JP2007144902A - 多層樹脂シート及びそれを用いた自動販売機ディスプレー - Google Patents

多層樹脂シート及びそれを用いた自動販売機ディスプレー Download PDF

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Abstract

【課題】多層樹脂シート及びそれを用いた自動販売機ディスプレーを提供する。
【解決手段】ポリエチレンテレフタレート系樹脂層(コア層)の両側に、テレフタル酸単位100モル部、エチレングリコール単位80〜60モル部、スピログリコール単位20〜40モル部を有する共重合ポリエステル樹脂層を積層してなり、(1)片面が鏡面であり、(2)他方の面の平均表面粗さRa値が0.3〜2μmのエンボス面であって、(3)総厚みに占めるコア層の厚みが20〜70%である多層樹脂シート。本発明の多層樹脂シートは、連続印刷適性に優れ、良好な熱成形性を有し、印刷インキの密着性が良く、耐熱性が良く、熱加工性が良いため、自動販売機内のバックライト付広告表示板やダミーディスプレイに好適に使用できる。
【選択図】なし

Description

本発明は多層樹脂シート及びそれを用いた自動販売機ディスプレーに関する。
多層樹脂シート、例えば自動販売機やダミーディスプレイ(ダミー缶見本)のダミーシートとして芳香族ポリカーボネート(以下、PCという)の単層シートや、ポリエチレンテレフタレートの2軸延伸シート(以下、延伸PETという)が用いられている。樹脂シートは透明であり、印刷はシートの裏面に施される場合が多い(特許文献1及び特許文献2参照)。
多層樹脂シートが屋外で使用された場合、直射日光が当たる。屋内使用であっても、例えばバックライト等により加熱されるため、耐熱性が必要となる。
これらの用途に用いられるシートは両面が鏡面のものが一般的で、加工工程での傷付き防止の為に表面保護フィルムが両面に貼ってある場合が多い。加工工程後の印刷の前に保護フィルムを剥がす工程を省略したいという要望があった。
印刷後、熱成形の前にもう一方の表面保護フィルムを剥がす手間がかかり、成形品を重ねた時に、滑り性に劣る為、成形品同士がはがれない場合があった。
シート表面に不活性粒子を添加する方法が提案されているが、コスト増加、製造工程増加等の課題があった(特許文献4参照)。
延伸PETを主体とする樹脂シートは、連続印刷工程でのシート供給が安定しない場合があった。延伸PETの場合は、表面の濡れ性が悪い為、印刷インキの密着性や図柄の透明感の改善が必要とされていた。延伸PETを主体とするシートはダミー缶に使用可能であったが、熱成形しにくいために形状が限定されていた。近年はダミー缶の形状が複雑になり、熱加工性の良いシートが求められていた。
特開平09−270060号公報 特開平07−219443号公報 特開2004−345344号公報 特開2004−345098号公報
本発明は、連続印刷適性に優れ、印刷の仕上がりも良く、且つ良好な熱成形性を有する多層樹脂シート及びそれを用いた自動販売機ディスプレーを提供する。
本発明はポリエチレンテレフタレート系樹脂層(コア層)の両側に、テレフタル酸単位100モル部、エチレングリコール単位80〜60モル部、スピログリコール単位20〜40モル部を有する共重合ポリエステル樹脂層を積層してなり、(1)片面が鏡面であり、(2)他方の面の平均表面粗さRa値が0.3〜2μmのエンボス面であって、(3)総厚みに占めるコア層の厚みが20〜70%である多層樹脂シートである。
本発明の多層樹脂シートは、連続印刷適性に優れ、良好な熱成形性を有し、印刷インキの密着性が良く、耐熱性が良く、印刷した図柄の透明感が良い等の特徴を有するため、自動販売機内のバックライト付広告表示板やダミーディスプレイ等の自動販売機ディスプレーに好適に使用する事ができる。
本発明はポリエチレンテレフタレート系樹脂層の両側に、テレフタル酸単位100モル部、エチレングリコール単位80〜60モル部、スピログリコール単位20〜40モル部を有する共重合ポリエステル樹脂層を積層すること等を特徴とする。コア層はポリエチレンテレフタレート系樹脂(PET系樹脂)を主体とする層である。
コア層を形成する樹脂はポリエチレンテレフタレート樹脂骨格を有していればよく、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂骨格の一部をハロゲン、アルキル基等で置換した樹脂であってもよい。
コア層の樹脂には、テレフタル酸以外のジカルボン酸に由来する単量体単位を含有してもよく、ヘキサメチレングリコール以外のジオールに由来する単量体単位以外のジオール系単量体単位を含有していても良い。コア層には、ポリエチレンテレフタレート系樹脂100質量部中、テレフタル酸及びヘキサメチレングリコールに由来する単量体単位を80質量部以上含有していれば良い。
テレフタル酸以外のジカルボン酸系単量体としては、イソフタル酸、アジピン酸等が挙げられる。
ヘキサメチレングリコール以外のジオール系単量体としては、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等が挙げられる。
コア層は極限粘度が0.75以上のものは、熱成形時のドローダウンが小さい為、好適に用いることができる。
共重合ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸単量体とグリコール単量体を直接エステル化法又は直接エステル化法等の方法により縮重合して得られる。
共重合ポリエステル樹脂で用いられるジカルボン単量体としてはテレフタル酸が好適に用いられる。テレフタル酸以外のジカルボン酸単量体としては、アジピン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、ダイマー酸等が挙げられる。テレフタル酸単位は、共重合ポリエステル樹脂中のジカルボン酸単量体単位全体のうちの90モル%以上であることが好ましい。
共重合ポリエステル樹脂で用いられるグリコール単量体としては、エチレングリコールとスピログリコールが用いられる。エチレングリコールとスピログリコールの他に、その他のジオール単量体を併用しても良い。エチレングリコールとスピログリコール以外のジオール単量体として、例えば、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、ヘキサメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリアルキレングリコール、ビスフェノールA又はビスフェノールSのジエトキシ化合物等が挙げられる。エチレングリコール単位とスピログリコール単位の合計がジオール単量体単位全体のうちの90モル%以上であることが好ましい。
Figure 2007144902
共重合ポリエステル樹脂に用いられるジオールの割合は、全グリコール単量体100モル部中、スピログリコール20〜40モル部、エチレングリコール80〜60モル部である。スピログリコールの含有量が少ないと得られる多層樹脂シートの耐熱性が低下する場合があり、スピログリコールの含有量が多いと多層樹脂シートの耐衝撃性が低下する場合がある。
多層樹脂シート中のコア層が、多層樹脂シートの総厚みに占める割合は20〜70%である。コア層の割合が小さいと耐熱性が不足して直射日光及び自動販売機バックライトによる熱で成形品が変形する場合があり、コア層の割合が大きいとコスト増及び熱成形性悪化の原因となる場合がある。
多層樹脂シートのJIS B0601による表面粗度(Ra)は0.3〜2μmである。0.3μm未満であると、シート表面の滑り性が悪くなり、自動印刷の給紙適性が低下、成形品を重ねた時に、成形品同士がスタックしてしまう等のトラブルを引き起こす場合があり、2μmを超えると、印刷図柄の透明感が悪くなる場合がある。
多層樹脂シートの鏡面に形成された共重合ポリエステル樹脂層には、静電気による自動印刷の給紙トラブル防止と成形品への埃付着防止の為、帯電防止剤を練り込むか、塗布して帯電防止剤層とすることが好ましい。
帯電防止剤は特に限定されないが、例えばラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジエタノールアミン、ステアリルアミン塩酸塩等のカチオン系帯電防止剤、アルキルリン酸ジエタノールアミン、アルキルリン酸カリウム、アルキルベンゼンスルホン酸塩類等のアニオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリエチレングリコールモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート等が挙げられる。
多層樹脂シートの厚みは0.2〜0.7mmが好ましい。多層樹脂シートが薄いと、シートの腰が弱く、成形品の強度が不足する場合がある。多層樹脂シートが厚すぎると不経済である。
多層樹脂シートには、顔料、染料等の着色剤、シリコンオイルやアルキルエステル系等の離型剤、ガラス繊維や炭素繊維等の繊維状強化剤、タルク、クレイ、シリカ等の粒状滑剤、ポリエステル及びポリカーボネートのオリゴマ―等の可塑剤、紫外線吸収剤等を適宜添加してよい。
多層樹脂シートの製造方法は特に限定されず、一般的な方法を用いることができる。製造の手順としては、例えば、
(1)2台の単軸の押出機で、鏡面用及びエンボス面用の共重合ポリエステル樹脂層と、コア層を押出して2種類のフィルムを作成する、
(2)鏡面用の共重合ポリエステル樹脂層とエンボス面用の共重合ポリエステル樹脂層の間にコア層を挟んでからフィードブロックとTダイにより多層シートとする。
(3)得られた多層シートにエンボス加工する
という方法が挙げられる。多層シートの製造にはマルチマニホールドダイを使用してもよい。
鏡面層とコア層、エンボス層とコア層の間には、接着剤層やバリヤ層等の中間層があっても良い。
多層樹脂シートにエンボス加工を施す方法は特に限定されないが、例えば、ダイより押出された多層樹脂シートを引き取る際に、エンボス面がエンボスロール側となるように配置し、狭圧下で金属鏡面ロール/エンボスロール間を通す方法が挙げられる。
多層樹脂シートの使用方法は特に限定されないが、例えば自動機により印刷装置に連続的に送りこみ所定の印刷を施した後、加熱成形する方法等が挙げられる。
多層樹脂シートは連続送りが容易であり、良好な熱成形性を有するため、自動販売機内のバックライト付広告表示板やダミーディスプレイ等の自動販売機ディスプレーに好適に使用する事ができる。
(使用材料)
<共重合ポリエステル樹脂用単量体>
テレフタル酸:試薬1級、市販品。
エチレングリコール:試薬1級、市販品。
スピログリコール:日本ヒドラジン工業社製、市販品。
<コア層>
ポリエチレンテレフタレート系樹脂:PET樹脂、市販品、極限粘度0.82。
<共重合ポリエステル樹脂層(鏡面層及びエンボス層)>
共重合ポリエステル樹脂:エチレングリコール25モル部、スピログリコール25モル部、及びテレフタル酸50モル部を所定のモル比で混合し、直接エステル化法により重合させた共重合ポリエステル樹脂、市販品。
帯電防止剤:第4級アンモニウム化合物を主体、市販品。
(樹脂多層シート)
上記樹脂原料を用い、2台の40mm単軸押出機を使用しフィードブロック法により、鏡面層/コア層/エンボス層からなる2種3層構造の樹脂多層シート得た。Tダイから押出された樹脂多層シートを、鏡面仕上げのキャストロールとそれぞれ面状態の異なるエンボスロールとでロール間に挟持して引き取った。帯電防止剤のあるものについては、そのグロス面に塗布を行い、表1以下に記載の多層樹脂シートを得た。
(共重合ポリエステル樹脂層中のスピログリコール共重合比率)
共重合ポリエステル樹脂を、重水素置換したトリフルオロ酢酸と重クロロホルムの混合溶液(1:1)に溶解し、内部標準物質を添加し、FT−NMR装置を用いて測定して各単量体単位の含有量を定量した。各単量体単位の含有量から共重合ポリエステル樹脂層中のジオール単量体単位全体に対するスピログリコール単量体単位のモル割合を測定した。
FT−NMR装置:バリアン社製300MG型
内部標準物質:テトラメチルシラン(TMS)
比較例6及び比較例7には以下のシートを用いた。
比較例6:PC単層シート、商品名パンライト、帝人化成社製。
比較例7:延伸PETシート、商品名コスモシャイン、東洋紡工業社製。
(シート表面粗さRa)
実施例及び比較例で得られた多層樹脂シートの平均表面粗さ(Ra値)をJIS B0601に準拠し触針式の表面粗さ測定装置を用いて測定した。評価結果を表1に示す。
測定機:(株)東京精密製 サーフコム120A。
(共重合ポリエステル樹脂層厚み比率)
実施例及び比較例で得られた多層樹脂シートの層構成をレーザー顕微鏡にて観察した。共重合ポリエステル樹脂からなる鏡面層及びエンボス層の合計の厚みが、多層樹脂シート全体の厚さに占める割合を求めた。結果を表1に示す。
レーザー顕微鏡:(株)キーエンス VK−8500。
(連続印刷性)
各シートをスクリーン印刷の自動機にかけ、連続印刷適性を評価した。
評価基準は以下の通り。評価結果を表1に示す。
○:滑り性良好で、スムーズにシート供給できる。
×:滑り性が悪く、シート供給トラブルが発生する。
(印刷図柄の透明感)
多層樹脂シートのエンボス面、比較例No.1-7、No.1-8については片面の保護フィルムを剥がした面にスクリーンインキを用いて絵柄の印刷を行い、非印刷面側より目視で観察を行った。
○:印刷図柄の透明性が十分である。
×:印刷図柄の透明性が不十分である。
(熱成形性)
多層樹脂シート及び実験No.1-7及び実験No.1-8で得られたシートを真空成型機でシート表面温度160℃の余熱によりダミー缶形状(実物の円筒状を縦に半分割にした形状)に成形を実施した。 ○:賦型性に問題が無い。
×:加熱時の伸びが小さく賦型が困難である。
(耐熱性評価)
ダミー缶形状の成形品を100℃のオーブン中に6時間放置後、目視により評価を行った。
○:変形が見られない。
×:変形が見られる。
評価結果を表1〜表5に示す。
Figure 2007144902
Figure 2007144902
Figure 2007144902
Figure 2007144902
本発明の多層樹脂シートは、連続印刷適性に優れ、良好な熱成形性を有し、印刷インキの密着性が良く、耐熱性が良く、熱加工性が良いため、自動販売機内のバックライト付広告表示板やダミーディスプレイに好適に使用する事ができる。

Claims (5)

  1. ポリエチレンテレフタレート系樹脂層(コア層)の両側に、テレフタル酸単位100モル部、エチレングリコール単位80〜60モル部、スピログリコール単位20〜40モル部を有する共重合ポリエステル樹脂層を積層してなり、(1)片面が鏡面であり、(2)他方の面の平均表面粗さRa値が0.3〜2μmのエンボス面であって、(3)総厚みに占めるコア層の厚みが20〜70%である多層樹脂シート。
  2. 鏡面側の表層が帯電防止剤を含有する請求項1に記載の多層樹脂シート。
  3. 鏡面上に帯電防止剤層を有する請求項1に記載の多層樹脂シート。
  4. 厚さ0.2〜0.7mmである請求項1乃至3のいずれか一項に記載の多層樹脂シート。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の多層樹脂シートを用いた自動販売機ディスプレー。
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