JP2007073473A - 燃料電池車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 アイドルストップ状態と発電状態とが短時間で繰り返されることを防止し、燃料電池車両の運転性を向上させる。
【解決手段】 制御ユニット8は、バッテリ3の蓄電量と、アイドルストップ中の予測消費電力を求める。アイドルストップ中にバッテリ3から電力供給可能な時間が所定時間以上のとき、アイドルストップを許可し、所定時間未満のときは、アイドルストップを禁止する。
【選択図】 図1
【解決手段】 制御ユニット8は、バッテリ3の蓄電量と、アイドルストップ中の予測消費電力を求める。アイドルストップ中にバッテリ3から電力供給可能な時間が所定時間以上のとき、アイドルストップを許可し、所定時間未満のときは、アイドルストップを禁止する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、燃料電池車両の制御装置に係り、特にアイドルストップ性能を向上させた燃料電池車両の制御装置に関する。
従来より、車両の燃費性能を向上させるために、内燃機関車両と同様な燃料電池車両のアイドルストップが考えられている。例えば特許文献1に開示されているように、アイドルストップ中には、印加電圧を下げることで補機の消費電力を少なくすることでシステムの効率向上を図っていたり、特許文献2に開示されているように、車両の速度が所定値以下や、補機の消費電力が所定値以下の場合に、アイドルストップを行い、蓄電池の残容量が低下した時にアイドルストップを止めることで、燃費の向上を図っていたり、特許文献3にあるように、燃料電池の温度低下代を演算し、燃料電池システム内での凝縮水量を予測することでアイドルストップの禁止を行い、再起動性を確保していた。
特開2004−213961号公報(第5頁、図2)
特開2001−359204号公報(第6頁、図4)
特開2004−022464号公報(第6頁、図3)
しかしながら上記従来例は、蓄電装置の蓄電状態など車両の条件が整った状態で、アイドルストップに入ることを許可し、アイドルストップ禁止条件(蓄電量が低下した場合、燃料電池の凝縮水量が増加した場合など)に応じて、アイドルストップから復帰するように制御しているために、アイドルストップを許可しても、蓄電装置の蓄電状態と消費電力とのバランスが悪いと短時間で蓄電量が減少し、アイドルストップ禁止条件が成立して、アイドルストップとアイドルストップ禁止とを繰り返して運転性が低下するという問題点があった。
また、外気温度が低いときなど凝縮水が溜まりやすく、アイドルストップ時間が短くなり、アイドルストップを許可しても、すぐにアイドルストップ禁止条件が成立し、アイドルストップ許可と禁止とを繰り返してしまうなどの問題点があった。
上記問題点を解決するために、本発明は、電解膜を挟んで燃料極と酸化剤極が対設された燃料電池と、前記燃料極に燃料ガスを供給する燃料供給手段と、前記酸化剤極に空気を供給する空気供給手段と、前記燃料電池で発電した電力で駆動される走行モーターと、前記燃料電池のアイドルストップ中に車両に電力を供給する蓄電装置と、を備えた燃料電池車両において、前記蓄電装置の蓄電量を検出する蓄電量検出手段と、アイドルストップ中の消費電力を予測する消費電力予測手段と、予測した消費電力と前記蓄電装置の蓄電量とに基づいて、アイドルストップ中に前記蓄電装置が電力供給可能な時間を算出する電力供給可能時間算出手段と、前記電力供給可能時間が所定時間以上であれば、アイドルストップを許可し、所定時間未満であればアイドルストップを禁止するアイドルストップ許可手段と、を備えたことを要旨とする燃料電池車両の制御装置である。
本発明によれば、予測した消費電力と蓄電量によりアイドルストップが所定時間以上できることを判断した場合にはアイドルストップを許可することとしたため、車両の電力消費状況に応じて、アイドルストップの許可、禁止が頻繁に繰り返されることが無くなり、アイドルストップによる運転性への影響を軽減することができるという効果がある。
次に図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る燃料電池車両の制御装置を備えた燃料電池車両の概略構成を示すシステム構成図である。例えば、電解質として固体高分子電解質膜を備えた燃料電池1には、図示しない固体高分子電解質膜を挟んで図示しない燃料極及び酸化剤極が対設されている。
水素タンク9は、燃料ガスとしての水素ガスを高圧で貯蔵する。水素タンク9の水素ガスは、図示しない圧力調整弁、流量調整弁を介して、燃料電池1の燃料極へ供給される。燃料電池1の燃料極から排出された未反応水素ガスを燃料極へ循環させるために配管と水素循環ポンプ12が設けられている。
コンプレッサ10は、コンプレッサモータ11により回転駆動され、酸化剤ガスとしての空気を圧縮して燃料電池1の酸化剤極へ供給する。
燃料電池1の発電出力は、電力制御装置4により制御されるとともに、電力制御装置4は、燃料電池1の発電電圧をバッテリ3の電圧に変換して出力する。電力制御装置4の出力は、蓄電装置としてのバッテリ3と並列に接続されている。電力制御装置4及びバッテリ3の電圧は、燃料電池補機2、車両補機5、及びインバータ6に供給される。
インバータ6は、供給された直流電圧を交流電圧に変換して、車両駆動用モータ7へ供給し、車両駆動用モータ7の駆動力により燃料電池車両が走行する。
燃料極へ供給する燃料ガスは、貯蔵した水素ガスでもよいし、ガソリンやメタノールなどを改質して生成される水素を供給してもよいし、水素タンク9は高圧ガスタンク以外に水素吸蔵合金タンクや液化水素タンクでもよい。燃料電池1も固形高分子型の燃料電池や溶融炭酸塩型等どんな種類でもよい。バッテリ3は充放電可能な二次電池である。充放電可能なものであればキャパシタなどでもよい。
燃料電池1とバッテリ3の間には燃料電池補機2、車両補機5、インバータ6が接続される。冷却システムとして、ラジエータ13により冷やされた冷却水を冷却水ポンプ14で循環し、電力制御装置4、インバータ6、車両駆動モータ7、コンプレッサ10等を冷却している。
燃料電池補機2は、燃料電池1を運転するために必要な,バルブ類やセンサなど必要な機器類を指している。インバータ6は燃料電池1及びバッテリ3から供給された電力を三相交流に変換して、車両駆動モータ7に供給する。車両駆動モータ7は車両制動時には回生発電機として機能し、その回生電力はインバータ6によりDC電力に変換され、バッテリ3に充電される。
それぞれの機器は図示してはいないが、燃料電池の温度センサや外気温センサや冷却水温度センサや車速センサなどの信号により、制御ユニット8により制御される。
次に、図2の制御フローチャートを参照して、実施例1の作用について説明する。最初に、図2のステップ(以下、ステップをSと略す)1において、アイドルストップ時の車両の消費電力Pcの予測を行う。
消費電力予測の詳細は、図3,4,5のフローで説明する。ここで、アイドルストップとは燃料電池で発電に必要な機器の動作を停止して、燃料電池での発電を停止した状態のことを指す。例えば、コンプレッサ10、水素循環ポンプ12、冷却水ポンプ14、その他、燃料電池補機類への通電を停止し、燃料電池1で発電が行われない状態にしたことをアイドルストップ状態とする。
次いで、S2において、バッテリ3のSOC(充電状態)を検出する。SOCは、説明の簡単化のため、蓄電量Qを検出するものとするが、定格蓄電量に対する比率で検出されるときには、検出した比率に定格蓄電量を乗じればよい。
S3において、アイドルストップ中にバッテリ3から電力供給可能な時間Tbを、例えば次に示す式(1)から算出し、この電力供給可能時間Tbが所定時間T1以上であるか否かを判定する。
Tb=(Q−Q1)/(Pc/V) …(1)
ここで、
Tb:電力供給可能時間
Q:蓄電量
Q1:アイドルストップ解除後、燃料電池起動完了までに必要な蓄電量
Pc:アイドルストップ中の予測消費電力
V:バッテリ電圧
である。
Tb=(Q−Q1)/(Pc/V) …(1)
ここで、
Tb:電力供給可能時間
Q:蓄電量
Q1:アイドルストップ解除後、燃料電池起動完了までに必要な蓄電量
Pc:アイドルストップ中の予測消費電力
V:バッテリ電圧
である。
S3の判定で、電力供給可能時間Tb≧所定時間T1であれば、所定時間以上アイドルストップ可能と判断してS4に進む。電力供給可能時間Tb<所定時間T1であれば、所定時間以上アイドルストップができないと判断して、S9に進む。
S4において、外気温度センサから外気温度、燃料電池温度センサから燃料電池温度を検出する。S5において、燃料電池内部の凝縮水量が所定量に達すると予測される時間としてアイドルストップ可能時間を求める。
このアイドルストップ可能時間は、S4で検出した外気温度及び燃料電池温度により、図6のような制御マップを検索して求める。図6の制御マップは、予め実験やシミュレーション等により求めた、外気温度及び燃料電池温度に対する凝縮水量が所定量に達する時間を制御ユニット8に記憶させたものである。凝縮水量の所定量とは、燃料電池1の起動に支障がない凝縮水量であり、燃料電池1の形状や使用材料等により異なり、これも実験やシミュレーション等により求めることができる。
燃料電池システムではアイドルストップ継続時間の増加に伴い燃料電池1の温度が低下し、燃料電池1内部の凝縮水が増加する。また、外気温度が低いほど燃料電池1の温度低下の速度が速いため、凝縮水量も多くなる。また、アイドルストップ開始時の燃料電池温度が高いと燃料電池温度の低下速度が早く、さらにアイドルストップ開始時の燃料電池温度が高いと燃料電池内の飽和水蒸気量も多くなるため、外気温度が低く燃料電池温度が高いほどアイドルストップ可能時間が短くなり、逆に外気温度が高く燃料電池温度が低いほどアイドルストップ可能時間が長くなる傾向にある。
S6において、S5で求めたアイドルストップ可能時間が所定時間以上であるか否かを判定する。所定時間以上アイドルストップが可能と判断した場合にはS8に進む。所定時間以上アイドルストップができないと判断した場合にはS7に進む。
S7において、バッテリ3の蓄電量に余裕があるか否か、即ち、コンプレッサ10または水素ポンプ12、或いはコンプレッサ10及び水素ポンプ12の双方を一時的に駆動して燃料電池1内に溜まった凝縮水を飛ばし、アイドルストップ時間を延長させるための蓄電量の余裕があるか否かを判定する。この判定には、蓄電量Qが式(2)を満足するかしないかを判定する。
Q≧Q1+(T1×Pc)/V+Q2 …(2)
ここで、Q1,Pc、T1,Vは、式(1)と同じ定義である。
Q2は、コンプレッサ10または水素ポンプ12、或いは双方を一時的に駆動して燃料電池内の凝縮水を排水するために必要なバッテリ3の蓄電量である。
Q≧Q1+(T1×Pc)/V+Q2 …(2)
ここで、Q1,Pc、T1,Vは、式(1)と同じ定義である。
Q2は、コンプレッサ10または水素ポンプ12、或いは双方を一時的に駆動して燃料電池内の凝縮水を排水するために必要なバッテリ3の蓄電量である。
式(2)が成立しバッテリの蓄電量に余裕があれば、アイドルストップ可能としてS8に進み、式(2)が不成立で蓄電量に余裕がない場合はアイドルストップができないと判断しS9に進む。
S8において、アイドルストップを許可しアイドルストップ制御に入る。図7は、アイドルストップ開始後(アイドルストップフラグをオン)の蓄電量と、予測される燃料電池内の凝縮水量の時間変化を示す図である。図7では、1回の水飛ばしで記載してあるが、蓄電量に余裕があり、凝縮水量が多いと計算された場合など、2回以上の水飛ばしを行うことでアイドルストップ可能時間を確保することも可能である。S9において、アイドルストップを禁止する。
次に、図3の制御フローチャートを参照して、図2のS1におけるアイドルストップ中の消費電力予測の詳細を説明する。まず、S11において、アイドルストップ時に最低必要な電力を設定する。これは事前にアイドルストップ状態に必要な電力を確認しておき、アイドルストップ中のベースの消費電力とする。例えば、システムを制御するコントローラやさまざまなバルブ、メーター表示に必要な電力である。
次いで、S12において、空気調和装置(以下、A/Cと略す)の消費電力の予測を行う。A/C消費電力の詳細は、図4の制御フローチャートにて説明する。
S13において、ライト類の消費電力の予測を行う。ライト類の消費電力予測の詳細は図5の制御フローチャートにて説明する。
S14において、S11からS13で設定、または予測した電力以外でアイドルストップ前から車両で使用されている電力の検出を行う。S15において、それぞれで求めた消費電力を積算して総消費電力を算出する。
本フローでは必要電力以外の消費電力予測をA/Cとライト類について記載したが、消費電力はこれらに限るものではなく、例えば雨滴センサーによりワイパーでの電力予測等他の消費電力も予測して、S15で積算することも可能である。
次に、図4の制御フローチャートを参照して、図3のS12におけるA/C電力予測の詳細を説明する。まず、S121において、外気温度、室内温度の検出を行う。次いで、S122において、A/Cがオンであるかオフであるか判断する。A/CがオンであればS123へ進み、A/CオフであればS124に進む。
S123において、室内設定温度と外気温度との差の絶対値、及び室内設定温度と室内温度との差の絶対値をパラメータとした、図8の関係を記憶した制御マップを検索して、A/Cオン時の消費電力の予測を行う。図8の関係は、車体の構造、車体寸法、車体各部の熱伝導率等を考慮して、実験またはシミュレーションにより予め求めて、制御ユニット8に記憶させたものである。尚、図8に関係には、日照センサの検出値も考慮すれば更に好ましい。
外気温度と室内設定温度の差が大きい場合は、外気温度が室内に影響を及ぼし室内温度が変化する可能性があり、A/Cの消費電力が大きくなる可能性がある。また、室内温度と室内設定温度の差が大きい場合は、運転者が室内を快適にするために空調を強くする可能性があり、A/Cの消費電力が大きくなる可能性がある。
S124において、外気温度と室内温度の差より図9の関係から消費電力を予測する。
外気温度と室内温度の差が所定値以内の場合、現在A/Cがオフの状態であるならば、アイドルストップ時も消費電力無しと判断し、所定値以上の場合は差が大きいほど、今後A/Cをつけることで消費電力が発生する可能性があると予測する。
次に、図5の制御フローチャートを参照して、図3のS13におけるライト類の消費電力予測の詳細を説明する。まず、S131において、ライトをつける時間か判断するために、制御ユニット8内の時計(TODタイマ)を読み出して現在の時刻検出を行う。
S132において、ライトスイッチがオンかオフかを判断する。ライトスイッチがオンであればS133へ進み、ライトスイッチがオフであればS134に進む。
S133において、現状の消費電力とS131で検出した時刻より、ライトをどの程度点灯するかを予測し、消費電力の大きいほうをライト類の予測消費電力とする。
例えば、16:00から18:00の間であればスモールライトの消費電力、18:00から5:00であればヘッドライト点灯時の消費電力、5:00から7:00であればスモールライト点灯時の消費電力と予測する。
この時刻に対応したライト点灯の設定は、固定ではなく、TODタイマの日付やナビゲーション装置の日付情報により、季節により設定を変化させることも可能である。
S134において、S133と同様にS131で検出した時刻よりライトをどの程度つけられるか予測する。
また、他の方法として、オートライト用の照度センサが検出した車両周囲の照度値により、ヘッドライト点灯かスモールライト点灯かを判断してライトの消費電力を予測してもよい。
以上説明した本実施例1によれば、燃料電池システムの状態に基づくアイドルストップ可能時間の推定は、燃料電池の凝縮水量を予測する手段としたため、燃料電池システムのアイドルストップ可能時間を精度良く推定でき、短いアイドルストップが繰り返されて燃料電池車両の運転性が低下することを防止できるという効果がある。
また、本実施例1によれば、アイドルストップ時間を延長する処置は、コンプレッサまたは水素ポンプ、或いは双方を駆動して、水飛ばしを行うこととしたため、確実にアイドルストップ時間を延長することができるという効果がある。
次に、本発明に係る燃料電池車両の制御装置の実施例2を説明する。実施例2のシステム構成は、図1に示した実施例1の構成と同様である。
図10は、実施例2における制御フローチャートである。図2に示した実施例1のフローチャートと同じステップには、同じステップ番号を付与して、重複する説明を省略し、実施例1に対し差異のある部分のみ説明する。本実施例は、燃料電池システムのアイドルストップ可能時間を燃料極から酸化剤極への水素透過量に基づいて推定するものである。
S51において、燃料極側から酸化剤極側へ透過する水素量に基づいて、アイドルストップ可能時間を求める。
アイドルストップ可能時間は、S4で検出した燃料電池温度により、制御ユニット8に予め記憶した図11に示すような制御マップを検索して求める。これは、燃料電池システムではアイドルストップ継続時間の増加に伴い、燃料極から酸化剤極へ電解質膜を介した水素透過量が多くなり、また燃料電池の水素透過量は温度が高いほど多くなるため、燃料電池温度が高いほどアイドルストップ可能時間が短くなる傾向にあることによる。図11の関係は、実験またはシミュレーションにより求めることができる。
S6において、S51で求めたアイドルストップ可能時間が所定時間以上であるか否かを判定する。所定時間以上アイドルストップが可能と判断した場合にはS8に進む。所定時間以上アイドルストップができないと判断した場合にはS71に進む。
S71において、コンプレッサ10を一時的に起動して酸化剤極に空気を供給することにより、酸化剤極側に透過した水素を希釈して、アイドルストップ時間を延長させるためのバッテリ蓄電量の余裕があるか否かの判定を行う。この判定には、蓄電量Qが式(3)を満足するかしないかを判定する。
Q≧Q1+(T1×Pc)/V+Q3 …(3)
ここで、Q1,Pc、T1,Vは、式(1)と同じ定義である。
Q≧Q1+(T1×Pc)/V+Q3 …(3)
ここで、Q1,Pc、T1,Vは、式(1)と同じ定義である。
Q3は、コンプレッサ10を一時的に駆動して酸化剤極側に透過した水素を希釈するために必要なバッテリ3の蓄電量である。式(3)が成立しバッテリの蓄電量に余裕があればアイドルストップ可能としてS8に進み、式(3)が不成立で蓄電量に余裕がない場合はアイドルストップができないと判断して、S9に進む。
以上説明した本実施例2によれば、燃料電池システムの状態に基づくアイドルストップ可能時間の推定は、燃料電池の酸化剤極側への燃料透過量を予測することとしたため、燃料電池システムのアイドルストップ可能時間を精度良く推定でき、短いアイドルストップが繰り返されて燃料電池車両の運転性が低下することを防止できるという効果がある。
また、本実施例2によれば、アイドルストップ時間を延長する処置は、コンプレッサを駆動して燃料極側から酸化剤極側へ透過した燃料を希釈することとしたため、確実にアイドルストップ時間を延長することができるという効果がある。
次に、本発明に係る燃料電池車両の制御装置の実施例3を説明する。実施例3のシステム構成は、図1に示した実施例1の構成と同様である。
図12は、実施例3における制御フローチャートである。図2に示した実施例1のフローチャートと同じステップには、同じステップ番号を付与して、重複する説明を省略し、実施例1に対し差異のある部分のみ説明する。本実施例は、燃料電池システムのアイドルストップ可能時間を強電冷却系の冷却水温度が所定温度まで上昇する時間として推定するものである。
S42において、冷却水温度と、アイドルストップ判断直前までの燃料電池1の出力履歴(例えば平均出力)を検出する。
S52において、冷却水温度と、前記燃料電池1の出力履歴(平均出力)に基づいて、アイドルストップ可能時間を制御ユニット8に予め記憶した図13の関係から求める。図13の関係は、実験またはシミュレーションにより求めることができる。
これは、アイドルストップしても電力制御装置4など強電部品は作動しているため、冷却水の循環が止まることで冷却できず、温度が上昇し上限温度に達してしまう可能性があるためである。冷却水温度が高いほど、また、燃料電池をアイドルストップさせる直前までの所定時間での平均出力が高いほど(これは、高出力を出していたことにより部品自体が熱を持っており直ぐに部品許容温度まで達してしまう可能性がある)、アイドルストップ可能時間が短くなる傾向にある。
S72において、冷却水ポンプ14を駆動させ冷却水循環により強電系部品を冷却することで、アイドルストップ時間を延長させるためのバッテリ蓄電量の余裕があるか否かの判定を行う。この判定には、蓄電量Qが式(4)を満足するかしないかを判定する。
Q≧Q1+(T1×Pc)/V+Q4 …(4)
ここで、Q1,Pc、T1,Vは、式(1)と同じ定義である。
Q≧Q1+(T1×Pc)/V+Q4 …(4)
ここで、Q1,Pc、T1,Vは、式(1)と同じ定義である。
Q4は、冷却水ポンプ14を一時的に駆動して強電系部品を冷却するために必要なバッテリ3の蓄電量である。
式(4)が成立しバッテリの蓄電量に余裕があればアイドルストップ可能としてS8に進み、式(4)が不成立で蓄電量に余裕がない場合はアイドルストップができないと判断して、S9に進む。
以上説明した本実施例3によれば、燃料電池システムの状態に基づくアイドルストップ可能時間の推定は、燃料電池の酸化剤極側への燃料透過量を予測することとしたため、燃料電池システムのアイドルストップ可能時間を精度良く推定でき、短いアイドルストップが繰り返されて燃料電池車両の運転性が低下することを防止できるという効果がある。
また、本実施例3によれば、燃料電池システムのアイドルストップ時間を延長する処置は、冷却ポンプを駆動して冷却水を循環させることにより行うこととしたため、確実にアイドルストップ時間を延長することができるという効果がある。
次に、本発明に係る燃料電池車両の制御装置の実施例4を説明する。実施例4のシステム構成は、図1に示した実施例1の構成と同様である。
図14は、実施例4における制御フローチャートである。図2に示した実施例1のフローチャートと同じステップには、同じステップ番号を付与して、重複する説明を省略し、実施例1に対し差異のある部分のみ説明する。本実施例は、燃料電池システムのアイドルストップ可能時間を燃料系窒素濃度により推定するものである。
S43において、燃料系内窒素濃度を検出する。S53において、アイドルストップ可能時間を求める。アイドルストップ可能時間はS43で検出した燃料系内窒素濃度により図15の関係から求める。
これは、燃料電池システムではアイドルストップ経過時間の増加に伴い、酸化剤極から燃料極への窒素透過量が多くなり、また燃料電池の窒素透過量は温度が高いほど多くなるため、燃料電池温度が高いほどアイドルストップ可能時間が短くなる傾向にある。燃料循環系内部の窒素濃度が上昇すると、水素より分子量の大きい窒素が入ることで燃料循環経路での水素循環ポンプ12による循環量が低下し、高出力時に必要な水素供給ができなくなるためである。
S73において、アイドルストップ解除後に車両加速した場合のバッテリアシストするための蓄電量の余裕があるか否かの判定を行う。この判定には、蓄電量Qが式(5)を満足するかしないかを判定する。
Q≧Q1+(T1×Pc)/V+Q5 …(5)
ここで、Q1,Pc、T1,Vは、式(1)と同じ定義である。
Q≧Q1+(T1×Pc)/V+Q5 …(5)
ここで、Q1,Pc、T1,Vは、式(1)と同じ定義である。
Q5は、後述するアイドルストップ解除後の車両駆動モータ7に供給する電力のバッテリアシスト量とその継続時間に対応する蓄電量である。
式(5)が成立しバッテリの蓄電量に余裕があればアイドルストップ可能としてS8に進み、式(5)が不成立で蓄電量に余裕がない場合はアイドルストップができないと判断して、S9に進む。
図15に示す燃料系内窒素濃度に対するアイドルストップ可能時間の関係で、燃料電池の最高出力低下のない範囲であれば、アイドルストップからの復帰後、通常通りの出力が可能であるが、アイドルストップ時間を延ばすと燃料系内の窒素濃度が上昇し、アイドルストップからの復帰後、図16のように、燃料系内窒素濃度に応じた燃料電池の最高出力制限が生じることになる。この最高出力の制限は、図1には示されないパージ弁から窒素を含むガスが排出され、窒素濃度が所定値に下がるまでの間である。
図18のように要求出力がある時に、燃料電池が通常出力であれば、初期の起動遅れ分のみ(A部)バッテリでアシストすればよいが、出力制限がかかると途中要求駆動出力を満たせなくなり、バッテリでのアシストが必要となる(B部)。このため、アイドルストップ時間を延ばした場合に、図17のような関係でバッテリからのアシストが必要となる。
以上説明した本実施例4によれば、燃料電池システムの状態に基づくアイドルストップ可能時間の推定は、燃料電池の燃料系の窒素濃度を予測することとしたため、燃料電池システムのアイドルストップ可能時間を精度良く推定でき、短いアイドルストップが繰り返されて燃料電池車両の運転性が低下することを防止できるという効果がある。
また、本実施例4によれば、アイドルストップ時間を延長する処置は、窒素濃度上限値を変更することとしたため、確実にアイドルストップ時間を延長することができるという効果がある。
1…燃料電池
2…燃料電池補機
3…バッテリ(蓄電装置)
4…電力制御装置
5…車両補機
6…インバータ
7…車両駆動モータ
8…制御ユニット
9…水素タンク
10…コンプレッサ
11…コンプレッサモータ
12…水素ポンプ
13…ラジエータ
14…冷却水ポンプ
2…燃料電池補機
3…バッテリ(蓄電装置)
4…電力制御装置
5…車両補機
6…インバータ
7…車両駆動モータ
8…制御ユニット
9…水素タンク
10…コンプレッサ
11…コンプレッサモータ
12…水素ポンプ
13…ラジエータ
14…冷却水ポンプ
Claims (10)
- 電解膜を挟んで燃料極と酸化剤極が対設された燃料電池と、
前記燃料極に燃料ガスを供給する燃料供給手段と、
前記酸化剤極に空気を供給する空気供給手段と、
少なくとも前記燃料電池で発電した電力で駆動される車両駆動モータと、
前記燃料電池のアイドルストップ中に車両に電力を供給する蓄電装置と、を備えた燃料電池車両において、
前記蓄電装置の蓄電量を検出する蓄電量検出手段と、
アイドルストップ中の消費電力を予測する消費電力予測手段と、
予測した消費電力と前記蓄電装置の蓄電量とに基づいて、アイドルストップ中に前記蓄電装置が電力供給可能な時間を算出する電力供給可能時間算出手段と、
前記電力供給可能時間が所定時間以上であれば、アイドルストップを許可し、所定時間未満であればアイドルストップを禁止するアイドルストップ許可手段と、
を備えたことを特徴とする燃料電池車両の制御装置。 - アイドルストップを所定時間継続した後の前記蓄電装置の余裕蓄電量を推定する余裕蓄電量推定手段と、
燃料電池システムの状態に基づいてアイドルストップ可能時間を推定するアイドルストップ可能時間推定手段と、を備え、
前記余裕蓄電量を用いて前記アイドルストップ可能時間を延長する処置を行うことにより、延長分を含むアイドルストップ可能時間が所定時間以上になる場合には、アイドルストップを許可することを特徴とする請求項1記載の燃料電池車両の制御装置。 - 前記アイドルストップ可能時間推定手段は、
燃料電池の凝縮水量が所定量に達する時間を予測する手段であることを特徴とする請求項2記載の燃料電池車両の制御装置。 - 前記アイドルストップ可能時間を延長する処置は、燃料循環ポンプを駆動して、燃料電池の凝縮水を排水することを特徴とする請求項3記載の燃料電池車両の制御装置。
- 前記アイドルストップ可能時間推定手段は、
燃料電池の燃料極側から酸化剤極側への燃料透過量が所定量に達する時間を予測する手段であることを特徴とする請求項2記載の燃料電池車両の制御装置。 - 前記アイドルストップ可能時間を延長する処置は、
前記空気供給手段により酸化剤極へ空気を供給して、酸化剤極側へ透過した燃料を希釈することを特徴とする請求項5記載の燃料電池車両の制御装置。 - 前記アイドルストップ可能時間推定手段は、
電力制御装置を冷却する強電冷却系の冷却水温度が所定温度まで上昇する時間を予測する手段であることを特徴とする請求項2記載の燃料電池車両の制御装置。 - 前記アイドルストップ可能時間を延長する処置は、
前記強電冷却系の冷却水ポンプを駆動して冷却水を循環させることを特徴とする請求項7記載の燃料電池車両の制御装置。 - 前記アイドルストップ可能時間推定手段は、
燃料電池の酸化剤極側から燃料極側へ透過する窒素濃度を予測する手段であることを特徴とする請求項2記載の燃料電池車両の制御装置。 - 前記アイドルストップ可能時間を延長する処置は、
窒素濃度上限値を変更することを特徴とする請求項9記載の燃料電池車両の制御装置。
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