JP2007170404A - リニアコンプレッサ用スプリング - Google Patents

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Abstract

【課題】従来技術の欠点を解決するよう構成されたコンパクトなリニアコンプレッサを提供することにある。
【解決手段】シリンダ部33とピストン部4とを備えているリニアコンプレッサである。シリンダ部とピストン部の間をスプリング15が連結している。スプリングは、高疲労強度金属のワイヤの閉ループである。ループは、第1の平面内の第1の直線部分と、第2の平面内の第2の直線部分とを備えている。第2の平面は第1の平面と平行である。第1および第2の螺旋部分が、それぞれ、第1の直線部分の端と第2の直線部分の端との間を連結している。螺旋部分は、略一定の曲率を有し、同じ湾曲方向を有するように配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、詳細には、しかし、これには限定されないが冷凍機用のリニアコンプレッサに関する。
圧縮機、特に冷凍機用圧縮機は従来、回転電動機によって駆動されている。しかしながら、これら圧縮機の最も効率的な形態においても、回転運動を直線往復運動に変えるクランクシステムに関連した相当大きな損失が存在する。変形例として、クランクを必要としない回転式圧縮機を利用できるが、この場合も又、相当大きな摩擦損失をもたらす高い向心力が存在する。リニアモータ(直線運動電動機)によって駆動されるリニアコンプレッサは、このような損失を生じず、かかるリニアコンプレッサは、米国特許第5,525,845号明細書に開示されているような空力気体軸受を用いることができるほど低い軸受荷重で設計でき、この場合、側方に応従性のある連結ロッドを用いることにより低軸受荷重が実現されている。
空力気体軸受についての議論が、J.W.パウエル(Powell)著,「デザイン・オブ・アエロスタティック・ベアリングズ(Design of Aerostatic Bearings)」,(英国ロンドン),ザ・マシナリー・パブリシング・カンパニイ・リミテッド(The machinery Publishing Company Limited),1970年に記載されている。しかしながら、通常の製造許容差及び設備では、効率的な気体軸受の製造は困難である。
従来型圧縮機は、密閉(気密封止)ハウジング内に設置され、この密閉ハウジングは使用中、冷媒ガスのリザーバとして働く。冷媒ガスは、このリザーバから圧縮機内に引き込まれ、そして、圧縮機からハウジングへ通って延びる排気導管を介して排気される。
圧縮機の作動では、可動部品が往復動し、これが原因となって3つの軸線全てにおける圧縮機ユニットの振動が生じる。この振動の外部への騒音効果を減少させるため、圧縮機は、密閉ハウジング内に設けられた防振スプリングに取り付けられる。
リニアコンプレッサの場合、ピストンは、シリンダに対して一軸方向にのみ振動し、その結果、どちらの部品のいずれであってもこれに加わる反力は一定である。この問題に対して提案された一解決策は、1対の圧縮機の釣合いを取ると共にこれら圧縮機を対向した形態で同期して作動させることである。しかしながら、この構成は、商品、例えば、家庭用電気冷蔵庫として用いるには構造が複雑過ぎ、しかもコストが高過ぎる。別の提案された解決策は、振動を軽減させるために共振釣合いおもり(バランスウエイト)を付加することである。しかしながら、この方法は、圧縮機の作動を制限する。というのは、この釣合いおもりは、負のフィードバック装置であり、基本的な不釣り合いの力に制限されるからである。別の解決策は、ガリ(Gully )及びハンス(Hanes )の論文,「バイブレーション・キャラクタリスティックス・オブ・スモール・ロータリ・アンド・リニア・クライオジェニック・クーラーズ・フォア・アイアール・システムズ(Vibration characteristics of small rotary and linear cryogenic coolers for IR systems)」,米国マサチューセッツ州プリマスで開かれた第6回国際クライオクーラ会議の議事録所収,1990年において提案されている。この解決策では、ハウジング内での圧縮機のピストン部とシリンダ部を別々に支持して「固定子が釣合いおもりとして働く」ようにすることが要件とされている。しかしながら、この設計の具体化に当たり、家庭用電気冷蔵庫では、ピストンの質量が小さい場合に問題が生じる。かかる圧縮機では、吐出圧力が増大すると、圧縮ガスの力がばね(「ガススプリング」)として働き、このばね作用は、吐出圧力の増大につれて運転速度を増加させる。これは、「第3」振動モード(この場合、ピストン及びシリンダは、互いに同相で振動するが圧縮機シェルとは異相で振動する)は、望ましい「第2」モード(この場合、シェルは、振動せず、ピストンとシリンダは異相状態にある)よりもほんの僅かしか高くないので問題である。この結果、「ガススプリング」が働いて「第2」モード周波数を「第3」モードまで効果的に高め、最終的にこれよりも高くすると、シェルは許容しがたいレベルで振動し始める。
多くの用途にとっては圧縮機は小さなサイズのものであることが望ましい。これにより、スプリング及びこれらの共振システムを含む全ての部品が小型化される。圧縮機を小型化するには、圧縮機がより高い周波数で作動することが必要である。小型化と高い周波数の組合せにより、スプリング部品の応力が増大する。リニアコンプレッサの中には、メインスプリングがばね鋼プレス加工シートで作られているものがある。プレス加工作業で切断された縁部は、ばね鋼シートの元の強度を回復するよう注意深い研磨が必要であり、多くの場合、偶発的な応力集中により破損を生じることが判明している。
圧縮機に関する別の問題は一般に、特に圧縮機シリンダ及びシリンダヘッドの付近で熱が発生することにある。熱の発生は、可動部品相互間の摩擦及び圧縮冷媒から伝わる熱に起因する。熱の発生により、摩耗の増大及び圧縮機の運転期間につれて変化する部品相互間の運転上の条件及び許容誤差について重要な問題が生じる。これらの作用効果は、長期化にわたって作動し、しかも、特に空力気体軸受システムが用いられている場合、厳密なクリアランスが特に重要であるリニアコンプレッサについて特に著しい場合がある。
もう1つの加熱による効果は、圧縮後に圧縮空間内に残存している冷媒からの再膨張に先立つ不可逆的な熱損失に起因している。リニアコンプレッサでは、クランク駆動圧縮機の場合の最高5%と比べて、最高15%の圧縮冷媒が追い出されない場合がある。従来型圧縮機では無視できるほどのこの熱源は、リニアコンプレッサでは重要な源である。
圧縮機のシリンダ及びシリンダヘッドを冷却する一方法では、その後の冷凍システム内で凝縮器から供給される液体冷媒を用いることである。例えば、米国特許第2,510,887号明細書では、凝縮器からの液体冷媒は、シリンダを包囲している第1の冷却ジャケットに、そこから圧縮機ヘッドを包囲する第2の冷却ヘッドに供給され、その後、ベンチュリ装置からシリンダヘッドと凝縮器を互いに連結する排出ライン中へ放出される。これは、標準型クランク駆動圧縮機の場合である。また、標準型クランク駆動圧縮機の場合、米国特許第5,694,780号明細書は、凝縮器からの液体冷媒をポンプにより高圧に昇圧させる回路を示している。この液体冷媒は、圧縮機シリンダを包囲している冷却ジャケット内へ圧送される。液体冷媒は、冷却ジャケットから排出マニホルドへ、そして圧縮機のシリンダヘッド内へ追い出され、このシリンダヘッド内で、圧縮機から出ている圧縮冷媒と混ざり合う。この構成は、液体冷媒をシリンダを包囲している冷却ジャケットを通し、次に、圧縮ガスの圧力に抗して排出マニホルド内へ押し込む追加のポンプが必要であるという不利益を持っている。
多くのリニアコンプレッサは、商品である既存の回転式及び往復動式圧縮機の交換の際、ドロップ(drop)として予定されていたので、従来型圧縮機シートの内側に形成されている。これを達成するため、固定子、アーマチュア、シリンダ及びピストンが全て同心状に収納されたコンパクトなサイズの圧縮機が製造された。しかしながら、従来型圧縮機の寸法形状は、冷凍機の機械用コンパートメントのサイズを制限し、それにより、圧縮機を包囲するコンパートメントに無駄な空間が生じることになる。
本発明の目的は、上述の欠点を解決するよう構成されたコンパクトなリニアコンプレッサを提供することにある。
第1の態様において、本発明は、
リニアコンプレッサのシリンダとピストン部の間に連結されるスプリングであって、
第1の平面内にある第1の直線部分と、前記第1の平面と平行な第2の平面内にある第2の直線部分と、略一定の曲率の第1および第2の螺旋部分とを備えた高疲労強度金属ワイヤの閉ループを備え、
前記各螺旋部分が前記第1の直線部分の端と第2の直線部分の端とを連結し、
前記螺旋部分が前記第1部分から第2部分に動く同じ湾曲の方向を有しているスプリングである。
他の態様において、本発明は、
シリンダ部と、
ピストン部と、
上述したスプリングであって、前記シリンダ部とピストン部との間に延び前記シリンダ部を前記第1の直線部分に連結し前記ピストン部を第2の直線部分に連結するスプリングと、を備えているリニアコンプレッサである。
さらに他の態様において、本発明は、
リニアコンプレッサのピストンをリニアコンプレッサのスプリングに連結できるようにリニアコンプレッサを製造する方法であって、
(a)前記コンプレッサのボア内で所定軸線方向位置に前記ピストンを配置するステップと、
(b)前記ピストンを、スプリングの所定変位に基づく位置または所定の反力を生じる位置でシリンダ部に既に連結されているスプリングのピストン連結位置に配置するステップと、
(c)前記ピストンと前記スプリングのピストン連結位置とを、前記ステップ(a)および(b)で得られた分離位置に従って固定された軸線方向分離位置で、接合するステップと、を備え、
ステップ(a)および(b)はどちらが先でも良い、方法である。
当業者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の種々の実施形態及び用途の多くの変形例を想到できよう。本明細書における開示は、例示に過ぎず、本発明を限定するものではない。
全体構成
図示の本発明の実用的な実施形態は、密閉ケーシング内で作動する共振作用で往復動する圧縮機を駆動する永久磁石リニアモータを含む。圧縮機は、シリンダボア71内で往復動し、シリンダのヘッド側端部のところに設けられた圧縮空間内に引き込まれ、そして、これから追い出される作動流体で作動するピストン3,4を有している。シリンダに連結されたシリンダヘッダ27が、シリンダボア71の開口端部を密閉して圧縮空間を形成し、このシリンダヘッドは、入口弁118、出口弁119及び関連のマニホルドを有している。圧縮状態の作動ガスは、出口弁119を通って圧縮空間から出て排出マニホルドに流入する。排出マニホルドは、圧縮作動流体を、シリンダ71を包囲している冷却ジャケット29内へ導く。排出管18が、冷却ジャケット29から密閉ケーシングを通って外へ延びている。
シリンダ71及びジャケット29は、単一部品33(例えば、鋳物)として一体形成されている。ジャケット29は、シリンダ71の往復動軸線と実質的に整列していて、シリンダ71を包囲した1または2以上の開口チャンバ32を有している。開口チャンバ32は、ジャケット内空間を(シリンダヘッド組立体27によって)形成するよう実質的に密閉されている。
リニアモータは、シリンダ鋳物33にしっかりと連結された1対の互いに反対側に位置した固定子部分5,6を有している。
シリンダ71内で往復動するピストン3,4は、スプリングシステムを介してシリンダ組立体27に連結されている。スプリングシステムは、その固有の共振振動数で又はこれに近い振動数で動作する。スプリングシステムの主要なスプリング要素は、メインスプリング15である。ピストン3,4は、ピストンロッド47を介してメインスプリング15に連結されている。メインスプリング15は、シリンダ鋳物33から延びる1対の脚部41に連結されている。1対の脚部41、固定子部分5,6、シリンダ成形品33及びシリンダヘッド組立体27は一緒になって、スプリングシステムの説明の際にシリンダ部1と称されるものを構成する。
ピストンロッド47は、ピストン3,4をメインスプリング15に連結している。ピストンロッド47は、好ましくは、剛性ピストンロッドである。ピストンロッドは、これに沿って互いに間隔を置いて設けられた複数の永久磁石2を有し、リニアモータのアーマチュアを形成している。
ピストン3,4とシリンダ71との間に働く摩擦力を小さくするため、特に、側方荷重を減少させるため、ピストンロッド47は、メインスプリング15とピストン3,4の両方に弾性的且つ可動的に連結されている。特に、可撓性連結部が、メインスプリング15に設けられた一体成形ボタン49とピストンロッド47との間の融合プラスチック連結部の形態でメインスプリングとピストンロッド47のメインスプリング側端部48との間に形成されている。ピストンロッド47は、その他端部のところに、1対の互いに間隔を置いて位置した円形フランジ3,36を有し、これらフランジは、ピストンスリーブ4内に嵌まり込んでピストンを形成している。フランジ3,36は、ピストンロッド47の1対のヒンジ止め領域35,37と連続した状態でこれらと交互に配置されている。1対のヒンジ止め領域35,37は、互いに直角をなした主曲げ軸線を有するよう形成されている。
ピストンロッド47のメインスプリング側端部48は、メインスプリング15へのその連結部によって効果的に半径方向に支持されている。メインスプリング15は、往復運動を可能にするが、側方運動又はシリンダ内でのピストンの往復方向に対し横断方向の運動に実質的に抵抗するように構成されている。本発明の好ましい実施形態では、横方向剛性は、軸方向剛性の約3倍である。
シリンダ部を構成する組立体は、密閉ケーシング内にしっかりとは取付けられていない。この組立体は、ケーシングへの支持連結部、即ち、排出管18、液体冷媒注入ライン34及びリヤ支持スプリング39から離れてピストンの往復方向に自由に動くことができる。排出管18、液体冷媒注入ライン34及びリヤ支持スプリング39は各々、シリンダ内でのピストンの往復方向に既知の特性のばねであるように形成されている。例えば、管18,34を、密閉ケーシング30を貫通して延びるこれらの端部に隣接して渦巻き又は螺旋スプリングの状態に形成するのがよい。
往復運動全体は、ピストン3,4とシリンダ部の運動の合計である。
気体軸受
ピストン3,4は、空力気体軸受によってシリンダ内に半径方向に支持されている。圧縮機のシリンダ部は、ボア71が貫通して設けられたシリンダ鋳物33及びボア31内に設けられたシリンダライナ10を有している。シリンダライナ10は、ピストンの摩耗を減少させる適当な摩耗材料で作るのがよい。例えば、このシリンダライナを、繊維強化プラスチック複合材、例えば、15%PTFE入りの炭素繊維強化ナイロン(これを又、ピストンロッド及びスリーブに付いても好ましい)から作るのがよく、或いは、黒鉛フレークの自己潤滑性効果を備えた鋳鉄であってもよい。シリンダライナ10を貫通して開口部31が設けられ、この開口部31は、シリンダライナの外側円筒形表面70からその内部ボア71まで延びている。ピストン3,4は、内部ボア71内で移動し、これら開口部31は、気体軸受を形成する。圧縮ガスが一連の気体軸受通路によって開口部31に供給される。気体軸受通路は、これらの他端部が気体軸受供給マニホルドに開口し、この供給マニホルドは、シリンダライナ10の周りでそのヘッド側端部のところにおいてライナ10とシリンダボア71との間に環状チャンバとして形成されている。気体軸受供給マニホルドは、細い供給通路73により圧縮機ヘッドの圧縮ガスマニホルドによってガスが供給される。供給通路73のサイズが小さいので、軸受供給マニホルド内の圧力が制御され、この結果、気体軸受のガス消費量が制限される。
気体軸受通路は、シリンダライナ10の外壁70に設けられた溝80として形成されている。これら溝80は、他のシリンダボア71の壁と組み合わさって開口部31に通じる密閉通路を形成している。変形例として溝をシリンダボア71の内壁に設けてもよいが、これら溝はシリンダ鋳物33よりもライナ10側に、しかも、その内面よりも外面のほうに一層容易に形成されることは理解されよう。通路を穿孔又は中ぐりする必要無く、溝を一方又は他方の部品の表面に機械加工できることは、製造上の顕著な改良点である。
気体軸受通路内での圧力降下は、ピストン3,4とシリンダライナ10のボア71と間の出口流の圧力降下に類似している必要があることが判明した。ピストン3,4とシリンダライナボア71との間の隙間(効果的なコンパクトな圧縮機を得るため)は10〜15ミクロンに過ぎないので、通路の断面寸法も又、非常に小さいことが必要である(深さ約40ミクロン、幅150ミクロン)、寸法がこのように小さいので、製造が困難になる。
しかしながら、本発明の好ましい実施形態では、通路の長さを増大させて断面積も又、例えば70ミクロン×200ミクロンまで増大させることによりこのマッチングが容易になる。これは、ライナ部10の表面に任意適当な形状の溝80を形成できることを利用している。任意の経路を持つ溝80を形成することができ、もし曲がりくねった経路を選択すれば、溝80の長さは、気体軸受供給マニホルド及びそれぞれの気体軸受形成開口部31からの直接的な経路よりも著しく長い場合がある。好ましい実施形態は、螺旋経路を辿る気体軸受溝80を有している。それぞれの経路の長さは、通路の好ましい断面積に従って形成され、かかる好ましい断面積は、製造(機械加工又は場合によっては或る他の形態、例えば、精密成形による製造)を容易にするために選択できる。
シリンダ部
固定子の各部分5,6は、巻線を備えている。固定子の各部分5,6は、巻線が中央極の周りに施された「E」字形の積層スタックを備えている。巻線は、プラスチックボビンによって積層スタックから絶縁されている。各固定子部分の特定の形態は、本発明の要部をなさず、当業者には多くの形態を想到できよう。
上述したように、シリンダ部1は、関連の冷却ジャケット29、シリンダヘッド27及びリニアモータ固定子部分5,6を備えたシリンダ71を有し、これらは全て互いにしっかりと連結された状態にある。更に、シリンダ部1は、メインスプリング15、排出管18及び液体注入管34の取付け箇所を有している。シリンダ部1は又、メインスプリング15へのシリンダ部の連結のための取付け部を更に備えている。
シリンダ及びジャケット鋳物33は、シリンダヘッドから遠ざかってその端部から延びる上及び下取付け脚部41を有している。スプリング15(その好ましい形態については後述する)は、一端部のところに設けられて、シリンダ鋳物33に連結可能な剛性取付けバー43を有している。1対の側方に延びるラグ又は突出部42が、シリンダ鋳物33に向かう方向に取付けバー43から間隔を置いた状態で取付けバー43から延びている。ラグ42は、取付けバー43へのスプリング端部の入口にすぐ隣接してスプリングの部分67,68と軸方向に整列するよう配置されている。シリンダ鋳物33の上及び下取付け脚部41は、それぞれ、ラグ42をそれぞれ受け入れる取付けスロットを有している。取付けスロットは、シリンダジャケット29に向かって脚部41の自由端部77から延びる取付け脚部41の内面76に設けられた切込み又はさねはぎ溝75の形態をしている。少なくとも1つのテーパした突起78が、各さねはぎ溝75の内方に向いた表面82に形成されている。かかる各突起78は、シリンダ鋳物33に向いた垂直の表面79を有し、組立て中、突起78がスナップ嵌めによる連結のための突刺又はとげ部を形成するようになっている。特に、実質的にさねはぎ溝の対向した表面82相互間の間隔にマッチしたラグ42の側方間隔は、ラグ42、又は取付け脚部41或いはこれら両方の変形によりとげ部78だけを通過するようなものである。突起又はとげ部78をいったん通過すると、ラグ42は、とげ部78の垂直面79とさねはぎ溝75の端面を形成する垂直面83との間に捕捉される。追加のさねはぎ溝又は凹み84が、取付け脚部41の各々の外面85に形成されている。このさねはぎ溝84は、外面85に沿って軸方向に延び、それぞれの取付け脚部41の自由端部77から、さねはぎ溝84の各々が少なくともその取付け脚部41の内面76に設けられたそれぞれ対応関係にあるさねはぎ溝75と出会うような距離を置いて位置している。さねはぎ溝75,84は、これらが合致し又はオーバーラップした場合、少なくとも軸方向開口部86はこれらの間に構成されるのに十分な深さのものである。
好ましくは打抜き加工されて折り曲げられた非磁性板金で作られたクランプスプリング87には、1対の取付け脚部41と嵌合できるよう中央開口部88が設けられている。クランプスプリング87は、各取付け脚部41と関連した後方に延びる脚部89を有している。これら脚部89の自由端部90は、取付け脚部41の外面のさねはぎ溝84内で摺動し、外側さねはぎ溝84と内側さねはぎ溝75との間で軸方向開口部86を通過するほど十分小さい。メインスプリングの取付けバー43の脚部42が取付け脚部41の内側さねはぎ溝75内の定位置に位置した状態で、これら自由端部90は、ラグ42に圧接し、これらをそれぞれとげ部78の垂直面79に当接状態に保持する。加重状態でのクラフトばね87の保持により、所定の予備荷重がラグ42に供給される。
クランプスプリングは、固定子部分5,6を取り付ける作業を並行して行うことが望ましい。クランプスプリング87に設けられた中央穴88は、取付け脚部41に対し少なくとも横方向において取付け脚部41に対し厳密に寸法決めされている。クランプばね87は、シリンダ鋳物33の取付け脚部41相互間を跨ぐその側部領域92の各々に固定子部分クランプ表面91を有している。
シリンダ鋳物33は、取付け脚部41の部分相互間の位置でジャケット29のばねの方に向いた面58から延びる1対の突出した固定子支持ブロック55を有している。
固定子部分5,6の「E」字形積層スタックの各々は、これらの外面56に設けられた垂直方向に差し向けられている垂直段部69を有している。各場合、これは、モータ空隙から遠ざかる方向に向けられた外方段部である。空隙に近く位置した面56の各々の一部は、シリンダ鋳物33の支持ブロック又はクランプスプリング87の固定子係合面91に適宜当接する。定位置にあるとき、モータ部相互間の固有の引き付け力は、固定子部分5,6を互いに引き寄せる。空隙の幅は、垂直段部57を取付けブロック55の外縁部40及びクランプスプリング87の外縁部72に当接して設けることにより維持される。固定子部分5,6を垂直方向に更に位置決めするため、各取付けブロック55の固定子係合面の外縁部には、切欠き57が設けられ、この切欠き57は、垂直方向において「E」字形積層スタックの寸法とマッチしている。
モータのこの部分は、一連の作業で組み立てられる。ピストン組立体をシリンダ鋳物33に取り付ける。まず最初に、一体フランジ3,36、ピストンスリーブ4及びアーマチュア磁石2を備えたピストンロッド47を含むピストン組立体を組み立てる。ピストンスリーブ4及びピストンフェースを形成する先導フランジ3によって形成されたピストンを、シリンダ鋳物33の脚部41相互間に位置するシリンダ開口部7を通って導入されているシリンダのボア71に押し込む。したがって、ピストン連結ロッド47は、脚部41相互間に位置する。脚部41の内方に向いた表面76は、中心線に沿ってさねはぎ溝75から延びる軸方向スロット28を有している。ピストン連結ロッド47に設けられた外方に延びるラグ130が、作動中、これらスロット28内で往復動する。組立て精度は、一般に(ノッキング又は外部運動が存在しない場合)、ラグ130がスロットの表面に接触しないようなものである。しかしながら、スロット28は、シリンダ鋳物33に最も近く位置するこれらの端部のところに、狭くて浅い部分131を有し、この部分131は、連結ロッド47のラグ130と締り嵌め関係をなす。ピストン組立体を、ラグ130がこれら狭くなった部分131内に嵌まり込むと共にピストンのフェースがシリンダ鋳物33の機械加工されたシリンダヘッド受け入れフェース133に対し所定の位置を取るまでシリンダボア71に押し込む。
クランプスプリング87を取付け脚部41に嵌着し、ラグ42を内方に向いた切欠き75に嵌めてとげ部又は突起78を通過させることによりメインスプリング15を脚部41に取り付ける。クランプスプリング87をシリンダ鋳物33から遠ざかる方向に押して、クランプスプリング87の固定子部分係合表面91とシリンダ鋳物33の取付けブロック55との間に固定子部分5,6を導入するのに十分な空間が得られるまで取付けラグ42に圧接させる。次に、固定子部分5,6をこれらの定位置に導入し、クランプスプリング87を解放する。固定子部分5,6の幅は、クランプスプリング87に所定の圧縮状態を維持する。
次に、メインスプリング15とピストンロッド47との間に連結部を形成する。ピストンは、圧縮機の作動中の場合よりもシリンダヘッドにより近い所定の位置にあることは注目されるべきである。メインスプリング15の一体成形ボタン25のプラスチックとピストン連結ロッド47の後方端部48のプラスチックを融合させることにより連結部を形成する。融合は、熱板溶接によって行われる。
熱板溶接時、スプリング15を好ましくは所定の位置に又はスプリング15が所定の力を及ぼすまで伸長させる。ピストンフェースがその所定の位置にあり、しかもそのスプリング15がその所定の変位状態で2つのプラスチック部品相互の熱板溶接及び融着により、スプリング15をその中立位置にいったん解放すると、シリンダ鋳物33に対するピストンの正確な配置場所が得られる。これは、スプリング15の形態をした偏心度又は一続きの組立体中の部品の公差に起因した累積誤差とは無関係にそのようになる。
シリンダヘッド
シリンダ鋳物33の開口端部は、圧縮機27によって密閉されている。圧縮機ヘッドはそれにより、シリンダ71、そして、シリンダ71を包囲している冷却ジャケットチャンバ32の開口端部を密閉する。全体的形態として、シリンダヘッド27は、吸引マフラー/吸気マニホルド104と共に、積み重ね状態の4枚のプレート100〜103から成っている。
シリンダ鋳物33の開口端部は、ヘッド固定フランジ135を有している。ヘッド固定フランジ135は、その周囲にぐるりと間隔を置いて設けられた多数のねじ穴136を有し、固定ボルトが、これらねじ穴の中に締め付けられて積み重ね状態のプレート100,103を互いに引き寄せ、これらをシリンダ成形品33のフェースに固定するようになっている。
環状さねはぎ溝133が、フランジ135のフェースに設けられている。さねはぎ溝133は、フランジ135の互いに反対側の側部に、外方に延びるローブ137,138を有し、これらローブ137,138はそれぞれ、排出管18及び戻り管34のポートとして働く。
シリンダ鋳物33の3つのチャンバ相互間には開口部が設けられている。
第1のヘッドプレート100は、環状さねはぎ溝133内のシリンダ成形品33の開口端部と嵌合している。これは、比較的可撓性であって、ガスケットとして働く。この第1のヘッドプレートは、シリンダジャケットの開口部を密閉するが、主中央開口部を有し、シリンダ71の開口端部を覆っていない。圧縮ガス戻りポート110が、液体冷媒戻り管34と関連したローブ138に隣接してプレート100を貫通している。冷却ジャケット29の外壁に最も近いこの開口部110の縁部は、少なくともローブ138の付近でその壁から僅かに離れて位置している。この効果は、ガスが開口部110を通って冷却ジャケットチャンバ内に流れている状態で、狭い減圧領域がプレート100の直ぐ後ろであってさねはぎ溝135のローブ138に隣接して作られることにある。
別の開口部115が、排出管18の近くの位置でプレート100を貫通して設けられている。
第2のヘッドプレート101が、第1のプレート100に被さった状態で位置している。第2のプレート101は、プレート100よりも直径が大きく、しかも剛性である。この第2のプレートは、鋼、鋳鉄又は焼結鋼で作られたものであるのがよい。プレート101は、プレート100が嵌まっているさねはぎ溝よりも広がりが大きい。プレート101は、フランジのフェースに当接して位置し、第1のプレート100をさねはぎ溝に押し付けている。プレート101は、その周囲にぐるりと間隔を置いて設けられた開口部139を有し、これら開口部は、ボルトのねじ付き部分が自由に通過するように寸法決めされている。
第2のヘッドプレート101は、開口部110と位置が合った状態の圧縮ガス排出開口部111を有している。第2のヘッドプレートは、第1のプレート100の開口部115と位置が合った別の開口部117を更に有している。
プレート101の一部が、プレート100のシリンダ開口部116を密閉している。ただし、プレート101のその部分は、取入れポート113及び排出ポート114を通過している。ばね鋼入口弁118が、プレート101のシリンダに向いたフェースに固定されていて、そのヘッド部分が取入れポート113を覆うようになっている。入口弁118のベースは、プレート100とプレート101との間にクランプされ、その位置は、合せピン140によって固定される。ばね鋼排出弁119が、シリンダから離れたところでプレート101のフェースに取り付けられている。そのヘッド部分は、排出開口部114を覆っている。弁119のベースは、第2のプレート101と第3のプレート102との間にクランプされ、合せピン141によって位置決めされている。排出弁119は、第3のプレート102の排出マニホルド開口部112及び第4のプレート103に形成された排出マニホルド142内に嵌まった状態でこれらの中で動作する。入口弁118は、シリンダ圧縮空間内に嵌まっていて(そのベースから離れた状態で)、この中で動作する。
ばね鋼入口及び排出弁118,119は、発生している圧力の影響下で問題なく動作する。ピストンがシリンダ71内で引っ込んでいる状態で、低圧が、入口弁118の入口マニホルド側よりもそのシリンダ側に働いた状態で存在する。したがって、入口弁118は、冷媒が圧縮チャンバに入ることができるように開く。ピストンがシリンダ71内を前進している状態では、高い圧力が、入口マニホルド内よりも圧縮空間内に存在し、入口弁118は、この圧力差によってその閉じ位置に維持される。入口弁118は、それ自体の弾性によってこの閉じ位置に向かって付勢される。
これと同様に、排出弁は常態では、この弁がシリンダ71内でのピストンの引っ込み中に発生する圧力によって維持される閉じ位置に付勢される。排出弁は、シリンダ71内でのピストンの前進中に排出マニホルド内よりも圧縮空間内の高い空間内に開き位置に押圧される。
第3のヘッドプレート102が、第4のプレート103のシリンダに向いたフェース144に設けられた円形さねはぎ溝143に嵌まっている。プレート102は、比較的可撓性であって、ガスケットとして働き、第4のプレート103と第2のプレート101との間に圧縮状態で位置している。第3のプレート102は、第4のプレート103のフェース144に設けられた大きなさねはぎ溝142と位置が合った大きな開口部112を有している。開口部112とさねはぎ溝142は一緒になって排出マニホルドを形成し、圧縮冷媒が排出ポート114からこの排出マニホルド内へ流れる。
第3のプレート102を貫通して設けられた別の開口部121が、第4のプレート103のフェース144に設けられたさねはぎ溝145と位置合せ状態にある。開口部121も又、第2のプレート101の開口部117及び第1のプレート100の開口部115と位置合せ状態にある。ガスフィルタ120が、さねはぎ溝145からの圧縮冷媒を受け入れ、これを第1及び第2のプレートの穴146,147を通って気体軸受供給通路73に送る。
第3のプレート102を貫通して設けられた取入れ開口部95が、第2のプレート101に設けられた取入れポート113と位置合せ状態にある。開口部95も又、第4のプレート103を貫通した取入れポート96と位置合せ状態にある。第4のプレート103のフェース98に設けられたテーパした又は切頭円錐形の取入れ口97が取入れポート96に通じている。取入れポート96は、吸引マフラー104によって密閉されている。吸引マフラー104は、例えば、シリンダ鋳物に向いた側部に設けられた相当広い開放空間を備えた一体成形品から成る。この空間は、第4のプレート103を吸引マフラーに連結すると第4のプレート103によって密閉される。吸引マフラー104を多くの考えられる手段、例えば、マフラーの周囲リップを第4のプレート103に設けられたチャネルに嵌め込むことにより、或いは、ヘッドプレートをマフラーのフランジを介してシリンダ鋳物にボルト止めし、それによりマフラーをプレート100〜103の積み重ね体の一部として第4のプレート103に固定することにより、プレート100〜103の積み重ね体に連結するのがよい。吸引マフラー104は、シリンダ成形品33から遠ざかる方向に開口するよう密閉取入れマニホルド空間から延びる通路93を有している。この通路は、冷媒取入れ通路である。圧縮機がその密閉ハウジング内に配置された状態で、密閉ハウジングを貫通して延びる取入れ管12の内部突出部109が、広いクリアランスを持って取入れ通路93内へ延びている。
冷却ジャケット
上述したように、互いに連結された冷却ジャケットチャンバ32が、圧縮シリンダ71の周りに設けられている。冷媒ガスを圧縮すると、ガスは、これを圧縮空間に入ったときの温度よりも著しく高い温度の状態に達する。これにより、シリンダヘッド27及びシリンダ壁ライナ10が加熱される。
本発明では、シリンダ壁/ライナ、シリンダヘッド及び圧縮冷媒を冷却するのに液体冷媒が用いられる。液体冷媒は、冷凍システムの凝縮器の出口から供給される。液体冷媒は、シリンダを包囲している冷却ジャケットチャンバ32内に直接供給される。新たに圧縮した状態で吐出された冷媒は、排出管18を経て圧縮機から出る前に冷却ジャケットチャンバ32に流入する。チャンバ32内では、液体冷媒は、圧縮ガス、シリンダ鋳物33の周囲の壁及びシリンダヘッド27からの多量の熱を吸収して蒸発する。
凝縮器から出た液体冷媒は、圧縮直後の冷媒よりも僅かに低い圧力状態にあり、これはポンプの吐出側への液体の流れに対してバリヤとなる。しかしながら、液体冷媒を冷却ジャケット内に流入させるために受動式構造を用いることが好ましい。本発明では、これは、圧縮機の構造の幾つかの特徴によって達成される。第1に、圧力の下がった狭い領域が、ジャケット空間内への液体戻りライン34からの出口に直ぐ隣接して設けられる。この低圧領域をどのようにして形成するかについては上述した。これは、圧縮ガスがヘッドプレート100の圧縮ガス開口部110を通ってジャケット内に流入することによって生じる。第2の特徴は、液体冷媒戻り管34のその長さ方向における往復運動によって得られる僅かな慣性的圧送効果である。この往復動は、圧縮機の作動及びシリンダ部全体の関連の往復運動の結果であり、シリンダの振動は、戻り管34の軸方向に整列した長さ部分148の変動する加速状態を生じさせ、この加速状態の変動は、液体戻り管34が入口33と交わるその端部のところに変動する圧力状態を生じさせる。液体は高圧変動中に冷却ジャケットに流入すると直ぐに蒸発するので、低圧変動中の逆流は、ガスの流れである。ガスは液体と比べて密度が非常に小さいので、非常に僅かな質量流量が、液体戻りライン34を冷却ジャケットに接合している小さな切欠きを通って戻る。その結果、冷却ジャケット内への冷媒の正味の流れが存在する。第3の特徴は、家庭用電気冷蔵庫又はフリッジ/フリーザではその所期の目的上、圧縮機を凝縮器の下に設置できるということである。凝縮器からの液体冷媒が十分の流量で冷却ジャケットに流入しない場合、液体冷媒のヘッドが圧縮機まで延びるライン中で増大し、それにより、液体冷媒の圧力を圧縮冷媒の圧力に近い状態にすることが判明した。この効果は、もしそのように構成しなければシステム中の相対圧力が冷却ジャケット空間内に流入している液体冷媒に対して定める時点で自己補償の尺度をもたらすことが判明した。
冷媒
圧縮機によって生じる熱を減少させる別の方法は、冷媒と関連している。イソブタン(R600a)をリニアコンプレッサで冷媒として用いると、他の冷媒を用いた場合と比べて相乗的な利点が得られることが判明した。
リニアコンプレッサと従来型圧縮機の1つの基本的な差異は、「上死点」でのピストン上方の容積又は空間の量にある。従来型圧縮機では、この容積は、圧縮機の幾何学的配置によって押退け量のほんの一部に固定される。自由ピストンリニアコンプレッサでは、この「死」空間は、電力又は動力の入力及び吐出圧力で変わる。中程度の動力では、死空間は、動作中の押退け量の25%という高い割合になる場合がある。
死空間は、圧縮及び再膨張中のエネルギを吸収したり放出してガススプリングとして働く。しかしながら、これは、シリンダ壁との不可逆的熱交換に起因して不十分なばね作用である。この熱交換は、圧縮中の冷媒の温度上昇(又は、膨張中の温度低下)にほぼ比例する。この温度上昇は、ガスの比熱比で左右される。一般に用いられる冷媒であるR134aの場合、この比は1.127である。これは、他の一般に用いられている冷媒、例えば、CFC12とほぼ同じである。しかしながら、イソブタン(R600a)の場合、比熱比は1.108である。以下の表は冷凍機(0℃蒸発温度)及びフリーザ又はフリッジ/フリーザ(−18℃蒸発温度)について凝縮温度にマッチした飽和圧力まで圧縮されたガスの断熱温度を記載している。これらは共に、圧縮機に入った32℃の過熱状態のガス及び42℃の凝縮温度を有している(これらは、代表的な値である)。

冷 媒 蒸 発 温 度
−18 0
イソブタン 87℃ 69℃
HFC134a 99℃ 77℃
CFC12 104℃ 79℃
このように、比熱比が低いイソブタン及び他の冷媒の特性は、リニアコンプレッサの物理的特性と特にマッチしていることがわかる。この改良は、実験によって立証された。
一連の試験を450リットル冷凍機で行った。この冷凍機は、圧縮機の手前で吸引ラインに設けられた質量流量計を有していた。冷凍機を、標準のAS/NZS4474.1−1997に従って環境チャンバ内で試験した。まず最初に、試験を冷媒R134aを用いて行った。次に、この試験を冷媒R600a(イソブタン)を用いて2つの場合について行った。試験結果は以下の通りであった。
R134a R600a(試験1) R600a(試験2)
TCONDENSOR 34.3 33.3 33.5
TEVAPORATOR −3.5 −6.1 −4.5
入力動力 22.3 18.1 17.8
冷凍動力 75.25 75.01 75.07
押退け量 7.96 8.7 8.48
性能係数 3.38 4.14 4.23
この試験結果の示すところによれば、イソブタンを用いて作動するリニアコンプレッサの性能ケースは、R134aを用いて作動する場合と比較して著しく改善された。
スプリングシステム
シリンダ9は、排出管18及び液体冷媒注入管34によって支持され、これら管は、軸方向に総合剛性Kcylinder'を有している。支持スプリング39は、軸方向における剛性が非常に小さく、その効果は無視できるほどである。ピストンスリーブ4は、シリンダボア及びシリンダライナ10の境界部に設けられたキャビティ及び通路により形成されている気体軸受によって半径方向に支持されている。ピストン及びシリンダの共振が得られるよう、メインスプリングは、剛性Kmain'を有していて、共振振動数fn'を次の関係式から推定できるようになっている。
Figure 2007170404
piston'及びmcylinder'がピストン及びシリンダスプリングに加わるばね質量である場合、固有振動数fnは通常、所望の動作周波数よりも10〜20Hz低く、それにより、圧縮ガスに起因する剛性の増大による周波数の増加に対応するようになっている。
上述したように、圧縮機モータは、2つの部分5,6から成る固定子及びアーマチュア22に設けられた磁石を有している。固定子(5,6)とアーマチュア22の磁気的相互作用により、ピストンに加わる往復力が生じる。
固定子コイル中の交流(これは、必ずしも正弦波である必要はない)は、シリンダ組立体鋳物33に対するピストンの相当大きな運動を生じさせることになる。ただし、交番振動数が機械系の固有共振振動数に近いことを条件とする。この振動力は、固定子部分に加わる反力を生じさせる。このように、固定子部分5,6は、クランプスプリング87によってシリンダ組立体にしっかりと取り付けられている。
本発明では、メインスプリング15が効果的なシリンダスプリングの剛性よりも非常に大きな剛性を有することが提案される。メインスプリングは、「第3」モード振動数よりも「第2」モード振動数を高くして「ガススプリング」がモード振動数を一段と互いに引き離すに過ぎないようにする。
実際の動作振動数(「第2」モード振動数)は、ピストンとシリンダの質量の複雑な関係及びシリンダスプリング及びメインスプリング15の剛性によって定まる。また、吐出圧力が高いと、圧縮ガスの剛性をメインスプリングの剛性に加えなければならない。しかしながら、シリンダスプリングが極めてソフトな場合(例えば、メインスプリングの剛性の1/10である場合)、動作振動数は、次式によってかなり正確に求まる。
Figure 2007170404
ピストン/シリンダ運動に起因する基本振動数以外の源に起因する外部振動は、振動質量を減少させると共にシリンダスプリングが比較的ソフトであるようにすることによってほぼ無くすことができる。特定のシリンダばねを全く用いず、排出管18の固有の剛性(通常、約1,000N/m)を用いることによりシリンダスプリングの剛性を最小値に減少させことができる(又は冷却管を用いる場合、排出管と冷却管の両方の剛性が組み合わされる。即ち、2,000N/mとなる)。
圧縮機が、約75Hzで約100gのピストン質量及び10:1のシリンダとピストンの質量比で共振するようにするためには、メインスプリング(Kmain)は、約40,000N/mである必要がある。代表的には,ガススプリングの値は、メインスプリングの値よりも低いが、それほど低くはない。上述の場合、動作振動数は、ガススプリング(Kgas)が約15,000N/mで動作する場合、99Hzであると推定される。
メインスプリング
動作振動数を高くすれば、モータの大きさは、小さくなるが、高いスプリング剛性が必要となり、その結果、スプリングに生じる応力が高くなる。したがって、最も高い品質のスプリング材料を用いることが圧縮機の寿命にとって重要である。従来、プレス加工ばね鋼シートから作られたメインスプリングが使用される場合が多い。しかしながら、プレス加工中に切断された縁部は、ばね鋼シートの元の疲れ強さを回復するために注意深い研磨を必要とする。
本発明の好ましい実施形態では、メインスプリングは、円形断面のピアノ線から作られ、このピアノ線は、後で研磨を行う必要無く非常に高い疲れ強さを有している。
メインスプリングの好ましい実施形態が、図1及び図2に示されている。このスプリングは、2重螺旋の状態にねじられた連続ループの形状をしている。スプリング15を形成する1本のワイヤは、圧縮機部品のうちの一方に取付け可能なラグ42を備えた取付けバー43内に固定された自由端部を有している。図3の記載及び上記説明から理解されるように、これらラグ42は、シリンダ部1に取り付けられ、特に、脚部41のスロット内に嵌め込まれている。スプリング15は、図3の記載及び上記説明から明らかなように他の圧縮機部品に取付け可能な別の取付け箇所62を有している。好ましい形態では、この連結は、成形プラスチックボタン25を介してピストンロッド47に対して行われる。スプリング15は、実質的に一定の曲率半径の1対の湾曲した部分63,64を有し、これら湾曲部分はそれぞれ、シリンダ取付けバーの周りに延びている。これら湾曲部分は各々、約360°の長さにわたって延びている。各部分は、その端部の両方が滑らかに湾曲している。取付けバー移行部65,66のところで、これら部分は、シリンダ取付けバーのところのこれらの長さ部分67,68が半径方向に整列するように湾曲をしている。このシャープな湾曲部65,66は、移行部に沿って実質的に一様な応力分布を維持するよう選択されている。シリンダ取付け端部67,68を整列させると、これらはシリンダ取付けバーと整列する。スプリング15の曲率が一定の部分63,64を任意の長さのものにしてよい。図示の例では、これら部分の各々の長さは約360°のものである。
図1及び図2に示すように、スプリング15の取付けバー43は、その別の側部に位置している。中央取付け箇所62は、その近い方の側部に存在する。曲率が一定の部分63,64は、それぞれ取付け箇所62のところのスプリングの全体的な円の直径を横切って互いに半径方向に整列した状態で連続するようこれらの下端部が滑らかに湾曲している。この直径の整列状態は、シリンダ部取付けバー43のところの端部67,68の整列状態に対し実質的に垂直である。
曲率半径が一定の湾曲部63,64は、取付けバー43に対するピストン取付け箇所62の変位により捩れの状態に置かれている。半径が一定であるので、部分63,64の各々に沿う捩り応力も又実質的に一定である。シリンダ取付け部分67,68及びピストン取付け箇所62のところの半径方向又は実質的に半径方向は、捩り応力を減少させ、この場合、スプリングの端部は、ピストン取付け箇所62のところで取付けバー43に嵌め込まれ、しかも上述のように半径方向又は実質的に半径方向であることにより、シリンダ部とピストン部の両方に対するスプリング15の取付け具合が向上する。
リニアコンプレッサの産業上の利用分野
本発明の好ましい実施形態のリニアコンプレッサは主として、家庭用冷凍システム、例えば、フリーザ、電気冷蔵庫又は冷蔵庫/フリーザの組合せに採用されることを目的としている。かかるリニアコンプレッサは、他形式の圧縮機、例えば、回転クランク圧縮機に直接取って代わることができる。リニアコンプレッサは、吸引管12を通って低圧の蒸発冷媒を受け入れ、排出スタブ13を通って圧縮状態の冷媒を高圧で送り出す。冷凍システムでは、排出スタブ13は一般に、凝縮器に連結される。吸引管12は、1以上の蒸発器から蒸発状態の冷媒を受け入れるよう連結されている。液体冷媒送出しスタブ14は、既に説明したように圧縮機を冷却するのに用いるため凝縮器から(又は、凝縮器の下流側に位置するアキュムレータ又は冷媒ラインから)凝縮冷媒を受け入れる。密閉ケーシングを貫通して延びるプロセス管16も又、冷凍システムを排気し、選択した冷媒を充填する際に用いるために設けられている。
本発明の圧縮機を組み込んだ冷凍システムの構成全体は、本発明の要部をなさない。多くの有用な冷凍システムが知られており、更に多くの形態が想到できる。本発明の圧縮機は、かかるシステムのいずれにも有用である。
本発明の好ましい実施形態の圧縮機の有用性は、家庭用電気冷蔵庫及びフリーザ用の冷凍システムには限定されず、空気調和機用の冷凍システムにも利用できる。また、かかる圧縮機は、冷却のための液体冷媒の送出しを省くことができる冷媒を用いない用途のガス圧縮機として使用することも可能である。
リニアコンプレッサの作用及び制御は、固定子部分5,6を適当に付勢することにより行われる。動力又は電力供給コネクタ17が、開口部19に取り付けられた状態で密閉ケーシング30を通って設けられている。巻線の付勢のための適当な制御システムは、本発明の要部をなさず、ブラシレスDCモータ用の多くの別の駆動システムが周知であり、これらを利用できる。適当な駆動システムが、本出願人の同時係属国際出願PCT/NZ00/00105号明細書に詳細に記載されている。
利点
本発明の好ましい実施形態のリニアコンプレッサの多くの利点の概要は、上述の説明中に述べられている。概要を述べなかった別の利点の幾つかは次のとおりである。
(a)ピストン連結ロッドとピストン、更に、メインスプリングを介してシリンダ鋳物33の取付け脚部41との弾性可撓性連結とピストンが軽量であること及びピストンスリーブ及びシリンダライナの構成材料の適切な選択とが相まって圧縮機内の追加の潤滑剤が不要になる。したがって、冷凍システム全体を通じて冷媒中の油潤滑剤の好ましくない存在又は油潤滑剤のアキュムレータ又はセパレータが不要になる。
(b)軽量のピストンと連結ロッドの組立体は、2つの主要な圧縮機構造部材の振動運動量の大きさを減少させ、その結果、密閉ケーシングに伝わる振動を減少させる。
(c)メインスプリングは、長い疲れ寿命を持つ材料で作られているので、このメインスプリングは、成形後の追加の研磨作業を必要とせず、又、メインスプリングの寸法形状は、所用のスプリング強度を得るための材料の使用量、スプリング重量及びスプリングサイズを最小限に抑える。
(d)ピストン連結ロッドが固定子空隙内で直接動作する状態でアーマチュア磁石をピストン連結ロッドに取り付けることにより、固定子の2つの部分相互間におけるアーマチュアの作動の正確且つ有効な整合性をもつ側方にコンパクトなリニアモータが得られる。
(e)ピストンとピストン連結ロッドとの間及び連結ロッドとシリンダ部との間の応従性継手は、ピストンスリーブが不正確で比軸方向の向きに起因してシリンダボア内に局所的圧力を及ぼさないようにする。
(f)リニアコンプレッサ中にイソブチレンの冷媒を用いることは、比熱比の高い冷媒の使用と比較すると、相乗的な利点が得られることが判明した。
(g)シリンダを包囲している冷却ジャケット内への液体送込みにより、シリンダとシリンダヘッダ組立体及び圧縮機を出た合流状態の圧縮ガス流への蒸発による冷却作用が提供される。ジャケット内の高圧ガス中への送り込みは、能動的な圧送装置を必要としないで達成される。
(h)圧縮機の全体構成は、家庭用電気機器への利用に好適である。冷蔵庫又はフリーザ用の機械用空間の寸法形状は、密閉ケーシングの全体的な高さが低いので小さくすることができる。内部空間に関する検討のため、機械用コンパートメントは全体として、収容することが必要なコンポーネントとは無関係に、電気機器の幅全体に延びる。しかしながら、その高さ及び深さは一般に、圧縮機に適する最大高さ及び深さの要件によって定められる。本発明のリニアコンプレッサが低プロフィール(薄型)である理由は、圧縮機が同心形態ではなく、端から端に配置されていることにある。
(i)圧縮機のメインスプリング及びモータ部は、これら部品の幾何学的配置、寸法形状によって定まる度合いの弾性予備荷重を受ける。組立てが不完全であること、製造許容差が通常であること又はモータ動作の効果に起因して圧縮機の作動中、部品が弛み、その結果、コツコツと音を立てたり、ガタついたり、或いは故障したりするようになる恐れが減少し又は無くなる。
(j)上述した方法で熱板溶接法によりピストンロッドをメインスプリングに融合させることにより、ピストンフェースがメインスプリングの中立位置に対して正確に位置決めされる。その結果、ピストンがその移動の前方端部のところでシリンダヘッドに当たらないという信頼を持ってシリンダヘッドクリアランスを小さくした状態で圧縮機を作動させることができる。
本発明の好ましい実施形態のリニアコンプレッサの上から見た部分分解図である。 図1とは別の方向から見た圧縮機組立体のモータ側端部の分解図である。 一方向から見た圧縮機組立体のヘッド側端部の分解図である。 別の方向から見た圧縮機組立体のヘッド側端部の分解図である。

Claims (9)

  1. リニアコンプレッサのシリンダとピストン部の間に連結されるスプリングであって、
    第1の平面内にある第1の直線部分と、前記第1の平面と平行な第2の平面内にある第2の直線部分と、略一定の曲率の第1および第2の螺旋部分とを備えた高疲労強度金属ワイヤの閉ループを備え、
    前記各螺旋部分が前記第1の直線部分の端と第2の直線部分の端とを連結し、
    前記螺旋部分が前記第1部分から第2部分に動く同じ湾曲の方向を有している、
    ことを特徴とするスプリング。
  2. 前記第1および第2の直線部分と、前記第1および第2の螺旋部分との間の複数の移行部分を備え、
    各移行部分が、一端で前記直線部分と、他端で前記螺旋部分と整列し、前記端の間で前記螺旋部分に向かって曲率を減少させながら湾曲している、
    請求項1に記載のスプリング。
  3. 前記第2の平面内における前記第2の部分の配向が、前記第1の平面内の前記第1の部分の配向と直交する、
    請求項1または2に記載のスプリング。
  4. 前記第1の部分に連結され前記第1の平面と平行な第3の平面を有する取付けブロックと、
    前記第1の直線部分の配向方向で外方に延びる一対の突出部と、を備えている、
    請求項1ないし3の何れか1項に記載のスプリング。
  5. 前記第2の直線部分の中央領域にモールドされたプラスチックコンポジット取付けボタンを備えている、
    請求項1ないし4の何れか1項に記載のスプリング。
  6. シリンダ部と、
    ピストン部と、
    請求項1ないし5の何れか1項のスプリングであって、前記シリンダ部とピストン部との間に延び前記シリンダ部を前記第1の直線部分に連結し前記ピストン部を第2の直線部分に連結するスプリングと、を備えているリニアコンプレッサ。
  7. リニアコンプレッサのピストンをリニアコンプレッサのスプリングに連結できるようにリニアコンプレッサを製造する方法であって、
    (a)前記コンプレッサのボア内で所定軸線方向位置に前記ピストンを配置するステップと、
    (b)前記ピストンを、スプリングの所定変位に基づく位置または所定の反力を生じる位置でシリンダ部に既に連結されているスプリングのピストン連結位置に配置するステップと、
    (c)前記ピストンと前記スプリングのピストン連結位置とを、前記ステップ(a)および(b)で得られた分離位置に従って固定された軸線方向分離位置で、接合するステップと、を備え、
    前記ステップ(a)および(b)はどちらが先でも良い、
    ことを特徴とする方法。
  8. 前記ステップ(c)が、さらに、前記ピストンからの延長部を前記スプリングの取付けボタンに融着するステップを有し、
    該溶融するステップで、前記ボタンまたは前記延長部の軸線方向の寸法が組み立て前寸法から変更される、
    請求項7に記載の方法。
  9. 前記ステップ(b)が、前記ピストンの通常作動位置を越えて変位させた位置に配置し、前記ピストン部に連結された要素が前記シリンダ部の要素に係合し前記ピストン部の要素を前記シリンダ内の前記ピストンの往復動軸と直交する平面内の所定位置に配置するステップを含む、
    請求項7または8に記載の方法。
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