JP2007088042A - Ptc素子及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 素体から延出するリード端子を他の端子に接合する際の接合強度を向上させることが可能なPTC素子を提供すること。
【解決手段】 このPTC素子1は、結晶性高分子に導電性フィラーを分散させてなる素体10と、素体10を挟んで熱圧着される一対の端子電極12,14とを備え、一対の端子電極12,14はそれぞれ、素体10と重なる重複領域121,141と、素体10と重ならない非重複領域122,142とを有し、一対の端子電極12,14それぞれの重複領域121,141には、大径部161と当該大径部161よりも根元側には小径部162とを有するアンカー突起16,20が形成されており、一対の端子電極12,14それぞれの非重複領域122,142においては、アンカー突起16が押しつぶされて平坦化されている。
【選択図】 図2
【解決手段】 このPTC素子1は、結晶性高分子に導電性フィラーを分散させてなる素体10と、素体10を挟んで熱圧着される一対の端子電極12,14とを備え、一対の端子電極12,14はそれぞれ、素体10と重なる重複領域121,141と、素体10と重ならない非重複領域122,142とを有し、一対の端子電極12,14それぞれの重複領域121,141には、大径部161と当該大径部161よりも根元側には小径部162とを有するアンカー突起16,20が形成されており、一対の端子電極12,14それぞれの非重複領域122,142においては、アンカー突起16が押しつぶされて平坦化されている。
【選択図】 図2
Description
本発明は、PTC(Positive Temperaature Coefficient)素子及びその製造方法に関する。
過電流から回路素子を保護するための素子として、PTC素子が知られている。PTC素子は、ある特定の温度領域に達すると抵抗値の正温度係数が急激に増大する素子である。そのようなPTC素子の一つとして、下記特許文献1に記載されたものが知られている。
特公平5−9921号公報
上記特許文献1に記載のPTC素子は、重合体とその重合体に分散された導電性粉末とからなる正の抵抗温度特性を有する素子の表面に、その素子の表面と接する面を粗面化した金属板を接合し、その金属板を端子電極としている。このように素子の表面と接する面を粗面化するのは、素子と金属板との接合強度を向上させるためである。
しかしながら、上記特許文献1に記載のPTC素子のように素子の表面と接する面全体を粗面化した場合、端子電極となった金属板を外部端子等の接続端子と溶接やはんだで接合すると接合強度が十分に確保できない場合があった。
そこで本発明では、素体から延出するリード端子を他の端子に接合する際の接合強度を向上させることが可能なPTC素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るPTC素子の製造方法は、素体を挟んで熱圧着される一対のリード端子を備えるPTC素子の製造方法であって、結晶性高分子に導電性フィラーを分散させてなる素体を準備する素体準備工程と、素体を挟む一対のリード端子であって、素体を挟む面に複数のアンカー突起が互いに離隔して形成されているリード端子を準備する端子準備工程と、一対のリード端子それぞれにおける素体と重ならない非重複領域に形成されているアンカー突起を平坦化する平坦化工程と、一対のリード端子それぞれにおける素体と重なる重複領域で素体を挟み込み、熱圧着によって一対のリード端子と素体とを固定する熱圧着工程と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、非重複領域に形成されているアンカー突起を平坦化した後のリード端子によって素体を挟み込み、熱圧着によってリード端子と素体とを固定しているので、例えば素体が非重複領域に流出した場合も容易にその流出部分を除去することができる。従って、非重複領域には素体が実質的に残留せず平坦化されているので、リード端子を他の端子に良好に接合させることができる。
また本発明に係るPTC素子の製造方法では、平坦化工程においては、非重複領域に形成されているアンカー突起を押しつぶして平坦化することも好ましい。アンカー突起を押しつぶして平坦化するので、不要な残材を発生させずに非重複領域を平坦化することができる。
本発明に係るPTC素子は、結晶性高分子に導電性フィラーを分散させてなる素体と、当該素体を挟んで熱圧着される一対のリード端子とを備えるPTC素子であって、一対のリード端子はそれぞれ、素体と重なる重複領域と、素体と重ならない非重複領域とを有し、一対のリード端子それぞれの重複領域には、大径部と当該大径部よりも根元側には小径部とを有するアンカー突起が形成されており、一対のリード端子それぞれの非重複領域においては、アンカー突起が押しつぶされて平坦化されていることを特徴とする。
本発明によれば、リード端子の素体と重ならない非重複部分を容易に平坦化することができるので、非重複部分に素体が残留していないPTC素子を提供できる。従って、非重複部分と他の端子とを接合する際の接合強度を向上させることができる。
また本発明では、重複領域の厚みが60〜140μm、非重複領域の厚みが50〜120μm、及びアンカー突起の平均高さが5〜40μmであることも好ましい。重複領域の厚みが140μmよりも厚くなると、リード端子が厚くなり過ぎてしまい、素体とリード端子との熱圧着が不十分となり、素体とリード端子との接続強度が弱くなる。従って、非重複領域の厚みは、平坦化を考慮して120μm以下とすることが好ましい。また、非重複領域の厚みが50μmよりも薄くなるとリード端子自体の強度が低下する。従って、重複領域の厚みは、非重複領域の平坦化を考慮して60μm以上とすることが好ましい。また、アンカー突起の平均高さが5μmよりも低いと、素体とリード端子との間におけるアンカー効果を十分に発揮できず、素体とリード端子との接続強度が弱くなる。また、アンカー突起の平均高さが40μmよりも高いと、アンカー突起自体の強度が低下し、素体との熱圧着時にアンカー突起がリード端子から脱落する。
本発明によれば、一対のリード端子それぞれにおける非重複領域には、素体を残留させずに平坦化することができるので、リード端子を他の端子に良好に接合させることができる。従って、素体から延出するリード端子を他の端子に接合する際の接合強度を向上させることが可能となる。
本発明の知見は、例示のみのために示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解することができる。引き続いて、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
本発明の実施形態であるPTC素子について図1を参照しながら説明する。図1は、PTC素子1の斜視図である。PTC素子1は、ポリマーPTC素子であり、一対の端子電極12,14(リード端子)と、素体10とを備えている。
一対の端子電極12,14は、厚みが0.1mm程度のNi又はNi合金である。一対の端子電極12,14は、それぞれの一部が対向するように配置されている。その対向している部分の間には素体10が配置されているので、一対の端子電極12,14はそれぞれの面12s,14sで素体10を挟んでいる。従って、一対の端子電極12,14にはそれぞれ、素体10と重なる重複領域121,141と、素体10と重ならない非重複領域122,142とが形成されている。
素体10は、結晶性高分子樹脂に導電性フィラーを分散させて形成されている。導電性フィラーとしてはNi粉が、結晶性高分子樹脂としては熱可塑性樹脂であるポリエチレン樹脂がそれぞれ好適に用いられる。素体10は一対の端子電極12,14に加圧・加熱して圧着されている。
図2は、図1に示したPTC素子1の側面図である。図2に示すように、端子電極12,14それぞれが素体10を挟む面12s,14sには、アンカー突起16,20及び平坦化突起18,22がそれぞれ複数形成されている。アンカー突起16,20は重複領域121,141に、平坦化突起18,22は非重複領域122,142にそれぞれ形成されている。尚、図2においては、説明のためにアンカー突起16,20及び平坦化突起18,22を相対的に大きく描いている。実際のアンカー突起16,20及び平坦化突起18,22は微小突起であって視認することは困難な大きさとなっている。以下の説明に用いる図面においても同様である。
図2に示した端子電極12の拡大側面図を図3に示す。図3に示すように、重複領域121に形成されている複数のアンカー突起16は、それぞれ大径部161及び小径部162を有している。大径部161は、アンカー突起16が端子電極12から延びる方向において先端側に設けられ、その方向における外周が小径部162の外周よりも大きくなるように形成されている。小径部162は、大径部161よりもアンカー突起16の根元側に設けられている。各アンカー突起16における大径部161及び小径部162の形状は不揃いであってもよい。また、大径部161及び小径部162の外周形状が円形又は楕円形といった整った形状でなく、いびつな形状であってもよい。
隣接するアンカー突起16は、互いに離隔するように配置されている。従って、各アンカー突起16間に形成される凹部17に素体10が入り込み、端子電極12と素体10とが固定されている。このアンカー突起16を形成せずに端子電極12と素体10とを固定した場合には、素体10に対する端子電極12の固定が不十分になり、素子10と端子電極12との接続強度が極端に弱くなる。
図3に示すように、非重複領域122に形成されている複数の平坦化突起18は、それぞれ大径部181及び小径部182を有している。大径部181は、平坦化突起18が端子電極12から延びる方向において先端側に設けられ、その方向における外周が小径部182の外周よりも大きくなるように形成されている。大径部181の先端には平坦面181aが形成されている。小径部182は、大径部181よりも平坦化突起18の根元側に設けられている。各平坦化突起18における大径部181及び小径部182の形状は不揃いであってもよい。また、大径部181及び小径部182の外周形状が円形又は楕円形といった整った形状でなく、いびつな形状であってもよい。
隣接する平坦化突起18は、互いに接するように配置されている。各平坦化突起18の平坦面181aが連続し、実質的な平坦面を形成している。従って、各平坦化突起18間に形成される凹部19に素体10が入り込むことは実質的にない。もっとも、非重複領域122,142の全面に渡って、完全に各平坦化突起18が接しているわけではなく、端子電極12,14が他の端子と接合する際の接合強度に実質的な影響を与えない範囲で、平坦化突起18同士が離隔している場合もある。
本実施形態においては非重複領域122,142に平坦化突起18を互いに接するように形成することによって実質的な平坦面を形成したけれども、実質的な平坦面を形成することが可能であれば、実施形態は上述したものに限られない。例えば、非重複領域122,144を切削又は研削するなどして平坦化しても構わない。
引き続いて、上述したPTC素子1の製造方法について図4を主に参照し、図1〜3及び図5〜8を必要に応じて参照しながら説明する。図4は本実施形態におけるPTC素子1の製造方法の手順を示す図である。図5〜8は、製造方法の各工程における、端子電極12及び素体10の様子を拡大して示す図である。図4に示すように、PTC素子1の製造方法は、素体準備工程(ステップS01)と、端子準備工程(ステップS02)と、平坦化工程(ステップS03)と、熱圧着工程(ステップS04)とを備えている。
素体準備工程(ステップS01)では、素体10(図1〜3参照)となる素体素材を作製して準備する。まず、導電性フィラーとなるNi粉と、母材樹脂となるポリエチレンとを混錬してブロックを形成する。このブロックを円盤状にプレスし、カットして素体素材を得る。
続く端子準備工程(ステップS02)では、端子電極12,14(図1〜3参照)となる金属板を作成して準備する。端子電極12,14(図1〜3参照)が素体10(図1〜3参照)を挟む面12s,14s(図1〜3参照)には、アンカー突起16,20(図1〜3参照)が形成されている。アンカー突起16,20は、上述した節瘤状の突起が連続して形成されたものである。端子電極12を例にとると、図5に示すように、アンカー突起16は端子電極12の重複領域121及び非重複領域122の双方に形成されている。図示しないが、端子電極14についても同様である。
図4に戻り、平坦化工程(ステップS03)では、非重複領域122,142(図1〜3参照)に形成されているアンカー突起16,20(図1〜3参照)を押しつぶして平坦化する。端子電極12を例にとると図6に示すように、非重複領域122に形成されていたアンカー突起16がプレスによって押しつぶされて、平坦化突起18となっている。この場合のプレス移動量は、10〜35μmであり、より好ましくは10〜15μmである。
各平坦化突起18は、上述したように互いに接触して実質的に平坦化されている。端子電極の厚みからみると、アンカー突起16が形成されている重複領域121の平均厚みよりも、平坦化突起18が形成されている非重複領域122の平均厚みは薄くなっている。尚、平均厚みは、所定面積を打ち抜いた試料を作り、その質量及び比重から求めることができる。
例えば本実施形態の場合、平坦化後の厚みは、重複領域121,141が60〜140μm、非重複領域122,142が50〜120μmであることが好ましい。この場合、アンカー突起16,20の平均高さは5〜40μmである。また、平坦化後の厚みは、重複領域121,141が95〜100μm、非重複領域122,142が80〜90μmであることがより好ましい。この場合、アンカー突起16,20の平均高さは5〜20μmである。
重複領域121,141の厚みが140μmよりも厚くなると、端子電極12,14が厚くなり過ぎてしまい、素体10と端子電極12,14との熱圧着が不十分となり、素体10と端子電極12,14との接続強度が弱くなる。従って、非重複領域122,142の厚みは、平坦化を考慮して120μm以下とすることが好ましい。
また、非重複領域122,142の厚みが50μmよりも薄くなると端子電極12,14自体の強度が低下し、非重複領域122,142において折れ曲がってしまうなど製造工程時及び製品後の取り扱いが困難になる。従って、重複領域121,141の厚みは、非重複領域122,142の平坦化を考慮して60μm以上とすることが好ましい。
また、アンカー突起16,20の平均高さが5μmよりも低いと、素体10と端子電極12,14との間におけるアンカー効果を十分に発揮できず、素体10と端子電極12,14との接続強度が弱くなる。また、アンカー突起16,20の平均高さが40μmよりも高いと、アンカー突起16,20自体の強度が低下し、素体10との熱圧着時にアンカー突起16,20が端子電極12,14から脱落する。
図4に戻り、熱圧着工程(ステップS04)では、一対の端子電極12,14(図1〜3参照)それぞれにおける重複領域121,141(図1〜3参照)で素体素材(素体)を挟み込み、熱圧着によって一対の端子電極12,14(図1〜3参照)と素体10(図1〜3参照)とを固定する。
より具体的には、図7に示すように、ステップS03で平坦化処理を施した端子電極12と端子電極14(図7においては図示せず)とで、ステップS01で準備した素体素材Mを挟む。その際、素体素材Mは、端子電極12の重複領域121と、端子電極14の重複領域(図7においては図示せず)とで挟むように配置する。続いて、加熱しながら、端子電極12と端子電極14とで素体素材Mを圧縮すると図8に示すような状態となる。図8に示すように素体素材Mは、重複領域121から非重複領域122に流出するので、その流出部分11を除去する。尚、加熱しながら加圧してもよく、加熱後に加圧してもよい。
上述した製造方法によって、本実施形態におけるPTC素子1を得ることができる。尚、平坦化工程においては、アンカー突起16,20を押しつぶして平坦化したけれども、アンカー突起16,20を切削又は研削することで平坦化してもよい。
本実施形態によれば、非重複領域122,142に形成されているアンカー突起16,20を平坦化した後の端子電極によって素体素材M(素体10)を挟み込み、熱圧着によって端子電極12,14と素体10とを固定しているので、例えば素体素材M(素体10)が非重複領域122,142に流出した場合も容易にその流出部分を除去することができる。従って、非重複領域122,142には素体素材M(素体10)が残留せず平坦化されているので、端子電極12,14をはんだ付けや溶接(特にスポット溶接)によって他の端子に良好に接合させることができる。
1…PTC素子、12,14…端子電極、10…素体、121,141…重複領域、122,142…非重複領域。
Claims (4)
- 素体を挟んで熱圧着される一対のリード端子を備えるPTC素子の製造方法であって、
結晶性高分子に導電性フィラーを分散させてなる素体を準備する素体準備工程と、
前記素体を挟む一対のリード端子であって、前記素体を挟む面に複数のアンカー突起が互いに離隔して形成されているリード端子を準備する端子準備工程と、
前記一対のリード端子それぞれにおける前記素体と重ならない非重複領域に形成されている前記アンカー突起を平坦化する平坦化工程と、
前記一対のリード端子それぞれにおける前記素体と重なる重複領域で前記素体を挟み込み、熱圧着によって前記一対のリード端子と前記素体とを固定する熱圧着工程と、
を備えることを特徴とするPTC素子の製造方法。 - 前記平坦化工程においては、前記非重複領域に形成されている前記アンカー突起を押しつぶして平坦化することを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
- 結晶性高分子に導電性フィラーを分散させてなる素体と、当該素体を挟んで熱圧着される一対のリード端子とを備えるPTC素子であって、
前記一対のリード端子はそれぞれ、前記素体と重なる重複領域と、前記素体と重ならない非重複領域とを有し、
前記一対のリード端子それぞれの重複領域には、大径部と当該大径部よりも根元側には小径部とを有するアンカー突起が形成されており、
前記一対のリード端子それぞれの非重複領域においては、前記アンカー突起が押しつぶされて平坦化されていることを特徴とするPTC素子。 - 前記重複領域の厚みが60〜140μm、前記非重複領域の厚みが50〜120μm、及び前記アンカー突起の平均高さが5〜40μmであることを特徴とする、請求項3に記載のPTC素子。
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