JP2007155604A - 燃料集合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】結合燃料棒及びナットの回り止め固定作業における作業効率向上を図る。
【解決手段】格子状に配列した複数の燃料棒4が上部タイプレート2を貫通して上方へ突出する上部端栓ネジ部5aを備えた複数の結合燃料棒4Aを含む燃料集合体1において、上部タイプレート2より上方へ突出した上部端栓ネジ部5aに螺合する結合燃料棒固定用のナット8と、上部端栓ネジ部5aに設けたキー溝22に嵌合するキー部21を少なくとも1つ有する略正多角形形状の第1ワッシャ9Aと、ナット8を包囲するように折り曲げられてナット8の外周面及び第1ワッシャ9Aの外周面に嵌合可能な爪部20を突設した第2ワッシャ9Bとを有する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば沸騰水型原子炉に係わり、特に、沸騰水型原子炉の炉心において使用される燃料集合体に関する。
沸騰水型原子炉用の一般的な燃料集合体は、金属製被覆管内部に核燃料物質を充填した多数の燃料棒と単数あるいは複数の水ロッドを例えば正方格子状に束ねた燃料バンドルを、上部タイプレート、スペーサ、下部タイプレートにより固定し、その外側をチャンネルボックスで取り囲んで構成されている。
上記燃料棒のうち一部(例えば数本)はいわゆる結合燃料棒であり、その上下に上部端栓ネジ部と下部端栓ネジ部が設けられている。そのうち下部端栓ネジ部は下部タイプレートのネジ孔にネジ止めされる。また、上部端栓ネジ部は上部タイプレートのプレートに縦設された取付孔を貫通させ、当該プレートの上面に敷設する固定ワッシャを介在させ、固定用のナットを螺合させることによって締結される。
このとき、従来、結合燃料棒及びナットの回り止めのために、結合燃料棒の上部端栓ネジ部にキー溝を設け、複数本の結合燃料棒に共通の1つの固定ワッシャのキー部を嵌合させるとともに、固定ワッシャに複数本突設した爪部でネジ止めしたナットを抱持するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−123790号公報(図11〜15)
上記従来技術において、実際の燃料集合体の組立手順においては、通常、全ての結合燃料棒の下部端栓ネジ部を下部タイプレートにねじ込んだ後、各結合燃料棒の上部端栓ネジ部を上部タイプレートの対応取り付け孔へ挿通させるように上部タイプレートを被せる。そして、上部タイプレートより突出した結合燃料棒の上部端栓ネジ部のキー溝に固定ワッシャのキー部を嵌合させつつ固定ワッシャを挿通させて燃料棒のまわり止めを行った後、さらに固定ワッシャを介在させつつ上部端栓ネジ部にナットを締め込み、最後に固定ワッシャの爪部を引き起こすように折り曲げてナットを包囲してその外周側と嵌合させナットの回り止めを行う。
ここで、上記の一連の手順において、結合燃料棒を下部タイプレートに所定のトルクでねじ込んだとき、通常は、各結合燃料棒の上部端栓ネジ部のキー溝はばらばらの向きを向いている。このため、固定ワッシャの対応するキー部の位置に結合燃料棒のキー溝が合致するように、結合燃料棒を(先のねじ込み方向とは)逆に回転させてキー溝の位置合せを行う必要がある。この結果、結合燃料棒を最大でも360°弱回転させる必要があり、作業の効率化の面では改善の余地があった。特に、結合燃料棒は細長いため上記回転によりねじれが生じる場合があり、位置あわせのために回転させた後に開放したとき、ねじれが元に戻ろうとする力が働いて位置合せしたはずのキー溝の位置が若干ずれてしまう可能性があり、作業効率の向上が困難であった。特に、自動操作で燃料集合体の組立を行おうとする場合には重要な問題であった。
本発明の目的は、結合燃料棒及びナットの回り止め固定作業における作業効率向上を図れる燃料集合体を提供することにある。
(1)上記目的を達成するために、本発明は、格子状に配列した複数の燃料棒と、これら複数の燃料棒の上端及び下端をそれぞれ支持する上部タイプレート及び下部タイプレートとを有し、前記複数の燃料棒は、前記上部タイプレートを貫通して上方へ突出する上端ネジ部を備えた複数の結合燃料棒を含む燃料集合体において、前記上部タイプレートより上方へ突出した前記上端ネジ部に螺合する前記結合燃料棒固定用のナットと、前記ナットと前記上部タイプレートとの間に位置するように前記上端ネジ部に挿通されるとともに、前記上端ネジ部に設けたキー溝に嵌合するキー部を少なくとも1つ有する略正多角形形状の第1ワッシャと、この第1ワッシャと前記上部タイプレートとの間に位置するように前記上端ネジ部に挿通されるとともに、前記ナットを包囲するように折り曲げられて前記ナットの外周面及び前記第1ワッシャの外周面に嵌合可能な爪部を突設した第2ワッシャとを有する。
本発明においては、ワッシャの機能を、燃料棒回り止め用のキー部つき第1ワッシャと、ナット回り止め用の爪部つき第2ワッシャとに分けており、第2ワッシャは例えば複数の結合燃料棒について共通に設けられる等して回転しないが、第1ワッシャは第2ワッシャと分離して独自に回転可能である。これにより、結合燃料棒を下部タイプレートに所定のトルクでねじ込んだときに、各結合燃料棒の上端ネジ部のキー溝はばらばらの向きを向いていたとしても、第1ワッシャ側を回転させることで結合燃料棒側は回転させなくても第1ワッシャのキー部を結合燃料棒上端ネジ部のキー溝に嵌合できる構造となる。
一方、このようにして結合燃料棒を回転方向に嵌合拘束した第1ワッシャに対し、第1ワッシャごと結合燃料棒が回転しないように、第1ワッシャを回り止めする必要がある。そこで、本発明においては、ナット回り止め用の第2ワッシャの爪部を折り曲げてナットを包囲するときに、上記第1ワッシャについても併せて包囲することで第1ワッシャの回り止めを行う。
このように結合燃料棒・第1ワッシャ結合体を最終的に第2ワッシャでナットと共に回り止めする構造としたことにより、例えば第1ワッシャをナットと略同一の外郭形状の六角形状とすれば、第1ワッシャの外周面が第2ワッシャの爪部と向きがずれていたとしても、結合燃料棒・第1ワッシャ結合体を最大でも360°/6=60°弱だけ回転させれば第2ワッシャの爪部と向きを一致させ、第1ワッシャをナットと共に第2ワッシャに包み込まれるようにすることができる。したがって、位置合わせのために最大で360°弱回転させる必要があった従来構造に比べれば、位置あわせのために必要な回転角度を数分の1以下に大きく低減できる。したがって、結合燃料棒及びナットの回り止め固定作業における作業効率を大きく向上することができる。特に、ナット及び第1ワッシャを正n角形形状とする場合には、nが大きいほど効果が大きい。
(2)上記(1)において、好ましくは、前記第1ワッシャは、前記ナットと略同一の外郭形状を備えている。
(3)上記(1)又は(2)において、また好ましくは、前記第2ワッシャは、複数の前記結合燃料棒について共通に設けられている。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか1つにおいて、また好ましくは、前記第1ワッシャの厚さを、前記第2ワッシャの厚さより厚くする。
(5)上記(1)〜(3)のいずれか1つにおいて、また好ましくは、前記上端ネジ部は、前記キー溝を複数備えており、これに対応して前記第1ワッシャは、前記キー部を複数備えている。
(6)上記(1)〜(3)のいずれか1つにおいて、また好ましくは、前記ナットは、n≧7である正n角形であり、これに対応して前記第1ワッシャも、n≧7である略正n角形形状を備えている。
(7)上記目的を達成するために、本発明は、格子状に配列した複数の燃料棒と、これら複数の燃料棒の上端及び下端をそれぞれ支持する上部タイプレート及び下部タイプレートとを有し、前記複数の燃料棒は、複数のキー溝を形成し前記上部タイプレートを貫通して上方へ突出する上端ネジ部を備えた複数の結合燃料棒を含む燃料集合体において、前記上部タイプレートより上方へ突出した前記上端ネジ部に螺合する前記結合燃料棒固定用のナットと、対応する1つの前記結合燃料棒の前記複数のキー溝に嵌合する少なくとも1つのキー部を有する燃料棒嵌合部;及びこの燃料棒係合部の外周側に複数突設され、対応する1つの前記ナットを包囲するように折り曲げられて前記ナットの外周面にそれぞれ嵌合可能な複数の爪部;を備え、前記ナットと前記上部タイプレートとの間に位置するように前記上端ネジ部に挿通される固定ワッシャとを有する。
燃料集合体の組立手順において、結合燃料棒を下部タイプレートに所定のトルクでねじ込んだとき、通常は、各結合燃料棒の上部端栓ネジ部のキー溝はばらばらの向きを向いている。このため、固定ワッシャの対応するキー部の位置に結合燃料棒のキー溝が合致するように、結合燃料棒を逆回転させてキー溝の位置合せを行う必要があり、ワッシャ側のキー部と結合燃料棒側のキー溝がそれぞれ1つずつしか設けられない従来構造では、結合燃料棒を最大でも360°弱回転させる必要がある。
そこで本発明においては、結合燃料棒に複数のキー溝を設け、固定ワッシャの燃料棒嵌合部のキー部を、それら複数のキー溝のうち少なくとも1つに嵌合させるようにする。これにより、例えばキー溝を周方向等間隔で2つ設けた場合には位置合わせ時に最大でも360/2=180°弱回転させれば足り、同様に例えばキー溝を周方向等間隔で3つ設けた場合には位置合わせ時に最大でも360/3=120°弱回転させれば足りる。
したがって、上記(1)同様、位置合わせのために最大で360°弱回転させる必要があった従来構造に比べれば、位置あわせのために必要な回転角度を数分の1以下に大きく低減でき、結合燃料棒及びナットの回り止め固定作業における作業効率を大きく向上することができる。
本発明によれば、結合燃料棒及びナットの回り止め固定作業における作業効率向上を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図を参照して説明する。
本発明の第1の実施形態を図1〜図4により説明する。
図1は、本実施形態による燃料集合体の全体構造を表す側断面図である。
図1において、本実施形態の燃料集合体1は、正方格子(この例では9×9)状に配列した複数(この例では74)の燃料棒4と、これら複数の燃料棒4及び水ロッド6(この例では2本)よりなる燃料バンドルの上端及び下端をそれぞれ支持する上部タイプレート2及び下部タイプレート3と、燃料バンドルの軸方向中間部複数箇所を束ねるスペーサ7と、燃料バンドルの外周側を覆うように設けたチャンネルボックス11とを有している。
燃料棒4のうち一部(例えば数本)は結合燃料棒4Aであり、その上下に上部端栓ネジ部5aと下部端栓ネジ部5bとが設けられている。下部端栓ネジ部5bは下部タイプレート3のネジ孔3aにネジ止めされる。上部端栓ネジ部5aは上部タイプレート2に固定される。
図2は、上部端栓ネジ部5aの上部タイプレート2への詳細固定構造を表す拡大断面図である。
図2において、上部端栓ネジ部5aは、上部タイプレート2のプレート2aに縦設された取付孔2bを貫通して配置されている。そして、上部端栓ネジ部5aは、プレート2aの上面に敷設する固定ワッシャ9を介在させつつ、固定用のナット8を螺合させることによって上部タイプレート2に締結される。
本発明の要部は、固定ワッシャ9の構造にある。
図3(a)、図3(b)、図3(c)、図3(d)、図3(e)はそれぞれ、固定ワッシャ9を用いた詳細固定構造を表す図2中A−A、B−B、C−C、D−D、E−E断面による横断面図である。
これら図3(a)〜(e)及び前述の図2において、上部端栓ネジ部5aには、1つのキー溝22が設けられている。固定ワッシャ9は、ナット8と上部タイプレート2のプレート2aとの間に位置するように上部端栓ネジ部5aに挿通される燃料棒回り止め用部品としての第1ワッシャ9Aと、この第1ワッシャ9Aと上部タイプレート2のプレート2aとの間に位置するように上部端栓ネジ部5aに挿通されるナット回り止め用部品としての第2ワッシャ9Bとの2つのワッシャから構成される。
第1ワッシャ9Aは、略正多角形(この例ではナット8と同じ六角形)外郭形状を備え、キー溝22に嵌合するキー部21を有している。この第1ワッシャ9Aは、各結合燃料棒4Aに1つずつ配置される。
第2ワッシャ9Bは、ナット8を包囲するように折り曲げられて(図3(c)は参考までに折り曲げ前の状態を示している)ナット8の外周面及び第1ワッシャ9Aの外周面に嵌合可能な爪部20を突設している。この第2ワッシャ9Bは、複数(この例では2個)の結合燃料棒4Aについて共通に設けられており、これによって第2ワッシャ9B自身の回り止めを図っている。
なお、10は、燃料棒4、結合燃料棒4Aの上部に取り付けられた膨張スプリングである。
以上のように構成した本実施形態の燃料集合体1の組立手順においては、まず、全ての結合燃料棒4Aの下部端栓ネジ部5bを下部タイプレート3のネジ孔3aにねじ込んだ後、各結合燃料棒4Aの上部端栓ネジ部5aを上部タイプレート2のプレート2aの対応する取付孔2bへ挿通させるように上部タイプレート2を被せる。そして、上部タイプレート2のプレート2aより上方へ突出した結合燃料棒4Aに第2ワッシャ9B及び第1ワッシャ9Aを挿通させ介在させつつ上部端栓ネジ部5aにナット8を締め込む。
ここで、上記の一連の手順において、結合燃料棒4Aを下部タイプレート3に所定のトルクでねじ込んだとき、通常は、各結合燃料棒4Aの上部端栓ネジ部5aのキー溝22はばらばらの向きを向いている。このため、固定ワッシャ9A,9B側のキー部の位置に結合燃料棒4Aの上部端栓ネジ部5aのキー溝22が合致するように、結合燃料棒4Aを(先のねじ込み方向とは)逆に回転させてキー溝の位置合せを行う必要がある。
そこで、本実施形態の燃料集合体1においては、固定ワッシャ9の機能を、燃料棒回り止め用のキー部21つき第1ワッシャ9Aと、ナット回り止め用の爪部20つき第2ワッシャ9Bとに分ける。第2ワッシャ9Bは、上述したように複数の結合燃料棒4Aについて共通に設けるので回転しないが、第1ワッシャ9Aは第2ワッシャ9Bと分離して独自に回転可能である。これにより、上記のような燃料集合体1の組立の際に、各結合燃料棒4Aの上部端栓ネジ部5aのキー溝22がばらばらの向きを向いていたとしても、第1ワッシャ9A側を回転させることで結合燃料棒4A側は回転させなくても第1ワッシャ9Aのキー部21を結合燃料棒4A上部端栓ネジ部5aのキー溝22に嵌合できる構造となる。
一方、このようにして結合燃料棒4Aを回転方向に嵌合拘束した第1ワッシャ9Aに対し、第1ワッシャ9Aごと結合燃料棒4Aが回転しないように、第1ワッシャ9Aを回り止めする必要がある。ここで、本実施形態においては、第1ワッシャ9Aと上部タイプレート2のプレート2aとの間にナット回り止め用の第2ワッシャ9Bを介在させ、この第2ワッシャ9Bの爪部20を折り曲げてナット8を包囲するが、このときに上記第1ワッシャ9Aについても併せて包囲することで第1ワッシャ9Aの回り止めを行うようにする。なお、本実施形態の図3(c)では、第2ワッシャ9Bの爪部20が各2枚の例を代表的に示しているが、該爪部20の数を例えば各3枚又はそれ以上として、爪部20を折り曲げてナット8を包囲するようにしてもよい。以降に説明する実施形態でも同様である。
このとき、第1ワッシャ9Aとナット8とがそれぞれ略同一外郭形状(六角形)であるから、第1ワッシャ9Aの外周面が第2ワッシャ9Bの爪部20と向きがずれていたとしても、結合燃料棒4A・第1ワッシャ9Aの結合体をねじ込み方向とは逆に最大でも360°/6=60°弱だけ回転させれば第2ワッシャ9Bの爪部20と向きを一致させることができる。また、ナット8が第2ワッシャ9Bの爪部20と向きがずれていたとしても、ナット8をねじ込み方向またはその逆方向に最大で60°/2=30°弱だけ回転させて第2ワッシャ9Bの爪部20と向きを一致させる。このようにして、第1ワッシャ9Aとナット8を共に第2ワッシャ9Bで包み込むことができる。したがって、位置合わせのために最大で360°弱回転させる必要があった従来構造に比べれば、位置あわせのために必要な回転角度を数分の1以下に大きく低減でき、結合燃料棒4A及びナット8の回り止め固定作業における作業効率を大きく向上することができる。特に、ナット8及び第1ワッシャ9Aを正n角形形状とする場合には、nが大きいほど(例えば上記n=6より大きいn≧7のほうが)回転角度が小さくなり、効果が大きい。
また、特に燃料棒4は細長いため、回転によりねじれが生じる場合があり、位置合わせのために回転させた後に開放したとき、ねじれが元に戻ろうとする力が働き位置合わせしたはずのキー溝の位置が若干ずれてしまう可能性があった。本実施形態では、上記のように回転量(回転角度)を少なくできるので、上記ねじれからの復元による位置ずれが発生したとしてもその量を少なく抑えることができるので、これによっても作業効率の向上を図れる。特に、自動操作で燃料集合体の組立を行おうとする場合には有効である。
また、本実施形態では、上部タイプレート2は燃料棒4(結合燃料棒4Aを含む)の上部に取り付けられた膨張スプリング10の反力と、結合燃料棒4Aの先端に取り付けられたナット8により固定される。このとき、チャンネルボックス11の装着性の観点から、上部タイプレート2のプレート2aは、かなりの精度で結合燃料棒4Aに対して直角に取り付けなければならない。そこで、ナット8を第2ワッシャ9Bの爪部20と向きを一致させた状態で、ねじ込み方向またはその逆方向に30°づつ回転させながらナット8の高さを調整し、上部タイプレート2の直角度を調整をする。したがって、ナット8の高さ調整作業では、ナット8を正n角形形状とする場合に、nが大きいほど(例えば上記n=6より大きいn≧7のほうが)最小回転角度を小さくすることができる。
図4は、n=8、すなわち外形が八角形のナット8′とした例を表す図である。これにより、ナット8′の上記位置合わせにおける最大回転角度及び上記高さ調整における最小回転角度を上記六角形のときの30°から180/n(この例ではn=8)=22.5°にまでさらに減少させることができる。また、図示しないが、同様に上記第1ワッシャの外形を八角形とすれば、第1ワッシャの上記位置合わせにおける最大回転角度を上記六角形のときの60°から360/n(この例ではn=8)=45°弱にまでさらに減少させることができる。
本発明の第2の実施形態を図5(a)〜(e)により説明する。本実施形態は、結合燃料棒回り止め用に厚肉の第1ワッシャを用いた場合の実施形態である。第1の実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図5(a)は、本実施形態における第1ワッシャ9A′の詳細構造を表す上面図で第1の実施形態における図3(b)に相当する図であり、図5(b)は第1ワッシャ9A′の側面図であり、図5(c)は、本実施形態における第2ワッシャ9Bの詳細構造を表す上面図で第1の実施形態における図3(c)に相当する図であり、図5(d)は、第2ワッシャ9Bの側面図であり、図5(e)は、本実施形態における結合燃料棒4Aの上部端栓ネジ部5a′の詳細構造を表す上面図で第1の実施形態における図3(e)に相当する図である。
これら図5(a)〜(e)において、本実施形態では、従来の固定ワッシャの板厚が約1mmであったのに対して、第1ワッシャ9A′の厚さを厚くして(好まししくは約1.5mm〜2mmの厚さとして)強度をもたせている。第2ワッシャ9Bについては従来と同等の厚みとなっている。
このような構成には、以下のような意義がある。
すなわち、このようなキーとキー溝との結合構造においては、キーをなるべく厚くした方がその分細くすることができ、キー溝とのはめ合いに余裕を持たせることができる。しかしながら、従来のような燃料棒回り止めとナット回り止めとを1つのワッシャで行う場合には、このワッシャを厚くすると、ナットを抱持するための爪(本実施形態の爪20に相当)を折り曲げることが困難になる。
本実施形態においては、前述のように、燃料棒回り止め用でキー部21を備えた第1ワッシャ9A′と、ナット回り止め用で爪部20を備えた第2ワッシャ9Bとを別々の部品としている。これにより、キー部21を備えた第1ワッシャ9A′については比較的厚い部品とし、爪部20を備えた第2ワッシャ9Bについては従来どおりの厚さとすることが可能となる。
第1ワッシャ9A′を比較的厚く(言い換えれば第2ワッシャ9Bよりも厚く)することにより、キー部21の強度を向上することができるので、キー部21を細くできキー溝22との嵌めあいに余裕を持たせることができる。特に、可能な限り結合燃料棒4Aのキー溝22の幅を広げると、更に効果的である。
なお、第1ワッシャ9Aの厚さは従来どおりとし、それを複数枚重ねる構造としても同様の効果を得られることは言うまでもない。
本発明の第3の実施形態を図6(a)及び図6(b)により説明する。本実施形態は、第1ワッシャにキー部を複数個設けた実施形態である。第1及び第2の実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図6(a)は、本実施形態における第1ワッシャ9A″の詳細構造を表す上面図で第2の実施形態における図5(a)に相当する図であり、図6(b)は結合燃料棒4Aの上部端栓ネジ部5a″の詳細構造を表す上面図で第2の実施形態における図5(e)に相当する図である。
図6(a)及び図6(b)において、本実施形態においては、第1ワッシャ9A″には周方向複数箇所(この例では180°間隔で周方向2箇所)のキー部21が設けられ、これに対応して結合燃料棒4Aの上部端栓ネジ部5a″にも周方向複数箇所(この例では180°間隔で周方向2箇所)のキー溝22が設けられている。このようにキー溝22とキー部21とが嵌合する箇所の数を増やすことにより、嵌合のさらなる確実化を図れると共に、キー部21を細くしたい場合であっても、キー部21の小型化による強度低下を補うことが可能となる。
本発明の第4の実施形態を図7及び図8(a)〜(d)により説明する。本実施形態は、第1ワッシャと第2ワッシャに分離しない従来型の固定ワッシャにおいて、キー部を複数個設けた実施形態である。第1〜第3の実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図7は、本実施形態の燃料集合体における上部端栓ネジ部の上部タイプレートへの詳細固定構造を表す拡大断面図であり、第1実施形態における図2に相当する図である。また、図8(a)、図8(b)、図8(c)、及び図8(d)はそれぞれ、固定ワッシャを用いた詳細固定構造を表す図7中F−F、G−G、H−H、I−I断面による横断面図であり、第1実施形態における図3(a)、図3(c)、図3(d)、図3(e)にそれぞれ相当する図である。
図7及び図8(a)〜(d)において、本実施形態では、従来構造と同様、上部端栓ネジ部5aは、プレート2aの上面に敷設する固定ワッシャ9を介在させつつ、固定用のナット8を螺合させることによって上部タイプレート2に固定される。本実施形態による組立手順においては、複数本の結合燃料棒4Aに共通の1つの固定ワッシャ9のキー部21の位置に、結合燃料棒4Aの上部端栓ネジ部5aに設けたキー溝22が合致するように、結合燃料棒4Aを(ねじ込み方向とは)逆に回転させる。そして、結合燃料棒4Aの上部端栓ネジ部5aのキー溝22に、固定ワッシャ9のキー部21を嵌合させるとともに、固定ワッシャ9に複数本突設した爪部20でネジ止めしたナット8を抱持する。
従来構造では1つの結合燃料棒4Aに対してキー溝22が1つとこれに対応する固定ワッシャ9のキー部21も1つのみが設けられていたのに対して、本実施形態の特徴は、1つの結合燃料棒4Aに対してキー溝22が周方向等間隔で複数箇所(この例では180°間隔で2箇所)とこれに対応する固定ワッシャ9のキー部21も周方向等間隔で複数箇所(この例では180°間隔で2箇所であり、少なくとも1箇所あればよい)に設けられていることである。
このような本実施形態によれば、位置合わせ時に結合燃料棒4Aを最大でも360/2=180°弱回転させれば足りる(同様に例えばキー溝を120°間隔で3箇所設けた場合には位置合わせ時に最大でも360/3=120°弱回転させれば足りる)。
したがって、上記第1実施形態と同様、位置合わせのために最大で360°弱回転させる必要があった従来構造に比べれば、位置あわせのために必要な回転角度を数分の1以下に大きく低減でき、結合燃料棒4A及びナット8の回り止め固定作業における作業効率を大きく向上することができる。
本発明の第1の実施形態による燃料集合体の全体構造を表す側断面図である。 図1に示した上部端栓ネジ部の上部タイプレートへの詳細固定構造を表す拡大断面図である。 固定ワッシャを用いた詳細固定構造を表す図2中A−A、B−B、C−C、D−D、E−E断面による横断面図である。 本発明の第1の実施形態において、外径が八角形のナットとした変形例を表す図である。 本発明の第2の実施形態における第1ワッシャの詳細構造を表す上面図、側面図、第2ワッシャの詳細構造を表す上面図、側面図、及び上部端栓ネジ部の詳細構造を表す上面図である。 本発明の第3の実施形態における第1ワッシャの詳細構造を表す上面図、結合燃料棒の上部端栓ネジ部の詳細構造を表す上面図である。 本発明の第4の実施形態の燃料集合体における上部端栓ネジ部の上部タイプレートへの詳細固定構造を表す拡大断面図である。 固定ワッシャを用いた詳細固定構造を表す図7中F−F、G−G、H−H、I−I断面による横断面図である。
符号の説明
1 燃料集合体
2 上部タイプレート
3 下部タイプレート
4 燃料棒
4A 結合燃料棒
5a 上部端栓ネジ部(上端ネジ部)
5a′ 上部端栓ネジ部(上端ネジ部)
5a″ 上部端栓ネジ部(上端ネジ部)
8 ナット
8′ ナット
9 固定ワッシャ
9A 第1ワッシャ
9A′ 第1ワッシャ
9A″ 第1ワッシャ
9B 第2ワッシャ
20 爪部
21 キー部
22 キー溝

Claims (7)

  1. 格子状に配列した複数の燃料棒と、これら複数の燃料棒の上端及び下端をそれぞれ支持する上部タイプレート及び下部タイプレートとを有し、前記複数の燃料棒は、前記上部タイプレートを貫通して上方へ突出する上端ネジ部を備えた複数の結合燃料棒を含む燃料集合体において、
    前記上部タイプレートより上方へ突出した前記上端ネジ部に螺合する前記結合燃料棒固定用のナットと、
    前記ナットと前記上部タイプレートとの間に位置するように前記上端ネジ部に挿通されるとともに、前記上端ネジ部に設けたキー溝に嵌合するキー部を少なくとも1つ有する略正多角形形状の第1ワッシャと、
    この第1ワッシャと前記上部タイプレートとの間に位置するように前記上端ネジ部に挿通されるとともに、前記ナットを包囲するように折り曲げられて前記ナットの外周面及び前記第1ワッシャの外周面に嵌合可能な爪部を突設した第2ワッシャとを有することを特徴とする燃料集合体。
  2. 請求項1記載の燃料集合体において、
    前記第1ワッシャは、前記ナットと略同一の外郭形状を備えていることを特徴とする燃料集合体。
  3. 請求項1又は2記載の燃料集合体において、
    前記第2ワッシャは、複数の前記結合燃料棒について共通に設けられていることを特徴とする燃料集合体。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の燃料集合体において、
    前記第1ワッシャの厚さを、前記第2ワッシャの厚さより厚くしたことを特徴とする燃料集合体。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項記載の燃料集合体において、
    前記上端ネジ部は、前記キー溝を複数備えており、これに対応して前記第1ワッシャは、前記キー部を複数備えていることを特徴とする燃料集合体。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項記載の燃料集合体において、
    前記ナットは、n≧7である正n角形であり、これに対応して前記第1ワッシャも、n≧7である略正n角形形状を備えていることを特徴とする燃料集合体。
  7. 格子状に配列した複数の燃料棒と、これら複数の燃料棒の上端及び下端をそれぞれ支持する上部タイプレート及び下部タイプレートとを有し、前記複数の燃料棒は、複数のキー溝を形成し前記上部タイプレートを貫通して上方へ突出する上端ネジ部を備えた複数の結合燃料棒を含む燃料集合体において、
    前記上部タイプレートより上方へ突出した前記上端ネジ部に螺合する前記結合燃料棒固定用のナットと、
    対応する1つの前記結合燃料棒の前記複数のキー溝に嵌合する少なくとも1つのキー部を有する燃料棒嵌合部;及びこの燃料棒嵌合部の外周側に複数突設され、対応する1つの前記ナットを包囲するように折り曲げられて前記ナットの外周面にそれぞれ嵌合可能な複数の爪部;を備え、前記ナットと前記上部タイプレートとの間に位置するように前記上端ネジ部に挿通される固定ワッシャとを有することを特徴とする燃料集合体。
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