JP2007100344A - 法枠工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水分や客土材の保持効果が向上し、客土材の浸食を抑制でき、かつ地震等の振動や衝撃等の影響が緩和され、法面の表面保護や緑化基礎が可能である。
【解決手段】この法枠工法は、法面1に対して複数の横枠110を所定の間隔で法面1の傾斜方向に並置し、それら傾斜方向に隣接する横枠110間に連結材2を配置し、横枠110同士を連結材2により連結する。
【選択図】図2

Description

この発明は、法枠を用いた緑化や法面保護を行う法枠工法に関し、特に縦枠を用いない法枠工法に関するものである。
従来、フリーフレーム工法(登録商標)を代表とする吹付法枠工法は、縦枠と横枠を格子状とした構成が一般的である。しかしながら、縦枠及び横枠をコンクリート梁とするため、非常に手間がかかり、円滑な施工を阻害し、コスト面においても負担がかかる。
近年では、縦枠のみをコンクリート梁として、横枠は客土材が保持できる程度の他部材にて連結し、緑化する工法が見受けられる(特許文献1,2,3)。
また、ロックボルトやグラウンドアンカーを併用した縦枠の独立受圧構造物をワイヤー等にて連結し、法面を安定させる工法なども提案されている(特許文献4)。
さらに、縦枠だけを使用し、ワイヤー等にテンションを加え、固定度を高め、法面を安定させる工法も提案されている(特許文献5)。
特許2952823号 特許3180215号 特許3318570号 特開2003−64689号 特開2004−169539号
これらの特許文献に記載の工法は、縦枠を主体とした法面安定工法で、特に特許文献1、2、3に記載のものは、客土材の保持は期待できるものの、水分保持効果が弱いため、緑化がうまくいかない場合があった。また、表面水の速度を抑制できないため、客土材が浸食または洗掘される可能性があった。
また、特許文献4に記載のものは、独立したアンカーの受圧構造物をワイヤーまたは鋼材で連結するもので、受圧構造物を小さくして景観向上を図る反面、受圧構造物の固定度を高めているが、アンカーの受圧構造物に限定しており、法枠を用いた法枠工法である当技術の基本的な内容と異なる。
また、特許文献5に記載のものは、縦枠間を柔軟性のある索状部材にテンションを加えて固定することにより、縦枠の固定度を高める工法であり、施工手間を要することや縦枠を主とした工法のため、特許文献1、2、3に記載のものと同様に緑化がうまくいかない場合があり、さらに客土材が浸食または洗掘される可能性もあった。
この発明は、このような実情に鑑みてなされたもので、水分や客土材の保持効果が向上し、客土材の浸食を抑制でき、かつ地震等の振動や衝撃等の影響が緩和され、法面の表面保護や緑化基礎が可能な法枠工法を提案することを目的としている。
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成されている。
請求項1に記載の発明は、法面に対して複数の横枠を所定の間隔で前記法面の傾斜方向に並置し、それら傾斜方向に隣接する前記横枠間に連結材を配置し、前記横枠同士を前記連結材により連結することを特徴とする法枠工法である。
請求項2に記載の発明は、前記横枠は水抜孔を備え、傾斜方向に隣接する横枠間でそれら水抜孔が千鳥状となるように配置することを特徴とする請求項1に記載の法枠工法である。
請求項3に記載の発明は、前記横枠は分割し、この分割した分割枠を所定の間隔で千鳥状に配置することを特徴とする請求項1に記載の法枠工法である。
請求項4に記載の発明は、前記横枠は、ロックボルトにより前記法面に固定されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の法枠工法である。
請求項5に記載の発明は、前記横枠の断面は、矩形状、台形状、半円形状のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の法枠工法である。
請求項6に記載の発明は、前記連結材は、鉄筋、ワイヤー、PC鋼より線などの線材であることを特徴とする請求項または請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の法枠工法である。
請求項7に記載の発明は、前記連結材は、前記線材を筋交い状に配置することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の法枠工法である。
請求項8に記載の発明は、前記連結材は、金網であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の法枠工法である。
前記構成により、この発明は、以下のような効果を有する。
請求項1に記載の発明では、縦枠をなくした横枠を主体とする法枠工法であり、表面水を一時的に横枠で受けるため、表面水の流下速度を低減させ、水分や客土材の保持効果が向上し、客土材のエロージョン(浸食)を抑制でき、表面保護や緑化基礎が可能である。また、格子枠ではなく横枠同士を連結材により連結することで、地震等の振動や衝撃等の影響が緩和される。また、縦枠が存在しないため、施工直後の圧迫感が低減され、景観が向上し、枠長の減少により、コスト縮減が図れる。
請求項2に記載の発明では、横枠が水抜孔を備え、傾斜方向に隣接する横枠間でそれら水抜孔が千鳥状となるように配置することで、横枠で一旦受け止めた表面水や雨水などを客土全体に行き渡らせ、余剰水を横枠の水抜孔から徐々に排水することが可能である。
請求項3に記載の発明では、横枠は、分割した分割枠を所定の間隔で千鳥状に配置することで、横枠で一旦受け止めた表面水や雨水などを客土全体に行き渡らせ、余剰水を分割枠の所定の間隔から徐々に排水することが可能である。
請求項4に記載の発明では、横枠にロックボルトを併用した受圧構造物として利用することができる。
請求項5に記載の発明では、横枠の断面は、矩形状、台形状、半円形状のいずれかであリ、縦枠と横枠との交差がなくなり、型枠内の配筋が交差せず、モルタルの充填性が向上する。特に、横枠の断面を台形状とすることにより、横枠下部への日光や水分が供給されやすいので、植生環境の改善が図れる。また、樹木の屈曲や幹の損傷の要因が低減され、植生環境に有効である。また、横枠の表面幅が狭いため、圧迫感が緩和され、景観が向上する。また、横枠の断面を台形状にした場合では、モルタル吹付け施工に際し、型枠安定度が向上する。
請求項6に記載の発明では、連結材が、鉄筋、ワイヤー、PC鋼より線などの線材であり、強度を有する線材により簡単に連結することができる。
請求項7に記載の発明では、線材を筋交い状に配置することで、地震等の振動や衝撃の影響がより効果的に緩和される。
請求項8に記載の発明では、連結材が金網であり、金網により簡単に連結し、地震等の振動や衝撃等の影響が緩和される。
以下、この発明の法枠工法の実施の形態について説明するが、この発明の実施の形態は、発明の最も好ましい形態を示すものであり、この発明はこれに限定されない。
[実施の形態1]
以下、図1乃至図5に示すように、図1は横枠と連結材との配置を示す平面図、図2は横枠と連結材との配置を示す断面図、図3は型枠の組立て状態を示す断面図、図4は図1のIV−IVに沿う断面図である。
横枠110の型枠組み立ては、図3に示すように、地山140の法面1上に横方向に型枠101を傾斜方向に沿って互いに間隔をあけ、複数組立て配置する。この型枠101は、対向する一対の金網101a、一対の下筋101b、一対の上筋101c、一対の金網101aを連結する一対の横連結筋101d、一対の横連結筋101dを連結する一対の縦連結筋101eから構成される。
それら傾斜方向に並置された型枠101は、隣り合う型枠101のそれぞれ上筋101c間に端部が直角に屈曲された複数の連結材2を架設し、上筋101c同士を複数の連結材2により連結する。上筋101cと連結材2との連結は、図3のように引っ掛ける他に溶接でもよく、針金による結束などでもよい。また、下筋101bにおいて連結することも可能である。
図3に示す型枠101は、吹き付けで、コンクリートを打設する方式であるが、両側面及び上面を板体で閉塞する方式でもよく、すなわち従来からの種々の施工方法を用いることができる。また、金網101aとしては、クリンプ金網、エキスパンドメタル、パンチングメタルなどの有孔板からなる型枠板が好適である。
連結材2としては、鉄筋、ワイヤー、PC鋼より線などの線材を使用するが、錆防止などの表面処理されたものが望ましい。この連結材2は、線材を筋交い状に配置するが、これらの線材よりなる連結材2を、型枠101の組立て時に、型枠101の側面に開設した孔を貫通させ、傾斜方向に隣接する型枠101間にわたって配設する。連結材2の張設数は、地山140の状況に応じて適宜増減する。また、この実施の形態では、連結材2の線材を筋交い状に配置するが、線材を筋交い状にする角度も地山140の状況に応じて適宜設定する。
型枠101の組立て、連結材2の配設が完了したら、型枠101内にコンクリートを吹き付ける。この実施の形態では、型枠101は解体する必要がなく、より合理的な横枠110が施工できる。
コンクリ−トが硬化すると、複数の連結材2と複数の横枠110とが一体的に連結されるため、法枠として十分な斜面安定強度を得ることができる。最後に、図4に示すように、状況に応じて横枠110間に客土120を充填して緑化施工を行う。
図5は金網型枠の他の例を示す図であり、図5(a)は左右の金網102cを上下の横連結筋102dで連結し、この上下の横連結筋102dを1本の縦連結筋102eで連結している。下の横連結筋102dと縦連結筋102eの交点に下筋102aを設け、上の横連結筋102dと縦連結筋102eの交点に上筋102bを設ける。
図5(b)は上下の横連結筋102dを2本の縦連結筋102eで連結している点では、図3及び図4と同様に構成されるが、下の横連結筋102dを分割した構成である。
この発明は、縦枠のない横枠110を主体とする法枠工法であり、表面水を一時的に横枠110で受けるため、表面水の流下速度を低減させ、水分や客土材の保持効果が向上し、客土材のエロージョン(浸食)を抑制でき、表面保護や緑化基礎が可能である。また、格子枠ではなく傾斜方向に並置された横枠110同士を連結材2により連結することで、地震等の振動や衝撃等は連結材2により影響が緩和される。また、格子枠ではなく枠長が減少するため、施工直後の圧迫感が低減され、景観が向上し、コスト縮減が図れる。
この実施の形態の連結材2が、鉄筋、ワイヤー、PC鋼より線などの線材であり、強度を有する線材により簡単に連結することができる。
また、横枠110の断面は、矩形状であるが、これに限定されず、台形状、半円形状のいずれでもよく、横枠のみで型枠内の配筋が交差しないため、モルタルの充填性が向上する。
[実施の形態2]
以下、図6乃至図10に示すように、横枠110にロックボルト130を併用した場合について説明する。図6は横枠と連結材との配置を示す平面図、図7は横枠と連結材との配置を示す断面図、図8は削孔から削孔終了の工程図、図9はグラウト材注入から線材養生用保持具の取付の工程図、図10は養生から施工完了の工程図である。
この実施の形態は、自穿孔式のロックボルト130の法面1への施工方法であり、このロックボルト130の施工は、事前に横枠110を地山140の法面1に施工し(図8(a))、その横枠110の孔110aに穿孔機30をセットしたロックボルト130を挿入する。なお、横枠110に孔110aを形成するには、予め形成予定位置に円筒型枠を設置して箱抜きすればよい。
ロックボルト130は、ねじ部をその周面に有するパイプ状中空鋼からなり、この自穿孔ロックボルト130は、先端にビット131を有する。穿孔機30を操作してロックボルト130の先端のビット131により、所定の深さまで穿孔しながら挿入し、地山140に設置する(図8(b))。
穿孔機30をロックボルト130から外し(図8(c))、ロックボルト130の頭部にグラウト材の注入アダプター31を接続し、その注入アダプター31を介してロックボルト130の内部からビット131を経てその内外にグラウト材122の必要量を注入し、ロックボルト130の内部と地山140の穿孔に充填する(図9(d))。
グラウト材の注入アダプター31をロックボルト130の頭部から外し、グラウト材122の硬化の前にグリップ155を有する線材154をロックボルト130の頭部から先端にかけて内部に挿入する(図9(e))。
グリップ155をロックボルト130の頭部端部に当接し、線材養生用保持具165をロックボルト130の頭部に装着する(図9(f))。線材養生用保持具165は、ロックボルト130の頭部に螺着し、グリップ155をロックボルト130の頭部端部に当接した状態に保持する。
この線材養生用保持具165をロックボルト130の頭部に装着した状態で、グラウト材122を養生固化させ(図10(g))、そして線材養生用保持具165を外し、横枠110の上からロックボルト130に座金167、ワッシャー168を挿通し、ナット169をロックボルト130の頭部に締付けて、ロックボルト130に所定の張力を導入する(図10(h))。ワッシャー168の雄ねじにオイルキャップ210を締付けて取付け(図10(i))、導入力を地山140に伝達させるロックボルト130の施工を完了する(図10(j))。
このように、横枠110をロックボルト130により地山140に対して補強的に固定して法面1に固定することで、横枠110を受圧構造物として利用することができる。
[実施の形態3]
以下、図11乃至図13に示すように、横枠110は分割し、この分割した分割枠110bを所定の間隔で千鳥状に配置する場合について説明する。図11は横枠と連結材との配置を示す平面図、図12は余剰水の排水状況を示す図、図13は図11のXIII−XIII線に沿う断面図である。
この実施の形態3は、実施の形態2と同様に構成されるが、横枠110は分割し、この分割した分割枠110bを所定の間隔Wで千鳥状に配置する。実施の形態1及び2に示すように、連続した横枠110だけでなく、この実施の形態3では横枠110を分割して千鳥に配置することにより、一旦横枠110で受け止めた表面水や雨水などの余剰水を徐々に所定の間隔Wから排水することも可能である。
また、この実施の形態3では、図13に示すように、横枠110の断面は、台形状であり、横枠110の断面を台形状とすることにより、横枠下側部110cへの日光や水分が供給されやすいので、植生環境の改善が図れる。また、樹木の屈曲や幹の損傷の要因が低減され、植生環境に有効である。また、横枠110の表面幅が狭いため、圧迫感が緩和され、景観が向上する。また、横枠110の断面を台形状では、モルタル吹付け施工に際し、型枠安定度が向上する。
また、横枠110の断面は、台形状に限らず、図14に示すように、矩形状、半円形状でもよい。
[実施の形態4]
この実施の形態4では、以下、図15または図16に示すように、法面1に対して横枠110を所定の間隔で法面1の傾斜方向に並置し、それら傾斜方向に隣接する横枠間に連結材2を配置し、横枠同士を連結材2により連結するが、図15は連結材2が金網であり、金網により簡単に連結し、格子枠ではないため、地震等の振動や衝撃等の影響が緩和される。また、図16は連結材2が、鉄筋、ワイヤー、PC鋼より線などの線材であるが、この線材は筋交い状に配置しないで鉛直方向に配置しており、簡単に連結することができる。なお、いずれの場合においても連結材2が存在する場所を避けて客土を導入することはもちろん可能である。
この発明は、法枠を用いた緑化や法面保護を行う法枠工法に関し、特に縦枠を用いない法枠工法に適用でき、水分や客土材の保持効果が向上し、客土材の浸食を抑制でき、かつ地震等の振動や衝撃等の影響が緩和され、法面の表面保護や緑化基礎が可能である。
横枠と連結材との配置を示す平面図である。 横枠と連結材との配置を示す断面図である。 型枠の組立て状態を示す断面図である。 図1はIV-IV線に沿う断面図である。 型枠の他の実施の形態を示す図である。 横枠と連結材との配置を示す平面図である。 横枠と連結材との配置を示す断面図である。 削孔から削孔終了の工程図である。 グラウト材注入から線材養生用保持具の取付の工程図である。 養生から施工完了の工程図である。 横枠と連結材との配置を示す平面図である。 余剰水の排水状況を示す図である。 図11のXIII−XIII線に沿う断面図である。 横枠の断面図である。 横枠と連結材との配置を示す平面図である。 横枠と連結材との配置を示す平面図である。
符号の説明
1 法面
2 連結材
101 型枠
101a 金網
101b 下筋
101c 上筋
130 ロックボルト
140 地山

Claims (8)

  1. 法面に対して複数の横枠を所定の間隔で前記法面の傾斜方向に並置し、
    それら傾斜方向に隣接する前記横枠間に連結材を配置し、
    前記横枠同士を前記連結材により連結することを特徴とする法枠工法。
  2. 前記横枠は水抜孔を備え、傾斜方向に隣接する横枠間でそれら水抜孔が千鳥状となるように配置することを特徴とする請求項1に記載の法枠工法。
  3. 前記横枠は分割し、この分割した分割枠を所定の間隔で千鳥状に配置する
    ことを特徴とする請求項1に記載の法枠工法。
  4. 前記横枠は、ロックボルトにより前記法面に固定されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の法枠工法。
  5. 前記横枠の断面は、矩形状、台形状、半円形状のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の法枠工法。
  6. 前記連結材は、鉄筋、ワイヤー、PC鋼より線などの線材であることを特徴とする請求項または請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の法枠工法。
  7. 前記連結材は、前記線材を筋交い状に配置することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の法枠工法。
  8. 前記連結材は、金網であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の法枠工法。
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