JP2007177148A - ポリオレフィン樹脂水性分散体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】炭素数3〜6の不飽和炭化水素成分を60質量%以上含有するポリオレフィン樹脂(A)50〜98質量部と、不飽和カルボン酸成分(B1)、エチレン成分(B2)および(メタ)アクリル酸エステル成分(B3)を含有するポリオレフィン樹脂(B)50〜2質量部とを溶融混練する混合工程(I)と、得られた混合樹脂を水性媒体に分散化する乳化工程(II)を含むことを特徴とするポリオレフィン樹脂水性分散体の製造方法。
【選択図】 なし
Description
このような中、プロピレンやブテン等の成分を主体とするポリオレフィン樹脂を、乳化 剤、保護コロイド、高酸価ワックスなどの不揮発性の親水性化合物を使用せずにポリオレフィン樹脂の水性化の方法が提案されている(特許文献1)。
すなわち本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1)炭素数3〜6の不飽和炭化水素成分を60質量%以上含有するポリオレフィン樹脂(A)50〜98質量部と、不飽和カルボン酸成分(B1)、エチレン成分(B2)および(メタ)アクリル酸エステル成分(B3)を含有するポリオレフィン樹脂(B)50〜2質量部とを溶融混練する混合工程(I)と、得られた混合樹脂を水性溶媒に分散化する乳化工程(II)を含むことを特徴とするポリオレフィン樹脂水性分散体の製造方法。
(2)乳化工程(II)において、混合樹脂を塩基性化合物、水性有機溶剤および水とともに80〜250℃の温度で加熱することを特徴とする上記(1)記載のポリオレフィン樹脂水性分散体の製造方法。
(3)前記製造方法により得られるポリオレフィン樹脂水性分散体。
(B2)成分と(B3)成分との質量比(B2)/(B3)は、より良好な水性分散体を得るために、65/35〜99/1の範囲であることが好ましく、70/30〜95/5であることがより好ましく、75/25〜92/8であることが特に好ましい。
上記の有機溶剤の中でも、樹脂の水性化促進に効果が高く、しかも水性媒体中から有機溶剤を除去し易いという点から、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルが好ましく、低温乾燥性の点からエタノール、n−プロパノール、イソプロパノールが特に好ましい。
また、本発明の製造方法を用いることで、ポリオレフィン樹脂(A)を単独で水性分散化したときよりも、分散粒子径を小さくすることができる。
乳化剤としては、カチオン性乳化剤、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、あるいは両性乳化剤が挙げられ、一般に乳化重合に用いられるもののほか、界面活性剤類も含まれる。例えば、アニオン性乳化剤としては、高級アルコールの硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸塩、高級カルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート塩、ビニルスルホサクシネート等が挙げられ、ノニオン性乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイドプロピレンオキサイドブロック共重合体、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体などのポリオキシエチレン構造を有する化合物やポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどのソルビタン誘導体等が挙げられ、両性乳化剤としては、ラウリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。保護コロイド作用を有する化合物、変性ワックス類、高酸価の酸変性化合物、水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、変性デンプン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸およびその塩、カルボキシル基含有ポリエチレンワックス、カルボキシル基含有ポリプロピレンワックス、カルボキシル基含有ポリエチレン−プロピレンワックスなどの数平均分子量が通常は5000以下の酸変性ポリオレフィンワックス類およびその塩、アクリル酸−無水マレイン酸共重合体およびその塩、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸交互共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等の不飽和カルボン酸含有量が15質量%以上のカルボキシル基含有ポリマーおよびその塩、ポリイタコン酸およびその塩、アミノ基を有する水溶性アクリル系共重合体、ゼラチン、アラビアゴム、カゼイン等、一般に微粒子の分散安定剤として用いられている化合物が挙げられる。
オルトジクロロベンゼン(d4)中、120℃にて1H−NMR分析(バリアン社製、300MHz)を行い求めた。
ポリオレフィン樹脂0.5gを50mlのトルエンに溶解し、クレゾールレッドを指示薬としてKOHのメタノール溶液で滴定から酸価を求め、そこから樹脂中の不飽和カルボン酸含有量を求めた。
樹脂の融点はDSCで測定した(測定装置:パーキン・エルマー社製DSC−7、10℃/分昇温)。
JIS 6730記載の方法(190℃、2160g荷重)で測定した。
ポリオレフィン分散体を適量秤量し、これを150℃で残存物(固形分)の質量が恒量に達するまで加熱し、ポリオレフィン樹脂固形分濃度を求めた。
日機装社製、マイクロトラック粒度分布計UPA150(MODEL No.9340)を用い、数平均粒子径(mn)及び重量平均粒子径(mw)を求めた。
水性化後の水性分散体を300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過した際に、フィルターの詰り具合によって次のように評価した。
○:問題なし
×:フィルターが詰りろ過が困難
島津製作所社製ガスクロマトグラフGC−8A〔FID検出器使用、キャリアーガス:窒素、カラム充填物質(ジーエルサイエンス社製):PEG−HT(5%)−Uniport HP(60/80メッシュ)、カラムサイズ:直径3mm×3m、試料投入温度(インジェクション温度):150℃、カラム温度:60℃、内部標準物質:n−ブタノール〕を用い、水性分散体または水性分散体を水で希釈したものを直接装置内に投入して、有機溶剤の含有率を求めた。検出限界は0.01質量%であった。
ポリオレフィン樹脂水性分散体を室温で90日放置した後に重量平均粒子径(mw)を測定し、初期(保存0日)のmw0を基準に保存後のmw90の増加割合(mw90/mw0)を計算して以下のように評価した。
△:1.2〜1.5
×:1.5を超える
水性分散体を2軸延伸PETフィルム(ユニチカ社製エンブレットPET12,厚み12μm)上に乾燥後の塗膜厚みが約1μmになるようにメイヤーバーでコートし、100℃で2分間乾燥した。このようにして作製したコートフィルムを水道水に1日、浸漬した後、コート層の溶解、あるいは剥離の有無を目視で評価した。
水性分散体を2軸延伸PETフィルム(ユニチカ社製エンブレットPET12,厚み12μm)上に乾燥後の塗膜厚みが約1μmになるようにメイヤーバーでコートし、100℃で2分間乾燥した。得られたコートフィルムは室温で1日放置後、評価した。塗膜を水酸化ナトリウムでpHを12.0に調製したアルカリ水(30℃)に1日、浸漬した後、コート層の溶解、あるいは剥離の有無を目視で評価した。
水性分散体を含むコート液を未延伸ポリプロピレン(PP)フィルム(東レ製、厚み60μm)のコロナ処理面およびコロナ未処理面上に乾燥後の塗布量が3g/m2になるようにメイヤーバーでコートし、100℃で2分間乾燥した。コート面同士が接するようにして、ヒートプレス機(シール圧3kg/cm2で5秒間)にて130℃でプレスした。このサンプルを15mm幅で切り出し、1日後、引張り試験機(インテスコ社製精密万能材料試験機2020型)を用い、引張り速度200mm/分、引張り角度180度で塗膜の剥離強度を測定することでヒートシール強度を評価した。
日本電色工業社製のNDH2000「濁度、曇り度計」を用いてJIS K7105に準じて「ヘーズ(%)」を測定し、その数値により低温造膜性を評価した。ヘーズが2.8%のPETフィルム(ユニチカ社製エンブレットPET12,厚み12μm)に、20℃の雰囲気中で乾燥後のコート膜厚が2μmになるようにポリオレフィン樹脂水性分散体をマイヤーバーを用いてコートした後、コート温度と同じ20℃で1日放置して乾燥させ、コートフィルムを作製した。このようにして作製したコートフィルム全体(厚み14μm)のヘーズを測定した。数値の小さいほど透明性が良好であることを意味し、したがって、低温(20℃)での造膜性が良好であることを示す。
プロピレン−ブテン−エチレン三元共重合体(ヒュルスジャパン社製、ベストプラスト708、プロピレン/ブテン/エチレン=64.8/23.9/11.3質量%)280gを4つ口フラスコ中、窒素雰囲気下で加熱溶融させた後、系内温度を170℃に保って攪拌下、不飽和カルボン酸として無水マレイン酸12.0gとラジカル発生剤としてジクミルパーオキサイド4.0gをそれぞれ1時間かけて加え、その後1時間反応させた。反応終了後、得られた反応物を多量のアセトン中に投入し、樹脂を析出させた。この樹脂をさらにアセトンで数回洗浄し、未反応の無水マレイン酸を除去した後、減圧乾燥機中で減圧乾燥してポリオレフィン樹脂P−1を得た。
プロピレン−エチレン共重合体(プロピレン/エチレン=81.8/18.2質量%、重量平均分子量85,000)280gを4つ口フラスコ中、窒素雰囲気下で加熱溶融させた後、系内温度を180℃に保って攪拌下、不飽和カルボン酸として無水マレイン酸15.0gとラジカル発生剤としてジ−t−ブチルパーオキサイド4.0gをそれぞれ2時間かけて加え、その後1時間反応させた。反応終了後、得られた反応物を多量のアセトン中に投入し、樹脂を析出させた。この樹脂をさらにアセトンで数回洗浄し、未反応の無水マレイン酸を除去した後、減圧乾燥機中で減圧乾燥してポリオレフィン樹脂P−2を得た。
<溶融混練>
「P−1」と「HX8290」とを、質量比(A)/(B)=70/30でドライブレンドし、それをシリンダー温度150℃に設定した二軸混練機(池貝製PCM−30、吐出量60g/分)に供給して溶融混練し、ノズルからストランド状に押出した後、ストランドカッターを用いてペレット化した。
ヒーター付きの密閉できる耐圧1L容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60.0gの溶融混練した樹脂、90.0gの1−プロパノール(以下、NPA)、5.0gのN,N−ジメチルエタノールアミン(以下、DMEA)及び145.0gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を400rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、ヒーターの電源を入れ、系内温度を150℃にし、さらに10分間撹拌した。その後、空冷にて、回転速度400rpmのまま攪拌しつつ室温(約40℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm)でろ過し、乳白色の均一なポリオレフィン樹脂水性分散体「E−1」を得た。水性分散体の各種特性を表2に示した。
「P−1」と「HX8290」との質量比(A)/(B)を50/50(実施例2)、90/10(実施例3)とした以外は実施例1と同様の操作をおこない、乳白色の均一なポリオレフィン樹脂水性分散体「E−2」、「E−3」を得た。水性分散体の各種特性を表2に示した。
「P−1」に代えて「P−2」を用いた以外は実施例1と同様の操作をおこない、乳白色の均一なポリオレフィン樹脂水性分散体E−4を得た。水性分散体の各種特性を表2に示した。
実施例1で得られた「E−1」250g、蒸留水135gを0.5Lの2口丸底フラスコに仕込み、メカニカルスターラーとリービッヒ型冷却器を設置し、フラスコをオイルバスで加熱していき、水性媒体を留去した。約135gの水性媒体を留去したところで、加熱を終了し、室温まで冷却した。冷却後、フラスコ内の液状成分を300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白色の均一なポリオレフィン樹脂水性分散体E−5を得た。水性分散体の各種特性および塗膜性能を表2に示した。この水性分散体中の有機溶剤の含有率は0.3質量%であった。
ヒーター付きの密閉できる耐圧1L容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60gのHX8290、90gの1−プロパノール(以下、NPA)、5.0gのN,N−ジメチルエタノールアミン(以下、DMEA)及び145gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を400rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、ヒーターの電源を入れ、系内温度を150℃にし、さらに10分間撹拌した。その後、空冷にて、回転速度400rpmのまま攪拌しつつ室温(約40℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm)でろ過し、乳白色の均一なポリオレフィン樹脂水性分散体「S−1」を得た。水性分散体の各種特性を表2に示した。
ポリオレフィン樹脂として「P−1」を単独で用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、水性化分散体「H−1」を得た。ろ過性は悪かった。水性分散体の各種特性を表2に示した。
ポリオレフィン樹脂として「P−2」を単独で用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、水性化分散体「H−2」を得た。ろ過性は悪かった。水性分散体の各種特性を表2に示した。
実施例1において、樹脂を溶融混練せずに、水性化を行った。すなわち、樹脂として「P−1」を42gと「HX8290」を18gを用いて、実施例1における<水性化>と同様の操作を行って、水性化分散体「H−3」を得た。ろ過性が悪かった。水性分散体の各種特性を表2に示した。
実施例1において、樹脂を溶融混練せずに、水性化を行った。すなわち、樹脂として「P−1」を54gと「HX8290」を6gを用いて、実施例1における<水性化>と同様の操作を行って、水性化分散体「H−4」を得た。ろ過性は悪かった。水性分散体の各種特性を表2に示した。
「H−2」(比較例2)と「S−1」(参考例1)とを固形分質量比が70/30になるように室温で水性分散体同士を混合し水性化分散体「H−5」を得た。水性分散体の各種特性を表2に示した。
「P−1」と「HX8290」との質量比(A)/(B)を30/70(実施例2)とした以外は実施例1と同様の操作をおこない、乳白色の均一なポリオレフィン樹脂水性分散体「H−6」を得た。水性分散体の各種特性を表2に示した。
Claims (6)
- 炭素数3〜6の不飽和炭化水素成分を60質量%以上含有するポリオレフィン樹脂(A)50〜98質量部と、不飽和カルボン酸成分(B1)、エチレン成分(B2)および(メタ)アクリル酸エステル成分(B3)を含有するポリオレフィン樹脂(B)50〜2質量部とを溶融混練する混合工程(I)と、得られた混合樹脂を水性媒体に分散化する乳化工程(II)を含むことを特徴とするポリオレフィン樹脂水性分散体の製造方法。
- 乳化工程(II)において、混合樹脂を塩基性化合物、水性有機溶剤および水とともに加熱、攪拌することにより分散化することを特徴とする請求項1記載のポリオレフィン樹脂水性分散体の製造方法。
- ポリオレフィン樹脂(B)に含有される(B1)成分が0.1〜10質量%である請求項1記載のポリオレフィン樹脂水性分散体の製造方法。
- ポリオレフィン樹脂(B)に含有される(B2)成分と(B3)成分の質量比が65/35〜99/1である請求項1記載のポリオレフィン樹脂水性分散体の製造方法。
- ポリオレフィン樹脂(A)が不飽和カルボン酸成分を0.5〜10質量%含有する樹脂である請求項1記載のポリオレフィン樹脂水性分散体の製造方法。
- 請求項1〜5いずれかに記載の製造方法により得られるポリオレフィン樹脂水性分散体。
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