JP2007187568A - 自動分析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高精度な製造装置や製造工程を必要とせず、製造が容易であり、安価な自動分析装置を提供すること。
【解決手段】音波を利用して試料又は試薬を含む液体を非接触で攪拌又は混合して反応させ、反応液を分析する自動分析装置。音波が透過する壁7bを有し、液体を保持する複数の反応容器7と、各反応容器の壁外面に接触して配置され、壁7bを介して液体に音波を照射する表面弾性波素子21とを備え、複数の反応容器7は、音波の伝搬経路に沿った壁の肉厚tが壁を透過する音波の波長以上であり、使用する総ての反応容器における肉厚のばらつきが壁を透過する音波の波長の二分の一以上である。
【選択図】 図4

Description

本発明は、自動分析装置に関するものである。
従来、容器に保持した液体に容器外の音源から音波を照射することによって、容器内の液体を攪拌し、あるいは容器内を洗浄する装置がある。このとき、容器壁面を透過する音波の透過率は、壁面の厚さに依存し、厚さが音波の半波長の整数倍であるときに高い透過特性を示すことが知られている。このような音波の透過特性を利用した装置、例えば、超音波洗浄装置には、洗浄液を保持した内槽(容器)への音波の透過率を向上させるため、音波の波長λに対して内槽の厚みtをλ/2±10%に設定したものがある(特許文献1参照)。
特開平9−24349号公報
ところで、特許文献1に開示された超音波洗浄装置は、洗浄液を保持する容器の厚みtがλ/2±10%の範囲から外れると、音波の透過率が大きく変化し、容器内の洗浄液に透過する音波のエネルギーに大きな差が生じてしまう。このため、特許文献1の超音波洗浄装置の技術を複数の容器を有する分析装置の攪拌技術として利用した場合には、複数の容器間の厚みtのばらつきΔtを波長λに対してλ/10以内に抑えて高精度に製造する必要があり、厚さの制御のために高精度な製造装置や製造工程を必要とし、製造が難しいという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、高精度な製造装置や製造工程を必要とせず、製造が容易であり、安価な自動分析装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に係る自動分析装置は、音波を利用して試料又は試薬を含む液体を非接触で攪拌又は混合して反応させ、反応液を分析する自動分析装置であって、音波が透過する壁を有し、前記液体を保持する複数の反応容器と、前記各反応容器の壁外面に接触して配置され、前記壁を介して前記液体に音波を照射する音波発生手段と、を備え、前記複数の反応容器は、前記音波の伝搬経路に沿った前記壁の肉厚が前記壁を透過する音波の波長以上であり、使用する総ての反応容器における前記肉厚のばらつきが前記壁を透過する音波の波長の二分の一以上であることを特徴とする。
また、請求項2に係る自動分析装置は、上記の発明において、前記肉厚のばらつきは、前記反応容器の肉厚に関する設計上の公差であることを特徴とする。
また、請求項3に係る自動分析装置は、上記の発明において、前記肉厚のばらつきは、前記複数の反応容器における肉厚の最大値と最小値との差であることを特徴とする。
また、請求項4に係る自動分析装置は、上記の発明において、前記音波発生手段は、表面弾性波素子であることを特徴とする。
また、請求項5に係る自動分析装置は、上記の発明において、さらに、前記複数の音波発生手段の駆動を制御する共通の駆動制御手段を有することを特徴とする。
また、請求項6に係る自動分析装置は、上記の発明において、さらに、前記反応容器及び前記反応容器に保持された液体をドライバス方式によって一定温度に保温する保温手段を有することを特徴とする。
本発明の自動分析装置は、上記構成の反応容器を使用するので、高精度な製造装置や製造工程を必要とせず、製造が容易で、安価に提供することができるという効果を奏する。
以下、本発明の自動分析装置にかかる実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本発明の自動分析装置の概略構成図である。図2は、図1の自動分析装置で用いる反応容器単体を示す斜視図である。図3は、底壁に表面弾性波素子を取り付けた図2に示す反応容器の平面図である。図4は、図1の自動分析装置で用いる攪拌装置の概略構成を示す図である。
自動分析装置1は、図1に示すように、作業テーブル2上に検体テーブル3、反応テーブル6及び試薬テーブル13が互いに離間してそれぞれ周方向に沿って回転、かつ、位置決め自在に設けられている。また、自動分析装置1は、検体テーブル3と反応テーブル6との間に検体分注機構5が設けられ、反応テーブル6と試薬テーブル13との間には試薬分注機構12が設けられている。
検体テーブル3は、図1に示すように、駆動手段(図示せず)によって矢印で示す方向に回転され、外周には周方向に沿って等間隔で配置される収納室3aが複数設けられている。各収納室3aは、検体を収容した検体容器4が着脱自在に収納される。
検体分注機構5は、検体を後述する反応容器7に分注する手段であり、検体テーブル3の複数の検体容器4から検体を順次後述する反応容器7に分注する。
反応テーブル6は、図1に示すように、駆動手段(図示せず)によって矢印で示す方向に回転され、外周には周方向に沿って等間隔で配置される収納室6aが複数設けられている。各収納室6aは、攪拌容器として検体を試薬と反応させる反応容器7が着脱自在に収納される。また、反応テーブル6には、光源8及び排出装置11が設けられている。
光源8は、試薬と検体とが反応した反応容器7内の液体試料を分析するための分析光(340〜800nm)を出射する。光源8から出射された分析用の光ビームは、反応容器7内の液体試料を透過し、光源8と対向する位置に設けた受光素子9によって受光される。一方、排出装置11は、図示しない排出ノズルを備えており、反応容器7から反応終了後の液体試料を前記排出ノズルによって吸引し、排出容器(図示せず)に排出する。ここで、排出装置11を通過した反応容器7は、図示しない洗浄装置に移送されて洗浄された後、再度、新たな検体の分析に使用される。
試薬分注機構12は、試薬を反応容器7に分注する手段であり、後述する試薬テーブル13の所定の試薬容器14から試薬を順次反応容器7に分注する。
試薬テーブル13は、図1に示すように、図示しない駆動手段によって矢印で示す方向に回転され、扇形に成形された収納室13aが周方向に沿って複数設けられている。各収納室13aは、試薬容器14が着脱自在に収納される。複数の試薬容器14は、それぞれ検査項目に応じた所定の試薬が満たされ、外面には収容した試薬に関する情報を表示するバーコードラベル(図示せず)が貼付されている。
ここで、試薬テーブル13の外周には、試薬容器14に貼付した前記バーコードラベルに記録された試薬の種類,ロット及び有効期限等の情報を読み取り、制御部16へ出力する読取装置15が設置されている。制御部16は、受光素子9、排出装置11、読取装置15、分析部17、入力部18及び表示部19と接続され、例えば、分析結果を記憶する記憶機能を備えたマイクロコンピュータ等が使用される。制御部16は、自動分析装置1の各部の作動を制御すると共に、前記バーコードラベルの記録から読み取った情報に基づき、試薬のロットや有効期限等が設置範囲外の場合、分析作業を規制するように自動分析装置1を制御し、或いはオペレータに警告を発する。
分析部17は、制御部16を介して受光素子9に接続され、受光素子9が受光した光量に基づく反応容器7内の液体試料の吸光度から検体の成分や濃度等を分析し、分析結果を制御部16に出力する。入力部18は、制御部16へ検査項目等を入力する操作を行う部分であり、例えば、キーボードやマウス等が使用される。表示部19は、分析内容や警報等を表示するもので、ディスプレイパネル等が使用される。
以上のように構成される自動分析装置1は、回転する反応テーブル6によって周方向に沿って搬送されてくる反応容器7に検体分注機構5が検体テーブル3の複数の検体容器4から検体を順次分注する。検体が分注された反応容器7は、反応テーブル6によって試薬分注機構12の近傍へ搬送されて所定の試薬容器14から試薬が分注される。そして、試薬が分注された反応容器7は、反応テーブル6によって周方向に沿って搬送される間に試薬と検体とが攪拌されて反応し、光源8と受光素子9との間を通過する。このとき、反応容器7内の液体試料は、受光素子9によって測光され、分析部17によって成分濃度等が分析される。そして、分析が終了した反応容器7は、排出装置11によって反応終了後の液体試料が排出されて図示しない洗浄装置によって洗浄された後、再度検体の分析に使用される。
このとき、自動分析装置1は、反応テーブル6によって周方向に沿って搬送される反応容器7内の液体試料を攪拌装置によって攪拌し、試薬と検体とを反応させる。この液体試料の攪拌及び分析に際して用いる反応容器7を攪拌装置20と共に以下に説明する。
反応容器7は、図2に示すように、側壁7aと底壁7b(図4参照)とによって上部に開口7cを有する四角筒状に成形され、内面の側壁7aと底壁7bとが接する部分は湾曲面に成形されている。反応容器7は、後述する表面弾性波素子21が発する超音波の位相整合条件及び振幅整合条件を満たし、光源8から出射された分析光(340〜800nm)に含まれる光の80%以上を透過する素材、例えば、耐熱ガラスを含むガラス,環状オレフィンやポリスチレン等の合成樹脂が使用される。反応容器7は、互いに平行な一組の側壁7bの下部が、光源8から出射された分析用の光ビームが透過し、液体試料を光学測定する測光部として利用される。反応容器7は、図3及び図4に示すように、底壁7bの下面に表面弾性波素子21が取り付けられている。自動分析装置1は、以上のように構成される反応容器7を複数有している。
このとき、反応容器7は、表面弾性波素子21が発生した音波の伝搬経路に沿った底壁7bの肉厚をtとすると(図4参照)、複数の反応容器7における底壁7bの肉厚tのばらつきΔtが、底壁7bを透過する音波の波長λとの間でλ≦t,λ/2≦Δtの関係を満たすように設定する。この場合、底壁7bの肉厚tのばらつきΔtは、肉厚tに関する設計上の公差、或いは製造された複数の反応容器7における肉厚tの最大値と最小値との差であればよい。反応容器7は、自動分析装置1に組み込まれた図4に示す攪拌装置20によって保持した液体試料が攪拌される。
攪拌装置20は、試薬分注機構12が反応容器7に試薬を分注する位置と互いに対向配置される光源8,受光素子9との間の収納室6a下部に配置されており、図4に示すように、表面弾性波素子21と駆動制御回路22とを備えている。
表面弾性波素子21は、図3に示すように、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)等の圧電基板21aの表面に金等の櫛型電極(IDT)からなる振動子21bを設けた音波発生素子である。振動子21bは、櫛歯状に形成された複数の電極指を有し、駆動制御回路22から送信された駆動信号を表面弾性波(音波)に変換する発音部である。振動子21bは、電気端子21cとの間が共通電極であるバスバー21dによって接続されている。表面弾性波素子21は、図4に示すように、振動子21bを底壁7bの中央に配置し、音響整合層28を介して底壁7bの下面に取り付けられている。
駆動制御回路22は、複数の反応容器7のそれぞれに取り付けた複数の表面弾性波素子21に駆動信号を供給して駆動を制御する複数の表面弾性波素子21に共通の駆動制御手段であり、図4に示すように、攪拌制御部23、発振部24及び増幅部25を備えている。攪拌装置20は、この駆動制御回路22一つで複数の表面弾性波素子21が駆動される。
攪拌制御部23は、メモリとタイマを内蔵した電子制御手段(ECU)が使用され、表面弾性波素子21の駆動信号を制御する。攪拌制御部23は、発振部24を制御し、例えば、表面弾性波素子21が発する音波の特性(周波数,強度,位相,波の特性)、波形(正弦波,三角波,矩形波,バースト波等)或いは変調(振幅変調,周波数変調)等を制御する。また、攪拌制御部23は、内蔵したタイマに従って発振部24が発振する発振信号の周波数を切り替えることができる。
発振部24は、攪拌制御部23からの制御信号に基づいて発振周波数をプログラマブルに変更可能な発振回路を有しており、数十MHz〜数百MHz程度の高周波の発振信号を増幅部25へ出力する。
増幅部25は、発振部24から入力される発振信号を増幅し、駆動信号として表面弾性波素子21に出力する他、攪拌制御部23からの制御信号に基づいて駆動信号の駆動周波数を段階的に切り替えることができる。
ここで、駆動制御回路22は、発振部24に代えて信号発生器と電圧制御発振器(VCO)を使用し、信号発生器の発振信号を電圧制御発振器に入力することにより、周波数の切り替えや周波数の変調等の操作を行ってもよい。この場合、電圧制御発振器による周波数変調に加えて増幅部25の出力を切り替えることにより、表面弾性波素子21に出力する駆動信号の振幅を変動させれば、反応容器7に保持した液体試料に脈動を生じさせることができる。
また、自動分析装置1には、反応容器7及び反応容器7に保持された液体をドライバス方式によって一定温度に保温する保温手段として恒温板27が設けられている。恒温板27は、通電によって発熱する板状のヒータであり、表面弾性波素子21の圧電基板21a下面に設けられ、表面弾性波素子21を介して反応容器7及び反応容器7に保持された液体を37℃程度に保温する。ドライバス方式とは、恒温板27と反応容器7との間に液体を介在させない構成によって反応容器7に保持された液体を保温する方式をいう。ここで、恒温板27は、反応テーブル6の下面に設け、反応テーブル6を介して複数の反応容器7及び反応容器7に保持された液体を前記温度に保温するようにしてもよい。
音響整合層28は、反応容器7と表面弾性波素子21との間の音響インピーダンスを最適化するもので、エポキシ樹脂等の接着剤やシェラック等の他、ジェルや液体等を使用することができる。音響整合層28は、音波の伝達効率を上げるため、表面弾性波素子21が発する周波数の波長λに対して厚みは、n・λ/4(nは奇数)となるように、または、できるだけ薄くなるように調整する。
攪拌装置20は、反応容器7に保持された分析対象の液体試料を以下のようにして攪拌する。先ず、攪拌装置20は、攪拌制御部23による制御の下に駆動制御回路22から供給される駆動信号によって表面弾性波素子21を共振周波数と反共振周波数との間の駆動周波数で駆動する。これにより、振動子21bが、複数の電極指の配列方向に沿った両側へ音波を出射する。振動子21bの両側へ出射した音波は、圧電基板21aの表面を振動子21bの両側へ伝搬すると共に、音響整合層28を通って反応容器7の底壁7b内を伝搬し、音響インピーダンスが近い液体試料Ls中へ漏れ出す。このため、反応容器7においては、図4に示すように、振動子21bの中心から等距離の位置にある底壁7bの内面から斜め上方に音波Waが出射される。
この結果、反応容器7には、底壁7bの内面から斜め上方に出射する音波Waによって液体試料Lsを巻き上げる音響流が生じる。このため、液体試料Lsは、音響流によって底部から液面に至る広範囲に亘って非接触の下に攪拌される。
ここで、図4に示す構成の攪拌装置20を備えた自動分析装置1に関して、図5に示すモデルの下に液体中に入射する音波の強度についてシミュレーションを実施した。このシミュレーションは、音響整合層を無視し、容器の壁に入射する音波の角周波数をω(ω=2πf、fは音波の周波数)、音波が透過する容器の壁は、壁内における音波の伝搬経路に沿った伝搬長である厚さL、密度ρ、ヤング率E(複素数)、複素音響インピーダンスZ0、複素音速Vcとし、1次元の平面波が容器の壁から液体に垂直に入射するとした条件の下に行った。
このとき、図5に示すように、容器の壁に入射する音波の音圧をF0、音波の体積速度をu0、壁を透過する音波の透過マトリクスをTt、壁を透過して液体中に入射する音波の音圧をFl、音波の体積速度をulとすると、次式が成り立つ。
Figure 2007187568
ここで、複素音速Vcは、Vc=E1/2/ρで表わされ、ヤング率E(複素数)は、実数部をEr、虚数部をEimとして、E=Er+Eimで表わすことができる。このため、複素音速Vcは、実数部をVとすると、ヤング率Eの損失正接tanδ=Eim/Erを用いて次式のように変形することができる。
Vc=(Er+j・Eim)1/2/ρ={Er(1+j・tanδ)}1/2/ρ
=V(1+j・tanδ)1/2………………(3)
(3)式を用いると、複素音響インピーダンスは、音響インピーダンスをZとして、次式で表わすことができる。
Z0=ρ×Vc=Z(1+j・tanδ)1/2………………(4)
一方、容器の壁を透過する音波の壁による吸収係数をα(nepers/cm)と損失正接tanδとの関係は、次式で与えられる。
α=ω/2V×tanδ………………(5)
従って、ω=2πfより、損失正接tanδは、次式で与えられる。
tanδ=αV/πF…………………(6)
このとき、壁を透過して液体中に入射する音波の音圧Flと音波の体積速度ulとの比は、音波が入射する液体の音響インピーダンスZlに一致するので、Fl/ul=Zlとなる。従って、液体中における音波の体積速度ulを1とすると、Fl=Zlとなるので、(1)式及び(2)式より、次式が得られる。
F0=At×Zl+Bt………………(7)
(7)式の両辺を音波の音圧Flで割ると、Fl=Zlより次式が得られる。
F0/Fl=(At×Zl+Bt)/Zl=At+Bt/Zl………(8)
従って、(8)式より、容器の壁における透過率T(=|F1/F0|)が、次式によって得られる。
T=|F1/F0|=|1/(At+Bt/Zl)|……………(9)
このとき、図5に示すモデルに基づき、反応容器7を構成する素材の密度ρ、底壁7bを透過する音波の実数速度V,吸収定数αを与え、底壁7bに入射する音波の周波数fを20,30,40KHzに固定し、底壁7bの厚みを変化させて透過率Tの変化をシミュレーションしたところ、図6に示す結果が得られた。
図6に示すように、各周波数共に底壁7bの厚みが1/2波長の整数倍となる位置で音波の透過率のピークを、底壁7bの厚みが1/4波長の偶数倍となる位置で音波の透過率の谷を、それぞれ示しながら底壁7bの厚みが増加するのに伴って音波の透過率が減少している。このとき、例えば、周波数20MHz(λ≒0.28mm)の音波について見ると、底壁7bの厚み(t)を0.5mm(t>λ)とし、厚みのばらつき範囲を±0.1mm、即ち、自動分析装置1で使用する総ての反応容器7における肉厚のばらつき範囲Δtを0.2mmとすると(Δt>λ/2)、全体的な透過率は低下するものの、底壁7bの厚みが0.5±0.1mmの範囲にあれば、音波の透過率のピークと谷との差は、厚みが波長よりも小さいところでの差よりも小さい。このため、音波は、略同程度の透過率の下に液体へ透過する。この傾向は、周波数が高くなる程強くなる。
従って、反応容器7は、壁の肉厚t、複数の反応容器7間での壁の肉厚のばらつきΔtが、壁を透過する音波の波長λとの間でλ≦t,λ/2≦Δtとなる関係を満たしていれば、音波が略同程度の透過率の下に液体へ透過するので、液体試料が同程度に攪拌される。このため、自動分析装置1は、反応容器7相互間において、液体試料の攪拌にばらつきが発生しないので、安定した測定結果を得ることができる。
上述のように、本発明の自動分析装置1は、数十MHz〜数百MHz程度の高周波の発振信号を駆動信号として表面弾性波素子21を駆動することにより、反応容器7が保持した液体を攪拌する表面弾性波を発生させている。一般に自動分析装置では、患者の負担軽減に伴う検体の微量化や使用する試薬の低減に伴う分析コスト低減の要請から分析対象の液体の微量化が望まれており、これに伴って反応容器7も微小化する。このため、従来の自動分析装置で使用する複数の反応容器間で音波の透過率をそろえようとすると、使用する総ての反応容器における肉厚のばらつきを制御して反応容器を製造するためには、高精度な製造技術が要求された。
しかし、反応容器7は、表面弾性波素子21が発生した音波が透過する底壁7bの肉厚t、複数の反応容器7間の底壁7bの肉厚のばらつきΔtが、底壁7bを透過する音波の波長λとの間でλ≦t,λ/2≦Δtの関係を満たせばよい。このため、反応容器7は、製造に際して実質的に肉厚のばらつきΔtを管理或いは制御する必要がないので、容易、かつ、安価に製造でき、保持する液体が特に微量な場合に使用すると有効である。従って、自動分析装置1も製造が容易であり、安価に提供することができる。
また、反応容器7を微小化した場合、音波は20MHz以上の高周波を利用することが望ましい。低周波数の音波は、容器が小さいと波長が長くなって容器が保持した液体中に音響流が発生せず、液体を攪拌させることができない。これに対して高周波数の音波は、容器が保持した液体中に音響流を発生させ、液体を攪拌させることができる。しかも、容器が小さい場合、照射する音波の音響放射圧によって容器内の液体が飛散してしまう場合がある。しかし、高周波数の音波を利用すると、このような液体の飛散を抑えることができる。
ここで、上述のシミュレーションは、音波が容器の壁から液体に垂直に入射する条件の下に行った。このため、表面弾性波素子21が発生した音波が、図7に示すように、底壁7bから液体試料Lsに斜めに入射する場合、入射角をθとする。すると、底壁7b内における音波の伝搬長Lwは、Lw=t/cosθとなるので、伝搬長Lwに基づいて計算し、シミュレーションを行えばよい。例えば、底壁7bの厚みtが0.5±0.1mmであり、入射角θ=40°の場合、伝搬長Lwは0.65±0.13mmとなるので、厚みt=0.5±0.1mmに代えて0.65±0.13mmとして有効な周波数を計算すればよい。
なお、上記実施の形態の反応容器7は、表面弾性波素子21を底壁7bに取り付けた場合について説明したが、表面弾性波素子21を側壁7aに取り付けてもよい。
〔付記〕
上記の発明によれば、以下の付記に挙げる各項及びそれらの項を任意に組み合わせた発明が得られる。
(付記項1) 試料及び/又は試薬が含まれる液体を、音波を利用して非接触で攪拌又は混合し、当該試料を分析する自動分析装置であって、
音波を透過し、所定の肉厚を有する固体材料で構成されると共に、前記液体を保持する複数の容器と、
前記固体材料に接触して前記容器の外部に配置されると共に、前記固体材料を介して前記液体に所定周波数の音波を照射する音波発生手段と、
を有し、
以下の2式の関係を有することを特徴とする自動分析装置。
λ≦t
λ/2≦Δt
ただし、
λ: 前記音波発生手段から照射される音波の前記固体材料中における波長
t: 前記音波発生手段の接触する点から前記液体までの前記音波の伝達経路
に沿った前記固体材料の肉厚
Δt: 自動分析装置において使用される複数の容器における肉厚tのばらつき
とする。
(付記項2) 音波を利用して試料又は試薬を含む液体を非接触で攪拌又は混合して反応させ、反応液を分析する自動分析装置で複数用いられる反応容器であって、
音波発生手段が発生した音波が透過する壁を有すると共に、前記音波の伝搬経路に沿った前記壁の肉厚が前記壁を透過する音波の波長以上であり、前記複数用いられる反応容器の前記肉厚のばらつきが前記壁を透過する音波の波長の二分の一以上であることを特徴とする反応容器。
付記項2の反応容器は、音波が透過する壁の音波の伝搬経路に沿った肉厚が前記壁を透過する音波の波長以上であり、前記肉厚のばらつきが前記壁を透過する音波の波長の二分の一以上であるので、厚みのばらつきを気にせずに容器を使えるようになり、高精度に容器の厚みを調整する必要がなくなる。
(付記項3) 前記ばらつきは、前記肉厚に関する設計上の公差であることを特徴とする付記項2に記載の反応容器。
(付記項4) 前記ばらつきは、前記肉厚の最大値と最小値との差であることを特徴とする付記項2に記載の反応容器。
本発明の自動分析装置の概略構成図である。 図1の自動分析装置で用いる反応容器単体を示す斜視図である。 底壁に表面弾性波素子を取り付けた図2に示す反応容器の平面図である。 図1の自動分析装置で用いる攪拌装置の概略構成を示す図である。 表面弾性波素子が発生した音波が容器の壁を通って液体中に入射する音波の強度についてシミュレーションで用いたモデルを示す図である。 反応容器の底壁に入射する音波の周波数を3種類に固定し、底壁の厚みを変化させて透過率の変化を調べたシミュレーション結果を示す図である。 音波が底壁から液体試料に斜めに入射する場合の壁内における音波の伝搬長を説明する図である。
符号の説明
1 自動分析装置
2 作業テーブル
3 検体テーブル
4 検体容器
5 検体分注機構
6 反応テーブル
7 反応容器
8 光源
9 受光素子
11 排出装置
12 試薬分注機構
13 試薬テーブル
14 試薬容器
15 読取装置
16 制御部
17 分析部
18 入力部
19 表示部
7a 側壁
7b 底壁
7c 開口
20 攪拌装置
21 表面弾性波素子
22 駆動制御回路
23 攪拌制御部
24 発振部
25 増幅部
27 恒温板
28 音響整合層

Claims (6)

  1. 音波を利用して試料又は試薬を含む液体を非接触で攪拌又は混合して反応させ、反応液を分析する自動分析装置であって、
    音波が透過する壁を有し、前記液体を保持する複数の反応容器と、
    前記各反応容器の壁外面に接触して配置され、前記壁を介して前記液体に音波を照射する音波発生手段と、
    を備え、
    前記複数の反応容器は、前記音波の伝搬経路に沿った前記壁の肉厚が前記壁を透過する音波の波長以上であり、使用する総ての反応容器における前記肉厚のばらつきが前記壁を透過する音波の波長の二分の一以上であることを特徴とする自動分析装置。
  2. 前記肉厚のばらつきは、前記反応容器の肉厚に関する設計上の公差であることを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
  3. 前記肉厚のばらつきは、前記複数の反応容器における肉厚の最大値と最小値との差であることを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
  4. 前記音波発生手段は、表面弾性波素子であることを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
  5. さらに、前記複数の音波発生手段の駆動を制御する共通の駆動制御手段を有することを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
  6. さらに、前記反応容器及び前記反応容器に保持された液体をドライバス方式によって一定温度に保温する保温手段を有することを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101388771B1 (ko) * 2012-03-19 2014-04-23 주식회사 흥성엔지니어링 배수공 타공장치

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