JP2007155237A - 熱輸送装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱交換の効率向上を図ることができる熱輸送能力に優れた熱輸送装置を提供する。
【解決手段】冷媒を充填したシリンダ1、該シリンダ1内の冷媒を圧縮又は膨張させる圧縮ピストン6及び膨張ピストン7、シリンダ1内に配置され磁場の増減により温度が変化する磁気材料3で構成される蓄冷器2、該蓄冷器2に対する磁場を発生するとともに、圧縮ピストン6及び膨張ピストン7の動作にともなう冷媒の圧縮又は膨張による該冷媒の発熱又は吸熱に連動させて磁気材料3に対する磁場を増減させる磁場増減機構8、冷媒及び蓄冷器2の発熱を系外に放熱する高温側熱交換器4、冷媒及び蓄冷手段での吸熱により系外の熱を吸引する低温側熱交換器5を具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱輸送装置に係り、特に、冷媒の圧縮、膨張過程を有する冷凍サイクルを利用した熱輸送装置に関するものである。
従来、冷凍サイクルを利用した熱輸送装置として、冷凍機やヒートポンプが知られている。このうちエネルギー効率の優れた冷凍機として、スターリング冷凍機が注目されている。スターリング冷凍機は、原理的には極めて高い冷凍効率が期待できるものであるが、実用化という面では、主に極低温(液体ヘリウム温度程度)を作るための冷凍機として使用されているのが現状である。一方で、スターリング冷凍機は、冷媒として人体に無害で、オゾン層破壊や地球温暖化などの問題のない自然冷媒のヘリウムを使用できることから、常温近辺での通常の冷凍機への応用が期待されている。
ところで、スターリング冷凍機は、等温圧縮・等積冷却・等温膨張・等積加熱の4つの基本過程からなるスターリング冷凍サイクルにより動作するものであり、かかるスターリング冷凍サイクルを実現するため、冷媒を封入した高温と低温のシリンダ部を設けるとともに、これらシリンダ部の間に高温側熱交換器、蓄冷器、低温側熱交換器を配設するように構成されている。そして、これらシリンダ部において冷媒の圧縮、膨張を繰り返すことにより、低温側熱交換器から高温側熱交換器に熱輸送を行なうようにしている。この場合、スターリング冷凍サイクルの4つの基本過程において、等積加熱、冷却は、主に蓄冷器との間の熱交換によって行われ、高温側熱交換器及び低温側熱交換器における放熱及び吸熱は、主に等温圧縮、膨張の過程で行われる。
ところが、このようなスターリング冷凍機に用いられるスターリング冷凍サイクルの効率は、主に高温側熱交換器、低温側熱交換器及び蓄冷器での伝熱性能に律則されているため、理論上では効率が高いにも関わらず、実際の機器で効率が低く所望する性能が得られないという問題があった。
このため、冷凍機としての性能向上を図るには、スターリング冷凍サイクルの過程での熱交換の効率を向上させることが重要であり、これらを改善するためには、さらに高温側熱交換器、低温側熱交換器及び蓄冷器と冷媒の熱交換性能を向上させる必要があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、熱交換の効率向上を図ることができる熱輸送能力に優れた熱輸送装置を提供することを目的とする。
本発明に係る熱輸送装置は、
冷媒を充填した筒状容器と、
前記筒状容器内の冷媒を圧縮又は膨張させる操作手段と、
前記容器内部に配置され、磁場の増減により温度が変化する磁気材料で構成される蓄冷手段と、
前記蓄冷手段に対する磁場を発生するとともに、前記操作手段による前記冷媒の圧縮又は膨張にともなう該冷媒の発熱又は吸熱に連動させて前記磁気材料に対する磁場を増減させる磁場増減手段と
前記冷媒及び蓄冷手段からの発熱を系外に放熱するとともに、前記冷媒及び蓄冷手段での吸熱により系外の熱を吸引する熱交換手段とを具備したことを特徴としている。
本発明に係る熱輸送装置は、
内部が連通された圧縮シリンダと膨張シリンダを有する冷媒を充填したシリンダ本体と、
前記膨張シリンダ内の冷媒を圧縮する圧縮ピストン及び前記膨張シリンダ内の冷媒を膨張させる膨張ピストンと、
前記シリンダ本体内部に配置され、磁場の増減により温度が変化する磁気材料で構成される蓄冷手段と、
前記蓄冷手段に対する磁場を発生するとともに、前記圧縮ピストン又は前記膨張ピストンによる前記冷媒の圧縮又は膨張にともなう該冷媒の発熱又は吸熱に連動させて前記磁気材料に対する磁場を増減させる磁場増減手段と
前記冷媒及び蓄冷手段からの発熱を系外に放熱するとともに、前記冷媒及び蓄冷手段での吸熱により系外の熱を吸引する熱交換手段とを具備したことを特徴としている。
本発明に係る熱輸送装置は、
冷媒を充填したシリンダ本体と、
前記シリンダ本体内の冷媒を圧縮又は膨張させるピストンと、
前記シリンダ本体内部に配置され、磁場の増減により温度が変化する磁気材料で構成される蓄冷手段と、
前記蓄冷手段に対する磁場を発生するとともに、前記ピストンによる前記冷媒の圧縮又は膨張にともなう該冷媒の発熱又は吸熱に連動させて前記磁気材料に対する磁場を増減させる磁場増減手段と
前記冷媒及び蓄冷手段からの発熱を系外に放熱するとともに、前記冷媒及び蓄冷手段での吸熱により系外の熱を吸引する熱交換手段とを具備したことを特徴としている。
本発明によれば、熱交換の効率向上を図ることができる熱輸送能力に優れた熱輸送装置を提供できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。
(第1の実施の形態)
図1(a)〜(d)は、本発明の熱輸送装置としてスターリング冷凍サイクルを用いた冷凍機の基本構成図を示している。
図1において、1は筒状容器であるシリンダで、このシリンダ1は、両端を開口しており、内部には、例えばヘリウムや窒素等のガスからなる冷媒が充填されている。シリンダ1の中空部中央には、蓄冷手段として蓄冷器2が配置されている。蓄冷器2は、磁場の増減により温度が変化する磁気材料3で構成されている。この実施の形態では、磁気材料3として、磁場を増加すると温度が上昇(発熱)し、磁場を減少すると温度が降下(吸熱)する正の磁気材料、例えばGd系材料が用いられる。
シリンダ1内部には、蓄冷器2の一方端に近接させて高温側熱交換器4が配置され、蓄冷器2の他方端に近接させて低温側熱交換器5が配置されている。高温側熱交換器4は、冷媒及び蓄冷器2からの発熱を系外に放熱するものである。また、低温側熱交換器5は、冷媒及び蓄冷器2での吸熱により系外から熱を吸引するものである。
シリンダ1の高温側熱交換器4側の開口部には、圧縮ピストン6が設けられ、低温側熱交換器5側の開口部には、膨張ピストン7が設けられている。これら圧縮ピストン6及び膨張ピストン7は、操作手段を構成するもので、圧縮ピストン6は、図1(a)に示す矢印A方向の移動によりシリンダ1内部の冷媒を圧縮させ、膨張ピストン7は、図1(c)に示す矢印C方向の移動によりシリンダ1内部の冷媒を膨張させる。
シリンダ1の外部には、蓄冷器2の周囲に沿って磁場増減手段として磁場増減機構8が配置されている。この磁場増減機構8は、蓄冷器2の磁気材料3に対して印加する磁場を増減させるものである。この磁場増減機構8に関しては、磁気材料3に対して磁場増減機能を満たすものであれば特に限定を加えるものではなく、例えば、オンオフ可能な電磁石や、蓄冷器2に対し近接可能に移動される磁場発生手段、例えば永久磁石などが用いられる。
次に、このように構成された冷凍機の作用を説明する。
まず、図1(a)に示すように圧縮ピストン6を図示A方向、つまり図示左側から右側に移動させてシリンダ1内の冷媒を圧縮する。このとき、高温側熱交換器4を作動させると、圧縮により冷媒から発生する熱は図示矢印B方向に高温側熱交換器4から系外に放熱され、冷媒の圧縮過程が等温的に行われる。また、この冷媒を圧縮するタイミングにあわせて、磁場増減機構8により蓄冷器2に対し磁場を印加する。この場合、蓄冷器2は磁場の増減により温度が変化する磁気材料3で構成されるが、この実施の形態では、磁場を増加すると温度が上昇(発熱)し、磁場を減少すると温度が降下(吸熱)する正の磁気材料が用いられているので、蓄冷器2の温度は上昇する。このとき、高温側熱交換器4は作動しているので、蓄冷器2で発生した熱も図示矢印B方向に高温側熱交換器4から系外に放熱される。つまり、図1(a)に示す冷媒の圧縮過程では、冷媒での発熱に加え、さらに磁気材料3に励起された発熱も高温側熱交換器4から系外に放熱することができる。
次に、図1(b)に示すように圧縮ピストン6と膨張ピストン7の間のシリンダ1内の体積を一定に保ったまま、圧縮ピストン6と膨張ピストン7を同時に図示右方向に動かし、冷媒をシリンダ1内の右側に移動させる。
次に、図1(c)に示すように膨張ピストン7を図示C方向、つまり図示左側から右側に移動させてシリンダ1内の冷媒を膨張させる。このとき、低温側熱交換器5を作動させると、膨張により温度の低下した冷媒は低温側熱交換器5により図示矢印D方向に系外から吸熱し、冷媒の膨張過程が等温的に行われる。また、この冷媒を膨張するタイミングにあわせて、磁場増減機構8により、蓄冷器2に印加されていた磁場を除去する。蓄冷器2は、磁場を減少すると温度が降下(吸熱)する正の磁気材料で構成されているため、温度を降下する。このとき、低温側熱交換器5は作動しているので、低温側熱交換器5を介してさらに系外から熱を吸引することができる。つまり、図1(c)の冷媒の膨張の過程では、冷媒による吸熱に加え、さらに磁気材料3でも吸熱が励起され、この状態で低温側熱交換器5を介して系外から熱を吸引することができる。
次に、図1(d)に示すように、圧縮ピストン6と膨張ピストン7の間のシリンダ1内の体積を一定に保ったまま、圧縮ピストン6及び膨張ピストン7を図示左側に動かし、冷媒をシリンダ1内の左側に移動させる。
以下、同様にして、図1(a)〜(d)の過程を繰り返すことで、等温圧縮、等積冷却、等温膨張、等積加熱の4つの基本過程が繰り返して得られるようになり、スターリング冷凍サイクルを実現できる。つまり、圧縮、膨張過程を繰り返すことにより冷媒による発熱及び吸熱が行われ、同時に磁場を増減させることにより磁気材料3で構成された蓄冷器2においても発熱、吸熱反応が繰り返して励起され、高温側熱交換器4での放熱、低温側熱交換器5での吸熱を行なことができる。
したがって、このようにすれば、冷媒の圧縮、膨張過程を有する冷凍サイクルにおいて、圧縮過程においては冷媒の発熱に加えて、磁場の印加により蓄冷器2を構成する磁気材料3に発熱反応を励起し、この磁気材料3で発生した熱を高温側熱交換器4を介して放熱させるようにしたので、より多くの熱を系外に放熱することができる。また、膨張過程においては、膨張過程による冷媒の吸熱に加えて、磁場の除去により蓄冷器2を構成する磁気材料3に吸熱反応を発生させることにより、低温側熱交換器5を介して、より多くの熱を系外から吸熱することができる。このようにして、冷媒による発熱及び吸熱と同時に、磁気材料3で構成された蓄冷器2においても発熱、吸熱反応を励起させることにより、従来の圧縮、膨張過程を有する冷凍サイクルに比べ、熱交換の効率を飛躍的に向上させることができ、熱輸送能力に優れたスターリング冷凍サイクルを実現することが可能となる。
なお、上述した第1の実施の形態では、等温圧縮、等積冷却、等温膨張、等積加熱の4つの基本過程を繰り返すことでスターリング冷凍サイクルを実現しているが、2つの等積過程を等圧過程で置き換えれば、エリクソンサイクルを実現できる。また、圧縮、膨張過程を断熱過程で行い、2つの等積過程を等圧過程で行えば、ブレイトンサイクルを実現できる。
(第2の実施の形態)
この第2の実施の形態は、第1の実施の形態で述べた冷凍機を具体化したものである。図2は、かかる冷凍機を立体的に示した図である。
図2において、11は筒状のケーシングで、このケーシング11内部には、圧縮シリンダ12及び膨張シリンダ13が並べて配置されている。これら圧縮シリンダ12及び膨張シリンダ13は、それぞれ一方端部が開口され、他方端部が閉塞されたもので、閉塞された他方端部間を連通管14により連結されている。この連通管14は、圧縮シリンダ12と膨張シリンダ13のそれぞれの内部を連通するものである。これら圧縮シリンダ12、膨張シリンダ13内部には、例えばヘリウムや窒素等のガスからなる冷媒が充填されている。
圧縮シリンダ12内には、蓄冷器15が配置されている。蓄冷器15は、磁場の増減により温度が変化する磁気材料16で構成されている。この実施の形態では、磁気材料16として、磁場を増加すると温度が上昇(発熱)し、磁場を減少すると温度が降下(吸熱)する正の磁気材料、例えばGd系材料が用いられる。この場合、磁気材料16としては、例えば、図3(a)に示すように直径約1mmあるいは1mm以下の概ね球状の磁気材料16aを充填し、内部に多数の空隙を有する多孔質体となるように構成したものや、同図(b)に示すようにバルク材料内部に外部と連通する複数の小孔からなる連通孔16bを有するものが用いられる。
蓄冷器15に近接させて高温側熱交換器17が配置されている。この場合、高温側熱交換器17は、蓄冷器15の前記連通管14と反対側に配置される。この高温側熱交換器17は、冷媒及び蓄冷器15での発熱を系外に放熱するためのものである。
圧縮シリンダ12には、圧縮ピストン18が設けられている。この圧縮ピストン18は、圧縮シリンダ12の開口部より挿入され、圧縮シリンダ12内部の冷媒を圧縮するためのものである。圧縮ピストン18には、ピストンシャフト19が連結されている。ピストンシャフト19には、連結棒20が連結されている。連結棒20は、フライホイール21の回転中心から外れた位置に連結され、フライホイール21の回転運動を往復運動に変換してピストンシャフト19を図示矢印E方向に往復移動させるクランク機構を構成している。フライホイール21は、回転中心を駆動用モータ22の回転軸221に連結され、所定の速度で回転される。
膨張シリンダ13内部には、低温側熱交換器23が配置されている。この低温側熱交換器23は、冷媒及び蓄冷器15での吸熱により系外から熱を吸引するためのものである。膨張シリンダ13には、膨張ピストン24が設けられている。この膨張ピストン24は、膨張シリンダ13の開口部より挿入され、膨張シリンダ13内部の冷媒を膨張させるためのものである。膨張ピストン24には、ピストンシャフト25が連結されている。ピストンシャフト25には、連結棒26が連結されている。連結棒26は、フライホイール27の回転中心から外れた位置に連結されていて、フライホイール27の回転運動を往復運動に変換してピストンシャフト25を図示矢印F方向に往復移動させるクランク機構を構成している。フライホイール27は、回転中心を駆動用モータ22の回転軸221に連結され、所定の速度で回転される。
一方、ピストンシャフト19には、円板状の支持板28が一体に設けられている。支持板28には、支持腕29を介して磁場増減機構30が設けられている。この磁場増減機構30は円筒状をしたもので、圧縮シリンダ12が中空部に位置するように配置され、ピストンシャフト19による矢印E方向の往復移動により蓄冷器15に対し磁場の増減を可能にしている。
この場合、圧縮ピストン18側のフライホイール21に取付けられる連結棒20は、膨張ピストン24側のフライホイール27に取付けられ連結棒26に対して回転位相が約90度先行するようになっており、さらに、このような関係に基づいたピストンシャフト19、25の往復動作により、上述した図1(a)〜(d)の等温圧縮、等積冷却、等温膨張、等積加熱の4つの基本過程を得られるようにもなっている。
前記磁場増減機構30として、例えば図4(a)(b)に示すようなハルバッハ磁石と呼ばれる2重円筒形の磁石を用いることができる。この円筒形磁石は、外側の円筒形磁石302の中空部に、内側の円筒形磁石301を所定の間隔をおいて配置し、2重円筒形磁石を構成している。これら円筒形磁石301及び302は、それぞれ各部位における磁気異方性の方向を符号303、304で示している。そして、図4(a)に示すように、内側の円筒形磁石301が中空部に生成する磁場305の向きと、外側の円筒形磁石302が中空部に生成する磁場306の向きを一致させると、内側の円筒形磁石301の中空部の空間307に強い磁場を生成することができる。この状態で、2重円筒形磁石全体をピストンシャフト19により圧縮ピストン18と同軸方向に移動させることで蓄冷器15に対し磁場の増減を行なうことができる。
また、図4(b)に示すように内側の円筒形磁石301が生成する磁場305の向きと、外側の円筒形磁石302が生成する磁場306の向きを逆向きにして、これら磁場305と306により生成される磁場306を互いに打ち消し合せることで、内側の円筒形磁石301の中空に弱い磁場を生成することができる。このような2重円筒形磁石の場合は、内側の円筒形磁石301又は外側の円筒形磁石301の一方をピストンシャフト19の往復動作に合わせて回転させ、図4(a)又は(b)の状態を得られようにすれば、蓄冷器15に対する磁場の増減を行なうことができる。
図5(a)〜(d)は、このように構成される冷凍機の作用を説明するための図で、図2と同一部分には同符号を付している。
この場合、シリンダ本体31は、上述した圧縮シリンダ12及び膨張シリンダ13からなるものである。このシリンダ本体31は、内部に冷媒が充填されている。また、シリンダ本体31内部には、磁場の増減により温度が変化する磁気材料16で構成された蓄冷器15、高温側熱交換器17、低温側熱交換器23が配置され、また、シリンダ本体31の一方開口部には、圧縮ピストン18が配置され、他方開口部には、膨張ピストン24が配置されている。また、シリンダ本体31の外部には、蓄冷器15の周囲に磁場増減機構30が配置されている。この磁場増減機構30は、圧縮ピストン18のピストンシャフト19に支持腕29を介して連結され、圧縮ピストン18と連動して往復動作可能にしている。
このような構成において、まず、図5(a)に示すように圧縮ピストン18を図示A方向、つまり図示左側から右側に移動させてシリンダ本体31(圧縮シリンダ12)内の冷媒を圧縮する。このとき、高温側熱交換器17を作動させると、圧縮により冷媒から発生する熱は図示矢印B方向に高温側熱交換器4から系外に放熱され、冷媒の圧縮過程が等温的に行われる。これと同時にピストンシャフト19に連結された磁場増減機構30は、圧縮ピストン18の移動とともに蓄冷器15に磁場を印加させる位置に移動している。この場合、蓄冷器15は、磁場を増加すると温度が上昇(発熱)し、磁場を減少すると温度が降下(吸熱)する正の磁気材料16で構成されているので、温度を上昇する。このとき、高温側熱交換器17は作動しているので、蓄冷器15で発生した熱も図示矢印B方向に高温側熱交換器17から系外に放熱することができる。つまり、図5(a)に示す冷媒の圧縮過程では、冷媒での発熱に加え、さらに磁気材料16で励起された発熱も高温側熱交換器17から系外に放熱させることができる。
次に、図5(b)に示すように圧縮ピストン18と膨張ピストン24の間のシリンダ本体31内の体積を一定に保ったまま、圧縮ピストン18と膨張ピストン24を同時に図示右方向に動かし、冷媒をシリンダ本体31内の右側に移動させる。
次に、図5(c)に示すように膨張ピストン7を図示C方向、つまり図示左側から右側に移動させてシリンダ本体31(膨張シリンダ13)内の冷媒を膨張させる。このとき、低温側熱交換器23を作動させると、膨張により温度の低下した冷媒は低温側熱交換器23を介して図示矢印D方向に系外から吸熱し、冷媒の膨張過程が等温的に行われる。
次に、図5(d)に示すように、圧縮ピストン18と膨張ピストン24の間のシリンダ本体31内の体積を一定に保ったまま、圧縮ピストン18及び膨張ピストン24を左に動かし、冷媒をシリンダ本体31内の左側に移動させる。このとき、ピストンシャフト19に連結された磁場増減機構30は、圧縮ピストン18の移動とともに蓄冷器15から離れる方向に移動し、蓄冷器15に対する磁場を除去した状態になる。蓄冷器15は、磁場を減少すると温度が降下(吸熱)する正の磁気材料で構成されているため、温度を降下する。このとき、低温側熱交換器23が作動しているので、低温側熱交換器23を介して系外から熱を吸引することができる。つまり、図5(d)の過程では、冷媒による吸熱に加え、さらに磁気材料16でも吸熱が励起され、この状態で低温側熱交換器23を介して系外から熱を吸引することができる。
以下、同様にして、図5(a)〜(d)の過程を繰り返すことにより、等温圧縮、等積冷却、等温膨張、等積加熱の4つの基本過程を繰り返して得られるようになり、スターリング冷凍サイクルを実現できる。
したがって、このようにしても第1の実施の形態と同様な効果を得ることができる。さらに、圧縮ピストン18、膨張ピストン24及び磁場増減機構30の一連の動きを駆動用モータ22を駆動源として得られるようにしたので、スターリング冷凍サイクルを自動的に、しかも安定して動作させることができ、さらに駆動用モータ22の回転速度を上げることで、高速冷凍を実現することもできる。
また、蓄冷器15を構成する磁気材料16として、内部に多数の空隙を有する多孔質体のものや、バルク材料内部に外部と連通する複数の小孔からなる連通孔を有するものが用いられ、磁気材料16内部を冷媒が通過可能としたので、磁気材料16と冷媒の接触面積を大きくできるとともに、磁気材料16と冷媒の間の熱伝達率も大きくできる。これにより、冷媒との熱交換を効率よく行なうことができ、蓄冷器15での発熱及び吸熱効果をさらに向上させることができる。
さらに、磁場増減機構30として、外側の円筒形磁石302の中空部に内側の円筒形磁石301を配置したハルバッハ磁石と呼ばれる円筒形磁石を用いることにより、磁気材料16の作動に必要な強力な磁場を簡単に得ることができる。
(第3の実施の形態)
図6(a)〜(d)は、本発明のスターリング冷凍サイクルを用いた冷凍機の他の例の概略構成を示すもので、図5と同一部分には、同符号を付して説明を省略する。
この場合、シリンダ本体31内部には、蓄冷部32、高温側熱交換器17、低温側熱交換器23が配置され、また、シリンダ本体31の一方開口部には、圧縮ピストン18が配置され、他方開口部には、膨張ピストン24が配置されている。また、シリンダ本体31の外部には、蓄冷部32の周囲に沿って磁場増減機構30が配置されている。この磁場増減機構30は、圧縮ピストン18のピストンシャフト19に支持腕29を介して連結され、圧縮ピストン18と連動して往復動作可能にしている。
前記蓄冷部32は、磁場を増加すると温度が上昇し磁場を減少すると温度が降下する正の磁気材料331で構成された蓄冷器321と、磁場を増加すると温度が降下し磁場を減少すると温度が上昇する負の磁気材料332で構成された蓄冷器322が並べて配置されている。ここで、正の磁気材料331としては、磁場を印加していない場合では常磁性状態(磁気スピンが無秩序状態)であり、磁場を印加すると強磁性状態(磁気スピンが秩序状態)となる所謂、強磁性物質やメタ磁性物質が用いられる(磁場の印加/除去に伴って強磁性状態から常磁性状態へ秩序−無秩序転移するような物質)。また、負の磁気材料332としては、磁場を印加していない場合と磁場を印加した場合とでそれぞれが別の秩序状態となり、且つ、磁場を印加しない場合の方が秩序度が高い(系の自由度が低い)状態であるような2つの秩序状態間で、磁場の印加/除去に伴って秩序−秩序転移するような物質が用いられる。ここで、正の磁気材料331の具体的な例としては、例えばGdやGdをベースとした合金であるGd―Y系、Gd―Dy系、Gd―Er系、Gd―Ho系などの強磁性物質や、La(Fe、Si)13やLa(Fe、Al)13をベースとしたメタ磁性物質や強磁性物質を用いることができる。また、負の磁気材料332の具体的な例としては、例えばFeRh合金のように磁場の印加/除去に伴って強磁性状態から反強磁性状態へ秩序−秩序転移するような物質を用いることができる。FeRh合金では、2つの状態間でRhの分極の違いに起因してRhの磁気モーメントの大きさ自体が大きく変化して、電子系のエントロピーが変化している。
このような構成において、まず、図6(a)に示すように圧縮ピストン18を図示A方向、つまり図示左側から右側に移動させてシリンダ本体31(圧縮シリンダ12)内の冷媒を圧縮する。このとき、高温側熱交換器17を作動させると、圧縮により冷媒から発生する熱は図示矢印B方向に高温側熱交換器17から系外に放熱され、冷媒の圧縮過程が等温的に行われる。これと同時にピストンシャフト19に連結された磁場増減機構30は、圧縮ピストン18の移動とともに蓄冷器321に磁場を印加させる位置に移動している。この場合、蓄冷器321は、磁場を増加すると温度が上昇(発熱)し、磁場を減少すると温度が降下(吸熱)する正の磁気材料331で構成されているので、温度を上昇する。このとき、高温側熱交換器17は作動しているので、蓄冷器321で発生した熱も図示矢印B方向に高温側熱交換器17から系外に放熱することができる。一方、蓄冷器322は、磁場増減機構30からの磁場を除去された状態にある。蓄冷器322は、磁場を除去すると温度が上昇(発熱)する負の磁気材料332で構成されているので、温度を上昇する。この蓄冷器322の発熱は、高温側熱交換器17が作動しているため、高温側熱交換器17を介して系外に放熱することができる。このように、図6(a)に示す冷媒の圧縮過程では、冷媒の放熱に加えて、磁気材料331,332で発生した熱も高温側熱交換器17から系外に放熱させることができるので、さらに多くの熱を放熱できる。
次に、図6(b)では、圧縮ピストン18と膨張ピストン24の間のシリンダ本体31の体積を一定に保ったまま、圧縮ピストン18と膨張ピストン24を同時に図示右方向に動かし、冷媒をシリンダ本体31内の右側に移動させる。
次に、図6(c)に示すように、膨張ピストン24が図示C方向、つまり図示左側から右側に移動させてシリンダ本体31(膨張シリンダ13)内の冷媒を膨張させる。このとき、低温側熱交換器23を作動させると、膨張により温度の低下した冷媒は低温側熱交換器23を介して図示D方向に系外から吸熱し、冷媒の膨張過程が等温的に行われる。
次に、図6(d)に示すようら、圧縮ピストン18と膨張ピストン24の間のシリンダ本体31内の体積を一定に保ったまま、圧縮ピストン18および膨張ピストン24を左に動かし、冷媒をシリンダ本体31内の左側に移動させる。このとき、圧縮ピストン18のピストンシャフト19に連結された磁場増減機構30は、圧縮ピストン18の移動とともに蓄冷器322に磁場を印加させる位置に移動する。これにより、蓄冷器321に対する磁場が除去され、今度は蓄冷器322に対し磁場が印加された状態になる。蓄冷器321は、磁場を減少すると温度が降下(吸熱)する正の磁気材料331で構成されているため、温度を降下するが、このとき、低温側熱交換器23が作動しているので、低温側熱交換器23を介して系外から吸熱することができる。同時に、磁場を印加された蓄冷器322は磁場を印加すると温度が降下(吸熱)する負の磁気材料332で構成されているため、温度を降下するが、低温側熱交換器23が作動しているため、低温側熱交換器23を介して系外から吸熱することができる。つまり、図6(d)の過程では、冷媒による吸熱に加え、磁気材料331,332による吸熱が行われるようになるので、さらに多くの吸熱が可能となる。
以下、同様にして、図5(a)〜(d)の過程を繰り返すことにより、等温圧縮、等積冷却、等温膨張、等積加熱の4つの基本過程を繰り返して得られるようになりスターリング冷凍サイクルを実現できる。
したがって、このようにしても第2の実施の形態と同様な効果を得ることができる。さらに、蓄冷部32として、磁場を増加すると温度が上昇し磁場を減少すると温度が降下する正の磁気材料331で構成された蓄冷器321と、磁場を増加すると温度が降下し磁場を減少すると温度が上昇する負の磁気材料332で構成された蓄冷器322を有するものが用いられ、冷媒の放熱時には、冷媒での放熱に加えて磁気材料331,332でも放熱させ、冷媒の吸熱時には、この冷媒での吸熱に加えて磁気材料331,332でも吸熱させるようにできるので、さらに多くの熱を放熱及び吸熱することが可能となり、冷凍サイクルの熱交換の効率をさらに高めることができる。
(第4の実施の形態)
上述した実施の形態では、等温圧縮、等積冷却、等温膨張、等積加熱の4つの基本過程を有するスターリング冷凍サイクルを用いた冷凍機について述べたが、この第4の実施の形態では、等温圧縮、等温膨張の2つの基本過程からなる冷凍サイクルが適用された冷凍機を示している。
図7は、このような冷凍機を具体化したものを立体的に示した図である。
図において、41は筒状のケーシングで、このケーシング41内部には、筒状をしたシリンダ本体42が配置されている。このシリンダ本体42は、一方端部が開口され、他方端部が閉塞されている。また、シリンダ本体42内部には、例えばヘリウムや窒素等のガスからなる冷媒が充填されている。
シリンダ本体42内部には、閉塞された端部側に蓄冷器43が配置されている。蓄冷器43は、磁場の増減により温度が変化する磁気材料44で構成されている。この実施の形態では、磁気材料44として、磁場を増加すると温度が上昇(発熱)し、磁場を減少すると温度が降下(吸熱)する正の磁気材料、例えばGd系材料が用いられる。また、磁気材料44についても、図3で述べたと同様な多孔質体又はバルク内部に外部と連通する複数の連通孔を有するものが用いられる。
蓄冷器43両側には、高温側熱交換器45と低温側熱交換器46が配置されている。この場合、高温側熱交換器45は、シリンダ本体42の開口側に配置される。この高温側熱交換器45は、冷媒及び蓄冷器43での発熱を系外に放熱するためのものである。また、低温側熱交換器46は、シリンダ本体42の閉塞された他方端部側に配置されている。この低温側熱交換器46は、冷媒及び蓄冷器43での吸熱により系外から熱を吸い上げるためのものである。
シリンダ本体42には、ピストン47が設けられている。このピストン47は、シリンダ本体42の開口部より挿入され、シリンダ本体42内部の冷媒を圧縮、膨張させるためのものである。ピストン47には、ピストンシャフト48が連結されている。ピストンシャフト48には、連結棒49が連結されている。連結棒49は、フライホイール50の回転中心から外れた位置に連結され、フライホイール50の回転運動を往復運動に変換してピストンシャフト48を図示矢印H方向に往復移動させるクランク機構を構成している。フライホイール50は、回転中心を駆動用モータ51の回転軸52に連結され、所定の速度で回転される。
一方、ピストンシャフト48には、円板状の支持板53が一体に設けられている。支持板53には、支持腕54を介して磁場増減機構55が設けられている。この磁場増減機構55は円筒状をしたもので、シリンダ本体42が中空部に位置するように配置され、ピストンシャフト48による矢印H方向の往復移動により蓄冷器43に対し磁場の増減を可能にしている。この場合も、磁場増減機構55として、図4(a)(b)で述べたハルバッハ磁石と呼ばれる2重円筒形の磁石を用いることができる。
図8(a)(b)は、このように構成される冷凍機の作用を説明するための図で、図7と同一部分には同符号を付している。
この場合、シリンダ本体42は、内部に冷媒が充填されている。また、シリンダ本体42内部には、磁場の増減により温度が変化する磁気材料44で構成された蓄冷器43、高温側熱交換器45、低温側熱交換器46が配置され、また、シリンダ本体42の開口部には、ピストン47が配置されている。また、シリンダ本体42の外部には、蓄冷器43の周囲に磁場増減機構55が配置されている。この磁場増減機構55は、ピストン47のピストンシャフト48に支持腕54を介して連結され、ピストン47と連動して往復動作可能にしている。
このような構成において、まず、図8(a)に示すようにピストン47を図示A方向、つまり図示左側から右側に移動させて、シリンダ本体42内の冷媒を圧縮する。このとき、高温側熱交換器45を作動させると、圧縮により冷媒から発生する熱は図示矢印B方向に高温側熱交換器45により系外に放熱され、冷媒の圧縮過程が等温的に行われる。これと同時に、ピストンシャフト48に連結された磁場増減機構55は、ピストン47の移動とともに蓄冷器43に磁場を印加させる位置に移動している。この場合、蓄冷器43は、磁場を増加すると温度が上昇(発熱)し、磁場を減少すると温度が降下(吸熱)する正の磁気材料44で構成されているので、温度を上昇する。このとき、高温側熱交換器45は作動しているので、蓄冷器43で発生した熱も図示矢印B方向に高温側熱交換器45から系外に放熱することができる。つまり、図8(a)に示す冷媒の圧縮過程では、冷媒での発熱に加えて、さらに磁気材料44に励起された発熱も高温側熱交換器45から系外に放熱することができる。
次に、図8(b)に示すようにピストン47を図示C方向、つまり図示右側から左側に移動させてシリンダ本体42内の冷媒を膨張させる。このとき、低温側熱交換器46を作動させると、膨張により温度の低下した冷媒は低温側熱交換器46を介して図示矢印D方向に系外から吸熱し、冷媒の膨張過程が等温的に行われる。同時に、ピストンシャフト48に連結された磁場増減機構55は、ピストン47の移動とともに蓄冷器43から磁場を除去する位置に移動する。蓄冷器43は、磁場を減少すると温度が降下(吸熱)する正の磁気材料44で構成されているため、温度を降下する。このとき、低温側熱交換器46が作動しているため、低温側熱交換器46を介して系外から熱を吸引することができる。つまり、図8(b)に示す冷媒の膨張過程では、冷媒による吸熱に加えて、さらに磁気材料44でも吸熱が励起され、この状態で低温側熱交換器46を介して系外から熱を吸引することができる。
以下、同様に、図8(a)、(b)の過程を繰り返すことにより、高温側熱交換器45により系外に放熱し、低温側熱交換器46により系外から熱を吸熱する等温圧縮、等温膨張の2の基本過程からなる冷凍サイクルを実現することができる。
したがって、このような等温圧縮、等温膨張の2つの基本過程からなる冷凍サイクルについても、冷媒の発熱時には、この発熱に加えて磁気材料44で放熱させ、また、冷媒の吸熱時には、この吸熱に加えて磁気材料44でも吸熱をさせるようにできるので、熱交換の効率の優れた冷凍サイクルを実現できる。また、このような冷凍サイクルは、シリンダ本体42及びピストン47により実現できるので、装置全体の構成を簡単にでき、価格的にも安価にできる。
(第5の実施の形態)
図9(a)(b)は、等温圧縮、等温膨張の2つの基本過程からなる冷凍サイクルを用いた冷凍機の他の例の概略構成を示すもので、図8と同一部分には、同符号を付して説明を省略する。
この場合、シリンダ本体42内部には、蓄冷部56、高温側熱交換器45、低温側熱交換器46が配置され、また、シリンダ本体42の開口部には、ピストン47が配置されている。また、シリンダ本体42の外部には、蓄冷部56の周囲に沿って磁場増減機構55が配置されている。この磁場増減機構55は、ピストン47のピストンシャフト48に支持腕54を介して連結され、ピストン47と連動して往復動作可能にしている。
前記蓄冷部56は、磁場を増加すると温度が上昇し磁場を減少すると温度が降下する正の磁気材料441で構成された蓄冷器431と、磁場を増加すると温度が降下し磁場を減少すると温度が上昇する負の磁気材料442で構成された蓄冷器432が並べて配置されている。ここで、正の磁気材料441と負の磁気材料442は、第3の実施の形態で述べたと同様なものが用いられる。
このような構成において、まず、図9(a)に示すようにピストン47を図示A方向、つまり図示左側から右側に移動させてシリンダ本体42内の冷媒を圧縮する。このとき、高温側熱交換器45を作動させることにより、圧縮により冷媒から発生する熱は図示矢印B方向に高温側熱交換器45により系外に放熱され、冷媒の圧縮過程が等温的に行われる。これと同時にピストンシャフト48に連結された磁場増減機構55は、ピストン47の移動とともに蓄冷器431に磁場を印加させる位置に移動している。この場合、蓄冷器431は、磁場を増加すると温度が上昇(発熱)し、磁場を減少すると温度が降下(吸熱)する正の磁気材料441で構成されているので、温度は上昇する。このとき、高温側熱交換器45は作動しているので、蓄冷器431で発生した熱も図示矢印B方向に高温側熱交換器45から系外に放熱することができる。一方、蓄冷器432は、磁場増減機構55からの磁場を除去された状態にある。この場合、蓄冷器432は、磁場を除去すると温度が上昇(発熱)する負の磁気材料442で構成されているので、温度は上昇する。この蓄冷器432の発熱は、高温側熱交換器45が作動しているため、高温側熱交換器45を介して系外に放熱することができる。このように、図9(a)に示す冷媒の圧縮過程では、冷媒の放熱に加えて、磁気材料441,442で発生した熱も高温側熱交換器17から系外に放熱させることができるので、さらに多くの熱を放熱できる。
次に、図9(b)に示すように、ピストン47を図示C方向、つまり図示右側から左側に移動させてシリンダ本体42内の冷媒を膨張させる。このとき、低温側熱交換器46を作動させると、膨張により温度の低下した冷媒は低温側熱交換器46を介して図示矢印D方向に系外から吸熱し、冷媒の膨張過程が等温的に行われる。同時に、ピストンシャフト48に連結された磁場増減機構55は、ピストン47の移動とともに蓄冷器432に磁場を印加させる位置に移動する。これにより、蓄冷器431に対する磁場が除去され、今度は、蓄冷器432に対し磁場が印加された状態になる。蓄冷器431は、磁場を減少すると温度が降下(吸熱)する正の磁気材料441で構成されているため、温度は降下するが、このとき、低温側熱交換器46が作動しているので、低温側熱交換器46を介して系外から吸熱することができる。同時に、磁場を印加された蓄冷器432は磁場を印加すると温度が降下(吸熱)する負の磁気材料442で構成されているため、温度は降下するが、低温側熱交換器46が作動しているため、低温側熱交換器46を介して系外から吸熱することができる。図9(b)に示す冷媒の膨張過程では、冷媒の吸熱に加えて、磁気材料441、442の温度降下による吸熱により、低温側熱交換器46を介して系外から吸熱することができるので、さらに多くの熱を吸引できる。
以下同様に、図9(a)、(b)の過程を繰り返すことにより、低温側熱交換器46により系外から熱を吸熱し、高温側熱交換器45により系外に放熱する等温圧縮、等温膨張の2つの基本工程からなる冷凍サイクルを実現できる。
したがって、このようにしても第4の実施の形態と同様な効果を得ることができる。さらに、冷媒の放熱時には、冷媒での放熱に加えて磁気材料441,442でも放熱させ、冷媒の吸熱時には、この冷媒での吸熱に加えて磁気材料441,442でも吸熱させるようにできるので、さらに多くの熱を放熱及び吸熱することが可能となり、冷凍サイクルとしての熱交換の効率をさらに高めることができる。
(第6の実施の形態)
上述した実施の形態では、磁場増減機構側を移動させることで、蓄冷器に対する磁場の増減を可能にしたが、この第6の実施の形態では、磁場増減機構を静止したまま蓄冷器に対する磁場の増減を可能にしている。
図10は、第6の実施の形態の概略構成を示すもので、図1と同一部分には同符号を付し、その説明を省略する。
この場合、冷媒を充填したシリンダ1内に圧縮ピストン6、膨張ピストン7、磁場の増減により温度が変化する磁気材料3で構成された蓄冷器2、高温側熱交換器4、低温側熱交換器5が配置されている。
シリンダ1の外部には、蓄冷器2に対応させて磁場増減機構61が配置されている。この磁場増減機構61は、図11に示すように一対の永久磁石62a、62bとヨーク63a、63bから構成されている。この場合、永久磁石62a、62bは、シリンダ1(蓄冷器2)を挟持するように配置されている。また、ヨーク63a、63bは、永久磁石62a、62bのの間の磁路を開閉可能にしたもので、図11(a)に示すように永久磁石62a、62bの間の磁路を閉じた状態で蓄冷器2に対する磁場を増加させ、永久磁石62a、62bの間の磁路を開放した状態で蓄冷器2に対する磁場を減少させるようにしている。
このようにすれば、永久磁石62a、62bを静止したまま、ヨーク63a、63b側を移動させ永久磁石62a、62bの間の磁路を開閉させることで、蓄冷器2に対する磁場を増減させることができるので、かかる磁場の増減を第1の実施の形態で述べた等温圧縮、等積冷却、等温膨張、等積加熱の各過程に対応させて繰り返すようにすることで第1の実施の形態と同様な効果を得ることができる。
なお、このように構成される磁場増減機構61は、上述した第2乃至第5の実施の形態にも適用することができる。
その他、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、実施段階では、その要旨を変更しない範囲で種々変形することが可能である。例えば、上述した各実施の形態の蓄冷器を構成する磁気材料は、作動温度が一定の均一成分のものが用いられているが、例えば、高温側熱交換器から低温側熱交換器に向かう方向に順に作動温度が低下するように成分を異ならして形成したものを用いることもできる。このような磁気材料を用いれば、高温側熱交換器での発熱、低温側熱交換器での吸熱の夫々の動作を強調でき、さらに効率的に放熱、吸熱を行うことができる。また、上述した各実施の形態の高温側熱交換器及び低温側熱交換器は、磁場の増減により温度が変化する磁気材料で構成することも可能である。さらに上述した各実施の形態では、一貫して冷凍機について述べたが、熱を低温側から高温側に移動するためのヒートポンプにも適用できることは勿論である。
さらに、上記実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示されている複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出できる。例えば、実施の形態に示されている全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題を解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出できる。
本発明の第1の実施の形態に適用される冷凍機の基本構成を示す図。 本発明の第2の実施の形態に適用される冷凍機を具体化して立体的に示した図。 第2の実施の形態に用いられる磁気材料の概略構成を示す図。 第2の実施の形態に用いられる磁場増減機構の概略構成を示す図。 第2の実施の形態の作用を説明するための図。 本発明の第3の実施の形態に適用される冷凍機の概略構成を示す図。 本発明の第4の実施の形態に適用される冷凍機を具体化して立体的に示した図。 第4の実施の形態の作用を説明するための図。 本発明の第5の実施の形態に適用される冷凍機の概略構成を示す図。 本発明の第6の実施の形態に適用される冷凍機の概略構成を示す図。 第6の実施の形態の作用を説明するための図。
符号の説明
1…シリンダ、2…蓄冷器
3…磁気材料、4…高温側熱交換器
5…低温側熱交換器、6…圧縮ピストン
7…膨張ピストン、8…磁場増減機構
11…ケーシング、12…圧縮シリンダ
13…膨張シリンダ、14…連通管
15…蓄冷器、16…磁気材料、16a…球状の磁気材料
16b…連通孔、17…高温側熱交換器
18…圧縮ピストン、19、25…ピストンシャフト
20、26…連結棒、21、27…フライホイール
22…駆動用モータ、221…回転軸
23…低温側熱交換器、24…膨張ピストン
28…支持板、29…支持腕、30…磁場増減機構
301、302…円筒形磁石、305、306…磁場
307…空間、31…シリンダ本体、32…蓄冷部
321、322…蓄冷器、331.332…磁気材料
41…ケーシング、42…シリンダ本体、43…蓄冷器
44…磁気材料、45…高温側熱交換器、46…低温側熱交換器
47…ピストン、48…ピストンシャフト
49…連結棒、50…フライホイール
51…駆動用モータ、52…回転軸、53…支持板
54…支持腕、55…磁場増減機構、56…蓄冷部
431、432…蓄冷器、441.442…磁気材料
61…磁場増減機構、62a.62b…永久磁石
63a.63b…ヨーク

Claims (20)

  1. 冷媒を充填した筒状容器と、
    前記筒状容器内の冷媒を圧縮又は膨張させる操作手段と、
    前記容器内部に配置され、磁場の増減により温度が変化する磁気材料で構成される蓄冷手段と、
    前記蓄冷手段に対する磁場を発生するとともに、前記操作手段による前記冷媒の圧縮又は膨張にともなう該冷媒の発熱又は吸熱に連動させて前記磁気材料に対する磁場を増減させる磁場増減手段と
    前記冷媒及び蓄冷手段からの発熱を系外に放熱するとともに、前記冷媒及び蓄冷手段での吸熱により系外の熱を吸引する熱交換手段と
    を具備したことを特徴とする熱輸送装置。
  2. 前記蓄冷手段は、磁場を増加すると温度が上昇し磁場を減少すると温度が降下する正の磁気材料から構成されることを特徴とする請求項1記載の熱輸送装置。
  3. 前記蓄冷手段は、磁場を増加すると温度が上昇し磁場を減少すると温度が降下する正の磁気材料と、磁場を増加すると温度が降下し磁場を減少すると温度が上昇する負の磁気材料とで構成されることを特徴とする請求項1記載の熱輸送装置。
  4. 前記磁場増減手段は、磁場発生手段を有し、前記操作手段による前記冷媒の圧縮又は膨張にともなう該冷媒の発熱又は吸熱反応に連動させて前記磁場発生手段を前記蓄冷手段に近接可能に移動させることを特徴とする請求項1記載の熱輸送装置。
  5. 内部が連通された圧縮シリンダと膨張シリンダを有する冷媒を充填したシリンダ本体と、
    前記膨張シリンダ内の冷媒を圧縮する圧縮ピストン及び前記膨張シリンダ内の冷媒を膨張させる膨張ピストンと、
    前記シリンダ本体内部に配置され、磁場の増減により温度が変化する磁気材料で構成される蓄冷手段と、
    前記蓄冷手段に対する磁場を発生するとともに、前記圧縮ピストン又は前記膨張ピストンによる前記冷媒の圧縮又は膨張にともなう該冷媒の発熱又は吸熱に連動させて前記磁気材料に対する磁場を増減させる磁場増減手段と
    前記冷媒及び蓄冷手段からの発熱を系外に放熱するとともに、前記冷媒及び蓄冷手段での吸熱により系外の熱を吸引する熱交換手段と
    を具備したことを特徴とする熱輸送装置。
  6. 前記蓄冷手段は、磁場を増加すると温度が上昇し磁場を減少すると温度が降下する正の磁気材料から構成されることを特徴とする請求項5記載の熱輸送装置。
  7. 前記蓄冷手段は、磁場を増加すると温度が上昇し磁場を減少すると温度が降下する正の磁気材料と、磁場を増加すると温度が降下し磁場を減少すると温度が上昇する負の磁気材料とで構成されることを特徴とする請求項5記載の熱輸送装置。
  8. 前記磁場増減手段は、磁場発生手段を有し、前記操作手段による前記冷媒の圧縮又は膨張にともなう該冷媒の発熱又は吸熱反応に連動させて前記磁場発生手段を前記蓄冷手段に近接可能に移動させることを特徴とする請求項5記載の熱輸送装置。
  9. 前記磁場増減手段は、オンオフ可能な電磁石であることを特徴とする請求項5記載の熱輸送装置。
  10. 前記磁場増減手段は、ハルバッハ磁石であることを特徴とする請求項5記載の熱輸送装置。
  11. 冷媒を充填したシリンダ本体と、
    前記シリンダ本体内の冷媒を圧縮又は膨張させるピストンと、
    前記シリンダ本体内部に配置され、磁場の増減により温度が変化する磁気材料で構成される蓄冷手段と、
    前記蓄冷手段に対する磁場を発生するとともに、前記ピストンによる前記冷媒の圧縮又は膨張にともなう該冷媒の発熱又は吸熱に連動させて前記磁気材料に対する磁場を増減させる磁場増減手段と
    前記冷媒及び蓄冷手段からの発熱を系外に放熱するとともに、前記冷媒及び蓄冷手段での吸熱により系外の熱を吸引する熱交換手段と
    を具備したことを特徴とする熱輸送装置。
  12. 前記蓄冷手段は、磁場を増加すると温度が上昇し磁場を減少すると温度が降下する正の磁気材料から構成されることを特徴とする請求項11記載の熱輸送装置。
  13. 前記蓄冷手段は、磁場を増加すると温度が上昇し磁場を減少すると温度が降下する正の磁気材料と、磁場を増加すると温度が降下し磁場を減少すると温度が上昇する負の磁気材料とで構成されることを特徴とする請求項11記載の熱輸送装置。
  14. 前記磁場増減手段は、磁場発生手段を有し、前記操作手段による前記冷媒の圧縮又は膨張にともなう該冷媒の発熱又は吸熱反応に連動させて前記磁場発生手段を前記蓄冷手段に近接可能に移動させることを特徴とする請求項11記載の熱輸送装置。
  15. 前記磁場増減手段は、オンオフ可能な電磁石であることを特徴とする請求項11記載の熱輸送装置。
  16. 前記磁場増減手段は、ハルバッハ磁石であることを特徴とする請求項11記載の熱輸送装置。
  17. 磁気材料は、多孔質体又はバルク内部に外部と連通する複数の連通孔を有することを特徴とする請求項1、5,11のいずれかに記載の熱輸送装置。
  18. 前記蓄冷手段は、前記熱交換手段の高温側から低温側に向かう方向に順に作動温度が低下するように成分を異ならして形成した磁気材料を用いたことを特徴とする1、5,11のいずれかに記載の熱輸送装置。
  19. 請求項1、5,11のいずれかに記載の熱輸送装置を適用した冷凍機。
  20. 請求項1、5,11のいずれかに記載の熱輸送装置を適用したヒートポンプ。
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