JP2007183003A - 電磁式圧力調整弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧力調整弁において、シャフトとブッシュとの摺動面間での潤滑油の劣化を防ぎ、生成物の付着物を低減し、摺動不良を防止して調圧精度を確保する。
【解決手段】圧力調整弁は、コア2と、その中空部21に挿通されたシャフト40を介して弁体13に荷重を負荷するプランジャ4とを備える。コア2の中空部21にシャフト40との摺動面5aが樹脂材料で構成されるブッシュ5を配設し、ブッシュ5とシャフト40との摺動面間を潤滑する潤滑油の給排油路Tをコアの内周に設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧力調整弁に関し、ソレノイドにより弁体に荷重を負荷する電磁弁形式の圧力調整弁に関するものである。
従来、電磁弁形式の圧力調整弁のソレノイド部は、コイルを巻装された中空のコアと、コイルへの通電によりリターンスプリングによる荷重負荷に抗してコアに吸引されるプランジャと、吸引によるプランジャの変位をコアを挟んで反対側に配設された弁体に伝達すべく、プランジャに固定され、コアの中空部を通して反対側まで延び、弁体に当接するシャフトとから構成されている。こうした構成のソレノイド部において、シャフトは、プランジャの変位を正確に弁体に伝達しなければならないため、特許文献1に開示されているように、極めて高精度のベアリングを介してコアに支持される構成が採られている。上記公報に開示の技術では、ベアリングは、黄銅製のベアリングケージと該ケージに形成された微小径の小孔に回転自在に嵌め込まれ、かつベアリングケージ内外周にわずかに突出する多数のボールとからなるリニアボールベアリングとされ、ベアリングの内周に配設されたシャフトが、転動するボールを介してコアに支持され、コアに対して低抵抗で変位できるような構成となっている(例えば、特許文献1参照。)。
ところで、コアは一般に、圧力調整弁の高効率化のために、可能な限り少ないソレノイド電流で、より大きなプランジャ変位力を発生させるように、また、ヒステリシスを可能な限り小さくするように、軟質の透磁性材料(例えば、SUYB1で代表されるような軟質の鋼材)で構成される。そのため、硬質のベアリングボールを直接コアの中空部内周で転動するように支持すると、コア内周に凹凸変形を生じさせ、シャフトひいてはプランジャのセンタリング精度を低下させるばかりでなく、シャフトのスムーズな変位を阻害することになる。そこで、こうした事態の発生を防止するため、上記従来の技術では、コアの中空部内周に比較的硬質の鋼材(例えば、SUJ2で代表されるようなボールと同一またはそれ以上の硬度を有する鋼材)で構成され、リニアボールベアリングのアウタレースとして機能するスリーブを嵌合する構成が採られている。
しかしながら、上記従来技術の構成では、リニアボールベアリング自体が高コストであるばかりでなく、これを含む部品の点数が多く、それに伴い組付工数も多いため、全体としてコスト高となっていた。そこで、こうした事態を避けるには、リニアボールベアリングを用いずに、シャフトをスムーズに案内させるための低摩擦材料、例えばポリテトラフロルエチレン等の樹脂材料製の摺動ベアリングすなわちブッシュを介してシャフトをコアに支持する構成が想起される。ところが、こうした構成を採る場合、ブッシュとシャフトとの間のクリアランスをシャフトのがたつきを防止するために微小にしなければならないため、両者の間にクリアランスのあるボールベアリングと異なり、摺動面間に潤滑油が滞留しやすくなる。そして、このように潤滑油が滞留した場合、潤滑油は、電流が流される圧力調整弁のコイルの発熱等による高温環境下に置かれること及びシャフトの摺動の繰り返しにより、局部的に劣化することが懸念される。また、潤滑油は、一般に炭素を含むことから炭化化合物が生成しやすく、それがシャフトのスムーズな摺動を阻害する可能性がある。そして、こうした状態になると、油圧を精度良く調圧することが困難となる。
特開平3−204488号公報
そこで本発明は、部品点数を削減すべくシャフトを摺動支持する構成を採りながら、シャフトのスムーズな摺動を可能とし、かつ摺動支持部への潤滑油の給排を簡単な構成で行う電磁式圧力調整弁を提供することを第1の目的とする。
次に、本発明は、上記の弁において、高コスト材料の使用を最小限に抑えることを第2の目的とする。
そして、本発明は、摺動支持部への潤滑油の給排をより一層簡単な構成で行うことを第3の目的とする。
上記第1の目的を達成するため、本発明は、コイルの内周に少なくとも一部が配設された中空のコアと、該コアの中空部に挿通されたシャフトを介して弁体に荷重を負荷するプランジャとを備え、前記コイルに電気的信号が印加されることにより作動する電磁式圧力調整弁において、前記コアの中空部に配設され、前記シャフトをコアに対して可動に支持し、少なくともシャフトとの摺動面が樹脂材料で構成されるブッシュと、前記コアと前記ブッシュとの間に形成され、該ブッシュとシャフトとの摺動面間を潤滑する潤滑油の給排油路とを有することを特徴とする。
そして、上記第2の目的を達成するため、前記ブッシュの前記シャフトとの摺動面は、ブッシュの内周を被覆する樹脂により形成される構成とされる。
そして、第3の目的を達成するため、前記給排油路は、前記コアの内周に形成された構成とされる。
本発明の構成では、シャフトの摺動支持に樹脂摺動面を有するブッシュを用いるため、従来のスリーブ及びリニアボールベアリングの代わりにブッシュのみを配設すれば良く、部品点数及び組付工数が削減され、圧力調整弁のコストの低減が可能である。また、ブッシュとシャフトとの間を潤滑する潤滑油を摺動部に給排可能としたため、ブッシュとシャフトとの間に潤滑油が滞留することがなく、電流が流される圧力調整弁のコイルの発熱等による高温環境下で作動させても、シャフトの摺動の繰り返しにより潤滑油が局部的に劣化して潤滑性能が低下することがなく、特に潤滑油が一般に炭素を含むことによる炭化化合物の生成と、その摺動部への付着が防止され、シャフトのスムーズな摺動を長期にわたって維持することができ、それにより圧力調整弁の高精度の調圧能力を長期間維持することができる。
また、請求項2に記載の構成では、ブッシュのシャフトとの摺動面が樹脂被覆により形成されるため、価格の高い樹脂の使用を最小限に抑えて、シャフトをスムーズに摺動させることの可能なブッシュを、より安価に形成することができる。
また、請求項3に記載の構成では、給排油路はコア内周に形成されるため、シャフトと対向して解放されていることとなり、シャフトの摺動のみにより容易に潤滑油の摺動部への給排が可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、図1は本発明が適用される電磁式圧力調整弁の実施形態の全体構成を断面で示す。この例では、圧力調整弁は、自動変速機の油圧制御装置用リニアソレノイド弁の形態を採っている。この弁は、自動変速機のバルブボディに形成された弁孔に嵌合させて、バルブボディ内に形成された油路中に介装される弁部Vと、バルブボディ外に位置づけられるソレノイド部Sとから構成されている。
弁部Vは、弁本体を構成するスリーブ11と、その内部を軸方向に延びるスプール摺動孔12内で摺動するスプール13とから構成されている。スリーブ11は、スプール摺動孔12のほか、軸方向に間隔を置いて形成された6つのポートP1〜P6と、それらポートとスプール摺動孔12とを連通する周溝G1〜G6とを有し、ソレノイド部Sが取付けられる側が拡径され、反対側が薄肉化して縮径された形状とされている。スプール13は、互いに隣合う周溝G1〜G6をスプール摺動孔12を介して連通及び遮断する2つの大径のランドR1、R2及び1つの小径のランドR3を有し、ソレノイド部Sに面する側の軸部先端は半球状とされ、後に詳記するシャフトとの当接部とされている。スリーブ11のスプール摺動孔12内の反ソレノイド部S側には、リターンスプリング14が配設され、該スプリング14の一端は、スプール13の小径のランドR3に当接され、他端はスクリュープラグ15に当接させて、圧縮状態に支持されている。スクリュープラグ15は、スプール摺動孔12の延長部に形成されたネジ孔部にねじ込まれ、所定のリターン荷重をスプール13に負荷する位置で、縮径されたスリーブ11の薄肉部のかしめにより位置決め固定されている。
ソレノイド部Sは、拡径部をスリーブ11の軸方向一端の拡径部に当接され、ソレノイドケース10の内端部のかしめによりスリーブ11に固定されたコア2と、コア2の外周に嵌挿可能にケース10に取付けられたコイル3と、コア2の外端にコア2と対峙させて配設されたプランジャ4と、プランジャ4にかしめ止め固定されたシャフト40を有する構成とされている。なお、図において、符号16はコイルの浮動を防止する緩衝材を兼ねるフィルタ、41はコア2とプランジャ4の最小ギャップを維持する真鍮等の非磁性材料からなるスペーサ、17はケース10の開口を覆うプレート、31はコイル3を図示しない電子制御装置に結線するコネクタプラグのソケットを示す。
本発明に従い、コア2の中空部21には、シャフト40をコア2に摺動自在に支持するブッシュ5が配設されている。このブッシュ5の少なくともシャフト40を支持する摺動面5aは、本例において、低摩擦合成樹脂素材としてのポリテトラフロルエチレン樹脂で構成されている。具体的には、ブッシュ5は鋼材製とされ、その内周面に上記樹脂材をライニングして、樹脂による被覆を形成されている。ブッシュ5は、コア2の中空部21内周の両端に嵌合して配設されている。
この弁には、ブッシュ5とシャフト40との間を潤滑する潤滑油の給排油路Tが設けられている。油路Tは、コア2と、ブッシュ5と、シャフト40とにより囲まれる空間Csを潤滑油の存在する他の弁内空間Vs、Ssに連通する、その形成位置を後に詳記する油路とされている。
図2にコアとブッシュとを分解して詳細に示すように、油路Tは、この実施形態では、ブッシュ5を軸方向に位置決めすべく、両端を拡径された段付き孔からなるコア2の中空部21内周に、コア2の全長に渡って軸方向に互いに平行に延び、かつ径方向に向かい合う、一対の断面「V」字状の溝として形成されている。
こうした構成を採るこの実施形態のリニアソレノイド弁において、ソレノイド電流無負荷の状態では、スプール13は、リターンスプリング14の負荷で図1に示す最上方位置にあり、この位置において、出力ポートP3はドレーンポートP2に連通し、ポートP4から供給される基圧(ライン圧をモジュレータ弁により、リニアソレノイド弁のスプールのストローク範囲で、高精度の調圧が可能に減圧したモジュレータ圧)はランドR2で遮断されている。
こうした状態にあるリニアソレノイド弁に対して、図示しない電子制御装置から制御状態に応じたデューティ比の電流がコイル3に供給されると、電磁吸引力によりプランジャ4はコア2の端部に向かって引き寄せられ、それに伴うシャフト40の変位がスプール13に伝達される。
すると、スプール13は、図示の位置から下方に変位し、ポートP4から供給される基圧は、ランドR2で絞られて所定の圧力とされ、ポートP3に出力される。このときの出力圧はスプール内油路を介してランドR2の段差面に二次圧としてフィードバックされ、出力圧をソレノイド荷重負荷、スプリング荷重負荷、フィードバック圧負荷のバランスで所定圧に保つ。
上記の作動の際に、シャフト40が変位することにより、プランジャ4が収容されているケース10内空間Ssの容積は、シャフト40の弁内空間Vs内への押し込み分に相当する体積だけ増加する。これにより、ケース10内空間Ssの圧力は低下するため、弁内空間Vs内の油は、コア2の中空部21、具体的には溝Tを通り、空間Ss内に吸引される。こうした油の流れに伴い、両ブッシュ5、5に挟まれる空間Cs内の油もつられて流動する。また、上記と逆にシャフト40が図示上向きに変位すると、空間Ssの容積は、押し込まれるシャフト40の体積分だけ減少する。これにより、該空間Ssの圧力は上昇し、空間Ss内の油は、コア2の溝Tを通り、空間Vs内に押し出される。こうして電子制御装置によるデューティ比の変更のみならず、出力圧を所定圧に調圧するリニアソレノイド弁のスプール作動によるシャフト40の変位動作で常時空間Cs内の油は、空間Vs及び空間Ssに流動する。
かくして、この実施形態の弁によれば、シャフト40の変位により常にシャフト支持部を潤滑する潤滑油が供給・排出され、常に摺動面間に介在する潤滑油の入替えが行われる。そのため、ブッシュ5とシャフト40との間に潤滑油が滞留し、高温環境下及びシャフト40の摺動の繰り返しにより潤滑油が局部的に劣化すること、特に潤滑油が一般に炭素を含むことによる炭化化合物が生成されることが防止され、シャフト40のスムーズな摺動が可能となる。また、ブッシュ5の内周を樹脂により被覆しているため、価格の高いポリテトラフロルエチレン樹脂の使用を最小限に抑え、ブッシュ5を、安価に形成することができる。また、ブッシュ5がコア2内周の両端に配設されているため、ブッシュ5とシャフト40との摺接面積が小さく、シャフト40の摺動抵抗を減少させることができ、シャフト40のよりスムーズな摺動が可能となる。さらに、シャフト40がその両端部近傍で支持されることになるので、がたつきが発生することもない。また、ブッシュ5を形成するための材料が削減され、コストが低くなる。
以上詳記したように、前記実施形態の場合、電磁式圧力調整弁を高温環境下で長期間使用しても、溝Tの形成によりブッシュ5とシャフト40との摺動部周辺の潤滑油流動が確保され、局部的に潤滑油が滞留劣化して潤滑性能が低下し、ブッシュ5及びシャフト40表面に生成物が付着物するのが低減され、ブッシュ5内でのシャフト40の摺動不良は起こらずに油圧調圧精度は確保される。なお、前記のように、シャフト40の往復動で摺動部に対する潤滑油の給排が可能であるため、潤滑油を流動させるための格別の加圧等の必要はない。また、溝Tの油流動容量を十分に取れば、溝Tを通しての潤滑油のソレノイドケース10内外間の出入りで、プランジャ4のオイル内可動における抵抗が従来のものより低減され、リニアソレノイド弁の応答性を一段と向上させることもできる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明が適用された電磁式圧力調整弁の実施形態を示す断面図である。 上記圧力調整弁のコア部分を一部断面で示す分解斜視図である。
符号の説明
2 コア
4 プランジャ
5 ブッシュ
5a 摺動面
13 スプール(弁体)
21 中空部
40 シャフト
T 溝(油路)

Claims (3)

  1. コイルの内周に少なくとも一部が配設された中空のコアと、該コアの中空部に挿通されたシャフトを介して弁体に荷重を負荷するプランジャとを備え、前記コイルに電気的信号が印加されることにより作動する電磁式圧力調整弁において、
    前記コアの中空部に配設され、前記シャフトをコアに対して可動に支持し、少なくともシャフトとの摺動面が樹脂材料で構成されるブッシュと、
    前記コアと前記ブッシュとの間に形成され、前記ブッシュとシャフトとの摺動面間を潤滑する潤滑油の給排油路とを有することを特徴とする電磁式圧力調整弁。
  2. 前記ブッシュの前記シャフトとの摺動面は、ブッシュの内周を被覆する樹脂により形成される請求項1に記載の電磁式圧力調整弁。
  3. 前記給排油路は、前記コアの内周に形成される請求項1又は2に記載の電磁式圧力調整弁。
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