JP2006505802A - 隆起面アッセイプレート - Google Patents

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Abstract

アッセイプレート(100)は、基板表面(108)と、基板表面(108)から拡張した少なくとも1つの隆起パッド(104)を有する基板を含む。隆起パッド(104)は、その部位での実験のためにその上にサンプル(106)を保持するために形成された実質的に平面のサンプル収容面(200)を含む。サンプル収容面(200)は、サンプル収容面(200)を基板表面(108)に連結する側壁(208)間の接合部に少なくとも1つのシャープなエッジ(210)を有していることが好ましい。サンプル収容面(200)は、サンプル(106)の所定量を保持する大きさに形成された、円形、楕円形、正方形、長方形、三角形、五角形、六角形又は八角形であることが好ましい。上述したアッセイプレート(100)の使用方法を提供する。基板(102)から拡張した隆起パッド(104)が形成されると、サンプル(106)をその隆起パッド(104)上に付着(deposit)させる。実験は、続いて、隆起パッド(104)の上でサンプル(106)を用いて行われる。

Description

この発明は、米国仮出願第60/428,164号(2002年11月21日出願)の利益を主張する米国特許出願第10/439,943(2003年5月16日出願)の一部係属出願である。また、この出願は、米国特許出願第10/282,505号(2002年10月28日出願)の一部係属出願である。これら出願のそれぞれを全ての目的のために参照としてここに組み込む。
この発明は、一般に物理的、化学的、生物学的又は生化学的特性、特徴又は反応を試験するために使用されるデバイスに関する。より詳細には、この発明は、その上にサンプルを収容するための隆起したパッド又はプラトーのアレイを有するアッセイプレートに指向する。
アッセイプレートは、他にアッセイトレイ、サンプルトレイ、マイクロタイタープレート、マイクロプレート、ウェルプレート又はマルチウェル・テスト・プレートとして知られており、当該分野で周知である。これらのアッセイプレートは、一般に、並行検出及び生物学的または化学的反応、細胞成長、ウィルス分離、滴定、毒性試験、特性試験、結晶化もしくはコンビナトリアル合成のモニタリング、または反応物の試験のような、化学的又は生物学的実験のために用いられる。
何年にもわたって、多くのアッセイプレートの外形が、そのような化学的又は生物学的実験中にサンプルを保持するために開発されているが、これらアッセイプレートの外形のほとんどは、一般に、少量サンプルの保持穴、くぼみ又はウェルのアレイ又はマトリクスを含む。
しかし、穴又はウェルを有するこれらのアッセイプレートプレートは、いくつかの欠点がある。例えば、有機溶媒ベースの液体はウィッキング、より詳細には毛管現象のためにウェルの側面をぬらす傾向があり、液量の構成(表面積、パス長)を変化させ、穴から液体が流れ出すこと招くことがある。また、ウェルを規定する壁は、しばしば透明であるが、ウェル中のサンプルの観察を干渉する。さらに、ウェル壁は、ウェル中のサンプルに分析プローブが近接する又は接触することを妨げる。加えて、これらのアッセイプレートはしばしば再利用されるため、それは不純物を避けるために使用の間で清浄又は洗浄される。しかし、特に、ウェルがぎゅうぎゅうずめであったり、乾燥していたり、清浄するのに抵抗性があるサンプルを含有する場合には、ウェルプレートの全てのウェルを洗浄することは困難であることがあるため、ウェルからのサンプルの完全な除去は、一般に問題がある。
このような場合、機械的な「洗浄」が必要となるが、有効かつ完全な洗浄が壁の存在によって妨げられる。
BDバイオサイエンシスのディスカバリ・ラボウェア・ビジネス・ユニット(べクトン、ディッキンソンアンドカンパニー)によって開発された他のタイプのアッセイプレートは、BDファルコン(登録商標)・バーチャル−ウェル・プレートである。BDファルコン(登録商標)・バーチャル−ウェル・プレートは、ウェル中に備えられる壁の装備なしでサンプル分離を達成するために基板の表面張力特性を調節することによって、水溶液ベースの液状サンプルのアレイを形成するために用いられる。これらのバーチャル−ウェル・プレートは、被覆されていないままの窓またはバーチェル−ウェルのアレイを含む疎水性マスク層で被覆された親水性基板からなる。サンプル液は、被覆されていない親水性バーチャル−ウェルに入れられる。各バーチャル−ウェルは疎水性マスクによって取り囲まれているため、そのサンプル液がマスクに接触するところで高い接触角が作られ、よって、バーチャル−ウェル間での流体移動を制限する。
これらのバーチャル−ウェルは、高い表面張力を有する水溶性ベースのサンプル液については十分良好に機能する。しかし、有機溶媒−ベースの流体又は水溶性サンプルを含む界面活性剤のような表面張力が低い流体をこれらのバーチャル−ウェルに用いた場合、サンプル液は、バーチャルウェル内に十分に含有されない。これは、隣接の液滴が互いに吸収されることを招き、よって、プレートの価値が十分に機能しない。
上記の観点から、従来技術の欠点に対して対処すると同時に、多数のサンプルを保持することができる改善されたアッセイプレートが必要とされている。特に、アッセイプレートは、制限されたサンプルのアレイを規定することができるべきである。さらに、アッセイプレートは、さえぎられず及び/又はその上の各サンプルと接触することを提供すると同時に、有機溶媒−ベースの液体を含むいかなるタイプの液体にも使用することができるべきである。
発明の要旨
本発明によれば、アッセイプレートが提供される。アッセイプレートは、基板表面と、基板表面から拡張した少なくとも1つの隆起パッドを有する基板を含む。隆起パッドは、その部位での実験のためにその上にサンプルを保持するために形成された実質的に平面の水平面(0°角)サンプル収容面を含む。好ましい実施形態では、サンプルは、少なくとも初めの適用として流動性、液体又はゲル特性を有していることが好ましく、つまり、流動する傾向を有していることが好ましい。サンプル収容面は、サンプル収容面を基板表面に連結する側壁間の接合部に少なくとも1つのシャープなエッジを有していることが好ましい。サンプル収容面は、サンプルの所定量を保持する大きさに形成された、円形、楕円形、正方形、長方形、三角形又はいずれかの他の多角形又は不定形状であることが好ましい。隆起パッドは、好ましくは円筒形である。
さらに、本発明によれば、上述したアッセイプレートの使用方法を提供する。基板から拡張した隆起パッドが形成されると、サンプルをその隆起パッド上に付着(deposit)させる。サンプルは、懸濁液、エマルジョン、分散液、ゲル、溶液、泡、クリーム、溶解した物質又は流動体、液体又はゲル様の性質を有する半固体を含むことが好ましい。サンプルは、単一の成分又は多成分を含んでいてもよい。限定されない成分の例は、活性医薬成分(API)、粘着物(皮膚に対する経皮パッチのような粘着医薬器具に適当なものを含む)、組織や膜を横切るAPIの移送に使用されるエンハンサーを含む。隆起パッドに含まれるサンプルは、乾燥、加熱、冷却、凍結、蒸気浸漬、結晶化、蒸発又は凍結乾燥工程を用いて処理することができる。実験は、続いて、処理の前、間及び/又は後に、隆起パッドの上でサンプルを用いて行われる。
上述した装置は、隆起パッド収容面のシャープなエッジ(例えば、90°)によって形成されたウェル規定領域内のサンプルを含み、このように、96、384又は1536−サンプル標準アッセイプレートフォーマットのような小型アレイであっても、隣接するサンプルとの接触を防止する。この閉じ込めは、表面現象によって行われ、各サンプルを分離する壁によるものではない。
アッセイプレートの1つの利点は、隣接サンプルと接触することなく、低表面張力流動体(例えば、有機溶媒)ならびに高表面張力流動体(例えば、水)のアレイを含むその能力である。これは、従来例のウェル及びバーチャルウェル設計に関する欠点に対して何らかの処置を施ものである。現存するバーチェルウェルプレート設計は、水性サンプルを含むように設計されているため、低表面張力流動体にはうまく働かない。また、凹んだウェルを有するプレートは、有機溶媒ベースの流動体を用いる場合、それらの液体は、毛管作用のためにウェルの側壁をぬらす傾向にあるため、問題がある。他の利点は、サンプルの周りに壁がないため、アッセイプレートに供給するサンプルにアクセスすることをさえぎられていないことである。これは、サンプルの観察を妨げない。また、これは、ウェルの壁又は他の幾何学的特徴(例えば、ラマン又は他の分光法、粘着(tack)及び他の物質特性試験等に対して)からのインピーダンスなしに、プローブを、分析機器から各サンプルに近づけること、又は接触させることさえも可能にする。さらに、サンプルへのオープンアクセスは、経皮的な実験のための皮膚、又は透過性実験のための培養された細胞及び組織、膜、培養細胞、表皮細胞、及び他のヒト及び動物の組織のような生物学的物質との接触を可能にし、葉のような植物組織あるいは人造膜のような合成物質もまた、例えば、透過性実験のために、使用されるかもしれない。
さらに、本発明は、同時に、濃度及び同一性を変更して、多数の成分の組み合わせを調製するシステム及び方法、ならびに各組み合わせにおける成分の組織障壁移動を試験する方法に関する。本発明の方法は、医薬品のような活性成分の移動における、皮膚又は角質層、肺組織、気管組織、鼻組織、膀胱組織、胎盤、膣組織、直腸組織、胃組織、胃腸組織、爪(指又は足指の爪)、目又は角膜組織および植物組織(葉、茎又は根)のような組織の横断における、賦形剤、担体、エンハンサー、粘着物及び添加剤のような付加又は不活性な成分の作用を測定することができる。よって、本発明は、限定されないが、経皮的な移動を含む改善された組織移動のための総合的に最適な組成物又は調合物を決定するために、医薬組成物又は処方物を試験することを包含する。本発明の特別な実施形態を以下に記載する。
一実施形態において、本発明は、隆起パッドサンプル収容面を有する基板表面を備えるアッセイプレート、アッセイプレート上の隆起パッドによってサンプルを保持するアレイ、サンプルのアレイを被覆する膜又は組織標本及びサンプルのアレイと反対の膜又は組織標本の側に固定された貯留プレートを含み、組織を横断する成分の移動を測定するための装置に関する。本発明の一つの観点において、アレイにおける各サンプル(ここで用語「サンプル」は、複製を含んで使用される)は、単一の組成又は成分の調合物を含み、異なる活性成分又は活性成分の異なる物理的状態がサンプルアレイにおける1以上のサンプルに存在する。
本発明の他の観点では、アレイの各サンプルは、共通の成分(component-in-common)及び少なくとも1つの追加の成分を含み、各サンプルは、 (i)追加の成分の同一性、(ii)共通成分の追加の成分に対する割合又は(iii)共通成分の物理的状態の少なくとも1つに関して、少なくとも1つのほかのサンプルとは異なる。
「共通の成分」は、サンプルアレイ中の全てのサンプルにおいて存在する成分である。一つの実施形態では、共通成分は活性成分であり、好ましくは、その活性成分は医薬品、食事補充物、代替医薬又は栄養補助食品である。サンプルは、液体、溶液、懸濁液、エマルジョン、固体、半固体、ゲル、フォーム、ペースト、軟膏又は粉薬の形態であってもよい。
他の実施形態では、本発明は、
(a)アッセイプレート上の隆起パッドサンプル収容面に保持されたサンプルのアレイを準備し、活性成分及び少なくとも1つの追加成分を有し、各サンプルは、
(i)活性成分の同一性、
(ii)追加の成分の同一性
(iii)活性成分の追加の成分に対する割合又は
(iv)活性成分の物理的状態
の少なくとも1つに関して、少なくとも1つのほかのサンプルとは異なり、
(b) サンプルのアレイに組織標本を被覆し、
(c) サンプルのアレイと反対の組織標本の側に貯留プレートを固定し、そのプレートは、サンプルのアレイに対応する貯留層のアレイを有し、
(d) 貯留層のアレイに貯留メディウムを充填し、及び
(e) 1以上の時点で各貯留層における活性成分の濃度を測定し、組織標本を横断して各サンプルからの活性成分の移動を測定すること
を含むサンプルの組織障壁移動の測定方法に関する。
好ましい実施形態では、活性成分は、医薬、食事補充物、代替医薬又は栄養補助食品である。他の実施形態では、組織標本は、皮膚であり、さらに特別の実施形態では、組織標本は、角質層である。
他の実施形態では、本発明は、
(a) 共通成分及び少なくとも1種の追加成分を有するアッセイプレート上の隆起パッドサンプル収容面に保持されたサンプルのアレイを準備し、各サンプルは、
(i)活性成分の同一性、
(ii)追加の成分の同一性
(iii)共通成分の追加の成分に対する割合又は
(iv)共通成分の物理的状態
の少なくとも1つに関して、少なくとも1つのほかのサンプルとは異なり、
(b)サンプルのアレイに組織標本を被覆し、
(c)サンプルのアレイと反対の組織標本の側に貯留プレートを固定し、そのプレートは、サンプルのアレイに対応する貯留層のアレイを有すし、
(d)貯留層のアレイに貯留メディウムを充填し、及び
(e)時間の関数として各貯留における共通成分の濃度を測定し、組織標本を横断して各サンプルからの共通成分の流動を測定すること
を含む組織を横断するサンプルの流動を分析又は測定する方法に関する。
本発明の性質及び目的のよりよい理解のために、添付の図面とともに、以下の詳細な説明を参照とすべきである。
関係を容易にするために、いずれの参照番号も最初の数字は、一般に、参照番号を認めることができる図の番号を示す。例えば、102は、図1A及び1Bにおいて認めることができ、502は、図5で認めることができる。しかし、同じ参照番号は、図面のいくつかの図を通して対応する部分を示す。
本発明の実施の形態であり、その上にサンプルを有するアッセイプレートの部分斜視図である。 本発明の実施の形態であり、その上にサンプルを有するアッセイプレートの部分斜視図である。 シャープなエッジ境界間にサンプル量を含む図1A及び1Bに示されたアッセイプレートの部分断面図である。 いずれかのシャープなエッジ境界から離れたサンプル収容面上の小液滴の部分断面図である。 本発明の他の実施形態におけるアッセイプレートの平面図である。 図4Aに示されたアッセイプレートの側面図である。 本発明のさらに別の実施形態におけるアッセイプレートの部分断面図である。 経皮製剤実験に用いた図2に示すアッセイプレートの部分断面図である。 貯留層プレートの平面図である。貯留層プレートは、アッセイ基板又はプレート上の隆起パッドと位置調整された通過孔を有するプレートである。貯留プレートは、アッセイプレートと反対の組織の側において、組織の上面に配置される。貯留プレートが適当な位置に固定された場合、組織が各隆起パッドを収容プレートにおける孔から分離するように、貯留プレートの孔が、隆起パッドサンプル収容面に位置調整される。図7において例示されたプレートは、384穴の貯留層プレートである。 任意のベースプレートによって支持されたアッセイプレートの隆起パッド上のサンプルアレイを被覆する組織サンプルの表面上に貯留プレートを含む経皮デバイスの断面図である。 任意のベースプレートによって支持されたアッセイプレートの隆起パッド上のサンプルアレイを被覆する組織サンプルの表面上に貯留プレートを含む経皮デバイスの斜視図である。
発明の詳細な説明
ここに示すアッセイプレートは、物理的、化学的、生物学的又は生化学的特性、特徴又は反応の試験(特に、ミリ、マイクロ、ナノ及びピコスケールの高スループットスクリーニングにおいて)のために用いることが好ましい。より詳細には、アッセイプレートは、並行検出(短時間の検出を含む)ならびに化学的又は生物学的反応及び現象のモニタリングのために使用される。適当な用途としては、皮膚又は他の組織及び膜を横切る成分の流動及び移動を測定することを含む経皮製剤実験;生物学的実験;蛋白結晶化実験、気化結晶化実験ならびに低分子及び蛋白結晶化実験のような結晶化実験;溶解性試験;光学イメージング;分光法;混和性;析出;メカニカル試験;触覚試験;膜/組織透過実験;インビボのスキンテストに対する被験物質のアレイ化されたプレゼンテーション(可撓性基板が有利な場合)などを含む。
図1A及び1Bは、本発明の実施形態によるアッセイプレート100の部分斜視図である。アッセイプレート100は、基板表面108を有する基板102である。図1Aは、薄膜状の基板を有するアッセイプレートを例示し、図1Bは、厚膜の基板を有するアッセイプレートを例示する。また、アッセイプレート100は、上表面108から拡張する1以上の隆起パッド又はプラトー104(以下「隆起パッド」と記す)を含む。各隆起パッド104は、その上にサンプル106を収容するために配列された平滑、平坦及び水平な表面であることが好ましい。各サンプル106は、以下の図2について示したように各隆起パッド104の上に滴を形成する。一旦隆起パッドの上面に配置されると、サンプル106は、その部位での実験に用いられる。いいかえると、サンプルが隆起パッド上に配置されると同時に実験が行われる。例えば、各隆起パッド104上のサンプル106は、以下の図6について示したように、その部位での経皮製剤実験に用いることができる。
図2は、図1A及び1Bに示したアッセイプレート100の部分断面図である。示されたように、基板102の基板表面108は、実質的に平坦又は平面であることが好ましい。「実質的に平面」とは、本質的に、基本的に又は根本的に平面であるが、厳密に平面である必要はないことを意味する。基板108は、ウェルのような凹状の領域又は穴を含んでいてもよい。基板は、平坦及び凹状領域の双方からなっていてもよいし、平坦又は凹状領域のいずれかのみからなっていてもよい。基板102及び/又は隆起パッド104は、金属、ガラス、セラミック又はプラスチックのようないずれかの適当な材料で形成することができる。適当な材料は、使用されるサンプル106と適合性があるものが好ましい。例えば、材料は、サンプルによる腐食に耐性があるべきである。また、適当な材料は、それらを低いコストで容易に製造されるものから選択することが好ましい。適当な材料の実施例は、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム、ガラス、ポリスチレン、ポリプロピレン等を含む。一つの実施形態では、アッセイプレート100は、それぞれが単位当たり低価格で、アッセイプレートを大量に生産するために射出成型又は鋳造される。
必要により、その材料は、その光学的性質について選択することができる。このことは、サンプルの光学検査を、ビデオ、写真、顕微鏡、蛍光等のような技術を用いて行う場合に特に有用である。この実施形態では、光学的に透明なアッセイプレートが光源と検出器との間に位置する。適当な光学的に透明な材料の例は、種々のガラス及び/又はプラスチック及び/又は石英のような無機物を含む。透明な隆起面プレートはガラス、プラスチックから作られ、石英は、結晶化の研究ならびに分光器分析、粒子サイズ測定及び不透明度の測定のような基板の透明性に頼る他の実験に用いられている。透明な隆起面プレート上に含まれるサンプルは、顕微鏡、カメラ、レーザー及び他の光学的プローブならびにセンサーを用いて画像化される。サンプルは、析出物、結晶、不純物、不混合性の界面、含有物、位相幾何及び他の視覚的特徴の存在を検出するために画像化される。特に興味があるのは、時間の経過によって、プレート上のサンプル中で核形成及び結晶材料の成長を検出することである。画像化は、透明なプレートを通過する白色光、交差偏光光又は単色光の透過又は反射照明のような他の適当な手段を用いて行うことが好ましい。
さらに、隆起パッド104は、基板102の一体化した部分であることが好ましい。例えば、基板102上に隆起パッド104を形成するために、材料のブロックに、機械加工又は化学的もしくは物理的のいずれかのエッチングを施す。あるいは、隆起パッド104は、射出成型、鋳造又はエンボス技術等を用いることによって、基板と同時に形成してもよい。さらに、隆起パッドを有する基板は、さらに1つのベースプレート又はいくつかのベースプレートにそれを固定することによって支持されていてもよい。これは、隆起パッドを有する基板が高価な材料で形成されている場合、例えば、製造コストを低減することができる。隆起パッドを有する基板プレートは、低い高さ又はプロファイル(例えば、総高さが約250μmで、各隆起パッドが高さ約50μmの基板から約200μm拡張する)で形成することができ、例えば、材料の薄いブロックから作製し、次いで、高価でない材料から作製された基底のベースプレートにそれを固定することによって、支持する。また、それにより、低い高さの隆起パッドを有する基板を容易に製造することができる。
各隆起パッド104は、実質的に平面サンプル収容面200を有する。各隆起パッドは、基板表面108に平行であるか、平面又は水平であることが好ましい。また、各隆起パッド104は、基板表面108からサンプル収容面200に拡張する1以上の側壁208を含むことが好ましい。各側壁208は、基板表面108に直交(例えば、φ=90°)であるか又はわずかにアンダーカット(φ<90°)されていることが好ましい。また、各側壁208は、サンプル収容面200に対して直交(例えば、δ=90°)であるか又はわずかにアンダーカット(δ<90°)されていることが好ましい。
さらに、サンプル収容面200は、側壁208とサンプル収容面との間の接合部に1以上のシャープな角又はエッジ210を有していることが好ましい。シャープとは、サンプル収容面200と側壁208との間の接合部が、実質的に丸みを有していないか、あるいは製造方法によって必然的に決められる小さな丸み(一般に、0.002インチ未満)があることを意味する。サンプル収容面200は、図1及び4Aに示されたような円、正方形、楕円、四角形、三角形、五角形、六角形、八角形又は他の多角形のようないずれかの適当な形状、規則的又は不規則な形状を有していてもよい。さらに、サンプル収容面200の形状は、サンプルの所定量を保持するために選択することができる。その面積/形状は、実験のタイプ、パッドが保持することが必要な容量に応じて選択される。円形パッドによって含まれる最大量(最大接触各が90°であれば)は、直径の幅が50μmから1cmであれば、pi×(直径/2)2の断面積を有する半球に対する方程式及び2/3・pi・r3の体積によって計算され、よって、面積は2E−cm2から0.8cm2の範囲であり、〜33ピコリットルから〜300マイクロリットルの最大容積の範囲である。本発明の隆起パッドの直径範囲の例は、約50から100μm、100から200μm、200から300μm、300から400μm、400から500μm、500から600μm、600から700μm、700から800μm、800から900μm、900μmから1mm、1mmから2.5mm、2.5mmから5mm、5mmから7.5mm、7. 5mmから1cm、1mmから9mm、1mmから5mm、5mmから1cm又は1cmから2cmである。本発明のサンプル容積の範囲の例は、約30ピコリットルから100 ピコリットル、100から250ピコリットル、250から500ピコリットル、500から750ピコリットル、750ピコリットルから1nL、1nLから10nL、10nLから50nL、50nLから100nL、100nLから200nL、200nLから300nL、300nLから400nL、400nLから500nL、500nLから600nL、600nLから700nL、700nLから800nL、800nLから900nL、900nLから1μl、1μlから5μl、5μlから10μl、10μlから50μl、50μlから100μl、100μlから150μl、150μlから200μl、200μlから250μl、250μlから300μlである。パッドは、規則的な(規則正しく間隔をあけて)又は不規則的な態様のいずれかで配置してもよい。パッドは、単一の列で又は複数の列で配置していてもよい。好ましい実施形態では、パッドは、規則正しい態様であり、また、表面サイズは標準的なマイクロプレートのフォーマットに適合するように選択される。例えば、96の隆起パッドを有するアッセイプレートについては、1つが約9mmの中心間距離で、各隆起パッドの直径は約1から約8.5mmに制限され、384の隆起パッドを有するアッセイプレートについては、1つが約4.5mmの中心間距離で、各隆起パッドの直径は約0.5から約4.2mmに制限され、1536の隆起パッドを有するアッセイプレートについては、1つが約2.25mmの中心間距離で、各隆起パッドの直径は約0.05から約2mmに制限される。
上記の観点から、1536の隆起パッドを有する好ましいアッセイプレートは、約16の隆起パッド/cm2であろう。よって、50μmから2mmの直径の隆起パッドを有することができ、33ピコリットルから2μl/パッドの液体容量をそれぞれ保持する。また、隆起パッド間のピッチ及び距離は、好ましくは約0.225cmである。
384の隆起パッドを有する他の好ましいアッセイプレートは、約4の隆起パッド/cm2であろう。よって、0.5から4.2mmの直径の隆起パッドを有することができ、32nLから20μL/パッドの液体容量をそれぞれ保持する。また、隆起パッド間のピッチ及び距離は、好ましくは約0.45cmである。本発明においては、アッセイプレートは、少なくとも、10、50、150、200、250、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、2000、2500、3000、4000、5000又は6000パッドを含む。
シャープなエッジを有する隆起プラトー又はパッドの目的は、以下に示すように、隆起パッドの上面にサンプルを閉じ込めることである。この方法では、別々のサンプルが、アッセイプレート上の特定の位置に閉じ込めることができる。隆起パッドの高さ(基板表面とパッドの上面またはエッジとの間の距離)は、限定されないが、通常、約50 pmから約10 mmであり、より詳細には、約50μmから約5mm、約50μmから約1mm、約500μmから約5mm、約500μmから約1mm、約100μmから約300μm、約150μmから約250μm又は約200μmである。エッチング(例えば、サンドブラスト)されるガラス、石英及び他の材料では、隆起パッドは、エッチング方法のばらつきのために、種々の最大高さを有する最小高さとして特定されるかもしれない。
基板表面の高さ又は基板の厚みは、相当異なっていてもよい。基板は、特にベースプレートによって支持されるのであれば、非常に薄くてもよく、基板がベースプレートによってさらに支持されないのであれば、厚くてもよい。一般に、基板表面の高さは、通常限定されないが、10μmから約2cmである。ベースプレートを用いる場合、基板表面の高さは、例えば、10μmから約5mm、約10μmから約1mm、約10μmから約500μm、約100μm から約250μm、10μmから約100μm、約500μmから1mm、約1mmから5mm、約5mmから1cm又は約1cmから2cmであってもよい。基板表面又はベースプレートの高さは、一つには、所望の剛性および用いる材料の剛性及びプレートを取り扱う装置の規格に依存するであろう。
本発明の非筒の観点では、基板プレートは、その部位での生きた皮膚に直接適用するために、しなやかであるか又は可撓性である。この観点は、隆起パッド及びサンプルのアレイを有する基板プレートを、生きたホスト動物、例えば、齧歯動物(例えば、マウス、ラットなど)、鳥、イヌ、馬、牛、豚、やぎ、ウサギ、霊長類(モンキー又はサル及びヒトを含む)又はネコの皮膚に、付着させるか又はその他固定する(たとえば、スタラップ又は締め具)ことを含む方法を包含する。ある時間の後、プレートは取り除くことができ、パラメータを定量又は定性する。例えば、炎症の相対量、又はホイール及びフレアの程度、白血球の浸潤、又は他の細胞応答を測定することによって異なる成分を有するサンプルによって引き起こされる他の生物学的応答を測定することができる。また、皮膚を横切るサンプル成分の移動のための又はサイトカインの放出のような他の細胞応答因子を測定するための皮膚の生検を行うことができる。
図3は、サンプル収容面200上の小液滴302の部分断面図300である。通常、平滑な連続表面上に付着した液体302の容積は、それが平衡状態に達するまで広がる。この場合、液体302と表面との間の接触角は、平衡接触角(αeq)と呼ばれる。平衡接触角(αeq)が高ければ、液滴は基板304の表面上に玉のようになって付く。角が小さければ、滴はさらに遠くへ広がり、それらが詰まったアレイにおいて位置する場合、互いに容易に結合する。
平衡接触角(αeq)は表面の材料特性及びサンプル、特にシステムの相対表面エネルギー(γ)に依存する。
さらなる固体表面の領域ΔAを被覆する表面における液体の小さな外向きの移動を伴う表面自由エネルギーにおける変化、ΔGsは、
ΔGs=ΔA(γSL−γSV)+ΔAγLV cos(α-Δα) (1)
(式中、Sは固体を示し、Lは液相を示し、Vは気相を示し、固体、液体及び気体で満たされる角はそれぞれδ、α及びβである)
平衡で、
limΔA0(AGS/ΔA)=0 (2)
これは、平衡接触角
γSL−γSV+γLV cosα=0 (3)1
又は
α=αeq =cos-1[(γSL−γSV)/γLV] (4)
を示すヤングの方程式によって規定される。
従って、平滑な連続固体表面の平衡接触角は、システムの表面張力特性によって示される。上述の式は、隆起パッド104の中央に位置する非常に少量の液体の静力学を示す。
しかし、液体の量が隆起パッド又はプラトー104のエッジに広がるほど十分大量であれば、表面不連続、平衡の条件は、ギブスの不等式(図2参照)によって与えられる。
γLVcosα<γSV−γSL及びγLVcosβ≦γSL−γSV (5)2
γLV>0なので、ギブスの不等式は、
α≦αeq 及びβ≦π−αeq (6)2
になる。
δ+α+β=2πなので、
αeq≦α≦(π−δ)+αeq (7)2
(式中、(π−δ)は表面形状によって影響される項であり、αeqは、式4に示されたように、システムの表面特性によって規定される)
式3の支持は、Adamson, A. W及びGast, A. P Physical Chemistry of Surfaces sixth addition, John Wiley and Sons, Inc. NY, 1997 pg. 353において見出すことができ、一方、式5、6及び7の支持は、Dyson, D. C Contact line stability at edges: Comments on Gibbs Inequalities Phys. Fluids 31 (2), Feb. 1988 pp. 229-232において見出すことができる。ここに参照として双方を組み込む。
理想的なシャープなエッジを有する固体表面に供給された液体はエッジまで広がり、接触角は、(π−δ)+αeqの理論最大値までになると考えられる。垂直な壁を有する隆起プラトーの形状に対して、接触角は、最大限αeq+90°になり得る。
好ましい実施形態では、各隆起パッド104は、10μmより大きく、1cm未満の高さ206を有し、100μmから10mmの平均直径又は幅204を有する。より詳細には、好ましい実施形態は、各隆起パッド104が200μmから1mmの高さ、500μmから8mmの直径を有する隆起パッドを含む。また、好ましい実施形態では、直径204は、高さよりも大きく、サンプル収容面200と側壁208との角度(δ)は、好ましくは、90°以下である(代替の実施形態のために図5参照)。高スループットアッセイプレートについて、好ましいプレート当たりのパッドの数は、12、24、96、384又は1536以上である。本発明では、少なくとも10、50、150、200、250、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、2000、2500、3000、4000、5000又は6000パッドを有するアッセイプレートを含む。好ましい隣接パッド間の距離は、0.05mmから10 mm、0.1mmから5mm、0.1から1mm、0.25から0.75mm、0.25から1mm、0. 5mmから1mm、0.1mmから0.5mm、0.25から0.5mm、0.25から0.5mm、0.4から0.55mm及び約0.45から0.5mmである。シャープなエッジにおけるパッドの好ましい角度は、45から135°、より好ましくは75から120、さらに好ましくは75から90及び特に好ましくは90°である。しかし、不連続な表面であるならば、この角度は変化してもよく、表面現象はサンプルを含むためにさらに機能するであろう。
多くの有機溶媒のように低い表面エネルギーを有する流動体は、小さな平衡接触角を有する傾向があり、ガラス、金属及びプラスチック表面のような多くの従来の表面において広がる傾向にある。従って、本発明の隆起面形状は、プラトーのエッジにおいて液体の接触角を増大させる。これは、閉じ込められる大量の液体を小さな面積にすることを可能にし、よって、サンプルアレイの密度を高くすることができる。
上述した隆起面基板は、シャープなエッジのような表面不連続性を用いることによって低い表面張力流動体を含む欠点を解決する。これらの表面の不連続性は、サンプルの表面張力特性にかかわらず、サンプルを含むために非平衡接触角の発生を助ける。
図4Aは、本発明の他の実施形態によるアッセイプレートの平面図400であり、図4Bは側面図である。示されたこの実施形態は、384のサンプル収容面を有する標準的なサンプルアレイを含む。あるいは、96又は1536のサンプル収容面を有するアレイのようないずれかの他のアレイ(工業的標準又は非標準)を用いてもよい。384のサンプル収容面を有するアレイの実施形態では、各隆起パッドの直径204(図2)は、約4mmである。
他の実施形態では、サンプルプレート領域にわたって規則正しいアレイで分布した1536のパッドを有するプレートは、約1.8mmの直径を有するであろう。これらの直径は、2つの隣接する滴の接触を防止するとともに、製造の容易さから、少なくとも200μm、好ましくは隣接パッド間の間隔が約200から500μmを維持するために選択される。また、他の実施形態において、アッセイプレートは、封止又は密閉システムの部分を形成してもよい。
上述したように、アッセイプレートは、標準的なマイクロタイタープレートのサイズとしてもよい。他の実施形態において、アッセイプレートの直径は、約55cm×35cm、40cm×28cm、27cm×18cm、13cm×9cm又は7cm×5cmより小さく、あるいは、約12.7cm×8.5cmである。他の実施形態において、アッセイプレートの直径は、約3cm×2cm、6cm×4cm、12cm×8cm、24cm×16cm、48cm×32cmより大きく、あるいは約60cm×40cmより大きい。
図5は、本発明の他の実施形態によるアッセイプレート500の部分断面図である。アッセイプレート500は、図2に示したものとは異なる基盤表面を有する基板102を含む。図5は、本発明の複数の代替実施形態を示す。図5の実施形態のそれぞれは、独立した実施形態である。1以上の実施形態のいずれか1つ又はいずれかの組み合わせを含んでもよいし、本発明から除外してもよい。例えば、基板表面は、隆起パッド104から漏れ出すいずれかの過剰サンプルを基板表面から排出するように傾斜502を有していてもよい。あるいは、基板表面は、隆起パッド104から漏れ出す過剰のサンプルを集めるために又は隆起パッド104上のサンプルと反応させるために用いた他の流動体を含むために、1以上の穴504を有していてもよい。そのような穴504は、シッティング−ドロップ型実験のために特に有用である。
同様に、アッセイプレート500は、隆起パッド上に付着されたサンプルと相互作用させるために用いるほかの流動体を付着するための隆起パッド104間の隙間を利用するために設計することができる。さらに、孔506は、また、隆起パッド上に付着された成分と相互作用することができる蒸気、ガス又は液体反応物を導入するために(又は排出するため)あるいはアッセイプレートとアッセイプレートに積層されたサンプル(たとえば、組織または膜)との間に空所を作るために、隆起パッドからあふれるかもしれない液体の放流を提供するために隆起パッド間の間隔又はチャネルに提供することができる。他の実施形態では、孔は、隆起パッドに隆起パッドの表面からサンプルを供給又は除去するために供給することが提供される。また、孔は、隆起パッドに、プレートからのガス又は液体を導入又は除去するために提供される。また、隆起プラトー間のチャネルは、流動体が隆起パッドの上面を充填しない限り、所望により、第2の流動体で充填することができる。
また、隆起パッド104は、アンダーカット506を含んでいてもよく、つまり、サンプル収容面と側壁との間に90°未満の角度(δ)を有していてもよい。このアンダーカットは、パッド間の穴に、より大量の第2の流動体を望む場合、有利である。
さらに、隆起パッドアレイは、また、実験によって必要であるとしグループ化された種々の大きさのパッドを有し、不規則な配置で形成してもよい。例えば、種々の隆起パッド上の異なるサンプルが互いに相互作用又は反応する実験を行うために、より大きな及びより小さなパッドのグループを形成することができる。また、この実施形態は、シッティング−ドロップ型又は蒸気拡散及び結晶化実験によく適している。
図6は、経皮製剤実験において使用される図2に示したアッセイシステムの部分断面図である。この実施形態は、図2との関連において示され、説明されたアッセイプレート100の例示的な使用を示す。経皮製剤実験は、皮膚又は組織の層を通過してサンプルに含まれている化学物質の経皮的な伝達を確認するために行われる。組織標本606は、隆起面アッセイプレート100上のサンプル106を被覆する。貯留プレート600がサンプルの反対側の組織標本に固定されている。貯留プレートは、側壁601とともにウェル602を形成する孔を含む。ウェル間の固体材料は、上面604を有する。貯留プレートが組織サンプルに固定されたら、貯留メディウム603をウェルに添加する。
本発明のスクリーニングシステム及び方法は、限定されないが、経皮伝達デバイスの構成を含む、そのような組成物又は製剤のための所望の結果を達成するために、最適な組成物又は製剤を同定するために使用することができる。特に、本発明のシステム及び方法は、1)その組成物又は製剤のために所望の特性を達成するための1以上の活性成分及び1以上の不活性成分を含む最適な組成物又は製剤、2)薬物との適合性のための最適な接着物/エンハンサー/添加組成物、3)角質層を通過する薬物流動を最大限にするための最適な薬物/接着物/エンハンサー/添加組成物及び4)細胞毒性を最小限に抑えるための最適な薬物/接着物/エンハンサー/添加組成物を確認するために使用することができる。
本発明の方法は、サンプルの種々の形態を用いて行うことができる。一般に、その方法は、液状サンプル又は固体もしくは半固体サンプルのいずれかで行われる。
ここで用いられる「液体源」は、測定又は分析される1つの成分又は複数の成分を含有するサンプルが液体の形態であることを意味し、それは、限定されないが、液体、溶液、エマルジョン、懸濁液及びそこに分散された固体粒子を含む上記のいずれかを含む。
ここで用いられる「固体源」は、測定又は分析される1つの成分又は複数の成分を含有するサンプルが固体又は半固体の形態であることを意味し、それは、限定されないが、粉砕物、ゲル、フィルム、泡、ペースト、軟膏、接着物、高粘弾性液、そこに分散された固体粒子を含む高粘弾性液及び経皮パッチを含む。
ここで用いられる「液体」は、物質が流動する特性を示し、ほとんど又は全く散在する傾向がなく、かつ相対的に高い非圧縮性を有している物質の状態を意味する。この状態における物質又は物質の特定の本体である。
ここで用いられる「固体」は、明確な形状及び容積を有している物質を意味し、液体でも気体でもないものである。
ここで用いられる「半固体」は、部分的に固体及び部分的に液体の特性を有する物質を意味する。
ここで用いられる「半固体」は、部分的に固体及び部分的に液体の特性を有する物質を意味する。
ここで用いられる「溶液」は、全てがともに溶解した2以上の物質の化学的に均一な混合物を意味する。
ここで用いられる「ゲル」は、通常、半透明で、非脂肪性のエマルジョン又は懸濁半固体を示す。通常、三次元、架橋マトリクスを与える十分量のゲル化剤を含む。通常、親水性で、スターチ、セルロース誘導体、カルボマー、マグネシウム、アルミニウム珪酸塩、キタンタンガム、コロイダルシリカ、アルミニウム又は亜鉛石鹸のようなゲル化剤の十分量を含む。
ここで用いられる「エマルジョン」は、第1が混合しないであろう第2液中での1液体の少量の懸濁液を示す。
ここで用いられる「懸濁液」は、微粒子が、浮力によって支持されている流動体中に懸濁されているか、または互いに相互作用することを立体的に妨げられており、よって、空間中で分離されて留まっている混合物を示す。
ここで用いられる「軟膏」は、一般に>50%の炭化水素ベース又はポリエチレングリコールベースの媒体及び<20%の揮発成分を含有する、不透明又は半透明で、粘着性で、脂肪性のエマルジョン又は懸濁半固体を示す。濃稠で、半透明又は不透明であり、滴が平坦な表面に配置した場合、硬い突出部を保持する。通常、脂肪親和性で、LOD(乾燥減量)による測定によって20%の揮発成分を有する。
ここで用いられる「クリーム」は、<50%の炭化水素又はポリエチレングリコールの媒体及び/又は>20%の揮発成分を含有する、不透明で、粘着性で、非脂肪性から少し脂肪性のエマルジョン又は懸濁半固体を示す。2種のタイプのクリームがある。連続相として水を含有する親水性クリーム及び連続相として油を含有する親油性クレームである。クレームは、濃稠で、半透明であり、滴が平坦な表面に配置した場合、柔らかいから硬い突出部を保持する。親水性クリームは連続相として水(水相)を含む。親油性クレームは連続相として油(親油相)を含む。
ここで用いられる「ペースト」は、不透明で、粘着性で、非脂肪性から少し脂肪性の半固体で、皮膚への外用のために用量形態を示し、それは、大きな割合(つまり、20から50%)の水性又は脂肪性媒体中にきれいに分散された固体を含む。ペーストは非常に粘稠で、不透明であり、滴が平坦な表面に配置した場合、硬い突出部を保持する。水性又は脂肪性媒体中に分散された固体を大きな割合(20から50%)で含む。
ここで用いられる「泡」は、液体フィルムのマトリクス中の空気又はガスの気泡のかたまり、特に、振動又は醗酵からのような液体の表面中又は表面上の微細で、泡状の気泡形態の蓄積を示す。
ここで用いられる「粉砕物」は、摩擦又は粉砕により完全に破砕及び混合された混合物を示す。
ここで用いられる「粘弾性液」は、粘弾特性を示す、つまり、粘性と弾性特性を有する液体を意味する。
ここで用いられる「貯留媒体」は、本発明の装置又は方法において使用されるサンプル及び組織中の成分と化学的に適合性のある液体、溶液、ゲル又はスポンジを示す。本発明の一実施形態では、貯留媒体は、組織障壁を横切る成分の移動、流出又は拡散を測定又は分析するために採取された標本の一部を含む。好ましくは、貯留媒体は、液体又は溶液である。
ここで用いられる用語「アレイ」又は「サンプルアレイ」は、共通実験下に関連した複数のサンプルを意味し、各サンプルは、1又は少なくとも2、3、4又はそれ以上の成分を含んでいてもよく、少なくとも1つの成分は活性成分とすることができる。本発明の一実施形態では、サンプル成分の一つは「共通成分」であり、それは、ここで用いられる陰性対照を除くアレイの全てのサンプルに存在する成分を意味する。用語「サンプル」は、例えば、n=2、3、4、5、6以上である場合の複製(replicate)を含む。
組織を横切る移動又は流動の測定に指向する本発明の一つの観点では、組織標本とサンプルとの間に空洞部分が形成されるのを避ける方法で、組織標本のシートをサンプルのアレイ上に配置する(サンプルをアッセイプレートの隆起パッドサンプル収容面上に配置する)。好ましい実施形態では、サンプルは、はじめに乾燥するか又は部分的に乾燥する。あるいは、サンプルを乾燥し、追加のサンプルを加え、十分量のサンプルが隆起パッド上に留まるまで再度乾燥する。また、複数のサンプルをパッド表面に積層してもよい。一実施形態では、各層は、次の層が重ねられる前に乾燥する。
組織は、皮膚、肺、気管、鼻、胎盤、膣、直腸、結腸、腸、胃、膀胱又は角膜組織のような組織のシートが好ましい。また、葉、茎、根組織を含む植物組織も本発明に含まれる。また、合成組織及び膜も本発明に含まれる。好ましくは、組織は、皮膚組織又は角質層である。ヒトの死体の皮膚を組織として用いる場合、組織標本を調製する一つの公知の方法は、2分間、60℃の水中にそれを保持することによる加熱分離、その後の表皮の除去及び加湿チャンバ中、4℃で保存することを必要とする。表皮の片は、実験前にチャンバから取り出し、基板プレート上に配置する。組織は、任意に、いかなるダメージをも避け、及びインビボで皮膚が機械的に強い真皮によって支持されているという事実を擬態するために、ナイロン・メッシュ(テルコ・インク)によって支持してもよい。あるいは、他のタイプの組織(生きた組織外植片、動物の組織(例えば、齧歯類、ウシ亜科又は豚)又は設計された組織等価物を含む)を用いてもよい。適切に設計された組織の例は、DERMAGRAFT(アドバンス・ティシュー・サイエンス・インク)を含み、これらは、米国特許第5,266,480号に開示されている(ここにそれを参照として組み込む)。
本発明の他の実施形態では、組織細胞は、隣接サンプル間の組織標本を通る横方向の拡散を防止するために、サンプル壁間をカットすることによって多数の画分に分割する。カットは、機械的スクライビング又は切断、レーザー切断あるいはクリンピング(例えば、プレート間及び/又「ワッフル・アイロン」型エンボス加工用ツールを用いることによって)を含むいずれの方法によって行ってもよい。皮膚標本のひずみやダメージを引き起こし得る切断ツールからの機械的な圧力を避けるために、レーザースクライビングを用いることが好ましい。レーザー切断は、サンプルを比較的高密度にしておき及び組織標本の利用をより有用にする非常に小さな切り口により行う。レーザー・ツールは、最小限の加熱変化領域しかもたらさずに利用することができ、よって、組織標本のダメージを低減させることができる。
貯留プレートと呼ばれる、1以上の貯留層をそこに規定する部材(図7)は、組織又は皮膚標本の上に配置される。各貯留層は、隆起パッド上にサンプルの直径と同じかそれより小さい直径を有する開口を有していることが好ましい。小さいな直径は、プレート上面とその下の組織標本との間を密閉する点で有利かもしれず、よって、貯留層中の流動体メディウムの保持を助ける。
貯留プレート701(図7)は、アッセイプレート上の隆起パッドと整合するプレートを貫通する孔702を有するプレートである。通常、必須ではないが、多数の孔は、隆起パッドの数と等しい。貯留プレートは、さらにガイドピンのための孔703、基板及びベースプレートに貯留プレートを固定するための孔704ならびに方向付けピンのための孔705を含んでいてもよい。あるいは、ピンは、基板プレートに、対応する孔を固定するために貯留プレートから拡張していてもよい。貯留プレートを整合させるためのほかの手段を用いてもよい。貯留プレートは、組織の上面、つまり基板プレートとは反対の組織側の上に配置する。貯留プレートが適所に固定された場合、貯留プレートの孔は、組織が、収容プレートにおける孔から各隆起パッドを分離するように隆起パッドサンプル収容面上に整合される。貯留プレートは、締め具、ビス、ファスナー、磁石又はいずれか他の適当な付着手段を用いて基板プレートに固定する。プレートは、組織と組織に向かい合う貯留プレートの側との間に液体の強固なシールを形成するように適当な圧力で固定することが好ましく、よって、隆起パッドサンプル収容表面の上面に整合された貯留層又は壁を再形成する。各貯留層は、サンプル成分又は貯留層に組織を横切って拡散させる成分を収納するため、生理食塩水のような貯留メディウムが充填されている。一実施形態では、貯留メディウムは、PBS中約2%のBSA溶液である。
流動体メディウムを貯留層に添加した後、適当なときに又は複数の時間間隔で、流動体メディウム量を貯留層から取り出し、組織標本を横切るサンプル中の化学物質の移動を測定するために用いる。さらに、実験中の皮膚の水和維持を助けるために、水を隆起パッド間の隙間チャネルに添加してもよい。隆起パッドは、パッドに電極を取り付け、絶縁材料でプレートの残部の全てを被覆することによって、アドレス可能な電極として機能させることもできる。本発明の一実施形態では、貯留メディウムの蒸発を遅らせるために、貯留プレートの上面に蓋を配置してもよい。
第1の例示経皮デバイスを図8Aに示す。図8Bに示した第2の例示経皮デバイスは、デバイスを固定するためのガイドピン802及び貫通孔803を有するマグネット製ベースプレート801を示す。マグネット804は、ベースプレートの上面に配置されており、続いて、384の隆起パッドサンプル収容面のアレイを有する基板プレートが配置されている。組織サンプル806が、隆起パッドサンプル収容面のアレイ上のサンプル(サンプルは図示せず)のアレイを有する基板プレートを被覆している。384穴の貯留プレート807が組織サンプルの上面に配置されている。固定されると、貯留流動体が組織サンプルの上面の貯留プレートに配置することによって形成される貯留層又はウェルに添加される。任意に、蓋808を貯留流動体の蒸発を防ぐ又は遅らせるために貯留プレートの上面に配置してもよい。
組織を横切るサンプルウェルからの成分の移動又は流出(つまり、組織障壁移動又は拡散)は、貯留層から採取した標本の成分濃度を測定することによって分析することができる。異なるサンプル/貯留層から採取した測定物の比較により、所望の成分(例えば、医薬)の組織移動又は拡散を改善するための最適なサンプル組成物を決定する助けとなる。
使用において、図8A及び8Bの経皮デバイスは、アレイの隆起パッドサンプル収容面上の組織下に貯留プレート及びサンプルがある場合、貯留層中のサンプル組織の上に貯留メディウムを含有する。
ここで用いられる「活性成分」は、組成物又は製剤が意図する目的のために使用される場合、組成物又は製剤に主要な有用性を付与する物質又は化合物を意味する。活性成分の例は、医薬品、食事補充物、代替医薬又は栄養補助食品を含む。活性成分は、任意に、感覚化合物(sensory compound)、農薬(除草剤、殺虫剤及び肥料を含む)、消費者製品製剤の活性成分又は工業製品製剤の活性成分を含むことができる。ここで用いられる「不活性成分」は、活性成分の投与のための組成物又は製剤において機能するために有用又は場合によっては有用であるが活性成分の活性特性を顕著に有さない、あるいは組成物又は製剤の主要な有用性を生じさせない成分を意味する。適当な不活性化合物の例は、限定されないが、エンハンサー、賦形剤、担体、溶媒、希釈剤、安定剤、添加剤、接着剤及びそれらの組み合わせを含む。
ここで述べた本発明によれば、成分の「物理的状態」は、成分が液体又は固体であるか否かによって最初に定義される。成分が固体であれば、物理的状態は、さらに、粒子径及び成分が結晶か又は非晶質かによって定義される。成分が結晶であれば、物理的状態は、さらに、(1)結晶マトリックスが共付加物を含むか否か、あるいは結晶マトリクスが本来共付加物を含むが、共付加物は隙間を残して除去されたか否か、(2)結晶癖、(3)
形態、つまり結晶癖及び大きさ分布及び(4)内部構造(多形)に分けられる。共付加物において、結晶マトリクスは、付加物、例えば、結晶化溶媒又は水、つまり、溶媒和物又は水和物の化学量論比又は比化学量論比量のいずれかを含むことができる。非化学量論比の溶媒和物又は水和物は、含有物またはキレートを含み、つまり、そこには、溶媒和物又は水が結晶マトリクス、例えば、チャネル内で任意の間隔で捕捉されている。化学量論比の溶媒和物又は水和物は、結晶マトリクスが、特定の割合で特定の部位に溶媒又は水を含む。つまり、溶媒又は水分子が、規定された配置において、結晶マトリクスの一部をなしている。さらに、結晶マトリクスの物理的状態は、結晶マトリクス内に本来存在する共付加物を除去することによって変化させることができる。例えば、溶媒又は水を溶媒和物又は水和物から除去すると、孔が結晶マトリクス中に形成され、よって、新たな物理的状態が形成される。結晶癖は、個々の結晶の外観描写であり、例えば、結晶は、立方体、正方晶、斜方晶、単斜晶、三斜晶、偏菱形又は六方晶形状を有することができる。加工特性は、結晶癖によって変化する。結晶の内部構造は、結晶形又は多形を示す。ある化合物は、異なる多形、つまり、得々の結晶種として存在するかもしれない。一般に、ある化合物の異なる多形は、2つの異なる化合物の結晶であるように、構造及び特性において異なる。溶解性、融点、密度、硬度、結晶形状、光学的及び電気的特性、蒸気圧及び安定性など、多形形態で全て異なる。
上述したように、共通の成分は、医薬品、食事補充物、代替医薬、栄養補助食品、農薬、他の化学物質又は重要な分子のような活性成分あるいは不活性成分のいずれかとすることができる。本発明の好ましい実施形態では、共通成分は、活性成分であり、より好ましくは医薬品である。ここで用いられる用語「医薬品」は、動物又はヒトに投与する場合、治療、疾患、予防、診断又は予防作用を有するいずれかの物質又は化合物を意味する。用語医薬品は、処方薬及び大衆薬を含む。本発明の使用のために適当な医薬品は、公知の又は開発中の全てを含む。
種々のタイプの浸透エンハンサーを、薬物の経皮移動を高めるために使用することができる。浸透エンハンサーは、化学的エンハンサー及び機械的エンハンサーにわけることができ、それぞれについて以下により詳細に説明する。
化学的エンハンサーは、種々のメカニズムによって、組織又は膜を横切って分子移動速度を改善する。本発明において、化学的エンハンサーは、角質層の障壁特性を低減させるために用いることが好ましい。薬物相互作用は、薬物をより浸透可能な状態に変更することを含み(プロドラッグ)、それは、よって、体内で、その本来の形態に代謝する(6−フルオロウラシル、ヒドロコーチゾン)(Hadgraft, 1985)か、あるいは、薬物の溶解性を増大させるであろう(エタノール、プロピレングリコール)。多大な研究にもかかわらず(200種以上の化合物が研究されている)(Chattaraj and Walker, 1995)、いまだに分子移動の化学的な増強のための一般的に適用可能なメカニズムについての理論がない。化学的エンハンサーにおける公知の研究のほとんどは、主として経験及び手探りベースに基づいて行われている (Johnson, 1996)。
本発明において使用された化学的エンハンサーの多くの異なる分類が確認されており、それらは、カチオン性、アニオン性、非イオン性界面活性剤(ドデシル硫酸ナトリウム、ポリオキサマー;脂肪酸及びアルコール(エタノール、オレイン酸、ラウリン酸、リポソーム);抗コリン作用薬(臭化ベンジロニウム、臭化オキシフェノニウム);アルカノン(n−ヘプタン);アミド(尿素、N,N−ジエチル−m−トルアミド);脂肪酸エステル(n−ブチラート);有機酸(くえん酸);ポリオール(エチレングリコール、グリセロール);スルホキシド(ジメチルスルホキシド)及びテルペン(クロロヘキサン)を含む(Hadgraft and Guy, 1989; Walters, 1989; Williams and Barry, 1992; Chattaraj and Walker, 1995)。これらエンハンサーのほとんどは、皮膚又は薬物のいずれかと相互作用する。皮膚と相互作用するこれらのエンハンサーは、ここで「脂質浸透エンハンサー」と称し、「皮膚との相互作用を含む」は、脂質二分子層(アゾン、エタノール、ラウリン酸)の破壊を引き起こし、角質層内の蛋白に結合し及び破壊し(ドデシル硫酸ナトリウム、ジメチルフスホキシド)又は脂質二分子層を水和する(尿素、臭化ベンジロニウム)、角質層を仕切るエンハンサーを含む。他の化学的エンハンサーは、その賦形剤中での薬物の溶解性を増加させることによって薬物の経皮伝達を増加させるために作用する(以後、「溶解性エンハンサー」と称する)。脂質透過エンハンサー、溶解性エンハンサー及びエンハンサーの組み合わせ(「二元システム」と称する)を以下に詳細に述べる。
脂質を通過する透過率を高める化学物質は、公知であり、市販されている。例えば、エタノールは、ある薬物の溶解性を10000倍まで増大させ、エストラジオールの流動増加を140倍にする一方、不飽和脂肪酸は、脂質二分子層の流動性を増大させる((Bronaugh and Maibach, editors (Marcel Dekker 1989) pp. 1-12)。脂質二分子層を破壊する脂肪酸の例は、リノール酸、カプリン酸、ラウリン酸及びネオデカン酸を含み、それらは、エタノール又はプロピレングリコールのような溶媒中に存在することができる。脂質二分子層破壊剤を利用する公表された浸透データの評価は、親油性化合物の浸透エンハンサーの大きさ依存性の観察に非常に一致する。プロピレングリコール中の3種の二分子破壊化合物、カプリン酸、ラウリン酸及びネオデカン酸の浸透エンハンサーがAungstら(Pharm. Res. 7,712-718 (1990))によって報告されている。彼らは、ヒトの皮膚を通過する4種の親油性化合物、安息香酸 (122 Da)、テストステロン(288 Da)、ナロキソン (328 Da)及びインドメタシン (359 Da)の浸透率を試験した。各薬物に対する各エンハンサーの浸透率の増強は、Ec/pg=Pe/pg/Ppg(式中、Pe/pgはエンハンサー/プロプレングリコール製剤からの薬物の浸透率であり、Ppgはプロピレングリコール単独での浸透率である)によって算出された。
リノール酸のような不飽和脂肪酸は皮膚の浸透率を高めることによる主なメカニズムは、細胞内脂質ドメインを破壊することによる。例えば、オレイン酸のような不飽和脂肪酸の詳細な構造研究が、示差走査熱分析(Barry J. Controlled Release 6,85-97 (1987) )及び赤外分光学 (Ongpipattanankul, et al., Pharm. Res. 8,350-354 (1991); Mark, et al., J. Control. Rd. 12, pgs. 67-75 (1990))を利用して行われた。オレイン酸は、高い規則性のSC脂質二分子層に障害を起こし、細胞内ドメインにおける油様相の分離を起こす可能性があることが見出された。不飽和脂肪酸又は他の二分子層の破壊によるSC脂質二分子層の障害は、流動体層脂質二分子層と似た性質であるかもしれない。
分離された油層は、バルクの油層に類似する性質を有するはずである。流動体二分子層及びバルクの油相の輸送について多くが知られている。特に、流体相、例えば、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)二分子層(bilayer Clegg and Vaz In "Progress in Protein-Lipid Interactions "Watts, ed. (Elsevier, NY 1985) 173-229;Tocanne, et al., FEB 257,10 -16 (1989) )及びバルク油相(Perry, et al., "Perry's Chemical Engineering Handbook" (McGraw-Hill, NY 1984) )における拡散係数は、SCにおけるそれよりも大きく、より重要なことには、それらは、SC輸送のそれよりのかなり弱いサイズ依存性を示すことである(Kasting, et al., In "Prodrugs: Topical and Ocular Delivery" Sloan. ed. (Marcel Dekker, NY 1992) 117-161;Ports and Guy, Pharm. Res. 9,663-339 (1992); Willschut, et al. Chemosphere 30, 1275-1296 (1995))。その結果、ある溶質の拡散係数は、DMPCのような流体二分子層又はバルクの油相において、SCにおけるよりも大きいであろう。SC輸送の強いサイズ依存性のために、SC脂質における拡散が、より大きな化合物に対して非常に遅く、一方、流体DMPC二分子層及びバルクの油相における輸送は、より大きな化合物に対して適度に遅いのみである。SCにおける拡散係数とDMPC二分子層及びバルクの油相における拡散係数との間の差異は、より大きな溶質に対しては大きく、より小さい化合物に対しては小さいであろう。従って、SC脂質二分子層を流体二分子層又は分離したバルクの油相へ輸送することができる二分子層破壊化合物の増強能は、小さい化合物に対する小さい透過率の増強及び大きな化合物に対する大きな増強を伴う、サイズ依存性を示すに違いない。
薬物の経皮伝達を増大させる他の方法は、その賦形剤中での薬物の溶解性を増加させる化学的な溶解性エンハンサーを用いることである。これは、異なる賦形剤を導入することによる薬物−媒体相互作用を変化させるか、薬物の結晶化度を変化させることのいずれかによってなし得る(Flynn and Weiner, 1993)。
溶解性エンハンサーは、水、ポリエチレングリコール及びグリセロールのようなジオール;エタノール、プロパノール及び高級アルコールのようなモノアルコール;DMSO;ジメチルフォルムアミド;N,N−ジメチルアセトアミド;2−ピロリドン;N−(2−ヒドロキシエチル)ピロリドン、N−メチルピロリドン、1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン及び他のN−置換−アルキル−アザシクロアルキル−2−オンを含む。
組織障壁を横切る活性成分又は薬物の伝達のためのいくつかのデバイス、特に経皮パッチのような経皮伝達デバイスは、一般に、接着剤を含む。接着剤は、しばしば、活性成分又は薬物が溶解又は分散されたマトリクスを形成し、もちろん、皮膚のような組織に密接に接触するデバイスを保持することを意味する。活性成分又は薬物と接着剤との適合性は、接着剤におけるその溶解性によって影響される。保存又は使用において引き起こされたいずれかの過飽和状態は、一般に、接着剤マトリクス内での活性成分又は薬物の析出に対して非常に安定である。高い溶解性は、組織を通過する透過のための駆動力を増大させるために接着剤に望まれ、デバイスの安定性を向上させる。
いくつかの種類の接着剤が用いられ、それぞれは、多くの接着剤の可能な形態を含む。これらの種類は、ポリイソブチレン、シリコーン及びアクリル系接着剤を含む。アクリル系接着剤は、多くの誘導体化形態で有用である。よって、しばしば、どの接着剤がいずれの特定の薬物及びエンハンサーに使用するのに最適であるかを選択することが非常に困難な問題となる。一般に、経皮伝達に用いたすべての成分を、溶媒に溶解し、プラスチックの裏打ち材料上にキャストするか被覆した。溶媒の蒸発により、薬物含有接着フィルムを残す。本発明は、サンプル組成物又は製剤における接着剤の種々のタイプおよび量の作用を迅速かつ効率的に試験することを可能にする。
活性成分、担体又は接着剤用の溶媒は、生体適合性ならびに溶解すべき材料の溶解性に基づいて選択され、伝達されるべき活性成分又は剤と適切に相互作用する。例えば、活性成分又は剤を溶媒に溶解することの容易さ及び伝達されるべき活性成分又は剤の溶媒の不利益な作用がないことは、溶媒の選択を検討する因子である。水性溶媒を、水溶性ポリマーから形成されるマトリクスを形成するために使用することができる。有機溶媒は、一般に、疎水性及びいずれかの親水性ポリマーを溶解するために使用されるであろう。好ましい有機溶媒は、メチレンクロライドのように、揮発性で、比較的低い沸点を有し、あるいは真空下で除去することができ、微量でヒトに投与するために許容される。エチルアセテート、エタノール、メタノール、ジメチルフォルムアミド(DMF)、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸、ジメチルスホキシド(DMSO)及びクロロホルムならびにそれらの組み合わせのような他の溶媒も利用することができる。好ましい溶媒は、the Federal Register vol. 62, number 85, pp. 24301-24309 (May 1997)に公開されているように、FDAによってクラス3残留溶媒としてランク付けされたものである。薬物のための溶媒は、一般に、蒸留水、緩衝生理食塩水、ラクトリンゲル液又はいずれかの医薬的に許容される媒体であろう。
本発明のスクリーニング方法は、例えば、1)その組成物又は製剤のために所望の特性を達成するための1以上の活性成分及び1以上の不活性成分を含む最適な組成物又は製剤、2)薬物との適合性のための最適な接着物/エンハンサー/添加組成物、3)角質層を通過する薬物流動を最大限にするための最適な活性成分又は薬物/接着物/エンハンサー/添加組成物及び4)細胞毒性を最小限に抑えるための最適な活性成分又は薬物/接着物/エンハンサー/添加組成物を確認する。
上述したように、本発明の組織障壁移動デバイスを用いる好ましい方法は、直接又は間接に、隆起パッド上のサンプルから貯留プレートの貯留層に組織を通って拡散する成分(例えば、医薬品)の存在、不存在又は濃度を測定することを必要とする。その測定は、当業者に公知の種々の方法によって行うことができる。例えば、分光器技術のいずれかの知識を、共通成分の存在、不存在又は濃度を測定するために用いることができる。適当な測定技術は、限定されないが、HPLC、分光法、赤外分光法、近赤外分光法、ラマン分光法、NMR、X線回折、中性子線回折、粉末X線回折、放射線標識及び放射能を含む。一つの例示的な実施形態では、限定されないが、ヒトの皮膚を通過する活性成分(例えば、薬物)の能動透過率を、微量の放射線標識した活性成分又は薬物を用いて測定することができる。
透過率の値は、関係式P=(dNr/dt)/(ACd)(式中、Aはサンプルに到達可能な組織の表面積、Cdはサンプル中の成分又は薬物濃度、Nrは受容貯留層に透過した成分又は薬物の累積量である)から定常状態の条件下で算出することができる。
本発明の好ましい実施形態によれば、不均一な組織画分又は組織欠陥に関連する拡散データは、不正確な測定を避けるために廃棄することができる。あるいは、組織画分の欠陥の作用が特徴付けられ及び/又は定量された場合、関連する拡散測定は、欠陥を説明するために数学的に調整することができる。本発明の他の実施形態では、組織標本の欠陥は、それらの位置を被覆するワックスを印刷するために指示するインクジェットプリンターに、その欠陥位置を与えることによって、修復される。
本発明の特定の実施形態の先の記載は、描写又は説明の目的のために存在する。
それらは、網羅的に表すことを目的としているものでも、本発明を開示された正確な形態に限定することを目的としているものでもない。明らかに、多くの変更及び変形が上記技術の観点において可能である。例えば、基板は、サンプルアレイを実験設定に機能して適合し得るように、特に、アレイベースの経皮増感試験の間、動物の皮膚において、インビボで用いることができるように可撓性をすることができる。また、サンプル収容面のトポロジー及び粗さは5μm未満とすべきである。実施形態は、本発明の原理の最良の説明及びその現実の適用のために選択及び詳述しており、よって、他の当業者に本発明を最良に利用することを可能にし、種々の変更を伴う種々の実施形態が、企図される特別な使用に適当である。さらに、方法における工程の順序は、一連のレイアウトにおいて行わなくてもよい。ここに開示された各実施形態を、本発明の実施形態として含むことができ、ここに説明された各実施形態は、クレームしたように本発明から特に除外してもよい。本発明の観点は、以下の請求項及びそれらの均等物によって規定されることを意図する。さらに、上記で引用したいずれの参照文献も、参照としてここに組み込む。

Claims (15)

  1. 基板表面を有する基板と、
    該基板表面から拡張し、その部位での実験のためにその上でサンプルを保持するために形成された実質的に平面のサンプル収容面を有する少なくとも1つの隆起パッドとを含むアッセイプレート。
  2. a)サンプル収容面は少なくとも1つのシャープなエッジを有し、
    b)隆起パッドは、サンプル収容面を基板表面に連結する少なくとも1つの側壁を含み、
    c)サンプル収容面の形状は、円、楕円、正方形、四角形、三角形、五角形、六角形、八角形、多角形、不定形又はそれらのいずれかの組み合わせであり、
    d)サンプル収容面は、サンプルの所定量を保持する大きさであり、
    e)プレートは隆起パッドのアレイを含み、
    f)サンプル収容面は、10μmから1cmの直径を有し、
    g)サンプル収容面の直径は、サンプル収容面を基板表面に連結する側壁の高さよりも大きく、
    h)基板表面は、実質的に平面で水平であり、
    i)隆起パッド及び基板は一体的に形成されており、
    j)隆起パッドは、金属、スチール、チタン、珪素、ポリマー、プラスチック、ガラス、石英、セラミック又はそれらのいずれかの組み合わせから形成されており、
    k)基板は、金属、スチール、チタン、珪素、ポリマー、プラスチック、ガラス、石英、セラミック又はそれらのいずれかの組み合わせから形成されており、
    l)隆起パッドの周囲の領域は、基板からエッチングされており、
    m)隆起パッド及び基板は、エッチングされているか、機械加工されているか、射出成型されているか又は鋳造されており、
    n)アッセイプレートは、隆起パッドに隣接する基板中に少なくとも1つの穴を含み、
    o)基板表面は傾斜しており、
    p)プレートはさらに少なくとも基板を貫通する少なくとも1つの孔を含み、
    q)基板は、可撓性であり、又は
    r)サンプル収容面の粗さは5μm未満である
    請求項1のアッセイプレート。
  3. (b)において、側壁とサンプル収容面との間の角度は45から135°である請求項2のアッセイプレート。
  4. (b)において、側壁とサンプル収容面との間の角度は約90°である請求項2のアッセイプレート。
  5. (e)において、さらに、24、96、384又は1536の隆起パッドを含む請求項2のアッセイプレート。
  6. a)サンプル収容面は、98の隆起パッドを有するアッセイプレートに対して1から8.5mmの直径を有するか、
    b)サンプル収容面は、384の隆起パッドを有するアッセイプレートに対して0.5から4.2mmの直径を有するか、又は
    c)サンプル収容面は、1536の隆起パッドを有するアッセイプレートに対して0.05から2mmの直径を有する請求項5のアッセイプレート。
  7. 基板の基板表面から拡張する複数の隆起パッドを含み、各隆起パッドは、その部位での実験のためにその上でサンプルを保持するために形成された実質的に平面のサンプル収容面を含むアッセイプレート。
  8. 基板の表面から拡張する隆起パッドを有する基板を準備し、該隆起パッドは、その上にサンプルを収容するために形成された実質的に平面のサンプル収容面を有し、
    隆起パッド上にサンプルを付着させ、
    隆起パッド上でサンプルを用いて実験を行うこと含むアッセイプレートの使用方法。
  9. さらに、実験を行う前にサンプルを乾燥することを含む請求項8の方法。
  10. さらに、乾燥後、隆起パッド上に異なるサンプルを付着させ、該異なるサンプルを乾燥することを含む請求項9の方法。
  11. さらに、乾燥後、隆起パッドの上にサンプルを再付着させ、該サンプルを再乾燥することを含む請求項9の方法。
  12. 付着は、サンプル収容面から実質的にあふれさせることなく、パッド上に、隆起した液滴を形成するために十分なサンプル量を付着させることを含む請求項8の方法。
  13. 形成が、基板と隆起パッドとを形成するために材料をエッチングすることを含む請求項8の方法。
  14. 形成が、隆起パッドと基板とを射出成型するか又は鋳造することを含む請求項8の方法。
  15. さらに、サンプルに膜又は組織を被覆することを含む請求項8の方法。
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