JP2007001299A - 空隙部充填用棒状予備賦形物ならびにその製造方法および製造装置 - Google Patents

空隙部充填用棒状予備賦形物ならびにその製造方法および製造装置 Download PDF

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晃之助 山本
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浩司 小谷
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Abstract

【課題】本発明の課題は、様々な断面や形状の空隙部に適用可能な棒状予備賦形物、ならびにその製造方法および製造装置を提供することにある。
【解決手段】プリフォームの空隙部に補強材として充填される棒状予備賦形物であって、該棒状予備賦形物は、強化繊維からなる一方向織物の基材で構成され、該基材の端部が該棒状予備賦形物の内部になるように折り込まれているとともに横糸方向に3回以上折り畳まれた断面形状を有し、さらに該棒状予備賦形物は、長手方向に曲げ剛性が変化していることを特徴とする空隙部充填用棒状予備賦形物。
【選択図】図1

Description

本発明はプリフォームのジョイント部に補強材として挿入される繊維構造体からなる長手方向に断面変化、もしくは剛性変化を有する空隙部充填用棒状予備賦形物ならびにその製造方法および製造装置に関する。
RTM(Resin Transfer Molding)成形で用いられる3次元立体構造プリフォームの空隙部を充填するために棒状予備賦形物を挿入する方法が知られている。例えば、連続強化繊維束をアセトン、水で希釈したスタビライザー槽内を通過させ、その後、型締め、加熱、冷却することで得る棒状予備賦形物及びその製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、集束された2本以上の連続した糸条の集束体からなる心材と、横断面楔形形状の心材の外周面に密着するように外周面側から覆い、かつ前記心材の長手方向に沿い、前記心材の周りに筒状をなして織成された連続糸条からなる外被部材からなり、この外被部材と前記心材が一体化されてなる棒状予備賦形物およびその製造方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、これらの方法では長手方向に全ての一方向炭素繊維が連続的に炭素繊維束が入っているため、任意の断面変化や屈曲部がある空隙部に対して追従できないとか、一方向炭素繊維を芯材またはボビンからそのまま用いているため該炭素繊維束や束間は隙間が小さく樹脂含浸不良を引き起こすなどの課題を抱えていた。
また、上記課題を解決するために、三次元組みひも組織で断面変化がある棒状予備賦形物が提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、前記三次元組みひも組織を構成する繊維束は炭素、ガラス、アラミド、アルミナ等の弾性率の高い繊維で構成されていることが多く、前記繊維束が長手方向に対してある角度をもって配列されている構造のため、小さな曲率半径や頂点を有する断面の充填は苦手である。また、繊維束部周辺の空隙面積が大きいために、繊維束と周辺の含浸係数が大きく異なり、樹脂の回り込みが発生しやすく、樹脂注入成形で使用する場合はボイドができる懸念がある。つまり、曲率が小さい断面(三、四角形、楔形、星形等)で長手方向に断面変化を有する成型品の充填は困難となる。また、全長方向に繊維が連続しているため組みひも自体を急峻な角度に折り曲げることも困難である。
アメリカ特許明細書第5650229号 特許第3549271号公報 特許第3591347号公報
本発明の課題は、様々な断面や形状の空隙部に適用可能な棒状予備賦形物、ならびにその製造方法および製造装置を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明は、以下の構成を採用する。すなわち、
(1)プリフォームの空隙部に補強材として充填される棒状予備賦形物であって、該棒状予備賦形物は、強化繊維からなる一方向織物の基材で構成され、該基材の端部が該棒状予備賦形物の内部になるように折り込まれているとともに横糸方向に3回以上折り畳まれた断面形状を有し、さらに該棒状予備賦形物は、長手方向に曲げ剛性が変化していることを特徴とする空隙部充填用棒状予備賦形物。
(2)前記棒状予備賦形物が、長手方向に断面変化を有している前記(1)に記載の空隙部充填用棒状予備賦形物。
(3)前記棒状予備賦形物は、長手方向に曲げ剛性が変化する部分を有している前記(1)に記載の空隙部充填用棒状予備賦形物。
(4)前記一方向織物基材は粒子状、繊維状、またはフィルム状の樹脂が少なくとも片面に部分的に配置されていることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の空隙部充填用棒状予備賦形物。
(5)前記樹脂が熱可塑性樹脂であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の空隙部充填用棒状予備賦形物。
(6)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の空隙部充填用棒状予備賦形物を空隙部に充填したプリフォーム。
(7)断面がI、T、J、L、またはC型の桁材製造用である前記(6)に記載のプリフォーム。
(8)前記(6)または(7)のいずれかに記載のプリフォームに樹脂を含浸、硬化した成形品。
(9)一方向織物基材に次の(A)〜(C)の3工程を適用し、所定断面形状を得ることを特徴とする空隙部充填用棒状予備賦形物の製造方法。
(A)一方向織物基材の端部が内側になるように3回以上折り畳む折り畳み工程、
(B)前記折り畳み工程に用いられた基材を熱と圧力により所定断面形状に賦形する加熱、加圧賦形工程、
(C)前記棒状予備賦形物を冷却し形状を固定する冷却形状固定工程。
(10)前記一方向織物基材として、予め所定のパターンに切断したものを用いる前記(9)に記載の空隙部充填用棒状予備賦形物の製造方法。
(11)少なくとも次の(a)〜(c)の3手段を有することを特徴とする空隙部充填用棒状予備賦形物の製造装置。
(a)一方向織物基材の端部が内側になるように3回以上折り畳む折り畳み手段、
(b)前記折り畳み手段に用いられた基材を熱と圧力により所定断面形状に賦形する加熱、加圧賦形手段、
(c)前記棒状予備賦形物を冷却し形状を固定する冷却形状固定手段。
本発明により、プリフォームの様々な形状の隙間を充填し、含浸不良や樹脂リッチなく成形することを容易にし、さらには、該プリフォームで製造されたコンポジット部材の物性向上に寄与する棒状予備賦形物を得ることができる。
本発明の空隙部充填用棒状予備賦形物はプリフォームの空隙部に補強材として充填される棒状予備賦形物である。プリフォームは通常、シート状の強化繊維基材を組み合わせて、積層して形成されるが、断面が枝分かれした形状のプリフォームを作成するとき枝分かれ部分では強化繊維基材が角に密着するようには曲がりきれないことから、多くの場合隙間ができる。このような隙間に対し、これを充填し、含浸不良や樹脂リッチなく成形することによりコンポジット部材の物性向上に寄与するものである。
本発明の空隙部充填用棒状予備賦形物は、強化繊維からなる一方向織物の基材で構成され、該基材の端部が該棒状予備賦形物の内部になるように折り畳まれているとともに横糸方向に3回以上折り畳まれた断面形状を有している。一方向織物の基材で構成することにより、最も必要とされる長手方向の剛性に寄与すると共に、一方向織物の横糸方向に折り畳むことにより高充填にできることから、剛性向上に有利となる。さらに3回以上折り畳まれた断面を有することで後述するように、基材端部が外に出ず、含浸性が向上するという効果が得られる。
また本発明の空隙部充填用棒状予備賦形物は、長手方向に曲げ剛性が変化している。長手方向に曲げ剛性を変化させることで、様々な形状を有する隙間に容易に沿わせて充填することができる。例えば、曲げ剛性を連続的に変化させることで、緩やかな曲がりを有する形状の隙間に沿わせ易くでき、また、部分的に低剛性な部分を設けるとその部分で折れ曲げることができ、折れ曲がり部を有するような隙間にも容易に沿わせることができる。
また曲げ剛性を連続的に変化させる場合に強化繊維量を連続的に減らし断面積を徐々に小さくすれば、長手方向に断面積が変化する隙間にも適用が可能となる。
以下図面に沿って説明する。
図2Aは、本発明の空隙部充填用棒状予備賦形物を製造する方法の一例を示す模式図である。本模式図では、部分的に低剛性な部分を設けた空隙部充填用棒状予備賦形物を製造する例を挙げている。本発明の棒状予備賦形物18はあらかじめパターン裁断された一方向織物基材11を用いて、端部が内側に入るように3回以上折り畳む折り畳み工程13、加熱賦形工程14、冷却固定工程15と順次経ることで得られる。
前記一方向織物基材11は主強度や剛性を発現する繊維配向方向(経糸方向)に対して概ね平行方向に折り目線がくるように緯糸方向に3回以上折り曲げ、折り畳まれた断面形状を有している。
前記基材を折り曲げ、折り畳みを行う1つ目の目的は基材端部が外層に出ないように内部に折り込むことである。というのも前記一方向織物基材端部は繊維乱れや単糸切れを生じやすく、生じた場合に元の状態に戻すことも困難であり、糸切れを起こしたまま賦形、成形すると成形品の機械的性質を低下させる懸念がある。また、前記基材端部の繊維乱れや単糸切れを防止するために樹脂材料を塗布する方法や縫製する方法を適用しても構わない。樹脂材料を塗布する方法を適用する場合の塗布する樹脂としては、成形で用いる樹脂と同一の樹脂、例えば、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などが挙げられるし、縫製をする繊維としてはナイロン、アラミド繊維、ボロン繊維、ガラス繊維などが挙げられるがこれに限るものではなく、縫製方法も特に限定はしないし、両者を同時に施しても良い。しかし、これらは工程を長くする原因となるので物性やコストを満たすように選定することが好ましい。
2つ目の目的としては、前記棒状予備賦形物の含浸性を向上させることにある。一般的に強化繊維織物機材を数枚積層した場合、面方向より厚み方向の含浸性が優れているため、一方向織物基材を丸めた螺旋状断面形状のものより前記のように折り畳まれた方が中心部に到達する際に含浸すべき枚数が少なくなるからある。
次に、3回で基材端部を内部に折り込む方法の1例を本発明の棒状予備賦形物の断面模式図である図5を用いて説明する。まず、基材の両端41を中心線とほぼ一致するように折り畳み(折り畳み回数2回)、次に前記のように基材を折り畳んだ後に新しく形成された一方の新端部42をもって前記基材の両端が内部になるように折り畳む(折り畳み回数1回)方法があるが、端部が内部になるように折り畳めればこれに限らない。
棒状予備賦形物に用いる一方向織物基材は、例えば、応力が集中するような屈曲を有さない強化繊維を一方向にお互いに並行にシート上に配列し、このシート面の両側に強化繊維を一方向に互いに並行にシート状に配列し、このシート面の両側に強化繊維と交差する、細い横糸が位置し、これら横糸と、強化繊維と並行する縦糸方向補助糸とが織組織をなして強化繊維を一体に保持してなる、いわゆる一方向ノンクリンプ織物であり、この一方向ノンクリンプ織物の表面には粒子が付着している。
一方向織物基材を形成する一方向織物として、たて糸の強化繊維と横糸がノンクリンプ組織で一体化されたケースについて説明したが、平組織、綾組織、朱子組織であってもよい。一方向織物の好ましい形態として、前記一方向織物基材は縦糸が炭素繊維であり、横糸方向補助糸の繊度が6〜70デシテックスの炭素繊維であり、横糸方向補助糸の密度が0.3本/cm〜6.0本/cm未満であり、かつ炭素繊維の目付は100g/m以上であることが好ましい。目付はJIS K 7602に基づいて測定されたものである。
本発明において使用する強化繊維はマルチフィラメントであり、特にその種類に制限はないが、例えば、ガラス繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維、金属繊維、有機(ポリアラミド、ポリフェニレンベンズビスオキサゾール、液晶ポリマー繊維、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリフェニレンサルファイド繊維など)繊維または炭素繊維などが挙げられる。特に炭素繊維は比強度および比弾性率に優れ、耐吸水性に優れるので、航空機構造材や自動車の強化繊維として好ましく用いられる。
本発明においては、空隙部充填用棒状予備賦形物を製造するための一方向織物基材として、少なくとも片面に予め粒子状や繊維状やフィルム状の樹脂を付着させた基材を用いることが好ましい。さらに、このような樹脂を付着させた基材を折り曲げ、折り畳むことで基材端部を棒状予備賦形物の内部に折り込んで賦形された棒状予備賦形物であることが好ましい。また、前記棒状予備賦形物は全繊維の50%〜90%が長手方向に配向されているものであることが好ましい。
本発明で用いる前記樹脂は、織物繊維への樹脂の接着や、作業性の点から50〜150℃の範囲の融点またはガラス転移温度を有しているものが好ましい。前記樹脂の成分としては、織物基材の取扱性を向上させるものが好ましく、さらに好ましくはそれを用いて得られる繊維強化プラスチックの機械的特性を向上させるものである。前記樹脂としては、各種の熱硬化性樹脂および/または熱可塑性樹脂を使用できる。
熱可塑性樹脂を粒子の主成分として用いる場合には、例えば、ポリアミド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリイミド、ポリアミドイミド、フェノキシから選ばれる少なくとも1種のであることが好ましく、その中でもポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルスルフォンがとりわけ好ましい。
熱可塑性樹脂は、粒子状や繊維状やフィルム状の主成分となり、その配合量が60〜100重量%であることが好ましい。より好ましくは75〜97重量%であり、さらに好ましくは80〜95重量%である。配合量が60重量%未満であると、耐衝撃性に優れた繊維強化プラスチックを得難い場合がある。また、熱可塑性樹脂を主成分とした場合、粒子状や繊維状やフィルム状樹脂の織物への接着性や接着加工性が劣る場合がある。この場合には、前記樹脂に少量の粘着付与剤、可塑剤などを配合すると良い。熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂成分を固着剤として用いると加熱を繰り返しても樹脂が劣化しないため、多段階に分けた加熱賦形や再賦形ができることも好ましい理由の一つである。
次に、前記棒状予備賦形物を製造するために必要な工程を説明するが、品質や収率などを向上させるためにその他の工程を含んでいてもかまわない。
1.折り畳み工程(または手段)
基材の変形させたい部分、および断面変化させたい部分を考慮したカットパターンの基材を準備し、前記カットパターンの基材を折り曲げ、折り畳みまたは部分的に丸めて基材端部が棒状予備賦形物の内部になるようにする。前記カットパターン(繊維投入量となる)は断面変化や折り曲げたい部分を考慮して切断することが好ましく、さらに、図4Bの一方向織物基材11のように段付き形状にカットする場合は、折り畳んだ際に三つ折りが可能となるように、最大切り込み幅27と最大基材幅28の比が1/3より小さいと折り畳んだ際に最外層が連続繊維となり、耐擦過性が向上するため好ましい。また、図4Aの台形形状一方向織物基材23のような形状の場合は図2Aに示す金型長さ34をL、及び、図4Aに示す広幅長さ31をB、狭幅長さ32をCとしたとき、これらが以下の式を満たすことが好ましい。
(B−C)/L>1/3
B:長辺
C:短辺
L:金型長さ
折り畳み回数や折り畳んだ後の幅33は次の加熱賦形工程(または手段)で用いるダイの最大幅の二倍以下になるように折り畳むと、ダイ通過時の摩擦を低減でき、局部的な糸切れが発生しにくくなることから好ましい。本製造方法のポイントは、次に挙げるような特性(樹脂の種類、形状、粒径、粒子量、粒子Tg、基材幅、もしくは基材に他部材の芯材を入れるなど)を制御することで様々な物性、含浸性の棒状予備賦形物を製造できることにある。(如何に3例(i)〜(iii)を示す)
(i) 他部材と剛性を一致させるために剛性を低くする場合の一例を挙げると、棒状予備賦形物を炭素繊維の一方向織物基材と少量の樹脂材料を用いて製造し、前記棒状予備賦形物を用いたプリフォームをRTM成形した場合において、棒状予備賦形物部分が周囲より剛性が高くなりすぎてしまったときには、周囲の剛性と一致させるために、棒状予備賦形物の製造時の繊維投入量を減少させ、かつ、樹脂材料を増加させることにより、断面形状を変えずに剛性を最適化させることができる。
(ii) 別の例として、棒状予備賦形物に心材としてコア材を導入し、折り畳み工程でコア材を覆うことにより、樹脂リッチ部の面積を減少させ、かつ全体の剛性を変化させないことができる。
(iii) 前記樹脂材料による含浸性悪化(樹脂量を増やしすぎて棒状予備賦形物の樹脂流路を閉塞させた場合)を改善したときの例を示す。2種類以上の樹脂(一方はガラス転移温度(Tg)が加熱温度より高い、他方はTgが加熱温度より低い、粒径も多少異なる)を用いて一方に樹脂流路形成、他方に形状固定と役割を分担させることにより、剛性(繊維律則である)を変化させずに含浸性を改善させることができる。
以上(i)〜(iii)のように一部の特性を変化させることで容易に含浸性、樹脂リッチ面積、剛性をコントロールすることができるが、前記特性は本発明の製造方法で用いうる一部でありこれらになんら限定するものではない。
2.加熱賦形工程(または手段)
この工程(または手段)は、前記折り畳み工程(または手段)13で折り畳まれた基材が圧力を受け、楔形形状19のダイ(丸形、多角形、曲線と直線を組み合わせた断面形状等でも良い)を加熱されながら所定断面形状の棒状予備賦形物に賦形される加熱賦形工程(または手段)である。前記楔形形状19のダイの一例として、図2Bに示すように円筒の断面35の周囲に四角断面36の囲いを設ける方法がある。この方法によれば、は前記円筒の断面35の中空部37に熱媒を通して、容易に加熱することも可能である。
長手方向に対して曲げ剛性が異なる棒状予備賦形物を賦形する方法について説明する。例えば、一方向織物基材を予め所定のパターンにカットしその後、一定断面形状のダイを通過させる方法がある。また、長手方向に断面変化を有する棒状予備賦形物を製造する方法としては、例えば、長手方向に数ピースに分かれたテーパ形状のダイを用いて、繊維を通過始めからの時間や繊維が通過した距離に応じて前記テーパ形状のダイを狭幅側からピースを取り除いていくと長手方向に断面形状が異なる棒状予備賦形物を得ることができる。
3.冷却工程(または手段)
この工程(または手段)は、前記加熱賦形工程(または手段)で所定断面形状、所定強化繊維体積率に賦形された棒状予備賦形物を冷却し、粒子状や繊維状の樹脂などの形状固定機能も有する材料をもって形状固定をする冷却工程(または手段)である。
本発明は、以上の折り畳み工程(または手段)13、加熱賦形工程(または手段)14、および冷却工程(または手段)15の3つの工程(または手段)を少なくとも含んでいれば良い。
また、本製造方法は繊維の目付や一方向強化繊維基材の幅から強化繊維体積含有率をコントロールすることが可能で、かかる棒状予備賦形物を構成する強化繊維体積率Vpfを算出する方法としては、以下の式を用いる。
Vpf=F×L/ρ/S×100(%)
F:強化繊維目付(g/cm
L:一方向基材の幅(cm)ただし、強化繊維配向方向と直行する方向を幅方向とする。
ρ:一方向織物基材1cm当たりの強化繊維重量(g/cm
S:一方向織物基材が通過可能な最終断面形状となるダイ内の空間断面積(cm
かかる強化繊維目付Fおよび一方向基材の幅LはJIS R 7602に基づき、一方向織物基材1cm当たりの強化繊維重量は炭素繊維の場合はJIS R 7603に基づいき、それ以外の繊維の密度はJIS R 7603に準拠し、繊維との濡れ性(悪い場合は気泡を噛み込み易い)や繊維の溶解性を考慮して溶媒を選択し測定すると良い。
前記棒状予備賦形物を空隙部に充填したプリフォーム及び成形品の例を本発明の断面模式図である図6を用いて説明する。本発明の空隙部充填用棒状予備賦形物は頂点部分を有する空隙充填に用いられることが好ましく、前記空隙を有するプリフォームの一例としてT形断面プリフォーム43、I形断面プリフォーム44、J形断面プリフォーム45、十字形断面プリフォーム46、C形断面プリフォーム50を挙げる。一般的にL形断面プリフォーム47やC形断面プリフォーム50等のように屈曲断面形状を持つプリフォームは構成する繊維の剛性が高いために直角に曲げられないことが多く、また、頂点部での応力集中を避けるために屈曲部にはRが設けられていることが多い。本発明の一例である前記T形断面プリフォーム43、I形断面プリフォーム44、J形断面プリフォーム45はL形断面プリフォーム47またはC形断面プリフォーム50、Z形断面プリフォーム51と直方体断面プリフォーム48と楔形断面棒状予備賦形物49を、十字形断面プリフォーム46はL形断面プリフォーム47と星形断面棒状予備賦形物52を構成部材として一体化させると得られる。C形断面プリフォーム50のように個で独立している場合の充填は他と少し様相が異なり、ベースプリフォーム53とC形断面プリフォーム50を一体化させる際にできる隙間を埋めるために用いられ、前記楔形断面棒状予備賦形物49は最外表面にあったり、或いは上から連続繊維のカバープライ54を被せることもある。以上のように本発明のプリフォームとしては様々な形状が考えられ、ポイントとしては充填すべき空隙を持ち前記空隙に棒状予備賦形物を充填していることにあり、プリフォームと成形品、成形品同士、または接着剤を介しての充填など様々な一体化用途にも適用可能である。
前記プリフォームに樹脂を含浸、硬化させた成形品は、その隙間が充填され、含浸不良や樹脂リッチなく成形されるので、高い物性となることから好ましい。かかる、成形品を得るための好ましい条件としては、プリフォームに樹脂を十分に行き渡らせるために、注入温度における樹脂の樹脂注入時初期粘度が1000cP以下である樹脂を用いることが挙げられ、さらに好ましくは、注入時に脱泡効果が期待できる減圧成形、つまり、前記樹脂を大気圧以下の圧力で注入成形することが挙げられる。また、最後に棒状予備賦形物を直接用いる例として、ワイヤーなども挙げることができる。
以下、本発明を図面に示す実施例に基づいてより具体的に説明する。
実施例1
図1に示すような箱形形状のコア材1(内寸: 高さ:100mm×長さ:200mm×幅:200mm)の表面に炭素繊維クロス2を積層したときにコーナー部3に生じる前記箱形形状のコア材1と炭素繊維クロス2の隙間4を埋めるための棒状予備賦形物を製造する。
従来方法で製造した棒状予備賦形物では全ての一方向繊維が長手方向に連続であり所定の位置で変形させることが困難であった。また、変形させることは容易な組みひも組織では長手方向に対してある角度で繊維が配向なされているため、隙間部が頂点を有している場合、どうしても頂点に追従しきれずに樹脂リッチになってしまう。また、物性面では一方向繊維を用いた場合と比較して長手方向の繊維が少ないため弾性率や強度が低下してしまう。
本発明では変形能と物性を両立させるために以下の方法で上記コア材と炭素繊維クロスの隙間に挿入する棒状予備賦形物を製造する。まず、図2Aに示すように、片面に樹脂材料を塗布した一方向織物基材3mを80mm幅にスリットし、長手方向に100mmの位置、300mmの位置、500mmの位置、700mmの位置を両端より10mm×2mmずつ切り落とし、部分的に60mm幅の部分をもつ部分狭幅一方向織物基材11を得た。その後、前記部分狭幅一方向織物基材を外径500mmのロールに巻き取りロール基材12とし、引抜試験装置にセットした。前記引抜試験装置は折り畳み工程(または手段)13、加熱賦形工程(または手段)14、冷却固定工程(または手段)15を有している。
前記引抜試験装置では、まず、前記部分狭幅一方向織物基材11を緯糸に沿って3回折り畳んで両端部が内側になり、さらに半分に畳まれ、折り畳まれた一方向織物基材が加熱ダイ内で圧縮力を受け賦形された後、前記樹脂材料が冷却用ダイを通過しながら冷却固定され一定断面で剛性の低い部分16と剛性の高い部分17を有する棒状予備賦形物18となった。前記ダイの断面形状は一辺が12mmの正方形から半径6mmの扇形断面を切り取った楔形形状19であり、前記棒状予備賦形物18もほぼ同様形状の断面に仕上がった。次に前記箱形コア材に前記棒状予備賦形物を挿入するために、前記棒状予備賦形物18の長手方向800mmの位置をはさみでコア材の内側周長と同じ長さに切断し、その後、折れ曲がりやすい部分で折り曲げた屈曲棒状予備賦形物5を用いて前記箱形形状コア材コーナー部に沿わせたところコーナー部3に隙間なく配置され、箱形形状コア材プリフォームを得た。その後、前記コア材プリフォーム表面を覆うようにしわ無く炭素繊維織物基材を配置、VaRTM成形し、コア材を炭素繊維織物基材で覆った成形品であるサンドイッチパネルAを得た。
また、同様の製造方法で棒状予備賦形物を挿入せずに製作したサンドイッチパネルB、前記棒状予備賦形物18と繊維投入量が等しい組みひもを挿入したサンドイッチパネルCを比較用に準備し、コーナー部の断面観察および引張試験(棒状予備賦形物が長手方向になるように切り出した引張試験片を用いて)を行った。
断面を観察した結果、パネルAでは樹脂リッチが全体的に均一に分布していることが観察された。パネルBでは前記扇形断面の頂点部に樹脂リッチ部が観察され、樹脂リッチ周辺の繊維に全体の繊維うねりと比較して大きいうねりが観察された。パネルCでは前記扇形断面部にボイドや大きな樹脂リッチが観察された。前記試験片の引張試験結果は次のとおりであり、引張弾性率、強度ともに、パネルA>パネルB>パネルCの結果となった。
実施例2
次に、長手方向に断面変化を有する場合の実施例を図3を参照しながら説明する。
この実施例2は、長手方向に断面変化のある隙間部を有する桁材21の構成要素(例えば、I、J、T型断面)、つまり長手方向に断面テーパ形状を持つ隙間部22を有する桁材の前記隙間部に挿入する棒状予備賦形物およびその製造方法と比較評価結果に関する。本実施例3での桁材は図3に示すような略直角二等辺三角形断面26を有し、全長1000mm、片端の短辺長さが6mm、もう一方が5mmつまり、1/1000のテーパ比を有している。製造方法はほぼ前述した実施例1のとおりであるため異なる部分のみ説明する。前述の実施例1と同様の一方向織物基材を用いて80mm幅の一方向織物基材を1000m準備した後、はさみを使ってテーパ比が1/50の台形形状にカットし、台形形状一方向織物基材23を得た。次に前記台形形状一方向織物基材23をロール基材として前記引抜試験装置内にセットし、ダイより引抜き、断面変化を有する棒状予備賦形物24を得た。略直角二等辺三角形断面を有するダイは長手方向に割型構造、かつ、テーパ形状を有しており100mm引抜毎に割型を端から1個ずつ取り外すと(ダイの全長は短くなる)0.1mmずつ断面を変化させることができる構造であった。次に、前記桁材の隙間部22に前記棒状予備賦形物を挿入した後、上から炭素繊維積層体4枚のカバー25を被せた隙間部充填桁材を得た。また、前記隙間部充填桁材はカバー25の上から指の腹で隙間部をなぞったが触診でわかるような凹凸を見つけることはできなかった。また、上記と同様に成形した後に前記棒状予備賦形物を挿入した部分の断面観察を行ったが樹脂リッチやボイドなどを観察することはできなかった。
本発明の長手方向に剛性変化のある棒状予備賦形物を用いたプリフォームの一例を示す概略図である。 本発明の棒状予備賦形物を製造する方法の一例である。 図2Aにおける一方向織物基材の送り方向に直交する方向の加熱賦形手段の断面の一例を示した拡大図である。 本発明の長手方向に断面変化のある棒状予備賦形物を用いたプリフォームの一例を示す概略図である。 本発明の一方向織物基材のカットパターンの一例を示す概略図である。 本発明の一方向織物基材のカットパターンの別の例を示す概略図である。 本発明の一方向織物基材を3回で折り畳む際の一例を示す断面図である。 本発明のプリフォーム及び成形品の例を示す断面図である。
符号の説明
1:箱形形状のコア材
2:炭素繊維クロス
3:コーナー部
4:隙間
5:屈曲棒状予備賦形物
11:一方向織物基材
12:ロール基材
13:折り畳み工程(または手段)
14:加熱賦形工程(または手段)
15:冷却固定工程(または手段)
16:剛性の低い部分
17:剛性の高い部分
18:棒状予備賦形物
19:楔形形状
21:隙間部を有する桁材
22:隙間部
23:台形形状一方向織物基材
24:断面変化を有する棒状予備賦形物
25:カバー
26:略直角二等辺三角形断面
27:最大切り込み幅
28:最大基材幅
31:広幅長さ
32:狭幅長さ
33:折り畳んだ後の幅
34:金型長さ
35:円筒の断面
36:四角断面
37:中空部
41:基材の両端
42:新端部
43:T形断面プリフォーム
44:I形断面プリフォーム
45:J形断面プリフォーム
46:十字形断面プリフォーム
47:L形断面プリフォーム
48:直方体断面プリフォーム
49:楔形断面棒状予備賦形物
50:C形断面プリフォーム
51:Z形断面プリフォーム
52:星形断面棒状予備賦形物
53:ベースプリフォーム
54:カバープライ

Claims (11)

  1. プリフォームの空隙部に補強材として充填される棒状予備賦形物であって、該棒状予備賦形物は、強化繊維からなる一方向織物の基材で構成され、該基材の端部が該棒状予備賦形物の内部になるように折り込まれているとともに横糸方向に3回以上折り畳まれた断面形状を有し、さらに該棒状予備賦形物は、長手方向に曲げ剛性が変化していることを特徴とする空隙部充填用棒状予備賦形物。
  2. 前記棒状予備賦形物が、長手方向に断面変化を有している請求項1に記載の空隙部充填用棒状予備賦形物。
  3. 前記棒状予備賦形物は、長手方向に曲げ剛性が変化する部分を有している請求項1に記載の空隙部充填用棒状予備賦形物。
  4. 前記一方向織物基材は粒子状、繊維状、またはフィルム状の樹脂が少なくとも片面に部分的に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空隙部充填用棒状予備賦形物。
  5. 前記樹脂が熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空隙部充填用棒状予備賦形物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の空隙部充填用棒状予備賦形物を空隙部に充填したプリフォーム。
  7. 断面がI、T、J、L、またはC型の桁材製造用である請求項6に記載のプリフォーム。
  8. 請求項6または7のいずれかに記載のプリフォームに樹脂を含浸、硬化した成形品。
  9. 一方向織物基材に次の(A)〜(C)の3工程を適用し、所定断面形状を得ることを特徴とする空隙部充填用棒状予備賦形物の製造方法。
    (A)一方向織物基材の端部が内側になるように3回以上折り畳む折り畳み工程、
    (B)前記折り畳み工程に用いられた基材を熱と圧力により所定断面形状に賦形する加熱、加圧賦形工程、
    (C)前記棒状予備賦形物を冷却し形状を固定する冷却形状固定工程。
  10. 前記一方向織物基材として、予め所定のパターンに切断したものを用いる請求項9に記載の空隙部充填用棒状予備賦形物の製造方法。
  11. 少なくとも次の(a)〜(c)の3手段を有することを特徴とする空隙部充填用棒状予備賦形物の製造装置。
    (a)一方向織物基材の端部が内側になるように3回以上折り畳む折り畳み手段、
    (b)前記折り畳み手段に用いられた基材を熱と圧力により所定断面形状に賦形する加熱、加圧賦形手段、
    (c)前記棒状予備賦形物を冷却し形状を固定する冷却形状固定手段。
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