JP2006347010A - インクジェット式記録ヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】 ノズルプレートと流路基板との貼り合わせ面において気泡等の空間の発生を防ぎ、液漏れのない、インク滴の吐出状態を均一に出来る高品質なインクジェット式記録ヘッドを提供する。
【解決手段】 複数のノズルを有するノズルプレートと、ノズルプレートと貼り合わせることでなる、ノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室、インク供給路、及び共通インク室、並びにインク供給口とが形成された流路基板とを備え、ノズルプレートと流路基板とを貼り合わせて形成した流路ユニットを含むインクジェット式記録ヘッドにおいて、ノズルプレート及び流路基板の少なくとも一方は、圧力室、インク供給路、共通インク室及びインク供給口のいずれとも通じていない1つ以上の貫通穴を有している。
【選択図】 図2

Description

本発明はインクジェット式記録ヘッドに関する。
ノズルプレート、流路基板、封止板を貼り合わせることで構成される流路ユニットを有するインクジェット式記録ヘッドは、例えば、図1に示したように複数のノズルAを有するノズルプレートBと圧力室C、インク供給路D、共通インク室Eが形成された流路基板Fと封止板Gを貼り合わせてインクの流路とする流路ユニットMを有している。さらに圧電素子Hが支持基板Iに取り付けられ、支持基板IがケースJに取り付けられている。圧電素子Hには信号線Kが接続しており、その信号線Kから圧電素子Hに駆動パルス電圧を印加する。また、圧電素子Hの先端は封止板Gと接着されていて圧電素子Hの動きを圧力室Cに伝える構造になっている。
従来、このノズルプレートB、流路基板F、封止板Gの貼り合わせの際に両端の圧力室C’に接着剤が流れ込むことにより、両端の圧力室C’の寸法が変化し、目的のインク飛行特性を得られないという課題があった。
この様な課題を解決するために、圧力室Cの両端に位置する圧力室C’に隣接する領域や共通インク室Eを挟んで圧力室C及びC’の配列された領域と対向する領域に圧力室C及びC’の長手方向と平行に接着剤の逃げ溝を複数形成して、接着剤が両端の圧力室C’に流れ込まないようにすることが提案されている(特許文献1参照)。
特許第3546683号公報
しかしながら、ノズルプレートB、流路基板F、封止板Gの貼り合わせにおいて、接着剤の流れ込み防止が必要である一方で、特許文献1に記載されてない、貼り合わせ面に空気が閉じこめられることによる気泡や、不要なインクの流路を形成するような空間が生じないようにすることが必要である。これは、気泡が存在すると、ノズルプレートB、流路基板F、封止板Gを貼り合わせて作製した流路ユニットMに凹凸などの変形が発生する。また、この変形のために貼り合わせが十分でなくなることで、流路ユニットMは、強度の低下や形成される流路が不完全となることによる、例えば流路に面する不要な空間の形成による液漏れ、さらには接合の劣化が生じることが予測出来る。
また、流路ユニットMをケースJに取り付け、封止板Gに接着された圧電素子Hをアクチュエータとして、圧力室Cを膨張収縮させてインク滴をノズルAから吐出させる時、流路ユニットMの変形によるインクの吐出方向のばらつきや、強度の低下や不要な空間により発生する圧力にばらつきが生じ、インクの吐出状態が均一とならないといった不都合が生じることも十分予測出来る。
流路ユニットMの構成で、加工や組み立て方法の簡素化等により流路基板Fと封止板Gを一体として加工した流路基板も提案されているが、ノズルプレートとこの流路基板との貼り合わせの際には、上記の課題は同様に存在する。
本発明は、以上に述べた課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、ノズルプレートと流路基板との貼り合わせ面において気泡等の空間の発生を防ぎ、液漏れのない、インク滴の吐出状態を均一に出来る高品質なインクジェット式記録ヘッドを提供することである。
上記の課題は、以下の構成により解決される
(請求項1)
複数のノズルを有するノズルプレートと、
前記ノズルプレートと貼り合わせることで、前記ノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室となる圧力室溝、前記圧力室にそれぞれ連通する複数のインク供給路となるインク供給路溝及び前記インク供給路に連通する共通インク室となる共通インク室溝、並びにインク供給口とが形成された流路基板とを備え、
前記ノズルプレートと前記流路基板とを貼り合わせて形成した流路ユニットを含むインクジェット式記録ヘッドにおいて、
前記ノズルプレート及び前記流路基板の少なくとも一方は、前記圧力室、前記インク供給路、前記共通インク室及び前記インク供給口のいずれとも通じていない1つ以上の貫通穴を有することを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
(請求項2)
前記貫通穴は、前記圧力室、前記インク供給路、前記共通インク室及び前記インク供給口とで成す輪郭から一定距離外側であって、且つ前記流路ユニットの外形から一定距離内側の領域にあることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット式記録ヘッド。
(請求項3)
前記ノズルプレートと前記流路基板とが貼り合わさる時に接する部分の最外周が成す形状の面積に対する前記形状内で前記ノズルプレートと前記流路基板とが互いに接しない面積との比である非接合面積比が5%以上且つ50%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット式記録ヘッド。
尚、以下の説明においては、インクジェット式記録ヘッドを記録ヘッドと称す。
請求項1に記載の発明によれば、流路基板、ノズルプレート又はこの両方に記録ヘッドの機能として必要なインクの流路等が存在する領域以外に一つ以上の貫通穴を設けるとしている。これにより、貼り合わせ作業中に流路基板とノズルプレートとの間に閉じこめられた空気は、貼り合わせ状態が進むにつれて、先の貫通穴が空気抜きの穴として作用し、ここから抜けていく。
この結果、貼り合わせ完了時点で流路基板とノズルプレートと間に閉じこめられた空気による気泡が存在しなくなり、作製した記録ヘッドに気泡の存在による捻れや変形がなく、また空気による空間が不要なインクの流路を形成することもない。
従って、液漏れのない、インク滴の吐出状態を均一に出来る高品質なインクジェット式記録ヘッドを提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、ノズルプレートと流路基板とで成る圧力室、インク供給路、共通インク室及びインク供給口が成す輪郭から一定距離外側であって、且つ流路ユニット外形から一定距離内側の領域に貫通穴を設けるとしている。
よって、上記の効果に加えて、この領域に貫通穴を設けることで、効果的に気泡等の空間の形成を防ぐことができ、また不要のインクの流路の形成を防ぐことができる。また、比較的効果の少ない領域にむやみに貫通穴を設けることによる、ノズルプレートと流路基板とを貼り合わせて形成する流路ユニットの強度が低下することを防ぐことができる。
請求項3に記載の発明によれば、ノズルプレートと流路基板とが貼り合わさる時に接する部分の最外周が成す形状の面積に対するその形状内でノズルプレートと流路基板とが互いに接しない面積との比である非接合面積比が5%以上且つ50%以下としている。
よって、上記の効果に加えて、各所に微小な気泡が残ることなく、またむやみに多くの貫通穴を設けることによる、ノズルプレートと流路基板を貼り合わせて形成する流路ユニットの強度が低下することを防ぐことができる。
以下に本発明に係わる実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
図2は本発明に係る実施の形態の一例である、記録ヘッドを構成するノズルプレート1と流路基板2を模式的に表した図である。図2(A)に示すノズルプレート1には、空気抜きの貫通穴101とインク吐出のためのノズル102を複数配列してある。
また、図2(B)に示す流路基板2には、ノズルプレート1を貼り合わせることで、圧力室となる圧力室溝204、インク供給路となるインク供給路溝203及び共通インク室となる共通インク室溝202、並びにインク供給口201が形成されている。
そして、ノズルプレート1のノズル102と流路基板2の圧力室溝204とが一対一で対応するようにノズルプレート1と流路基板2とを貼り合わせることで流路ユニットを形成する。
更に、流路基板2のノズルプレート1を貼り合わせる面と反対の面に、圧電素子をインク吐出用アクチュエータとして各圧力室204に対応した位置に貼り合わせることで、記録ヘッドが完成する。この記録ヘッドの、各圧電素子に駆動パルス電圧が印加され、圧電素子から発生する振動が圧力室204に伝えられ、圧力室204内の圧力を変動させることでノズル102からインク滴を吐出させる。
尚、図2(B)で示す一点鎖線の円101’は、図2(A)で示す空気抜きの貫通穴101を流路基板2に設けた場合を想定したものであり、この例の場合、図2(A)で示す空気抜きの貫通穴101と同じ位置、大きさとしている。
また、以後、上記で説明に使用した圧力室溝、インク供給路溝、共通インク室溝の各符号はそれぞれ圧力室、インク供給路、共通インク室にも使用する。
図3は、図2で示したノズルプレート1と流路基板2とを貼り合わせし、更に流路基板2に圧電素子3を接着して作製した記録ヘッドにおいて、ノズルプレート1を表す図2(A)のX−Xで示す位置、及び流路基板2を表す図2(B)のX−Xで示す位置における断面を模式的に示した図である。インクの流路は共通インク室202、圧力室204と、圧力室204より浅溝で作製されているインク供給路203、及びインク供給口201の穴(図3の破線にて示している。)により構成されている。
この図3において、ノズルプレート1に空気抜きの貫通穴101を設けている様子を図3(a)、流路基板2に空気抜きの貫通穴101’を設けている様子を図3(b)、ノズルプレート1及び流路基板2に空気抜きの貫通穴101及び101’を設けている様子を図3(c)に示している。また、図3(c)において、ノズルプレート1と流路基板2とに設けているそれぞれの貫通穴101及び101’の位置、大きさは同じとしているが、この例の通りに必ず同じ位置、大きさとする必要はない。
流路基板2には、基材としてシリコンウエハ、ガラス等を用いて、例えば、公知のフォトリソグラフィー技術(レジスト塗布、露光、現像)とエッチング技術等を用いることで、先に述べたノズルプレート1とで形成して成る、ノズルプレート1に有するノズル102にそれぞれ連通する複数の圧力室となる圧力室溝204、圧力室にそれぞれ連通する複数のインク供給路となるインク供給路溝203、インク供給路に連通する共通インク室となる共通インク室溝202、及びインク供給口201とを形成することができる。
ここで形成される溝の大きさは、用途やノズルの大きさ、数等により適当に決めれば良い。本実施の形態では、例えば、圧力室溝204は幅150μm〜350μm程度、深さ50μm〜200μm程度、インク供給路溝203は幅50μm〜150μm程度、深さ30μm〜150μm程度、共通インク室溝は幅400μm〜1000μm程度、深さ50μm〜200μm程度である。
また、インク供給口201は直径φ400μm〜1500μm程度の貫通した穴である。従って、流路基板2に空気抜きの貫通穴101’を設ける場合、インク供給口201の加工と併せて加工すればよい。特に基材がシリコンウエハの場合、これをエッチング加工する方法は、流路基板面に対して垂直にエッチング加工ができるSi(シリコン)異方性ドライエッチング法が好ましい。
また、ノズルプレート1は、基材としてシリコンウエハ、ガラス、樹脂等が挙げられる。ノズル102及び貫通穴101の作製方法は、例えば、基材がシリコンウエハの場合は、流路基板2と同じ方法でよい。また、基材が可動イオンを含む硼珪酸ガラス、青板ガラス等のガラス材料の場合は、フォトリソグラフィー技術を用いたエッチング法、レーザー加工法、ブラスト加工法のいずれでも良く、樹脂の場合はレーザー加工法、ブラスト加工法、プレス成型法等がある。
ノズルプレート1に形成するノズルの穴径は、概ねφ50μm〜φ100μm程度である。更に微細なφ10μm〜20μm程度のノズルとする、又はノズル形状をもっと自由度のある形にする場合、例えば、以下の様にしても良い。
シリコンウエハを基材としたノズルプレート1にφ100μm程度の穴を、例えば上記で示した方法で加工する。次に樹脂を基材としてプレス成型法でインク吐出部の径は、例えばφ20μm、圧力室側の径はφ50μmとする円錐状のノズルを形成した樹脂プレートを、ノズルプレート1に重ねて貼り合わせることで複合型のノズルプレートとしてもよい。
また、貫通穴101及び101’の径は、特に規定はしないが、通常φ100μm〜2mm程度でよい。
次に、上述した方法にて加工された流路基板2とノズルプレート1とを貼り合わせる。貼り合わせ方法として、主に接着剤を用いる方法と陽極接合技術を用いる方法とがある。
接着剤で流路基板2とノズルプレート1とを貼り合わせる場合、ノズルプレート1の基材は、主に樹脂となるが、ガラス、シリコンウエハとしてもよい。接着剤の塗布方法としては、スピンコートやスキージにて一定厚の接着層を他のシートに一旦形成しそれを転写する方法等がある。また、使用する接着剤は、室温下で塗布作業が容易な接着剤が好ましく、例えば熱硬化型接着剤等がある。
陽極接合技術を用いて流路基板2とノズルプレート1とを貼り合わせる場合、基材は一方をシリコンウエハとし、もう一方を可動イオンを含む硼珪酸ガラスとするのが一般的である。また、例えば、可動イオンを含む硼珪酸ガラスを基材とするところを、シリコンウエハを基材として、シリコンウエハとの貼り合わせ面に可動イオンを含む硼珪酸ガラスを成膜したものでも良い。
ノズルプレート1と流路基板2の基材を上記のいずれにするか、すなわち、ノズルプレート1はシリコンウエハを基材とし流路基板2は可動イオンを含む硼珪酸ガラスを基材にする、あるいはこの逆の組み合わせにする、のいずれでも良い。
可動イオンを含むガラス基材としては、通称耐熱ガラスと呼ばれるパイレックス(登録商標)、コーニング社(米国)またはテンパックス フロート(TEMPAX Float(登録商標)、日本以外はBOROFLOAT(登録商標)、ショット日本(株))がより好ましい。
ここで、陽極接合は、具体的には、基材が硼珪酸ガラス等の可動イオンを含む部材と基材がシリコンウエハである部材との接合面同士を密着させ、この接合部の温度を300〜500℃として、硼珪酸ガラス等の可動イオンを含む部材にマイナス(−)、シリコンウエハである部材をプラス(+)とし、先の温度を維持した状態で、電界強度10〜300kV/mmとなる電圧を印加して相互のイオン授受を行うことで結合する手法である。
例えば、流路基板2をシリコンウエハで、ノズルプレート1をパイレックス(登録商標)で作製した場合、流路基板にプラス(+)、ノズルプレートにマイナス(−)の電圧を印加すれば良い。
接合に際しては、流路基板2とノズルプレート1との貼り合わせ表面を十分に清浄状態を保っていても、流路基板2及びノズルプレート1のわずかな撓み、捻れ、凹凸等で、ほとんどの貼り合わせ過程において、貼り合わせ面内に空気が閉じこめられる。
貼り合わせ面内に閉じこめられた空気は、貼り合わせが進むにつれて徐々に本発明に係わるところのノズルプレート1や流路基板2、或いは両者に設けた空気抜きの貫通穴101及び101’、圧力室204等のインクの流路を通じてノズル102やインク供給口201から外部に抜けて強固に接合していく。また、接合に接着剤を使用する場合、空気が抜けやすくするため適度な荷重を加えるのが好ましい。
本発明に係わるところの空気抜きの貫通穴101及び101’を設けていない場合、気泡等の空間が接合終了時点で残る領域は、圧力室204、共通インク室202、インク供給路203等のインクの流路が形成されている以外の領域である。また、インクの流路が形成されている近傍においては気泡等の空間は発生するが、この場合、貼り合わせが進行する過程に置いてインクの流路に空気が抜けていくことから接合終了時点では残ることはない。
また、ノズルプレート1と流路基板2とを貼り合わせて形成した流路ユニットの外周は、この観点から言えば、空気抜きの貫通穴101及び101’と同等の作用をする。従って、貫通穴を設ける領域は、流路ユニットの外周とインクの流路が形成されている領域の輪郭との間の領域で、且つこの外周と輪郭との両者からある程度離れている領域が効果的である。
ここで、インクの流路が形成されている領域の輪郭とは、例えば図4(a)は図2(B)で示した流路基板2に形成された流路部のみを取り出して示しており、両端の圧力室溝204とこれに繋がっているインク供給路溝203、インク供給溝203に繋がっている共通インク室溝202、共通インク室溝202の両端にあるインク供給口201、更に両端の圧力室溝204でインク供給路溝202と反対の端の先端同士を結ぶ線で形作られる図4(b)で示す線である。
上記の輪郭の定義を用いて貫通穴を設ける領域について図2を用いて説明する。流路ユニットを構成するノズルプレート1及び流路基板2のそれぞれの外周から内向きに一定の距離離れている位置を境界として破線で示している。また、インクの流路が形成されている領域の輪郭から外向きに一定の距離離れている位置を境界として点線で示している。従って、空気抜きの貫通穴101及び101’を設ける位置は、この点線で囲まれている境界より外側で且つこの破線で囲まれている境界の内側が良い。ここで、一定の距離は、例えば、図2(B)に示すDで示す流路基板2の外周とインクの流路が形成されている領域の輪郭との最短距離の1/3で、D/3とするのが好ましい。また、ノズルプレート1、流路基板2のいずれに空気抜きの貫通穴を設けるかは両者に設けるノズルやインク流路の配置等から決めれば良い。
また、本発明に係わるところの空気抜きの貫通穴101及び101’と、この貫通穴101及び101’と同等の作用をするところのインクの流路や製造上必要な、例えば位置決め用穴等が形成されている領域は、ノズルプレート1と流路基板2とを貼り合わせした時に互いに接してない非接合の領域である。このような非接合領域の面積は、貼り合わせ面、例えば流路ユニットの外周からなる形状の面積に対して5%〜50%の範囲とするのが良く、10%〜30%の範囲がより好ましい。非接触面積が5%未満では、接合した各所に微小な気泡が残る可能性がある。また、50%以上となると、ノズルプレート1と流路基板2とを貼り合わせした流路ユニットの強度が弱くなり、取り扱いの観点から好ましくない。また、例えば、複数個の空気抜きの貫通穴で、これらの占める上述した非接触面積を考えた時、例えば流路周辺で接合強度を望む場合は、同じ非接触面積でも比較的直径の小さい穴で個数を多くする構成が良い。
また、ノズルプレート1と流路基板2との貼り合わせを接着剤による場合、貫通穴101及び101’を適切な大きさ、配置にすることで、余剰になった接着剤がこの穴から外部に出る様にすることで、共通インク室202、圧力室204、インク供給路203等のインクの流路を形成する領域に接着剤が入り込むことを、先の空気が閉じこめられることと併せて防ぐことができる。
以下に、実施の形態の例として具体的な作製方法を示し、実施例1〜4及び比較例においていずれも各20個作製した。
(実施例1)
実施例1での記録ヘッドは、図2に示す通りにインク滴の吐出による記録密度を見かけ上高くするためインクの流路を2系統とし、ノズルの配列を1/2周期ずらせている。
流路基板2をシリコンウエハを基材として作製した。具体的には、シリコンウエハ(厚み200μm)にスピンコート法を用いてレジストを塗布した後、インクの流路等を描いたマスクを用いて露光を行い、その後Si(シリコン)異方性ドライエッチングを行うことでシリコンウエハ上に圧力室204(幅約240μm、深さ約130μm)、インク供給路203(幅約100μm、深さ約100μm)、共通インク室202(幅約800μm、深さ約130μm)、インク供給口(直径約1000μm)等のインクの流路を形成した。
次に、ノズルプレート1となる基材は、厚さ100μmのテンパックスガラスとした。上記と同様なフォトリソグラフィ方法を用いて図2に示す様に、φ0.1mmのノズル102を16個(図2は模式図であるのでノズルの個数は一致していない。)2列とφ0.15mmの空気抜きの貫通穴101を5個を形成した。
この場合、ノズルプレート1と流路基板2とが貼り合わさる時に接する部分の最外周が成す形状の面積に対する先の形状内における、空気抜きの貫通穴101と、この貫通穴101と同等の機能をするところのインクの流路が形成されている領域等で、ノズルプレート1と流路基板2とが互いに接しない面積との比である非接合面積比は約10%である。
次に、上記にて作製した流路基板2とノズルプレート1とを以下の通りに陽極接合した。
陽極接合を行うためのプラス電極となる流路基板保持電極に流路基板2を設定し、その上に流路基板2との位置関係を整えてノズルプレート1を設定しこれに固定を兼ねたマイナス電極となるノズルプレート保持電極を設定した。
上記の状態で両電極に設けたヒーターを用いて流路基板2及びノズルプレート1とが接している面が400℃になるように加熱した。
400℃の状態を維持して、流路基板保持電極とノズルプレート保持電極との間にDC1200V(電界強度:120kV/mm)を印加した。このときの電流値をモニターし、0mAになった時点で接合完了とした。
この後、接合状態を、テンパックスガラス面より顕微鏡にて観察した結果、接合面に気泡や液漏れを発生するような空間が全てに無いことを確認した。また、実際に圧電素子を接着して記録ヘッドとして動作させたところインク滴の吐出状態は均一で良好に全て作動することを確認した。
(実施例2)
流路基板2に空気抜きの貫通穴101’を形成した。これ以外は、この貫通穴101’の位置、及び大きさを含め実施例1と同じとして記録ヘッドを作製した。
この後、接合状態を、ノズルプレート1の基材であるテンパックスガラス面より顕微鏡にて観察した結果、接合面に気泡や液漏れを発生するような空間が全てに無いことを確認した。また、実際に圧電素子を接着して記録ヘッドとして動作させたところインク滴の吐出状態は均一で良好に全て作動することを確認した。
(実施例3)
流路基板2は実施例1と同じとした。
ノズルプレート1は、厚さ150μmの透明のポリエチレンフタレートにプレス成型にて、実施例1と同じ配置でφ0.1mmのノズル102を16個2列とφ0.15mmの空気抜きの貫通穴101を5個を形成した。
流路基板2に30分硬化型エポキシ接着剤を塗布後、流路基板2に対してノズルプレート1を位置決めし、9.8×104Paの荷重を加えた状態を維持して室温にて約240分放置した。
この後、接合状態を、ノズルプレート面より顕微鏡にて観察した結果、接合面に気泡や液漏れを発生するような空間が全てに無いことを確認した。また、実際に圧電素子を接着して記録ヘッドとして動作させたところインク滴の吐出状態は均一で良好に全て作動することを確認した。
(実施例4)
ノズルプレート1に空気抜きの貫通穴101は、圧力室周辺部は直径φ0.5mmの穴を主にし、これら以外の領域にはφ1mm及びφ1.5mmの穴を周囲の形状を考慮して非接合面積比が30%となるように適宜配置した。これ以外は、実施例1と同じとして記録ヘッドを作製した。
この後、接合状態を、ノズルプレート1の基材であるテンパックスガラス面より顕微鏡にて観察した結果、接合面に気泡や液漏れを発生するような空間が全てに無いことを確認した。また、実際に圧電素子を接着して記録ヘッドとして動作させたところインク滴の吐出状態は均一で良好に全て作動することを確認した。
(比較例)
貫通穴101を全く設けず、他は実施例1と全く同じとした記録ヘッドを作製した。
このうち、14個に流路基板2とノズルプレート1とを接合した状態を、テンパックスガラス面より顕微鏡にて観察した結果、接合面に気泡が多く確認され、ノズルプレート表面に凹凸が確認された。また、実際に圧電素子を接着して記録ヘッドとして動作させたところ6個は液漏れ等の不具合がなく良好に作動したが、この14個はいずれも、例えばインク滴の吐出方向や吐出量にばらつきが見られるとといった吐出状態が均一でなく、14個の内3個は液漏れが見られた。
記録ヘッドの一例として示した斜視図である。 実施の形態の一例である、記録ヘッドを構成するノズルプレートと流路基板とを模式的に示した図である。 実施の形態の一例である記録ヘッドの断面を示した図である。 実施の形態の一例である記録ヘッドのインクの流路が形成されている領域の輪郭の概念を説明する図である。
符号の説明
A ノズル
B ノズルプレート
C 圧力室
C’ 両端の圧力室
D インク供給路
E 共通インク室
F 流路基板
G 封止板
H 圧電素子
I 支持基板
J ケース
K 信号線
M 流路ユニット
1 ノズルプレート
101 ノズルプレート側に設けた貫通穴
101’ 流路基板側に設けた貫通穴
102 ノズル
2 流路基板
201 インク供給口
202 共通インク室
203 インク供給路
204 圧力室
205 圧力室、インク供給路、共通インク室及びインク供給口とで成す輪郭
3 圧電素子

Claims (3)

  1. 複数のノズルを有するノズルプレートと、
    前記ノズルプレートと貼り合わせることで、前記ノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室となる圧力室溝、前記圧力室にそれぞれ連通する複数のインク供給路となるインク供給路溝及び前記インク供給路に連通する共通インク室となる共通インク室溝、並びにインク供給口とが形成された流路基板とを備え、
    前記ノズルプレートと前記流路基板とを貼り合わせて形成した流路ユニットを含むインクジェット式記録ヘッドにおいて、
    前記ノズルプレート及び前記流路基板の少なくとも一方は、前記圧力室、前記インク供給路、前記共通インク室及び前記インク供給口のいずれとも通じていない1つ以上の貫通穴を有することを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  2. 前記貫通穴は、前記圧力室、前記インク供給路、前記共通インク室及び前記インク供給口とで成す輪郭から一定距離外側であって、且つ前記流路ユニットの外形から一定距離内側の領域にあることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット式記録ヘッド。
  3. 前記ノズルプレートと前記流路基板とが貼り合わさる時に接する部分の最外周が成す形状の面積に対する前記形状内で前記ノズルプレートと前記流路基板とが互いに接しない面積との比である非接合面積比が5%以上且つ50%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット式記録ヘッド。
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