高度な透明性が得られない問題がある。さらに、性状として液体または固体などの形態があるが使用に際しての制限はなく、液体の場合粘度1〜10000mPa・sの範囲であることが好ましく、さらに粘度2〜7000mPa・sの範囲であることがより好ましく、特に粘度5〜5000mPa・sの範囲であることが最も好ましい。または固体性状の場合、融点60〜220℃の範囲が好ましく、さらに融点80〜210℃の範囲がより好ましく、特に融点100〜200℃の範囲が最も好ましい。さらに、有機亜リン酸エステルの3個の酸素原子の内2個以上が芳香族残基と結合している下記一般式(2)で表される環状モノホスファイト系化合物(B)、または、有機亜リン酸エステルの3個の酸素原子の内少なくとも1つが芳香族残基と結合している下記一般式(3)で表されるモノホスファイト系化合物(B)であることが好ましい。
上記一般式(2)において、R4に示した炭素原子数1〜9のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、i−ブチル、t−ブチル、イソブチル、アミル、t−アミル、フキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、第三オクチル、ノニル、第三ノニル等が挙げられ、R5に示した炭素数1〜9のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、i−ブチル、t−ブチル、イソブチル、アミル、t−アミル、フキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、第三オクチル、ノニル、第三ノニル等が挙げられ、R6に示した炭素原子数1〜30のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、i−ブチル、t−ブチル、イソブチル、アミル、t−アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、第三オクチル、ノニル、第三ノニル、デジル、イソデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシル、ドコシル、テトラコシル、トリアコンチル等、置換もしくは非置換アリール基としては、フェニル、4−メチルフェニル、2−ヒドロキシフェニル、4−ヒドロキシフェニル、2−t−ブチルフェニル、3−メチル−4−ヒドロキシフェニル、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル、3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル、3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル、2,4−ジt−ブチルフェニル、2,5−ジt−ブチルフェニル等が挙げられる。
上記一般式(3)において、R7またはR8示した炭素原子数1〜30のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、i−ブチル、t−ブチル、イソブチル、アミル、t−アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、第三オクチル、ノニル、第三ノニル、デジル、イソデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシル、ドコシル、テトラコシル、トリアコンチル等、置換もしくは非置換アリール基としては、フェニル、4−メチルフェニル、2−ヒドロキシフェニル、4−ヒドロキシフェニル、2−t−ブチルフェニル、3−メチル−4−ヒドロキシフェニル、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル、3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル、3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル、2,4−ジt−ブチルフェニル、2,5−ジt−ブチルフェニル等が挙げられる。
R7はR8の組み合わせとしては特に制限はないが、R7とR8がお互いに同一のアリール基、R7とR8が異なったアリール基、R7がアルキル基でR8がアリール基等が挙げられ、R7とR8がお互いに同一のアリール基およびR7がアリール基でR8がアルキル基の組み合わせが特に好ましく利用できる。
具体的なホスファイト系化合物としては、、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,5−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ミックスドモノおよびジ−ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチル−5−メチルフェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチル−4,6−ジメチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンホスフォナイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)ホスファイト等が挙げられる。
この中で、t−ブチル基のみで置換されたアリール基を持つ、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,5−t−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイトが特に好ましく利用できる。これらの特定のホスファイト系化合物は1種または2種以上併用して使用する事が可能である。
本発明では、熱可塑性重合体(A)100重量部に対して、モノホスファイト化合物(B)を0.001〜5重量部含有することが好ましい。この範囲のモノホスファイト化合物を含有することで、高度な耐熱性と無色透明性、流動特性を達成することができる。
また、本発明では、(ii)不飽和カルボン酸アルキルエステル単位および(iii)不飽和カルボン酸単位を含有する原共重合体(a)100重量部に対してモノホスファイト系化合物(B)0.001〜5重量部を含む混合物を加熱処理し(イ)脱水および/または(ロ)脱アルコール反応を行うことによって得られる前記一般式(1)で表される(i)グルタル酸無水物単位25〜50重量%、(ii)不飽和カルボン酸アルキルエステル単位50〜75重量%、(iii)不飽和カルボン酸単位10重量%以下を有する熱可塑性重合体(A)およびモノホスファイト系化合物(B)を含有する熱可塑性樹脂組成物の製造することが好ましい。
本発明における原共重合体(a)およびモノホスファイト系化合物(B)を加熱し、脱水および/または脱アルコールにより分子内環化反応を行い、グルタル酸無水物含有単位を含有する熱可塑性重合体(A)を製造する方法は、特に制限はないが、原共重合体(a)をベントを有する連続溶融混練装置を用いる方法や不活性ガス雰囲気または真空下で加熱脱揮するバッチ式溶融混練装置を用いる方法が好ましい。酸素存在下で加熱による分子内環化反応を行うと、黄色度が悪化する傾向が見られるため、系内を窒素などの不活性ガスで十分に置換することが好ましい。特に好ましい溶融混練装置として、例えば、”ユニメルト”タイプのスクリューを備えた単軸押出機、二軸押出機、二軸・単軸複合型連続混練押出装置、三軸押出機、連続式またはバッチ式ニーダータイプの混練機などを用いることができ、とりわけ連続溶融混練装置である二軸押出機あるいは二軸・単軸複合型連続混練押出装置を好ましく使用することができる。二軸・単軸複合型連続混練押出装置としては、例えば特開2004−307834号公報(第1−2頁、実施例)に記載された装置を用いることができる。またこれらの装置は、窒素などの不活性ガスが導入可能な構造を有したものが、より好ましい。例えば、二軸押出機あるいは二軸・単軸複合型連続混練押出装置に、窒素などの不活性ガスを導入する方法としては、ホッパー上部および/または下部より、10〜100リットル/分程度の不活性ガス気流の配管を繋ぐ方法などが挙げられる。
なお、上記の方法により加熱脱揮する温度は、脱水および/または脱アルコールにより分子内環化反応が生じる温度であれば特に限定されないが、好ましくは180〜330℃の範囲、特に好ましくは220〜315℃の範囲である。
また、この際の加熱脱揮する時間は、所望する共重合組成に応じて適宜設定可能であるが、通常、1分間〜60分間が好ましく、より好ましくは2分間〜30分間、とりわけ好ましくは3〜20分間の範囲である。押出機を用いて、十分な分子内環化反応を進行させるための加熱時間を確保するため、押出機スクリューの長さをL、直径をDとすると、L/Dが40以上110以下であることが好ましい。L/Dの短い押出機を使用した場合、未反応の不飽和カルボン酸単位が多量に残存するため、加熱成形加工時に反応が再進行し、成形品にシルバーや気泡が見られる傾向や成形滞留時に色調が悪化する傾向がある。押出機のL/Dが110より大きい場合、押出機の機械的強度や構造上の問題のため、現実的な利点が小さくなるため好ましくない。
さらに本発明では、原共重合体(a)を上記方法等により加熱する際にグルタル酸無水物への環化反応を促進させる触媒として、酸、アルカリおよび塩化合物から選ばれた1種以上を添加することができる。その添加量は、原共重合体(a)100重量部に対し、0.01〜1重量部程度が好ましい。酸触媒としては、塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、リン酸、亜リン酸、フェニルホスホン酸、リン酸メチル等が挙げられる。塩基性触媒としては、金属水酸化物、アミン類、イミン類、アルカリ金属誘導体、アルコキシド類、水酸化アンモニウム等が挙げられる。さらに、塩系触媒としては、酢酸金属塩、ステアリン酸金属塩、炭酸金属塩、各種アルキルアンモニウム塩を含むアンモニウム塩等が挙げられる。等が挙げられる。ただし、その触媒の色が熱可塑性重合体の着色に悪影響を及ぼさず、かつ透明性が低下しない範囲で添加することが好ましい。中でも、アルカリ金属を含有する化合物が、比較的少量の添加量で、優れた反応促進効果を示すため、好ましく使用することができる。具体的には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムフェノキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムフェノキシド等のアルコキシド化合物、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム等の有機カルボン酸塩等が挙げられる。とりわけ、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、酢酸リチウム、および酢酸ナトリウムが好ましく使用することができる。
また、本発明の熱可塑性重合体、熱可塑性樹脂組成物には本発明の目的を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリイミド、ポリエーテルイミドなど、熱硬化性樹脂、例えばフェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂など、から選ばれた一種以上をさらに含有させることができる。また高級脂肪酸や酸エステル系および酸アミド系、さらにヒンダードフェノール系またはチオエーテル系酸化防止剤、高級アルコールなどの滑剤および可塑剤、モンタン酸およびその塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミドおよびエチレンワックスなどの離型剤、亜リン酸塩、次亜リン酸塩などの着色防止剤、ハロゲン系難燃剤、リン系やシリコーン系の非ハロゲン系難燃剤、核剤、アミン系、スルホン酸系、ポリエーテル系などの帯電防止剤、顔料、染料、蛍光増白剤などの着色剤などの添加剤を任意に含有させてもよい。ただし、適用する用途が要求する特性に照らし、その添加剤保有の色が熱可塑性重合体に悪影響を及ぼさず、かつ透明性が低下しない範囲で添加することが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、機械的特性、成形加工性にも優れており、溶融成形可能であるため、押出成形、射出成形、プレス成形などが可能であり、フィルム、シート、管、ロッド、その他の希望する任意の形状と大きさを有する成形品に成形して使用することができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物からなるフィルムの製造方法には、公知の方法を使用することができる。すなわち、インフレーション法、T−ダイ法、カレンダー法、切削法、流延法、エマルション法、ホットプレス法等の製造方法が使用できる。好ましくは、インフレーション法、T−ダイ法、流延法またはホットプレス法が使用できる。インフレーション法やT−ダイ法による製造法の場合、単軸あるいは二軸押出スクリューのついたエクストルーダ型溶融押出装置等が使用できる。本発明のフィルムを製造するための溶融押出温度は、好ましくは150〜350℃、より好ましくは200〜300℃である。また、溶融押出装置を使用し溶融混練する場合、着色抑制の観点から、ベントを使用し減圧下での溶融混練あるいは窒素気流下での溶融混練を行うことが好ましい。また、流延法により本発明のフィルムを製造する場合、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等の溶剤が使用可能である。好ましい溶媒は、アセトン、メチルエチルケトン、N−メチルピロリドン等である。該フィルムは、本発明の熱可塑性樹脂組成物を前記の1種以上の溶剤に溶かし、その溶液をバーコーター、Tダイ、バー付きTダイ、ダイ・コートなどを用いて、ポリエチレンテレフタレートなどの耐熱フィルム、スチールベルト、金属箔などの平板または曲板(ロール)上に流延し、溶剤を蒸発除去する乾式法、あるいは溶液を凝固液で固化する湿式法等を用いることにより製造できる。
かくして得られる成形品またはフィルムは、その優れた耐熱性を活かして、電気電子部品、自動車部品、機械機構部品、OA機器、家電機器などのハウジングおよびそれらの部品類、一般雑貨など種々の用途に用いることができる。
本発明の成形品またはフィルムは、特に、透明性および耐熱性に優れている点から、映像機器関連部品としてカメラ、VTR、プロジェクションTV等の撮影用レンズ、ファインダー、フィルター、プリズム、フレネルレンズ等、光記録または光通信関連部品として各種光ディスク(VD、CD、DVD、MD、LD等)基板、各種ディスク基板保護フィルム、光ディスクプレイヤーピックアップレンズ、光ファイバー、光スイッチ、光コネクター等、情報機器関連部品として、液晶ディスプレイ、フラットパネルディスプレイ、プラズマディスプレイの導光板、フレネルレンズ、偏光板、偏光板保護フィルム、位相差フィルム、光拡散フィルム、視野角拡大フィルム、反射フィルム、反射防止フィルム、防眩フィルム、輝度向上フィルム、プリズムシート、ピックアップレンズ、タッチパネル用導電フィルム、カバー等、自動車等の輸送機器関連部品として、テールランプレンズ、ヘッドランプレンズ、インナーレンズ、アンバーキャップ、リフレクター、エクステンション、サイドミラー、ルームミラー、サイドバイザー、計器針、計器カバー、窓ガラスに代表されるグレージング等、医療機器関連部品として、眼鏡レンズ、眼鏡フレーム、コンタクトレンズ、内視鏡、分析用光学セル等、建材関連部品として、採光窓、道路透光板、照明カバー、看板、透光性遮音壁、バスタブ用材料等、の用途にとって極めて有用である。
以下、実施例により本発明の構成、効果をさらに具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
参考例1:原共重合体(a−1)の製造
メタクリル酸メチル20重量部、アクリルアミド80重量部、過硫酸カリウム0.3重量部およびイオン交換水1500重量部を反応器中に仕込み、反応器中を窒素ガスで置換しながら70℃に保った。単量体が完全に、重合体に転化するまで反応を続け、メタクリル酸メチル/アクリルアミド共重合体の水溶液を得た。得られた水溶液を懸濁剤として使用した。容量が5リットルで、バッフルおよびファウドラ型撹拌翼を備えたステンレス製オートクレーブに、前記のメタクリル酸メチル/アクリルアミド共重合体懸濁剤0.05重量部をイオン交換水165重量部に溶解した溶液を供給し、400rpmで撹拌し、系内を窒素ガスで置換した。次に、下記混合物質を反応系を撹拌しながら添加し、70℃に昇温した。内温が70℃に達した時点を重合開始として、180分間保ち、重合を終了した。以降、通常の方法に従い、反応系の冷却、ポリマーの分離、洗浄、乾燥を行い、ビーズ状の原共重合体(a−1)を得た。この原共重合体(a−1)の重合率は98%であった。
メタクリル酸 28重量部
メタクリル酸メチル 72重量部
t−ドデシルメルカプタン 1.2重量部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.4重量部。
メタクリル酸メチル20重量部、アクリルアミド80重量部、過硫酸カリウム0.3重量部およびイオン交換水1500重量部を反応器中に仕込み、反応器中を窒素ガスで置換しながら70℃に保った。単量体が完全に、重合体に転化するまで反応を続け、メタクリル酸メチル/アクリルアミド共重合体の水溶液を得た。得られた水溶液を懸濁剤として使用した。容量が5リットルで、バッフルおよびファウドラ型撹拌翼を備えたステンレス製オートクレーブに、前記のメタクリル酸メチル/アクリルアミド共重合体懸濁剤0.05重量部をイオン交換水165重量部に溶解した溶液を供給し、400rpmで撹拌し、系内を窒素ガスで置換した。次に、下記混合物質を反応系を撹拌しながら添加し、70℃に昇温した。内温が70℃に達した時点を重合開始として、180分間保ち、重合を終了した。以降、通常の方法に従い、反応系の冷却、ポリマーの分離、洗浄、乾燥を行い、ビーズ状の原共重合体(a−1)を得た。この原共重合体(a−1)の重合率は98%であった。
メタクリル酸 28重量部
メタクリル酸メチル 72重量部
t−ドデシルメルカプタン 1.2重量部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.4重量部。
参考例2:原共重合体(a−2)の製造
単量体混合物および連鎖移動剤の仕込み組成を下記に変更した以外は(a−1)と同様の製造方法でビーズ状の原共重合体(a−2)を得た。この原共重合体(a−2)の重合率は98%であった。
メタクリル酸 15重量部
メタクリル酸メチル 85重量部
t−ドデシルメルカプタン 0.6重量部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.4重量部。
単量体混合物および連鎖移動剤の仕込み組成を下記に変更した以外は(a−1)と同様の製造方法でビーズ状の原共重合体(a−2)を得た。この原共重合体(a−2)の重合率は98%であった。
メタクリル酸 15重量部
メタクリル酸メチル 85重量部
t−ドデシルメルカプタン 0.6重量部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.4重量部。
参考例3:原共重合体(a−3)の製造
単量体混合物および連鎖移動剤の仕込み組成を下記に変更した以外は(a−1)と同様の製造方法でビーズ状の原共重合体(a−3)を95%の重合率で得た。
メタクリル酸 25重量部
メタクリル酸メチル 65重量部
スチレン 10重量部
t−ドデシルメルカプタン 0.8重量部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.4重量部。
単量体混合物および連鎖移動剤の仕込み組成を下記に変更した以外は(a−1)と同様の製造方法でビーズ状の原共重合体(a−3)を95%の重合率で得た。
メタクリル酸 25重量部
メタクリル酸メチル 65重量部
スチレン 10重量部
t−ドデシルメルカプタン 0.8重量部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.4重量部。
[実施例1〜5、比較例1〜5]
二軸・単軸複合型連続混練押出装置であるHTM38(L/D48、CTE社製)を使用し、参考例で得られた各種原共重合体(a)および表1に示した添加剤を配合し、ホッパー口から窒素を10L/分の量でブローしながら、該押出装置に10kg/hで連続供給し、スクリュー回転数:100rpm、シリンダ温度:285で加熱処理(環化反応)を行いペレット状の熱可塑性重合体を得た。この時の滞留時間(原料である原共重合体(A)をホッパー部より投入してから、吐出されるまでの時間)は7分であった。なお、上記二軸・単軸複合型連続混練押出装置におけるスクリューは非噛合異方向回転のものである。ペレット状の熱可塑性重合体を 1H−NMRにより、定量した各共重合成分組成および各種特性評価結果を表1に示す。
二軸・単軸複合型連続混練押出装置であるHTM38(L/D48、CTE社製)を使用し、参考例で得られた各種原共重合体(a)および表1に示した添加剤を配合し、ホッパー口から窒素を10L/分の量でブローしながら、該押出装置に10kg/hで連続供給し、スクリュー回転数:100rpm、シリンダ温度:285で加熱処理(環化反応)を行いペレット状の熱可塑性重合体を得た。この時の滞留時間(原料である原共重合体(A)をホッパー部より投入してから、吐出されるまでの時間)は7分であった。なお、上記二軸・単軸複合型連続混練押出装置におけるスクリューは非噛合異方向回転のものである。ペレット状の熱可塑性重合体を 1H−NMRにより、定量した各共重合成分組成および各種特性評価結果を表1に示す。
得られたペレット状の熱可塑性重合体を80℃に設定した熱風乾燥機で10時間乾燥したのち、型締圧力75tのスクリューインライン型射出成形機(住友重機械工業製SG−75H MIV)を用い以下の条件で各種試験片を射出成形した。
成形温度 : 熱可塑性重合体(A)のガラス転移温度(℃)+150℃
金型温度 : 80℃
成形サイクル : 射出時間5秒/冷却時間:10秒
成形圧力 : 金型に樹脂が全て充填される圧力(成形下限圧力)+1MPa
実施例で使用した各種物性の測定方法を以下に記載する。
成形温度 : 熱可塑性重合体(A)のガラス転移温度(℃)+150℃
金型温度 : 80℃
成形サイクル : 射出時間5秒/冷却時間:10秒
成形圧力 : 金型に樹脂が全て充填される圧力(成形下限圧力)+1MPa
実施例で使用した各種物性の測定方法を以下に記載する。
(1)透明性(全光線透過率、ヘイズ)
本発明の熱可塑性樹脂組成物を、熱可塑性重合体(A)のガラス転移温度+150℃で射出成形して、80mm×80mm×1mmの成形品を得た。東洋精機(株)製直読ヘイズメーターを用いて、得られた成形品の23℃での全光線透過率(%)、ヘイズ(曇度)(%)を測定し、透明性を評価した。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を、熱可塑性重合体(A)のガラス転移温度+150℃で射出成形して、80mm×80mm×1mmの成形品を得た。東洋精機(株)製直読ヘイズメーターを用いて、得られた成形品の23℃での全光線透過率(%)、ヘイズ(曇度)(%)を測定し、透明性を評価した。
(2)黄色度(Yellowness Index)(YI)
本発明の熱可塑性樹脂組成物を、熱可塑性重合体(A)のガラス転移温度+150℃で射出成形して、80mm×80mm×1mm成形品を得た。得られた成形品のYI値を、JIS−K7103に従い、SMカラーコンピューター(スガ試験機社製)を用いて測定した。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を、熱可塑性重合体(A)のガラス転移温度+150℃で射出成形して、80mm×80mm×1mm成形品を得た。得られた成形品のYI値を、JIS−K7103に従い、SMカラーコンピューター(スガ試験機社製)を用いて測定した。
(3)熱変形温度
本発明の熱可塑性樹脂組成物を、熱可塑性重合体(A)のガラス転移温度+150℃で射出成形して、127mm×12.7mm×3.2mmの板状試験片を得た。得られた板状試験片を用い、ASTM D648(荷重:0.46MPa)に従い、熱変形温度を測定し、耐熱性を評価した。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を、熱可塑性重合体(A)のガラス転移温度+150℃で射出成形して、127mm×12.7mm×3.2mmの板状試験片を得た。得られた板状試験片を用い、ASTM D648(荷重:0.46MPa)に従い、熱変形温度を測定し、耐熱性を評価した。
(4)耐衝撃性(Izod衝撃値)
本発明の熱可塑性樹脂組成物を、熱可塑性重合体(A)のガラス転移温度+150℃で射出成形して、ASTM D−256に従い、厚み12.7mmのノッチ付試験片を得た。得られた試験片を用いてASTM D−256に従い、23℃にてアイゾッド衝撃強度を測定し、衝撃特性を評価した。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を、熱可塑性重合体(A)のガラス転移温度+150℃で射出成形して、ASTM D−256に従い、厚み12.7mmのノッチ付試験片を得た。得られた試験片を用いてASTM D−256に従い、23℃にてアイゾッド衝撃強度を測定し、衝撃特性を評価した。
(4)流動性
本発明の熱可塑性樹脂組成物ペレットを、熱可塑性重合体(A)のガラス転移温度+150℃で東洋精機社製キャピログラフ1C型(ダイス径φ1mmダイス長5mm)を用いてズリ速度1216cm−1における見掛けの溶融粘度を測定した。
本発明の熱可塑性樹脂組成物ペレットを、熱可塑性重合体(A)のガラス転移温度+150℃で東洋精機社製キャピログラフ1C型(ダイス径φ1mmダイス長5mm)を用いてズリ速度1216cm−1における見掛けの溶融粘度を測定した。
実施例1〜5の結果より、本発明の熱可塑性重合体(A)は特定のモノホスファイト系化合物(B)を配合することによりは高度な透明性、耐熱性に優れており、特に無色透明であり、流動性に優れていることがわかる。
一方、特定のモノホスファイト系化合物(B)を添加しない(比較例1、2、5)場合には、色調が大きく悪化し流動性が向上しないのがわかる。
本発明の範囲外にある多価アルコール残基構造を持つジホスファイト系化合物(B)に添加した(比較例3)場合には、色調は良好であるものの、高度な透明性が得られないばかりか、流動性が大きく悪化する。
また、熱可塑性重合体(A)の共重合組成が本発明の範囲外にある場合(比較例4)は、特定のモノホスファイト系化合物(B)を配合した場合でも耐熱性が著しく低下し高度な透明性が得られないことがわかる。
モノホスファイト系酸化防止剤を多量に添加した(比較例6)場合には、色調は良好であるものの透明性が低下する傾向にある。
モノホスファイト系酸化防止剤を多量に添加した(比較例6)場合には、色調は良好であるものの透明性が低下する傾向にある。
Claims (7)
- 熱可塑性重合体(A)100重量部に対して、モノホスファイト系化合物(B)を0.001〜5重量部含有する請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 熱可塑性重合体(A)が、上記(i)、(ii)、(iii)の単位にさらに(iv)その他のビニル単量体単位を10重量%以下有する熱可塑性重合体である請求項1または2記載の熱可塑性樹脂組成物。
- モノホスファイト系化合物(B)の分子量が300〜2000であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の熱可塑性樹脂組成物。
- (ii)不飽和カルボン酸アルキルエステル単位および(iii)不飽和カルボン酸単位を含有する原共重合体(a)100重量部に対してモノホスファイト系化合物(B)0.001〜5重量部を含む混合物を加熱処理し(イ)脱水および/または(ロ)脱アルコール反応を行うことによって得られる下記一般式(1)で表される(i)グルタル酸無水物単位25〜50重量%、(ii)不飽和カルボン酸アルキルエステル単位50〜75重量%、(iii)不飽和カルボン酸単位10重量%以下を有する熱可塑性重合体(A)およびモノホスファイト系化合物(B)を含有する熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
(上記式中、R1、R2は、同一または相異なる水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表す。) - 請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物または請求項5に記載の製造方法により得られる熱可塑性樹脂組成物からなる成形品。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2005163136A JP2006335903A (ja) | 2005-06-02 | 2005-06-02 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2005163136A JP2006335903A (ja) | 2005-06-02 | 2005-06-02 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2006335903A true JP2006335903A (ja) | 2006-12-14 |
Family
ID=37556739
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2005163136A Pending JP2006335903A (ja) | 2005-06-02 | 2005-06-02 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2006335903A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP2562636A2 (en) | 2006-12-13 | 2013-02-27 | Hitachi Ltd. | Storage controller and storage control method |
-
2005
- 2005-06-02 JP JP2005163136A patent/JP2006335903A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP2562636A2 (en) | 2006-12-13 | 2013-02-27 | Hitachi Ltd. | Storage controller and storage control method |
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