JP2007154355A - メタ型芳香族ポリアミド繊維及びその製造法 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐熱強度保持性に優れたメタ型芳香族ポリアミド繊維及びその製造法を提供する。
【解決手段】前記課題は、繊維を構成するメタ型芳香族ポリアミド中のカルボ末端基量が30mmol/kg未満であることを特徴とする耐熱強度保持性の優れたメタ型芳香族ポリアミド繊維によって達成される。該繊維は、メタ型芳香族ジアミンとメタ型芳香族ジカルボン酸ハライドとの重合反応から得られるポリマー溶液を湿式紡糸して繊維を製造する際、重合反応させる芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸ハライドの比率を、芳香族ジアミン50.05〜50.25モル%、芳香族ジカルボン酸ハライド49.75〜49.95モル%として反応させ、必要に応じ重合反応の反応中又は反応後にアミノ末端の封止剤を添加したメタ型芳香族ポリアミドを湿式紡糸することにより製造される。
【選択図】なし
【解決手段】前記課題は、繊維を構成するメタ型芳香族ポリアミド中のカルボ末端基量が30mmol/kg未満であることを特徴とする耐熱強度保持性の優れたメタ型芳香族ポリアミド繊維によって達成される。該繊維は、メタ型芳香族ジアミンとメタ型芳香族ジカルボン酸ハライドとの重合反応から得られるポリマー溶液を湿式紡糸して繊維を製造する際、重合反応させる芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸ハライドの比率を、芳香族ジアミン50.05〜50.25モル%、芳香族ジカルボン酸ハライド49.75〜49.95モル%として反応させ、必要に応じ重合反応の反応中又は反応後にアミノ末端の封止剤を添加したメタ型芳香族ポリアミドを湿式紡糸することにより製造される。
【選択図】なし
Description
本発明は、耐熱強度保持性に優れたメタ型芳香族ポリアミド繊維及びその製造法に関するものである。
メタ型芳香族ポリアミドは分子骨格が殆ど芳香族環から構成されているため、優れた耐熱性と寸法安定性とを有しており、産業用途において繊維、フィルム、ペーパーとして耐熱性、耐炎性が重視される用途に用いられているが、近年さらなる耐熱性の向上が求められている。
メタ型芳香族ポリアミドは、特公昭35−13247号公報(特許文献1)に記載の界面重合法あるいは特公昭35−14399号公報(特許文献2)に記載のいわゆる低温溶液重合法に従って芳香族ジカルボン酸ハライド及び芳香族ジアミン及び/又は芳香族アミノカルボン酸クロライドをほぼ等モル量で重合せしめることにより製造される。
しかしながら、芳香族ジアミン成分と芳香族ジカルボン酸ハライド成分とを等モル量で重合させた場合、得られたポリマーにおける末端基として−COOHと−COO−(以下「カルボ末端」と呼称)が増えることから、これを紡糸して繊維にしたときの耐熱強度保持性が悪化する。
また、特開昭62−177021号公報(特許文献3)には、芳香族ポリアミドの三元又は四元共重合体の製造において、ポリマー中の末端を、無水酢酸、塩化ベンゾイル等の酸クロリド類、プロピルアミンやブチルアミン、アニリン等の1級又は2級モノアミン類、あるいは、フェノール、クレゾール等のものヒドロキシ化合物類を加えることで末端基を封止する方法が記載されているが、重合後に末端封止剤を加えても重合溶液が高粘度のため均一な末端封鎖が難しく、重合前に末端封止剤を加える場合、低分子量成分が増加するため紡糸性への影響が大きいという問題点があった。
本発明は、このような従来技術の現状を背景になされたもので、その目的とするところは、耐熱強度保持性に優れたメタ型芳香族ポリアミド繊維を提供すること、そして、このようなメタ型芳香族ポリアミド繊維を工業的に製造する方法を提供すること、にある。
本発明者らは、前述の目的を達成するために、鋭意検討した結果、カルボ末端基量が一定量以下のメタ型芳香族ポリアミド繊維とすることで耐熱強度保持性の向上が可能であることを見出し、かかる知見に基づいて研究を重ね、本発明に到達した。
すなわち、本発明によれば、前述の課題を達成する手段として、繊維を構成するメタ型芳香族ポリアミド中のカルボ末端基量が30mmol/kg未満(すなわち、ポリマー106g当り30当量未満)であることを特徴とする耐熱強度保持性の良好なメタ型芳香族ポリアミド繊維が提供される。そして、本発明の好適な実施形態では、250℃100時間処理後におけるシルクファクターの保持率で表される耐熱強度保持率が60%以上という特にすぐれた耐熱強度保持性を有するメタ型芳香族ポリアミド繊維が提供される。
また、本発明によれば、かかる耐熱強度保持性の良好なメタ型芳香族ポリアミド繊維の製造法として、メタ型芳香族ジアミンとメタ型芳香族ジカルボン酸ハライドとの重合反応から得られるポリマー溶液を湿式紡糸して繊維を製造するに際し、重合反応させる芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸ハライドの比率を、芳香族ジアミン50.05〜50.25モル%、芳香族ジカルボン酸ハライド49.75〜49.95モル%として反応させることによりカルボ末端基量が30mmol/kg未満のメタ型芳香族ポリアミドを形成しこのメタ型芳香族ポリアミドのアミド系溶媒溶液を湿式紡糸し、延伸・熱処理することを特徴とするメタ系芳香族ポリアミド繊維の製造法、さらには、該方法において、重合反応の反応中又は反応後に、重合系に対しアミノ末端の封止剤を添加することを特徴とする製造法が提供される。
以上のごとき本発明のメタ型芳香族ポリアミド繊維は、耐熱強度保持性に優れているので、従来のメタ型芳香族ポリアミド繊維よりも厳しい耐熱性を要求される用途、例えば、消防服や炉前作業服等の防護服素材、燃焼ガスのフィルター素材、耐熱絶縁紙の素材等の分野で有効である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明に係るメタ型芳香族ポリアミド繊維は、以下に例示されるメタ型芳香族ジアミンとメタ型芳香族ジカルボン酸ハライドとの反応から得られるメタ型芳香族ポリアミドの溶液から湿式紡糸で得られる繊維であるが、該メタ型芳香族ポリアミドは、本発明の目的を阻害しない範囲内でパラ型等の他の共重合成分を有していてもよい。
本発明に係るメタ型芳香族ポリアミド繊維は、以下に例示されるメタ型芳香族ジアミンとメタ型芳香族ジカルボン酸ハライドとの反応から得られるメタ型芳香族ポリアミドの溶液から湿式紡糸で得られる繊維であるが、該メタ型芳香族ポリアミドは、本発明の目的を阻害しない範囲内でパラ型等の他の共重合成分を有していてもよい。
前記メタ型芳香族ポリアミドの原料となるメタ型芳香族ジアミンとしては、メタフェニレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン等及びこれらの芳香環にハロゲン、炭素数1〜3のアルキルキ基等の置換基を有する誘導体(例えば2,4−トルイレンジアミン、2,6−トルイレンジアミン、2,4−ジアミノクロルベンゼン、2,6−ジアミノクロルベンゼン)等を使用することができる。なかでも、メタフェニレンジアミンの単独使用か又はメタフェニレンジアミンに他の芳香族ジアミンを混合した、メタフェニレンジアミンを80モル%以上、好ましくは90モル%以上、特に好ましくは95モル%以上、含有する混合ジアミンの使用が好ましい。
また、メタ型芳香族ジカルボン酸ハライドとしては、イソフタル酸クロライド、イソフタル酸ブロマイド等のイソフタル酸ハライド、及びこれらの芳香環にハロゲン、炭素数1〜3のアルコキシ基等の置換基を有する誘導体、例えば3−クロルイソフタル酸クロライド、3−メトキシイソフタル酸クロライド等を使用することができる。なかでも、イソフタル酸クロライドの単独使用か又はこれに前記他の芳香族ジカルボン酸ハライドを混合してなる、イソフタル酸クロライドを80モル%以上、好ましくは90モル%以上、特に好ましくは95モル%以上、含有する混合カルボン酸ハライドの使用が好ましい。
前記ジアミンとカルボン酸ハライド以外で使用し得る共重合成分としては、芳香族ジアミンとして、パラフェニレンジアミン、2,5−ジアミノクロルベンゼン、2,5−ジアミノブロムベンゼン、アミノアニシジン等のベンゼン誘導体、1,5−ナフチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、4,4’−ジアミンジフェニルアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等が挙げられ、一方、芳香族ジカルボン酸ハライドとして、テレフタル酸クロライド、1,4−ナフタレンジカルボン酸クロライド、2,6−ナフタレンジカルボン酸クロライド、4,4’−ビフェニルジカルボン酸クロライド、4,4’−ジフェニルエーテルカルボン酸クロライド等が挙げられる。これらの共重合成分の共重合量は、あまりに多くなりすぎるとメタ型芳香族ポリアミドの特性が低下しやすいので、好ましくはポリアミドの全酸成分を基準として20モル%以下、特に0〜10モル%が適当である。
本発明において特に好ましく使用されるメタ型芳香族ポリアミドは、全繰返し単位の80モル%以上、好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95〜100モル%以上、がメタフェニレンイソフタルアミド単位からなるポリアミドであり、特に好ましいものは、全繰返し単位がメタフェニレンイソフタルアミド単位からなるホモポリアミドである。
重合反応は、通常、これらの芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸ハライドとを極性アミド系溶媒中で反応させる溶液重合法が採用される。本発明では、このような重合反応において、ポリマー中のカルボ末端基量が30mmol/kg未満、特に好ましくは5〜20mmol/kgのメタ型芳香族ポリアミドが得られるように、重合条件を調整する必要がある。
なお、ここでいう「カルボ末端基量」とは、ポリマー鎖の末端に存在するCOOH及びCOO―のモル数をポリマー1Kg当りで表示した値であり、ポリマー0.04gと等量のCaCl2を0.7gのDMAcに溶解後、1H−NMRで測定することにより求めることができる。
かかるカルボ末端基量のメタ型芳香族ポリアミドを得るためには、重合反応させる芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸ハライドの比率は、芳香族ジアミンが50.05モル%以上、芳香族ジカルボン酸ハライド49.95モル%以下とするのが適当であり、特に、芳香族ジアミン50.05〜50.25モル%、芳香族ジカルボン酸ハライド49.75〜49.95モル%、すなわち、芳香族ジアミン/芳香族ジカルボン酸ハライドのモル比=50.05/49.95〜50.25/49.75の範囲とするのが好ましい。
重合反応させる芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸ハライドとの比率が前記範囲以外では、良好な生産性及び経済性の下で、カルボ末端基量が30mmol/kg未満のメタ型芳香族ポリアミドを得ることが困難であり、例えば、1級又は2級モノアミンでカルボ末端基を封止する方法は、重合後に末端封止剤を加えても重合溶液が高粘度のため均一な末端封鎖が難しく、重合前に末端封止剤を加える場合、低分子量成分が増加するため紡糸性への影響が大きいという問題点があるので、湿式紡糸を前提とする本発明では使用に適さない。
なお、本発明では、重合反応の反応中又は反応後にアミノ末端の封止剤を添加することで、重合度の調節を行うことができる。このようなアミノ末端封止剤としては、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水カプロン酸、無水イソ酪酸、無水フタル酸、無水安息香酸等の酸無水物類、ならびに、塩化アセチル、塩化プロピオニル、塩化ブチリル、塩化ベンゾイル、塩化カプロイル等の酸クロリド類等が挙げられる。
かかるメタ型芳香族ポリアミド(以下「ポリマー」ということがある)の重合度は、30℃の濃硫酸を溶媒として測定した固有粘度(IV)が1.0〜1.6となる範囲が適当である。
本発明では、このようにして得られたカルボ末端基量が30mmol/kg未満、特に好ましくはカルボ末端基量が5〜20mmol/kg未満のメタ型芳香族ポリアミドが極性アミド系溶媒を溶解した溶液を紡糸口金から湿式紡糸し、繊維とする。メタ型芳香族ポリアミド溶液の紡糸方法としては、乾式紡糸も知られているが、乾式紡糸は多くの点で生産性が劣るばかりでなく、物性、耐熱性等の良好な繊維を得ることが難しいので、好ましくない。
本発明の繊維を製造する際、紡糸原液となるメタ型芳香族ポリアミド溶液の調製に用いる極性アミド系溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルフォルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の極性有機溶媒が挙げられ、なかでもNMP又はDMAcが好ましい。
以上に説明したメタ型芳香族ポリアミド溶液は、重合反応で副生した塩化水素を溶媒に可溶性の塩を形成する中和剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸リチウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム等の無機アルカリで中和することで紡糸原液とすることができる。
また、紡糸性を改善するため、重合工程の中和反応により生成される塩が溶媒に不溶となるようなアンモニア、固体炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの水溶液等を中和剤の一部として使用し、得られた溶液を濾過処理するなどして、無機塩の含有量を調整した紡糸原液を湿式紡糸してもよい(特公昭35−14399号公報、特開2001−114889号公報参照)。
また、湿式紡糸時に繊維中への凝固液の浸透を制御するため、中和後の無機塩を含有する溶液に、特定量のアミド系溶媒及び水を添加して重合体濃度及び水濃度を特定範囲にしたものを紡糸原液として湿式紡糸に供してもよい(特開2001−115333号公報参照)。
湿式紡糸に際しては、従来公知の湿式紡糸装置を使用し、前記紡糸原液を直接凝固液中に押し出して繊維状に凝固させる。そして、凝固した該繊維は、凝固浴から引き出し、水洗工程(好ましくは多段の水洗工程)を経て繊維中の残存溶媒濃度を調整した後、温水中で延伸し、乾燥、熱セット等が施される。
この際使用される紡糸口金の紡糸孔数は、50〜1000個のフィラメント用でもよいし、1000〜30000個のスフ用の紡糸口金を使用してもよい。紡糸孔径は0.05〜0.2mmが一般に用いられる。紡糸時の該メタ型芳香族ポリアミド溶液の温度は、25〜90℃の範囲が適当である。凝固液としては、従来公知の無機塩の水溶液を使用することができる。例えば、塩化カルシウム濃度が34〜42重量%、NMP濃度が5〜10重量%の水溶液が好ましいものとして例示される。該凝固液の温度は80〜95℃の範囲が適当である。
凝固した繊維を凝固浴から引き出す速度は5〜25m/分の範囲が可能であるが、生産性を向上させる本発明の目的の観点からは10〜25m/分の範囲とするのが好ましい。凝固液中への繊維の浸漬時間は、1.0〜11秒の範囲が適当である。
凝固液から引き出された繊維は、水洗工程を経て温水延伸工程へ送られるが、該水洗工程は多段で行うのが好ましい。すなわち、凝固液から引き出された繊維は60℃以下、好ましくは0〜50℃、に冷却した後に30℃以下、好ましくは−20〜20℃、の第1水洗浴に導入される。この第1水洗浴の有機極性溶媒(例えばNMP)濃度は15〜25重量%の範囲が好ましく、この濃度が維持できるように補充される水洗水の流量及び該水洗水中の溶媒濃度が決められる。第1水洗浴中への繊維の浸漬時間は8〜30秒が好ましい。この第1水洗浴に続いて、30〜85℃の第2水洗浴に導入して繊維の洗浄が行われる。これらの水洗浴に補充される水洗水量及び該水洗水中の溶媒濃度、ならびに、水洗浴中への繊維の浸漬時間は、水洗工程を出る繊維中の残留溶媒量がポリマー対比12〜25重量%、繊維中のカルシウム濃度が0.5重量%以下になるように適宜選択設定される。
水洗工程で残留溶媒量及びカルシウム量が調整された繊維は、次いで、温水延伸工程で2.0〜4.0倍、好ましくは2.8〜3.5倍、に延伸しながら、残留する溶媒及びカルシウム塩が洗浄除去される。この延伸は、工程調子を良好に保つためには2段以上、好ましくは3段以上の多段延伸とするのが好ましい。
延伸された繊維は、100℃以上の温度で乾燥し、次いで加熱ローラ、熱板等で250〜400℃の温度、好ましくは270〜350℃の温度、で熱セットされる。この熱セットは定長処理が好ましいが、10%以下の制限収縮又は1.1倍以下の延伸下の処理であっても構わない。
このようにして得られた本発明のメタ型芳香族ポリアミド繊維は、必要に応じてトウとして収缶したり、巻き取ったり、あるいは直接後工程に送って必要に応じ捲縮を付与した後にカットして短繊維として、後工程に供給される。
本発明者らの研究によれば、メタ型芳香族ポリアミド繊維を長時間にわたり高温に曝したときの強伸度保持率は、該繊維を構成するポリマーのカルボ末端基の量によって支配されることが分かった。そして、該繊維を構成するポリマーのカルボ末端基量が30mmol/kg未満、特に好ましくはカルボ末端基量が5〜20mmol/kgに調製したメタ型芳香族ポリアミド繊維は、250℃100時間処理後におけるシルクファクターの保持率で表される耐熱強度保持率が60%以上、好適な実施態様では65〜90%、という格段にすぐれた耐熱強度保持性を有することが確認された。これに対し、カルボ末端基量が30mmol/kg又はそれ以上のものは、耐熱強度保持率が60%を下回るため、長時間の耐熱性が要求される分野での使用には適合しない。
次に、実施例及び比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
なお、実施例中における各特性値は以下の方法で測定した。固有粘度(IV)と末端基組成は、ポリマー段階で測定しているが、これらの測定値が繊維での測定値と変らないことは、従来の多くの測定実験で確認されているところである。
なお、実施例中における各特性値は以下の方法で測定した。固有粘度(IV)と末端基組成は、ポリマー段階で測定しているが、これらの測定値が繊維での測定値と変らないことは、従来の多くの測定実験で確認されているところである。
<固有粘度(IV)>
ポリマーを97%濃硫酸に溶解し、オストワルド粘度計を用い30℃で測定した。
<カルボ末端基量>
ポリマー0.04gと等量のCaCl2を0.7gのDMAcに溶解後、1H−NMRで測定し、ポリマー1kg当りの等量(モル数)で表示した。
<繊度>
JIS−L−1015に準拠して測定した。
<強度、伸度>
トウを構成する繊維について、JIS−L−1074に準拠し、試長20mm、初荷重0.044cN/dtex、伸長速度20mm/分で測定した。
<耐熱強度保持率>
トウを構成する繊維の熱処理前のシルクファクターSF0及び250℃100時間処理後のシルクファクターSF100を求め、前述の式(2)で算出した。
ポリマーを97%濃硫酸に溶解し、オストワルド粘度計を用い30℃で測定した。
<カルボ末端基量>
ポリマー0.04gと等量のCaCl2を0.7gのDMAcに溶解後、1H−NMRで測定し、ポリマー1kg当りの等量(モル数)で表示した。
<繊度>
JIS−L−1015に準拠して測定した。
<強度、伸度>
トウを構成する繊維について、JIS−L−1074に準拠し、試長20mm、初荷重0.044cN/dtex、伸長速度20mm/分で測定した。
<耐熱強度保持率>
トウを構成する繊維の熱処理前のシルクファクターSF0及び250℃100時間処理後のシルクファクターSF100を求め、前述の式(2)で算出した。
[実施例1]
温度計、撹拌装置及び原料投入口を備えた反応容器に、水分率が100ppm以下のNMP721.5重量部を入れ、このNMP中にメタフェニレンジアミン97.2重量部(50.18モル%)を溶解し、0℃に冷却した。この冷却したジアミン溶液にイソフタル酸クロライド181.3重量部(49.82モル%)を徐々に撹拌しながら添加し反応させた。この反応で溶液の温度は70℃に上昇した。粘度変化が止まった後、塩化ベンゾイル0.4重量部を加え、反応開始から40分攪拌を継続した後、平均粒径が10μmの水酸化カルシウム粉末を66.6重量部添加し、40分間撹拌して反応を終了させ重合溶液を取り出し、透明な重合溶液を得た。
温度計、撹拌装置及び原料投入口を備えた反応容器に、水分率が100ppm以下のNMP721.5重量部を入れ、このNMP中にメタフェニレンジアミン97.2重量部(50.18モル%)を溶解し、0℃に冷却した。この冷却したジアミン溶液にイソフタル酸クロライド181.3重量部(49.82モル%)を徐々に撹拌しながら添加し反応させた。この反応で溶液の温度は70℃に上昇した。粘度変化が止まった後、塩化ベンゾイル0.4重量部を加え、反応開始から40分攪拌を継続した後、平均粒径が10μmの水酸化カルシウム粉末を66.6重量部添加し、40分間撹拌して反応を終了させ重合溶液を取り出し、透明な重合溶液を得た。
この重合溶液からポリメタフェニレンイソフタルアミドを単離して、固有粘度(IV)を測定したところ1.25であり、1H−NMRでカルボ末端量を評価したところ13mmol/kgであった。また、この溶液のポリマー濃度は20重量%であった。
次に、前記溶液を減圧脱泡して紡糸原液とし、15000個の孔径0.07mmを有する吐出孔群が穿設された紡糸口金から85℃の凝固浴中に吐出して紡糸した。
このとき、この凝固浴の組成は、塩化カルシウムが40重量%、NMPが5重量%、残りの水が55重量%であり、浸漬長(有効凝固浴長)500mmにて糸速10m/分で通過させた後、いったん空気中に引き出した。
このとき、この凝固浴の組成は、塩化カルシウムが40重量%、NMPが5重量%、残りの水が55重量%であり、浸漬長(有効凝固浴長)500mmにて糸速10m/分で通過させた後、いったん空気中に引き出した。
この繊維を50℃まで冷却した後、水温25℃の第1水洗浴に導入し、次いで水温45℃の第2水洗浴、水温70℃の第3水洗浴を通して繊維中の残留溶媒がポリマー対比18重量%になるまで水洗した。この際、第1水洗浴の水溶液組成はNMP22重量%、塩化カルシウム14重量%とした。
水洗後の繊維を引き続き98℃の温水中で、第1段延伸倍率1.4倍、第2段延伸倍率1.95倍、第3段延伸倍率1.1倍の3段延伸を行なった。温水延伸終了後の繊維束を走行中に観察したところ、毛羽は1ヶ/分未満と良好でかつ光沢のある繊維であった。
この延伸繊維を70℃の乾燥ローラを通して乾燥した後、200℃の予熱ローラで予熱し、次いで340℃のローラで熱セットし、冷却ローラで30℃まで冷却後、油剤を塗布して巻き取り33000dtex/15000フィラメントの延伸トウを得た。
この延伸トウを構成するポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維の250℃熱処理前後でのシルクファクター及びこれから求めた耐熱強度保持率を後掲の表1に示す。
この延伸繊維を70℃の乾燥ローラを通して乾燥した後、200℃の予熱ローラで予熱し、次いで340℃のローラで熱セットし、冷却ローラで30℃まで冷却後、油剤を塗布して巻き取り33000dtex/15000フィラメントの延伸トウを得た。
この延伸トウを構成するポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維の250℃熱処理前後でのシルクファクター及びこれから求めた耐熱強度保持率を後掲の表1に示す。
[実施例2]
実施例1と同様にして、NMP753.8重量部を入れ、このNMP中にメタフェニレンジアミン85.7重量部(50.06モル%)を溶解し、0℃に冷却した。この冷却したジアミン溶液にイソフタル酸クロライド160.5重量部(49.94モル%)を徐々に攪拌しながら添加し反応させた。この反応で溶液の温度は70℃に上昇した。粘度変化が止まった後、塩化ベンゾイル0.2重量部を加え、反応開始から40分攪拌を継続した後、平均粒径が10μmの水酸化カルシウム粉末を58.7重量部添加し、40分間攪拌して反応を終了させ重合溶液を取り出し、透明な重合溶液を得た。
実施例1と同様にして、NMP753.8重量部を入れ、このNMP中にメタフェニレンジアミン85.7重量部(50.06モル%)を溶解し、0℃に冷却した。この冷却したジアミン溶液にイソフタル酸クロライド160.5重量部(49.94モル%)を徐々に攪拌しながら添加し反応させた。この反応で溶液の温度は70℃に上昇した。粘度変化が止まった後、塩化ベンゾイル0.2重量部を加え、反応開始から40分攪拌を継続した後、平均粒径が10μmの水酸化カルシウム粉末を58.7重量部添加し、40分間攪拌して反応を終了させ重合溶液を取り出し、透明な重合溶液を得た。
この重合溶液からポリメタフェニレンイソフタルアミドを単離して、固有粘度(IV)を測定したところ1.45であり、1H−NMRでカルボ末端量を評価したところ28mmol/kgであった。また、この溶液のポリマー濃度は17.8重量%であった。
この紡糸原液を、実施例1と同様にして凝固、水洗、温水延伸した。温水延伸終了後の繊維束を走行中に観察したところ、毛羽は1ヶ/分未満と良好でかつ光沢のある繊維であった。
この紡糸原液を、実施例1と同様にして凝固、水洗、温水延伸した。温水延伸終了後の繊維束を走行中に観察したところ、毛羽は1ヶ/分未満と良好でかつ光沢のある繊維であった。
この延伸繊維を70℃の乾燥ローラを通して乾燥した後、200℃の予熱ローラで予熱し、次いで340℃のローラで熱セットし、冷却ローラで30℃まで冷却後、油剤を塗布して巻き取り33000dtex/15000フィラメントの延伸トウを得た。
この延伸トウを構成するポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維の250℃熱処理前後でのシルクファクター及びこれから求めた耐熱強度保持率を後掲の表1に示す。
この延伸トウを構成するポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維の250℃熱処理前後でのシルクファクター及びこれから求めた耐熱強度保持率を後掲の表1に示す。
[比較例1]
実施例1と同様にして、NMP731.5重量部を入れ、このNMP中にメタフェニレンジアミン93.4重量部(50.03モル%)を溶解し、0℃に冷却した。この冷却したジアミン溶液にイソフタル酸クロライド(175.1重量部(49.97モル%)を徐々に攪拌しながら添加し反応させた。この反応で溶液の温度は70℃に上昇した。粘度変化が止まった後、塩化ベンゾイル0.05重量部を加え、反応開始から40分攪拌を継続した後、平均粒径が10μmの水酸化カルシウム粉末を64.0重量部添加し、40分間攪拌して反応を終了させ重合溶液を取り出し、透明な重合溶液を得た。
実施例1と同様にして、NMP731.5重量部を入れ、このNMP中にメタフェニレンジアミン93.4重量部(50.03モル%)を溶解し、0℃に冷却した。この冷却したジアミン溶液にイソフタル酸クロライド(175.1重量部(49.97モル%)を徐々に攪拌しながら添加し反応させた。この反応で溶液の温度は70℃に上昇した。粘度変化が止まった後、塩化ベンゾイル0.05重量部を加え、反応開始から40分攪拌を継続した後、平均粒径が10μmの水酸化カルシウム粉末を64.0重量部添加し、40分間攪拌して反応を終了させ重合溶液を取り出し、透明な重合溶液を得た。
この重合溶液からポリメタフェニレンイソフタルアミドを単離して固有粘度(IV)を測定したところ1.61であり、1H−NMRでカルボ末端量を評価したところ57mmol/kgであった。また、この溶液のポリマー濃度は19.3重量%であった。
この紡糸原液を、実施例1と同様にして凝固、水洗、温水延伸した。温水延伸終了後の繊維束を走行中に観察したところ、毛羽は1ヶ/分未満と良好でかつ光沢のある繊維であった。
この紡糸原液を、実施例1と同様にして凝固、水洗、温水延伸した。温水延伸終了後の繊維束を走行中に観察したところ、毛羽は1ヶ/分未満と良好でかつ光沢のある繊維であった。
この延伸繊維を70℃の乾燥ローラを通して乾燥した後、200℃の予熱ローラで予熱し、次いで340℃のローラで熱セットし、冷却ローラで30℃まで冷却後、油剤を塗布して巻き取り33000dtex/15000フィラメントの延伸トウを得た。
比較例1の延伸トウを構成するポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維の250℃熱処理前後でのシルクファクターと耐熱強度保持率を表1に併記する。
比較例1の延伸トウを構成するポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維の250℃熱処理前後でのシルクファクターと耐熱強度保持率を表1に併記する。
表1に示す結果から明らかなように、本発明によるポリマー1kg当りのカルボ末端量が30mmol/kg未満の繊維(実施例1,2)は、熱処理後のシルクファクターの保持率が60%を上回っており、高熱に長時間曝されたときの力学的性能の劣化が少なく、耐熱強度保持率に優れている。これに対し通常の方法で製造された繊維(比較例1)は、カルボ末端量が60mmol/kg近くであり、熱処理後のシルクファクターの保持率が60%を大きく下回っている。
以上に説明した本発明のメタ型芳香族ポリアミド繊維は、耐熱強度保持性に優れているので、従来のメタ型芳香族ポリアミド繊維よりも厳しい耐熱性を要求される用途にも使用可能となる。
Claims (4)
- 繊維を構成するメタ型芳香族ポリアミド中のカルボ末端基量が30mmol/kg未満であることを特徴とするメタ型芳香族ポリアミド繊維。
- 250℃100時間処理後におけるシルクファクターの保持率で表される耐熱強度保持率が60%以上であることを特徴とする請求項1記載のメタ型芳香族ポリアミド繊維。
- メタ型芳香族ジアミンとメタ型芳香族ジカルボン酸ハライドとの重合反応によって得られるメタ型芳香族ポリアミド溶液を湿式紡糸して繊維を製造するに際し、重合反応させる芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸ハライドとの比率を芳香族ジアミン50.05〜50.25モル%、芳香族ジカルボン酸ハライド49.75〜49.95モル%として反応させることによりカルボ末端基量が30mmol/kg未満のメタ型芳香族ポリアミドを形成し、このメタ型芳香族ポリアミドを含むアミド系溶媒溶液を湿式紡糸し、延伸・熱処理することを特徴とするメタ系芳香族ポリアミド繊維の製造法。
- 前記重合反応の反応中又は反応後に、重合系に対しアミノ末端の封止剤を添加することを特徴とする請求項3記載のメタ系芳香族ポリアミド繊維の製造法。
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| JP2005350530A JP2007154355A (ja) | 2005-12-05 | 2005-12-05 | メタ型芳香族ポリアミド繊維及びその製造法 |
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Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN112341619A (zh) * | 2020-10-27 | 2021-02-09 | 烟台泰和新材料股份有限公司 | 一种高伸长间位芳纶聚合体及其制备方法 |
| CN113789583A (zh) * | 2020-10-10 | 2021-12-14 | 株洲时代新材料科技股份有限公司 | 一种抗黄变间位芳纶沉析纤维及其制备方法和应用 |
-
2005
- 2005-12-05 JP JP2005350530A patent/JP2007154355A/ja active Pending
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| CN113789583B (zh) * | 2020-10-10 | 2023-10-20 | 株洲时代新材料科技股份有限公司 | 一种抗黄变间位芳纶沉析纤维及其制备方法和应用 |
| CN112341619A (zh) * | 2020-10-27 | 2021-02-09 | 烟台泰和新材料股份有限公司 | 一种高伸长间位芳纶聚合体及其制备方法 |
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