JP2007146995A - 静圧スライダ - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の静圧スライダでは、可動体の駆動中心と可動体を連結している支持体を含めた可動部の重心位置とが異なるため、位置決めの際に大きな振動を発生させやすく、高精度に位置決めすることができないという課題があった。また、可動体の傾きにより、固定体とのかじりが発生する課題があった。
【解決手段】略平行に配置された一対の固定体1と、各固定体1に囲繞して配置され、固定体1に沿って移動する一対の第1可動体2と、該一対の第1可動体2を連結する支持体3と、を備え、前記支持体3の少なくとも一端に、固定体1に対する第1可動体2の傾斜角度を検出する検出手段12と、該検出手段12により検出された傾斜角度に対応して第1可動体2の傾斜角度を調整する調整手段11を備えたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば電子線描画装置といった半導体素子の製造装置および検査装置に用いられ、高精度な走行性能および高精度な位置決めを可能とする流体静圧軸受を用いた静圧スライダに関する。
従来より、半導体素子(集積回路)の製造または検査する装置には種々のステージ装置が用いられている。また、半導体素子が露光、描画されるウェハの大型化にともなってウェハを搭載するステージ装置も大型化し、かつ移動距離も増大化しており、ステージ装置の重量は増加の一途をたどっている。
かかるステージ装置では、更なる生産性向上を目的に高速、高加速化と高精度化が要求されており、この要求を満たすため圧縮流体を用いた流体静圧軸受による非接触案内を行う静圧スライダが提案されている。
また近年では、電子線描画装置やSEM用といった真空チャンバ内での動作を要求される半導体素子の製造および検査装置にも、圧縮流体を回収し真空チャンバ外へ排出する差動排気機構を採用するにより静圧スライダが用いられている。
図6は、従来の静圧スライダ500の斜視図を示し、一対の固定体101(101a、101b)が略平行に配置され、各々の固定体101に一対の可動体102(102a、102b)が囲繞され、さらに可動体102a、102bを連結するように支持体103が配置されており、さらに使用目的に応じて支持体103に試料載置部104が囲繞されている。この静圧スライダ500は、可動体102が固定体101によって往復に移動可能であり、支持体103上にウェハ等の試料を載置するものである。
ここで、図6におけるD−D断面図を図7(a)、(b)に示す。静圧スライダ500は、固定体101と可動体102との間に加圧した圧縮流体を送り込み、非接触で可動体を固定体に対して相対移動させるため、各種装置の高速、高加速化及び高精度化に対応可能である。そのため、安定した静圧を受けているときは、図7(a)に示すように固定体101aと可動体102bの間隔はほぼ均一に保たれており、固定体101の案内面122と可動体102の静圧面123の平行度も保たれた状態にある。一方、図7(b)に示すように、例えば支持体103に重量の大きな試料が搭載されたり、支持体103が大型化した際の支持体103の自重により支持体103に偏荷重(モーメント)がかかると、基準となる固定体101の案内面122に対して可動体102が傾斜浮上し、さらに浮上量の少ない側では静圧剛性低下に伴い前記固定体101と可動体102が接触しやすく、安定した移動が困難となるという課題を有していた。
そこで、静圧スライダの静圧面に対する案内面の傾斜を制御する提案が種々行われている。
静圧スライダ500を真空チャンバ(不図示)内に配置し、ステージ装置として利用する場合は、静圧スライダ500から真空チャンバへ流出する流体のリークを低減するためにも案内面122と静圧面123は十分な平行度を保つ必要がある。この平行度を保つ手段として、可動体102を連結する支持体103は可動体102に偏荷重がかからないように、例えば図8に示すように可動体102の上面の略中心に支持体103を締結して、可動体102にかかる荷重が静圧面全面に均等にかかるようにする必要がある。
また、図9に示すように、可動体102の下部に、取り付け部品126、予圧用ネジ127、予圧用バネ128を介してラビリンス部129が接続されており、さらに、ラビリンス部129には、静圧パッド121と、静圧パッド121の外周に設けられた流体排気溝(不図示)が配置されている。ラビリンス部129は、固定体101の案内面122は、所定のクリアランスを保ったまま可動体102が移動する静圧スライダ510が提案されている(特許文献1参照)。
特開2002−349569号公報
しかし、図8に示すように可動体102の上面に支持体103を締結するような方法では、不図示の駆動手段、位置検出手段、制御手段とを備えることにより高速化、高加速化に加え、高い位置制御性能(位置決め性能)が要求される静圧スライダ500では、可動体102の駆動中心と可動体102を連結している支持体103を含めた可動部の重心位置とが異なるため、位置決めの際に大きな振動を発生させやすく、高精度に位置決めすることができないという課題があった。また、位置決め性能の低下を抑制するために前記支持体103を可動体102の上面ではなく側面にて連結するのがよいが、可動体102の傾斜浮上を助長しやすいという課題があった。
また、角柱状の固定体101に対して可動体102が囲繞し、この固定体101に沿って可動体102が移動する静圧スライダの場合、固定体101と可動体102は角柱の4面の間隔を均一に保つ必要があるが、特許文献1に示す方法を用いた場合、固定体101の案内面122と可動体102の静圧面123との任意の対向面の間隔を均一に保つことは可能であるものの、他の対向面の間隔が不均一になり、固定体101と可動体102が接触したり、かじりを起こしやすいという課題があった。
本発明はこれらの問題を鑑み、高精度な位置決めを可能とし、かつ第1可動体と固定体の平行度が保たれ、さらに、真空中においてもリークが抑制された非接触で駆動可能な静圧スライダを提供することを目的として、本発明の静圧スライダは、略平行に配置された一対の固定体と、各固定体を囲繞して配置され、固定体に沿って移動する一対の第1可動体と、該一対の第1可動体を連結する支持体と、を備え、前記支持体の少なくとも一端に、固定体に対する第1可動体の傾斜角度を検出する検出手段と、該検出手段により検出された角度に対応して第1可動体の角度を調整する調整手段を備えたことを特徴としている。
また本発明は、前記調整手段は、圧電素子であることを特徴とする。
さらに本発明は、前記調整手段は、電磁モータであることを特徴とする。
またさらに本発明は、前記検出手段は、非接触型変位計であることを特徴とする。
さらにまた本発明は、前記検出手段である非接触型変位計は、静電容量型であることを特徴とする。
また本発明は、前記検出手段である非接触型変位計は、レーザ測長型であることを特徴とする。
さらに本発明は、前記支持体の少なくとも一端に弾性体を配置することを特徴とする。
またさらに本発明は、前記支持体の平面度が10μm以下であることを特徴とする。
さらに本発明は、前記支持体に囲繞して配置され、支持体に沿って移動する第2可動体を備えたことも特徴とする。
また本発明は、真空チャンバ内にて、加圧噴出される圧縮流体を回収するための流体排気溝が形成されている前記第1第2可動体と、前記流体排気溝より回収された流体を真空チャンバ外へ排出するための真空排気管路が形成されている前記固定体及び前記支持体を備えたことを特徴とする。
本発明の静圧スライダによれば、前記支持体の少なくとも一端に、固定体に対する第1可動体の傾斜角度を検出する検出手段と、該検出手段により検出された角度に対応して第1可動体の角度を調整する調整手段を備えたことから、高精度な位置決めを可能とし、かつ可動体と固定体の平行度が保たれるために、支持体の平行度を向上させることができる。さらに、真空中においてもリークが抑制された非接触で駆動可能な静圧スライダを実現できる。
さらに、調整手段として、圧電素子もしくは電磁モータを用いることから、真空環境下での使用が可能であるので、本発明の静圧スライダを真空中で使用することが可能となる。また、圧電素子の場合、指令電圧に対して、ナノメートルオーダーでの調整が可能であるので、固定体と第1可動体の平行度を高い精度で制御することが可能となり、さらに高速応答が可能であるため高精度な位置決めが可能となる
また、検出手段が非接触型変位計であることから、発熱を伴わない測定が可能であり、パーティクルの発生も防止することができる。
以下、本発明の静圧スライダについて詳細に説明する。
図1(a)は、本発明の静圧スライダの一実施形態を示す斜視図であり、図1(b)は図1(a)におけるA−A線の断面図である。
本発明の静圧スライダ50は、固定体1(1a、1b)が略平行に配置され、各々の固定体1に一対の第1可動体2(2a、2b)が囲繞され、さらに第1可動体2a、2bを連結するように支持体3が配置されている。さらに、第1可動体2aの案内面22に対向する静圧面23には、圧縮流体を噴出する静圧パッド21が配置されており、静圧パッド21から噴出された圧縮流体の案内面22と静圧面23との間の静圧(いわゆる隙間内圧力)により、第1可動体2aは固定体1aに数μm程度のクリアランスを介して非接触で浮上支持されている。固定体1は可動体2の貫通孔に通過されており、可動体2のレールの作用をなし、この状態で第1可動体1aは固定体1の案内面22に沿って非接触で移動可能となる。
なお、固定体1を構成する一対の固定体1a、1bが略平行とは、固定体1a、1bとの距離がほぼ一定であればよく、支持体3により連結された可動体2a、2bが固定体1a、1bの静圧面23に沿って非接触で移動可能であればよい。
第1可動体2a、2bが対向する側面には、各第1可動体2a、2bを連結する支持体3と支持体3を2次元的に拘束する拘束体5a、5bが配置されていてもよく、支持体3は各第1可動体2a、2bと拘束体5a、5bを介して同時に移動可能となる。支持体3の端部3a、3bと第1可動体2a、2bとの間には0.5mm以下のクリアランスがあり、第1可動体2a、2bは、配置された支持体3、拘束体5a、5b及びその搭載物の重量のモーメント荷重により、固定体1に接触するまでの範囲内で傾斜している。
本発明の静圧スライダ50は、支持体3の少なくとも一端に固定体1に対する第1可動体2の傾斜角度を検出する一対の検出手段12(12a、12b)と、検出手段12より検出された角度に応じて第1可動体1の角度を調整する調整手段11(11a、11b)を備え、この調整手段11によって固定体1に対する第1可動体2の傾斜を調整することができる。また、調整手段11は静圧スライダ50外に配置された圧電素子用ドライバーなどからの配線を通じて電圧を供給され、供給された電圧に応じて伸縮することにより可動体2の傾斜角度を調整する。
したがって、固定体1と第1可動体2の非接触状態を保つことが可能となり、固定体1と第1可動体2の摩擦熱による材料の膨張収縮が起きず、第1可動体2の移動および停止の位置精度の向上、および第1可動体2の走行精度を高くすることができる。また、半導体素子の製造および検査工程において欠陥の原因となるパーティクルの発生を防止するとともに、パーティクルが固定体1と第1可動体2のすき間に挟み込むことかないので、固定体1と第1可動体2のかじりを防止することが可能となる。
また、固定体1と第1可動体2の平行度を保つことが可能となるので、静圧面23の軸受剛性を上げることができる。これにより、第1可動体2の走行性能を高精度に保つことができるので高精度な位置決めが可能となる。さらに、支持体3の位置を低くすることができるので、静圧スライダ50の重心位置を下げることが可能となり、第1可動体2の位置決め時に振動の発生が無く高精度な位置決めが可能となる。
前記検出手段12は、第1可動体2の走行性能および位置決め精度に影響を及ぼさないために、非接触型変位計であることが好ましい。非接触型変位計であることから、発熱を伴わない測定が可能であり、パーティクルの発生も防止することができる。非接触型変位計としては、静電容量型、レーザ側長型、渦電流型、エアセンサ型などが挙げられるが、本発明の静圧スライダ50では、静電容量型もしくはレーザ側長型であることが好ましい。これらの変位計は、測定値の分解能が高く、固定体1に対する第1可動体2の傾きを精度よく検出することができる。また、レーザ側長型は、応答性が高いために、第1可動体2の移動中でも検出が可能であり、検出時に装置を停止する必要が無いという利点を有する。
さらに静電容量型は、検出中の自己発熱がないために、静圧スライダ50自体に影響を及ぼすことが無く、温度変化による測定値の変化(ドリフト)を抑えることができ、高精度と安定した測定値を得ることができる。このことから、固定体1に対する第1可動体2の傾きを精度よく検出することができる。また、非磁性体であることから、EB装置などでの利用も可能となる。また、高額なミラーなどを必要としない。
本発明では、検出手段12を用いて固定体1に対する第1可動体2の傾斜角度を検出することが重要であり、これにより固定体2aに対する第1可動体1aの傾斜角度を検出することができるとともに、検出された角度をフィードバックして調整手段11の制御量を決定することにより、第1可動体1の静圧面23と固定体2の案内面22との平行度を高精度に保持することができる。
具体的に、一方の第1可動体2aの傾斜角度を検出する手段を例に説明する。先ず図2(a)に示すように、一方の第1可動体2aを固定体1aに静置させた状態で、第1可動体2aのそれぞれの側面に検出手段12a、信号(α、β)を照射し、反射してきた信号を検出手段12aで受信しこれを基準とする。次に同図(b)に示すように、第1可動体2aを静圧により固定体1aより浮上させ、第1可動体2aの側面に検出信号12aより信号(α’、β’)を照射し、反射してきた信号を検出手段12aで受信し、この信号(α、β)、(α’、β’)の差より傾斜角度θを算出、測定することが可能となる。また、他方の第1可動体2b、固定体1bについても検出手段12bにより同様に検出する。
なお、第1可動体2aの上面もしくは下面より検出しても構わない。また、検出手段12aより出力される信号は、2箇所以上であればよい。
この検出手段12により検出された傾斜角度θを基に、調整手段11a、11bを用いて第1可動体2a、2bの傾斜角度θを調整する。図3、図4に示すように、この調整手段11a、11bは、可動体2a、2bの側面のうち支持体3側の側面の上部に設けられており、圧電素子、電磁モータ、エアシリンダ、油圧シリンダなどの伸縮可能な手段から成るため、傾斜角度θの大きさに対応してこの調整手段の伸縮度合いを種々変化させるものである。
前記圧電素子、電子モータにおいては、供給される電流・電圧を通じて、また、エアシリンダ、油圧シリンダにおいては、エア、油等の媒体を通じて各手段が伸縮することにより、第1可動体2aを回転方向に移動させて、浮上した第1可動体2aが固定体1aに対して平行になるように、即ち第1可動体2aが固定体1aに静置された時の初期状態になるように調整するものである。
なお、この調整手段11による調整は、第1可動体2bについても同様に調整手段11bにより行われる。
特に、調整手段11は圧電素子もしくは電磁モータを用いることが好ましい。圧電素子は非磁性体であるため、半導体製造装置の電子線描画装置にも影響を及ぼすことがない。さらに、検出手段11から入力される指令電圧に対して、ナノメートルオーダーでの調整が可能であるので、固定体1と第1可動体2の平行度を高い精度で制御することが可能となり、さらに高速応答が可能であり、重量当たりの出力が大きく小型軽量であるため、第1可動体2の走行性能を高精度に保つことができるので高精度な位置決めが可能となる。また、動作に伴う発熱が少ないことから静圧スライダ50の精度に悪影響を及ぼしにくいなどの利点も有している。一方、電磁モータは、ストロークが長く、調整範囲が広いので、固定体1に対し第1可動体2の傾斜角度θが大きいときに特に好適である。加えて、剛性が高く応答性も高いのでリニアに第1可動体2の傾斜角度θを調整することができる。また、圧電素子、電磁モータともに真空環境下での利用が可能であるので、例えば、静圧スライダ50を電子線描画装置等に用いることもできる。また、図中の調整手段11は支持体端部の3a、3bの上部中央部に配置されているが、下部中央部に配置されてもよく、さらに複数個用いても構わない。
固定体1に対する第1可動体2の傾きを逐次調整する必要がない場合は、調整手段11として不図示のネジを用いてもよい。ネジは調整手段11として簡便であり、一度調整してしまえば経時変化がなく、圧電素子や電磁モータのように故障が発生する可能性が低いといった特徴がある。
また、本発明の静圧スライダ50は、図3に示すように支持体3の少なくとも一端に弾性体6を配置することが好ましく、調整手段11で第1可動体2の角度を調整する際に第1可動体2の回転の支点となり、容易に第1可動体2の傾きを修正することが可能となるためである。
図3におけるB部の拡大図を示す図4(a)、(b)を用いて弾性体6が第1可動体2aに配置された場合について詳細を説明する。図4(a)に示すように一方の第1可動体2aが固定体1aに対して傾いた場合、支持体端面3aに配置された調整手段11aによって、第1可動体2aの側面上部に圧力をかけ、第1可動体2aの傾きを調整する。この際、一方の弾性体6aの上部が第1可動体1aの回転の支点になるため、第1可動体2aの調整がスムーズにでき、図4(b)に示すように第1可動体2aと固定体1aの平行度を保つことができる。
また、弾性体6aに環状形状を用いた場合、支持体端部3aと可動体2aの互いの側面は、環状の弾性体6aの内径側で密閉された空間を有することになる。そこで、図5(a)に示すように、支持体3にも第2可動体7を配置することも可能となり、ここで環状の弾性体6aは、支持体3aおよび第1可動体2aに形成した回収経路と真空チャンバとの間の封止材としての作用を有することになる。弾性体6aの材質としては、フッ素系ゴム、シリコン系ゴムが選択される。特に、本発明の静圧スライダ51を真空中で使用する場合は、弾性体6aから発生するアウトガスが少ないという観点からシリコン系ゴムが、また、高真空度中においてもアウトガスがシリコン系ゴムより少ないという観点から、フッ素系ゴムを用いることが好ましい。
なお、他方の第1可動体2bにも同様に弾性体6bが配置されており同じ作用を成す。
また、本発明は、図5(a)、(b)に示すように、支持体3に囲繞して配置され、支持体3に沿って移動する第2可動体7を備えることが好ましい。図5(a)は支持体3に第2可動体7を配置した場合の斜視図であり、図5(b)は図5(a)のC−C線における断面図である。
これにより、支持体3上に載置する試料を第2可動体7に載置することにより、試料を2次元方向に円滑に移動させることが可能となる。
詳細には、真空チャンバ(不図示)内にて第1可動体2および第2可動体7には、加圧噴出される圧縮流体を回収するための流体排気溝24が形成されており、さらに支持体3および固定体2には、流体排気溝24より回収された流体を真空チャンバ(不図示)外へ排出するための真空排気管路25が形成されている。また、第2可動体7は支持体3に囲繞して配置されており、支持体3には第2可動体7を案内するための案内面27を有している。この案内面27は高精度に加工されており、支持体3が第1可動体2に配置された状態で案内面27の平面度は5μm以下になるように設定されている。
第2可動体7の案内面27に対向する静圧面28には、圧縮流体を噴出する静圧パッド26が配置されており、静圧パッド26から噴出された圧縮流体の案内面27と静圧面28との間の静圧により、第2可動体7は支持体3に数μm程度のクリアランスを介して非接触で支持されており、案内面27に沿って非接触で移動可能である。
静圧スライダ50を本構成にすることにより、不図示の駆動源により駆動される第1可動体2の駆動中心と第1可動体2を連結している支持体3を含めた可動部の鉛直方向の重心位置が同一となり、位置決めする際に大きな振動を発生することなく、良好な位置決めが可能となる。
第2可動体7の静圧面28には、静圧パッド26が配置され、さらにその周囲には噴出された流体を回収するための流体排気溝29が形成されている。また、支持体3には流体排気溝29に接続した真空排気管路30が形成されており、真空排気管路30は第1可動体1の流体排気溝24と接続されている。静圧パッド26から供給された流体は流体排気溝29と真空排気管路30を通して流体排気溝24へと流れ、以降は静圧パッド21から噴出した流体と同様に真空ポンプ(不図示)により真空チャンバ外の周囲へ排出される。
このことから、高精度な走行性能を有し、高精度な位置決めが可能であり、高速、高加速に対応可能な非接触の静圧スライダ50を真空中で使用することができる。また、第1可動体1の流体排気溝24および第2可動体7の流体排気溝29により流体を回収し、さらに、固定体1および支持体3に対して、第1可動体2および第2可動体7は囲繞して配置されており、流体を真空チャンバ外へ放出するので、真空チャンバ内の真空度の低下を抑制することができる。
また、流体は、固定体1および支持体3などを循環しているので真空中においても静圧スライダ50に蓄熱が起こらず、第1可動体2および第2可動体7の走行精度を高く保つことができる。さらに、第1可動体1の角度を調整手段11で調整することから、案内面22と静圧面23のクリアランスが一定に保てるので、このクリアランスから真空チャンバ内への流体の漏出を抑制することができ真空チャンバ内の真空度を保つことが可能になる。
また、前記固定体1(1a、1b)及び支持体3の材質は、高精度な加工が可能で良好な平面度や平行度を得られ、比剛性が高く自重や搭載物の荷重による変形量が少ないアルミナ質セラミックスや、比剛性がアルミナ質セラミックスより高く第1可動体2や第2可動体7を駆動するための不図示の駆動源から発生する熱をすみやかに排熱するために、熱伝導率の高い炭化珪素質セラミックスを用いることが好ましい。
また、第1可動体2(2a、2b)および第2可動体7の材質も同様に、高精度な加工が可能で良好な平面度や平行度を得られ、比剛性の高いアルミナ質セラミックスや、固定体1や支持体2の場合と同様に排熱の理由から炭化珪素質セラミックスとしてもよい。
また、不図示の駆動源が発生する熱が伝熱しても変形することなく、搭載物の変形を誘発しないことから線膨張係数が1×10−6[1℃]以下の低熱膨張セラミックスとしてもよい。
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく要旨を逸脱しない範囲であれば、種々の変更は可能である。
(a)は本発明の静圧スライダの一実施形態を示す斜視図であり、(b)は同図(a)のA−A線における断面図である (a)、(b)は本発明の静圧スライダの第1可動体の傾斜角度の検出方法を示す概念図である。 本発明の静圧スライダの他の実施形態を示す断面図である。 (a)、(b)は図3のB部の拡大図であり、(a)は固定体に対して可動体が傾いた状態を示し、(b)は固定体と可動体の平行度が保たれている状態を示す。 (a)は本発明の静圧スライダの他の実施形態を示す斜視図であり、(b)は同図(a)のC−C線における断面図である。 従来の静圧スライダを示す斜視図である。 (a)、(b)は図6のD−D線における断面図であり、(a)は固定体と可動体の平行度が保たれている状態を示し、(b)は固定体に対して可動体が傾いた状態を示す。 従来の静圧スライダの別の実施形態を示す斜視図である。 従来の静圧スライダのさらに別の実施形態を示す側面図である。
符号の説明
50、500、510:静圧スライダ
1、1a、1b、101:固定体
2、2a、2b、102:可動体
3:支持体
4a、4b、4c、4d:台座
5a、5b:拘束体
6、6a、6b:弾性体
7:第2可動体
11、111:調整手段
12、121:検出手段
21、26、121:静圧パッド
22、27、122:案内面
23、28、123:静圧面
24、29:流体排気溝
25、30:真空排気管
126:取り付け部品
127:予圧用ネジ
128:予圧用バネ
129:ラビリンス部

Claims (9)

  1. 略平行に配置された一対の固定体と、各固定体を囲繞して配置され、固定体に沿って移動する一対の第1可動体と、該一対の第1可動体を連結する支持体と、を備え、前記支持体の少なくとも一端に、固定体に対する第1可動体の傾斜角度を検出する検出手段と、該検出手段により検出された傾斜角度に対応して第1可動体の傾斜角度を調整する調整手段を備えたことを特徴とする静圧スライダ。
  2. 前記検出手段は、非接触型変位計であることを特徴とする請求項1に記載の静圧スライダ。
  3. 前記検出手段である非接触型変位計は、静電容量型であることを特徴とする
    請求項2に記載の静圧スライダ。
  4. 前記検出手段である非接触型変位計は、レーザ測長型であることを特徴とする請求項2に記載の静圧スライダ。
  5. 前記調整手段は、圧電素子であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の静圧スライダ。
  6. 前記調整手段は、電磁モータであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の静圧スライダ。
  7. 前記支持体の少なくとも一端に弾性体を配置したことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の静圧スライダ。
  8. 前記支持体に囲繞して配置され、支持体に沿って移動する第2可動体を備えたことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の静圧スライダ。
  9. 前記固定体、支持体および可動体は、セラミックスから成ることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の静圧スライダ。
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