従来、このような通信経路切替制御システムに使用されるルータ装置としては、ある宛先までの通信経路を探索する際、その通信経路が複数存在し、各通信経路のコスト(回線速度や遅延時間等)が等しい場合、これら複数の通信経路を迂回経路の候補としてルーティングテーブルに設定し、例えば使用中の通信経路に回線障害が発生したとしても、ルーティングテーブル内の複数の通信経路から回線障害を迂回する通信経路を探索し、この探索した通信経路に切替設定する技術が広く知られている(例えば特許文献1参照)。
そこで、図面に基づき一般的な通信経路切替制御システムについて説明する。図5は一般的な通信経路切替制御システム内部の概略構成を示すブロック図である。
図5に示す通信経路切替制御システム1は、複数の端末を収容接続する第1拠点2A及び第2拠点2Bと、第1拠点2A及び第2拠点2B同士を複数の通信経路で通信接続するIP網3と、第1拠点2A及び第2拠点2Bの通信状況を監視する管理拠点4とを有し、IP網3は、例えば第1通信事業者5Aの100Mbps回線及び第2通信事業者5Bの10Mbps回線を有し、第1拠点2A及び第2拠点2Bは第1通信事業者5Aの回線をメイン回線、第2通信事業者5Bの回線をバックアップ回線として使用することで回線障害に対応した構成としている。
例えば第1通信事業者5Aの回線はメイン回線として使用するために回線容量も大きくするのに対し、第2通信事業者5Bの回線はバックアップ回線として使用する、例えばメイン回線の障害発生時に使用することになるため、その回線維持コストを考慮して回線容量を小さくするのが一般的である。
第1拠点2Aは、第1通信事業者5Aの回線との通信インタフェースを司る第1ルータ6Aと、第2通信事業者5Bの回線との通信インタフェースを司る第2ルータ6Bと、パソコン等の第1データ端末7Aと、第1電話端末8Aと、第1電話端末8Aを収容接続する第1PBX(構内交換機)9Aと、第1PBX9AとのIP通信インタフェースを司る第1IPGW10Aと、これら第1ルータ6A、第2ルータ6B、第1データ端末7A及び第1IPGW10A同士をIP接続するLAN11Aと有している。
また、第2拠点2Bは、第1通信事業者5Aの回線との通信インタフェースを司る第3ルータ6Cと、第2通信事業者5Bの回線との通信インタフェースを司る第4ルータ6Dと、パソコン等の第2データ端末7Bと、第2電話端末8Bと、第2電話端末8Bを収容接続する第2PBX9Bと、第2PBX9BとのIP通信インタフェースを司る第2IPGW10Bと、これら第3ルータ6C、第4ルータ6D、第2データ端末7B及び第2IPGW10B同士をIP接続するLAN11Bと有している。尚、第1拠点2A及び第2拠点2Bには拠点コードが付与されているものとする。
管理拠点4は、第1通信事業者5A及び第2通信事業者5Bの回線との通信インタフェースを司るルータ6Eと、同ルータ6Eを通じて第1拠点2A及び第2拠点2Bの通信状況等を監視する管理端末7Cとを有し、管理端末7Cから定期的に疎通確認用パケットを第1拠点2A及び第2拠点2Bに配信し、この疎通確認用パケットに対する応答パケットの受信状況に基づき第1拠点2A及び第2拠点2Bの通信状況を把握するものである。
例えば第1拠点2Aの第1電話端末8Aから第2拠点2Bの第2電話端末8Bに発信する場合、第1拠点2A内の第1電話端末8Aのユーザは、例えば発信特番、着信先の拠点コード及び内線番号をダイヤル操作することになる。
第1拠点2A内の第1PBX9Aは、第1電話端末8Aからの発信特番、着信先の拠点コード及び内線番号のダイヤル操作を検出すると、着信先の拠点コード及び内線番号を第1IPGW10Aに通知する。第1IPGW10Aは、拠点コード毎にIPGWのIPアドレスを管理する番号変換テーブル(GW側RAM)を備えているため、第1PBX9Aから着信先の拠点コードを検出すると、この着信先の拠点コードをIPアドレスに変換する。
第1IPGW10Aは、着信先の拠点コードをIPアドレスに変換すると、同IPアドレスに基づき、着信先の第2IPGW10Bに対して同内線番号をデータとして含むIPパケットを第1ルータ6A(又は第2ルータ6B)及びIP網3経由で第2IPGW10Bに伝送する。
第2IPGW10Bは、第1IPGW10AからのIPパケットを受信すると、同IPパケットに含まれる内線番号を第2拠点2B内の第2PBX9Bに通知する。第2PBX9Bは、内線番号を検出すると、同内線番号に対応した第2電話端末8Bに着信動作を実行する。尚、これら第1拠点2A及び第2拠点2B間の電話端末同士の呼制御は標準規格であるSIPプロトコルに準拠するものとする。
図6は第1IPGW10A及び第1ルータ6A内部の概略構成を示すブロック図である。尚、第2IPGW10Bの内部構成は、第1IPGW10Aの内部構成とほぼ同一であることから、その重複する構成及び動作の説明については省略する。また、同様に第2ルータ6B、第3ルータ6C及び第4ルータ6Dの内部構成も、第1ルータ6Aの内部構成とほぼ同一であることから、その重複する構成及び動作の説明についても省略する。
第1IPGW10Aは、各種呼制御に使用する音声信号データを格納するトーンROM11と、構成定義データ及び番号変換テーブル等を格納するデータ領域及び、各種作業を実行する作業領域を備えたGW側RAM12と、各種プログラムを格納したROM13と、ログ格納時及び各種保守コマンド用の時刻情報を計時制御するRTC14と、図示せぬ保守用PCとのシリアルインタフェースとなるRS−232Cコネクタ15と、RS−232Cコネクタ15を通じて保守用PCとのシリアルインタフェース制御を司るシリアルドライバ16と、第1PBX9Aに有線接続する複数のRJ−45コネクタ17と、第1PBX9Aからの音声信号及び制御信号を分離すると共に、この分離した音声信号を音声アナログ信号に変換するアナログ部18と、この音声アナログ信号をPCM方式の音声デジタル信号に変換するCODEC19と、この音声デジタル信号に対して音声圧縮前処理を実行すると共に、第1PBX9Aを回線制御するODCNT20と、音声圧縮伸長処理等の各種処理動作を実行するDSP21と、第1IPGW10A全体を制御するMPU22と、LANインタフェースを司るPHY23と、第1ルータ6Aと接続するRJ−45コネクタ24とを有している。
DSP21は、音声信号圧縮伸長、PB信号の解析、揺らぎ制御、レベル制御、エコーキャンセラ制御を実行するものである。
MPU22は、H.233呼制御コントロール、IPレベルのプロトコル制御、TCP及びUDPのレイヤ4プロトコル制御、ODインタフェース制御、DSP21からの音声圧縮信号をUDP/IPフレームに変換するものである。さらに、MPU22は、RTPプロトコル制御、各種コマンド制御、コンフィグ作成制御、SNMPエージェント、選択信号判断処理を実行するものである。
MPU22は、第1PBX9Aに収容接続する第1電話端末8Aから、着信先の拠点コード+内線番号を受信すると、同拠点コードに対応したIPアドレスをGW側RAM12から読み出してデータをIPパケット化し、このIPパケットをPHY23に伝送するものである。
PHY23は、MPU22で作成したIPパケットをMACフレーム化して第1ルータ6Aに伝送すると共に、第1ルータ6AのMACフレームからIPパケットを受信し、このIPパケットをMPU22に伝送するものである。
また、第1ルータ6Aは、第1IPGW10Aと接続するRJ−45コネクタ31と、IP網3と接続するRJ−45コネクタ32と、保守用PCと接続するRS−232Cコネクタ33と、シリアルドライバ34と、様々な情報を記憶するルータ側RAM35と、様々なプログラムを格納したルータ側ROM36と、IPパケット中継の各種制御を司るルーティングプロセッサ37と、この第1ルータ6A全体を制御するCPU38とを有している。
ルーティングプロセッサ37は、IP網3内の他のルータ装置、例えば第2ルータ6B、第3ルータ6C及び第4ルータ6D間で定期的にHelloパケットを相互配信し、同Helloパケットの受信有無に基づきネットワーク内のリンク状態を把握し、ネットワーク内の共通のリンクステートデータベースを作成し、この共通のリンクステートデータベースに基づき自己のルーティングテーブルを作成するものである。
図7は第1ルータ6A内のルーティングプロセッサ37内部の概略構成を示す機能ブロック図である。
図7に示すルーティングプロセッサ37は、RJ−45コネクタ31と接続してIP網3との通信インタフェースを司るLANインタフェース41と、RJ−45コネクタ32と接続して第1IPGW10Aとの通信インタフェースを司ると共に、第1IPGW10AからのMACフレームをIPパケット情報に変換するLANインタフェース42と、廃棄すべきIPパケット及び優先すべきIPパケットのIPアドレスを格納したフィルタQoSテーブル43と、ルーティング先を決定するためのルーティングテーブルを作成するルーティングテーブル格納部44と、IPパケットを一時的に格納するパケットバッファ45と、IPパケットの中継受信及び送信動作を実行するフォワーディングASIC46と、IPパケット情報に基づきルーティング先を決定するルーティングASIC47とを有している。
フォワーディングASIC46は、LANインタフェース41(42)を通じてIPパケットを受信すると、このIPパケットをパケットバッファ45に一時記憶すると共に、このIPパケットに関わるIPパケット情報をルーティングASIC47に通知する。尚、IPパケット情報は、転送先IPアドレス、転送元IPアドレス、転送先ポート番号や転送元ポート番号等のアドレス情報に相当するものである。
ルーティングASIC47は、フォワーディングASIC46を通じてIPパケット情報を取得すると、このIPパケット情報に基づき、フィルタQoSテーブル43のテーブル内容と比較し、同IPパケットが破棄すべきIPパケットであるか否かを判定し、同IPパケットが破棄すべきIPパケットでないと判定されると、同IPパケットが優先すべきIPパケットであるか否かを判定するものである。
さらに、ルーティングASIC47は、同IPパケット情報の優先判定結果に応じて、同IPパケット情報に基づき転送元ポート番号をルーティングテーブル格納部44から検索し、この検索結果に基づきルーティング先を決定する。
フォワーディングASIC46は、ルーティングASIC47のルーティング先決定結果を得ると、このルーティング先決定結果に基づき、パケットバッファ45に一時記憶中のIPパケットを、LANインタフェース42(41)を通じて出力するものである。
図8は一般的な通信経路切替制御システム1内の通信経路を端的に示す説明図、図9は第1ルータ6Aの正常時に関わるルーティングテーブルを示す説明図である。
図8に示す第1IPGW10Aは、通信回線N1を通じて第1ルータ6Aと接続する。また、第1ルータ6Aは、通信回線N2を通じて第2ルータ6Bに接続すると共に、通信回線N3を通じて第3ルータ6Cに接続する。尚、通信回線N3は第1通信事業者5Aの回線に相当するものである。
第2ルータ6Bは、通信回線N4を通じて第4ルータ6Dに接続する。尚、通信回線N4は第2通信事業者5Bの回線に相当するものである。
第4ルータ6Dは、通信回線N5を通じて第3ルータ6Cと接続すると共に、通信回線N6を通じて第2IPGW10Bと接続する。このような通信経路構成において、例えば第1IPGW10A及び第2IPGW10B間で通信接続する場合の正常時の通信経路は、第1IPGW10A→通信回線N1→第1ルータ6A→通信回線N3→第3ルータ6C→通信回線N6→第2IPGW10Bとすると、第1ルータ6Aのルーティングテーブルは、通信回線毎に同通信回線に接続するための経由ルータが格納され、例えば通信回線N1、通信回線N2及び通信回線N3は自ルータにダイレクト接続、通信回線N4は第2ルータ経由、通信回線N5及び通信回線N6は第3ルータ経由といったように通信経路が作成されることになる。尚、図9に示すルーティングテーブルは、説明の便宜上、通信回線毎にネクストホップとしてルータ名等が登録されているが、実際はポート番号等のIPアドレス情報が登録されているものである。
また、第1ルータ6A以外にも第2ルータ6B、第3ルータ6C及び第4ルータ6Dは各自の通信経路のルーティングテーブルを作成することになる。
図10及び図11は一般的な通信経路切替制御システム1内の各ルータのルーティングテーブル作成処理に関わる処理動作を示す動作シーケンスである。
第1ルータ6A、第2ルータ6B、第3ルータ6C及び第4ルータ6Dは、Helloパケットを相互に配信し、同Helloパケットに対する応答の有無に基づき、ネットワーク全体のリンク状態を認識するものである。また、ネットワーク正常状態においては電源起動時にルーティングテーブルを作成するものである。
第1ルータ6Aは、自己が接続する通信回線のリンク状態及び、自己を識別するサブネット情報を、第2ルータ6B、第3ルータ6C及び第4ルータ6Dに対してHelloパケットでマルチキャスト配信する(ステップS11)。
第3ルータ6Cも同様に、自己が接続する通信回線のリンク状態及び、自己を識別するサブネット情報を、第1ルータ6A、第2ルータ6B及び第4ルータ6Dに対してHelloパケットでマルチキャスト配信する(ステップS12)。
第2ルータ6Bも同様に、自己が接続する通信回線のリンク状態及び、自己を識別するサブネット情報を、第1ルータ6A、第3ルータ6C及び第4ルータ6Dに対してHelloパケットでマルチキャスト配信する(ステップS13)。
また、同様に第4ルータ6Dも、自己が接続する通信回線のリンク状態及び、自己を識別するサブネット情報を、第1ルータ6A、第2ルータ6B及び第3ルータ6Cに対してHelloパケットでマルチキャスト配信する(ステップS14)。
次に第1ルータ6Aは、第2ルータ6B、第3ルータ6C及び第4ルータ6DからのHelloパケットを受信すると、これらHelloパケットに含まれる各ルータのリンク状態及び自己のリンク状態に基づき、ネットワーク全体のリンク状態を示すリンクステートデータベースを作成する(ステップS15)。
第2ルータ6Bも同様に、第1ルータ6A、第3ルータ6C及び第4ルータ6DからのHelloパケットを受信すると、これらHelloパケットに含まれる各ルータのリンク状態及び自己のリンク状態に基づき、ネットワーク全体のリンク状態を示すリンクステートデータベースを作成する(ステップS16)。また、第3ルータ6Cも同様に、第1ルータ6A、第2ルータ6B及び第4ルータ6DからのHelloパケットを受信すると、これらHelloパケットに含まれる各ルータのリンク状態及び自己のリンク状態に基づき、ネットワーク全体のリンク状態を示すリンクステートデータベースを作成する(ステップS17)。また、第4ルータ6Dも同様に、第1ルータ6A、第2ルータ6B及び第3ルータ6CからのHelloパケットを受信すると、これらHelloパケットに含まれる各ルータのリンク状態及び自己のリンク状態に基づき、ネットワーク全体のリンク状態を示すリンクステートデータベースを作成する(ステップS18)。
図11において第1ルータ6A、第2ルータ6B、第3ルータ6C及び第4ルータ6Dは、自己が作成したリンクステートデータベースを相互交換し(ステップS21)、共通のリンクステートデータベースを得ることになる。
そして、第1ルータ6Aは、共通のリンクステートデータベースに基づき、現在の第1ルータ6Aに関わるルーティングテーブル(図9参照)を作成することになる(ステップS22)。また、同様に第2ルータ6Bも、共通のリンクステートデータベースに基づき、現在の第2ルータ6Bに関わるルーティングテーブルを作成することになる(ステップS23)。同様に第3ルータ6Cも、共通のリンクステートデータベースに基づき、現在の第3ルータ6Cに関わるルーティングテーブルを作成することになる(ステップS24)。また、同様に第4ルータ6Dも、共通のリンクステートデータベースに基づき、現在の第4ルータに関わるルーティングテーブルを作成することになる(ステップS25)。
その結果、第1ルータ6A、第2ルータ6B、第3ルータ6C及び第4ルータ6Dは、自己のルーティングテーブルに基づき通信経路を決定することになる。
そして、第1ルータ6A、第2ルータ6B、第3ルータ6C及び第4ルータ6Dは、定期的にHelloパケットをマルチキャスト配信し、各Helloパケットに対する応答の有無に基づき、自己のリンク状態を監視することになる(ステップS26)。
図10及び図11に示す正常時のルーティングテーブル作成処理によれば、ネットワーク内のルータ同士でHelloパケットを相互配信し、各ルータが同Helloパケットに基づきネットワーク内の共通のリンクステートデータベースを作成し、各ルータが同リンクステートデータベースに基づき各自のルーティングテーブルを作成するようにしたので、各ルータは、自己のネットワーク内のリンク状態を把握して通信経路を決定することになる。
次にネットワーク内で回線障害が発生した場合の動作について説明する。図12は第1ルータ6A及び第3ルータ6C間の通信回線N3で回線障害が発生した状態を端的に示す説明図、図13は同回線障害時の第1ルータ6Aのルーティングテーブルの内容を端的に示す説明図、図14は同回線障害時の通信経路切替制御システム1の動作を示す動作シーケンスである。
第1ルータ6A、第2ルータ6B、第3ルータ6C及び第4ルータ6Dは、定期的にHelloパケットをマルチキャストで相互に配信し、これらHelloパケットに対する応答の有無に基づき自己のリンク状態を認識することになるが、例えば第1ルータ6Aは第3ルータ6CへのHelloパケットに対する応答がないと判定されると、同第3ルータとの通信回線N3のポートダウン(回線障害)を検出することになる(ステップS31)。
第1ルータ6Aは、通信回線N3の回線障害を検出すると、この検出結果(障害ポート情報)に基づき、自己のリンクステートデータベースを作成する(ステップS32)。
第1ルータ6Aは、第2ルータ6B、第3ルータ6C及び第4ルータ6Dに対して第1ルータ6Aのリンクステートデータベースを反映させるべく、リンクステートデータベースの相互交換動作を実行することになる(ステップS33)。その結果、第1ルータ6A、第2ルータ6B、第3ルータ6C及び第4ルータ6Dでは、ステップS31で作成した第1ルータ6Aの回線障害に関わるリンクステートデータベースを共有することになる。
第1ルータ6A、第2ルータ6B、第3ルータ6C及び第4ルータ6Dは、共通のリンクステートデータベースに基づき、自己のルーティングテーブルを作成更新することになる(ステップS34)。尚、第1ルータ6Aでは、図13に示すように通信回線N1及び通信回線N2をダイレクト接続、通信回線N4、通信回線N5及び通信回線N6を第2ルータとするルーティングテーブルを作成更新することになる。その結果、第1IPGW10A及び第2IPGW10B間の通信経路は、第1IPGW10A→通信回線N1→第1ルータ6A→通信回線N2→第2ルータ6B→通信回線N4→第4ルータ6D→通信回線N5→第3ルータ6C→通信回線N6→第2IPGW10Bのように、回線障害の通信回線N3を迂回した通信経路が決定されることになる。
そして、第1ルータ6A、第2ルータ6B、第3ルータ6C及び第4ルータ6Dは、隣接するルータに対して定期的にHelloパケットを配信し(ステップS35)、各Helloパケットに対する応答の有無に基づき、自己のリンク状態を監視することになる。尚、隣接するルータとは、例えば第1ルータ6Aの場合は第2ルータ6B及び第3ルータ6C、第2ルータ6Bの場合は第1ルータ6A及び第4ルータ6C、第3ルータ6Cの場合は第1ルータ6A及び第4ルータ6D、第4ルータ6Dの場合は第2ルータ6B及び第3ルータ6Cに相当するものである。
図14に示す回線障害時のルーティングテーブル作成処理によれば、ネットワーク内のルータ同士が自己のリンク状態を監視してネットワーク全体の共通リンクステートデータベースを作成し、各ルータが共通のリンクステートデータベースに基づき、自己のルーティングテーブルを作成するようにしたので、ネットワーク内の各ルータは、ネットワーク内の通信回線で回線障害が発生したとしても、同回線障害の通信回線を迂回した通信経路を決定することができる。
従って、このような一般的な通信経路切替制御システム1によれば、第1IPGW10A及び第2IPGW10B間の正常時の通信経路として第1通信事業者5Aの通信回線N3(メイン回線)を使用中に、同通信回線N3に回線障害が発生すると、第2通信事業者5Bの通信回線N4(バックアップ回線)に自動的にルータ側で切替えて、第1IPGW10A→通信回線N1→第1ルータ6A→通信回線N2→第2ルータ6B→通信回線N4→第4ルータ6D→通信回線N5→第3ルータ6C→通信回線N6→第2IPGW10Bに切替制御するようにしたので、第1IPGW10A及び第2IPGW10B間の第1通信事業者5Aの通信回線N3(メイン回線)に回線障害が発生したとしても第2通信事業者5Bの通信回線N4(バックアップ回線)を使用した通信経路に自動的に切り替えることができる。
特開2002−300193号公報(段落番号「0002」〜「0003」参照)
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を示す通信経路切替制御システムについて説明する。図1は本実施の形態に関わる要部である第1IPGW装置10A内部のMPU22及び第1ルータ6A内部のCPU38内部の概略構成を示すブロック図である。尚、図5に示す一般的な通信経路切替制御システム1と同一のものには同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
本実施の形態を示す通信経路切替制御システム1Aと図5に示す通信経路切替制御システム1とが異なるところは、第1IPGW10A(第2IPGW10B)内部のMPU22及びGW側RAM12と、第1ルータ6A(第2ルータ6B,第3ルータ6C及び第4ルータ6D)内部のCPU38及びルータ側RAM35とを次のような構成にした点にある。
図1に示す第1ルータ6A内部のCPU38は、第2ルータ6B、第3ルータ6C及び第4ルータ6D同士の相互通信でネットワーク内の共通のリンクステートデータベースを共有化し、このリンクステートデータベースに基づき自己のルーティングテーブルを更新すると、同現行ルーティングテーブルとルータ側RAM35に記憶中の正常時のルーティングテーブルとを比較して比較差があるか否かを判定するルーティング比較部51と、このルーティング比較部51にて比較差があると判定されると、正常でないと判断し、すなわち経路切替が行われたことを示す経路切替情報を、ルーティングプロセッサ37を通じてMACフレームで第1IPGW10Aに通知する切替情報通知部52とを有している。
第1ルータ6Aでは、例えば通信回線N3の回線障害を検出すると、同回線障害を反映したルーティングデータベースを作成更新することで回線障害を迂回した通信回線を決定することになるが、この際、回線障害が発生した通信回線N3の経路切替が行われたことを示す経路切替情報を第1ルータ6Aの下位装置である第1IPGW10Aに対して通知するものである。
また、同様に第1ルータ6Aは、例えば通信回線N3の回線障害の復旧を検出すると、同回線障害前のリンク状態を反映したルーティングテーブル、すなわち正常時のルーティングテーブルを作成更新することで通信経路を回線障害前の通信経路に切り戻し接続することになる。
この際、第1ルータ6AのCPU38内部の切替情報通知部52は、ルーティング比較部51にて現行ルーティングテーブルとルータ側RAM35に記憶中の正常時のルーティングテーブルとを比較し、比較差がないと判定されると、正常時の通信回線N3を使用した通信経路に切り戻し接続されたことを示す経路切替情報を、ルーティングプロセッサ37を通じてMACフレームで第1IPGW10Aに通知するものである。
また、第1IPGW10A内部のMPU22は、PHY23経由で経路切替情報を検出する切替情報検出部61と、この切替情報検出部にて検出した経路切替情報に対応する回線制御データをGW側RAM12から読み出し、この回線制御データに基づき、同第1IPGW10Aに収容接続する第1PBX9Aを回線制御すべく、ODCNT20を制御する回線制御部62とを有している。尚、GW側RAM12には、例えば回線障害発生による経路切替を示す経路切替情報に対応した音声回線閉塞に関わる回線制御データや、例えば回線障害復旧による経路切り戻しを示す経路切替情報に対応した音声回線閉塞解除に関わる回線制御データ等を記憶管理しているものとする。
従って、MPU22の回線制御部62は、切替情報検出部61にて回線障害発生による経路切替を示す経路切替情報を検出すると、同経路切替情報に対応する音声回線閉塞に関わる回線制御データをGW側RAM12から読み出し、同回線制御データに基づき、ODCNT20を通じてSSコマンドをON継続することで下位の第1PBX9Aに対する第1電話端末8Aの音声回線閉塞の回線制御動作を実行することになる。
また、MPU22の回線制御部62は、切替情報検出部61にて回線障害復旧による経路切り戻しを示す経路切替情報を検出すると、同経路切替情報に対応する音声回線閉塞解除に関わる回線制御データをGW側RAM12から読み出し、同回線制御データに基づき、ODCNT20を通じてSSコマンドをOFF継続することで下位の第1PBX9Aに対する第1電話端末8Aの音声回線閉塞解除の回線制御動作を実行することになる。
尚、請求項記載の通信経路切替制御システムは通信経路切替制御システム1A、ゲートウェイ装置は第1IPGW10A及び第2IPGW10B、ネットワークはIP網3、ルータ装置は第1ルータ6A、第2ルータ6B、第3ルータ6C及び第4ルータ6D、切替情報通知手段は切替情報通知部52、回線制御手段は切替情報検出部61及び回線制御部62、通信装置である下位装置は第1PBX9A及び第2PBX9Bに相当するものである。
では、次に本実施の形態を示す通信経路切替制御システム1Aの動作について説明する。
まず、ネットワーク内で回線障害が発生した場合の動作について説明する。図2は第1ルータ6A及び第3ルータ6C間の通信回線N3で回線障害が発生した場合の通信経路切替制御システム1Aの動作を示す動作シーケンスである。
図2に示す第1ルータ6A、第2ルータ6B、第3ルータ6C及び第4ルータ6Dは、通信回線N3で回線障害が発生した際に、第1ルータ6Aで作成した回線障害を反映したリンクステートデータベースを共有化し、この共通のリンクステートデータベースに基づき、自己のルーティングテーブルを作成更新することで、第1IPGW10A及び第2IPGW10B間の通信経路を回線障害を迂回した通信経路に切替接続することになる(図14に示すステップS31〜ステップS34参照)。
この際、第1ルータ6AのCPU38のルーティング比較部51は、回線障害を反映したルーティングテーブルを作成更新すると、この現行ルーティングテーブルとルータ側RAM35に記憶中の正常時のルーティングテーブルとを比較する(ステップS51)。
CPU38内の切替情報通知部52は、ルーティング比較部51にて比較差があると判定されると、正常でないと判断し、回線障害で経路切替が行われたことを示す経路切替情報を第1IPGW10Aに通知すべく、ルーティングプロセッサ37側で準備する(ステップS52)。
ルーティングプロセッサ37は、経路切替情報をIPパケット及びMACフレーム化し、同経路切替情報を第1IPGW10Aに通知する(ステップS53)。
第1IPGW10A内のMPU22内の切替情報検出部61は、PHY23経由で切替経路通知情報を検出すると、同切替経路通知情報に応答したことを示すべく、同切替経路通知情報を第1ルータ6Aに返信すると共に(ステップS54)、同切替経路通知情報を回線制御部62に通知する。
MPU22内の回線制御部62は、回線障害発生時の経路切替情報に対応する回線制御データをGW側RAM12から検索し、この検索した回線制御データに基づき第1PBX9Aを回線制御すべく、ODCNT20を制御する(ステップS55)。
ODCNT20は、回線制御データに基づきSSコマンドをON継続することで第1PBX9Aに対して音声回線の閉塞動作を実行する(ステップS56)。
第1PBX9Aは、第1IPGW10A内のODCNT20の回線制御に基づき、電話端末8Aの回線を閉塞することで同回線の指定チャネルの発信動作を停止することになる(ステップS57)。
そして、第1ルータ6A、第2ルータ6B、第3ルータ6C及び第4ルータ6Dは、隣接するルータに対して定期的にHelloパケットを配信し(ステップS58)、各Helloパケットに対する応答の有無に基づき、自己のリンク状態を監視することになる。尚、隣接するルータとは、例えば第1ルータ6Aの場合は第2ルータ6B及び第3ルータ6C、第2ルータ6Bの場合は第1ルータ6A及び第4ルータ6C、第3ルータ6Cの場合は第1ルータ6A及び第4ルータ6D、第4ルータ6Dの場合は第2ルータ6B及び第3ルータ6Cに相当するものである。
図2に示す回線障害時の動作シーケンスによれば、例えば第1ルータ6A及び第3ルータ6C間の通信回線N3に回線障害が発生した場合、各ルータにて自分のルーティングテーブルを作成更新することで回線障害を迂回した通信経路に切替するようにしたが、その際に、同通信経路を切替えたことを示す経路切替情報を第1ルータ6Aの下位装置である第1IPGW10Aに通知すると共に、第1IPGW10A側にて同経路切替情報を検出すると、同経路切替情報に対応する回線制御データに基づき、第1PBX9A内の音声回線閉塞動作を実行するようにしたので、例えば回線障害時に回線容量が少ない通信回線N4(バックアップ回線)に切り替わったとしても、第1IPGW10Aによる同回線の音声回線への割り当てを止めて、データ回線へ優先的に割り当てることで、同回線が音声系に占有されてデータが伝送できなくなってしまうといった事態を確実に防止することができる。
次にネットワーク内の回線障害復旧した場合の動作について説明する。図3及び図4は第1ルータ6A及び第3ルータ6C間の通信回線N3が回線障害復旧した場合の通信経路切替制御システム1Aの動作を示す動作シーケンスである。
第1ルータ6A、第2ルータ6B、第3ルータ6C及び第4ルータ6Dは、回線障害時であっても定期的に、隣接するルータに対してHelloパケットを相互に配信し、これらHelloパケットに対する応答の有無に基づき自己のリンク状態を監視することは説明したが(図2のステップS58参照)、図3において第1ルータ6Aは、第1ルータ6A及び第3ルータ6C間の通信回線N3のポートアップ(回線障害の復旧)を検出すると(ステップS61)、この検出結果(障害ポート情報)に基づき、自己のリンクステートデータベースを作成することになる(ステップS62)。
第1ルータ6A、第2ルータ6B、第3ルータ6C及び第4ルータ6Dは、第1ルータ6Aのリンクステートデータベースを反映させるべく、リンクステートデータベースの相互交換動作を実行する(ステップS63)。その結果、第1ルータ6A、第2ルータ6B、第3ルータ6C及び第4ルータ6Dでは、第1ルータ6Aで作成した回線障害復旧に関わるリンクステートデータベースを共有することになる。
第1ルータ6A、第2ルータ6B、第3ルータ6C及び第4ルータ6Dは、共通のリンクステートデータベースに基づき、自己のルーティングテーブルを作成更新することになる(ステップS64)。尚、第1ルータ6Aでは、図9に示すように通信回線N1、通信回線N2及び通信回線N3をダイレクト接続、通信回線N4を第2ルータ、通信回線N5及び通信回線N6を第3ルータとするルーティングテーブル、すなわち回線障害前の正常時のルーティングテーブルを作成更新することになる。その結果、第1IPGW10A及び第2IPGW10B間の通信経路は、第1IPGW10A→通信回線N1→第1ルータ6A→通信回線N3→第3ルータ6C→通信回線N6→第2IPGW10Bのように、回線障害前の正常ルートに切り戻し接続されることになる。
この際、図4において第1ルータ6AのCPU38内部のルーティング比較部51は、ルーティンプロセッサ37を通じて回線障害復旧を反映したルーティングテーブルを作成更新すると、この現行ルーティングテーブルとルータ側RAM35に記憶中の正常時のルーティングテーブルとを比較する(ステップS71)。
CPU38内の切替情報通知部52は、ルーティング比較部51にて比較差がないと判定されると、ルーティングテーブルが正常ルートに戻ったものと判断し、回線障害が復旧したことを示す経路切替情報を第1IPGW10Aに通知すべく、ルーティングプロセッサ37側で準備する(ステップS72)。
ルーティングプロセッサ37は、経路切替情報をIPパケット及びMACフレーム化し、同経路切替情報を第1IPGW10Aに通知する(ステップS73)。
第1IPGW10A内のMPU38内の切替情報検出部61は、PHY23経由で経路切替情報を検出すると、同経路切替情報に応答したことを示すべく、同経路切替情報を第1ルータ6Aに返信すると共に(ステップS74)、同経路切替情報を回線制御部62に通知する。
MPU22内の回線制御部62は、回線障害復旧の経路切替情報に対応する回線制御データをGW側RAM12から検索し、この検索した回線制御データに基づき第1PBX9Aを回線制御すべく、ODCNT20を制御する(ステップS75)。
ODCNT20は、回線制御データに基づきSSコマンドをOFFすることで第1PBX9Aに対して音声回線の閉塞解除動作を実行する(ステップS76)。
第1PBX9Aは、第1IPGW10A内のODCNT20の回線制御に基づき、電話端末8Aの回線閉塞を解除することで同回線の指定チャネルの発信動作を可能にすることになる(ステップS77)。
そして、第1ルータ6A、第2ルータ6B、第3ルータ6C及び第4ルータ6Dは、隣接するルータに対して定期的にHelloパケットを配信し(ステップS78)、各Helloパケットに対する応答の有無に基づき、自己のリンク状態を監視することになる。
図3及び図4に示す回線障害復旧時の動作シーケンスによれば、例えば第1ルータ6A及び第3ルータ6C間の通信回線N3の回線障害が復旧した場合、各ルータにて自分のルーティングテーブルを作成更新することで回線障害前の通信経路に切り戻し接続するようにしたが、その際に、同通信経路が回線障害前に切り戻ししたことを示す経路切替情報を第1ルータ6Aの下位装置である第1IPGW10Aに通知すると共に、第1IPGW10A側にて同経路切替情報を検出すると、同経路切替情報に対応する回線制御データに基づき、第1PBX9A内の音声回線閉塞の解除動作を実行するようにしたので、回線障害復旧前の元の通信経路に切り戻し接続することができる。
本実施の形態によれば、回線障害を迂回すべく、探索した通信経路に切替接続すると、この切替接続した通信経路に関わる経路切替情報を第1IPGW10Aに通知する切替情報通知部52を第1ルータ6Aに設け、第1IPGW10Aは、切替情報通知部52から経路切替情報を検出すると、この経路切替情報に基づき、第1PBX9Aを回線制御する回線制御部62を有するようにしたので、第1IPGW10Aは、第1ルータ6Aから回線障害を迂回する通信経路を認識することで、第1PBX9Aに対して、例えば回線障害に関わる各種回線制御動作を実行することができる。
本実施の形態によれば、経路切替情報を検出すると、この経路切替情報に基づき、第1PBX9Aの回線を閉塞すべく、第1PBX9Aを回線制御するようにしたので、例えば回線障害時に回線容量が少ない回線に切り替わったとしても、第1PBX9Aによる同回線の音声回線への割り当てを止めて、データ回線へ優先的に割り当てることで、同回線が音声系に占有されてデータが伝送できなくなってしまうといった事態を確実に防止することができる。
本実施の形態によれば、回線障害復旧に応じて回線障害前の通信経路に切り戻し接続されると、この切り戻し接続した通信経路に関わる経路切替情報を第1ルータ6Aから第1IPGW10Aに通知し、この第1IPGW10Aにて前記切り戻し接続した通信経路に関わる経路切替情報を検出すると、この経路切替情報に基づき、第1PBX9Aの回線制御状態を回線障害前の回線制御状態に戻すようにしたので、回線障害が復旧すると、自動的に回線障害前の回線制御状態に自動的に戻すことができる。
尚、上記実施の形態においては、例えば第1IPGW10A内の切替情報検出部61にて回線障害時に通信経路を切替えたことを示す経路切替情報を検出すると、この経路切替情報に対応した、第1PBX9Aに対して音声回線を閉塞する回線制御データをGW側RAM12から読み出し、この読み出した回線制御データに基づき第1PBX9Aを回線制御するようにしたが、同第1PBX9Aに対して回線の音声回線に関わる通信使用許容量を絞るようにしても良く、様々な回線制御が考えられることは言うまでもない。
また、上記実施の形態においては、例えば回線障害時に通信経路を切替えたことや、回線障害が復旧して通信経路を切り戻ししたことを示す経路切替情報を通知するようにしたが、例えば回線障害箇所や回線復旧箇所も併せて通知するようにしても良く、この場合には、回線障害箇所や回線障害復旧箇所をも第1IPGW10A側で認識することができる。
また、上記実施の形態においては、例えば第1ルータ6A内の切替情報通知部52から経路切替情報を同第1ルータ1Aの下位装置である第1IPGW10Aに通知するようにしたが、第1IPGW10だけでなく、ルータ以外の他の装置へ通知することも可能であり、様々な対応が可能であることは言うまでもない。
また、上記実施の形態においては、回線障害が復旧すると、回線障害復旧前の通信経路に切り戻し接続するようにしたが、回線障害が復旧したとしても、他の通信経路に切替接続するようにしても同様の効果が得られることは言うまでもない。