JP2007149352A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池を冷却する冷媒の温度が許容範囲よりも低下するのを抑制できる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料電池1と、燃料電池用冷却系6を構成する第1の冷却水循環経路21と、電力変換装置7と、電力変換装置用冷却系8を構成する第2の冷却水循環経路31とを備える燃料電池システムにおいて、第1、第2の冷却水循環経路21、31を接続する第1、第2の接続経路41、42と、第1、第2の接続経路41、42に接続されている第1、第2の三方弁43、44とを設ける。第1、第2の三方弁43、44により、第1の冷却水循環経路21と第2の冷却水循環経路31で、それぞれ、独立して冷却水が流れる第1の状態と、冷却水が第1の冷却水循環経路21から、第1の接続経路41を介して、電力変換装置7内を流れた後、第2の接続経路42を介して、第1の冷却水循環経路21に戻って流れる第2の状態とを切り替え可能とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、燃料電池システムに関するものである。
従来の燃料電池システムは、燃料電池が発電に伴い発熱することから、燃料電池を冷却するための冷却水を燃料電池に循環供給する冷却系を備えている。
この冷却系は、冷却水の熱を放熱するラジエータと、燃料電池に接続され、燃料電池とラジエータとの間を冷却水が循環して流れる冷却水循環経路と、三方弁を介して、冷却水循環経路に接続され、ラジエータを迂回して冷却水を流すためのバイパス等により構成される。
そして、従来の燃料電池システムでは、冷却水の温度が高い場合、ラジエータに冷却水を流し、冷却水の温度が低い場合、バイパスに冷却水を流すように、三方弁を作動させることで、冷却水の温度を許容温度範囲内に維持している(例えば、特許文献1参照)。
なお、他の燃料電池システムとして、冷却水循環経路を流れる冷却水を加熱するために、電気ヒータを備えるものもある(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−253213号公報 特開2001−315524号公報
上記した前者の燃料電池システムでは、例えば、燃料電池の低負荷運転時のように、燃料電池の発熱量が小さい場合であって、外気温が低い場合には、冷却水経路を構成する配管等からの放熱量の方が、燃料電池の発熱量よりも多くなり、冷却水の温度が許容範囲よりも低くなる。
このような場合では、バイパスに冷却水を流し、ラジエータを迂回させても、冷却水温度が許容範囲よりも低くなってしまい、冷却水温度を許容範囲内に維持できなくなってしまう。
そして、燃料電池は発電時に水を発生し、発生した水は、燃料電池内で蒸発し、燃料電池内の空気通路を空気とともに流れることで、燃料電池の外部に放出されるところ、冷却水温度が許容範囲よりも低い場合、燃料電池内での蒸発量が少なくなり、燃料電池内に水分が多く存在してしまうことから、通常、燃料電池の運転停止時に行われる燃料電池内の水分を除去する水分除去処理の時間が長くなるという問題が生じる。
なお、冷却水の温度が低いとき、上記した後者の燃料電池システムのように、電気ヒータを用いて冷却水を加熱する方法が考えられる。しかし、この方法では、電気ヒータが電力を消費することから、燃料電池システム全体での燃費が悪くなるため、好ましくない。
また、燃料電池を冷却する冷却系として、冷却水の代わりに他の冷媒を用いる燃料電池システムにおいても、上記した問題と同様の問題が言える。
本発明は、上記点に鑑み、燃料電池を冷却する冷媒の温度が許容範囲よりも低下するのを抑制できる燃料電池システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、燃料電池(1)の内部と外部との間を循環して流れる第1の冷媒循環経路(21)と、電力変換装置(7)を冷却する冷媒が循環して流れる第2の冷媒循環経路(31)と、 第1の冷媒循環経路(21)と第2の冷媒循環経路(31)で、それぞれ、独立して冷媒が流れる第1の状態と、冷媒が第1の冷媒循環経路(21)から、第1の接続経路(41)を介して、電力変換装置(7)内を流れた後、第2の接続経路(42)を介して、第1の冷媒循環経路(21)に戻って流れる第2の状態との間を切り替え可能とする切り替え手段(43、44、51、52、53)とを備えることを特徴としている。
本発明によれば、第1の温度検出手段(27)が検出した第1の冷媒循環経路(21)を流れる冷媒の温度が第1の所定温度よりも低い場合に、切り替え手段(43、44、51、52、53)が第1の状態から第2の状態への切り替えを行うことで、電力変換装置自体の発熱を利用して、第1の冷媒循環経路の冷媒を加熱することができる。これにより、第1の冷媒循環経路の冷媒温度が許容範囲よりも低下するのを抑制できる。
また、本発明では、切り替え手段(43、44、51、52、53)が第1の状態から第2の状態への切り替えを行った場合、第2の冷媒循環手段(32)が停止し、第1の冷媒循環手段(22)が作動することにより、冷媒が流れるようになっていることを他の特徴としている。
このように第2の冷媒循環手段を停止させることで、第2の冷媒循環手段を常に運転させる場合と比較して、燃料電池システムの消費動力を低減することができる
また、本発明では、切り替え手段(43、44、51、52、53)が、第2の冷媒循環手段(32)が停止した後に、第1の状態から第2の状態への切り替えを行うようになっていることを他の特徴としている。
また、本発明では、切り替え手段(43、44、51、52、53)が第2の状態にしている場合であって、第2の温度検出手段(27)が検出した温度が第2の所定温度よりも高い場合に、切り替え手段(43、44、51、52、53)が第2の状態から第1の状態への切り替えを行うようになっていることを他の特徴としている。
これにより、燃料電池(1)の負荷が増加して、冷媒温度が電力変換装置(7)の許容温度を上回りそうなときには、切り替え手段(43、44、51、52、53)が第2の状態から第1の状態への切り替えを行うことで、電力変換装置(7)の温度を許容範囲内に維持することができる。
なお、第2の温度検出手段として、第1の温度検出手段を用いたり、第1の温度検出手段とは別の温度検出手段を用いたりすることができる。
また、本発明では、切り替え手段(43、44、51、52、53)が第2の状態から第1の状態への切り替えを行った後、第2の冷媒循環手段(32)が作動するようになっていることを他の特徴としている。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
(第1実施形態)
本実施形態では、本発明の燃料電池システムを電気自動車に適用した場合を例として説明する。図1に、本発明の第1実施形態における燃料電池システムの構成を示す。
図1に示すように、本実施形態の燃料電池システムは、燃料電池1と、燃料電池1に供給される空気が流れる空気供給経路2と、燃料電池1から排出される空気が流れる空気排出経路3と、燃料電池1に循環供給される水素ガスが流れる水素循環供給経路4と、水素ガス循環供給経路4から排出されるオフ水素ガスが流れる水素排出経路5と、燃料電池1を冷却する燃料電池用冷却系6と、電力変換装置7と、電力変換装置7を冷却する電力変換装置用冷却系8と、制御部9とを備えている。
燃料電池1は、電気化学反応により電力を発生させ、図示しない燃料電池が本来対象とする電気負荷、例えば、車両走行駆動源としての電動モータや、燃料電池システムを作動させる電気機器、例えば、図中の空気ポンプ、水素ポンプ等に電力を供給するものである。
燃料電池1は、下記に示す化学式のように、空気中の酸素と水素ガスとを電気化学反応させて電力を発生させる。
(負極側)H→2H+2e
(正極側)2H+1/2O+2e→H
なお、燃料電池1としては、例えば、固体高分子電解質型燃料電池を用いることができ、他の燃料電池を用いることもできる。
空気供給経路2と空気排出経路3は、例えば、配管により構成されている。空気供給経路2には、燃料電池1に空気を供給する空気ポンプ11が設けられており、空気排出経路3には、空気排出経路3内の圧力を調整する調圧バルブ12が設けられている。なお、空気ポンプ11のモータは、燃料電池1から電力変換装置7を介して供給される電力によって、作動するようになっている。
水素循環供給経路4と水素排出経路5は、例えば、配管により構成されている。水素循環供給経路4には、水素ガスを供給する水素タンク13と、調圧バルブ14と、水素ガスを循環させるために水素ガスを送り出す水素ポンプ15とが設けられており、水素排出経路5には、水素排気バルブ16が設けられている。なお、水素ポンプ15のモータは、燃料電池1から電力変換装置7を介して供給される電力によって、作動するようになっている。
燃料電池用冷却系6は、燃料電池1を適切な温度に維持するために、燃料電池1を冷却するシステムである。固体高分子型燃料電池では、電解質膜の耐熱温度や効率の点から、この冷却系6によって、燃料電池内が80℃前後に維持される。
燃料電池用冷却系6は、冷媒としての冷却水が流れる第1の冷却水循環経路21、冷却水を圧送する第1の冷却水ポンプ22、冷却水の放熱を行う第1のラジエータ23および第1のファン24等から構成されている。なお、第1の冷却水ポンプ22が冷媒を強制的に循環させる第1の冷媒循環手段に相当する。
ここで、図2に、第1の冷却水循環経路21における冷却水の流れ方向を示す。なお、図2には、後述する第2の冷却水循環経路31における冷却水の流れ方向も示している。また、図2では、図1と同一の構成部には図1と同一の符号を付している。
第1の冷却水循環経路21は、燃料電池1の冷却水入口1aおよび冷却水出口1bに接続されており、原則として、図2中の矢印で示すように、燃料電池1の内部とその外部に配置されている第1のラジエータ23との間で冷却水を循環して流すものである。なお、冷却水循環経路21は、例えば、配管により構成されている。
また、図1、2に示すように、第1の冷却水循環経路21には第1のラジエータ23を迂回させて、冷却水を流すためのバイパス25が設けられている。バイパス25と冷却水循環経路21とは、温調弁26を介して接続されている。温調弁26は、冷却水の温度調整を行うために、第1のラジエータ23に流れる冷却水流量とバイパス25に流れる冷却水流量とを調整可能に構成されている。この温調弁26によって、冷却水は、例えば、70〜90℃の範囲に制御される。
また、図1に示すように、第1の冷却水循環経路21には、冷却水の温度を検出する温度センサ27が設けられている。この温度センサ27は、例えば、燃料電池1の冷却水出口1bの近傍に配置されている。この温度センサ27は、検出結果を制御部9に出力するようになっている。
電力変換装置7は、燃料電池1から出力された直流電力を交流電力に変換する装置(インバータ)である。そして、電力変換装置用冷却系8は、電力変換装置7を構成する電子部品が発熱するので、この発熱する電子部品を冷却するシステムである。
電力変換装置用冷却系8は、冷媒としての冷却水が流れる第2の冷却水循環経路31、冷却水を圧送する第2の冷却水ポンプ32、冷却水の放熱を行う第2のラジエータ33および第2のファン34等から構成されている。なお、第2の冷却水ポンプ32が冷媒を強制的に循環させる第2の冷媒循環手段に相当する。
第2の冷却水循環経路31は、原則として、図2中の矢印で示すように、第1の冷却水循環経路21と独立して、電力変換装置7の内部とその外部に配置されている第2のラジエータ33との間で冷却水を循環して流すものである。この電力変換装置用冷却系8での冷却水の温度は、電力変換装置7の電子部品の温度が所定温度以上にならないように、60〜70℃以下に設定されている。
このように、燃料電池用冷却系6の冷却水は、最大許容温度が80〜90℃であるところ、電力変換装置用冷却系8の冷却水は、最大許容温度が60〜70℃と低いため、電力変換装置用冷却系8は、燃料電池冷却系6とは別に、設けられている。なお、本実施形態では、燃料電池用冷却系6での冷却水の最小許容温度と、電力変換装置用冷却系8での冷却水の最大許容温度とが、同じ70℃であるが、異なる場合もある。
さらに、本実施形態の燃料電池システムは、図1に示すように、これら2つの冷却系6、8を接続する第1、第2の接続経路41、42を備えている。第1の接続経路41は、燃料電池用冷却系6の冷却水を電力変換装置用冷却系8に向けて流す経路であり、第2の接続経路42は、電力変換装置用冷却系8の冷却水を燃料電池用冷却系6に向けて流す経路である。
ここで、第1の接続経路41の一端41aは、第1の冷却循環経路21のうち、第1の冷却水ポンプ22よりも図2に示す冷却水流れの下流側部分に、第1の三方弁43を介して、接続されている。一方、第1の接続経路41の他端41bは、第2の冷却水循環経路31のうち、電力変換装置7よりも図2に示す冷却水流れの上流側部分であって、第2のラジエータ33よりも図2に示す冷却水流れの下流側部分に接続されている。
また、第2の接続経路42の一端42aは、第2の冷却循環経路31のうち、電力変換装置7よりも図2に示す冷却水流れの下流側部分であって、第2のラジエータ33よりも図2に示す冷却水流れの上流側部分に、第2の三方弁44を介して、接続されている。一方、第2の接続経路42の他端42bが第1の冷却水循環経路21のうち、第1の三方弁43よりも図2に示す冷却水流れの下流側部分に接続されている。
そして、第1の三方弁43において、第1の接続経路41側の弁を閉じ、その他の弁を開け、第2の三方弁44において、第2の接続経路42側の弁を閉じ、その他の弁を開けた第1の状態のとき、図2に示すように、2つの冷却系6、8では、それぞれ、独立して冷却水が流れるようになっている。
一方、第1の三方弁43において、燃料電池1の冷却水入口1a側の弁を閉じ、その他の弁を開け、第2の三方弁44において、第2のラジエータ33側の弁を閉じ、その他の弁を開けた第2の状態のとき、図3中の矢印で示すように、第1の冷却水循環経路21から第1の接続経路41を介して、電力変換装置7内を流れた後、第2の接続経路42を介して、第1の冷却水循環経路21を冷却水が流れるようになっている。なお、図3では、本実施形態の2つの冷却系6、8を流れる冷却水の流れ方向を示している。
制御部9は、主に、第1の三方弁43、第2の三方弁44、第2の冷却水ポンプ32等の作動制御を行うものであり、これらに指示信号を出力するようになっている。また、制御部9は、温度センサ27から入力される検出温度に基づいて、後述する第1、第2の三方弁の切り替え制御を実行するようになっている。なお、制御部9は、CPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータとその周辺回路により構成されている。
次に、制御部9が実行する第1、第2の三方弁の切り替え制御について説明する。図4に、この第1、第2の三方弁の切り替え制御のフローチャートを示す。この第1、第2の三方弁の切り替え制御処理は、燃料電池1の運転中に、所定の周期で実行される。また、燃料電池1の運転が停止したときに、この処理は終了する。
燃料電池1の通常運転時では、第1の三方弁43と第2の三方弁44は、上記した第1の状態にされており、図2中の矢印のように、2つの冷却系6、8で、独立して冷却水が流れるようになっている。このとき、燃料電池用冷却系6の冷却水の温度は、例えば、70〜90℃である。
そのような状態において、ステップS1では、第1の温度検出手段としての温度センサ27から入力された検出結果と、あらかじめ記憶されている所定温度とを比較して、燃料電池用冷却系6の冷却水温度が第1の所定温度よりも低いか否か判定される。この第1の所定温度は、燃料電池用冷却系6の冷却水温度が許容温度範囲よりも低下しないように、任意に設定される温度であり、例えば、燃料電池用冷却系6の冷却水の許容下限温度である70℃に設定されている。
そして、燃料電池1の通常運転時では、冷却水温度が70℃よりも高いので、NOと判定され、ステップS1が再び実行される。
一方、燃料電池1の低負荷運転時のように、燃料電池1の発熱量が小さい場合であって、外気温が低い場合では、冷却水温度が70℃よりも低いので、YESと判定され、ステップS2に進む。
ステップS2では、電力変換装置用冷却系8の第2の冷却水ポンプ32に対して、指示信号を出力することで、第2の冷却水ポンプ32を停止させる。
続いて、ステップS3では、第1、第2の三方弁43、44に対して、指示信号を出力することで、第1、第2の三方弁43、44を作動させる。具体的には、第1、第2の三方弁43、44を上記した第1の状態から上記した第2の状態にする。
これにより、冷却水温度が70℃よりも低くなったとき、図2中の矢印のように、冷却水が2つの冷却系6、8で独立して流れる状態から、図3中の矢印のように、冷却水が第1の冷却水循環経路21から第1の接続経路41を介して、電力変換装置7内を流れた後、第2の接続経路42を介して、再び、第1の冷却水循環経路21を流れる状態に切り替わる。なお、このときでは、冷却水は、第1の冷却水ポンプ22によって、流れる。
ここで、電力変換装置7を構成する電子部品は、燃料電池1の低負荷運転時においても、定常的な発熱がある。したがって、電力変換装置7内を冷却水が流れるとき、電力変換装置7の電子部品が有する熱により、冷却水が加熱され、このように加熱された冷却水が第1の冷却水循環経路21に戻ることとなる。
続いて、ステップS4では、第2の温度検出手段としての温度センサ27から入力された検出結果と、あらかじめ記憶されている第2の所定温度とを比較して、燃料電池用冷却系6の冷却水温度が所定温度よりも高いか否か判定される。このときの第2の所定温度は、電力変換装置用冷却系8の冷却水温度が許容温度範囲よりも高くならないように、任意に設定される温度であり、例えば、電力変換装置用冷却系8の冷却水の許容上限温度である70℃に設定されている。そして、冷却水温度が70℃よりも低ければ、NOと判定され、図3中の矢印のように、冷却水が流れる状態のままとなり、その後、再び、ステップS4が実行される。一方、冷却水温度が70℃よりも高ければ、YESと判定され、ステップS5に進む。
なお、ここでは、温度センサ27の検出結果に基づいて判定しているが、温度センサ27とは別の温度センサの検出結果に基づいて判定することもできる。すなわち、第1、第2の温度検出手段として、温度センサ27を用いているが、第1、第2の温度検出手段を別々に設けることもできる。この場合、第2の温度検出手段としての温度センサを、燃料電池1から流出し、電力変換装置7に流入する前の冷却水の温度を検出できる位置に設ければ良く、例えば、図示しないが、第2の冷却循環経路31のうち、電力変換装置7の冷却水入口付近に設けることができる。
また、本実施形態では、燃料電池用冷却系6での冷却水の最小許容温度と、電力変換装置用冷却系8での冷却水の最大許容温度とが同じ70℃であるため、第2の所定温度が第1の所定温度と同じであるが、燃料電池用冷却系6での冷却水の最小許容温度と、電力変換装置用冷却系8での冷却水の最大許容温度とが異なる場合、第2の所定温度は第1の所定温度とは異なる温度となる。
ステップS5では、第1、第2の三方弁43、44に対して、指示信号を出力することで、第1、第2の三方弁43、44を作動させる。具体的には、第1、第2の三方弁43、44を上記した第2の状態から上記した第1の状態に戻す。
続いて、ステップS6では、電力変換装置用冷却系8の第2の冷却水ポンプ32に対して、指示信号を出力することで、第2の冷却水ポンプ32を運転させる。
これにより、冷却水温度が例えば70℃よりも高くなったとき、図2中の矢印のように、冷却水が2つの冷却系6、8で独立して流れる状態に戻る。その後、燃料電池用冷却系6と電力変換装置用冷却系8は、それぞれ。独立した状態で制御される。
本実施形態では、上記したステップS1〜S6が、燃料電池の運転が停止するまで繰り返される。
なお、ここでは、燃料電池1の通常運転時において、冷却水の温度が低下した場合に、制御部9が第1、第2の三方弁43、44等の切り替え制御を実行する場合を例として説明したが、燃料電池の暖機運転過程においても、上記した切り替え制御を実行することもできる。
通常、暖機運転過程では、燃料電池自身の発熱によって、燃料電池内部が低い温度から運転に適切な温度まで上昇する。そこで、上記した切り替え制御を実行することで、燃料電池冷却系6の冷却水を、電力変換装置7により加熱し、加熱された冷却水を用いて、燃料電池1の内部を加熱することもできる。
これにより、燃料電池の内部温度を早期に昇温させることができ、短い時間で安定発電域にすることができる。
次に、本実施形態の主な効果について説明する。
(1)本実施形態の燃料電池システムは、燃料電池1と、燃料電池用冷却系6を構成する第1の冷却水循環経路21と、電力変換装置7と、電力変換装置用冷却系8を構成する第2の冷却水循環経路31と、第1の冷却水循環経路21と第2の冷却水循環経路31とを接続する第1、第2の接続経路41、42と、第1、第2の接続経路41、42に接続されている第1、第2の三方弁43、44とを備えている。
そして、この燃料電池システムでは、第1、第2の三方弁43、44により、第1の冷却水循環経路21と第2の冷却水循環経路31で、それぞれ、独立して冷却水が流れる第1の状態と、冷却水が第1の冷却水循環経路21から、第1の接続経路41を介して、電力変換装置7内を流れた後、第2の接続経路42を介して、第1の冷却水循環経路21に戻って流れる第2の状態とを切り替えることが可能となっている。
したがって、本発明によれば、第1の冷却水循環経路21の冷却水温度が所定温度よりも低いとき、第1、第2の三方弁43、44により、第1の状態から第2の状態に切り替えることで、電力変換装置7自体の発熱を利用して、第1の冷却水循環経路21の冷媒を加熱することができる。
これにより、燃料電池1の低負荷運転時のように、燃料電池1の発熱量が小さい場合であって、外気温が低い場合であっても、燃料電池用冷却系6の冷却水温度が許容範囲よりも低下するのを抑制できる。
この結果、上記背景技術の欄で説明した特許文献1等に記載されている燃料電池システムと比較して、燃料電池の運転停止時に行われる燃料電池内の水分を除去する水分除去処理の時間を短縮できる。
また、本実施形態では、別途、冷却水を加熱する電気ヒータ等の加熱手段を設けていないので、上記背景技術の欄で説明した特許文献2のように、電力を利用する冷却水専用の加熱手段を備える燃料電池システムと比較して、燃料電池システムの燃費の悪化を抑制できる。
(2)本実施形態では、ステップS2で、第2の冷却水ポンプ32を停止させている。このように、第2の冷却水ポンプ32を停止させても、第1の冷却水ポンプ22が作動することにより、冷却水が流れるため、電力変換装置7の冷却は行われている。したがって、本実施形態によれば、例えば、燃料電池1の低負荷運転時においては、電力変換装置用冷却系8の第2の冷却水ポンプ32を停止することで、第2の冷却水ポンプ32を常に運転させる場合と比較して、燃料電池システムの消費動力を低減することができる。
(3)本実施形態では、冷却水温度が所定温度よりも高くなったとき、ステップS5、S6で、第1、第2の三方弁43、44を上記した第2の状態から上記した第1の状態に戻し、第2の冷却水ポンプ32の運転を再開させるようにしている。
これにより、燃料電池1の負荷が増加して、冷却水温度が電力変換装置7の許容温度を上回りそうなときには、2つの冷却系6、8を元の状態に戻すことで、電力変換装置7の温度を許容範囲内に維持することができる。
(第2実施形態)
図5に、本発明の第2実施形態における燃料電池システムの構成を示す。図5では、図1と同様の構成部に、図1と同一の符号を付している。
第1実施形態では、切り替え手段として、第1、第2の三方弁43、44を用いる場合を例として説明したのに対して、本実施形態では、図5に示すように、第1、第2の開放弁(ON−OFFバルブ)51、52を用いている。このように、第1、第2の三方弁43、44の代わりに、第1、第2の開放弁51、52を用いることもできる。
この場合、例えば、第1の開放弁51は第1の接続経路41の途中に配置され、第2の開放弁52は第2の接続経路42の途中に配置される。
また、本実施形態における制御部9が実施する第1、第2の開放弁51、52の切り替え制御は、第1実施形態と同様である。ただし、第1、第2の開放弁51、52が閉じている状態が、第1実施形態における第1の状態に相当し、第1、第2の開放弁51、52が開いている状態が、第1実施形態における第2の状態に相当する。
(第3実施形態)
図6に、本発明の第2実施形態における燃料電池システムの構成を示す。図6では、図1と同様の構成部に、図1と同一の符号を付している。
第1実施形態では、切り替え手段として、2つの三方弁43、44を用いる場合を例として説明し、第2実施形態では、切り替え手段として、2つの開放弁51、52を用いる場合を例として説明したが、本実施形態では、図6に示すように、1つの切り替え弁53を用いている。
ここで、図7(a)、(b)に、図6中の切り替え弁53の内部構造を示す。図7(a)、(b)に示すように、切り替え弁53は、長細い管54と、管54の内部に所定間隔で配置され、管54の内部空間を仕切る第1の仕切り部55、第2の仕切り部56、第3の仕切り部57および第4の仕切り部58と、これらの4つの仕切り部55〜58を連結させる軸59と、この軸59を管54の長手方向に移動させるモータ60とを備えている。
管54には、図7中の左下側に位置し、第1の冷却水循環経路21から冷却水が流入する第1の入口54aと、図7中の右上側に位置し、第1の冷却水循環経路21に向けて冷却水が流出する第1の出口54bと、図7中の右下側に位置し、第1の接続経路41に向けて冷却水が流出する第2の出口54cと、図7中の左上側に位置し、第2の接続経路42から冷却水が流入する第2の入口54dとを有している。
なお、これらの入口および出口は、管54の長手方向において、図7中の上側から順に、第2の入口54d、第1の出口54b、第1の入口54a、第2の出口54cとなっている。
このような構成の切り替え弁53は、図7(a)に示すように、管54の長手方向で、第1の仕切り部55が、第2の入口54dよりも第2の仕切り部57から離れた側に位置し、第2の仕切り部56が、第2の入口54dと第1の出口54bの間に位置し、第3の仕切り部57が、第1の入口54aと第2の出口54cの間に位置し、第4の仕切り部58が、第2の出口54cよりも第3の仕切り部57から離れた側に位置しているときが、第1実施形態における第1の状態に相当する。
このとき、第2の仕切り部56と第3の仕切り部57により挟まれた空間が、第1の入口54aと第1の出口54bとをつなぐ流路となり、図7(a)中の矢印のように、第1の冷却水循環経路21から流入した冷却水は、再び、第1の冷却水循環経路21に戻る。
一方、図7(b)に示すように、管54の長手方向で、第1の仕切り部55および第2の仕切り部56が、第2の入口54dよりも第3仕切り部57から離れた側に位置し、第3の仕切り部57が、第1の出口54bと第1の入口54aの間に位置し、第4の仕切り部58が、第2の出口54cよりも第3の仕切り部57から離れた側に位置しているときが、第1実施形態における第2の状態に相当する。
このとき、第2の仕切り部56と第3の仕切り部57により挟まれた空間が、第2の入口54dと第1の出口54bとをつなぐ流路となり、図7(b)中の矢印のように、第2の接続経路42から流入した冷却水は第1の冷却水循環経路21に向けて流れる。また、第3の仕切り部57と第4の仕切り部58により挟まれた空間が、第1の入口54aと第2の出口54cとをつなぐ流路となり、第1の冷却水循環経路21から流入した冷却水は第1の接続経路41に向けて流れる。
このように、切り替え手段として、第1、第2実施形態における2つの切り替え弁を一体化した機能を有する切り替え弁53を用いることもできる。
(他の実施形態)
(1)第1実施形態では、第1、第2の三方弁43、44の状態を、第1の三方弁43において、燃料電池1の冷却水入口1a側の弁を閉じ、その他の弁を開けることで、第1の状態から第2の状態に完全に切り替える場合を例として説明したが、燃料電池1の冷却水入口1a側の弁を開けた状態にすることもできる。すなわち、第1の三方弁43から、燃料電池1側と電力変換装置7側に、それぞれ、冷却水を分流させることもできる。
(2)上記した各実施形態では、接続経路として、第1の接続経路41と第2の接続経路42を設けた場合を例として説明したが、接続経路の数や接続箇所については、冷却水が第1の冷却水循環経路21から、電力変換装置7内を流れた後、第1の冷却水循環経路21に戻って流れるようになっていれば、図1に示す場合に限らず、他に変更することもできる。
(3)上記した各実施形態では、酸素を主成分とする酸化剤ガスと水素を主成分とする燃料ガスとして、それぞれ、空気と水素ガスを用いる場合を例として説明したが、他のものを用いることもできる。例えば、酸化剤ガスとして、純粋な酸素等を用い、燃料ガスとして、天然ガス等を用いることもできる。
(4)上記した各実施形態では、燃料電池用冷却系6、電力変換装置用冷却系8を流れる冷媒として、冷却水を用いる場合を例として説明したが、冷却水に限らず、他の冷媒を用いることもできる。
(5)上記した各実施形態では、本発明の燃料電池システムを、電気自動車に適用する場合を例として説明したが、電気自動車に限らず、船舶等の他の移動体用発電機あるいは家庭用、業務用発電機に適用することもできる。
本発明の第1実施形態における燃料電池システムの構成を示す図である。 図1の燃料電池システムにおいて、第1の冷却水循環経路21と第2の冷却水循環経路31における冷却水の流れ方向の一例を示す図である。 図1の燃料電池システムにおいて、第1の冷却水循環経路21と第2の冷却水循環経路31における冷却水の流れ方向の他の例を示す図である。 図1中の制御部9が実行する第1、第2の三方弁の切り替え制御のフローチャートである。 本発明の第2実施形態における燃料電池システムの構成を示す図である。 本発明の第3実施形態における燃料電池システムの構成を示す図である。 図6中の切り替え弁53の内部構成を示す図である。
符号の説明
1…燃料電池、6…燃料電池用冷却系、7…電力変換装置、
8…電力変換装置用冷却系、9…制御部、
21…第1の冷却水循環経路、22…第1の冷却水ポンプ、23…第1のラジエータ、
31…第2の冷却水循環経路、32…第2の冷却水ポンプ、33…第2のラジエータ、
41…第1の接続経路、42…第2の接続経路、43…第1の三方弁、
44…第2の三方弁、51…第1の開放弁、
52…第2の開放弁、53…切り替え弁。

Claims (6)

  1. 酸素を主成分とする酸化剤ガスと水素を主成分とする燃料ガスとを電気化学反応させて電力を発生させる燃料電池(1)と、
    前記燃料電池(1)に接続されており、前記燃料電池(1)を冷却する冷媒が、前記燃料電池(1)の内部と外部との間を循環して流れる第1の冷媒循環経路(21)と、
    前記燃料電池(1)から発生した電力を変換する電力変換装置(7)と、
    前記電力変換装置(7)に接続され、前記電力変換装置(7)を冷却する冷媒が循環して流れる第2の冷媒循環経路(31)と、
    前記第1の冷媒循環経路(21)と前記第2の冷媒循環経路(31)と接続する第1、第2の接続経路(41、42)と、
    前記第1、第2の接続経路(41、42)に接続され、前記第1の冷媒循環経路(21)と前記第2の冷媒循環経路(31)で、それぞれ、独立して冷媒が流れる第1の状態と、冷媒が前記第1の冷媒循環経路(21)から、前記第1の接続経路(41)を介して、前記電力変換装置(7)内を流れた後、前記第2の接続経路(42)を介して、前記第1の冷媒循環経路(21)に戻って流れる第2の状態との間を切り替え可能とする切り替え手段(43、44、51、52、53)とを備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記第1の冷媒循環経路(21)を流れる冷媒の温度を検出する第1の温度検出手段(27)を備え、
    前記第1の温度検出手段(27)が検出した温度が第1の所定温度よりも低い場合に、前記切り替え手段(43、44、51、52、53)が前記第1の状態から前記第2の状態への切り替えを行うようになっていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記第1の冷媒循環経路(21)に設けられ、冷媒を強制的に循環させる第1の冷媒循環手段(22)と、
    前記第2の冷媒循環経路(31)に設けられ、冷媒を強制的に循環させる第2の冷媒循環手段(32)とを備え、
    前記切り替え手段(43、44、51、52、53)が前記第1の状態から前記第2の状態への切り替えを行った場合、前記第2の冷媒循環手段(32)が停止し、前記第1の冷媒循環手段(22)が作動することにより、冷媒が流れるようになっていることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記切り替え手段(43、44、51、52、53)は、前記第2の冷媒循環手段(32)が停止した後に、前記第1の状態から前記第2の状態への切り替えを行うようになっていることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記燃料電池(1)から流出し、前記電力変換装置(7)に流入する前の冷媒の温度を検出する第2の温度検出手段(27)を備え、
    前記切り替え手段(43、44、51、52、53)が前記第2の状態にしている場合であって、前記第2の温度検出手段(27)が検出した温度が第2の所定温度よりも高い場合に、前記切り替え手段(43、44、51、52、53)が前記第2の状態から前記第1の状態への切り替えを行うようになっていることを特徴とする請求項3または4に記載の燃料電池システム。
  6. 前記切り替え手段(43、44、51、52、53)が前記第2の状態から前記第1の状態への切り替えを行った後、前記第2の冷媒循環手段(32)が作動するようになっていることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。

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