JP2007107784A - ループ型ヒートパイプ - Google Patents

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Abstract

【課題】熱輸送能力に優れたループ型ヒートパイプを提供する。
【解決手段】 蒸気管6に連通した蒸発部3と液戻り管7に連通した液溜め部4とによって一体に形成されたコンテナ2の内部に、液相の作動流体15を浸透させて毛細管圧力を生じさせる多孔質ウイック8が設けられ、その多孔質ウイック8の外周に、コンテナ2の内部を遮蔽して蒸発部3の内圧が液溜め部4の内圧に影響しないようにOリング9が設けられている。
【選択図】 図1

Description

この発明は、潜熱として熱を輸送する作動流体を蒸発させるコンテナと、その作動流体の蒸気を凝縮させる凝縮部とが、循環管路によって連結されたループ型ヒートパイプに関するものである。
密閉した容器や管路の内部に封入した流体を、外部から供給した熱によって蒸発させ、その蒸気を低温かつ低圧の箇所に流動させた後、放熱させ、凝縮した流体を、外部から熱の入力される蒸発部に還流させることにより、前記流体の潜熱として熱を輸送する装置が、従来、知られている。この種のヒートパイプの一例として、パイプ状のコンテナの内部に、作動温度では凝縮することのない空気などのガスを脱気した後、水やアルコール、アンモニアなどの凝縮性の流体を封入したものがある。
いわゆるサーモサイホンと称されるヒートパイプは、凝縮した液相の作動流体(液相作動流体)を重力によって下方の蒸発部に還流させるように構成されているので、毛細管圧力をポンプ力として発生するウイックは設けられていないが、一般的なヒートパイプは、外部から入熱のある蒸発部が必ずしも下側となるボトムヒートモードで使用されるわけではないので、液相作動流体を蒸発部に貫流させるためのポンプ作用を生じるウイックを設けている。
ウイックは、毛細管圧力を生じるものであるから、開口部に生じるメニスカスでの実効毛細管半径が可及的に小径となる構造のものであることが好ましく、従来では、作動流体を封入したコンテナ(容器)の内面に形成した細溝やメッシュ材、結束した極細線、多孔質材などが使用されている。ウイックにおける蒸発部側の部分において、作動流体の蒸発に伴うメニスカスの低下が生じ、それに伴って毛細管圧力が生じるので、液相作動流体はウイックの内部を蒸発部側に向けて還流することになる。これに対して作動流体の蒸気(作動流体蒸気)は、蒸発部側から作動流体の凝縮の生じる凝縮部に向けて流動するので、ウイックに沿って還流する液相作動流体の流動方向と作動流体蒸気の流動方向とが互いに反対となる。そのために、ウイックの表面において液相作動流体が作動流体蒸気によって吹き飛ばされ、あるいは吹き戻され、これがいわゆる飛散限界となってヒートパイプの熱輸送能力が制限されることがある。
このような不都合を解消できるヒートパイプとしてループ型のものが知られている。これは、外部から入熱のある蒸発部と作動流体が放熱して凝縮する凝縮部とを分離して構成し、かつこれらの液相の作動流体が蒸発部に向けて貫流する液流管と作動流体蒸気の流動する蒸気流管とによって環状(ループ状)に連結した構造のヒートパイプである。このような構造であれば、液相の作動流体と作動流体蒸気とが同一箇所を流れることがないので、上述した飛散限界などによる熱輸送能力の制約がなくなる。なお、この種のループ型のヒートパイプの一例が特許文献1ないし3に記載されている。
特許文献1に記載されたヒートパイプは、液管(液戻り管)と蒸気管とが接続された蒸発器を備え、その蒸発器を構成している容器の内面に軸線方向に向けた直線状の多数の溝が形成され、かつその溝の形成された内面に、多孔質セラミックが密着状態に嵌合させられている。したがって、このヒートパイプでは、蒸発器の外周面に伝達された熱によって、その容器の内周面に接している作動流体が加熱されて蒸発し、その蒸気は容器の内周面に形成された溝を通って軸線方向に流れ、蒸気管を介して蒸発器から送り出される。一方、液相の作動流体は、液管から多孔質セラミックすなわちウイックに供給され、そのウイックが容器の内面に接触しているので、ウイックの外面で毛細管圧力が生じ、その結果、液相の作動流体はウイックの外面すなわち前記容器の内面に供給される。そして、その液相の作動流体が加熱蒸発して蒸気管を経て凝縮部に流動するので、作動流体の潜熱として熱を輸送することができる。
また、特許文献2に記載されたヒートパイプは、蒸発部の凝縮器側入口と蒸気管側出口の間に作動流体が通過するウイックを備え、該フィルターよりも凝縮器側の作動流体を加熱するためのヒータを備えている。したがって、このヒートパイプでは、ヒータによって加熱された作動流体が、ウイックを湿潤させるので、ドライアウトを防止することができる。そのため、重力下で起動時に姿勢を反転(トップヒートの配置からボトムヒートの配置に)させることなくヒートパイプを起動して作動させることができる。
さらに、特許文献3に記載されたヒートパイプは、作動媒体を充填したバッファータンクと、このバッファータンクから閉ループ管内に作動媒体を供給可能な供給配管と、供給配管および放出配管の途中に設けられた操作弁とを備え、受熱部への入熱量に対応して、操作弁の開閉を制御するように構成されたものである。したがって、このヒートパイプでは、操作弁の開閉制御によって、充填率が最大輸送量を確保できる充填率になるように供給され、ドライアウトすることなしに、良好な熱輸送を行うことができる。一方、入熱量が減少して所定値以内になった場合は、放出配管の途中に設けられた操作弁を開閉させて、作動媒体を放出配管を介して閉ループ管から放出して、元の最適充填率に戻すことにより、最大熱伝導率を確保でき、良好な熱輸送を行うことができる。
特開平10−246583号公報 特開2002−340489号公報 特開平6−257969号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載されたヒートパイプでは、蒸発器(蒸発部)表面を加熱した場合に、液管に熱が伝達され、その蒸発器の内部が蒸気管と同じ圧力(温度)となる。すなわち、蒸発器の内部では、圧力差がなくなるため作動流体が移動しなくなる。また、特許文献3に記載されたヒートパイプでは、バッファータンクから作動流体を供給配管を介してループ型細管内に供給する場合、受熱部の熱によって発生した蒸気が蒸発器と多孔質仕切り板(ウイック)との界面を抜け、バッファータンクに流れ込む、いわゆる逆流現象が起こり、そのため、ヒートパイプの冷却性能の低下または動作停止に繋がるおそれがある。
例えば、ウイック(Wick)がプライマリウイック(Primary Wick)とセカンダリウイック(Secondary Wick)とから構成され、レザーバ(Reservoir)に液戻り管(Liquid Line)が連通し、この液戻り管がセカンダリウイックの内部に延びるように構成され、レザーバ(Reservoir)と蒸発器(エバポレータ;Evaporator)とをこのセカンダリウイックで繋いだ構造では、エバポレータ表面の加熱により発生した蒸気やバブル(気泡)が、エバポレータとウイックとの界面を抜けて、レザーバに流れ込み、ヒートパイプの冷却性能の低下または動作停止に繋がるおそれがある。またこの構造では、プライマリウイックとセカンダリウイックとの2種類のウイックを使用しているため、構造が少し複雑となり、セカンダリウイックとプライマリウイックとの界面に蒸気やバブルが侵入し、ヒートパイプの冷却性能の低下に繋がるおそれもある。さらに、セカンダリウイック(プライマリウイック)の内部へ液戻り管から延びてくるバイヨネットチューブ(Bayonet Tube)の材料が液戻り管と同じ材料(銅など)で、レザーバおよびエバポレータの内部へ熱が伝わった場合には、バイヨネットチューブと液戻り管との間で熱が移動しない。すなわち、レザーバの内部とエバポレータの内部との圧力差がなくなる。そのため、ヒートパイプの冷却性能の低下または動作停止に繋がるおそれもある。
この発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであり、熱輸送能力の高いループ型ヒートパイプを提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、外部から加熱される蒸発部と、液相の作動流体を溜める液溜め部と、外部に熱を放散する凝縮部とが、蒸気管と液戻り管とによって環状流路を形成するように連通され、その環状流路の内部に、加熱されて蒸発しかつ放熱して凝縮する作動流体が封入されたループ型ヒートパイプであって、前記蒸気管に連通した前記蒸発部と前記液戻り管に連通した前記液溜め部とによって一体に形成されたコンテナの内部に、液相の作動流体を浸透させて毛細管圧力を生じさせる多孔質のウイックが設けられ、そのウイックの外周部に、前記コンテナの内部の前記蒸発部と前記液溜め部とを相互に遮蔽して前記蒸発部の内圧が前記液溜め部の内圧に影響を及ぼさないようにする遮蔽部が設けられていることを特徴とするヒートパイプである。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明における前記遮蔽部には前記蒸発部と前記液溜め部との接続位置で使用される高分子材料が含まれていることを特徴とするヒートパイプである。
さらに、請求項3の発明は、請求項1または2の発明における前記液溜め部の内部に対して開口される管状の液流路が、前記コンテナよりも熱伝導率の低い部材によって形成されていることを特徴とするヒートパイプである。
そして、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明における前記蒸発部が、前記液溜め部に向かってほぼ中央に配置されていることを特徴とするヒートパイプである。
請求項1の発明によれば、蒸気管に連通した蒸発部と液戻り管に連通した液溜め部とによって一体に形成されたコンテナの内部に、液相の作動流体を浸透させて毛細管圧力を生じさせる多孔質のウイックが設けられ、そのウイックの外周に、コンテナの内部を遮蔽して蒸発部の内圧が液溜め部の内圧に影響しないようにする遮蔽部が設けられているので、例えばウイックとコンテナとの界面で蒸気が発生したとしても、蒸発部の内部に在る蒸気が、液溜め部の内部へ移動(逆流)しない。すなわち、遮蔽部によって、蒸発部の内部から、液溜め部の内部への蒸気の侵入(いわゆる蒸気のバックフロー)を防止することができる。さらに、このような構成によって、蒸発部の内圧と液溜め部の内圧とに確実に圧力差(温度差)が生じることになるので、ループ型ヒートパイプの冷却性能の低下や動作の停止を防ぐことができる。その結果、高い熱輸送能力を維持することができる。
また、請求項2の発明によれば、遮蔽部には蒸発部と液溜め部との接続位置で使用される高分子材料が含まれているので、コンテナからの熱がウイックに伝達し難くなる。そのため、ウイックの内部に在る液相の作動流体が蒸気に相変化することを防止することができる。
さらに、請求項3の発明によれば、液溜め部の内部に対して開口される管状の液流路が、コンテナよりも熱伝導率の低い部材によって形成されているので、ウイックの内部に連通した管状部材には熱が伝達し難くなる。したがって、例えば外部からコンテナに熱を加えた場合に、そのコンテナから液流路に熱が伝達されたとしても、コンテナ(ウイック)の内部の温度や圧力の上昇を抑えることができる。
そして、請求項4の発明によれば、前記蒸発部が、前記液溜め部に向かってほぼ中央に配置されているので、液溜め部の内部には常に液相の作動流体が溜まることになる。そのため、その液溜め部の内部に溜まった液相の作動流体の熱容量による時定数(時間的な変化を表す定数)をヒートパイプの動作に利用することができる。
以下、本発明を実施した最良の形態について説明する。この発明によるループ型ヒートパイプ1は、図1に示すように外部から加熱される蒸発部3と液相の作動流体を溜める液溜め部4とが一体に形成されたコンテナ2と、外部に熱を放散する凝縮部5とが、蒸気管(ベーパライン)6と液戻り管(リキッドライン)7とによって環状流路を形成するように連通されている。なお、蒸発部3と液溜め部4とは、それぞれ蒸気管6と液戻り管7とに連通されている。
上記のコンテナ2は、円筒形状に形成されており、その内部には液相の作動流体を浸透させて毛細管圧力を生じさせる多孔質ウイック8が設けられている。このウイック8の少なくとも一部がコンテナ2の内面に接触しており、ウイック8に浸透した液相の作動流体をコンテナ2の内面に供給するように構成されている。また、ウイック8の外周面とコンテナ2の内周面との間に、軸線方向に延びている蒸気流路が形成されている。これは、コンテナ2から熱を受けて生じた作動流体の蒸気を流通させるためのものであり、コンテナ2の内面もしくはウイック8の外面のいずれか一方または両方に軸線方向に沿って形成した溝によって構成することができる。
このような蒸気流路もしくは溝を形成することにより、コンテナ2の内部で蒸気が充満する部分と液溜め部4とが連通してしまうので、これらの部分を遮蔽するために、多孔質ウイック8の外周面のうち蒸発部3と液溜め部4との境界部分に相当する箇所に、環状の弾性部材であるOリング9が配置されている。すなわち、このOリング9は、ウイック8の外周面とコンテナ2の内周面との間の隙間を詰めるように、これら両者の間に圧入されて遮蔽している。したがって、蒸発部3の圧力が液溜め部4に影響を及ぼさないように構成されている。このOリング9がこの発明の遮蔽部に相当している。
蒸発部3は、コンテナ2の流出口2Aから、コンテナ2の内周面2BとOリング9との接触部2Cに至る円筒状の部分であり、その内部が空間部10である。一方、液溜め部4は、その接触部2Cからコンテナ2の流入口2Dに至る円筒状の部分であり、その内部が空間部11である。また、蒸発部3は液溜め部4より内径が小さくなっている。さらに、蒸発部3は液溜め部4に向かってほぼ中央に配置されている。蒸発部3の内面には細溝14が形成されており、この細溝14によって蒸気流路が形成されている。なお、蒸発部3は液溜め部4より内径が小さくなっており、接触部2Cには細溝14が形成されていない。ループ型ヒートパイプ1の内部は、ほぼ完全に脱気された後に、水やアルコールなどの凝縮性の流体が作動流体15として封入されている。
上記のOリング9は、蒸発部3と液溜め部4との境界位置もしくは接続位置で使用されており、その内側に多孔質ウイック8が挿入されている。したがって、このOリング9によってコンテナ2の内部が蒸発部3と液溜め部4とに区間されて相互に遮蔽され、蒸発部3の内圧が液溜め部4の内圧に影響を及ぼさないので、例えば多孔質ウイック8と蒸発部3(細溝14)との界面で蒸気が発生したとしても、Oリング9によって前記蒸気流路に在る蒸気が空間部11へ移動(逆流)するのを防ぐことができる。すなわち、蒸気流路から空間部11への蒸気の侵入(いわゆる蒸気のバックフロー)を防止することができる。また、Oリング9を高分子材料を原料とした耐水性の部材とすることで、接触部2Cの熱がその同位置において、直接多孔質ウイック8に伝わるのを妨げることができる。そのため、多孔質ウイック8の表面(界面)で液相の作動流体15が蒸気に相変化することが防止される。すなわち、Oリング9は、多孔質ウイック8との界面における断熱効果の役割を担っている。
多孔質ウイック8の内周方向には中空部分が形成されており、その中空部分に液戻り管16が挿入されている。多孔質ウイック8の一端部8Aは空間部11に突出し、その中空部分が開口して空間部11と連通している。また、多孔質ウイック8は、例えばセラミックやニッケル、銅、銅酸化物等を原料とした多孔質材、あるいはポリエチレン樹脂(例えばUltra High Molecular Weightポリエチレン)などの高分子材料を原料とした多孔質材である。なお、コンテナ2の材質としては銅などの熱伝導性に優れる金属が採用されている。
上記の液戻り管16には、テフロンチューブ、シリコンチューブ、ガラス管等が採用され、蒸気管6および液戻り管7(ループ型ヒートパイプ1)の材質としては、熱伝導性に優れる純銅や銅合金もしくはアルミニウム、ニッケル等の金属が採用されている。
次にこの発明の作用について具体的に説明する。上述したループヒートパイプ1は、いわゆるトップヒートモードで使用することができ、その場合には、外部から熱Qが伝達される蒸発部3が、外部に放熱する凝縮部5より高い位置に配置される。内部に封入されている作動流体15の量は、液溜め部4における液面がウイック8の下端部より高くなる量に設定されており、したがってウイック8の毛細管作用によって液相の作動流体15が蒸発部3の内周面に供給されている。より具体的には、ウイック8に浸透している液相の作動流体が蒸発部3の内面に接触している。
蒸発部3に対する外部からの入熱によって、ウイック8に浸透している作動流体が蒸発し、その蒸気は細溝14からなる蒸気流路に充満する。このようにして作動流体蒸気が充満する蒸発部3の内部は、前述したOリング9によって液溜め部4に対して遮蔽され、またウイック8が多孔質であっても液相の作動流体が浸透していて蒸気が流通できないようになっている。したがって、蒸発部3の作動流体蒸気が液溜め部4に進入したり、あるいは蒸発部3の圧力が液溜め部4に及んだりすることが防止もしくは抑制される。
一方、凝縮部5では、放熱が生じているから、その内部の圧力が相対的に低くなっている。そのために、蒸発部3で発生した作動流体蒸気は、蒸気管6を通って凝縮部5に向けて流動する。そして、その潜熱を外部に放出して凝縮する。
この凝縮部5に一端部が連通されている液戻り管7の他方の端部は、前述したウイック8の内部に挿入されているものの、両者の間に隙間が形成されていてその隙間を介して液溜め部4の内部に連通している。したがって、液戻り管7は、実質的に、凝縮部5と液溜め部4とを直接連通している。
このように、凝縮部5の一端部は、蒸気管6を介して、相対的に高圧の蒸発部3に連通し、他方の端部は、液戻り管7を介して、相対的に低圧の液溜め部4に連通しているので、これらの圧力差あるいはエネルギー差によって、凝縮部5の液相作動流体は液溜め部4に向けて押し上げられ、あるいは液溜め部4に吸引される。すなわち、作動流体は、蒸発部3と凝縮部5との間を、蒸気管6及び液戻り管7を介して循環流動し、その過程で蒸発と凝縮とを行うので、蒸発部3から凝縮部5に対して、潜熱の形で熱を輸送することができる。
特に、上述したこの発明に係るループヒートパイプ1では、蒸発部3と同じ側に設けられている液溜め部4を、蒸発部3の内部圧力が及ばないように蒸発部3に対して遮蔽してあるので、液相の作動流体が重力に抗して上昇しやすくなり、その結果、いわゆるトップヒートモードでの熱の輸送高さを従来より高くすることができる。
なお、上記の毛細管圧力によって、液戻り管16の内部に在る液相の作動流体15は空間部11に流出する。ここで、蒸発部3が、液溜め部4に向かってほぼ中央に配置されているので、空間部11には常に液相の作動流体15が溜まることになる。そのため、その空間部11に溜まった液相の作動流体15の熱容量による時定数(時間的な変化を表す定数)をヒートパイプの動作に利用することができる。
図2は、多孔質ウイック8の他端部8Bと、コンテナ2の流出口2Aとの間に形成された空間部10A(多孔質ウイック8の一端部8A側)に、高分子製のキャップ20が配置された他の具体例を示す図であり、このようにコンテナ2の蒸気管6側にキャップ20を取り付けることにより、例えばループ型ヒートパイプ1のスタートアップ時に、液相の作動流体(水)15が多孔質ウイック8を貫通したとしても、その作動流体15が蒸気管6側に噴出するのを防ぐことができる。
この発明のループ型ヒートパイプの一具体例を簡略的に示す平面図である。 図1の蒸発部の内部にキャップを取り付けた構造を示す拡大図である。
符号の説明
1…ループ型ヒートパイプ、 2…コンテナ、 3…蒸発部、 4…液溜め部、 5…凝縮部、 6…蒸気管、 7,16…液戻り管、 8…多孔質ウイック、 9…Oリング、 10,11…空間部、 15…作動流体。

Claims (4)

  1. 外部から加熱される蒸発部と、液相の作動流体を溜める液溜め部と、外部に熱を放散する凝縮部とが、蒸気管と液戻り管とによって環状流路を形成するように連通され、その環状流路の内部に、加熱されて蒸発しかつ放熱して凝縮する作動流体が封入されたループ型ヒートパイプであって、
    前記蒸気管に連通した前記蒸発部と前記液戻り管に連通した前記液溜め部とによって一体に形成されたコンテナの内部に、液相の作動流体を浸透させて毛細管圧力を生じさせる多孔質のウイックが設けられ、そのウイックの外周部に、前記コンテナの内部の前記蒸発部と前記液溜め部とを相互に遮蔽して前記蒸発部の内圧が前記液溜め部の内圧に影響を及ぼさないようにする遮蔽部が設けられていることを特徴とするループ型ヒートパイプ。
  2. 前記遮蔽部には前記蒸発部と前記液溜め部との接続位置で使用される高分子材料が含まれていることを特徴とする請求項1に記載のループ型ヒートパイプ。
  3. 前記液溜め部の内部に対して開口される管状の液流路が、前記コンテナよりも熱伝導率の低い部材によって形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のループ型ヒートパイプ。
  4. 前記蒸発部が、前記液溜め部に向かってほぼ中央に配置されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のループ型ヒートパイプ。
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