JP2007088052A - 撮像装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機光電変換膜を用いた画素を集積した撮像装置の耐湿性(耐水性)を高めて、有機光電変換膜の特性劣化を抑制し、撮像装置の長寿命化を実現し、また、その撮像装置の製造方法を提供する。
【解決手段】有機光電変換膜を用いて構成される画素を備えた撮像素子チップ201と、撮像素子チップ201を収容する凹部を有する筐体部203及び該筐体部203に備えられ撮像素子チップ201と電気的に結線される複数の電極端子204を備えた外囲器202と、凹部を塞ぐとともに撮像素子チップ201に光を導入させる透明板205と、を具備し、透明板205と筐体部203との接合を、凹部内への水分の通過を防止する気密封止とした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、撮像装置およびその製造方法に関し、特に、高解像度かつ高画質の画像を撮影できる撮像装置、ならびに、その撮像装置を高信頼度で製造することを可能とする製造方法に関する。
CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサに代表される単板カラー撮像素子は、光電変換する画素(フォトダイオード)配列上に3種または4種のモザイク状色フィルタを設けることにより、各色フィルタに対応した色信号が出力される。そして出力された色信号を信号処理してカラー画像を生成する。しかし、モザイク状色フィルタを設けた撮像素子は、原色の色フィルタの場合、およそ入射光の2/3が色フィルタで吸収されるため、光利用効率が悪く、感度が低いという欠点がある。また、各画素で1色の色信号しか得られないため、解像度も悪い。特に、偽色が目立つ。
そこで、このような欠点を克服するために、例えば、特許文献1に記載されるような撮像素子(三重ウエル構造利用のアクティブピクセルセル結像アレイ)が提案されている。この撮像素子では、シリコン基板内に光信号検出の3重のウエル(フォトダイオード)を設けることにより、シリコン基板の深さの違いにより、分光感度が異なる信号(表面から青、緑、赤の波長にピークを持つ)が得られる。この構造をもつ撮像素子は、解像度が良く、光の利用効率も高い。但し、RGB出力信号の分光感度特性の分離が必ずしも十分とはいえず、色再現性が所望のレベルに達しない場合があり得る。また、特許文献1の撮像素子では、真のRGB信号を得るために出力信号の加減算を行う必要があり、この加減算がS/N劣化の一因となる場合もある。
このため、特許文献2,特許文献3に記載されるように、さらにRGB出力信号の分光感度特性の分離を良くする撮像素子(有機半導体画像センサ)が研究・開発されている。
特許文献2,特許文献3に記載される撮像素子は、3層光電変換膜構造の撮像素子であり、例えば、光入射面から順次B,G,Rの光に対して信号電荷(電子、正孔)を発生する光電変換膜を積層して画素を構成し、かつ、画素毎に、各光電変換膜で光発生した信号電荷を独立に読み出すことができる読出し部が一体化されて設けられている。したがって、この撮像素子の場合、入射光が殆ど光電変換されて読み出されるため、可視光の利用効率は100%に近く、しかも各画素でR,G,Bの3色の色信号が得られる。さらに、3層の光電変換膜の分光感度特性は独立に選択出来るため、RGB出力信号の分光感度特性の分離が良好である。このため、高感度で、高解像度(偽色が目立たない)で、かつ、色再現性が良く、S/Nも良い画像が得られる。
また、特許文献4の図5に示されるような構造の撮像素子も提案されている。すなわち、この撮像素子は、特許文献1に示される技術と、特許文献2,3に示される技術を併用した、いわゆるハイブッリド型の素子である。その構造は、上層のみ、G光に感度を持つ光電変換膜の画素で、B光とR光を検知する画素はシリコン基板内の二層のpn接合フォトダイオードとしたものである。
特許文献2,特許文献3に示される撮像素子と比較すると、特許文献4の撮像素子は、光電変換膜が1層となったため、製造工程が簡単になり、低コストで高歩留を実現できる。さらに、光電変換膜でG光が吸収されるため、シリコン基板内のB光用とR光用のpn接合フォトダイオードの分光感度特性の分離は良好であり、色再現性に優れており、かつ、良好なS/Nの画像が得られる。
特表2002−513145号公報 特表2002−502120号公報 特開2002−83946号公報 特開2003−332551号公報
しかしながら、特許文献2,特許文献3に記載される3層光電変換膜構造の撮像素子や特許文献4に記載されるハイブリッド型の撮像素子は、その封止構造上、耐湿性に限界があり、長期間(例えば1年以上)に渡って高温多湿の環境に置かれた場合には、撮像素子の性能が所望の基準を下回り、製品寿命が尽きてしまう場合があり得る。
この点について、以下、図面を参照して説明する。
図6は、特許文献4に記載される撮像素子チップが外囲器に収納されている撮像装置の断面図である。
図6において、シリコン基板上にG光を検知する有機光電変換膜の画素配列を設けられ、シリコン基板内にはB光とR光を検知する2層のpn接合フォトダイオードと光発生した信号電荷の読み出し部が設けられている撮像素子チップ101が外囲器102に収納され、封止されている。
外囲器102は、電極端子104を含む筐体部103と光信号を撮像素子チップ101に導入するための透明板(ガラス)105で構成されている。筐体部103と透明板105は有機接着剤106(紫外線硬化樹脂や熱硬化性樹脂等)で固着されている。また、外囲器102の内部は乾燥した空気または窒素ガスで満たされている。前述のとおり、図6の撮像装置は優れた性能を持つ撮像装置である。しかし、有機光電変換膜に水が浸入すると、光電変換性能が急激に劣化し、この点が唯一の不安材料といえる。
すなわち、短期間で比較的良い環境(空調されているオフィス等)の場合には、水が外囲器102の内部に浸入することはないが、長期間(例えば1年以上)に渡って、高温多湿の環境に置かれる場合には、水分が有機接着剤を経由して外囲器102の内部に侵入することが起こり得る。
外囲器102の内部に侵入した水分は、さらに撮像素子チップ101の保護膜を透過して光電変換膜まで到達し、光電変換性能を劣化させることになる。さらに時間経過が進むと、撮像素子チップ101の性能が所望の性能を下回って、製品寿命が尽きることになる。
本発明は、このような考察に基づいてなされたものであり、その目的は、製品寿命が長く、信頼性が高い有機光電変換膜の画素を有する撮像装置を提供し、また、その撮像素子の量産化を可能とする、信頼性の高い撮像装置の製造方法を提供することにある。
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 有機光電変換膜を用いて構成される画素を備えた撮像素子チップと、前記撮像素子チップを収容する凹部を有する筐体部及び該筐体部に備えられ前記撮像素子チップと電気的に結線される複数の電極端子を備えた外囲器と、前記凹部を塞ぐとともに前記撮像素子チップに光を導入させる透明板と、を具備し、前記透明板と前記筐体部との接合が、前記凹部内への水分の通過を防止する気密封止にされたことを特徴とする撮像装置。
この撮像装置によれば、気密封止(ハーメチックシール)パッケージ構造を採用することによって、耐湿性(耐水性)が向上し、筐体部内への水分の進入が防止される。したがって、水分によって有機光電変換膜の特性が劣化する心配がなくなり、製品寿命が長く、信頼性が高い有機光電変換膜の画素を用いた撮像装置が実現される。
(2) (1)記載の撮像装置であって、前記透明板はガラスからなり、前記筐体部はセラミックスからなることを特徴とする撮像装置。
この撮像装置によれば、有機光電変換膜を用いて構成される画素が集積された撮像素子チップの封止構造として、セラミック筐体にガラス窓を設けた、信頼性の高い、セラミック気密封止パッケージ構造を採用することにより、セラミックとして、例えば、熱伝導率の高いものを使用すれば、気密封止時に発生する熱を(ヒートシンク等を介して)効率的に吸収することが可能となる。
(3) (1)記載の撮像装置であって、前記外囲器の凹部内は、水分量3000ppm以下の乾燥空気または乾燥窒素のいずれかにより満たされていることを特徴とする撮像装置。
この撮像装置によれば、筐体部の内部の有機光電変換膜は、湿度が極めて低い雰囲気中に、常時置かれることになり、水分による特性劣化を抑制することができる。
(4) (1)〜(3)のいずれか記載の撮像装置であって、前記透明板と前記筐体部とがガラス材料により気密封止されていることを特徴とする撮像装置。
この撮像装置によれば、透明板と筐体部とをガラス材料により気密封止することにより、熱硬化や紫外線硬化させる有機接着材を用いる場合と比較して、外囲器の内部に水分が侵入することを確実に防止できる。
(5) (4)記載の撮像装置であって、前記ガラス材料は、低融点ガラスであることを特徴とする撮像装置。
この撮像装置によれば、ガラス材料として低融点ガラスを用いることによって、気密封止の際の加熱温度を低く抑えることができ、熱による撮像素子チップの特性劣化(特に、有機光電変換膜の特性劣化)を防止することができる。
(6) (1)〜(3)のいずれか1項記載の撮像装置であって、前記透明板に予め形成された第1金属フレームと、前記筐体部に予め形成された第2金属フレームとが半田付けされて、前記透明板と前記筐体部が気密封止されていることを特徴とする撮像装置。
この撮像装置によれば、第1金属フレームと第2金属フレームとを半田付けにより接合されることで、透明板と筐体部とを強固に接合でき、気密性が高く、かつ衝撃等にも強い、信頼性の高い気密封止構造を得ることができる。
(7) (1)〜(3)のいずれか1項記載の撮像装置であって、前記透明板に予め形成された第1金属フレームと、前記筐体部に予め形成された第2金属フレームとが互いに溶接されて、前記透明板と前記筐体部が気密封止されていることを特徴とする撮像装置。
この撮像装置によれば、溶接による強固な接続が可能であり、気密性が高く、かつ衝撃等にも強い、信頼性の高い気密封止構造を得ることができる。
(8) 有機光電変換膜を用いて構成される画素を備えた撮像素子チップを、複数の電極端子を備える筐体部における所定位置に収納して固着する第1の工程と、前記撮像素子チップと前記筐体部の複数の電極端子とを電気的に結線する第2工程と、光を導入するための透明板を前記筐体部に接合して気密封止し、このとき、前記筐体部の一部および前記透明板の一部をヒートシンクに接触させることにより、前記撮像素子チップの温度を特性劣化温度以下に維持する第3の工程と、を含むことを特徴とする撮像装置の製造方法。
この撮像装置の製造方法によれば、撮像素子チップを筐体部の所定位置に収納して固着し、撮像素子チップと筐体部における複数の電極端子とを電気的に結線し、透明板を筐体部に接合して気密封止する際、第3工程において筐体部の一部および透明板の一部をヒートシンクに接触させることにより、ヒートシンクが気密封止の際に発生する熱を吸熱して、撮像素子チップへの熱伝導を低減することができる。したがって、有機光電変換膜を用いた撮像素子チップを熱から保護しつつ、良好な気密封止を実現することができる。
(9) (8)記載の撮像装置の製造方法であって、前記ヒートシンクは、前記気密封止の際、その気密封止部分の近辺で発生する熱を吸熱すると共に、前記筐体部と前記透明板を挟み込んで加圧することを特徴とする撮像装置の製造方法。
この撮像装置の製造方法によれば、吸熱手段としてのヒートシンクを、加圧手段としても使用することができる。この加圧によって、筐体部と透明板は密接して固定され、良好な気密封止が実現する。また、ヒートシンクが2つの機能を兼用するため、独立した加圧手段を設ける必要がなく、気密封止のための装置構成の簡素化も併せて実現される。
(10) (8)または(9)記載の撮像装置の製造方法であって、前記気密封止を、水分量3000ppm以下の乾燥空気または乾燥窒素雰囲気中で行なうことを特徴とする撮像装置の製造方法。
この撮像装置の製造方法によれば、筐体部の内部の撮像素子チップを、湿度が極めて低い雰囲気中で封止することで、水分による撮像素子チップの特性劣化を防止することが可能となる。
(11) (8)〜(10)のいずれか1項記載の撮像装置の製造方法であって、前記第3の工程では、前記透明板と前記筐体部とをガラス材料を用いて気密封止することを特徴とする撮像装置の製造方法。
この撮像装置の製造方法によれば、透明板と筐体部とをガラス材料を用いて気密封止することにより、熱硬化や紫外線硬化させる有機接着材を用いる場合と比較して、外囲器の内部に水分が侵入することを確実に防止できる。
また、本発明の撮像装置の製造方法の他の態様では、このガラス材料は低融点ガラスであり、かつ、その低融点ガラスの加熱は、光源からの光照射を利用して行われる。低融点ガラスを用いたガラス封止を行う際に、低融点ガラスを、光源(例えば、レーザ光源)からの光照射によって加熱することにより、局所的かつ瞬時的な加熱を行うことができ、熱による撮像素子チップの特性劣化を確実に防止することができる。
(12) (8)〜(10)のいずれか1項記載の撮像装置の製造方法であって、前記第3の工程では、前記透明板に予め形成された第1金属フレームと前記筐体部に予め形成された第2金属フレームとの間に半田を介在させ、この半田を加熱溶解させて気密封止することを特徴とする撮像装置の製造方法。
この撮像装置の製造方法によれば、ヒータ等による加熱で半田を溶融して半田付けを行うことにより、半田付けを用いた強固な気密封止構造を実現することができる。
(13) (8)〜(10)のいずれか1項記載の撮像装置の製造方法であって、前記第3工程では、前記透明板に予め形成された第1金属フレームと、前記筐体部に予め形成された第2金属フレームとの間に電流を流し、これらフレーム間を溶接して気密封止することを特徴とする撮像装置の製造方法。
この撮像装置の製造方法によれば、金属フレーム間に電流を流して双方のフレームを溶接することにより、強固な気密封止構造を実現することができる。
本発明の撮像装置によれば、有機光電変換膜の画素を有する撮像素子チップを外囲器に収納して気密封止することにより、外部からの水の浸入を効果的に防ぐことができる。したがって、有機光電変換膜の劣化は殆んど無くなり、信頼性が高く、かつ長寿命の撮像装置を実現することができる。
また、本発明の撮像装置の製造方法によれば、気密封止工程において、撮像素子チップ付近の外囲器をヒートシンクに接触させることにより、撮像素子チップの温度上昇が抑制され、封止工程における有機光電変換膜の性能劣化を回避することができる。
このように、本発明によって、製品寿命が長く、信頼性が高い有機光電変換膜の画素を有する撮像装置が実現され、さらに、封止工程で起きる性能劣化(特に温度上昇に弱い有機光電変換膜の性能劣化)を避けることが可能な、信頼性の高い撮像装置の製造方法を提供することができる。
以下、本発明に係る撮像装置及び撮像装置の製造方法に対する好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本発明においては、有機光電変換膜の画素を有する撮像素子チップが水分に弱い点に着目し、耐湿性(耐水性)を向上させるために、封止構造として、気密封止(ハーメチックシール)構造等を採用している。すなわち、従来は、透明板(ガラス)と筐体部とを、有機接着剤(熱硬化性樹脂または紫外線硬化樹脂)により封止していたが、樹脂封止は、長時間に渡って湿度の高い雰囲気に置かれたときに、水分の進入を許すことがある。
そこで、本発明の撮像装置では、従来の常識的な封止構造である樹脂を用いた封止構造を廃止し、これに代えて、ガラス封止、金属フレーム同士の半田付け、あるいは溶接を利用した気密封止構造を採用することを特徴としている。
また、従来の撮像装置の製造方法では、加圧状態で紫外線照射による有機接着剤の硬化、または、外囲器全体を加熱して有機接着剤を硬化させて、封止構造を形成していた。これに対し、本発明の撮像装置の製造方法では、ガラス封止、溶接封止、半田封止の何れの場合も、接着部のみを部分加熱し、撮像素子チップに近い外囲器部分はヒートシンク(吸熱効果が大きいもの)に接触させて、撮像素子チップの温度上昇を抑える工夫がされていることに特徴を有する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係る有機光電変換膜の画素を集積した撮像装置の封止構造(パッケージ構造)の一例(低融点ガラスにより気密封止する例)を説明するための断面図である。
図1において、参照符号201は撮像素子チップを示し、202は外囲器を示し、203は筐体部(セラミックス)を示し、204は電極端子を示し、205は透明板(ガラス)を示し、206は、低融点ガラスを示す。
図1に示す撮像装置においては、透明板(ガラス)205と筐体部(セラミックス)203は、低融点ガラス206により封止されている。ここで、低融点ガラス206の融点は、透明板205の融点より低く、かつ、少なくとも、撮像素子チップ201の有機光電変換膜に大きな悪影響を与える懸念が生じない程度の温度である。
有機光電変換膜を用いた画素を集積した撮像素子チップ201は、セラミックス材料からなる外囲器202の筐体部203の中央の凹部に載置され、例えば、導電性接着剤等を用いて筐体部203に固着される。
電極端子204と撮像素子チップ201は電気的に結線されている。すなわち、筐体内部には、金メッキされた金属等の配線パッド部Aが設けられている。配線パッド部Aと撮像素子チップ間は、ボンディングワイヤBWにより接続されている。
なお、撮像素子チップ101は、特許文献2,3に記載されるように、全部の画素が有機光電変換膜の画素であってもよく、また、特許文献4に記載されるように、一部の画素が有機光電変換膜の画素であってもよい。
また、低融点ガラス206は、透明板の融点より低いことが必要である。撮像素子チップの温度上昇を小さくするためこの融点はできる限り低いことが望ましい。また、低融点ガラス206は、光吸収が良好なガラス材料であることが望ましい。光吸収を良好にするために、光吸収が良い材料と低融点ガラスを混合してもよい。
そして、外囲器202の中空部には乾燥した空気、または、乾燥した窒素が満たされている。空気または窒素の乾燥度合いは、望ましくは、水分量3000ppm以下がよい。これにより、撮像素子チップ201は、常時、乾燥した雰囲気中に置かれることになる。
図1の封止構造は気密封止(ハーメチックシール)であるため、従来の樹脂を接着剤として用いた封止構造に比べて、格段に耐湿性が向上している。よって、水分に起因する有機光電変換膜の特性劣化が確実に防止される。
また、撮像素子チップ201が固着された部分の筐体部(セラミックス)203の熱抵抗が大きいと、筐体部に接触したヒートシンク210(封止工程において、吸熱のために接触させる。この点は後述する)の撮像素子チップ201に対する吸熱効果が十分でなくなり、撮像素子チップ201の温度が上昇し易すくなる。そのため、撮像素子チップ201とヒートシンク210間の熱抵抗を小さくすることが望ましい。すなわち、筐体部203(外囲器202)の材料として、熱伝導率が高いセラミック材料を選択することや、撮像素子チップ201の下の部分のセラミックスの厚みを薄くすることが有効であり、このような工夫をしたパッケージ構造を採用するのが望ましい。
次に、図1に示される撮像装置の製造方法について説明する。
図2は、図1の撮像装置の製造方法を説明するための図であり、(a)は封止前の透明板の断面図、(b)は封止工程を説明するための断面図である。
図2において、参照符号210,211はヒートシンクを示し、212は加熱用の光線(レーザ光等)を示す。
図示されるように、まず、撮像素子チップ201を公知の方法で製造した後、筐体部203の所定の位置(中央の凹部)に接着剤で固着する(第1の工程)。
次に、撮像素子チップ201と電極端子204間の電気的接続を行う(第2の工程)。具体的には、配線パッド部AとボンディングワイヤBWとの接続を行う。
次に、図2(a)に示すような透明板205を準備する。この透明板205の周辺の下面には、低融点ガラス206がフレーム状に形成されている。低融点ガラス206の使用により、気密封止工程における加熱温度を低くすることができる。
そして、乾燥した空気、または、乾燥した窒素の雰囲気中において、透明板205を筐体部203の所定の接合位置に載置した後、ヒートシンク210とヒートシンク211を接触させて加圧し、これによって、透明板205と筐体部203を密接させる。これにより、外囲器202の凹部が透明板205によって塞がれる。
ここで、ヒートシンク210,211は、低融点ガラス206の周辺で発生した熱が撮像素子チップ201に伝導することを避けるための吸熱効果を持つものである。熱容量が大きく、熱伝導率が高い材料(例えば銅)で作ることが望ましい。さらに、吸熱効果を高めるために、ヒートシンクに冷却機能があることがより望ましい。ただし、透明板205に接触するヒートシンク211に関しては、透明板205の温度差が大きすぎると、透明板205が割れるおそれがあるため、ヒートシンク211の温度は、ヒートシンク210より高めの温度に制御することが望ましい。
さらに、上下にある2個のヒートシンク210,211は、透明板205と筐体部203を挟んで加圧する機能を備えている。この加圧機構は、ヒートシンク211を透明板205に載せるだけであり、ヒートシンク210,211が所定の体積と自重をもつことを有効に利用して構成している。また、この機構としては、高圧空気または油圧を利用した加圧機構とすることが望ましい。
このように、ヒートシンクが2つの機能を有することによって、封止のための装置構成を簡素化することができる。この加圧によって、透明板205と筐体部203が押圧されて密着する。
そして、この状態で、低融点ガラス206部分に対して加熱用光線212(図2(b)に矢印で示す)を光源(不図示)から照射して低融点ガラス206を加熱し、これによって、透明板205と筐体部203を気密封止する(第3の工程)。
加熱用光線212は、低融点ガラス206を加熱するものであり、可視光でも赤外光でもよい。また、光源は、レーザ、LED、ランプ等を用いることができる。ただし、撮像素子チップ201の温度上昇を避けるため、低融点ガラス206に効率よく、局所的に照射することが望ましい。したがって、指向性が高いレーザ等を用いることが望ましい。
加熱用光線212の照射による加熱により、低融点ガラス206の周辺部において発生した熱が伝導し、透明板205と筐体部203の温度が上昇し、外囲器202の中空部の気体の温度も上昇する。そして、さらに熱が伝導して撮像素子チップ201の温度が上昇する傾向を有する。しかし、ヒートシンク210と211により熱が吸収されるため、撮像素子チップ201の温度上昇は低く抑えられる。したがって、高温に晒されることに起因する有機光電変換膜の性能劣化は生じない。
上記のとおり、第3の工程は、乾燥した空気、または、乾燥した窒素の雰囲気中で行われることが望ましい。また、撮像素子チップ201が固着された部分の筐体部(セラミックス)203の熱抵抗が大きいと、筐体部に接触したヒートシンク210の撮像素子チップ201に対する吸熱効果が十分でなく、撮像素子チップ201の温度が上昇し易すくなる。したがって、撮像素子チップ201とヒートシンク210間の熱抵抗を小さくすることが望ましい。
すなわち、熱伝導率が高いセラミックを選択することや撮像素子チップの下の部分のセラミックスの厚みを薄くすることが効果的であり、そのようなパッケージ構造を採用するのが望ましい。
本実施形態については、種々の変形例が考えられる。例えば、上記の説明では、フレーム状の低融点ガラス206を透明板205の下面に予め形成したが、筐体部203側にフレーム状の低融点ガラス206を予め形成してもよい。
(第2の実施形態)
次に、上記実施形態のガラス封止に代えて、半田による気密封止構造とした第2実施形態について説明する。
図3は、本実施形態における撮像装置の封止構造の例(半田付けにより気密封止する例)を示す断面図である。
図3において、参照符号301は撮像素子チップを示し、302は外囲器を示し、303は筐体部(セラミックス)を示し、304は電極端子を示し、305は金属フレーム(第2金属フレーム)を示し、306は透明板(ガラス)を示し、307は金属フレーム(第1金属フレーム)を示し、308は半田(鉛錫、金錫等の半田)を示す。
図3の撮像装置は、透明板(ガラス)306と筐体部(セラミックス)303とは、半田308により気密封止されている。金属フレーム305,307は、単層金属、多層金属、合金等で作られている。これらの材料としては、熱伝導率が高く、熱容量が小さいことが望ましい。
金属フレーム同士を半田付けにより接続することによって、強固で、耐衝撃性のある堅牢性を有した気密封止構造を得ることができる。
以下、図3の撮像装置の製造方法について説明する。
図4は、図3の撮像装置の製造方法を説明するための図であり、(a)は封止前の透明板の断面図であり、(b)は撮像素子チップを固着する前の筐体部の断面図であり、(c)は封止工程を説明する断面図である。図4において、参照符号310,311はヒートシンクを示し、参照符号312は加熱用ヒータを示す。
まず、図4(a)に示すような透明板306と図4(b)に示す筐体部303を準備する。透明板306には金属フレーム307が固着されている。さらに、金属フレーム307表面の一部にフレーム状の半田308が形成されている。また、同様に、筐体部303には金属フレーム305が固着されている。
次に、撮像素子チップ301を公知の方法で製造した後、筐体部303の所定の位置に接着剤で固着する(第1の工程)。次に、撮像素子チップと電極端子間の電気的結線を行う(第2工程)。次に、透明板306を筐体部303の所定の接合位置に載置した後、ヒートシンク310とヒートシンク311で接触させ、加圧して、透明板306と筐体部303を密着させて固定する。そして、金属フレーム307の上面に加熱用ヒータ312を接触させて、半田308を加熱し、透明板306と筐体部303を封止する(第3の工程)。この状態を図4(c)に示す。
加熱用ヒータは、半田を加熱するものであり、半田の融点以上の一定温度に保持されていることが望ましい。加熱を短時間で行うために、ヒータの熱容量は大きく、熱伝導率が高い材料で作ることが望ましい。
本実施形態においても、前掲の実施形態と同様に、ヒートシンク310と311が筐体部303と透明板306に接触しているため、撮像素子チップの温度上昇は小さく、高温に晒されることに起因する性能劣化が起きることがない。
(第3の実施形態)
次に、上記実施形態に代えて、溶接封止構造とした第3実施形態について説明する。
図5は、本実施形態に係る撮像装置の封止構造の例(溶接により気密封止する例)を示す断面図である。
図5において、参照符号401は撮像素子チップを示し、402は外囲器を示し、403は筐体部(セラミックス)を示し、404は電極端子を示し、405は金属フレーム(第1金属フレーム)を示し、406は透明板(ガラス)を示し、407は金属フレーム(第2金属フレーム)を示し、408は溶接部を示す。
図5の撮像装置は、透明板(ガラス)406と筐体部(セラミックス)403とは、溶接により封止される。また、透明板406には金属フレーム407が固着され、筐体部403には金属フレーム405が固着されている。金属フレーム(405,407)は溶接に適した材料で作られている。
上記のように、金属フレーム同士を溶接により接続することによって、強固で、衝撃等にも耐性をもつ気密封止構造を得ることができる。
図5の撮像装置の製造方法は、第2の実施形態とほぼ同じである。但し、第2の実施形態では加熱用ヒータで加熱して半田付けを実施したが、本実施形態では、金属フレーム405と金属フレーム407の間に電流を流すことにより溶接を行う点が異なる。
以上説明したように、本発明に係る撮像装置によれば、有機光電変換膜を用いた画素を有する撮像素子チップを外囲器に収納し、気密封止することにより、外部からの水の浸入を効果的に防ぐことができる。したがって、有機光電変換膜の劣化は殆んど無くなり、信頼性が高く、かつ長寿命の撮像装置を実現することができる。
また、本発明の撮像装置の製造方法によれば、気密封止工程において、撮像素子チップ付近の外囲器をヒートシンクに接触させることにより、撮像素子チップの温度上昇が抑制され、封止工程における有機光電変換膜の性能劣化を回避することができる。
このように、本発明によって、製品寿命が長く、信頼性が高い有機光電変換膜の画素を有する撮像装置が実現され、さらに、封止工程で起きる性能劣化(特に温度上昇に弱い有機光電変換膜の性能劣化)を避けることが可能な、信頼性の高い撮像装置の製造方法を提供することができる。
本発明は、有機光電変換膜を用いた画素を集積した撮像装置の耐湿性(耐水性)を高めて、有機光電変換膜の特性劣化を抑制し、撮像装置の長寿命化を実現し、また、その撮像装置を量産可能な製造方法を確立できるという効果を奏し、したがって、有機光電変換膜を用いた撮像装置、およびその製造方法として有用である。
本発明に係る有機光電変換膜の画素を集積した撮像装置の封止構造(パッケージ構造)の一例(低融点ガラスにより気密封止する例)を説明するための断面図である。 図1の撮像装置の製造方法を説明するための図であり、(a)は封止前の透明板の断面図、(b)は封止工程を説明するための断面図である。 本発明に係る撮像装置の封止構造の他の例(半田付けにより気密封止する例)を示す断面図である。 図3の撮像装置の製造方法を説明するための図であり、(a)は封止前の透明板の断面図、(b)は撮像素子チップを固着する前の筐体部の断面図、(c)は封止工程を説明する断面図である。 本発明に係る撮像装置の封止構造の他の例(溶接により気密封止する例)を示す断面図である。 特許文献4に記載される撮像素子チップが外囲器に収納されている従来の撮像装置の断面図である。
符号の説明
201 撮像素子チップ
202 外囲器
203 筐体部
204 電極端子
205 透明板
206 低融点ガラス(その融点は、透明板の融点より低く、かつ、少なくとも、撮像素子チップの有機光電変換膜に大きな悪影響を与える懸念が生じない程度の温度)
210 ヒートシンク
211 ヒートシンク
212 加熱用光線
301 撮像素子チップ
302 外囲器
303 筐体部
304 極端子
305 金属フレーム
306 透明板
307 金属フレーム
308 半田(鉛錫、金錫等の半田)
401 撮像素子チップ
402 外囲器
403 筐体部
404 電極端子
405 金属フレーム
406 透明板
407 金属フレーム
408 溶接部

Claims (13)

  1. 有機光電変換膜を用いて構成される画素を備えた撮像素子チップと、
    前記撮像素子チップを収容する凹部を有する筐体部及び該筐体部に備えられ前記撮像素子チップと電気的に結線される複数の電極端子を備えた外囲器と、
    前記凹部を塞ぐとともに前記撮像素子チップに光を導入させる透明板と、を具備し、
    前記透明板と前記筐体部との接合が、前記凹部内への水分の通過を防止する気密封止にされたことを特徴とする撮像装置。
  2. 請求項1記載の撮像装置であって、前記透明板はガラスからなり、前記筐体部はセラミックスからなることを特徴とする撮像装置。
  3. 請求項1記載の撮像装置であって、前記外囲器の凹部内は、水分量3000ppm以下の乾燥空気または乾燥窒素のいずれかにより満たされていることを特徴とする撮像装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか記載の撮像装置であって、前記透明板と前記筐体部とがガラス材料により気密封止されていることを特徴とする撮像装置。
  5. 請求項4記載の撮像装置であって、前記ガラス材料は、低融点ガラスであることを特徴とする撮像装置。
  6. 請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の撮像装置であって、前記透明板に予め形成された第1金属フレームと、前記筐体部に予め形成された第2金属フレームとが半田付けされて、前記透明板と前記筐体部が気密封止されていることを特徴とする撮像装置。
  7. 請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の撮像装置であって、前記透明板に予め形成された第1金属フレームと、前記筐体部に予め形成された第2金属フレームとが互いに溶接されて、前記透明板と前記筐体部が気密封止されていることを特徴とする撮像装置。
  8. 有機光電変換膜を用いて構成される画素を備えた撮像素子チップを、複数の電極端子を備える筐体部における所定位置に収納して固着する第1の工程と、
    前記撮像素子チップと前記筐体部の複数の電極端子とを電気的に結線する第2工程と、
    光を導入するための透明板を前記筐体部に接合して気密封止し、このとき、前記筐体部の一部および前記透明板の一部をヒートシンクに接触させることにより、前記撮像素子チップの温度を特性劣化温度以下に維持する第3の工程と、
    を含むことを特徴とする撮像装置の製造方法。
  9. 請求項8記載の撮像装置の製造方法であって、前記ヒートシンクは、前記気密封止の際、その気密封止部分の近辺で発生する熱を吸熱すると共に、前記筐体部と前記透明板を挟み込んで加圧することを特徴とする撮像装置の製造方法。
  10. 請求項8または請求項9記載の撮像装置の製造方法であって、前記気密封止を、水分量3000ppm以下の乾燥空気または乾燥窒素雰囲気中で行なうことを特徴とする撮像装置の製造方法。
  11. 請求項8〜請求項10のいずれか1項記載の撮像装置の製造方法であって、前記第3の工程では、前記透明板と前記筐体部とをガラス材料を用いて気密封止することを特徴とする撮像装置の製造方法。
  12. 請求項8〜請求項10のいずれか1項記載の撮像装置の製造方法であって、前記第3の工程では、前記透明板に予め形成された第1金属フレームと前記筐体部に予め形成された第2金属フレームとの間に半田を介在させ、この半田を加熱溶解させて気密封止することを特徴とする撮像装置の製造方法。
  13. 請求項8〜請求項10のいずれか1項記載の撮像装置の製造方法であって、前記第3工程では、前記透明板に予め形成された第1金属フレームと、前記筐体部に予め形成された第2金属フレームとの間に電流を流し、これらフレーム間を溶接して気密封止することを特徴とする撮像装置の製造方法。
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