JP2007145663A - 高純度多結晶シリコンの製造方法 - Google Patents

高純度多結晶シリコンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】シーメンス法などの従来の高純度多結晶シリコン製造方法が抱える技術的課題を克服して、高純度多結晶シリコンを、比較的安価に、連続的かつ大量に製造する方法を提供すること。
【解決手段】本発明の高純度多結晶シリコンの製造方法は、上部に設置されたシリコン塩化物ガス供給ノズルと、還元剤ガス供給ノズルと、排気ガス抜き出しパイプとを有する縦型反応器を用いて、該反応器内にシリコン塩化物ガスと還元剤ガスとを供給し、シリコン塩化物ガスと還元剤ガスとの反応によりシリコン塩化物ガス供給ノズルの先端部に多結晶シリコンを生成させ、さらに多結晶シリコンを該シリコン塩化物ガス供給ノズルの先端部から下方に向かって成長させることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体用シリコンおよび太陽電池用シリコンの原料となる高純度多結晶シリコンの製造方法に関する。
多結晶シリコンは、半導体用単結晶シリコンの原料として、また太陽電池用シリコンの原料として使用される。特に近年、太陽電池の普及が大幅に拡大されている状況に伴い、原料の多結晶シリコンの需要も増加している。
しかしながら、太陽電池用シリコンの原料となる多結晶シリコンとしては、半導体用単結晶シリコンを引き上げた後のルツボ残さや、単結晶シリコンインゴットの切削屑などのスクラップ品が用いられているというのが現状である。そのため、太陽電池に用いられる多結晶シリコンは、質、量ともに半導体業界の動きに依存する結果、慢性的に不足している状況にある。
ここで、半導体用単結晶シリコンの原料となる高純度多結晶シリコンの代表的な製造方法としては、シーメンス法が挙げられる。このシーメンス法においては、トリクロロシラン(HSiCl3)の水素還元によって高純度多結晶シリコンが得られる(例えば、特許
文献1参照)。
一般的なシーメンス法では、水冷したベルジャー型の反応器の中にシリコンの種棒を設置し、このシリコンの種棒に通電して種棒を1000℃程度に加熱し、反応器内にトリクロロシラン(HSiCl3)および還元剤の水素(H2)を導入してシリコン塩化物を還元し、生成したシリコンが選択的に種棒の表面に付着することにより、棒状の多結晶シリコンが得られる。このシーメンス法は、原料ガスが比較的低温度で気化するという利点以外にも、反応器そのものは水冷するため、雰囲気のシールが容易であるという装置上の利点があることから、これまでに広く普及し、採用されてきた。
しかしながら、シーメンス法では通電により種棒を発熱させるため、還元反応により生成した多結晶シリコンの付着により棒状シリコンが成長して電気抵抗が次第に低下するにしたがい、加熱のために過大な電気を流す必要がある。そのため、エネルギーコストとのバランスから成長限界が存在し、製造設備の運転は回分式になるため生産効率が悪く、製品の多結晶シリコンの価格に占める電力原単位は大きいという問題がある。
また、種棒についても、作製する際に、専用の反応装置、単結晶引き上げ装置および切り出し装置などの特別な設備と技術が必要となるため、種棒そのものも高価なものとなっている。
シーメンス法以外の多結晶シリコンの製造方法としては、たとえば、金属還元剤を用いた四塩化珪素(SiCl4)の還元による方法がある(例えば、特許文献2および3参照
)。具体的には、1000℃程度に加熱した石英製の横型反応器の中に、四塩化珪素および亜鉛(Zn)のガスを供給することにより、反応器内に多結晶シリコンを成長させる方法である。
上記方法において、副生する塩化亜鉛(ZnCl2)を、電解等の方法により亜鉛と塩
素に分離し、得られた亜鉛を再び還元剤として用いるとともに、得られた塩素を安価な金属シリコンと反応させることにより四塩化珪素を合成し、原料ガスとして用いることがで
きれば、循環型のプロセスが構築されるため、多結晶シリコンを安価に製造できる可能性がある。
しかしながら、この方法では、反応により得られる多結晶シリコンは、反応器の器壁から成長するため反応器材質からの汚染の影響を受け易く、また、反応器そのものが多結晶シリコンとの熱膨張係数の差から破壊してしまうという問題点があることから、工業的には、ほとんど行われていない。
特許第2867306号公報 特開2003−34519号公報 特開2003−342016号公報
本発明の課題は、シーメンス法などの従来の高純度多結晶シリコン製造方法が抱える技術的課題を克服して、高純度多結晶シリコンを、比較的安価に、連続的かつ大量に製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた。その結果、特定の縦型反応器内に、シリコン塩化物ガスおよび還元剤ガスを供給して、シリコン塩化物ガスの供給ノズルの先端部に多結晶シリコンを生成させ、これを該ノズル先端部から下方に成長させる高純度多結晶シリコンの製造方法により、上記課題が解決されることを見出した。そして、この知見に基づいて、以下の構成からなる本発明を完成した。
[1] シリコン塩化物ガス供給ノズルと、還元剤ガス供給ノズルと、排気ガス抜き出しパイプとを有する縦型反応器であって、該シリコン塩化物ガス供給ノズルが該反応器上部から反応器内部に挿入設置された縦型反応器を用いて、該反応器内に、シリコン塩化物ガス供給ノズルからシリコン塩化物ガスと、還元剤ガス供給ノズルから還元剤ガスとを供給し、シリコン塩化物ガスと還元剤ガスとの反応によりシリコン塩化物ガス供給ノズルの先端部に多結晶シリコンを生成させ、さらに多結晶シリコンを該シリコン塩化物ガス供給ノズルの先端部から下方に向かって成長させることを特徴とする高純度多結晶シリコンの製造方法。
[2] 前記多結晶シリコンを連続的に反応器の系外に取り出す工程を含むことを特徴とする[1]に記載の高純度多結晶シリコンの製造方法。
[3] 前記多結晶シリコンを反応器の系外に取り出す工程が、該多結晶シリコンの自重による落下または機械的な方法により該多結晶シリコンを、縦型反応器下部に設けられた冷却ゾーンに落下させて冷却した後、縦型反応器底部から排出することにより行われることを特徴とする[2]に記載の高純度多結晶シリコンの製造方法。
[4] 前記多結晶シリコンを反応器の系外に取り出す工程が、該多結晶シリコンの自重による落下または機械的な方法により該多結晶シリコンを縦型反応器下部に落下させ、該反応器下部をシリコンの融点以上の温度に加熱することにより多結晶シリコンを融解した後、シリコン融液として縦型反応器底部から排出することにより行われることを特徴とする[2]に記載の高純度多結晶シリコンの製造方法。
[5] 前記多結晶シリコンの成長が、縦型反応器の内壁面に接触することなく行われることを特徴とする[1]に記載の高純度多結晶シリコンの製造方法。
[6] 前記シリコン塩化物ガスと還元剤ガスとの反応が800〜1200℃で行われることを特徴とする[1]に記載の高純度多結晶シリコンの製造方法。
[7] 前記多結晶シリコンの結晶成長方向の面方位が(111)面であることを特徴とする[1]に記載の高純度多結晶シリコンの製造方法。
[8] 前記シリコン塩化物ガスが、SimnCl2m+2-n(mは1〜3の整数、nは2m+2を超えない0以上の整数)で表されるクロロシランからなる群より選ばれる少なくとも1種のガスであることを特徴とする請求項1に記載の高純度多結晶シリコンの製造方法。
[9] 前記シリコン塩化物ガスが、四塩化珪素ガスであることを特徴とする[1]に記載の高純度多結晶シリコンの製造方法。
[10] 前記還元剤ガスが、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、亜鉛および水素からなる群より選ばれる少なくとも1種のガスであることを特徴とする[1]に記載の高純度多結晶シリコンの製造方法。
[11] 前記還元剤ガスが亜鉛ガスであることを特徴とする[1]に記載の高純度多結晶シリコンの製造方法。
本発明の製造方法によれば、縦型の反応器を使用し、反応器上方に設置されたシリコン塩化物ガス供給ノズルの直下に、シリコン結晶が管状に集合した多結晶シリコン(以下「管状集合多結晶シリコン」という。)を生成させることができる。これにより、シーメンス法のように種棒などを用いることなく、多結晶シリコンを連続的に成長させることができる。
なお、本発明の製造方法において、多結晶シリコンは成長するにつれ自重でノズルから外れて落下するため、ノズルの詰まり等は生じない。また、本発明によって得られる多結晶シリコンは、適当な長さに成長させた後、振動や掻き取り等の機械的な方法で落とすことも可能である。このようにして落下した多結晶シリコンは、反応器下部に設けられた冷却ゾーンで冷却した後、あるいは、反応器下部をシリコンの融点以上の温度に加熱することにより多結晶シリコンを融解してシリコン融液とした後、連続的に反応器の系外に取り出すことができる。
また、本発明の製造方法によれば、多結晶シリコンが、ノズルにぶら下がった状態で成長し、反応器の内壁面に接触しないため、反応器由来の不純物の混入が事実上ない。そのため、反応器を構成する材質についても制約を受けず、使用温度範囲で耐性を有する材質の中から自由に選ぶことができる。さらに、上記理由のため、得られる多結晶シリコンは純度が高く、太陽電池用シリコンの原料以外にも、半導体用シリコンの原料としても使用が可能である。
したがって、本発明の製造方法によれば、運転を止めることなく、連続的に、安価に、かつ、安定的に高純度の多結晶シリコンを大量生産することができる。
以下、本発明に係る高純度多結晶シリコンの製造方法について、詳細に説明する。
本発明の高純度多結晶シリコンの製造方法では、図1(a)に模式的に示すように、シリコン塩化物ガス供給ノズル2と、還元剤ガス供給ノズル3と、排気ガス抜き出しパイプ
4とを有する縦型反応器1であって、該シリコン塩化物ガス供給ノズル2が該反応器上部から反応器内部に挿入設置された縦型反応器1が用いられる。
本発明の高純度多結晶シリコンの製造方法では、上記縦型反応器内に、シリコン塩化物ガス供給ノズルからシリコン塩化物ガスと、還元剤ガス供給ノズルから還元剤ガスとを供給する。そして、これらの反応によりシリコン塩化物ガス供給ノズルの先端部に、シーメンス法で用いられるような種棒などを用いることなく、多結晶シリコンを生成させ、さらに多結晶シリコンをノズル先端部から下方に向かって成長させる。
なお、本発明における縦型反応器とは、原料の供給、反応および生成物の取り出しのフローが、原則として上下の方向に沿って行われる反応器のことであり、一方、横型反応器とは、これらのフローが原則として水平の方向に沿って行われる反応器のことである。
本発明において、多結晶シリコンは、図1(d)および図3に例示するように、シリコン結晶が管状に集合し、シリコン塩化物ガス供給ノズルにぶら下がる格好で成長する。したがって、反応器の内壁面に接触することなく、多結晶シリコンを成長させることができる。その結果、反応器材質からの汚染を受けることがなく、高純度の多結晶シリコンを得ることができる。また、前記理由により、反応器を構成する材質やシール材質およびこれら構成材質の組み合わせに大きな制約を受けないという利点がある。なお、反応器の材質としては、使用温度範囲で耐性を有する材質、たとえば、石英や炭化珪素などを用いることができ、炭化珪素が好ましい。
本発明における高純度多結晶シリコンとは、太陽電池用シリコンの原料として、さらには半導体用シリコンの原料として使用可能な純度99.99%以上、好ましくは純度99.999%以上の多結晶シリコンをいう。
本発明の製造方法において、多結晶シリコンの結晶成長方向の面方位は(111)面となる。このように、単結晶化した結晶が、特定の面方向に異方性を持って成長することにより、シリコン中の不純物が結晶界面(表面)に偏析することも、高純度の多結晶シリコンが得られる要因になっていると考えられる。
上記のようにして成長した管状集合多結晶シリコンは、成長するにつれて重くなり、自重によってノズルから外れて落下するため、ノズルの詰まりなどが生じることはない。
また、適当な長さに成長した多結晶シリコンを、振動や掻き取り等の機械的な方法で落下させることも可能である。落下した多結晶シリコンは、反応器下部に設けられた冷却ゾーンで冷却した後、あるいは、反応器下部をシリコンの融点以上の温度に加熱することにより多結晶シリコンを融解してシリコン融液とした後、反応器底部から連続的に反応器の系外に取り出すことができる。これにより、運転を止めることなく、連続的に高純度多結晶シリコンを得るプロセスの構築が可能となり、安価な高純度多結晶シリコンを安定的に大量に製造することが可能となる。
本発明で用いられる縦型反応器の大きさは特に限定されないが、前述した管状集合多結晶シリコンの生成および成長の観点から、幅と奥行きが250mm以上で、高さは管状集合多結晶シリコンの落下衝撃による縦型反応器の損傷を防止するため、500〜5000mmであることが好ましい。
また、シリコン塩化物ガス供給ノズルは、管状集合多結晶シリコンの生成および成長の観点から、反応器上部から垂直に、かつ、その垂線と反応器の器壁との距離が50mm以上となるように挿入設置されることが好ましい。
ここで図1(b)および(c)は、本発明で用いられる縦型反応器1における(b)還元剤ガスの流れ、および(c)シリコン塩化物ガスの流れを示す模式図である。図1(b)に模式的に示すように、反応器1の上部に設置された還元剤ガス供給ノズル3から供給された還元剤ガスは、比重が小さいため反応器1内に拡散して充満する。一方、図1(c)に模式的に示すように、反応器1の上部に設置されたシリコン塩化物ガス供給ノズル2から供給されたシリコン塩化物ガスは、比重が大きいため、該ノズル2の直下から真っ直ぐに還元剤ガスの中を降下すると考えられる。そのため、本発明における多結晶シリコンは、シリコン塩化物ガス供給ノズル直下から成長をはじめ、還元剤ガスと接触するノズル円周に沿って、反応器下部に向かって成長する。
したがって、本発明で用いられる縦型反応器は、還元剤ガスを容器内に満遍なく分散させ、その中にシリコン塩化物ガスをノズルから直線的に降下させるようにガスの流れを制御して、ノズル直下に管状に集合した多結晶シリコンを成長させ得るものであれば、特に制限されることなく用いることができる。ただし、ガスの流れの挙動を考慮すれば、円形の天板に、シリコン塩化物ガスおよび還元剤ガスの供給ノズルをそれぞれ備えた縦型反応器、または、ドーム型の天井に上記各供給ノズルを備えた縦型反応器が好ましい。
本発明で用いられる縦型反応器において、反応器中を降下するシリコン塩化物ガスは、反応器の長さを長くした場合、降下とともに徐々に拡散し、やがて横に広がりだして流れが乱れるとも考えられる。しかしながら、本発明においては、管状集合多結晶シリコンが縦型反応器の下部に向かって成長するため、ノズルの先端位置が経時的に下方に延長されていく場合と同様の効果を奏する。
本発明で用いられる縦型反応器において、シリコン塩化物ガス供給ノズルの口径、肉厚および反応器内への挿入長さは特に限定されないが、管状集合多結晶シリコンの生成および成長を考慮すれば、口径を10〜100mm、肉厚を2〜15mm、反応器内への挿入長さを0〜500mmとすることが好ましい。また、ノズルの材質としては、反応器の材質と同様のものを例示することができる。
また、シリコン塩化物ガス供給ノズルの本数は、隣り合うノズルから放出されるガス同士が干渉して流れを乱すことがない限り特に制限はなく、1本であっても、2本以上であってもよい。また、ノズルが途中から分岐して二股またはそれ以上の分岐を有するもの、あるいは、二股以上で異なるノズル径の組み合わせを有するものであっても、経時的にみれば、いずれのノズルにも多結晶シリコンが同様に生成して成長する。そのため、ノズルの本数は、ノズルの分岐やノズル径の組み合わせによって制限されることはなく、成長させる多結晶シリコンの大きさと反応器の大きさとを考慮して、ノズルの本数および間隔を適宜設定すればよい。
本発明の製造方法において、シリコン塩化物ガスの供給速度は、乱流とならない速度であれば特に限定されないが、管状集合多結晶シリコンの生成および成長を考慮すれば、供給ノズル出口の口径が50mmの場合、流速が2400mm/s以下であることが好ましい。
本発明で用いられる縦型反応器において、還元剤ガス供給ノズルの口径、肉厚および反応器内への挿入長さは特に限定されないが、シリコン塩化物ガスと還元剤ガスの供給バランスおよび還元剤ガスの供給速度を考慮すれば、口径を10〜100mm、肉厚を2〜15mm、反応器内への挿入長さを0〜500mmとすることが好ましい。また、ノズルの材質としては、反応器の材質と同様のものを例示することができる。
また、還元剤ガス供給ノズルの取り付け位置および本数は、還元剤ガスを容器内に充分
に拡散させることが可能であれば特に制限されず、反応器上部の天板にあっても、反応器の側面または底面にあってもよく、1本であっても、2本以上であってもよい。
本発明の製造方法において、還元剤ガスの供給速度は特に限定されないが、反応器内におけるシリコン塩化物ガスの流れを乱さない観点から、供給ノズル出口の流速が1500mm/s以下であることが好ましい。
本発明で用いられる縦型反応器には、反応後の排気ガス等を反応器の系外に排出するための排気ガス抜き出しパイプが設置される。排気ガス抜き出しパイプの形状および口径は、シリコン塩化物ガスの流れを意図的に乱すことなく、排気ガスを十分に排出することができれば特に限定されない。また、排気ガス抜き出しパイプは、一般的には、縦型反応器下部の中心または偏芯した位置などに取り付けられるが、シリコン塩化物ガスの流れを意図的に乱すものでなければ、反応器の側面や天板に取り付けてもよい。また、排気ガス抜き出しパイプの本数についても同様に、シリコン塩化物ガスの流れを意図的に乱すものでなければ特に制限されず、1本であっても、2本以上であってもよい。
上記抜き出しパイプの反応器内部への突き出し長さは、シリコン塩化物ガスまたは還元剤ガスのショートパスを防止する上である程度必要となるが、前述したようにシリコン塩化物ガスの流れを制御する上で大きな影響を及ぼすことがないかぎり、特に限定されるものではない。
なお、本発明で用いられる縦型反応器には、窒素ガスなどのキャリアーガスを供給するためのノズルを設置してもよい。
本発明で用いられるシリコン塩化物ガスとしては、SimnCl2m+2-n(mは1〜3の整数、nは2m+2を超えない0以上の整数)で表される表1に記載のクロロシランなどのガスを用いることができ、これらの中では四塩化珪素ガスが、入手の容易さおよび複雑な副生成物が生成せず回収が容易なことから好ましい。
Figure 2007145663
また、還元剤ガスとしては、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)などの金属還元剤ガスや、水素ガス(H2)を用いることができ、こ
れらの中では亜鉛ガスが、比較的酸素との親和性が低く安全に取り扱えることから好ましい。
本発明の製造方法におけるシリコン塩化物ガスおよび還元剤ガスの供給量は、還元反応が十分に進行する量であれば特に限定されないが、たとえば、モル比でシリコン塩化物ガス:還元剤ガス=1:10〜10:1、好ましくは1:4〜4:1である。前記範囲内の比でシリコン塩化物ガスと還元剤ガスとを供給することにより、多結晶シリコンを安定的に生成および成長させることができる。
シリコン塩化物ガスと還元剤ガスとの反応は、800〜1200℃、好ましくは850〜1050℃の範囲で行われる。したがって、前記温度範囲となるように加熱および制御された反応器内に、前記温度範囲に過熱されたシリコン塩化物ガスおよび還元剤ガスを供給することが好ましい。
図2は、本発明で用いられる縦型反応器および該反応器を含む多結晶シリコン製造設備の一例を示す模式図である。以下、図2を参照して、本発明の高純度多結晶シリコンの製造方法を具体的に説明するが、本発明は、これらの記載に限定されるものではなく、当業者が本明細書全体の記載に基づいて適宜改変等を加えることができる範囲をも包含するものである。
図2に示すように、還元剤Aを溶融炉5および蒸発炉6等によってガス化し、シリコン塩化物Bを気化装置8等によってガス化する。なお、溶融炉等は、用いる原料の種類および形態などによっては設ける必要がない場合もある。ガス化された還元剤Aおよびシリコン塩化物Bは、反応器1前段の過熱炉7により還元反応に適した温度である800〜1200℃に加熱した後、反応器加熱炉9によって800〜1200℃に加熱された反応器1に供給する。なお、原料ガス加熱ゾーンが設けられた反応器を用いる場合には、前記温度より低い温度で供給し、反応に適する温度にすることも可能である。
シリコン塩化物ガス供給ノズル2から反応器1内に供給されたシリコン塩化物ガスは、還元剤ガス供給ノズル3から供給された還元剤ガスによって速やかに還元されてシリコンとなる。生成したシリコンは、即座にノズル先端に付着し、そこを起点にシリコン結晶が管状に集合した外形を形成しながらノズル下方に向かって成長して伸びていく。この管状集合多結晶シリコンがある程度の長さに成長すると、自重または機械的なショックにより、ノズルから脱落して反応器下部に落下する。その後、さらに原料を連続的に供給し続けると、ノズルには新たな管状集合多結晶シリコンが成長する。
成長して脱落した多結晶シリコンCは、反応器下部または冷却・粉砕装置10で冷却され、必要に応じて粉砕された後、反応器底部または冷却・粉砕装置10に設けられたシャッター型の弁などによって反応器の系外に排出することができる。あるいは、反応器下部をシリコンの融点である1420℃以上に加熱することにより、シリコンを融解した状態(シリコン融液の状態)で反応器の系外へ取り出すこともできる。
排気ガス抜き出しパイプ4から抜き出された排気ガス中には、還元剤の塩化物(たとえば、塩化亜鉛など)、未反応のシリコン塩化物および還元剤、ならびに、排気ガス抜き出し経路で生成した多結晶シリコンなどが含まれている。そのため、これらを、たとえば還元剤塩化物回収タンク11、シリコン塩化物凝縮装置(1)12、シリコン塩化物凝縮装置(2)13などを用いて、還元剤塩化物Dや未反応シリコン塩化物Eを回収して再利用等し、再利用できない排気ガス等については排ガス処理設備Fなどで適切に処理する。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
図2に例示した模式図で構成されるフローにおいて、天井部に内径55mm、肉厚5mm、挿入長さ100mmの石英製のシリコン塩化物ガス供給ノズルおよび還元剤ガス供給ノズルがそれぞれ1本ずつ設置され、下部壁面に排気ガス抜き出しパイプが設置された、内径800mm、長さ1800mmの縦型円筒形の炭化珪素(SiC)製反応器を用いた。各ノズルは管壁から100mm離して配置した。この反応器を、電気炉により全体が約950℃となるように加熱した。次いで、この反応器内に、シリコン塩化物ガスとして950℃の四塩化珪素ガスと、還元剤ガスとして950℃の亜鉛ガスとを、モル比で四塩化珪素:亜鉛=1.6:1となるように、各供給ノズルから供給して8時間反応を行った。また、計算の結果、四塩化珪素ガスのノズル出口の流速は1250〜1750mm/s、
亜鉛ガスのノズル出口の流速は800〜1100mm/sであった。
四塩化珪素ガスおよび亜鉛ガスの供給を停止し、反応器を冷却した後の解体時内部観察で、シリコン塩化物ガス供給ノズルの直下に、シリコン結晶が管状に集合した多結晶シリコンの生成が確認された。生成した多結晶シリコンは、僅かな振動を加えただけでシリコン塩化物ガス供給ノズルから反応器底板の上に自重で剥がれ落ちた。なお、反応器の器壁への多結晶シリコンの付着はごくわずかであった。得られた多結晶シリコンの重量は6.5kgであり、純度は99.999%以上であった。
〔実施例2〕
実施例1と同じ反応器を用い、該反応器内に、シリコン塩化物ガスとして1000℃の四塩化珪素ガスと、還元剤ガスとして1000℃の亜鉛ガスとを、モル比で四塩化珪素:亜鉛=0.6:1となるように、各供給ノズルから供給して6.5時間反応を行わせたこと以外は、実施例1と同様に実施した。
四塩化珪素ガスおよび亜鉛ガスの供給を停止し、反応器を冷却した後、反応器下部を開放したところ、シリコン結晶が管状に集合した多結晶シリコンが四塩化珪素ガスの供給ノズルに付着して垂れ下がっている様子が確認された。なお、反応器の器壁への多結晶シリコンの付着はごくわずかであった。得られた多結晶シリコンの重量は5.1kgであり、純度は99.999%以上であった。
〔実施例3〕
天井部に内径25mm、肉厚2.5mm、挿入長さ200mmの石英シリコン塩化物ガス供給ノズル6本が、内径35mm、肉厚5mm、挿入長さ50mmの還元剤ガス供給ノズル1本を中心に距離が175mmの円周上に均等配置され、下部壁面に排気ガス抜き出しパイプが設置された、内径500mm、長さ1500mmの縦型円筒形の石英製反応器を用いて950℃になるように加熱した。次いでこの反応器内にシリコン塩化物として950℃の四塩化珪素ガスと、還元ガスとして950℃の亜鉛ガスとを、モル比で四塩化珪素:亜鉛=0.8:1となるように供給して3時間の反応を行った。また、計算の結果、四塩化珪素ガスのノズル出口1本当たりの流速は800〜1000mm/s、亜鉛のノズ
ル出口の流速は300〜500mm/sであった。
四塩化珪素ガスおよび亜鉛ガスの供給を停止し、反応器を冷却した後、反応器下部を開放したところ、管状集合多結晶シリコンが各々6本の四塩化珪素ガスの供給ノズルに均等に付着して垂れ下がっている様子が確認された。なお、反応器の器壁への多結晶シリコンの付着はごくわずかであった。得られた多結晶シリコンの重量は4.1kgであり、純度は99.999%以上であった。
〔実施例4〕
実施例3と同じ反応器を用いて、モル比が四塩化珪素:亜鉛=0.9:1となるように、各供給ノズルから供給して8時間反応を行わせたこと以外は、実施例3と同様に実施した。また、計算の結果、四塩化珪素ガスのノズル出口1本当たりの流速は800〜100
0mm/s、亜鉛ガスのノズル出口の流速は300〜400mm/sであった。
四塩化珪素ガスおよび亜鉛ガスの供給を停止し、反応器を冷却した後、反応器下部を開放したところ、6本の四塩化珪素ガスの供給ノズルに均等に付着して垂れ下がっていた管状集合多結晶シリコンは反応器の底部に落下している様子が確認された。なお、管状集合多結晶シリコンは6本しかなく、反応後にノズル口より自重で落下したことが確認された。反応器の器壁への多結晶シリコンの付着はごくわずかであった。得られた多結晶シリコンの重量は7.5kgであり、純度は99.999%以上であった。
〔比較例1〕
一方の端部に内径20mm、厚さ5mm、挿入長さ100〜400mmの石英製のシリコン塩化物ガス供給ノズルおよび還元剤ガス供給ノズルが、それぞれ1本ずつ設置され、他方の端部に排気ガス抜き出しパイプが設置された、内径310mm、長さ2835mmの横型円筒形の石英製反応器を用いた。この反応器を、電気炉により全体が950℃となるように加熱した。次いで、反応器内に、シリコン塩化物ガスとして950℃の四塩化珪素ガスと、還元剤ガスとして950℃の亜鉛ガスとを、モル比で四塩化珪素:亜鉛=0.7:1となるように、各供給ノズルから供給して80時間反応を行った。
四塩化珪素ガスおよび亜鉛ガスの供給を停止し、反応器を徐冷した後、反応器端部を開放したところ、シリコン結晶が管状に集合した多結晶シリコンの生成は認められず、針状の多結晶シリコンが反応器の内部一面に成長していた。多結晶シリコンの石英反応器壁への付着強度は高く、多結晶シリコンを引き剥がしたところ、石英表面がチッピングを起こし、回収した高純度シリコンには石英の破片が多数混入した。得られた多結晶シリコンの重量は12.5kgであった。
なお、本比較例では実験終了後、付着した多結晶シリコンと石英の熱膨張係数の差から、石英反応器が破壊してしまった。
(a)縦型反応器、該反応器内における(b)還元剤ガスの流れ、(c)シリコン塩化物ガスの流れ、(d)管状集合多結晶シリコンの生成状態を示す摸式図である。矢印はガスの流れを示す。 本発明で用いられる反応装置の1例を示す模式図である。 多管ノズルの場合の管状集合多結晶シリコン生成状態の例
符号の説明
1・・・縦型反応器
1a・・・器壁
1b・・・仕切り壁
2・・・シリコン塩化物ガス供給ノズル
2a・・・開口端
3・・・還元剤ガス供給ノズル
3a・・・開口端
4・・・排気ガス抜き出しパイプ
5・・・溶融炉
6・・・蒸発炉
7・・・過熱炉
8・・・気化装置
9・・・反応器加熱炉
10・・・冷却・粉砕装置
11・・・還元剤塩化物回収タンク
12・・・シリコン塩化物凝縮装置(1)
13・・・シリコン塩化物凝縮装置(2)
20・・・多結晶シリコン
A・・・還元剤
B・・・シリコン塩化物
C・・・多結晶シリコン
D・・・還元剤塩化物
E・・・未反応シリコン塩化物
F・・・排ガス処理設備

Claims (11)

  1. シリコン塩化物ガス供給ノズルと、還元剤ガス供給ノズルと、排気ガス抜き出しパイプとを有する縦型反応器であって、該シリコン塩化物ガス供給ノズルが該反応器上部から反応器内部に挿入設置された縦型反応器を用いて、
    該反応器内に、シリコン塩化物ガス供給ノズルからシリコン塩化物ガスと、還元剤ガス供給ノズルから還元剤ガスとを供給し、
    シリコン塩化物ガスと還元剤ガスとの反応によりシリコン塩化物ガス供給ノズルの先端部に多結晶シリコンを生成させ、
    さらに多結晶シリコンを該シリコン塩化物ガス供給ノズルの先端部から下方に向かって成長させることを特徴とする高純度多結晶シリコンの製造方法。
  2. 前記多結晶シリコンを連続的に反応器の系外に取り出す工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の高純度多結晶シリコンの製造方法。
  3. 前記多結晶シリコンを反応器の系外に取り出す工程が、該多結晶シリコンの自重による落下または機械的な方法により該多結晶シリコンを、縦型反応器下部に設けられた冷却ゾーンに落下させて冷却した後、縦型反応器底部から排出することにより行われることを特徴とする請求項2に記載の高純度多結晶シリコンの製造方法。
  4. 前記多結晶シリコンを反応器の系外に取り出す工程が、該多結晶シリコンの自重による落下または機械的な方法により該多結晶シリコンを縦型反応器下部に落下させ、該反応器下部をシリコンの融点以上の温度に加熱することにより多結晶シリコンを融解した後、シリコン融液として縦型反応器底部から排出することにより行われることを特徴とする請求項2に記載の高純度多結晶シリコンの製造方法。
  5. 前記多結晶シリコンの成長が、縦型反応器の内壁面に接触することなく行われることを特徴とする請求項1に記載の高純度多結晶シリコンの製造方法。
  6. 前記シリコン塩化物ガスと還元剤ガスとの反応が800〜1200℃で行われることを特徴とする請求項1に記載の高純度多結晶シリコンの製造方法。
  7. 前記多結晶シリコンの結晶成長方向の面方位が(111)面であることを特徴とする請求項1に記載の高純度多結晶シリコンの製造方法。
  8. 前記シリコン塩化物ガスが、SimnCl2m+2-n(mは1〜3の整数、nは2m+2を超えない0以上の整数)で表されるクロロシランからなる群より選ばれる少なくとも1種のガスであることを特徴とする請求項1に記載の高純度多結晶シリコンの製造方法。
  9. 前記シリコン塩化物ガスが、四塩化珪素ガスであることを特徴とする請求項1に記載の高純度多結晶シリコンの製造方法。
  10. 前記還元剤ガスが、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、亜鉛および水素からなる群より選ばれる少なくとも1種のガスであることを特徴とする請求項1に記載の高純度多結晶シリコンの製造方法。
  11. 前記還元剤ガスが亜鉛ガスであることを特徴とする請求項1に記載の高純度多結晶シリコンの製造方法。
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