JP2007117902A - アンモニウムイオン含有排水の処理方法および装置 - Google Patents

アンモニウムイオン含有排水の処理方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ANAMMOX反応を安定して行わせ、目標とする脱窒処理を確実にかつ円滑に行うことができる、アンモニウムイオン含有排水の処理方法および装置を提供する。
【解決手段】アンモニウムイオンを含有する排水に亜硝酸イオンを添加して、嫌気性条件下で独立栄養性細菌と接触させることによりアンモニウムイオンを電子供与体とし、亜硝酸イオンを電子受容体として脱窒反応を行う処理方法であって、被処理水、反応槽内、処理水の少なくとも一箇所において窒素化合物濃度を測定し、その測定結果に基づき亜硝酸イオンの添加量を制御することを特徴とするアンモニウムイオン含有排水の処理方法、および処理装置。
【選択図】図2

Description

本発明は、アンモニウムイオンを含有した排水の処理に際し、亜硝酸イオンを積極的に添加して嫌気性条件下で独立栄養性細菌と接触させることにより、アンモニウムイオンを電子供与体とし、亜硝酸イオンを電子受容体として脱窒反応を行うアンモニウムイオン含有排水の処理方法および装置に関する。
近年、排水処理の分野においては、微生物の生理活性を利用して排水中の汚濁物質を無害な物質に変化させて処理を行う生物処理が多用されている。一般的なアンモニア性窒素含有排水の処理においては、排水を好気性条件下において独立栄養性のアンモニア酸化細菌および亜硝酸酸化細菌と接触させて亜硝酸イオンもしくは硝酸イオンにまで酸化し、その後無酸素条件下において従属栄養性の脱窒細菌と反応させて窒素ガスにまで還元して系外へ排出する。また近年では、新しい窒素処理プロセスとしてANAMMOX(ANaerobic AMMonium OXidation)法が提唱されている。本手法は排水中のアンモニウムイオンの半量を好気性条件下でアンモニア酸化細菌により亜硝酸イオンにまで酸化し、アンモニウムイオンと亜硝酸イオンをモル比で1:1以上に調整後、嫌気性条件下で独立栄養性のANAMMOX細菌群と接触させて窒素ガスに変化させて系外へ排出するものである。
ANAMMOX反応を利用した排水の処理方法に関しては、前段の亜硝酸化反応の制御が重要なポイントとなる。通常の硝化反応においては、前述のようにアンモニア酸化細菌と亜硝酸酸化細菌と接触させることにより硝酸にまで酸化するが、本法においては亜硝酸酸化細菌を排除、もしくは不活化することによりアンモニウムイオンを亜硝酸イオンにまで酸化した時点で酸化を止める。
これらのアンモニア酸化細菌と亜硝酸酸化細菌は、生育の環境条件が非常に似通っており、アンモニア酸化細菌のみを成育させることは容易ではない。また、長期の運転により、亜硝酸型の硝化が崩壊して硝酸型の反応が卓越する場合もあり、運転の安定性という点で問題を有する。さらに、ANAMMOX反応を良好に行うためにはアンモニウムイオンと亜硝酸イオンの濃度をほぼ1:1あるいは1:1以上に制御する必要があり、非常に高度な制御が必要となる。このように生物化学的にアンモニア性窒素を亜硝酸イオンに酸化してANAMMOX反応に供する手法は、コスト的には優位であるものの、安定運転という点では問題が残されている。
そこで本発明の課題は、ANAMMOX反応を安定して行わせ、目標とする脱窒処理を確実にかつ円滑に行うことができる、アンモニウムイオン含有排水の処理方法および装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係るアンモニウムイオン含有排水の処理方法は、アンモニウムイオンを含有する排水に亜硝酸イオンを添加して、嫌気性条件下で独立栄養性細菌と接触させることによりアンモニウムイオンを電子供与体とし、亜硝酸イオンを電子受容体として脱窒反応を行う処理方法であって、被処理水、反応槽内、処理水の少なくとも一箇所において窒素化合物濃度を測定し、その測定結果に基づき亜硝酸イオンの添加量を制御することを特徴とする方法からなる。
この処理方法においては、上記窒素化合物が少なくとも全窒素、アンモニウムイオン、亜硝酸イオン、硝酸イオンのいずれかを含むことが好ましい。
また、上記添加量の制御においては、アンモニウムイオンと亜硝酸イオンの比が1:1以上、好ましくは1:1.5以上となるように亜硝酸イオンの添加量を制御することが望ましい。
本発明に係るアンモニウムイオン含有排水の処理装置は、アンモニウムイオンを含有する排水に亜硝酸イオンを添加して、嫌気性条件下で独立栄養性細菌と接触させることによりアンモニウムイオンを電子供与体とし、亜硝酸イオンを電子受容体として脱窒反応を行う処理装置であって、被処理水、反応槽内、処理水の少なくとも一箇所において窒素化合物濃度を測定する濃度測定手段と、その測定結果に基づき亜硝酸イオンの添加量を制御する添加量制御手段とを有することを特徴とするものからなる。
この処理方法においては、上記窒素化合物が少なくとも全窒素、アンモニウムイオン、亜硝酸イオン、硝酸イオンのいずれかを含むことが好ましい。
また、上記添加量制御手段は、アンモニウムイオンと亜硝酸イオンの比が1:1以上、好ましくは1:1.5以上となるように亜硝酸イオンの添加量を制御することが望ましい。
このように本発明では、処理対象となる被処理水、反応槽内、処理水の少なくともいずれかに含まれる窒素化合物の濃度を測定し、その測定結果に応じてANAMMOX反応に必要な亜硝酸イオンのうち、一部または全部を外部より積極的に添加する。これにより、常に適量の亜硝酸イオンが確保されてANAMMOX反応が効率的に行われ、かつ安定的に運転を行うことが可能とる。
本発明に係るアンモニウムイオン含有排水の処理方法および装置を用いることによって、ANAMMOX反応を利用した窒素処理システムを効率的かつ安定的に運転することができる。また、適切な制御を行うことにより、従来必要とされていたANAMMOX反応前段の亜硝酸化槽およびANAMMOX反応後に残存したアンモニウムイオンを硝化するための硝化槽を設置することなく処理を行うことも可能になり、装置設置スペースの大幅な削減がはかれる。
以下に、本発明の望ましい実施の形態について詳細に説明する。
ANAMMOX反応は一般的に以下の式で表される。
1.0NH4 + + 1.32NO2 - + 0.066HCO3 - + 0.13H+
→1.02N2+ 0.26NO3- + 0.066CH2O0.5N0.15+ 2.03H2O
ANAMMOX反応は上記のように、独立栄養性の菌群により無酸素条件下でアンモニア性窒素と亜硝酸性窒素とから窒素ガスを生成する反応であり、通常は原水中のアンモニア性窒素の一部を好気性条件下で独立栄養性細菌であるアンモニア酸化細菌と接触させて亜硝酸イオンにまで変換した後に、ANAMMOX反応に供される。
アンモニア性窒素を含有した排水は、ANAMMOX反応槽の流入前もしくは処理後に窒素化合物濃度を測定される。本発明においてはANAMMOX反応に必要な亜硝酸イオンの供給量を算出することが重要であるため、ここで測定される窒素化合物濃度はアンモニア性窒素濃度が最も望ましいが、全窒素濃度やその他の窒素濃度、またはその他の指標によりアンモニア性窒素濃度に換算できる場合には他の指標を用いることもできる。つまり、濃度測定を行う窒素化合物が、少なくとも全窒素、アンモニウムイオン、亜硝酸イオン、硝酸イオンのいずれかを含むものであれば測定可能である。
具体的には、例えば、
(1)ANAMMOX反応槽流入前に窒素化合物の測定を行って制御する場合:
測定項目はアンモニア性窒素、全窒素、亜硝酸性窒素のうちから少なくとも2つ以上を選択する。ただし、原水流量が一定の場合にはアンモニア性窒素、全窒素のうちどちらかを測定することによって亜硝酸イオンの添加量を制御することが可能である。原水中に硝酸性窒素が流入してくる場合には、別途硝酸性窒素の測定を行うか、アンモニア性窒素および亜硝酸性窒素を測定して亜硝酸イオンの添加量を制御することが望ましい。また、亜硝酸イオンの添加においてはANAMMOX反応槽の前段に亜硝酸イオン混合槽を設置する方法が好適に使用できる。
(2)ANAMMOX反応槽処理水中窒素化合物の測定を行って制御する場合:
測定項目はアンモニア性窒素、亜硝酸性窒素のうち少なくとも一方を選択する。この場合、亜硝酸イオンの添加量はアンモニア性窒素の濃度が一定の値以下、亜硝酸性窒素の値が一定の範囲、もしくは所定の濃度となるように制御される。
亜硝酸の添加量は、アンモニウムイオンと亜硝酸イオンの比が1:1以上となるように前記の測定結果を元に制御される。ただし、亜硝酸イオンの不足によりANAMMOX処理水にアンモニア性窒素が残留するような条件で処理を行った場合、後段に硝化反応槽が必要となるため、亜硝酸イオンは、アンモニウムイオンと亜硝酸イオンの比は1:1.5以上となるように添加することがより望ましい。
窒素化合物濃度をANAMMOX反応槽内もしくはANAMMOX処理水で測定して亜硝酸イオンの注入量を制御する場合には、アンモニウムイオン、亜硝酸イオンの少なくともひとつを測定することが非常に有効である。この場合、アンモニウムイオンは所定の濃度以上とならないように(たとえば10mgN/L以下)、亜硝酸イオンの場合には所定の濃度以上となるように(たとえば10mg/L以上)亜硝酸イオンの添加量が制御される。
いずれの場合においても、アンモニウムイオン含有排水のアンモニウムイオンはその一部を予め公知の方法により亜硝酸イオンに変換することはコストの点からも非常に有効な方法になる。この場合、前述のようにアンモニウムイオンと亜硝酸イオンの比を制御してANAMMOX反応に供するのは非常に煩雑な制御が必要となるため、本発明においては、生物処理における亜硝酸化を前述の反応式における理論比以下に制御し、不足分の亜硝酸イオンを上記の方法により制御することによって安定な運転を達成することが可能になる。
以下に本発明を用いて行った実施例を示す。なお、この実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1
図1に示すような装置を用いた。図1において、1は被処理水としての処理対象原水を示しており、処理対象原水1が窒素化合物濃度測定槽2に送られ、次いでANAMMOX反応槽3に送られる。窒素化合物濃度測定槽2内には、アンモニウムイオン電極4が配置されており、測定された濃度対応信号が、シーケンサーおよびポンプコントローラー5にて処理され、測定した窒素化合物濃度に基づいて、亜硝酸ナトリウムタンク6中に貯留されていた亜硝酸ナトリウムが、亜硝酸ナトリウム添加ポンプ7により添加量を制御されつつ処理対象原水に添加される。ANAMMOX反応槽3でANAMMOX反応が行われ、処理水8が取り出される。
本実施例においては、ANAMMOX反応槽3として、容量2Lの密閉可能な完全混合槽を用い、その中にANAMMOX活性を有する菌群を付着させた5mm角のポリエチレン製スポンジ担体を投入し、攪拌機を用いて攪拌しつつ下記表1の組成の原水を連続的に通水した。この際、原水水質の変動を考慮するため、原水中のアンモニア性窒素濃度は100〜200mgN/L の間で変動させ、流入水中のアンモニア性窒素濃度をイオン電極を用いて連続的に測定した。測定したデータを用いて亜硝酸ナトリウム添加ポンプをフィードバック制御し、アンモニウムイオン濃度と亜硝酸イオンの比が1:1.5になるように添加した。なお、槽内にpHセンサーを設置し、pHが7.5となるように二酸化炭素ガスの添加を行った。
Figure 2007117902
原水および処理水中のアンモニア性窒素濃度、および亜硝酸比率は、図2に示すように推移した。その結果、流入原水中のアンモニア性窒素濃度の変動に対して適切に亜硝酸イオンの添加量が制御され、アンモニア性窒素の処理は安定して達成することができた。
本発明の一実施態様に係るアンモニウムイオン含有排水の処理方法を例示する工程フロー図である。 実施例1におけるアンモニア性窒素濃度および亜硝酸比率の推移特性図である。
符号の説明
1 処理対象原水
2 窒素化合物測定槽
3 ANAMMOX反応槽
4 アンモニウムイオン電極
5 シーケンサーおよびポンプコントローラー
6 亜硝酸ナトリウムタンク
7 亜硝酸ナトリウム添加ポンプ
8 処理水

Claims (6)

  1. アンモニウムイオンを含有する排水に亜硝酸イオンを添加して、嫌気性条件下で独立栄養性細菌と接触させることによりアンモニウムイオンを電子供与体とし、亜硝酸イオンを電子受容体として脱窒反応を行う処理方法であって、被処理水、反応槽内、処理水の少なくとも一箇所において窒素化合物濃度を測定し、その測定結果に基づき亜硝酸イオンの添加量を制御することを特徴とする、アンモニウムイオン含有排水の処理方法。
  2. 窒素化合物が少なくとも全窒素、アンモニウムイオン、亜硝酸イオン、硝酸イオンのいずれかを含むことを特徴とする、請求項1に記載のアンモニウムイオン含有排水の処理方法。
  3. アンモニウムイオンと亜硝酸イオンの比が1:1以上となるように亜硝酸イオンの添加量を制御することを特徴とする、請求項1または2に記載のアンモニウムイオン含有排水の処理方法。
  4. アンモニウムイオンを含有する排水に亜硝酸イオンを添加して、嫌気性条件下で独立栄養性細菌と接触させることによりアンモニウムイオンを電子供与体とし、亜硝酸イオンを電子受容体として脱窒反応を行う処理装置であって、被処理水、反応槽内、処理水の少なくとも一箇所において窒素化合物濃度を測定する濃度測定手段と、その測定結果に基づき亜硝酸イオンの添加量を制御する添加量制御手段とを有することを特徴とする、アンモニウムイオン含有排水の処理装置。
  5. 窒素化合物が少なくとも全窒素、アンモニウムイオン、亜硝酸イオン、硝酸イオンのいずれかを含むことを特徴とする、請求項4に記載のアンモニウムイオン含有排水の処理装置。
  6. 前記添加量制御手段は、アンモニウムイオンと亜硝酸イオンの比が1:1以上となるように亜硝酸イオンの添加量を制御することを特徴とする、請求項4または5に記載のアンモニウムイオン含有排水の処理装置。
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