JP2007155406A - 磁気式位置検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】外乱磁界が生じたとしても誤検出を発生し難くすることができる磁気式位置検出装置を提供する。
【解決手段】磁石4が磁気抵抗素子12に対して取付方向A1に直線移動する際、磁石4が出す磁界Hの向きを検出する磁気抵抗素子12は、その移動過程で出力がゼロクロスする波形の出力信号を出力する。磁石4が移動を開始する前の移動開始位置近辺に位置する際、磁石4の右側ニュートラル位置の境界線8に位置するように位置を決め、磁石4が移動終了位置近辺に位置する際、磁石4の左側ニュートラル位置の境界線9に位置するように位置を設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、周囲磁界の磁界方向を検出することで、操作部品の位置(移動量、操作量等)を検出する磁気式位置検出装置に関する。
従来、操作部品に取り付けた磁石の磁界方向(磁束方向)を見ることで、操作部品の位置(移動量、操作量等)を検出する磁気式位置検出装置が広く使用されている。例えば、特許文献1には、この種の磁気式位置検出装置を車両のシートベルトのバックルスイッチに適用した例が開示されている。
特許文献1の磁気式位置検出装置を図6に示すと、バックル51のケース内部には、ベルトに取り付けられた金具(図示略)をバックル51に着脱する際に、その金具と連動して動く可動部品52が収容されている。この可動部品52には、周囲に磁界を発生する磁石53が取り付けられている。磁石53は、可動部品52と連れ動き可能であって、その移動方向(即ち、磁石53のストローク方向A)に対して直交する向きに着磁され、本例においてはストローク方向Aを基準にして図6の紙面上側がS極に着磁され、図6の紙面下側がN極に着磁されている。
また、バックル51のケース内部に取着されたICパッケージ54には、磁石53の近傍位置に磁気抵抗素子(Magnet Resistance Effect:MRE)55が固定状態で取り付けられている。磁気抵抗素子55は、磁石53が発生する磁界Hを検知面55aで受け、その検知面55aで受けた磁界Hの向き(磁界方向)に応じた出力電圧(出力信号)Voutを出力する。
磁気抵抗素子55の検知面55aには、磁気抵抗R1〜R4が複数(本例では4つ)配設されている。これら磁気抵抗R1〜R4は、Ni-Co等の強磁性体を材質とするとともに、それらがホイートストンブリッジ状に回路が組まれている。磁気抵抗R1〜R4の配置パターンは、R1及びR4が並設され、R2及びR3が並設されるとともに、R1及びR4の配列方向に延びる基準線L1と、R2及びR3の配列方向に延びる基準線L2との成す角度θが略90度を成すように配置されている。本例のような磁気抵抗パターンを有する磁気抵抗素子55は、図7(a)に示すように周期が180度であるとともに、検出する磁界Hの向きが−90度、0度、90度の時に出力値が「0」、45度の時に最大出力値、−45度の時に最小出力値をとる交流波形の出力電圧Voutを出力する。
また、本例のような磁気抵抗パターンにおいては、図7(b)に示すように磁石53から受ける磁界Hの向きが角度θの二等分線L3と平行の時、磁気抵抗素子55の出力値が「0」となる。そして、二等分線L3に対して+45度傾いた向きの磁界Hを検知面55aで受けた時、磁気抵抗素子55が最大出力値をとり、二等分線L3に対して−45度傾いた向きの磁界Hを検知面55aで受けた時、磁気抵抗素子55が最小出力値をとる。
磁気抵抗素子55は、磁石53のストローク方向Aと二等分線L3との成す角度θxがほぼ45度となる向きに配置されている。また、磁石53と磁気抵抗素子55との位置関係は、磁石53が移動開始位置近辺に位置する時、略+45度の向きの磁界Hが磁気抵抗素子55に付与され、磁石53が取付方向A1に直線移動すると、その移動に伴って磁気抵抗素子55にかかる磁界Hの傾きが減少し、磁石53が最大ストローク位置近辺に位置した時、略−45度の向きの磁界Hが磁気抵抗素子55に付与される関係に設定されている。
ベルトの金具をバックル51にセットする際、金具に押されることによって磁石53が取付方向A1に沿ってスライド移動するが、このときの磁気抵抗素子55は、図8(a)に示す階段状の波形の出力電圧Voutを出力する。まず、金具がバックル51にセットされる前は、磁石53が移動開始位置付近にいるため、+45度の向きの磁界Hが磁気抵抗素子55に付与されることから、磁気抵抗素子55は最大値に近い出力電圧Voutを出力する。
続いて、ベルトの金具をバックル51にセットする際、そのセット作業に伴って磁石53が取付方向A1に移動するため、磁気抵抗素子55にかかる磁界Hの向きが徐々に0度の側に傾くことになり、磁気抵抗素子55の出力電圧Voutが低下する。そして、その移動途中で磁界Hの向きが0度となった時に磁気抵抗素子55の出力電圧Voutが「0」となり、出力電圧Voutが「0」となった以降も、磁石53のストローク移動に伴い磁気抵抗素子55の出力電圧Voutが更に低下し、磁石53が最大ストローク位置に位置すると、磁気抵抗素子55の出力電圧Voutが最小値に近い値をとる。本例においては、磁気抵抗素子55の出力電圧Voutが「0」以下の領域にある際、バックルスイッチの検出オンを認識し、ベルトの金具がバックル51にセットされたと判定する。
磁気抵抗素子55の出力電圧Voutが図8(a)に示す電圧波形をとっていれば、ベルトの金具をバックル51にセットする作業に伴って電圧が一旦「0」以下の値をとった後、磁石53が更に奥へストロークされても、出力電圧Voutの電圧波形が、必ずどこかの点でゼロクロスする(即ち、出力値が「0」になる)波形を維持する。従って、磁石53や磁気抵抗素子55の製造バラツキや組付バラツキなどによって、出力電圧Voutの波形が図8(a)の二点鎖線のように横軸方向にずれたとしても、出力電圧Voutが「0」以下の領域をとった後に再度「0」以上の値をとるようなことはなく、バックルスイッチの誤検出発生防止に効果が高い。
特開2000−268958号公報
ところで、磁石53が磁気抵抗素子55に対して取付方向A1に移動する際、磁気抵抗素子55が受ける磁界Hの強さ(磁束Φの強さ)と、磁石53の位置Pとの間には、図8(b)に示す関係がある。即ち、磁気抵抗素子55が磁石53から受ける磁界Hの強さは、磁石53が移動開始位置近辺にある時に弱く、磁石53がストロークを始めてその移動中間位置に位置した際に最も強くなり、その後、磁石53が最大ストローク位置に向かうに従い徐々に減少し、最大ストローク位置に位置した時に弱くなる特性を持つ。
磁石53が移動開始位置に位置する時、磁気抵抗素子55が磁石53から受ける磁界Hが弱くなるのは、磁石53と磁気抵抗素子55との間の距離が大きいため、その分だけ磁石53から磁気抵抗素子55に至る磁束が少ないからである。また、磁石53が発する磁束は、その長手方向においてその中間位置部位53aが比較的少ない。よって、磁気抵抗素子55が最大ストローク位置に位置する時、磁気抵抗素子55が磁石53から受ける磁界Hが弱くなるのは、そのとき磁気抵抗素子55で受ける磁束が、磁石53の中間位置部位53aから発する磁束であるため、磁気抵抗素子55で受ける磁束が少なくなるからである。
ところで、磁気抵抗素子55の出力電圧Voutにおいて確実な値として欲しい出力領域は、磁気抵抗素子55が最大出力値を出力する近辺の移動開始位置領域E1と、磁気抵抗素子55が最小出力値を出力する近辺の最大ストローク位置領域E2の2領域である。これは、この2領域E1,E2の値を確実に取ることができれば、例え外乱磁界が生じて磁気抵抗素子55の出力電圧Voutに変化が生じても、この出力電圧Voutの電圧波形が、必ずどこかの点でゼロクロスする波形を維持することになり、バックルスイッチの検出オンを検出できるからである。
しかし、図6に示す構造の磁気式位置検出装置では、移動開始位置領域E1及び最大ストローク位置領域E2の2領域において磁界Hが弱いため、磁気抵抗素子55の周辺に外乱磁界が生じた場合、これら2領域E1,E2で磁気抵抗素子55の出力電圧Voutに変動が生じ易くなる。従って、外乱磁界が生じた際に、磁気抵抗素子55の出力電圧Voutの電圧波形がゼロクロスしない波形となってしまう可能性があり、バックルスイッチの誤検出を防止するためにも、何らかの対応策が望まれていた。
本発明の目的は、外乱磁界が生じたとしても誤検出を発生し難くすることができる磁気式位置検出装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、本発明によれば、磁石と、前記磁石から受ける磁界の方向に応じた出力信号を出力する磁気抵抗素子とを備え、前記磁石及び前記磁気抵抗素子のうちの一方が他方に対し移動開始位置から最大ストローク位置まで相対移動する際に、前記磁石の磁界を検知した前記磁気抵抗素子が階段状の波形で前記出力信号を出力する磁気式位置検出装置において、前記磁気抵抗素子は、その検知面が前記磁石に対向する向きとなるように配置され、前記磁石の着磁パターンは、前記磁石及び前記磁気抵抗素子の位置関係が前記移動開始位置又は前記最大ストローク位置となった際に、前記磁気抵抗素子が前記磁石のN極とS極との境目に位置するパターンに形成されていることを要旨とする。
この構成によれば、移動開始位置から最大ストローク位置まで移動する操作部品の移動位置を、本発明の磁気式位置検出装置を用いて検出する場合、操作部品が操作された際には、磁石及び磁気抵抗素子の間の相対位置が変わることから、同操作において磁気抵抗素子からは階段状の出力信号が出力される。よって、この場合においては、相対移動よって値が変化する出力信号を見て操作部品の位置判定を行い、出力信号の値が所定のレベル(電圧値)に到達したことを条件に、それを検出オンとして判定する。
ところで、磁石の特性としては、着磁用コイルで磁石表面を着磁する際にその着磁用コイルが位置する部位(以下、境目という)において磁束が強くなる特性がある。従って、本発明では、操作部品が移動開始位置又は最大ストローク位置となった際にこの境目に位置するように、磁石及び磁気抵抗素子の位置関係及び着時パターンを設定したので、磁気抵抗素子の周囲に外乱磁界が生じたとしても、磁気抵抗素子からの出力信号の出力波形は、階段状の状態を維持し易くなる。従って、外乱磁界によって出力信号の波形が崩れて出力信号が所定のレベルに到達しないような状態になり難く、誤検出発生防止に効果が高い。
本発明によれば、前記磁気抵抗素子は、4つの磁気抵抗をホイートストンブリッジ状に組み、並設された2つの前記磁気抵抗素子の配列方向と、残り2つの並設された前記磁気抵抗素子の配列方向との成す第1角度が90度に設定され、当該第1角度の2等分線に対し直交する方向が前記相対移動の際の移動方向になるとともに、前記磁石の着磁パターンは、前記境目をその延びる方向を互いに異ならせた2本の線とした場合、前記境目同士で形成される第2角度が90度となりつつ、当該第2角度の2等分線が前記移動方向と直交する向きとなるように形成されていることを要旨とする。
この構成によれば、出力信号の周期が180度である汎用的な磁気抵抗素子を用いて、外乱磁界に対して耐久性高く、操作部品の移動位置を検出することが可能となる。
本発明によれば、外乱磁界が生じたとしても誤検出を発生し難くすることができる。
以下、本発明をシートベルトのバックルスイッチに具体化した磁気式位置検出装置の一実施形態を図1〜図3に従って説明する。
図1(a),(b)に示すように、シートベルトのバックル1のケース内部には、金具2の着脱方向に沿って往復直線移動可能な可動部品3が収容されている。可動部品3には、バックル1のケース内部に磁界を発生する磁石4が取り付けられている。よって、金具2をバックル1に着脱する際には、磁石4が可動部品3に同期しつつ、金具2の着脱方向に沿うストローク方向(矢印A方向)に移動する。可動部品3とケース内面との間には、可動部品3を金具2側に常時付勢するバネ材5が介装されている。
磁石4の着磁パターンは、ストローク方向Aに沿う磁石4の2辺6、7のうち、一方の辺6の中点6aから他方の辺7の各々端部に、N極とS極との境目であるニュートラル位置の境界線8,9をそれぞれ下ろしたパターン形状となっている。磁石4の着磁は、着磁用コイルを磁石4の表面上に乗せ、そのコイルに電流を流して磁石に磁界を加えることによって行われる。そして、この着磁の結果、その着磁用コイルの位置する部位がニュートラル位置となる。
本例の着磁パターンとしては、磁石4を上方から平面視したとき、磁石4の上面4aのうち、他方の辺7を底辺とする三角形部分10aがN極に着磁され、そのN極部分の両側の三角形部分10b,10cがS極に各々着磁されている。なお、本例においては、バックル1の取付方向A1に対して、奥側にあるニュートラル位置を右側ニュートラル位置と言い、手前側にあるニュートラル位置を左側ニュートラル位置と言う。
また、磁石4の着磁パターンは、右側ニュートラル位置の境界線8と、左側ニュートラル位置の境界線9との成す角度をθaとした場合、その角度θaが90度となるパターン形状となっているとともに、角度θaの二等分線Laが磁石4のストローク方向Aに対し直交する向きとなっている。なお、ストローク方向Aが移動方向に相当し、境界線8,9が境目(線)に相当し、更に角度θaが第2角度に相当する。
図2に示すように、バックル1のケース内面には、バックルスイッチ用のICパッケージ11が取着されている。このICパッケージ11には、磁石4の上面4aと対向する向きで磁気抵抗素子(MRE)12が配設されている。磁気抵抗素子12は、磁石4と対向する面を検知面12aとして磁石4の磁界Hを検知し、その検知面12aで受けた磁界Hの向き(磁界方向ベクトルH)に応じた出力電圧(出力信号)Voutを出力する。
磁気抵抗素子12の検知面12aには、Ni-Co等の強磁性体を材質とする磁気抵抗R1〜R4が複数(本例は4つ)配設されている。これら磁気抵抗R1〜R4は、ホイートストンブリッジ状に回路が組まれ、これら磁気抵抗R1〜R4のうちR1及びR4が並設され、R2及びR3が並設された配置パターンをとる。更に、磁気抵抗R1〜R4は、R1及びR4の配列方向に沿う基準線L1と、R2及びR3の配列方向に沿う基準線L2との成す角度θbが90度となるような配置パターンをとる。磁気抵抗素子12は、磁気抵抗R1及びR2の中点電位と、磁気抵抗R3及びR4の中点電位との差を、出力電圧Voutとして出力する。なお、角度θbが第1角度に相当する。
本例のような磁気抵抗パターンを有する磁気抵抗素子12の出力電圧Voutは、背景技術でも述べたように、周期が180度であるとともに、検出する磁界Hの向きが−90度、0度、90度の時に出力値が「0」、45度の時に最大出力値、−45度の時に最小出力値をとる交流波形となる。また、本例の磁気抵抗素子12は、磁石4から受ける磁界Hの向きが角度θbの二等分線L3と平行の時、磁気抵抗素子12の出力値が「0」をとる。そして、二等分線L3に対して+45度傾いた向きの磁界Hを検知面12aで受けた時、磁気抵抗素子12が最大出力値をとり、二等分線L3に対して−45度傾いた向きの磁界Hを検知面12aで受けた時、磁気抵抗素子12が最小出力値をとる。
また、磁気抵抗素子12の配置向きは、磁気抵抗素子12の検知面12aと磁石4の上面4aとが平行となりつつ、自身の角度θbの二等分線L3が磁石4のストローク方向Aと直交する向きに設定されている。即ち、磁気抵抗素子12の配置向きは、角度θbの二等分線L3と直交する向きが、ストローク方向Aと平行となる向きに設定されている。また、本例の磁石4の着磁パターンは、ストローク方向Aにおいて左右対称形状となっている。
更に、磁石4及び磁気抵抗素子12の位置関係は、ベルトの金具2がバックル1にセットされていない初期状態、つまり磁石4が移動開始位置近辺にある際、磁気抵抗素子12が磁石4の右側ニュートラル位置の境界線8に位置するように設定されている。また、磁石4及び磁気抵抗素子12の位置関係は、金具2がバックル1にセットされて磁石4が最大ストローク位置近辺に位置した際、磁気抵抗素子12が磁石4の左側ニュートラル位置の境界線9に位置するように設定されている。
次に、本例の磁気式位置検出装置の動作を説明する。
まず、金具2をバックル1に取り付ける前においては、磁石4が移動開始位置に位置した状態(図1(a)に示す状態)をとり、金具2をバックル1に取り付ける際には、移動開始位置に位置していた磁石4が、その取付作業に伴って金具2の取付方向A1に移動を開始する。そして、金具2がバックル1に係止されるとき、磁石4が最大ストローク位置に位置した状態(図1(b)に示す状態)をとる。この取付作業において、磁気抵抗素子12は、磁石4が発する磁界Hの向きを検知し、図3(a)に示す階段状の波形の出力電圧Voutを出力する。
磁気抵抗素子12が図3(a)に示す出力電圧Voutを出力するのは、以下の理由からである。磁石4の右側ニュートラル位置の境界線8における磁束Φの向きは、その着磁パターンの関係上、取付方向A1に対して成す角度θcが45度となっている。よって、金具2をバックル1に取り付ける前、磁石4が移動開始位置付近にある際は、磁気抵抗素子12に+45度向きの磁界Hが付与される。このため、この+45度向きの磁界Hを受けた磁気抵抗素子12は、最大値に近い出力電圧Voutを出力する状態となる。
また、磁石4の磁束Φの向きは、その着磁パターンの関係上、右側ニュートラル位置から左側ニュートラル位置に向うに従い、取付方向A1に対して成す角度θcが徐々に大きくなる向きをとる。よって、金具2をバックル1に取り付ける作業に伴って磁石4が取付方向A1に移動する時、この移動過程において磁気抵抗素子12は、+45度から角度が徐々に小さくなる向きに磁界Hを受ける。このため、磁気抵抗素子12の出力電圧Voutは、磁石4が取付方向A1に沿って移動するに従い、徐々に低下していくことになる。
更に、磁石4の左側ニュートラル位置の境界線9における磁束Φの向きは、その着磁パターンの関係上、取付方向A1に対して成す角度θcが135度(−45度)となっている。よって、金具2がバックル1に取り付けられて磁石4が最大ストローク位置近辺に位置した際は、磁気抵抗素子12に−45度向きの磁界Hが付与される。このため、この−45度向きの磁界Hを受けた磁気抵抗素子12は、最小値に近い出力電圧Voutを出力する状態となる。
従って、以上の理由から、磁石4が移動開始位置から最大ストローク位置に移動すると、磁気抵抗素子12からは、図3(a)に示すような階段状の波形の出力電圧Voutが出力されることになる。そして、磁気抵抗素子12の出力電圧Voutが「0」以下の領域にある際に、バックルスイッチの検出オンが認識され、ベルトの金具2がバックル1に取り付けられたと判定される。また、バックルにセットした金具2をバックル1から外した際には、バネ材5の付勢力によって可動部品3(即ち、磁石4)が初期位置に復帰する。
ところで、この種の磁石においては、N極とS極との境目であるニュートラル位置において磁束Φが強くなり、このニュートラル位置から遠ざかるに連れて磁束Φが弱くなる特性がある。このため、本例の磁石4においては、右側ニュートラル位置の境界線8付近と、左側ニュートラル位置の境界線9付近との各々において磁束Φが非常に強くなり、一方で、境界線8(又は9)から境界線8,9の真ん中付近に向かうに従い、磁束Φが弱くなる特性がある。
従って、磁石4が移動開始位置から最大ストローク位置に移動する際に、磁気抵抗素子12が磁石4から受ける磁界Hは、図3(b)に示す強さ変化をとる。これを以下に説明すると、ベルトの金具2をバックル1に取り付ける前、つまり磁石4が移動開始位置付近に位置する時は、磁気抵抗素子12が右側ニュートラル位置の境界線8付近に位置する。このため、磁気抵抗素子12は、最大出力に近い出力電圧Voutを出力し得る向きの磁界Hを、磁石4から非常に強い磁界強さで受けることになる。
そして、金具2がバックル1に取り付けられる際には、磁石4が移動開始位置から取付方向A1に移動を開始するが、この移動過程で磁気抵抗素子12が磁石4から受ける磁界Hは、着磁パターンの関係上、徐々に弱くなり、磁石4の移動位置が中間地点を過ぎると、磁気抵抗素子12が磁石4から受ける磁界Hの強さは上昇に転じる。ベルトの金具2がバックル1に取り付けられて、磁石4が最大ストローク位置付近に位置すると、磁気抵抗素子12が左側ニュートラル位置の境界線9付近に位置する。よって、磁気抵抗素子12は、最小出力に近い出力電圧Voutを出力し得る向きの磁界Hを、磁石4から非常に強い磁界強さで受けることになる。
ところで、磁界Hが強い磁場においては、そこに外乱磁界が生じたとしても、この外乱磁界に影響を受け難いことから、それまでの磁界Hの向きが変化してしまうような状況が生じ難い。一方で、磁石4から磁気抵抗素子12に付与される磁界Hが弱い状況下で、磁石4や磁気抵抗素子12の周囲に外乱磁界が生じると、その外乱磁界に影響を受けて磁界方向ベクトルHが変化してしまい、磁気抵抗素子12の出力電圧Voutが変化してバックルスイッチの誤検出に繋がる。
そこで、本例においては、磁石4が移動開始位置又は最大ストローク位置に位置する際に、磁気抵抗素子12が磁石のニュートラル位置に位置する構造としたので、磁石4が移動開始位置又は最大ストローク位置に位置するとき、磁気抵抗素子12が磁石4から強い値の磁界Hを受けることになる。よって、磁石4や磁気抵抗素子12の周囲に外乱磁界が生じても、磁石4が移動開始位置近辺に位置する時や、最大ストローク位置近辺に位置する時において、磁気抵抗素子12が磁石4から受ける磁界Hの向きが変化し難くなる。
このため、磁石4や磁気抵抗素子12の周囲に外乱磁界が生じても、本例の磁気抵抗素子12は、磁石4が移動開始位置に位置する時は最大出力値に近い値を出力する状態を維持し、磁石4が最大ストローク位置に位置する時は最小出力値に近い値を出力する状態を維持する。従って、磁気抵抗素子12の出力電圧Voutは、必ずどこかの位置でゼロクロスする(出力値が「0」となる)波形をとることから、外乱磁界が生じても検出オンを認識することが可能となり、バックルスイッチの誤検出が生じ難くなる。
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)シートベルトの金具2をバックル1に取り付ける際、磁気抵抗素子12が出力する階段状の出力電圧Voutを見ることで、スイッチオンを検出するバックルスイッチにおいて、磁石4が移動開始位置近辺にある時と最大ストローク位置近辺にある時、磁気抵抗素子12に強い磁界Hが付与されるようにした。従って、磁石4や磁気抵抗素子12の周囲に外乱磁界が生じても、磁石4が移動開始位置近辺に位置する時や、最大ストローク位置近辺に位置する時において、磁気抵抗素子12が磁石4から受ける磁界Hの向きが変化し難くなる。このため、磁石4や磁気抵抗素子12の周囲に外乱磁界が生じても、磁気抵抗素子12の出力電圧Voutは、どこかの点でゼロクロスする階段状の波形を維持することになり、バックルスイッチの検出オンを判定する際に、誤検出を生じ難くすることができる。
(2)本例の磁気式位置検出装置を用いれば、出力電圧Voutの周期が180度である汎用的な磁気抵抗素子12を用いて、外乱磁界に対して耐久性の高い位置検出装置を提供することができる。
(3)本例の磁気式位置検出装置は、磁石4の直線移動位置を検出する装置であるので、本例の磁気式位置検出装置を用いれば、外乱磁界に対して耐久性高く、磁石4の直線移動の移動位置を検出することができる。
(4)本例の磁気式位置検出装置においては、磁石4が可動部品3に取り付けられ、磁気抵抗素子12が実装されたICパッケージ11(即ち、基板)がバックル1のケースに固定された取付状態をとる。よって、金具2をバックル1に着脱する作業において、磁石4ではなく磁気式検出装置の基板が動くような状況にならずに済み、装置としての信頼性が高くなる。
(5)本例の磁気式位置検出装置においては、N極が三角形を形取るような簡単な着磁パターンの形状で、バックルスイッチの誤検出防止効果を得ることができる。
なお、本実施形態は上記構成に限定されず、以下の態様に変更してもよい。
・ 磁石4の着磁パターンは、ストローク方向Aに沿う磁石4の2辺6、7のうち、一方の辺6の中点6aから他方の辺7の各々端部に、N極とS極との境目であるニュートラル位置の境界線8,9をそれぞれ下ろしたパターン形状に限定されない。例えば、図4に示すように、N極部分が台形状を成す着磁パターンでもよい。また、図5に示すように、図1及び図2のN極の三角形部分10aに比べて、その部分の面積が小さくなっている着磁パターンでもよい。
・ 磁石4及び磁気抵抗素子12の間の移動は、直線移動に限定されず、例えば曲線移動であってもよい。また、固定状態の磁気抵抗素子12に対して磁石4を移動することに限定されず、これとは逆に磁気抵抗素子12を磁石4に対して動かすようにしてもよい。
・ 本例で用いる磁気抵抗素子12は、必ずしも4つの磁気抵抗R1〜R4をホイートストンブリッジ状に組んだものに限らず、磁石4の磁界Hを検出した際に階段状の波形の出力電圧Voutを出力できるものであれば、その構造は特に限定されない。
・ ニュートラル位置における磁束Φは、その境界線8,9のどの位置であっても磁束Φが強い特性がある。従って、磁気抵抗素子12がニュートラル位置の境界線8,9に位置する際、その時に位置する場所は、必ずしも境界線8(9)の真ん中位置であることに限らず、境界線8,9上であれば細かな位置は特に限定されない。
・ 本例の磁気式位置検出装置の採用対象は、必ずしもバックルスイッチに限らず、操作位置を検出したい各種装置であれば特に限定されない。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(1)請求項1又は2において、前記磁石及び前記磁気抵抗素子の間の前記相対移動は、前記磁石及び前記磁気検出装置の一方が他方に対して直線的に移動する直線移動である。この場合、本発明の磁気式位置検出装置を用いれば、磁石及び磁気抵抗素子の一方が他方に対して直線移動する際のその移動位置を、外乱磁界に対して耐久性高く検出することが可能となる。
(2)請求項1又は2において、前記操作部品側に前記磁石が取り付けられ、前記操作部品を相対移動可能に支持する固定部品側に前記磁気抵抗素子が取り付けられている。ここで、操作部品を固定部品に対して動かすと、磁石が磁気抵抗素子に対して相対移動し、磁気抵抗素子がその位置関係に応じた向きの磁界を検出する。ところで、磁気抵抗素子は基板に実装されていることから、例えば磁気抵抗素子を操作部品に取り付けたとすると、操作部品の操作に伴って基板も動くことになり、これは装置として好ましくない。しかし、本発明においては、磁気抵抗素子を固定部品側に取り付けるので、上述した心配が生じず、装置としての信頼性が高いものとなる。
(3)請求項1又は2において、前記磁石の着時パターンは、前記磁気抵抗素子と対向する面において、一辺の中点から対向する辺の各々の端部に前記境目の線を引いたパターンに形成されている。この場合、できるだけ簡単な着時パターンの形状で、磁気式位置検出装置の誤検出防止効果を得ることが可能となる。
(a)は一実施形態における磁気式検出装置の概略構成を示すもので検出オン前の平面図、(b)は検出オン後の平面図。 磁気式位置検出装置の構成を示す斜視図。 (a)は磁気抵抗素子の出力電圧の波形図、(b)は磁石から磁気抵抗素子にかかる磁界強さの波形図。 別例における磁石の着磁パターンを説明する磁石の平面図。 同じく別例における磁石の着磁パターンを説明する磁石の平面図。 従来における磁気式位置検出装置の概略を示す構成図。 (a)は磁気抵抗素子の出力電圧の波形図、(b)は磁気抵抗素子に付与される磁界の向きを説明する平面図。 (a)は磁気抵抗素子の出力電圧の波形図、(b)は磁石から磁気抵抗素子にかかる磁界強さの波形図。
符号の説明
4…磁石、8,9…境目(線)としてのニュートラル位置の境界線、12…磁気抵抗素子、12a…検知面、H…磁界、Vout…出力信号、R1〜R4…磁気抵抗、θa…第2角度としての角度、θb…第1角度としての角度、La,L3…二等分線、A…移動方向としてのストローク方向。

Claims (2)

  1. 磁石と、前記磁石から受ける磁界の方向に応じた出力信号を出力する磁気抵抗素子とを備え、前記磁石及び前記磁気抵抗素子のうちの一方が他方に対し移動開始位置から最大ストローク位置まで相対移動する際に、前記磁石の磁界を検知した前記磁気抵抗素子が階段状の波形で前記出力信号を出力する磁気式位置検出装置において、
    前記磁気抵抗素子は、その検知面が前記磁石に対向する向きとなるように配置され、前記磁石の着磁パターンは、前記磁石及び前記磁気抵抗素子の位置関係が前記移動開始位置又は前記最大ストローク位置となった際に、前記磁気抵抗素子が前記磁石のN極とS極との境目に位置するパターンに形成されていることを特徴とする磁気式位置検出装置。
  2. 前記磁気抵抗素子は、4つの磁気抵抗をホイートストンブリッジ状に組み、並設された2つの前記磁気抵抗素子の配列方向と、残り2つの並設された前記磁気抵抗素子の配列方向との成す第1角度が90度に設定され、当該第1角度の2等分線に対し直交する方向が前記相対移動の際の移動方向になるとともに、
    前記磁石の着磁パターンは、前記境目をその延びる方向を互いに異ならせた2本の線とした場合、前記境目同士で形成される第2角度が90度となりつつ、当該第2角度の2等分線が前記移動方向と直交する向きとなるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気式位置検出装置。

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