JP2007143379A - ブラシレスモータ - Google Patents
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Abstract
【課題】余計な部材を使用せず、かつシャフト加工の安易であり、シャフトの先端にギア部を構成しても信頼性の低下を防ぐブラシレスモータを提供すること。
【解決手段】シャフト30のボールベアリング21の下側には、ボールベアリング21の位置決め保持を行う盛り上がり部32が転造加工によって周方向等間隔に複数形成されている。この盛り上がり部32を転造加工によって形成することにより、ギア部31の力Fによるモーメントを一番受ける部分に形成された盛り上がり部32の強度を向上させることができるので、信頼性の高いブラシレスモータを提供することができる。
【選択図】図2
【解決手段】シャフト30のボールベアリング21の下側には、ボールベアリング21の位置決め保持を行う盛り上がり部32が転造加工によって周方向等間隔に複数形成されている。この盛り上がり部32を転造加工によって形成することにより、ギア部31の力Fによるモーメントを一番受ける部分に形成された盛り上がり部32の強度を向上させることができるので、信頼性の高いブラシレスモータを提供することができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、転がり軸受を使用するブラシレスモータに関する。
高信頼性および長寿命を達成するために、従来からブラシレスモータの軸受部には、転がり軸受が使用されている。この転がり軸受の位置決めの方法としては、例えば、特許文献1の図1のような回転軸であるシャフトを段付にし、その段部に当接するように転がり軸受を配置する方法および特許文献2の図1のようなシャフトに環状リングを固定し、この環状リングに当接するように転がり軸受を配置する方法が採用されている。また特許文献3のようにシャフトにドーナツ状の盛り上がり部を設ける方法も提案されている。
しかしながら、特許文献1のシャフトを段付にする方法では、シャフトに段部を設けるために、シャフト加工の費用が多大にかかってしまう。また特許文献2では、環状リングの位置決めを行う位置決め溝を設けなければならない。さらに環状リングを用いるので部材点数の増加となる。よって組立工数も増加し、ブラシレスモータの原価を高くしてしまう。
また特許文献3のように、特許文献1および特許文献2を解決するためにシャフトにドーナツ状の盛り上がり部を設ける方法では、特許文献3のようにシャフトの出力軸とは反対側に盛り上がり部を設けるには適当である。しかしながらシャフトの出力軸側に盛り上がり部を設けた場合、シャフトの盛り上がり部に穴を開けてしまうために、シャフトの半径方向に力が加わった際に穴に応力集中を生じてしまう。加えて、転がり軸受より出力軸側に盛り上がり部が形成されていることから、この穴はモーメント力も大きく受けてしまうこととなる。さらにこの穴は回転周方向位置によって、応力集中の加わり方が異なる。その結果、この穴は、穴が開く方向の力と穴が閉じる方向の力が交互に働き、穴において金属疲労が甚大なものになってしまう。したがって、長時間回転を行った場合に、シャフトが変形したり、最悪にはギア部が折れたりする可能性がある。これは特に常にシャフト先端部に半径方向の力が加わるギア部が構成されるブラシレスモータでは不適である。よって、シャフトの先端部にギア部を構成する場合には、盛り上がり部は高強度である必要がある。
したがって、本発明は上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、余計な部材を使用せず、かつシャフト加工の安易であり、シャフトの先端にギア部を構成しても信頼性の低下を防ぐブラシレスモータを提供することである。
本発明の請求項1によれば、 シャフトと、該シャフトに固定され、一体的に回転する回転部材と、前記シャフトの軸方向に互いに離間して複数配置された転がり軸受と、該転がり軸受を保持し、該転がり軸受を介して前記シャフトを回転自在に支持する固定部材と、
を具備するブラシレスモータであって、前記シャフトの一端側には、前記転がり軸受の内径以下の外径を有するギア部が構成され、前記シャフトにおける前記一端側の前記転がり軸受よりさらに一端側には、当該転がり軸受を位置決め保持する盛り上がり部が転造加工にて形成されていることを特徴とする。
を具備するブラシレスモータであって、前記シャフトの一端側には、前記転がり軸受の内径以下の外径を有するギア部が構成され、前記シャフトにおける前記一端側の前記転がり軸受よりさらに一端側には、当該転がり軸受を位置決め保持する盛り上がり部が転造加工にて形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項1に従えば、シャフトの転がり軸受を保持する部分からギア部の他端側までが同径にて形成されることから、ストレートシャフトを使用することができる。これによりストレートシャフト以外での段付シャフト等で必須であった円筒研磨を使用することなく、通し研磨にてシャフト仕上げを行うことができる。したがって、製造コストを大幅に削減することができる。さらに盛り上がり部を形成し、この盛り上がり部にて転がり軸受を支持するので従来必要であった転がり軸受を位置決め支持するCリング等の保持リングを必要とすることがなくなる。したがって、保持リングの削除による部品点数の削減および保持リングを固定するための溝加工の削減をすることができる。さらに保持リングを固定する製造工程をも削減することができるので、大幅な製造コストの削減を図ることができる。加えて、転造加工にて盛り上がり部を形成するので、盛り上がり部の強度を向上することができる。したがって、ギア部に所定の力が加わっても高い信頼性をもつブラシレスモータを提供することができる。
本発明の請求項2によれば、請求項1に係わり、前記盛り上がり部は、周方向等間隔に複数形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項2に従えば、周方向等間隔に複数形成されることにより、転がり軸受の周方向の軸方向位置を容易に調節することができる。
本発明の請求項3によれば、請求項1および請求項2のいずれかに係わり、 前記盛り上がり部は、前記シャフトの転がり軸受を支持する支持部の外径に対して3〜5%の範囲内にて前記支持部より半径方向外方に形成されることを特徴とする。
本発明の請求項3に従えば、盛り上がり部の外径を支持部より3〜5%の範囲内にて支持部より大きく形成することにより、転がり軸受を良好に位置決め支持しつつ、シャフトに過剰な応力を加えることなく加工することができる。したがって、振れ精度や真円度精度の低下を防止することができる。
本発明の請求項4によれば、請求項3のいずれかに係わり、少なくとも前記一端側の前記転がり軸受の内輪は、前記シャフトに圧入もしくは接着にて固定され、前記盛り上がり部は、前記シャフトにおける前記内輪の軸方向の位置決めを行うことを特徴とする。
本発明の請求項4に従えば、転がり軸受の内輪を固定することによって転がり軸受に予圧をかける際にも、シャフトと転がり軸受との固定により保持するので、盛り上がり部には予圧による力が加わることがない。したがって、転がり軸受の予圧に対する保持のために盛り上がり部を必要以上に大きく形成する必要がなくなる。
本発明によれば、余計な部材を使用せず、かつシャフト加工の安易であり、シャフトの先端にギア部を構成しても信頼性の低下を防ぐブラシレスモータを提供することができる。
<ブラシレスモータの全体構造>
本発明に係わるブラシレスモータの全体構造の一例について図1を参照して説明する。図1はブラシレスモータの模式断面図である。
本発明に係わるブラシレスモータの全体構造の一例について図1を参照して説明する。図1はブラシレスモータの模式断面図である。
図1を参照して、ベアリングホルダ10は、アルミニウム若しくは亜鉛をダイカスト等の鋳造にて略中空円筒形状に形成されている。このベアリングホルダ10の上部および下部には、転がり軸受である2つのボールベアリング20、21が収容される上側凹部11および下側凹部12が形成されている。そしてベアリングホルダ10の中空部13に挿通し、各ボールベアリング20,21の中空部を略円柱状のシャフト30が挿通し、ボールベアリング20、21によって回転自在に支持される。この下側に配置されたボールベアリング21との下側凹部12との軸方向の間には、ボールベアリング21の外輪を支持して予圧を加える弾性部材22が配置されている。この保持部材23はシャフト30に一体的に成形されてもよい。
またシャフト30の下部には、ハスバ歯車等の歯車が一体的もしくは別体に構成されたギア部31が形成されている。これにより、モータを取付ける機器側の歯車と噛み合い回転力を伝達する。
ベアリングホルダ10の円筒下部の半径方向外側には、軸方向に高さの異なる2種類の突出部が各3個ずつ形成されている。軸方向の高さが高い第一突出部14と軸方向の高さが低い第二突出部15とは、半径方向同位置に形成される。そして、第一突出部14と第二突出部15とのそれぞれは周方向に等間隔(実施例では120°)にて形成される。
ベアリングホルダ10の下端面16には、第一円環突部17が形成されており、この第一円環突部17の外周面と係合するように鋼板をプレス等の塑性変形にて成形された取付板40が固定される。この取付板40は、モータを搭載する機器にモータを取り付ける取り付け穴41が形成されている。また下端面16には、第一円環突部17より半径方向内側に第一円環突部16より軸方向下側に突出した第二円環突部18が形成されている。この第二円環突部18により、モータを搭載する機器とのシャフト30の位置決めを行う。
ベアリングホルダ10の第一突出部14の上端面および円筒部には、円環状のステータ50が当接されるように固定配置される。これらの固定は、ステータ50の第一突出部14の対応部分に軸方向に貫通孔が設けられ、そして第一突出部14の上端面にも穴が設けられ、これらに挿通するようにネジ60にて締結することにて行われる。また第二突出部の上端面には、紙フェノール等にて成形された基板70が固定配置されている。これらの固定も同様にネジ61にて固定される。基板70には、回転速度を検出するホール素子71とホール素子71からの信号を制御する集積回路72が固定されている。
シャフト30の上側のボールベアリング20より上部には、鋼板をプレス等の塑性加工にて成形した略中空円筒形状のロータホルダ80が軸心と同心状にステータ50を覆うように固定される。このロータホルダ80の中空部81に、シャフト30が圧入固定される。そして円筒部82の内周面には、駆動用マグネット90が軸心と同心状に接着等にて固定されている。そしてこの駆動用マグネット90はロータホルダ80の円筒部82の下端面82aより、下側に突出する突出部91を有しており、その突出部91の外周面には、位置検出用マグネット100が軸心と同心状に圧入接着により固定されている。駆動用マグネット90の内周面は、ステータ50の外周面と半径方向に間隙を介して対向するように配置される。また駆動用マグネット90と位置検出用マグネット100とは、基板70の上面と軸方向に間隙をもって対向している。
モータの駆動は、ステータ50に通電されることにより磁場が発生し、この磁場と駆動用マグネット90との相互作用により回転トルクが発生することにより駆動する。
<主要部>
本発明の主要部であるシャフト30およびボールベアリング21との関係について図2乃至図4を参照して説明する。図2はボールベアリング21からシャフト30の先端部にかけての拡大図を示す。また図中のa)は本発明における構造を示し、b)は従来の構造を示す。図3は図2のX−X方向の模式断面図である。図4は盛り上がり部の他の実施例である。図4のa)は軸方向面図を示し、b)はY−Y方向の模式断面図である。
本発明の主要部であるシャフト30およびボールベアリング21との関係について図2乃至図4を参照して説明する。図2はボールベアリング21からシャフト30の先端部にかけての拡大図を示す。また図中のa)は本発明における構造を示し、b)は従来の構造を示す。図3は図2のX−X方向の模式断面図である。図4は盛り上がり部の他の実施例である。図4のa)は軸方向面図を示し、b)はY−Y方向の模式断面図である。
図2のa)を参照して、シャフト30のギア部31の軸方向上部には、ボールベアリング21の軸方向位置を決定するための盛り上がり部32が形成されている。この盛り上がり部32は、周方向等間隔に複数個所形成される。またこの盛り上がり部32は例えばローレット加工のような転造加工により形成される。これにより、盛り上がり部32を形成しても切削加工とは異なりシャフト30の強度は低下することなく、逆に強度を向上させることができる。
また本実施例のようなシャフト30の下部にギア部31を形成するような場合、相手歯車と伝達するために常に所定方向に力Fを受ける。そのため、ギア部31から力Fによるモーメントを一番受けるボールベアリング21の軸方向下側、すなわち盛り上がり部32の位置では、絶対的に強度が必要となる。そのため、転造加工によって盛り上がり部32を設けることによりシャフト30の被加工面の部分の強度を向上させる本発明では好適である。さらにシャフト30の力Fによるモーメントを一番受ける部分の強度を向上させていることにより、信頼性の向上を図ることができる。加えて、盛り上がり部32の形成は転造加工であり切削加工ではないので、加工の際にバリが発生しない。これによりボールベアリング21へのバリの侵入を防ぐことができる。したがって、信頼性の向上を図ることができる。
この本発明と比較して、図2のb)の従来の技術では、穴を設けることによりその穴の周囲を盛り上げて盛り上がり部33を形成するものである。したがって、シャフト30のギア部31に力Fを加えた場合、力Fによるモーメントを一番受ける盛り上がり部33の穴部33aに応力集中が発生してしまう。そのため、従来の技術では、特にモーメント等の力を大きく受ける位置での適用は好ましくない。さらに盛り上がり部33に穴部33aを設けることにより、シャフト30の強度を低下させている。したがって、シャフト30の下部に常に力Fを受けているような構成である場合、信頼性の低下が懸念される。
また図3を参照して、この盛り上がり部32は、シャフト30のボールベアリング21を支持する支持部21aの外径より3%〜5%程度大きくなるように形成される。これによりボールベアリング21の位置決めを果たすとともに、ボールベアリング21の当たりとなりボールベアリング21の下面の周方向の高さズレを防止することができる。この盛り上がり部32が3%より小さい場合、ボールベアリング21の内周端面の縁部に形成されているR部21b(図3では図示せず。図2のa)参照)より小さくなる可能性がある。その結果、ボールベアリング21の周方向高さの調節を行うことができなくなる。さらに盛り上がり部32が5%より大きい場合、盛り上がり部32を形成するために多大な応力を外部からシャフト30に加えることとなり、シャフト30の振れ精度が低下してしまう。さらに転造加工をするためにはシャフト30の一部をチャックにより保持しなければならないが、このシャフト30を保持する保持部にも多大な応力を加えることとなり、この保持部が傷ついてしまう可能性がある。加えて、盛り上がり部32は転造による塑性加工であるので、多大な応力を加えると盛り上がり部32以外の部分の真円度精度を低下させてしまう可能性がある。したがって、3%〜5%の範囲内であれば、適正な応力を加えることにより、シャフト30の他の部分の精度が低下することもなく、盛り上がり部32もボールベアリング21のR部21bより大きく形成されるので、ボールベアリング21の周方向高さも適切に調節することができる。
特に本実施例では、シャフト外径をφ6mm、盛り上がり部32のシャフト30の支持部21aの外径からの高さを0.2mm〜0.3mm、およびφ6mmのシャフト30に固定されるボールベアリング21のR部は一般的に0.2mm以下である。
以上、本発明の実施例に関して説明を記載したが、本発明は上記実施例に限定されることなく特許請求項の範囲内において種々の変形が可能である。
例えば、本発明の実施例では、盛り上がり部32の形状は図2の様に軸方向に長い断面台形状であるが、これに限定されることなく、盛り上がり部32が形成されていればよいので、この盛り上がり部の形状は半円形状や三角形状等のあらゆる種類の形状でもよい。
例えば、本発明の実施例では、盛り上がり部32は図3のように3点であるが、これに限定されることはない。例えば、図4のようにローレット加工により多数の盛り上がり部32aを形成してもよい。
10 ベアリングホルダ
20,21 ボールベアリング
21a 支持部
21b R部
30 シャフト
31 ギア部
32、32a、33 盛り上がり部
40 取付板
50 ステータ
60 ネジ
70 基板
80 ロータホルダ
90 駆動用マグネット
100 位置検出用マグネット
20,21 ボールベアリング
21a 支持部
21b R部
30 シャフト
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32、32a、33 盛り上がり部
40 取付板
50 ステータ
60 ネジ
70 基板
80 ロータホルダ
90 駆動用マグネット
100 位置検出用マグネット
Claims (4)
- シャフトと、
該シャフトに固定され、一体的に回転する回転部材と、
前記シャフトの軸方向に互いに離間して複数配置された転がり軸受と、
該転がり軸受を保持し、該転がり軸受を介して前記シャフトを回転自在に支持する固定部材と、
を具備するブラシレスモータであって、
前記シャフトの一端側には、前記転がり軸受の内径以下の外径を有するギア部が構成され、
前記シャフトにおける前記一端側の前記転がり軸受よりさらに一端側には、当該転がり軸受を位置決め保持する盛り上がり部が転造加工にて形成されていることを特徴とするブラシレスモータ。 - 前記盛り上がり部は、周方向等間隔に複数形成されていることを特徴とする請求項1に記載のブラシレスモータ。
- 前記盛り上がり部は、前記シャフトの転がり軸受を支持する支持部の外径に対して3〜5%の範囲内にて前記支持部より半径方向外方に形成されることを特徴とする請求項1もしくは請求項2のいずれかに記載のブラシレスモータ。
- 少なくとも前記一端側の前記転がり軸受の内輪は、前記シャフトに圧入もしくは接着にて固定され、前記盛り上がり部は、前記シャフトにおける前記内輪の軸方向の位置決めを行うことを特徴とする請求項3に記載のブラシレスモータ。
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