JP2006351993A - 化合物半導体ウェハ - Google Patents

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Abstract

【課題】AlxGa1−xAs(0≦x<1)層のp型キャリア濃度が制御性よく且つ面内均一に作製された化合物半導体ウェハを提供する。
【解決手段】反応炉内に供給された原料ガスは、加熱されたGaAs基板1付近で熱分解され、基板1上にAlGaAs層2が成長する。原料ガスとしては、Al原料にTMA、Ga原料にTEGとTMGの混合ガス、砒素原料にアルシンを用いた。TMGとTEGを混合して供給することにより、Al原料であるTMAのメチル基とGa原料であるTEGのエチル基との交換反応が起こる。この交換反応により、Alに結合するメチル基の割合が減少し、Alに結合しているメチル基のカーボンが取り込まれる確率が低減し、AlGaAs層のp型キャリア濃度が減少する。従って、Ga原料のTMGとTEGの比率を調整することで、p型キャリア濃度を制御できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、GaAs基板上にAlxGa1−xAs(0≦x<1)層を有する化合物半導体ウェハに係り、特にAlxGa1−xAs層中のキャリア濃度を制御して成長させてなる化合物半導体ウェハに関する。
GaAs、InGaP、AlGaAs、AlGaInPなどの化合物半導体エピタキシャル結晶の積層構造は、FET(電界効果トランジスタ)、HEMT(高電子移動度トランジスタ)、HBT(ヘテロ接合バイポーラトランジスタ)等の電子デバイスやLED、レーザーといった発光デバイスとして広く使用されている。これらの化合物半導体の電子・発光デバイスは、一般的にまずGaAsなどの基板に有機金属気相成長法(MOVPE法)などの結晶成長法を用いて所望の組成、厚さの化合物半導体結晶を順次エピタキシャル成長させる。
MOVPE法では、III族有機金属原料ガスとV族原料ガスを、高純度水素キャリアガスとの混合ガスとして反応炉内に導入し、反応炉内で加熱された基板付近で原料が熱分解され、基板上に化合物半導体結晶がエピタキシャル成長する。従来、MOVPE法により、p型のAlGaAs層などを成長させる場合、故意にp型ドーパントをドープする方法と、アルシンの流量を調整する方法とが用いられている。
なお、Ga原料にトリメチルガリウム(TMG)、Al原料にトリメチルアルミニウム(TMA)、As原料にアルシンを用いて、MOVPE法によりAlGaAsを成長させたときに、Al原子と炭素原子との結合力が強いことに起因して、AlGaAsのエピタキシャル成長過程において、TMAが完全に分解されず、炭素原子を含むメチル基がAl原子に結合した状態で結晶中に取り込まれ、炭素ドーピングによりAlGaAsがp型伝導の結晶となることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平4−326724号公報。
しかしながら、上記従来のp型ドーパントをドープする方法では、ドーピング原料としてブロム系化合物やクロム系化合物が使用されるが、副反応などにより、エッチング効果やメモリー効果が大きくなるなどの問題があり、ドーピングが難しい。また、1×1018(cm-3)以下のキャリア濃度の制御が困難であった。
また、アルシン流量を調整する方法の場合、キャリア濃度の細かな調整が難しく、またウェハ面内でのキャリア濃度のバラツキが大きい為、安定的に確実にキャリア濃度を制御して成長させることが難しい。また、AlGaAs層は、アルシン流量が少ない条件で成長させると、酸素などの不必要な不純物が混入してしまい、キャリアキラーなどの問題を引き起こしてしまう。
本発明は、上記課題を解決し、AlxGa1−xAs(0≦x<1)層のp型キャリア濃度が制御性よく且つ面内均一に作製された化合物半導体ウェハを提供することにある。
第1の発明は、半絶縁性GaAs基板上にIII族原料、V原料を供給し、有機金属気相成長法を用いてAlxGa1−xAs(0≦x<1)層を有するエピタキシャル層を成長させた化合物半導体ウェハにおいて、上記III族原料に、金属原子は同じで結合する有機基を異にする複数のIII族原料を用い、それらの供給比率を調整することにより上記AlxGa1−xAs層のキャリア濃度を制御して成長させたことを特徴とする化合物半導体ウェハである。
金属原子は同じで結合する炭化水素基(アルキル基等)などの有機基を異にする複数のIII族原料を供給すると、異なる有機基の交換反応が起こり、AlやGaに結合する各有機基の割合が変わり、AlxGa1−xAs層に取り込まれる炭素を含む有機基の数量が変化する。従って、金属原子は同じで結合する有機基を異にする複数のIII族原料の供給比率を調整することによって、AlxGa1−xAs層のp型キャリア濃度を制御できる。
本発明の化合物半導体ウェハ(エピタキシャルウェハ)は、FET(電界効果トランジスタ)、HEMT(高電子移動度トランジスタ)、HBT(ヘテロ接合バイポーラトランジスタ)等の電子デバイスや半導体レーザなどの発光デバイスに利用される。AlGaAs層は、良好なデバイス特性を実現できるバッファ層やショットキー層などに使用される。
第2の発明は、第1の発明において、上記金属原子は同じで結合する有機基を異にする複数のIII族原料が、ガリウム原料としては、トリエチルガリウム(TEG)とトリメチルガリウム(TMG)であり、アルミニウム原料としては、トリメチルアルミニウム(TMA)とトリエチルアルミニウム(TEA)であることを特徴とする化合物半導体ウェハである。
第3の発明は、第1または第2の発明において、上記キャリア濃度が、1×1018cm−3以下であることを特徴とする化合物半導体ウェハである。
砒素原料にはアルシンが用いられることが多いが、キャリア濃度を1×1018cm−3以上に制御する場合、アルシンの供給量を極端に下げる必要があり、そうすると、エピタキシャル層の表面状態の悪化や炭素以外の不純物の混入が多くなることから、キャリア濃度を1×1018cm−3以下とするのが好ましい。
第4の発明は、第1乃至第3の発明において、砒素原料にアルシン(AsH3)を用いたことを特徴とする化合物半導体ウェハである。
第5の発明は、第1乃至第3の発明において、砒素原料に、アルシン(AsH3)とトリメチルアルシン(As(CH3)3)を混合したものを用いたことを特徴とする化合物半導体ウェハである。
本発明によれば、所望のp型キャリア濃度に良好に制御され、かつp型キャリア濃度の面内分布が均一なAlxGa1−xAs(0≦x<1)層を有する化合物半導体ウェハが得られる。
以下に、本発明に係る化合物半導体ウェハの一実施形態を図面を用いて説明する。
図1は、作製した一実施形態の化合物半導体ウェハの構造を示す断面図であり、半絶縁性GaAs基板1上にMOVPE法によりAlGaAs層2を成長させたものである。このウェハは、AlGaAs層2のキャリア濃度などを測定することを目的に作製したもので、実際のデバイスに用いられる化合物半導体ウェハでは、AlGaAs層をバッファ層やショットキー層などに用いており、AlGaAs層2の上、或いはAlGaAs層2とGaAs基板1との間には、通常、更に別の半導体層が形成される。なお、AlGaAs層が最上層の場合もある。
上記ウェハのMOVPE法による製造方法を簡単に述べる。エピタキシャル層を成長させるGaAs基板1を、図示省略のサセプタにセットし、GaAs基板1を反応炉内で加熱しつつ、反応炉内に原料ガス、希釈用ガスを供給する。供給された原料ガスは熱により分解し、基板1上にエピタキシャル層(AlGaAs層2)が形成される。原料ガスには、Al原料としてTMAを、Ga原料としてTEGとTMGの混合ガスを、砒素原料としてアルシンを、希釈用ガスとして、水素を供給した。
Ga原料としてTMGとTEGを混合して供給することにより、TMGのメチル基とTEGのエチル基が交換反応を起こす。また、この交換反応は、Al原料であるTMAのメチル基と、Ga原料であるTEGのエチル基との間でも起こる。従って、TMGとTEGの二種類のGa原料を供給することにより、TMAの一部のメチル基が交換反応を起こし、Al原子に、メチル基とエチル基が結合した形となる。この交換反応により、Alに結合するメチル基(Alとの結合力が大きく成長結晶中に取り込まれやすい)の割合が減少し、Alが成長に寄与する際、Alに結合しているメチル基のカーボンが取り込まれる確率が低減し、AlGaAs層のp型キャリア濃度が減少する。
このことは、Ga原料のTMGとTEGの分配・比率を調整することで、p型キャリア濃度を制御できることを意味する。また同様にして、Al原料にTEAを、Ga原料にTEG及びTMGを用いた場合にも、TEAのエチル基とTMGのメチル基との間で交換反応が起こり、Ga原料のTMGとTEGの分配・比率を調整することで、p型キャリア濃度を制御できる。更にまた、Al原料にTMA及びTEAを、Ga原料にTEG又はTMGを用いた場合、Al原料にTMA及びTEAを、Ga原料にTEG及びTMGを用いた場合にも、勿論、同一の効果が得られる。
また、上記のように、一般的に使用している原料(TMG,TEG,TMA,TEA,アルシン)を利用し、p型キャリア濃度を制御してAlGaAs層が成長できることは、信頼性があり容易に実施できるなど、極めて有用である。
上述した、Ga原料のTMGとTEGの比率を調整することで、AlGaAs層のp型キャリア濃度を制御できることを確認するために、TEGとTMGの比率を変えて、V族/III族比が50と100の条件で、GaAs基板にAl組成比50%のAlGaAs層を成長させた。作製されたウェハに対し、C―V測定を用いてキャリア濃度を測定した結果を図2に示す。図2に示すように、TMGとTEGの比率を変えることで、大体1×1016〜1×1018(cm-3)の範囲で、キャリア濃度を所望の値に良好に制御できることがわかる。また、TEGを供給することで、酸素などの不純物の取り込みも低減できることがわかった。
更に、上記のTMG及びTEGの混合供給により成長させたAlGaAs層に対する、キャリア濃度の面内分布の均一性を確認するために、6インチのGaAs基板にAl組成比30%のAlGaAs層を成長させた。また、比較のために、不純物をドーピングせず、アルシン流量を調整して、Al組成比30%のAlGaAs層を成長させたウェハも作製した。これらのウェハに対し、C―V測定を用いて、オリエンテーションフラットに垂直な方向に5mmピッチでキャリア濃度を測定した。その結果を、図3に示す。図示のように、この実施形態のTMG及びTEGの混合供給により成長させたAlGaAs層は、キャリア濃度の面内分布が均一となっている。
なお、上記実施形態においては、AlGaAs層の成長に本発明を適用したが、GaAs層(Al組成比x=0)を成長させる場合に適用してもよい。この場合、例えば、Ga原料にTMG及びTEGを、砒素原料にアルシン及びトリメチルアルシンを用い、それらの比率を調整することにより、GaAs層のp型キャリア濃度を制御するようにしてもよい。砒素原料として、アルシンに所定比率でトリメチルアルシンを加えたものを用いると、トリメチルアルシンの分解温度範囲もメチル基とエチル基の交換反応が可能な温度範囲になり、p型キャリア濃度の制御範囲が広がることになる。
本発明の一実施形態における化合物半導体ウェハの構造を示す断面図である。 本発明の一実施形態における、TEGとTMGの供給比率と、AlGaAs層のキャリア濃度との関係を示す図である。 本発明の一実施形態におけるAlGaAs層のキャリア濃度の面内分布と、従来の化合物半導体ウェハにおけるAlGaAs層のキャリア濃度の面内分布とを比較して示す図である
符号の説明
1 GaAs基板
2 AlGaAs層

Claims (5)

  1. 半絶縁性GaAs基板上にIII族原料、V原料を供給し、有機金属気相成長法を用いてAlxGa1−xAs(0≦x<1)層を有するエピタキシャル層を成長させた化合物半導体ウェハにおいて、
    上記III族原料に、金属原子は同じで結合する有機基を異にする複数のIII族原料を用い、それらの供給比率を調整することにより上記AlxGa1−xAs層のキャリア濃度を制御して成長させたことを特徴とする化合物半導体ウェハ。
  2. 請求項1に記載の化合物半導体ウェハにおいて、上記金属原子は同じで結合する有機基を異にする複数のIII族原料が、ガリウム原料としては、トリエチルガリウムとトリメチルガリウムであり、アルミニウム原料としては、トリメチルアルミニウムとトリエチルアルミニウムであることを特徴とする化合物半導体ウェハ。
  3. 請求項1または2に記載の化合物半導体ウェハにおいて、上記キャリア濃度が、1×1018cm−3以下であることを特徴とする化合物半導体ウェハ。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の化合物半導体ウェハにおいて、砒素原料にアルシンを用いたことを特徴とする化合物半導体ウェハ。
  5. 請求項1乃至3のいずれかに記載の化合物半導体ウェハにおいて、砒素原料に、アルシンとトリメチルアルシンを混合したものを用いたことを特徴とする化合物半導体ウェハ。
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