JP2007191702A - 発光色変換材料 - Google Patents

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Katsu Iwao
克 岩尾
Yoshio Mayahara
芳夫 馬屋原
Shunsuke Fujita
俊輔 藤田
Yoshinori Yamazaki
良憲 山▲崎▼
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Abstract

【課題】耐熱性の低い蛍光体を含んでいるにもかかわらず、焼成時に蛍光体の特性劣化がない発光色変換部材作製用材料を提供する。
【解決手段】ZnO−B23−SiO2系ガラス粉末と、酸化物、硫化物、酸硫化物、ハロゲン化物およびアルミン酸塩から選ばれる1種以上の無機蛍光体粉末を含有することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、発光ダイオード(LED)等の発する光の波長の一部を別の波長に変換する発光色変換部材を作製するための発光色変換材料に関するものである。
蛍光体を用いて波長変換するLED素子においては、例えばLEDチップの発光面をシールする有機系バインダー樹脂等(モールド樹脂)に蛍光体粉末を混合してモールドし、LEDチップの発光の一部または全部を吸収して所望の波長に変換している。
しかしながら上記LED素子を構成するモールド樹脂が、LEDチップの発熱や、高出力の短波長(青色〜紫外)光の照射によって劣化し、変色等を起こすという問題がある。そこで樹脂に代わってガラスで蛍光体粉末を固定することが提案されている。(例えば特許文献1)
特開2003−258308号公報
上記特許文献1に開示された発光色変換部材は、高軟化点のガラス粉末と蛍光体粉末との混合粉末を焼成することにより作製される。このようにして作製される変換部材は、母材となるガラスが熱や照射光で劣化しないという特徴を有しており、耐熱性の高い蛍光体であれば問題なく作製することができる。
しかしながら上記発光色変換部材は、比較的耐熱性の低い蛍光体、例えば酸化物蛍光体、硫化物蛍光体、酸硫化物蛍光体、ハロゲン化物蛍光体、アルミン酸塩蛍光体等の無機蛍光体粉末を含有する場合は、焼成時に蛍光体が劣化してしまうおそれがある。
本発明の目的は、耐熱性の低い蛍光体を含んでいるにもかかわらず、焼成時に蛍光体の特性劣化がない発光色変換部材作製用の発光色変換材料を提供することである。
本発明者等は、種々の実験を行った結果、特定の組成系のガラスを用いれば、例え耐熱性の低い蛍光体を使用してもその特性が劣化しないことを見出し、本発明として提案するものである。
すなわち、本発明の発光色変換材料は、ZnO−B23−SiO2系ガラス粉末と、酸化物、硫化物、酸硫化物、ハロゲン化物およびアルミン酸塩から選ばれる1種以上の無機蛍光体粉末を含有することを特徴とする。ZnO−B23−SiO2系のガラスは、軟化点が比較的低温であるために焼成時に無機蛍光体を劣化させ難いという特徴がある。したがって、酸化物蛍光体、硫化物蛍光体、酸硫化物蛍光体、ハロゲン化物蛍光体、アルミン酸塩蛍光体などの耐熱性の低い蛍光体の特性を劣化させることなしに、発光色変換部材を作製することが可能となる。
ガラス粉末と無機蛍光体粉末の混合割合は、質量比で99.99:0.01〜70:30の範囲にあることが好ましい。
ガラス粉末が、ガラス組成として、質量%で、ZnO 5〜60%、B23 5〜50%、SiO2 2〜30%を含有することが好ましい。
本発明の発光色変換材料は、グリーンシートまたはペーストの形態で提供されることが好ましい。
また、本発明の発光色変換部材は、波長250nm〜500nmの領域に発光ピークを有する光を照射すると、380nm〜780nmの可視光域に蛍光を発するものであり、前記発光色変換材料を焼成してなることを特徴とする。
さらに、本発明の白色LEDは、前記発光色変換部材を用いてなることを特徴とする。
本発明の発光色変換材料を用いれば、耐熱性の低い蛍光体(酸化物蛍光体、硫化物蛍光体、酸硫化物蛍光体、ハロゲン化物蛍光体またはアルミン酸塩蛍光体)の特性を劣化させることなしに、発光色変換部材を作製することができる。それゆえ発光色変換部材の設計の自由度を広げることができる。しかも得られる発光色変換部材は、母材となるガラスが熱や照射光に対して安定であるため、変色せず、高耐候性、高信頼性、長寿命のLED素子を作製可能である。
またグリーンシートやペーストの形態で使用することにより、肉厚が薄く、しかも蛍光体が均一に分散した発光色変換部材を作製できる。この発光色変換部材は、LEDから発する光エネルギーを効率よく変換することが可能である。なお、本発明で言うエネルギー変換効率とは、光源のエネルギーをa(W:ワット)、発光色変換部材を透過した光源と同じ波長の光のエネルギーをb(W)、発光色変換部材中で光源の波長によって変換された光のエネルギーをc(W)としたときに、〔c/(a−b)〕×100(%)で表される値をいう。
本発明の発光色変換材料は、特定のガラス粉末と蛍光体粉末を含有してなるものであり、該発光色変換材料から本発明の発光色変換部材が作製される。本発明でいう発光色変換部材とは、波長250nm〜500nmの領域に発光ピークを有する光を照射すると、380nm〜780nmの可視光域に蛍光を発するものである。言い換えると、紫外(250〜400nm)や青色(400〜500nm)の励起光が照射されると、少なくともその一部を吸収して可視域の蛍光に変換する部材をいう。本発明の発光色変換部材は、ガラス粉末と蛍光体粉末の単なる混合物、さらにはグリーンシートおよびペーストなどの形態で提供された発光色変換材料を焼結させたものであり、その形状は特に制限されず、例えば板状、柱状、半球状等、それ自身が特定の形状を有する部材だけでなく、基材表面に形成された被膜についても含まれる。
ガラス粉末は、無機蛍光体を安定に保持するための媒体としての役割があり、本発明ではZnO−B23−SiO2系のガラスを使用する。この系のガラスは、軟化点が比較的低温であるために焼成時に無機蛍光体を劣化させ難いという特徴を有する。
ZnO−B23−SiO2系ガラスは、ガラス組成として、質量%で、ZnO 5〜60%、B23 5〜50%、SiO2 2〜30%を含有することが好ましい。上記ガラス組成範囲を決定した理由は以下の通りである。
ZnOはガラスの溶融温度を低下させて溶融性を改善する成分であり、ガラス組成中に5〜60%含有することが好ましい。5%よりも少ないと焼結温度が高温になり、60%よりも多いと化学的耐久性が悪くなってしまう。ZnOのより好ましい範囲は20〜50%である。
23はガラスのネットワークを形成する成分であり、ガラス組成中に5〜50%含有することが好ましい。ガラス組成中において5%よりも少ないと焼結温度が高温になりやすく、50%よりも多いとガラスの化学的耐久性が悪くなってしまう。B23の好ましい範囲は30〜48%である。
SiO2はガラスのネットワークを形成するとともに、耐久性を向上させる成分である。ガラス組成中には2〜30%含有することが好ましい。ガラス組成中において2%よりも少ないとその効果がなく、30%を超えると焼結温度が高温になる。SiO2の好ましい範囲は2〜15%である。
また上記成分以外にも、本発明の主旨を損なわない範囲で種々の成分を、質量%で合計20%まで、好ましくは10%まで添加することができる。
例えば耐水性向上の目的でAl23を5%まで、好ましくは0.1〜4%、さらに好ましくは0.5〜2%含有できる。Al23の含有量が5%を超えると、焼成温度が高温になりやすい。
またアルカリ金属酸化物として、Li2Oを0〜5%、特に0〜3%、Na2Oを0〜10%、特に2〜8%、K2Oを0〜5%、特に0〜2%含有することができる。アルカリ金属酸化物は、ガラスの軟化点を低下させる成分である。アルカリ金属酸化物の含有量が多すぎると、耐候性が低下する傾向がある。
またアルカリ土類金属酸化物を合量で10%まで、好ましくは0〜8%含有できる。またアルカリ土類金属酸化物として、MgOを0〜5%、特に0〜3%、CaOを0〜5%、特に0〜3%、SrOを0〜5%、特に0〜3%、BaOを0〜5%、特に0〜3%含有することができる。アルカリ土類金属酸化物は、ガラスの溶融温度を低下させて溶融性を改善する成分である。アルカリ土類金属酸化物の含有量が多すぎると、ガラスの化学的耐久性が低下する傾向がある。
さらにガラスの安定化の目的でP25を10%まで、耐水性向上の目的でLa23を10%まで添加してもよい。P25の含有量が多すぎると耐水性に劣る傾向がある。また、La23の含有量が多すぎると、La23を核とする結晶が析出しやすくなり、失透性が増大する傾向がある。
ガラス粉末の軟化点は、750℃以下であることが好ましく、650℃以下であることがより好ましい。軟化点が750℃を超えると、焼成温度も高くなることから、無機蛍光体粉末が劣化し、発光強度に劣る傾向がある。なお、下限は特に限定されないが、一般的には400℃以上、さらには450℃以上である。
無機蛍光体粉末としては、耐熱性の低い酸化物蛍光体、硫化物蛍光体、酸硫化物蛍光体、ハロゲン化物蛍光体およびアルミン酸塩蛍光体の群から選ばれる1種以上を用いる。酸化物蛍光体としては、Ba2SiO4:Eu2+、SrBaSiO4:Eu2+、硫化物蛍光体としては、ZnS:Cu+,Al3+、SrS:Eu2+等が挙げられる。酸硫化物蛍光体としては、Y22S:Eu3+等が挙げられる。ハロゲン化物蛍光体としては、M5(PO43Cl:Eu2+(MはSr、Ca、BaまたはMg)等が挙げられる。アルミン酸塩蛍光体としては、BaMgAl1017:Eu2+,Mn2+、SrAl24:Eu2+等が挙げられる。なお、これらの蛍光体は、化学耐久性が低いものが多く、単体で長時間使用すると、水分、熱、および光によって劣化する。そのため通常は、真空中、または希ガス中で使用される。ところがガラス粉末との焼結体にすると、蛍光体が雰囲気中に直接晒されることがなくなり、雰囲気からの影響による劣化が殆ど起こらなくなる。
なお、上記蛍光体粉末に加えて、比較的耐熱性の高い蛍光体、例えばYAG蛍光体、窒化物蛍光体、酸窒化物蛍光体等を併用しても差し支えない。
本発明において、ガラス粉末と無機蛍光体粉末の混合割合は、エネルギー変換効率が最適になるように調整すればよいが、蛍光体が多くなりすぎると、焼結しにくくなり、気孔率が大きくなって、励起光が効率良く蛍光体に照射されにくくなったり、得られる発光色変換部材の機械的強度が低下しやすくなるなどの問題が生じる。一方、少なすぎると十分な発光強度を得ることが難しくなる。このような観点から、ガラス粉末と無機蛍光体粉末の混合割合は、質量比で99.99:0.01〜70:30の範囲にあることが好ましい。さらには、99.95:0.05〜80:20、特に99.92:0.08〜85:15の範囲で調整することが好ましい。
なお、発光色変換部材のエネルギー変換効率は、ガラス中に分散した蛍光体粒子の種類や含有量、および発光色変換部材の肉厚によって変化するため、これらを踏まえて、前記範囲内でガラス粉末と無機蛍光体粉末の混合割合を適宜選択すればよい。
またエネルギー変換効率の高い発光色変換部材を作製するには、肉厚が薄く、しかも部材内に蛍光体を均一に分散させることが重要である。このような部材を作製するには、本発明の材料をグリーンシートまたはペーストの形態で提供すればよい。
グリーンシートの形態で使用する場合、ガラス粉末、および無機蛍光体粉末と共に、結合剤、可塑剤、溶剤等を使用する。
ガラス粉末と無機蛍光体粉末の含有割合は、無機蛍光体粉末の種類や含有量、および発光色変換部材の肉厚によって適宜調整すればよいが、いずれにしても、質量比で、99.99:0.01〜70:30の範囲内で調整することが好ましい。
ガラス粉末および無機蛍光体粉末のグリーンシート中に占める割合は、50〜80質量%程度が一般的である。
結合剤は、乾燥後の膜強度を高め、また柔軟性を付与する成分であり、その含有量は、0.1〜30質量%程度が一般的である。結合剤の含有量が少なすぎると、その効果が十分に得られにくい。一方、結合剤の含有量が多すぎると、結合剤残渣が焼成時に発泡することにより、得られる発光色変換部材中に気泡が多くなりやすく、発光強度が低下する蛍光がある。結合剤としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、メタアクリル樹脂、エチルセルロース、ニトロセルロース等が使用可能であり、これらを単独あるいは混合して使用できる。
可塑剤は、乾燥速度をコントロールすると共に、乾燥膜に柔軟性を与える成分である。可塑剤としては、例えば、フタル酸ジブチル、ブチルベンジルフタレート等が使用可能であり、これらを単独あるいは混合して使用できる。可塑剤の含有量は特に限定されないが、0〜10質量%程度が一般的である。
溶剤は材料をスラリー化するための材料であり、その含有量は1〜30質量%程度が一般的である。溶剤の含有量が少なすぎると、発光色変換材料を十分に分散させることが困難であり、一方、多すぎる場合は、粘度が低くなりすぎるため、基材上に塗布する際に所定の膜厚を有する塗布膜を得るのが困難となる。溶剤としては、例えばトルエン、メチルエチルケトン等を単独または混合して使用することができる。
グリーンシートを作製する方法としては、上記のガラス粉末および無機蛍光体粉末を混合し、得られた混合物に、所定量の結合剤、可塑剤、溶剤等を添加してスラリーとする。次に、このスラリーをドクターブレード法によって、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のフィルムの上にシート成形する。続いて、シート成形後、乾燥させることによって有機系溶剤バインダーを除去し、グリーンシートとすることができる。
このようにしてグリーンシート化した本発明の材料を用いて発光色変換部材を製造するには、以下の方法が好適に使用できる。
まず、上述の方法を用いて作製したグリーンシートと、このグリーンシートの焼成温度では反応しない拘束部材を用意し、それらを所望の寸法に切断する。拘束部材を用いる理由は、焼成時にガラスの表面張力によって材料が平面方向に収縮してしまうことを防止するためである。拘束部材としては、グリーンシート化した無機材料または多孔質セラミックス基板を用いることができる。拘束部材として、グリーンシート化した無機材料を用いる場合、無機材料は、発光色変換材料の焼成温度では焼結しない材料であれば、特に制限はなく、例えば、Al23、MgO、ZrO2、TiO2、BeO、BNを単独または混合したものを用いることができる。また、無機材料をグリーンシート化するに当たっては、上記と同様の方法で得ることができる。また、拘束部材として、多孔質セラミックス基板を用いる場合、焼成時に、発光色変換部材と多孔質セラミックスが接着しにくいものであれば、特に制限はなく、例えば、SiAl25、Al23、MgO、ZrO2を用いることができる。またグリーンシートおよび拘束部材の切断については、積層体を作製した後に行ってもよい。このようにすれば、焼成前後の寸法変化率の小さい発光色変換部材を得ることができる。
次に、グリーンシートの両面または片面に、拘束部材を積層し、熱圧着によって一体化して積層体を作製した後、焼成して焼結体を得る。焼成は、450〜750℃、特に450〜700℃で行うことが好ましい。450℃より低い温度では緻密な焼結体が得にくくなる。一方、750℃より高い温度では、無機蛍光体が劣化したり、ガラスと無機蛍光体が反応したりする。なお、一度に多量の発光色変換部材を得たい場合は、複数枚のグリーンシートおよび拘束部材を交互に積層し、熱圧着して、焼成することで得ることができる。また、厚めの変換部材を得たい場合は、複数枚の蛍光体複合グリーンシートを積層した後、積層したグリーンシートの両面または片面に、拘束部材を積層し、熱圧着して、焼成処理することで得ることができる。
続いて、拘束部材を除去する。拘束部材として、無機組成物を含むグリーンシートを用いた場合、焼成処理を行った後の発光色変換部材の表面には、未焼結の無機組成物が残存するが、超音波洗浄を行うことで、残存する無機組成物を除去することができる。
このようにして、化学的に安定で、肉厚が薄く、均一な厚みを有し、しかも、エネルギー変換効率が高い発光色変換部材を作製することができる。さらに拘束部材を用いて作製した発光色変換部材は、その気孔率を10%以下にすることが容易である。気孔率を10%以下にできれば、光の散乱が強くならず、十分な光量が透過するため、エネルギー変換効率が向上する。また、発光色変換部材の機械的強度も高くなる。気孔率のより好ましい範囲は8%以下である。気孔率とは、アルキメデス法により測定した実測密度と理論密度に基づき、(1−実測密度/理論密度)×100(%)で求めた値をいう。なお、「理論密度」とは、ガラス粉末と無機蛍光体粉末のそれぞれの密度と配合比に基づいて算出された密度をいう。
次にペーストの形態で供給する場合について説明する。
ペーストの形態で使用する場合、ガラス粉末、無機蛍光体粉末およびビークルを使用する。
ビークルとしては、例えばエチルセルロースをテルピネオールに溶解させたもの、ニトロセルロースを酢酸イソアミルで溶解したもの等を使用することができる。
ペーストの調製は、三本ロールミルを用いてガラス粉末、蛍光体粉末およびビークルを混練し、均一分散処理を行う。なお、ペーストの調製方法として三本ロールミルを用いた例を挙げたが、これに限られるものではなく、一般にガラスペーストの作製に用いられる各種の方法を適用することができる。
このようにしてペースト化した本発明の発光色変換材料を用いて発光色変換部材を製造する方法を以下に説明する。
まずペースト化した発光色変換材料を、基材上に塗布する。基材としては、焼結後の発光色変換部材の熱膨張係数と適合する板ガラス等が好適に使用される。塗布方法としては、例えばスクリーン印刷法を採用することができる。スクリーン印刷法を採用した場合、均一な厚みを有する塗布層を容易に形成することが可能である。塗布層の厚みは、所望の蛍光色に応じて適宜調節すればよい。なお、マスキングを施した後に、ペーストを塗布すれば、蛍光色を発する文字や絵模様を基材上に形成することができる。
次に、塗布されたペースト材料を300〜400℃の温度で脱脂し、続いて450〜700℃で焼成する。このようにして、板ガラス等の基材上に、被膜状の発光色変換部材を形成することができる。なお、焼成温度は、ガラス粉末が十分に流動する温度を選択することが好ましい。ただし700℃を超えると、蛍光体がガラスと反応して所望の発光色が得にくくなるため好ましくない。
このようにして得られた発光色変換部材は、青色LED素子等の青色光源と組み合わせることにより、例えば白色LEDに代表される白色光源として利用できる。該白色LEDにおいて、発光色変換部材に入射した青色光の一部が無機蛍光体によって異なる波長の光に変換され、また残部の青色光が透過する。この波長が変換された光と、発光色変換部材中を透過した青色光とが合わさって白色光に近いスペクトルを合成することにより、青色光が白色光に転換される。
(実施例1)
表1は、使用するガラス粉末の組成系の違いによる輝度の変化率の違いを評価したものである。
Figure 2007191702
まず、発光色変換部材は以下のようにして作製した。
質量%でZnO 35%、B23 40%、SiO2 10%、Na2O 10%、Al23 5%のガラス組成を有するガラス(ZnO−B23−SiO2系ガラス1)および、質量%でSiO2 45%、B23 25%、Al23 25%、CaO 5%のガラス組成を有するガラス(SiO2−B23−Al23系ガラス)となるように、各種酸化物のガラス原料を調合し、均一に混合した後、白金坩堝に入れ、1200℃で2時間溶融して均一なガラスを得た。これをアルミナボールで粉砕し、分級して平均粒径が2.5μmのガラス粉末を得た。次に、作製したガラス粉末に、無機蛍光体粉末を表1の質量比で混合して混合粉末を作製した。さらに、その混合物を金型で加圧成型して直径1cmの円柱状予備成型体を作製した。
次に、円柱状予備成型体を電気炉中(大気雰囲気)において表の焼成温度で20分加熱し、UVライト(発光ピーク波長365nm、254nm)、および近紫外ダイオード(発光ピーク波長400nm)の3つの異なる波長の光をそれぞれ照射し、輝度計(ミノルタ社製 LS−100)にて相対輝度の測定を行った。なお、輝度変化率は蛍光色変換部材の焼成前後での輝度の変化率を示すものであり、(焼成後輝度/焼成前輝度)×100(%)で表される。この値が大きいほど、変換部材の変換効率が高いと言える。
その結果、ZnO−B23−SiO2系ガラス粉末を用いた本発明の試料No.1は、輝度変化率が大きいことが確認された。
(実施例2)
グリーンシート状にした本発明の発光色変換材料を用いて発光色変換部材を作製し、そのエネルギー変換効率を評価した。
まず、グリーンシートを以下のようにして作製した。
実施例1で用意したガラス粉末(ZnO−B23−SiO2系ガラス1)とZnS蛍光体粉末(化成オプトニクス株式会社製 平均粒径:8μm)を、質量比で95:5の割合で添加し、混合して混合粉末を作製した。次いで、作製した混合粉末100に対して、結合剤としてメタアクリル酸樹脂を30質量%、可塑剤としてフタル酸ジブチルを3質量%、溶剤としてトルエンを20質量%添加し、混合してスラリーを作製した。続けて、上記スラリーをドクターブレード法によって、PETフィルム上にシート成形し、乾燥して、50μmの厚みの発光色変換材料グリーンシートを得た。
次に、拘束部材として、グリーンシート化した無機材料を準備した。無機材料には、アルミナ粉末(住友アルミ社製 ALM−21 平均粒径:2μm)を用い、上記の発光色変換部材形成材料からなるグリーンシートの作製方法と同様の混合割合および方法で、200μmの厚みの拘束グリーンシート(アルミナグリーンシート)を得た。
続けて、発光色変換材料グリーンシートおよび拘束グリーンシートを100×100mmの大きさに切断し、拘束グリーンシート上に発光色変換材料グリーンシートを3枚積層し、さらに、その上に、拘束グリーンシートを積層し、熱圧着によって一体化して積層体を作製した後、600℃で焼成した。その後、超音波洗浄を行い、得られた焼結体の表面に残存する未焼結のアルミナ層を除去して、大きさ100×100mm、肉厚120μmの発光色変換部材を作製した。
このようにして得られた発光色変換部材について、部材の背後から紫外光(発光ピーク波長400nm)を照射したところ、ZnSによる緑色の光が得られた。また、エネルギー変換効率および気孔率を測定したところ、エネルギー変換効率は、12%であり、気孔率は2%であった。
なお、エネルギー変換効率は、分光光度計を用いて、光源のエネルギー(a)、発光色変換部材を透過した光源と同じ波長の光のエネルギー(b)および発光色変換部材中で光源の波長によって変換された光のエネルギーを(c)を測定し、〔c/(a−b)〕×100(%)より求めた。
また、気孔率については、アルキメデス法を用いて、実測密度と理論密度を測定し、(1−実測密度/理論密度)×100(%)より求めた。
(実施例3)
質量百分率で、ZnO 35%、B23 45%、SiO2 10%、Na2O 7%、Al23 1%、Li2O 2%含有するガラス(ZnO−B23−SiO2系ガラス2)および、質量百分率でSiO2 50%、BaO 25%、CaO 12%、Al23 6%、B23 5%、ZnO 2%含有するガラス(SiO2−BaO系ガラス)となるように、各種酸化物のガラス原料を調合し、均一に混合した後、この混合物を白金坩堝中において、表2に示す溶融温度で2時間溶融してガラス化し、フィルム状に成形した。次に、得られたフィルム状のガラスをボールミルで粉砕した後、325メッシュの篩に通して分級し、ガラス粉末を得た。
次に、得られたガラス粉末と酸化物蛍光体粉末を、表2に示す蛍光体含有量となるように混合し、金型で加圧成型して直径1cmのボタン状の予備成型体を作製した。この予備成型体を、表2に示す焼結温度で焼成した後、焼成体を加工し、直径8mm、厚さ0.55mmの円盤状の発光色変換部材を得た。
得られた発光色変換部材について、発光スペクトルを測定し、発光効率を計算により求めた。発光スペクトルは、積分球内で青色LED(発光ピーク波長460nm)の光を試料の片面に入射し、その面と反対側の面から発せられた光を小型のマルチチャネル分光器を通してPC上に取り込んだ。発光効率は、得られた発光スペクトルに標準化視感度を掛け合わせて全光束(lm)を求めたのち、励起青色LEDにかかる電力(W)で除して算出した。発光効率を表2に示す。
Figure 2007191702
表2からわかるように、ZnO−B23−SiO2系ガラス粉末を用いた本発明の試料No.3では、発光効率が大きいことが確認された。一方、焼成温度が高温となっているSiO2−BaO系ガラス粉末を用いた試料No.4では、発光効率は著しく劣ったものとなった。

Claims (6)

  1. ZnO−B23−SiO2系ガラス粉末と、酸化物、硫化物、酸硫化物、ハロゲン化物およびアルミン酸塩から選ばれる1種以上の無機蛍光体粉末を含有することを特徴とする発光色変換材料。
  2. ガラス粉末と無機蛍光体粉末の混合割合が、質量比で99.99:0.01〜70:30の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の発光色変換材料。
  3. ガラス粉末が、ガラス組成として、質量%で、ZnO 5〜60%、B23 5〜50%、SiO2 2〜30%を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の発光色変換材料。
  4. グリーンシートまたはペーストの形態で提供されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の発光色変換材料。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の発光色変換材料を焼成してなることを特徴とする発光色変換部材であって、波長250nm〜500nmの領域に発光ピークを有する光を照射すると、380nm〜780nmの可視光域に蛍光を発する発光色変換部材。
  6. 請求項5に記載の発光色変換部材を用いてなる白色LED。
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