JP2007146342A - 養生メッシュシート - Google Patents

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Abstract

【課題】使用後に廃棄焼却処分とする場合に塩素ガスやダイオキシンなどの有害物質を排出しない等の安全面に配慮した養生メッシュシートを提供する。
【解決手段】ハロゲン元素を含有しない難燃原着糸と低融点糸との複合糸を用いたリップル組織の編物または織物で構成され、かつ、該編物または織物の組織交点が低融点糸の融着により目止メされている養生メッシュシートであって、前記リップル組織のリップル糸構成繊度が生地ベース糸構成繊度の1.5〜5倍であり、かつリップル糸同士の間隔が0.5cm以上の範囲であることを特徴とする養生メッシュシート。
【選択図】図1

Description

本発明は、建築資材用途の編織物からなる建築工事用などの養生メッシュシートに関するものであり、さらに詳しくは、建築物の周囲を囲う養生シートであって、建築材料等の落下、塗料の飛散を防止するとともに、作業者や近隣物、歩行者を保護するための安全部材として使用され、不要となった時に埋め立て処分および焼却処分する場合に大気汚染などに影響の少ない安全性に優れた養生メッシュシートに関するものである。
建築工事用養生メッシュシートとしては、一般に、ポリエチレンテレフタレート繊維使いのメッシュ織物に塩化ビニル樹脂を被覆加工したものがよく知られ、国内建築業者が多く使用している。
近年、上記メッシュシートは、使用後の焼却廃棄においてダイオキシンの発生することが科学的に明らかになって、大気汚染に影響するため社会的問題として大きくと取りあげられている。
したがって、繊維メーカーを始めとして、樹脂・薬剤メーカーに至るまで、焼却廃棄においてダイオキシンの発生しないものでの脱塩化ビニルや非ハロゲンといった樹脂・薬剤およびそれらより製造された建築工事用メッシュシートも多数提案され、その効果を業界に強くPRされるようになってきている。
塩化ビニル樹脂に替わるものとしては、ポリアミド、ポリウレタン、ポリオレフィン、酢酸ビニルなど、また、防炎・難燃剤は、リンあるいはリン系化合物が用いられ、ダイオキシン発生の元となる塩素、臭素およびフッ素元素を含まない材料が選択されてあらゆる養生メッシュシート向けに製造・販売もされてきている。
しかしながら、塩化ビニル樹脂および塩素・臭素系の防炎剤は安価な材料であり、これらを利用して製造される養生メッシュシートと比較するとコスト高が問題となって、汎用面で拡大しないのもまた実態であった。
従来例えば、溶融温度差を有する2種の成分からなるフィラメント糸を用いたメッシュ編織物であって、該編織物の交点が低融点成分で融着されているメッシュシートが提案されている(例えば、特許文献1参照)。同様に、合成繊維フィラメント糸条とそれより低融点フィラメント糸条とを合糸・合撚したもので糸条の交差点を融着させ、目ずれ、目曲がりがなく、ピン引掛張力に優れて軽量なるメッシュシートが提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、ポリエステル繊維とバインダー繊維の混紡糸からなる織物であって、バインダー繊維により該ポリエステル繊維同志及びタテ緯糸の交点を融着してなる織物が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
さらに、ポリオレフィン樹脂と赤隣、ポリ燐酸アンモニュウム化合物を括用し、燃焼時にハロゲンガスを発生させない難燃剤を各々の樹脂成分に含有させ、織布サイジング手法等を活用して糸条シート形態にて被覆させた後に織物構造体となし、次に、該織物を温熱によってタテ、ヨコの組織交点を融着させてなる防炎メッシュシートも提案されている(例えば、特許文献4参照)。
さらにまた、ハロゲン元素を含まない難燃原着糸と低融点糸とを、先ず、複合化させ、次に、該複合糸を編織物形態にした後、高温セットにて、その組織交点を樹脂融着させ、目止メしてなる構造体の工事用メッシュシートも提案されている(例えば、特許文献5参照)。
しかしながら、上述の提案されたメッシュシートにおいては、低コスト要求から低繊度糸による編織生地設計ベースであること、交点接着技術面からも実用上、強靱性、耐久性などの物性面で不安が払拭できていないのが現状である。
さらに、昨今、異常気象が多発しての猛暑、強烈な暴風雨が連続して起こる厳しい自然現象にともなう環境不安が益々増大している実態からも養生シートの高度化を担うことが必要である。
特開平5−141099号公報 特開平5−287666号公報 特開平8−176934号公報 特開平11−36602号公報(登録3340946号) 特開平2003−253541号公報

本発明は、上記従来技術の問題点を解決しようとするものであり、
(A)使用後に廃棄焼却処分とする場合に塩素ガスやダイオキシンなどの有害物質を排出させず、
(B)JIS L 1096A法およびB法に規定されるII類メッシュシートに合格適用できうる性能を有するものであって、かつ、塩化ビニル樹脂シートに優る高強度化を兼ね備え、さらに、強度性能をより向上させることができ、
(C)実用面では、日光照射により強度な紫外線を浴びることとなるので、長期使用に耐えにくい、破れ易いなどの問題が発生することへの性能強化で安全面に配慮し、
(D)さらに、低コストによる製品提供と軽量化を確保することによって、メッシュシートの鋼管建わくへの取り付け、取り外しが簡単に実施できるようにされ、作業効率が良く、作業員の活動、安全面に配慮した養生メッシュシートを提供することにある。
本発明は、かかる上記の課題を解決するために以下の構成からなるものである。すなわち、
(1)ハロゲン元素を含有しない難燃原着糸と低融点糸との複合糸を用いたリップル組織の編物または織物で構成され、かつ、該編物または織物の組織交点が低融点糸の融着により目止メされている養生メッシュシートであって、前記リップル組織のリップル糸構成繊度が生地ベース糸構成繊度の1.5〜5倍であり、かつリップル糸同士の間隔が0.5cm以上の範囲であることを特徴とする養生メッシュシート。
(2)前記編物または織物の、JIS L 1096 一般織物試験方法のA法(ラベルドストリップ法)における引張強力がタテ、ヨコの双方とも490〜800N/3cm、かつ、該試験方法のC法(トラベゾイド法)における引裂き強力がタテ、ヨコの双方とも90〜400Nを保持するともに、スーパーUV照射63℃×5時間後の性能が、前記JIS評価法による引張強力がタテ、ヨコ双方とも250〜500N/3cm、かつ、引裂き強力がタテ、ヨコ双方とも50〜200Nを保持することを特徴とする前記(1)に記載の養生メッシュシート。
(3)前記低融点糸の融着による目止メが、ヒートセット加工を施すに際して、該加工前に耐光剤をディッピング付着後、乾燥およびキュアにより吸尽させ、樹脂融着が得られるものであることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の養生メッシュシート。
(4)低住宅工事向けII類養生メッシュであることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の養生メッシュシート。
リップル組織により高強度性能を格段に向上させることができ、塩化ビニル樹脂シートに優る高強度化を兼ね備える安全性に考慮し、JIS L 1096A法およびB法に規定されるII類基準に合格できた上で、かつ、仮設工業会の基準をもクリアできる性能を保有することができ、また養生メッシュシートの使用後に廃棄処分する場合、塩素ガス、ダイオキシンなどの有害物質を排出せず、大気汚染を起すことが少なく、さらには、汎用性を高める視点に立ってリップル構造メッシュとして提供すれば、機能的な外観で見栄え効果を奏するものものとすることができる。
以下、本発明について詳述する。
本発明の建築工事用メッシュシートは、ハロゲン元素を含まないポリエステル系難燃原着糸および該元素を含まない低融点糸とを用いた複合糸をベースにしたリップル組織よりなる編物または織物形態であって、その組織交点が低融点糸を構成する樹脂で融着され、目止メされたメッシュ状構造の養生シートである。
さらに、実用上の問題改善のために、低融点糸を樹脂化する融着セット前の工程にて耐光剤を吸尽させることが可能な複合加工技術によって、引張強力、引裂き強力、耐光劣化抑制等の性能をさらに向上させるようにしたものである。
さらに、本発明の養生メッシュシートは、ダイオキシンなどの有害物質を排出させないとの重要課題とJIS A 8952に規定されるII類の防炎性能に合格できる安全性を追求せんがための基本要求に対し、リップル構造を呈するII類メッシュシートで低コストな汎用商品として機能的外観で見栄え効果を奏することができるようにしたものである。
その形態は、ハロゲン元素を含有しないポリエチレンテレフタレート難燃原着糸と低融点性能を有するポリエチレンテレフタレート繊維、低融点ポリアミド繊維、またはポリ乳酸繊維等との複合糸を用いた編物または織物構造からなるメッシュ状シートを生産効率の優れた連続ヒートセット加工および冷却を施すことによって低融点繊維を溶融させて樹脂化する連続工程を通過させて、ポリエステル系難燃原着糸の組織交点を強靱に接着目止メ、メッシュ状シートに構成させたものである。
前記特許文献5(特開平2003−253541号公報)において得られるメッシュシートは記述したように、細繊度糸をベース構成されるものは、初期性能における強度特性面(引張強度、引裂き強力、落下試験)では、対抗品とする塩化ビニルメッシュシートと同等な性能を確保するところではあるが、原糸および条件等がバラツキを起こすと構造体性能を確保できないことや厳しい自然環境下による性能低下を懸念する場合が生じる。
今課題を解決するための強度性能補強手段としてリップル設計組織の構成が最良の形態として提案せんとするものである。
長期使用における目止メ破壊、すなわち、樹脂融着外れが発生、耐光劣化が生じるなど自然環境は計り知れない驚異が起こるがね本発明においては、耐光剤を吸尽加工させることにより強度、引裂き強度の耐久性向上に効果を与える有効な手段として採用するものである。
本発明の構成についてさらに詳しく詳述する。
本発明の難燃原着糸は、ポリエチレンテレフタレートポリマーと2官能性リン化合物を重合時に0.2〜1.0重量%添加して溶融、290℃程度の高温にて共重合反応させることにより、難燃性ポリエステルポリマー繊維に構成される。
この時同時に、ポリエステル系繊維に着色のための着色顔料を、前記難燃性ポリマーにブレンドして紡糸−製糸することによって製造することが可能である。
着色顔料としては、ハロゲン元素を含まない有機顔料または無機顔料を使用し、色相により異なるが、該着色顔料を1〜20重量%の範囲でブレンドしてマスターチップを作成しておく。該原着チップを上記溶融した紡糸釜に導き、原着チップと難燃ポリエステル系チップの割合を1:30〜40重量%の範囲でさらにチップブレンド化を進め、充分に溶融−反応せしめた後、紡糸−製糸することによってポリエステル系難燃原着糸を製造するのが有効な手段である。
該難燃原糸は顔料にて着色できることからカラーバリエーシュンが豊富に取れることも特徴として、機能性や見栄え効果を奏するのに役立つため汎用面向上へのメリットも大きくなる。
有機顔料としては、アゾ系、アントラキノン系、ジオキサゾン系、スチレン等を用いることができ、無機顔料としては、コバルトブルー、群青、酸化クロム、カーボンブラック、チタンブラック等を用いることができる。その他一般に熱溶解性繊維の着色に使用しうる色素あるいは、これらの混合物であれば何れも活用できる。
次に、本発明の構成に極めて重要な非ハロゲン低融点糸としては、共重合ポリエステル、共重合ポリアミド、ポリオレィン、難燃化されたポリプロピレン等、およびポリ乳酸などからなる繊維で構成されたものが該編織物の組織交点の融着効果等々から好ましく用いられる。
なお、該低融点糸は、融点温度が150〜200℃の範囲の性能を保有するものであって、かつ、難燃原着糸との融点差が20℃以上低いものが好ましい。
すなわち、融点温度が200℃を越えるものは、低融点糸の構造破壊が進み過ぎ、適度な柔軟性を持つ樹脂性能を発揮できず目止メの融着効果を維持でき難いとの問題をきたす。
他方、融点温度が150℃未満では素材性能にもよるが、溶融粘度が下がらず目止メの接着効果が低下し易い場合があり、好ましくないこともある。
さらに、融点温度差が20℃未満であるとヒートセット加工において、高温セット傾向に行くほどポリエステル系難燃原着糸も熱劣化が進み、JIS A 1096に規定されるII類メッシュの強力性能を保持できにくく合格適用から外れるとの問題も発生し好ましくない状況が起こる。
ここで、低融点繊維としては、ECO、地球環境への配慮からポリ乳酸繊維を用いることが好ましい。ポリ乳酸繊維は、脂肪族ポリエステルと称され、融点が150℃以上の特性を持ち、本発明における組織交点の融着、目止メに有効な特徴を示してくれるものである。
ポリ乳酸繊維の好ましい製造法としては、おおよそ融点が170℃、屈折率が1.45であるポリ乳酸チップを通常、紡糸温度220℃、加工速度3300m/min近辺の条件にて高配行未延伸糸を製造する。また、未延伸糸を製造後、延伸倍率を与えて延伸し、延伸糸となすことも容易に可能である。さらにまた、該ポリマーはポリエチレンテレフタレートポリマーと同様、顔料による原着色化も可能である。
本発明の養生メッシュシートは、リップル組織の編物または織物で構成される。リップル組織は、例えば図1に示されるように、ベース糸(タテ)B、ベース糸(ヨコ)B’、リップル糸(タテ)A、リップル糸(ヨコ)B’で構成される。
本発明の機能性に優れた養生メッシュシートに用いるポリエステル系難燃原着糸の生地のベース糸は、総繊度が400〜2500dtexのものが好ましく使用される。
この時、リップル糸の繊度としては、生地ベース糸構成繊度の1.5〜5倍、リップル糸同士の間隔は、織物シートを例に取れば間隔を0.5cm以上の配列とすれば良い。
現状の性能、規格を表示する取り決めは、3cm幅にて引張り強度を測定するのが基準である。性能を如実に示すにはリップル糸同士の間隔は3cm以下が好ましいが、目的・要望によって、それ以上のリップル間隔でもかまわない。さらには、リップル間隔に差異を与えるのも設計上容易で意匠的に要求が高まることも期待できる。
また、リップル設計を特徴的にするには、特に、生地のベース糸が細繊度で構成する場合が補強面では特に有効である。
すなわち、本発明で得る機能的なメッシュシートにおいて、生地のベース糸の総繊度が400dtex未満では、JIS L 1096A法ならびにB法の規定をクリアし難くなり、かつ、仮設工業会の高水準である布帛強度590N/3cm以上のII類メッシュの規格、塩化ビニル品以上の性能の未達成となることも起き易くなる。
この問題に対し、布帛の編織密度を上げることは、高密度なメッシュ状形態になり、メッシュ特有の空隙性の確保ができ難く、施工後の風圧抵抗が大きくなって、通風性が得られ難く、II類養生メッシュシートとして相応し難いものとなる場合がある。
一方、総繊度が2500dtexを越えるものは、目止メ効果を得る方向として低融点糸も太くせざるを得ない方向となるために、メッシュ形態というよりはネット調や金網感覚な構造となったりするので、要求から外れたり、取り扱い易さなど、特徴が生かせない懸念もでてくる。
したがって、安全性の確保やII類建築工事用メッシュシートとしてより好ましい生地のベース糸の総繊度範囲としては、450〜2000dtexのもが良い。
本発明で重要とするリップル糸の繊度としては、ベース糸を基準に1.5〜5倍が好ましい範囲であるが、リップル糸とベース糸との境の目ズレや生産性等々を考慮すれば2〜4倍がより好ましい範囲である。
また、リップル糸同士の間隔は、織物シートである場合には間隔を1〜3cm範囲内の格子配列にすると見栄え等々でもより好ましいものとなる。なお、それ以上のリップル間隔、差異を与える設計でも利用者の要望によって構成はあくまで自由である。
図1は、上記内容を織物の例を図で示したものであり、タテ、ヨコ同一なべース糸使いにより、メッシュ構造を形成する中で、リップル糸を任意に等間隔に配したものである。その互いの組織交点が低融着繊維で接着された構造をなす。
難燃原着糸に対する他方の低融点糸は、目止メ効果を落とすことなく性能を確保するためには難燃原着糸が太くなるに対し、比例的に太くすることが好ましく、その複合割合は20〜50重量%であることが好ましい。これはリップル糸を構成する場合も同様である。
難燃原着糸との比率が20重量%未満であると低融点糸が樹脂化したときに接着面積が小さくなり目止メ効果を弱く・損なうとの結果を招き易い。
また、その逆に比率が50重量%を越えると、樹脂面が大きく拡がり、メッシュの空隙を埋め過ぎたり、シートが粗硬となったりするため上記指摘した本シートの特徴とする風合いも得難く、折り畳み性などが悪くて取り扱い性が不良となり施工者に好まれないことにもなってしまう。よって、複合割合としてより好ましくは20〜40重量%範囲である。
かかる難燃原着糸と低融点糸との複合化は、まず、単なる引き揃え形態が考えられる。
該方法は、それぞれの繊度差、性質、性能が異なるため製編織時における、例えば、織布の整経工程では繊度差によるビーム面の凹凸、2本同時のへ通しの作業性、製織時のタテ緩みと開口不良、ヨコ糸の供給時糸切れ等で工程通過性が全く不調で、辛うじて生機が出来たとしても融着目止メセットにおいて、低融点糸が難燃原着糸から離れたりするので、目止メ接着効果の低下、メッシュ構造の空隙目間に移動して、メッシュ目を埋めて品位を悪くしたり、樹脂の皮膜が拡がり通気性を悪くしてメッシュの特徴を損なったりするので、均性の取れた好ましい品位・品質のものが得られ難くなり、好ましいものではない。
さらに、該両糸の複合化として、空気圧による混繊−交絡加工法が採用できる。この方法は、高速化によるコストダウンが計れるとはいうものの、この方法は、交絡−非交絡間の収束の形態差がメッシュ構造の品位に必ずしも好ましい方向とはいい難いものとなり、好ましいものではない。
しかるに本発明では、難燃原着糸と低融点糸との複合化として難燃原着糸と低融点糸との2糸条を合撚により複合化することが好ましく採用できる。
この合撚法によれば、合撚時の張力管理がし易く、撚構造における2糸条の捻れ構造の均一化が格段に計れるものである。さらに、その後の工程においても、整経ビームの均整化、製編織時の張力均一化が格段に向上して、糸切れやトラブルの発生が少なく工程通過、加工性が向上する。さらに、融着セットにおいては、目止メ構造の均整化とその効果は非常に優れるものとなり、得られる編織物メッシュシートの品位・品質の向上に大きく寄与するものとなる。
撚糸法には各種あるが、設備、メーカーを問うものでなく得意とする方法を選択し、撚糸条件としても40〜150t/mの範囲で経済性も考慮して設定すれば良い。
それぞれの製造工程設備は、撚糸、整経、製編織は通常の設備で充分である。
ただし、製織方式を例に挙げて説明すると、メッシュシートの形態でタテ・ヨコ方向のバランスをより良く構成し、メッシュ密度の均整化の追求と強度性能を確保するためには、製織時の横糸打ち込みの張力を高目にコントロールしたり、ヒートセット時にもメッシュおよびリップルの格子バランスを崩さないよう配慮・調整することも重要なポイントである。該製編織時の対策によってタテ、ヨコの特性値差をよりよくミニマイズすることが可能となる。
これらの複合糸を用い編織物に構成されるが、かかる編成は、横編、丸編、経編のいずれでも良く、供給される複合糸の総繊度により使い分けされるが、編成法によると工事用建築シートとしては伸び易い形態は好ましいとはいえないので、一般的には、裂け・ラン欠点の発生が少ないラッセル編機により編成するケースが多い。
また、織物は、レピア、スルザー織機が主であり、組織は、平織、模紗、絽およびそれらの変化組織をもってメッシュ織物とされる。
また、リップル専用糸をベース糸の引き揃え構成とする場合が一番効率的である。
2〜4本の範囲内であれば、経糸の同一整経/ビーミングが可能で、へ通し時に引き揃えドローイングができるので生産性・コスト面から経済的に好ましい方向である。
しかしながら、引き揃えせず、リップル糸の撚糸化を望んだり、更なる太繊度のリップル専用糸等を採用する場合には、作業性、コスト面で若干の不利が生じるものである。
上記のようにして得られたメッシュ編織物地を目止メ加工のためヒートセット加工機に導く。低融点糸の融点温度より高温域に調整したヒートセット加工機に投入し、該低融点糸を溶融させ、この溶融状態にて該編織物の組織交点を融着させるものである。
製造観点から、融着セット加工機も一般の設備とするが、加工速度10〜50m/分、温度160〜200℃の設定可能な融通の効く設備が有効である。
良好なメッシュ目合い・風合い、強度性能の要求に対し難燃原着糸の劣化を妨げず、低融点糸の性能を見極めて樹脂接着効果を充分に発揮させるための融着/連結構造化技術の要点は、セット温度の見極めと設定にある。
すなわち、セット温度としては、ポリエステル系難燃原着糸が劣化せず、低融点糸の融着性能を充分発揮する170〜200℃の範囲とすることがより好ましいものである。
連続ヒートセット加工後のメッシュシートの冷却も、特別な放冷条件は必要とせず自然冷却でかまわない。
さらに本発明においては、目止メ方法をヒートセット加工を施すにあたり、付帯装置により耐光剤をディッピング付着させ、乾燥−キュア/融着を連続して加工することによって、耐光薬剤を吸尽させて、より高耐光性に優れた性能向上を計ることができる。
養生メッシュシートは屋外に施工されるため、太陽光、すなわち、紫外線がポリエステル系繊維や他の合成繊維に対し性能劣化に影響するものであるが、上記の耐光薬剤を活用することにより、耐光劣化を抑制し、長期経時に耐えうる性能をクリアできるものである。
本耐光薬剤としては、例えば、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)のCibafast-Pを使用し、上記手法によりポリエステル系繊維、または他の合成繊維の内部に吸尽させることができる。また、さらに、例えば、”アンチフェード”:明成化学工業(株)、トリアゾール系、”サンライフ”:日華化学(株)等が挙げられ、その他メーカー品のものであっても有効活用できる。
すなわち、その効果は、該編織物シート構造体をスーパーUV照射63℃×5時間後の性能において、JIS L 1096 一般織物試験方法のA法:ラベルドストリップ法およびC法:トラベゾイド法による、各々、引張強力がタテ、ヨコ双方とも250N/3cmレベル、またはそれ以上、引裂き強力がタテ、ヨコ双方とも50Nレベル、またはそれ以上に改善・保持するものである。
また、塩化ビニル品は、引裂き強力に対する劣性、硬直性からくる冬場での破け易さ、難取扱い性等々の欠点も見られるが、長期使用における耐久性には優れた性能を示すものである。それに近づけるべく更に過酷なUV照射10時間後での引張強力評価実績についても実施例で述べることとする。
以上、上述した問題を詳細まで解析し課題解決に結びつけるため、本発明技術を駆使・蓄積することによって仮設工業会が定めるII類基準にも達成するに至った。
すなわち、前記編物または織物の初期性能が、JIS L 1096 一般織物試験方法のA法(ラベルドストリップ法)における引張強力がタテ、ヨコの双方とも490〜800N/3cm、好ましくは初期の引張強力特性がタテ、ヨコの双方とも590N/3cm以上、かつ、該試験方法のC法(トラベゾイド法)における引裂き強力がタテ、ヨコの双方とも90〜400Nを保持するともに、スーパーUV照射63℃×5時間後の性能が、前記JIS評価法による引張強力がタテ、ヨコ双方とも250〜500N/3cm、かつ、引裂き強力がタテ、ヨコ双方とも50〜200Nが達成される。
上限性能については課題解決手段にて上述したが、ポリエステル系繊維の保有する物性とポテンシャルおよびメッシュシートであるための要求コンセプトから糸条の太さの制限もあるため物性限界がでてくる。 当然、引裂き強力性能においても同様な見解である。
本発明によって得られた高品質・高性能なメッシュシートを縫製加工、ハ止メ加工して養生メッシュシートに供して、建築工事現場における安全環境向上と社会的利益に貢献できるものである。
本発明の養生メッシュシートは、低住宅工事向けII類養生メッシュであること、すなわち、一般家庭用の3階建住宅までの住宅用の養生メッシュであることが好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、本発明に記述する諸特性の測定法は、JIS L 1096A、JIS A 8952法に準拠するものである。また、II類建築工事用シートに関する特異な評価や基準は、(社)仮設工業会ならびに(財)日本防炎協会の測定法・基準に基づくものである。
[一般特性評価:表1に示すもの]
JIS L 1096A、JIS A 8952法および(社)仮設工業会、(財)日本防炎協会の建築工事用シートの測定基準に基づく。
なお、各々特性値は、長さ・タテ方向、幅・ヨコ方向に差とバラツキがどうしても生じるため、引張強力および引裂き強力(タテ×ヨコ)1/2>を管理特性値のパラメーター化する。タテおよびヨコ方向とする各々の管理方法データでは一貫性がないため、トータル的に表現した方が重要で性能表示がわかりやすいためである。
[UV評価]
須賀製スーパーUV試験機にて100mW/cm、63℃、50%RHの条件にて5時間照射後にサンプリングし、JIS L 1096 一般織物試験方法のA法(ラベルドストリップ法)における引張強力、JIS L 1096 一般織物試験方法のC法(トラペゾイド法)においての引裂き強力を各々タテ、ヨコ測定(n=3)する。
本発明では、各物性を平面的に捕らえ、(タテ×ヨコ)1/2の計算式にて特性値とする(引張強力はSS値、引裂き強力はTS値とする)。
また、保持率は、初期性能を基準・管理値として測定しておき、次に、UV照射5時間後のデータとで(UV評価値/初期値)×100%の値を保持率として示す。
[ハロゲンガス測定]
JIS L 1068法にて、HBrガス発生量0.5gの試料を採集する。
この試料を燃焼管に入れ、350〜400℃で5分間予熱し、その後800±30℃で30分間強熱し、燃焼ガスを1/10NaOH液の入ったフラスコに捕取する。この中に含まれるHBrをイオンクロマトグラフで定量する。
〔比較例1〕
リン系化合物を0.5重量%共重合させたポリエチレンテレフタレートマスターチップに着色顔料として シニアン系ブルーとカーボンを2.0:0.1の重量%比で配合した顔料が20重量%含有されたブルー系着色チップを、マスターチップに対し40:1の割合で含有させたチップを2.5重量%チップブレンドして、290℃にて溶融させる。次に紡糸−製糸工程を得てポリエステル繊維、すなわち、ポリエステル難燃原着糸470dtex−48フィラメント(fil)を製造した。
一方、ポリ乳酸繊維は、融点温度170℃、屈折率が1.45であるポリ乳酸チップを紡糸温度220度、加工速度3300m/minにて高配向未延伸糸118dtex−24filを製造した。その後、両糸をリング撚糸機に仕掛け、撚数100t/mにて合撚加工を行う。
この合撚後の複合糸を用いてメッシュシート織物にするため整経後、タテ糸総本数1416本で195cm幅の製織のための経糸ビームを準備した。
この経糸ビームをスルーザ織機に仕掛け、経糸と同じ複合糸をヨコ糸にヨコ打ち込みし、織り上げ密度がタテ、ヨコとも18本/inとなるメッシュ生機を製織した。
次に、このメッシュ生機を185℃に昇温したクリップテンターに導き、ポリ乳酸繊維が溶融しポリエステル糸の交点が融着セットが可能な、おおよそ25秒間の熱セット効果が寄与できる加工速度にてメッシュシートを製造した。
該製造法にて得られた該メッシュシートは、表1に示すとおり、初期引張強度は仮設工業会規格値(ただし、保証値ではない)にはやや到達(590N/3cm)していないものの、JIS規格以上を確保。引裂き強力は、現在最も汎用品とされる塩化ビニル品に劣らない優れた性能を示している。
ただし、該比較例1によるものでは引張性能面では仮設工業会基準を満足させるに至らないことが懸念として残るために本発明のリップル設計の重要性に達したのである。
実用的には、生地重量が軽く、施工し易いため作業性が極めてし易く、引裂き強力も高く、強靱で粘りがあるので安全性にも優れたものが得られた。
さらには、焼却処分したときには有害ガスであるダイオキシンを発生させず、大気汚染されないため地球環境に優しい製品であって、塩化ビニル品と比べ脱ハロゲンの大きな特徴を有するものである。
〔実施例1〕
原糸製造から撚糸加工までは、比較例1と同様とし、メッシュ織物のリップル目合いはタテ/ヨコ同一の1.45cm間隔、リップル糸はベース地の経糸を3本引き揃えとする。
先ず、1.45cm目合いのリップル織物とするため、タテ糸総本数を1416本から264本増の1670本の複合糸とする経糸ビームを準備した。
リップ糸は3本引き揃えのため別綜絖枠として1.45cm間隔に構成できるよう、へ通しを行った。上記の経糸ビームをスルーザ織機に仕掛け、リップル組織のリップル糸となるヨコ糸だけはべース糸と同様な組み合わせであって、その3本を50t/mにて撚糸し、タテ/ヨコ正方形と成すリップル構造を形成するメッシュシート生機を製織した。
次に、このメッシュシート生機を190℃に昇温したピンテンターに導き、ポリ乳酸繊維を溶融させ、ポリエステル原着糸のタテ/ヨコ交点を融着セット加工をしたメッシュシートを製造した。
本構成にて得られたメッシュシートは、表1に示すとおり、初期引張強度は仮設工業会の規格値(590N/3cm)を充分クリアできる性能・製品となった。
さらには、焼却処分したときにも有害ガスを発生せず、大気汚染されないため地球環境に優しい製品であって、塩化ビニル品と比べ脱ハロゲンの大きな特徴を有するものであった。
〔実施例2〕
実施例1と同様に養生メッシュシート生機を得た後、更なる重要性能面の向上、保持率改善の目的で耐光性を向上させる方策を試みることとした。
この対策による本発明の特徴とするところは、耐光性を向上させるために耐光性の薬剤として、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)のCibafast-Pを選定して、5wt%をディッピング付着させ、乾燥/キュアすることにより、Cibafast-Pをポリエステル繊維内部に吸尽させる。この時設定温度が190℃まで上昇させ融着・樹脂化も同時に連続して加工を行った。初期の引張強度とその保持率の向上に繋がり、コスト面での負担が軽いのもメリットとして挙げられる。
このようにして得られたメッシュシートは、実施例1よりさらに高性能に達することが可能となって、安全部材としての信用性もさらに深まるものであった。
また、更に、スーパーUV照射63℃×10時間後での引張強力評価実績においては、耐光剤付与なしの強力保持率が20%以下に対し、耐光剤効果により40%以上レベルに到達出きることが大きな特徴としてでてくる。
耐光性の薬剤を付与して環境面で問題もなく、生地重量も軽く、施工し易いため作業性が良く、強靱で粘りがあるので安全性も優れたものとなった。
同様に、焼却処分したときにも有害ガスであるダイオキシンを発生させず、大気汚染されないため地球環境に優しい製品となり、塩化ビニル品と比べ脱ハロゲンの大きな特徴を保有するものであった。
〔比較例2〕
塩化ビニルメッシュシートを次の加工工程を得て製造した。
ポリエステルチップを溶融した後、紡糸−製糸工程にてポリエステルマルチ繊維250dtex−24filを製造した。該ポリエステル原糸をタテ糸総本数1840本で195cm幅の製織のための経糸ビームを準備した。この経糸ビームをスルーザ織機に仕掛け、同一ポリエステル糸をヨコ糸使いとして、織密度タテ/ヨコ同一の24本/inの平組織とするメッシュシート生機を製織した。
次に、塩化ビニール系樹脂をベースに三酸化アンチモン10重量%とデカプロモジフェニルオキサイド12%を使用した難燃剤が添加された溶解液に上記ポリエステル繊維布帛をディッピングとスキージング後、200℃高温キュア−冷却の連続設備にて塩化ビニル樹脂をコーティングして養生メッシュシートを製造した。
上記にて得られたメッシュシートは、表1に示すとおり、初期引張強度は仮設工業会の規格値(590N/3cm)には到達していない。かつ、引裂き強力は、規格値はクリアするものの本発明の実施例にはおよばないものであった。
しかしながら、UV5時間照射後の性能は両物性とも保持率が優れるものである点特徴が見られた。
実用面においては、汎用品であり、使用経過や実績からして取り扱い性は苦になるものではないと思われるが、製品目付差が約50%アップと大きいために運送や高所への運搬はおのずと数量も限られ、本発明品に比べれば大きなデメリットである。
さらに、該商品は、本発明の特徴との大きな相違としてハロゲン元素を発生する点にある。使用に耐えなくなった場合の廃棄法として、埋め立てる場合には問題はないとするものの、焼却処分した時には、実測定でハロゲンガス(HBr)28mg/gを発生することを確認した。
以上、実施例、比較例とも原糸・布帛構成とメッシュシート評価結果を表1にまとめた。
Figure 2007146342
本発明に係る織物を例とした場合のリップル組織の一例を示す組織図である。
符号の説明
A:リップル糸(タテ)
A’:リップル糸(ヨコ)
B:ベース糸(タテ)
B’:ベース糸(ヨコ)
C:リップル間隔(タテ)
C’:リップル間隔(ヨコ)
D:組織交点=接着点

Claims (4)

  1. ハロゲン元素を含有しない難燃原着糸と低融点糸との複合糸を用いたリップル組織の編物または織物で構成され、かつ、該編物または織物の組織交点が低融点糸の融着により目止メされている養生メッシュシートであって、前記リップル組織のリップル糸構成繊度が生地ベース糸構成繊度の1.5〜5倍であり、かつリップル糸同士の間隔が0.5cm以上の範囲であることを特徴とする養生メッシュシート。
  2. 前記編物または織物の、JIS L 1096 一般織物試験方法のA法(ラベルドストリップ法)における引張強力がタテ、ヨコの双方とも490〜800N/3cm、かつ、該試験方法のC法(トラベゾイド法)における引裂き強力がタテ、ヨコの双方とも90〜400Nを保持するともに、スーパーUV照射63℃×5時間後の性能が、前記JIS評価法による引張強力がタテ、ヨコ双方とも250〜500N/3cm、かつ、引裂き強力がタテ、ヨコ双方とも50〜200Nを保持することを特徴とする請求項1に記載の養生メッシュシート。
  3. 前記低融点糸の融着による目止メが、ヒートセット加工を施すに際して、該加工前に耐光剤をディッピング付着後、乾燥およびキュアにより吸尽させ、樹脂融着が得られるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の養生メッシュシート。
  4. 低住宅工事向けII類養生メッシュであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の養生メッシュシート。
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