JP2007021802A - 液体吐出ヘッド及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】リフィル性能を向上させ、且つ、高密度配線の実装を可能にする。
【解決手段】液体を吐出するノズル51に連通する圧力室52と、前記圧力室の一壁面を構成する振動板56と、前記振動板に対して前記圧力室側とは反対側に配置され、前記圧力室に前記液体を供給する共通液室55と、筒状の圧電体70の内周側に内部電極74を有するとともに外周側に外部電極72を有し、一端が前記振動板に接合され、前記共通液室内を貫通するように配置される圧電素子58と、を備えたことを特徴とする液体吐出ヘッドを提供することにより、前記課題を解決する。
【選択図】図3

Description

本発明は、液体吐出ヘッド及び画像形成装置に係り、特に、圧電素子の変位を利用して、圧力室に連通するノズルから液体を吐出する液体吐出ヘッド及び画像形成装置に関する。
従来より、圧電素子の変位を利用して、圧力室の一壁面を変化させ、圧力室内のインクを加圧し、圧力室に連通するノズルからインク滴を吐出するヘッド(液体吐出ヘッド)を搭載したインクジェット記録装置が知られている。
例えば、特許文献1には、円筒状の圧電体の外壁面及び内壁面に電極を設けた構造を有する圧電素子(円筒状圧電素子)を備えたヘッドが開示されている。単層型や積層型の圧電素子に比べて、円筒状圧電素子は、圧電体の肉厚を薄く構成でき、大きな変位を得ることができる。
特開平5−261922号公報
しかしながら、特許文献1では、圧力室に対するインクの供給性能(リフィル性)は考慮されていない。高画質な画像を高速に記録するためには、ヘッドを高密度化し、更に、高粘度インクを短い吐出周期(高吐出周期)で吐出できるようにリフィル性を向上させることが必要である。また、圧電素子を駆動するための配線(内部配線)を高密度に実装できるようにすることが必要である。
また、円筒状圧電素子では、内周側に空洞部が形成されており、所定の変位を得るために圧電体の肉厚を薄く構成すると、圧電素子の剛性が低くなり、ヘッド全体の剛性が低下してしまう。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、リフィル性能を向上させ、且つ、高密度配線の実装を可能にする液体吐出ヘッド及び画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、液体を吐出するノズルに連通する圧力室と、前記圧力室の一壁面を構成する振動板と、前記振動板に対して前記圧力室側とは反対側に配置され、前記圧力室に前記液体を供給する共通液室と、筒状の圧電体の内周側に内部電極を有するとともに外周側に外部電極を有し、一端が前記振動板に接合され、前記共通液室内を貫通するように配置される圧電素子と、を備えたことを特徴とする液体吐出ヘッドを提供する。
本発明によれば、振動板に対して圧力室側とは反対側に共通液室が配置されるため、共通液室から圧力室に略真っ直ぐに連通する簡易な流路構造となり、液体吐出ヘッドのリフィル性が向上する。また、圧電素子が共通液室内を貫通するように配置することにより、圧電素子の内部電極又は外部電極を振動板に対向する共通液室の壁面を介してヘッド端部に引き出すことが可能になり、配線構造が簡易化され、高密度ノズル配列及び高密度配線の実装が可能になる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の液体吐出ヘッドであって、前記筒状の圧電体の内周側は、前記内部電極で埋められていることを特徴とする。
請求項2の態様は、圧電素子の剛性が高くなる。これにより、圧電体の肉厚を薄く構成することが可能になり、圧電素子の変位特性を向上させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の液体吐出ヘッドであって、前記振動板の前記内部電極が接合される部分には絶縁部が形成され、前記振動板の他の部分には第1の導電部が形成されていることを特徴とする。
請求項3の態様は、外部電極に電気的に導通する第1の導電部を圧電素子の共通電極として構成することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドであって、前記圧電素子の前記振動板側と反対側の端面は、前記共通液室の前記振動板に対向する壁面に接合され、前記壁面の前記内部電極が接合される部分には第2の導電部が形成されていることを特徴とする。
請求項4の態様は、内部電極に電気的に導通する第2の導電部を圧電素子の個別電極として構成することができる。
また、上記目的を達成するために、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドを備えたことを特徴とする画像形成装置を提供する。
本発明によれば、振動板に対して圧力室側とは反対側に共通液室が配置されるため、共通液室から圧力室に略真っ直ぐに連通する簡易な流路構造となり、液体吐出ヘッドのリフィル性が向上する。また、圧電素子が共通液室内を貫通するように配置することにより、圧電素子の内部電極又は外部電極を振動板に対向する共通液室の壁面を介してヘッド端部に引き出すことが可能になり、配線構造が簡易化され、高密度配線の実装が可能になる。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔インクジェット記録装置の全体構成〕
図1は、本発明に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置の概略を示す全体構成図である。図1に示すように、このインクジェット記録装置10は、インクの色毎に設けられた複数の印字ヘッド12K、12C、12M、12Yを有する印字部12と、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、前記印字部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字部12による印字結果を読み取る印字検出部24と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部26と、を備えている。
図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター28が設けられており、該カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録紙16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、該固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置されている。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコードあるいは無線タグ等の情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部18から送り出される記録紙16はマガジンに装填されていたことによる巻き癖が残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻き癖方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
デカール処理後、カットされた記録紙16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラー31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する部分が平面をなすように構成されている。
ベルト33は、記録紙16の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(不図示)が形成されている。図1に示したとおり、ローラー31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバー34が設けられており、この吸着チャンバー34をファン35で吸引して負圧にすることによってベルト33上の記録紙16が吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラー31、32の少なくとも一方にモータ(不図示)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1において、時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙16は、図1の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、あるいはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラー線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラー・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラー・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面にローラーが接触するので、画像が滲み易いという問題がある。従って、本例のように、印字領域では画像面と接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部22により形成される用紙搬送路上において印字部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、印字前の記録紙16に加熱空気を吹きつけ、記録紙16を加熱する。印字直前に記録紙16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部12は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている。印字部12を構成する各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yは、本インクジェット記録装置10が対象とする最大サイズの記録紙16の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録紙16の搬送方向(紙搬送方向)に沿って上流側(図1の左側)から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応した印字ヘッド12K、12C、12M、12Yが配置されている。記録紙16を搬送しつつ各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yからそれぞれ色インクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするフルラインヘッドがインク色毎に設けられてなる印字部12によれば、紙搬送方向(副走査方向)について記録紙16と印字部12を相対的に移動させる動作を一回行うだけで(すなわち、一回の副走査で)記録紙16の全面に画像を記録することができる。これにより、印字ヘッドが紙搬送方向と直交する方向(主走査方向)に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
なお本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態には限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタ等のライト系インクを吐出する印字ヘッドを追加する構成も可能である。
図1に示したように、インク貯蔵/装填部14は、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yに対応する色のインクを貯蔵するタンクを有し、各タンクは図示を省略した管路を介して各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段等)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
印字検出部24は、印字部12の打滴結果を撮像するためのイメージセンサ(ラインセンサ等)を含み、該イメージセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良をチェックする手段として機能する。
本例の印字検出部24は、少なくとも各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサで構成される。このラインセンサは、赤(R)の色フィルタが設けられた光電変換素子(画素)がライン状に配列されたRセンサ列と、緑(G)の色フィルタが設けられたGセンサ列と、青(B)の色フィルタが設けられたBセンサ列とからなる色分解ラインCCDセンサで構成されている。なお、ラインセンサに代えて、受光素子が二次元配列されて成るエリアセンサを用いることも可能である。
印字検出部24は、各色の印字ヘッド12K、12C、12M、12Yにより印字されたテストパターンを読み取り、各ヘッドの吐出検出を行う。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定等で構成される。
印字検出部24の後段には、後乾燥部42が設けられている。後乾燥部42は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹きつける方式が好ましい。
多孔質のペーパに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラー45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
このようにして生成されたプリント物は、排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り換える選別手段(不図示)が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に、本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成されている。
また、図示を省略したが、本画像の排出部26Aには、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられている。
〔印字ヘッドの構造〕
次に、印字ヘッド12K、12M、12C、12Yの構造について説明する。尚、インク色ごとに設けられている各印字ヘッド12K、12M、12C、12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によって印字ヘッドを示すものとする。
図2は、印字ヘッド50の構造の一部を簡略的に表示した平面透視図である。図2に示すように、本例の印字ヘッド50は、インク滴を吐出するノズル51、ノズル51に対応して設けられる圧力室52及び供給口53から成るインク室ユニット54を2次元状(マトリクス状)に配置した構成となっている。具体的には、インク室ユニット54を印字ヘッド50の長手方向及び長手方向に直交しない斜めの方向に配列した構造となっており、これにより、印字ヘッド50の高密度化が達成されている。
尚、本例の圧力室52の平面形状は略円状に構成されているが、これに限定されず、例えば、矩形状などの多角形状であってもよい。
図3は、図2中3−3線に沿う断面図であり、図4は、図3中4−4線に沿う断面図である。図3に示すように、ノズル51と圧力室52が形成されるキャビティプレート60上に、供給口53が形成される振動板56が接合されている。振動板56の圧力室52側の反対側に形成される空間は、各圧力室52に供給するインクを貯留しておくための共通液室55である。共通液室55の下壁面、上壁面は、それぞれ振動板56、天板62で構成される。共通液室55は、振動板56に形成される供給口53を介して圧力室52に連通している。
共通液室55内には略円柱状の圧電素子58が設けらている。具体的には、圧電素子58は振動板56を挟んで圧力室52に対向する位置に配置され、振動板56と天板62を接続するようにして構成されている(図3及び図4参照)。圧電素子58は、略円筒状の圧電体70、外周側に配置される外部電極72、及び、内周側に配置される内部電極74から構成される。特に、本例の圧電素子58は、略円筒状の圧電体70の内周側を内部電極74で埋めた構造となっている。圧電体70は径方向に分極処理されており、分極方向に略平行な電界が印加されると、分極方向に略垂直な方向に変位する。即ち、外部電極72と内部電極74の間に所定の電界が印加されると、図3の鉛直方向に圧電体70が変位する。
尚、本実施形態では、略円筒状の圧電体70を例示したが、本発明の実施に際してはこれに限定されず、圧電体70が筒状(例えば、多角筒状、楕円筒状など)に構成されていればよい。
図5は、振動板56の圧電素子58側の表面を表した平面図である。前述したように、振動板56には供給口53が形成される。また、振動板56の表面のうち、圧電素子58の内部電極74が接触する部分は絶縁部76(図5の塗りつぶし部分)となっており、それ以外の部分は導電部(共通電極)78(図5の斜線部分)となっている。これにより、内部電極74と共通電極78が電気的に絶縁された状態で、外部電極72と共通電極78の電気的な導通を確保することができる。
図6は、天板62の圧電素子58側(共通液室55側)の表面を表した平面図である。天板62の表面のうち、圧電素子58の内部電極74が接触する部分には導電部(個別電極)80が形成される。また、個別電極80を天板62の端部に引き出すリード電極82が形成される。圧電素子58の外部電極72の(鉛直方向の)高さは、図3に示すように、内部電極74(若しくは圧電体70)よりも低く構成されている。これにより、外部電極72と個別電極80(又はリード電極82)が電気的に絶縁された状態で、内部電極74と個別電極80の電気的な導通を確保することができる。尚、個別電極80は、内部電極74の形状に合わせて略円形でもよい。
このように構成される圧電素子58における図3の鉛直方向の変位量Nは、次式のようになる。
[数1]
N=d31×V×L/t (1)
但し、d31は圧電歪定数、Vは印加電圧、Lは圧電体70の鉛直方向の長さ、tは圧電体70の肉厚(電極間距離)である。(1)式で示されるように、同一材料で同一長さの圧電素子に同一電圧を印加する場合、圧電素子58のd31駆動モードを利用したときの圧電体70の鉛直方向の変位量Nを大きくするためには、圧電体70の肉厚tを薄く構成することが必要である。本例の圧電素子58は、前述したように、略円筒状の圧電体70の内周側を内部電極74で埋めた構造となっており(図4参照)、従来に比べて圧電素子58の剛性が高くなる。これにより、圧電体70の肉厚tをより薄く構成することができ、圧電素子58の変位特性が向上する。
かかる構成により、共通液室55から供給口53を介して圧力室52にインクが供給され、不図示の駆動回路から天板62の個別電極80を介して内部電極74に駆動電圧が印加されると、圧電素子58の図3の鉛直方向の変位によって、振動板56が圧力室52側に凹むように変形する。これにより、圧力室52の容積は減少し、圧力室52内のインクは加圧され、ノズル51からインク滴が吐出される。インク吐出後、圧力室52に対してインクが再び供給され、次のインク吐出動作に備えられる。
〔印字ヘッドの製造方法〕
図7(a)〜(d)は、印字ヘッド50の製造工程を示した説明図である。
まず、キャビティプレート60、振動板56、天板62、及び、圧電素子58をそれぞれ作製する。
キャビティプレート60は、図7(a)に示す側面断面図のように、圧力室52やノズル51に相当する溝部や孔部を加工しておく。尚、複数の基板からキャビティプレート60を構成してもよい。
振動板56は、図7(b)に示す平面図のように、内部電極74が接触する部分に絶縁部76を形成し、それ以外の部分に導電部(共通電極)78を形成する。例えば、振動板56が絶縁体で構成される場合には、内部電極74が接触する部分(絶縁部76)を除いた表面全体に薄膜状の導電膜をスクリーン印刷やスパッタリング等で形成すればよい。一方、振動板56が導電体で構成される場合には、内部電極74が接触する部分(絶縁部76)に対して絶縁コートすればよい。続いて、機械加工又はレーザ加工等により、振動板56に対して供給口53を加工する。供給口53の孔径は、例えば、数十μmである。
天板62は、図7(c)に示す平面図のように、内部電極74が接触する部分に対して、薄膜状の導電部(個別電極)80をスクリーン印刷やスパッタリング等で形成する。同様にして、リード電極82も形成する。
圧電素子58は、図7(d)に示す平面断面図のように、円柱状(芯状)の内部電極74の外周に圧電体70を形成する。内部電極74には、圧電体70の焼成時に溶融しない材料、例えば、白金などを用いることが好ましい。圧電体70の形成には公知の方法を用いる。例えば、特開平8−20109号公報、特開平9−300614号公報に記載されるディップ法や、特開2004−200484号公報に記載されるAD(エアロゾルデポジション)法や、特開平8−336967号公報に記載される成膜法や、射出成形などがある。圧電体70の外径は、例えば、100〜200μmである。続いて、図7(e)に示す平面断面図のように、圧電体70の外周側に外部電極72をディップ法、成膜法により形成する。このとき、図7(f)に示す側面図のように、外部電極72の(鉛直方向の)高さが内部電極74及び圧電体70より低くなるように形成する。外部電極72と個別電極80(若しくはリード電極82)が電気的に絶縁された状態となるようにするためである。
次に、図7(g)に示す側面断面図のように、振動板56の共通電極78が形成される側の表面を上向き(即ち、キャビティプレート60の反対側)に向けて、供給口53と圧力室52の位置合わせを行いながら、キャビティプレート60上に振動板56を積層して接着剤等で接合する。
続いて、図7(h)に示す側面断面図のように、振動板56の絶縁部76上に内部電極74が配置されるように位置合わせを行いながら、振動板56上に圧電素子58を接着剤で接合する。これにより、内部電極74と共通電極78が電気的に絶縁された状態で、外部電極72と共通電極78の電気的な導通を確保することができる。
さらに、図7(i)に示す側面断面図のように、天板62の個別電極80が形成される面を圧電素子58側(共通液室55側)に向けて、天板62の個別電極80と内部電極74が接続されるように位置合わせを行いながら、圧電素子58上に天板62を接着剤で接合する。このとき、外部電極72は内部電極74及び圧電体70より短く構成されているので(図7(f)参照)、外部電極72と個別電極80(又はリード電極82)が電気的に絶縁された状態で、内部電極74と個別電極80の電気的な導通を確保することができる。そして、共通液室55内のインクに接液する部分となる圧電素子58、振動板56及び天板62の表面に対して、樹脂等の絶縁・保護膜(不図示)を形成する。このようにして、本実施形態に係る印字ヘッド50を製造することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、振動板56に対して圧力室52側とは反対側(即ち、圧電素子58側)に共通液室55が配置されるため、共通液室55から圧力室52に対して略真っ直ぐに連通した簡易な流路構造となる。これにより、共通液室55から各圧力室52に対するインクの供給性能(リフィル性)が向上し、高粘度液体を高周波吐出することが可能になる。
また、圧電素子58が共通液室55内を貫通するように構成したことにより、圧電素子58の内部電極74を共通液室55の上壁面を構成する天板62を介してヘッド端部まで引き出すことが可能になり、配線構造が簡易化され、高密度配線の実装が可能になる。
さらに、圧電素子58は、略円筒状の圧電体70の内周側を内部電極74で埋めた構造にしたことにより、圧電素子58の剛性が従来に比べて高くなる。これにより、圧電体70の肉厚を更に薄くすることができ、圧電素子58の変位特性が向上する。
尚、本実施形態では、天板62の共通液室55側の表面に導電部(個別電極80、リード電極82)が設けられているが、本発明の実施に際してはこれに限定されない。例えば、図8に示す印字ヘッド50の他の構成例のように、圧電素子58の内部電極74が天板62を貫通するように構成して、天板62の圧電素子58側(共通液室55側)の反対側の表面に導電部(不図示)を設けるようにしてもよい。
以上、本発明の液体吐出ヘッド及び画像形成装置について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである
本発明に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置の概略を示す全体構成図である。 印字ヘッドの一部を簡略化して表示した平面透視図である。 図2中3−3線に沿う断面図である。 図3中4−4線に沿う断面図である。 振動板の圧電素子側の表面を表した平面図である。 天板の圧電素子側の表面を表した平面図である。 印字ヘッドの製造工程を示した説明図である。 印字ヘッドの他の構成例を表した断面図である。
符号の説明
10…インクジェット記録装置、50…印字ヘッド、51…ノズル、52…圧力室、53…供給口、55…共通液室、56…振動板、58…圧電素子、60…キャビティプレート、62…天板、70…圧電体、72…外部電極、74…内部電極、76…絶縁部、78…共通電極、80…個別電極、82…リード電極

Claims (5)

  1. 液体を吐出するノズルに連通する圧力室と、
    前記圧力室の一壁面を構成する振動板と、
    前記振動板に対して前記圧力室側とは反対側に配置され、前記圧力室に前記液体を供給する共通液室と、
    筒状の圧電体の内周側に内部電極を有するとともに外周側に外部電極を有し、一端が前記振動板に接合され、前記共通液室内を貫通するように配置される圧電素子と、を備えたことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記筒状の圧電体の内周側は、前記内部電極で埋められていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記振動板の前記内部電極が接合される部分には絶縁部が形成され、前記振動板の他の部分には第1の導電部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記圧電素子の前記振動板側と反対側の端面は、前記共通液室の前記振動板に対向する壁面に接合され、
    前記壁面の前記内部電極が接合される部分には第2の導電部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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